JP4864768B2 - 在庫管理支援装置および在庫管理支援プログラム - Google Patents

在庫管理支援装置および在庫管理支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は在庫管理支援装置および在庫管理支援プログラムに関し、特に物品の取引履歴から保持すべき在庫量を推計する在庫管理支援装置および在庫管理支援プログラムに関する。
現在、さまざまな組織において、業務の遂行を支援する情報処理システムが利用されている。このような情報処理システムの1つに、在庫管理支援システムがある。在庫管理では、在庫不足や在庫過剰による業務上の損失を抑制するために、在庫量を適切な水準に維持することが求められる。これに対し、在庫管理支援システムは、商取引に伴う在庫量の変動を監視し、物品を調達するタイミングや調達量を自動的に計算する。在庫管理支援システムを用いることで、在庫管理の負担を大きく軽減することができる。
ここで、在庫管理支援システムを運用するためには、保持すべき適切な在庫量を物品毎に決めておく必要がある。保持すべき在庫量は、通常、在庫管理支援システムが過去の取引履歴などに基づいて推計し、その後、業務担当者が経験や勘に基づいて推計結果を修正することで決定する。特に、需要に変動がある業務の場合には、在庫管理支援システムが取引履歴から統計的処理によって推計した結果が重要な情報となる。
需要に変動がある場合の在庫量の推計方法として、安全在庫量の観点に基づく推計方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。安全在庫量とは、平均的な需要を超える量の需要に備えて、余分に保持しておくべき在庫量である。安全在庫量は、需要量の確率分布における標準偏差などを用いて計算することができる。安全在庫量の観点に基づく推計方法は、品切損失をできる限り抑制したい業務の場合に適合する。
また、需要に変動がある場合の他の推計方法として、最適仕入量の観点に基づく推計方法も知られている。最適仕入量とは、調達した物品を所定期間内に売り切る必要があるという前提のもと、品切損失と売残損失の合計である機会損失の期待値を最小化できる調達量である。最適仕入量は、安全在庫量と同様、需要量の確率分布から計算することができる。最適仕入量の観点に基づく推計方法は、新聞や生鮮食料品など、在庫の価値が所定期間経過後に失われる業務の場合に適合する。
特許第3698433号公報
ところで、在庫管理が特に重要である業務の1つとして、部品センター業務がある。部品センター業務とは、機械設備の部品など、需要の発生頻度が低い物品をまとめて保管し、需要発生時に提供する業務である。部品センターは、自身の担当地域内で需要が発生すると、保持している在庫がある場合にはそれを需要地に配送する。一方、在庫が不足している場合には、他の部品センターなどから調達して需要地に配送する。部品センターは、多種多様な物品に対する低頻度の需要に対応しなければならず、在庫管理が複雑になるため、在庫管理支援システムによる支援が不可欠である。
しかし、上記の従来技術、すなわち、安全在庫量の観点に基づく推計方法や最適仕入量の観点に基づく推計方法では、部品センターが保持すべき在庫量を適切に推計することができないという問題がある。その理由は、以下の通りである。
安全在庫量の観点では在庫不足時は販売の機会が失われることが前提であるのに対し、部品センターの場合は追加的な費用を負担することで在庫不足時の需要にも対応することができる。そのため、安全在庫量の観点に基づく推計方法を用いると、保持すべき在庫量が多めに推計されてしまい、在庫保管費の負担が大きくなってしまう。また、最適仕入量の観点では単位期間当たり(例えば、1日当たり)の需要量の変動を問題とするのに対し、部品センターの場合は需要が低頻度であるため単位期間当たりの需要量を特定することが困難である。そのため、最適仕入量の観点に基づく推計方法では、信頼性の高い推計結果を得ることができない。
従って、これまで部品センターのような業務では、業務担当者が経験や勘に基づいて個々の物品の適切な在庫量を決めていた。このため、在庫管理の負担が非常に大きいという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、個々の物品に対する需要の発生頻度が低く、在庫不足時は代替手段によって調達可能な業務において、最適な在庫量を推計する在庫管理支援装置および在庫管理支援プログラムを提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、図1に示す在庫管理支援装置が提供される。本発明に係る在庫管理支援装置は、物品の取引履歴から保持すべき在庫量を推計するものである。在庫管理支援装置1は、取引情報記憶手段1a、物品情報記憶手段1b、平均計算手段1c、偏差計算手段1d、間隔計算手段1e、確率計算手段1fおよび在庫量計算手段1gを有する。取引情報記憶手段1aは、物品に対する過去の需要の発生時期と需要量との情報を記憶する。物品情報記憶手段1bは、物品の移送に伴う移送コストと、在庫として保持することによる保持コストとの情報を記憶する。平均計算手段1cは、取引情報記憶手段1aを参照して、需要1回当たりの需要量の平均である需要平均を計算する。偏差計算手段1dは、取引情報記憶手段1aを参照して、需要1回当たりの需要量の分散度を示す指標である需要偏差を計算する。間隔計算手段1eは、取引情報記憶手段1aを参照して、需要の発生間隔の平均である需要間隔を計算する。確率計算手段1fは、物品情報記憶手段1bを参照して、需要発生時に在庫保管場所と異なる場所から物品を調達する場合に追加的に必要となる移送コストである品切損失と、間隔計算手段1eが計算した需要間隔だけ物品を保持する場合の保持コストである売残損失とを特定し、品切損失と売残損失との合計に対する品切損失の比率である需要確率を計算する。在庫量計算手段1gは、平均計算手段1cが計算した需要平均と偏差計算手段1dが計算した需要偏差とから推定される需要量の確率分布において、需要量の小さい方から累積した累積確率が、確率計算手段1fが計算した需要確率に達するときの需要量を特定し、特定した需要量を在庫量に決定する。
このような在庫管理支援装置1によれば、平均計算手段1cにより需要1回当たりの需要量の平均である需要平均が計算され、偏差計算手段1dにより需要1回当たりの需要量の分散度を示す指標である需要偏差が計算され、間隔計算手段1eにより需要の発生間隔の平均である需要間隔が計算される。また、確率計算手段1fにより、在庫不足時の追加的な移送コストである品切損失と、需要間隔だけ物品を保持する場合の保持コストである売残損失とが特定され、品切損失と売残損失との合計に対する品切損失の比率である需要確率が計算される。そして、在庫量計算手段1gにより、需要平均と需要偏差とから推定される需要量の確率分布において、累積確率が需要確率に達するときの需要量が、在庫量として決定される。
また、上記課題を解決するために、物品の取引履歴から必要な在庫量を推定する在庫管理支援プログラムにおいて、コンピュータを、物品に対する過去の需要の発生時期と需要量との情報を記憶する取引情報記憶手段と、物品の移送に伴う移送コストと、在庫として保持することによる保持コストとの情報を記憶する物品情報記憶手段、取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの需要量の平均である需要平均を計算する平均計算手段、取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの需要量の分散度を示す指標である需要偏差を計算する偏差計算手段、取引情報記憶手段を参照して、需要の発生間隔の平均である需要間隔を計算する間隔計算手段、物品情報記憶手段を参照して、需要発生時に在庫保管場所と異なる場所から物品を調達する場合に追加的に必要となる移送コストである品切損失と、間隔計算手段が計算した需要間隔だけ物品を保持する場合の保持コストである売残損失とを特定し、品切損失と売残損失との合計に対する品切損失の比率である需要確率を計算する確率計算手段、平均計算手段が計算した需要平均と偏差計算手段が計算した需要偏差とから推定される需要量の確率分布において、需要量の小さい方から累積した累積確率が、確率計算手段が計算した需要確率に達するときの需要量を特定し、特定した需要量を在庫量に決定する在庫量計算手段、として機能させることを特徴とする在庫管理支援プログラムが提供される。
このような在庫管理支援プログラムを実行するコンピュータによれば、平均計算手段により需要1回当たりの需要量の平均である需要平均が計算され、偏差計算手段により需要1回当たりの需要量の分散度を示す指標である需要偏差が計算され、間隔計算手段により需要の発生間隔の平均である需要間隔が計算される。また、確率計算手段により、在庫不足時の追加的な移送コストである品切損失と、需要間隔だけ物品を保持する場合の保持コストである売残損失とが特定され、品切損失と売残損失との合計に対する品切損失の比率である需要確率が計算される。そして、在庫量計算手段により、需要平均と需要偏差とから推定される需要量の確率分布において、累積確率が需要確率に達するときの需要量が、在庫量として決定される。
本発明では、取引履歴に基づいて需要1回当たりの需要平均と需要偏差とを計算して需要量の確率分布を推定すると共に、累積確率が品切損失と売残損失との合計に対する品切損失の比率に達するときの需要量を在庫量とすることとした。これにより、需要の発生頻度が低い業務でも、業務の実態に即した信頼性の高い統計処理が可能となる。また、損失の期待値が最小になるように在庫量を決定するため、過剰な在庫を保持することによる保持コストの増大を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、本実施の形態の概要について説明し、その後、本実施の形態の具体的な内容を説明する。
図1は、本実施の形態の概要を示す図である。図1に示す在庫管理支援装置は、物品の取引履歴から保持すべき在庫量を推計するものである。図1に示す在庫管理支援装置1は、取引情報記憶手段1a、物品情報記憶手段1b、平均計算手段1c、偏差計算手段1d、間隔計算手段1e、確率計算手段1fおよび在庫量計算手段1gを有する。
取引情報記憶手段1aには、物品に対する過去の需要を示す取引情報が蓄積されている。取引情報には、少なくとも、需要の発生時期の情報とそのときの需要量の情報とが含まれている。
物品情報記憶手段1bには、物品に関するコストを示す物品情報が記憶されている。物品情報には、少なくとも、物品の移送に伴う単位量当たり(例えば、1個当たり)の移送コストの情報と、物品を在庫として保持する場合の単位期間当たり(例えば、1日当たり)の保持コストの情報とが含まれている。なお、保持コストには、例えば、物品を保管するために必要な在庫保管費や、時間経過に伴う物品の価値の低下による減価償却費などが含まれる。
平均計算手段1cは、取引情報記憶手段1aから需要量の情報を取得する。そして、平均計算手段1cは、需要1回当たりの需要量の平均を計算し、計算した平均値を需要平均として出力する。
偏差計算手段1dは、取引情報記憶手段1aから需要量の情報を取得する。そして、偏差計算手段1dは、需要1回当たりの需要量の分散度を示す指標を計算し、計算した指標を需要偏差として出力する。なお、分散度を示す指標は、例えば、統計学上の分散、不偏分散、標準偏差、不偏標準偏差などである。
間隔計算手段1eは、取引情報記憶手段1aから需要の発生時期の情報を取得する。そして、間隔計算手段1eは、需要の発生間隔の平均を計算し、計算した平均値を需要間隔として出力する。
確率計算手段1fは、物品情報記憶手段1bから移送コストの情報と保持コストの情報と取得する。次に、確率計算手段1fは、需要発生時に在庫保管場所と異なる場所から物品を調達する場合の追加的なコストである品切損失を特定する。品切損失は、例えば、在庫保管場所から配達担当地域に物品を配達する場合の移送コストと、物品の調達先から配達担当地域に物品を配達する場合の移送コストの差分である。また、確率計算手段1fは、間隔計算手段1eが出力した需要間隔だけ物品を保持する場合のコストである売残損失を特定する。売残損失は、例えば、単位期間当たりの保持コストと需要間隔とを乗算した値である。そして、確率計算手段1fは、特定した品切損失と売残損失との合計に対する品切損失の比率を計算し、計算した比率を需要確率として出力する。
在庫量計算手段1gは、平均計算手段1cが出力した需要平均、偏差計算手段1dが出力した需要偏差および確率計算手段1fが出力した需要確率を用いて、保持すべき在庫量を決定する。具体的には、在庫量計算手段1gは、需要平均と需要偏差とから需要量の確率分布を推定する。そして、在庫量計算手段1gは、需要量の小さい方から累積した累積確率が、需要確率に達するときの需要量を特定し、特定した需要量を在庫量に決定する。
なお、需要の変動が推定した確率分布に従う限り、このようにして決定した在庫量を維持することで、損失の期待値を最小にすることができる。これは、物品の単位量当たりの品切損失と売残損失とが特定できた場合に、需要量の確率分布において、需要量Sよりも少ない確率×売残損失=需要量Sよりも多い確率×品切損失となるような需要量Sが、損失の期待値が最小になる在庫量であるという統計学上の知識を利用したものである。
このような在庫管理支援装置1によれば、平均計算手段1cにより需要1回当たりの需要量の平均である需要平均が計算され、偏差計算手段1dにより需要1回当たりの需要量の分散度を示す指標である需要偏差が計算され、間隔計算手段1eにより需要の発生間隔の平均である需要間隔が計算される。また、確率計算手段1fにより、在庫不足時の追加的な移送コストである品切損失と、需要間隔だけ物品を保持する場合の保持コストである売残損失とが特定され、品切損失と売残損失との合計に対する品切損失の比率である需要確率が計算される。そして、在庫量計算手段1gにより、需要平均と需要偏差とから推定される需要量の確率分布において、累積確率が需要確率に達するときの需要量が、在庫量として決定される。
これにより、需要の発生頻度が低い業務でも、業務の実態に即した信頼性の高い統計処理が可能となる。また、損失の期待値が最小になるように在庫量を決定するため、過剰な在庫を保持することによる保持コストの増大を抑制できる。
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施の形態のシステム構成を示す図である。本実施の形態に係る部品配送システムは、機械設備の部品などの需要の発生頻度が低い部品をまとめて保管し、需要発生時に店舗や工場などに提供するシステムである。これにより、店舗や工場は、需要の発生頻度が低い部品を在庫として保持する必要がなくなる。図2に示す部品配送システムは、部品センター10,10a、中央倉庫20、店舗30,30a、工場40、ネットワーク50および管理コンピュータ100,200,300を有している。
部品センター10,10aは、機械設備などに使用される多種多様な部品を在庫として保持している。部品センター10,10aは、それぞれの担当地域内で部品の需要が発生すると、需要量に対応する在庫がある場合には、それを需要地に配送する。そして、所定の在庫水準を維持するために、中央倉庫20に対して部品の供給を依頼する。一方、需要量に対応する在庫がない場合には、部品センター10,10aは、中央倉庫20に対して需要地への配送を依頼する。
部品センター10は、ネットワーク50に接続された管理コンピュータ100を保有している。管理コンピュータ100は、ネットワーク50経由で需要の発生を示すメッセージを受信し、モニタに表示する。これにより、部品センター10の担当者は需要が発生したことを知る。また、管理コンピュータ100は、担当者の操作入力に応答して、中央倉庫20に対して部品の供給や配送を依頼するメッセージを、ネットワーク50経由で送信する。部品センター10aも、管理コンピュータ100と同様のコンピュータを保有している。
中央倉庫20は、卸売業者から部品を調達して在庫として保持している。中央倉庫20は、さまざまな需要に対応できるだけの十分な在庫を有している。ここで、中央倉庫20は、部品センター10,10aから供給の依頼を受けた部品を、定期的に巡回する配送車に乗せて、部品センター10,10aに供給する。また、部品センター10,10aから特定の需要地への配送の依頼を受けると、臨時の配送車を手配して、指定された需要地へ部品を配送する。
中央倉庫20は、ネットワーク50に接続された管理コンピュータ200を保有している。管理コンピュータ200は、供給や配送の依頼を示すメッセージをネットワーク50経由で受信し、モニタに表示する。これにより、中央倉庫20の担当者は、部品の供給や配送の手配が必要であることを知る。
店舗30は、部品センター10の担当地域内に位置している。店舗30は、ネットワーク50に接続された管理コンピュータ300を保有している。店舗30の担当者は、保有する機械設備などの部品が故障すると、管理コンピュータ300を操作して、故障した部品と必要な数量とを入力する。管理コンピュータ300は、入力内容に従って、部品センター10に部品の配送を依頼するメッセージを、ネットワーク50経由で送信する。
店舗30aおよび工場40は、部品センター10aの担当地域内に位置している。店舗30aおよび工場40は、それぞれ管理コンピュータ300と同様のコンピュータを保有している。
ここで、店舗30で部品の故障が発生してから、代替の部品が店舗30に配送されるまでの流れは以下のようになる。まず、店舗30の担当者は、管理コンピュータ300を操作して、管理コンピュータ100宛てにメッセージを送信する。部品センター10の担当者は、管理コンピュータ100によって表示されたメッセージを見て、需要に対応する在庫があるか否か調べる。在庫がある場合には、配送車を手配して部品を店舗30に配送する。一方、在庫がない場合には、管理コンピュータ100を操作して、管理コンピュータ200宛てにメッセージを送信する。中央倉庫20の担当者は、管理コンピュータ200によって表示されたメッセージを見て、配送車を手配して部品を店舗30に配送する。
このような部品配送システムでは、部品センター10,10aが保持すべき在庫量が問題となる。そこで、管理コンピュータ100は、部品センター10の担当地域内で過去に発生した需要の情報を蓄積し、蓄積した情報から適切な在庫量を推計する機能を有している。部品センター10の担当者は、管理コンピュータ100を用いることで、保持すべき在庫量を適宜検討することができる。また、部品センター10aが保有するコンピュータも、管理コンピュータ100と同様の機能を有している。
図3は、管理コンピュータのハードウェア構成を示す図である。管理コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105および通信インタフェース106が接続されている。
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。通信インタフェース106は、ネットワーク50に接続されている。通信インタフェース106は、ネットワーク50を介して、他の管理コンピュータとの間でデータの送受信を行う。
なお、管理コンピュータ200,300も、管理コンピュータ100と同様のハードウェア構成によって実現することができる。以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
図4は、管理コンピュータの機能を示すブロック図である。管理コンピュータ100は、部品情報記憶部110、取引情報記憶部120、統計情報記憶部130、注文処理部140、統計処理部150および在庫量表示部160を有している。
部品情報記憶部110には、個々の部品についての部品情報が記憶される。部品情報には、部品の配送費用に関する情報と、部品を在庫として保持する場合の費用に関する情報とが含まれる。また、部品情報には、部品をその種類に応じてグループ分けした情報も含まれる。
取引情報記憶部120には、過去に発生した需要についての取引情報が記憶される。取引情報には、日付、需要があった部品および需要量が含まれる。統計情報記憶部130には、個々の部品についての推計された適切な在庫量の情報が記憶される。また、統計情報記憶部130には、在庫量を推計する際の途中結果の情報も記憶される。
注文処理部140は、需要の発生を示すメッセージをネットワーク50を介して受信する。このとき、注文処理部140は、メッセージの内容をモニタ11に表示すると共に、メッセージを受信した日付、需要があった部品および需要量を特定し、取引情報として取引情報記憶部120に格納する。
統計処理部150は、担当者の操作入力によって統計処理の開始が指示されると、部品情報記憶部110に記憶された部品情報と、取引情報記憶部120に記憶された取引情報とから、個々の部品についての適切な在庫量を推計する。統計処理部150は、途中結果の情報と最終結果の情報とを、適宜、統計情報記憶部130に格納する。
具体的には、統計処理部150は、平均計算部151、グループ統計部152および在庫量計算部153で構成される。平均計算部151は、取引情報に基づいて、部品毎に、需要1回当たりの需要量の平均と、需要が発生する間隔の平均とを計算する。グループ統計部152は、取引情報に基づいて、部品グループ毎に、その部品グループに属する部品の需要1回当たりの需要量の変動係数を計算する。在庫量計算部153は、平均計算部151の計算結果、グループ統計部152の計算結果および部品情報に基づいて、部品毎に、適切な在庫量を決定する。
在庫量表示部160は、統計処理部150によって個々の部品についての在庫量が推計されると、統計情報記憶部130から在庫量の情報を取得し、モニタ11に表示する。また、その後、担当者の操作入力によって在庫量の表示が指示される毎に、統計情報記憶部130から情報を取得してモニタ11に表示する。
図5は、部品テーブルのデータ構造例を示す図である。図5に示す部品テーブル111は、部品情報記憶部110に格納されている。部品テーブル111には、部品コードを示す項目、部品グループを示す項目、追加配送費を示す項目、保管費を示す項目および減価償却費を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、部品情報を構成する。
部品コードを示す項目には、個々の部品に一意に割り当てられた識別コードが設定される。部品グループを示す項目には、部品が属する部品グループに一意に割り当てられた識別コードが設定される。追加配送費を示す項目には、需要発生時に在庫がある場合とない場合との配送費の差額が設定される。すなわち、部品センター10から担当地域に部品を配送する場合の配送費と、中央倉庫20から担当地域に部品を配送する場合の配送費との差額が設定される。保管費を示す項目には、1個の部品を1日だけ保管する場合の費用額が設定される。減価償却費を示す項目には、1日経過することによる部品1個当たりの減価償却費の額が設定される。
部品テーブル111に格納される部品情報は、予め担当者によって登録される。また、必要に応じて、担当者によって適宜更新される。例えば、部品コードが“CN0501”、部品グループが“A”、追加配送費が“970”、保管費が“33.0”、減価償却費が“26.2”という情報が登録される。
なお、図5に示したデータ構造例では、配送費の差額を直接設定するようにしたが、需要発生時に在庫がある場合とない場合との配送費をそれぞれ設定しておき、在庫量の推計時に差額を計算するようにしてもよい。
図6は、取引テーブルのデータ構造例を示す図である。図6に示す取引テーブル121は、取引情報記憶部120に格納されている。取引テーブル121には、日付を示す項目、部品コードを示す項目および需要量を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、取引情報を構成する。
日付を示す項目には、需要が発生した日付が設定される。部品コードを示す項目には、需要があった部品を一意に識別する識別コードが設定される。需要量を示す項目には、必要な部品の数量が設定される。
取引テーブル121に格納される取引情報は、注文処理部140によって適宜追加される。例えば、日付が“2005/9/1”、部品コードが“CN0502”、需要量が“3”という情報が追加される。
図7は、統計テーブルのデータ構造例を示す図である。統計テーブルは、具体的には、部品統計テーブル131とグループ統計テーブル132とで構成される。図7に示す部品統計テーブル131およびグループ統計テーブル132は、統計情報記憶部130に格納されている。
部品統計テーブル131には、部品コードを示す項目、需要間隔を示す項目、需要平均を示す項目、需要偏差を示す項目、需要確率を示す項目および在庫量を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
部品コードを示す項目には、個々の部品に一意に割り当てられた識別コードが設定される。需要間隔を示す項目には、需要が発生してから次の需要が発生するまでの間隔の平均期間が設定される。需要平均を示す項目には、需要1回当たりの需要量の平均値が設定される。需要偏差を示す項目には、需要1回当たりの需要量の分散度を示す値が設定される。需要確率を示す項目には、需要量の確率分布において、損失の期待値が最小となるときの累積確率の値が設定される。在庫量を示す項目には、推計された最適な在庫量の値が設定される。
グループ統計テーブル132には、部品グループを示す項目、グループ平均を示す項目および変動係数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられている。
部品グループを示す項目には、個々の部品グループに一意に割り当てられた識別コードが設定される。グループ平均を示す項目には、部品グループに属する部品の需要1回当たりの需要量の平均値が設定される。変動係数を示す項目には、部品グループに属する部品の需要1回当たりの需要量の変動係数の値が設定される。
部品統計テーブル131およびグループ統計テーブル132に格納される情報のうち、部品コードと部品グループとは、予め担当者によって登録される。その他の項目は、初期状態として空欄に設定されている。空欄の項目は、統計処理部150によって、計算の進行と共に適宜情報が登録される。
次に、以上のような構成およびデータ構造のシステムにおいて実行される処理の詳細を説明する。
図8は、平均計算処理の手順を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]平均計算部151は、部品情報記憶部110に格納された部品テーブル111を参照して、未選択の部品を1つ選択する。
[ステップS12]平均計算部151は、取引情報記憶部120に格納された取引テーブル121を検索して、ステップS11で選択した部品についての取引情報を抽出する。
[ステップS13]平均計算部151は、ステップS12で抽出した取引情報の個数をカウントする。
[ステップS14]平均計算部151は、ステップS12で抽出した取引情報から、需要が発生していた期間を計算する。具体的には、平均計算部151は、需要が発生した最も古い日付と最も新しい日付とを特定し、両者の差を需要が発生していた期間とする。
[ステップS15]平均計算部151は、ステップS13でカウントした個数とステップS14で計算した期間とから、需要間隔を計算する。具体的には、平均計算部151は、ステップS14で計算した期間を、ステップS13でカウントした個数より1だけ引いた値で除算する。そして、平均計算部151は、計算した需要間隔の値を、統計情報記憶部130に格納された部品統計テーブル131に登録する。
[ステップS16]平均計算部151は、ステップS12で抽出した取引情報から、需要数の総和を計算する。
[ステップS17]平均計算部151は、ステップS16で計算した総和をステップS13でカウントした個数で除算することで、需要平均を計算する。そして、平均計算部151は、計算した需要平均の値を、部品統計テーブル131に登録する。
[ステップS18]平均計算部151は、ステップS11で全ての部品を選択したか否か判断する。全ての部品を選択した場合には、平均計算処理が終了する。未選択の部品がある場合には、処理がステップS11に進められる。
このようにして、平均計算部151は、取引情報に基づいて、個々の部品の需要間隔と需要平均とを計算し、計算結果を部品統計テーブル131に登録する。
図9は、平均計算処理後の統計テーブルの状態を示す図である。すなわち、図9に示す部品統計テーブル131aは、図8に示した平均計算処理が実行されることで、図7に示した部品統計テーブル131が更新された状態のテーブルである。
平均計算処理が実行されることで、図9に示す通り、需要間隔を示す項目と需要平均を示す項目とに値が設定される。例えば、需要間隔が“6.03”、需要平均が“1.33”という値が設定される。なお、需要間隔の単位は“日”であり、需要平均の単位は需要量の単位(例えば、“個”)と同じである。
図10は、グループ統計処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]グループ統計部152は、部品情報記憶部110に格納された部品テーブル111を参照して、未選択の部品グループを1つ選択する。そして、グループ統計部152は、選択した部品グループに属する1つ以上の部品を特定する。
[ステップS22]グループ統計部152は、取引情報記憶部120に格納された取引テーブル121を検索して、ステップS21で特定した全ての部品についての取引情報を抽出する。
[ステップS23]グループ統計部152は、ステップS22で抽出した取引情報の個数をカウントする。
[ステップS24]グループ統計部152は、ステップS22で抽出した取引情報から、需要数の総和を計算する。
[ステップS25]グループ統計部152は、ステップS24で計算した総和をステップS23でカウントした個数で除算することで、グループ平均を計算する。そして、グループ統計部152は、計算したグループ平均の値を、統計情報記憶部130に格納されたグループ統計テーブル132に登録する。
[ステップS26]グループ統計部152は、ステップS22で抽出した取引情報とステップS25で計算したグループ平均とから、需要量の偏差二乗和を計算する。具体的には、グループ統計部152は、個々の取引情報について需要量とグループ平均との差の二乗を計算し、それらの総和を計算する。
[ステップS27]グループ統計部152は、ステップS23でカウントした個数、ステップS25で計算したグループ平均およびステップS26で計算した偏差二乗和から、需要量の変動係数を計算する。具体的には、グループ統計部152は、ステップS26で計算した偏差二乗和を、ステップS23でカウントした個数より1だけ引いた値で除算し、更にその平方根を計算することで、グループの不偏標準偏差を計算する。そして、計算した不偏標準偏差を、ステップS25で計算したグループ平均で除算することで、変動係数を計算する。その後、グループ統計部152は、計算した変動係数の値を、グループ統計テーブル132に登録する。
[ステップS28]グループ統計部152は、ステップS21で全ての部品グループを選択したか否か判断する。全ての部品グループを選択した場合には、グループ統計処理が終了する。未選択の部品グループがある場合には、処理がステップS21に進められる。
このようにして、グループ統計部152は、取引情報に基づいて、個々の部品グループのグループ平均と変動係数とを計算し、計算結果をグループ統計テーブル132に登録する。なお、上記のグループ統計処理では、変動係数を計算する際の分子として不偏標準偏差を用いたが、標準偏差を用いるようにしてもよい。
図11は、グループ統計処理後の統計テーブルの状態を示す図である。すなわち、図11に示すグループ統計テーブル132aは、図10に示したグループ統計処理が実行されることで、図7に示したグループ統計テーブル132が更新された状態のテーブルである。
グループ統計処理が実行されることで、図11に示す通り、グループ平均を示す項目と変動係数を示す項目とに値が設定される。例えば、グループ平均が“1.57”、変動係数が“0.54”という値が設定される。なお、グループ平均の単位は需要量の単位と同じであり、変動係数の単位は無単位である。
図12は、在庫量計算処理の手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]在庫量計算部153は、部品情報記憶部110に格納された部品テーブル111を参照して、未選択の部品を1つ選択する。
[ステップS32]在庫量計算部153は、部品情報に基づいて、ステップS31で選択した部品が属する部品グループを特定する。
[ステップS33]在庫量計算部153は、統計情報記憶部130に格納された部品統計テーブル131aを検索して、ステップS31で選択した部品の需要平均を特定する。また、統計情報記憶部130に格納されたグループ統計テーブル132aを検索して、ステップS32で特定した部品グループの変動係数を特定する。そして、在庫量計算部153は、変動係数に需要平均を乗算することで、需要偏差を計算する。その後、在庫量計算部153は、計算した需要偏差の値を、部品統計テーブル131aに登録する。
[ステップS34]在庫量計算部153は、ステップS31で選択した部品の単位量当たりの売残損失を計算する。具体的には、在庫量計算部153は、部品テーブル111を検索して、部品の保管費と減価償却費とを特定する。また、部品統計テーブル131aを検索して、部品の需要間隔を特定する。そして、在庫量計算部153は、保管費と減価償却費との合計に需要間隔を乗算した値を、売残損失とする。
[ステップS35]在庫量計算部153は、部品テーブル111を検索して、ステップS31で選択した部品の追加配送費を特定し、これを品切損失とする。そして、在庫量計算部153は、品切損失とステップS34で計算した売残損失とを合計して機会損失を計算し、品切損失を機会損失で除算して需要確率を計算する。その後、在庫量計算部153は、計算した需要確率の値を、部品統計テーブル131aに登録する。
[ステップS36]在庫量計算部153は、部品統計テーブル131aを検索して、ステップS31で選択した部品の需要平均、需要偏差および需要確率を特定する。次に、在庫量計算部153は、需要量の確率分布が正規分布モデルに従うことを前提として、需要平均と需要偏差とから確率分布を推定する。そして、在庫量計算部153は、推定した確率分布において、累積確率が需要確率に達するときの需要量を特定し、小数点以下を切り上げて在庫量とする。その後、在庫量計算部153は、在庫量の値を、部品統計テーブル131aに登録する。
[ステップS37]在庫量計算部153は、ステップS31で全ての部品を選択したか否か判断する。全ての部品を選択した場合には、在庫量計算処理が終了する。未選択の部品がある場合には、処理がステップS31に進められる。
このようにして、在庫量計算部153は、個々の部品について、まず需要偏差と需要確率とを計算し、計算結果を部品統計テーブル131aに登録する。そして、正規分布モデルに基づいて、需要平均、需要偏差および需要確率から最適な在庫量を計算し、計算結果を部品統計テーブル131aに登録する。
ここで、多くの表計算ソフトウェアでは、正規分布モデルに基づいて数量から累積確率を求める累積分布関数やその逆関数が用意されている。このような累積分布関数は、平均、標準偏差(または不偏標準偏差)および数量を入力引数とし、累積確率を出力とする。累積分布関数の逆関数は、平均、標準偏差(または不偏標準偏差)および累積確率を入力引数とし、数量を出力とする。従って、需要平均、需要偏差および需要確率から在庫量を計算する場合、累積分布関数の逆関数を利用することができる。
図13は、累積分布関数の逆関数の入出力関係を示す模式図である。図13に示すように、累積分布関数の逆関数の入力引数である平均μ、標準偏差(または不偏標準偏差)σおよび累積確率Pに、それぞれ需要平均、需要偏差および需要確率の値を設定して関数を実行することで、在庫量を示す数量xを得ることができる。なお、ここで出力される数量xは小数点以下を含む場合があるため、小数点以下を切り上げて在庫量とする。
図14は、累積分布関数の逆関数を示すグラフである。図14に示すグラフでは、入力引数である累積確率Pを横軸とし、出力である数量xを縦軸としている。グラフの曲線は、入力引数である平均μと標準偏差(または不偏標準偏差)σによって一意に特定される。そして、この曲線上で累積確率Pを1つ指定すると、対応する数量xが一意に特定される。従って、例えば図14に示すような累積分布関数の逆関数が特定された場合、需要確率が“0.73”のとき、在庫量は小数点以下を切り上げて“3”と決定される。
図15は、在庫量計算処理後の統計テーブルの状態を示す図である。すなわち、図15に示す部品統計テーブル131bは、図12に示した在庫量計算処理が実行されることで、図11に示した部品統計テーブル131aが更新された状態のテーブルである。
在庫量計算処理が実行されることで、図15に示す通り、需要偏差を示す項目、需要確率を示す項目および在庫量を示す項目に値が設定される。例えば、需要偏差が“0.72”、需要確率が“0.73”、在庫量が“3”という値が設定される。なお、需要偏差の単位は需要量の単位と同じであり、需要確率の単位は無単位であり、在庫量の単位は需要量の単位と同じである。
なお、図15に示したデータ項目の計算順序については、上記の本実施の形態で説明した計算順序の他に、さまざまな変形例が考えられる。すなわち、依存関係を有さないデータ項目については、任意の順序で計算が可能である。
図16は、データ項目の依存関係を示す図である。需要間隔、需要平均およびグループ平均は、取引情報から直接計算される。変動係数は、グループ平均を利用して計算される。需要偏差は、需要平均と変動係数とを利用して計算される。需要確率は、部品情報と需要間隔とを利用して計算される。在庫量は、需要平均、需要偏差および需要確率を利用して計算される。従って、例えば、需要偏差を需要平均よりも先に計算することはできない。一方、需要確率と需要偏差は、いずれを先に計算しても構わない。
このような管理コンピュータ100を用いることで、需要の発生頻度が低い部品センター業務でも、業務の実態に即した在庫量の推計が可能となり、信頼性の高い推計結果を得ることができる。また、過剰な在庫を保持することによるコストの増大を抑制できる。
すなわち、単位期間当たりの需要量ではなく、需要1回当たりの需要量に基づいて確率分布を推計するようにしたので、需要が間欠的であることによる信頼性の低下を防止できる。また、部品をグループ分けし、部品グループの変動係数を利用して部品の需要偏差を計算するようにしたので、需要が極めて少ない部品についても信頼性の高い値を得ることができる。また、品切損失を追加的に必要な配送費と定義し、売残損失を次に需要が発生するまでの保管費と減価償却費との合計と定義したので、部品センター業務の実態を考慮して、機会損失の期待値を最小にすることが可能となる。
なお、本実施の形態では、過去に発生した全ての需要に基づいて統計処理を行うようにしたが、担当者の操作入力によって指定された期間内に発生した需要のみに基づいて統計処理を行うようにしてもよい。これにより、需要動向の変化を考慮して在庫量を調整することが可能となる。
以上、本発明の在庫管理支援装置および在庫管理支援プログラムを図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、上記の処理機能は、汎用的なコンピュータによって実現することができる。その場合、管理コンピュータ100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)などがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
上記プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
以上説明した実施の形態の主な技術的特徴は、以下の付記の通りである。
(付記1) 物品の取引履歴から保持すべき在庫量を推計する在庫管理支援装置において、
物品に対する過去の需要の発生時期と需要量との情報を記憶する取引情報記憶手段と、
物品の移送に伴う移送コストと、在庫として保持することによる保持コストとの情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の平均である需要平均を計算する平均計算手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の分散度を示す指標である需要偏差を計算する偏差計算手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、需要の発生間隔の平均である需要間隔を計算する間隔計算手段と、
前記物品情報記憶手段を参照して、需要発生時に在庫保管場所と異なる場所から物品を調達する場合に追加的に必要となる前記移送コストである品切損失と、前記間隔計算手段が計算した前記需要間隔だけ物品を保持する場合の前記保持コストである売残損失とを特定し、前記品切損失と前記売残損失との合計に対する前記品切損失の比率である需要確率を計算する確率計算手段と、
前記平均計算手段が計算した前記需要平均と前記偏差計算手段が計算した前記需要偏差とから推定される前記需要量の確率分布において、前記需要量の小さい方から累積した累積確率が、前記確率計算手段が計算した前記需要確率に達するときの前記需要量を特定し、特定した前記需要量を前記在庫量に決定する在庫量計算手段と、
を有することを特徴とする在庫管理支援装置。
(付記2) 前記取引情報記憶手段は、種類に応じてグループ分けされた複数の物品に対する過去の需要の情報を記憶し、
前記取引情報記憶手段を参照して、推計対象の物品が属するグループについて、需要1回当たりの前記需要量の平均であるグループ平均と、需要1回当たりの前記需要量の分散度を示す指標であるグループ偏差とを計算し、前記グループ標準偏差を前記グループ平均で除算した変動係数を計算するグループ統計手段を更に有し、
前記偏差計算手段は、物品がグループ分けされている場合は、前記グループ統計手段が計算した前記変動係数に前記平均計算手段が計算した前記需要平均を乗算した値を、推計対象の物品の前記需要偏差とする、
ことを特徴とする付記1記載の在庫管理支援装置。
(付記3) 前記物品情報記憶手段は、前記保持コストとして、単位期間当たりの物品の在庫保管費と減価償却費とを示す情報を記憶し、
前記確率計算手段は、前記需要間隔に相当する前記在庫保管費と前記減価償却費との合計を前記売残損失とする、
ことを特徴とする付記1記載の在庫管理支援装置。
(付記4) 前記確率計算手段は、前記在庫保管場所から所定の配達地域に物品を配達する場合の前記移送コストと、物品の調達先から前記所定の配達地域に物品を配達する場合の前記移送コストの差分を、前記品切損失とすることを特徴とする付記1記載の在庫管理支援装置。
(付記5) 前記在庫量計算手段は、正規分布モデルに基づいて前記確率分布を推定することを特徴とする付記1記載の在庫管理支援装置。
(付記6) 物品の取引履歴から必要な在庫量を推定する在庫管理支援プログラムにおいて、
コンピュータを、
物品に対する過去の需要の発生時期と需要量との情報を記憶する取引情報記憶手段と、
物品の移送に伴う移送コストと、在庫として保持することによる保持コストとの情報を記憶する物品情報記憶手段、
前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の平均である需要平均を計算する平均計算手段、
前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の分散度を示す指標である需要偏差を計算する偏差計算手段、
前記取引情報記憶手段を参照して、需要の発生間隔の平均である需要間隔を計算する間隔計算手段、
前記物品情報記憶手段を参照して、需要発生時に在庫保管場所と異なる場所から物品を調達する場合に追加的に必要となる前記移送コストである品切損失と、前記間隔計算手段が計算した前記需要間隔だけ物品を保持する場合の前記保持コストである売残損失とを特定し、前記品切損失と前記売残損失との合計に対する前記品切損失の比率である需要確率を計算する確率計算手段、
前記平均計算手段が計算した前記需要平均と前記偏差計算手段が計算した前記需要偏差とから推定される前記需要量の確率分布において、前記需要量の小さい方から累積した累積確率が、前記確率計算手段が計算した前記需要確率に達するときの前記需要量を特定し、特定した前記需要量を前記在庫量に決定する在庫量計算手段、
として機能させることを特徴とする在庫管理支援プログラム。
本実施の形態の概要を示す図である。 本実施の形態のシステム構成を示す図である。 管理コンピュータのハードウェア構成を示す図である。 管理コンピュータの機能を示すブロック図である。 部品テーブルのデータ構造例を示す図である。 取引テーブルのデータ構造例を示す図である。 統計テーブルのデータ構造例を示す図である。 平均計算処理の手順を示すフローチャートである。 平均計算処理後の統計テーブルの状態を示す図である。 グループ統計処理の手順を示すフローチャートである。 グループ統計処理後の統計テーブルの状態を示す図である。 在庫量計算処理の手順を示すフローチャートである。 累積分布関数の逆関数の入出力関係を示す模式図である。 累積分布関数の逆関数を示すグラフである。 在庫量計算処理後の統計テーブルの状態を示す図である。 データ項目の依存関係を示す図である。
符号の説明
1 在庫管理支援装置
1a 取引情報記憶手段
1b 物品情報記憶手段
1c 平均計算手段
1d 偏差計算手段
1e 間隔計算手段
1f 確率計算手段
1g 在庫量計算手段

Claims (4)

  1. 物品の取引履歴から保持すべき在庫量を推計する在庫管理支援装置において、
    物品に対する過去の需要の発生時期と需要量との情報を記憶する取引情報記憶手段と、
    物品の移送に伴う移送コストと、在庫として保持することによる保持コストとの情報を記憶する物品情報記憶手段と、
    前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の平均である需要平均を計算する平均計算手段と、
    前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の分散度を示す指標である需要偏差を計算する偏差計算手段と、
    前記取引情報記憶手段を参照して、需要の発生間隔の平均である需要間隔を計算する間隔計算手段と、
    前記物品情報記憶手段を参照して、需要発生時に在庫保管場所と異なる場所から物品を調達する場合に追加的に必要となる前記移送コストである品切損失と、前記間隔計算手段が計算した前記需要間隔だけ物品を保持する場合の前記保持コストである売残損失とを特定し、前記品切損失と前記売残損失との合計に対する前記品切損失の比率である需要確率を計算する確率計算手段と、
    前記平均計算手段が計算した前記需要平均と前記偏差計算手段が計算した前記需要偏差とから推定される前記需要量の確率分布において、前記需要量の小さい方から累積した累積確率が、前記確率計算手段が計算した前記需要確率に達するときの前記需要量を特定し、特定した前記需要量を前記在庫量に決定する在庫量計算手段と、
    を有することを特徴とする在庫管理支援装置。
  2. 前記取引情報記憶手段は、種類に応じてグループ分けされた複数の物品に対する過去の需要の情報を記憶し、
    前記取引情報記憶手段を参照して、推計対象の物品が属するグループについて、需要1回当たりの前記需要量の平均であるグループ平均と、需要1回当たりの前記需要量の分散度を示す指標であるグループ偏差とを計算し、前記グループ標準偏差を前記グループ平均で除算した変動係数を計算するグループ統計手段を更に有し、
    前記偏差計算手段は、物品がグループ分けされている場合は、前記グループ統計手段が計算した前記変動係数に前記平均計算手段が計算した前記需要平均を乗算した値を、推計対象の物品の前記需要偏差とする、
    ことを特徴とする請求項1記載の在庫管理支援装置。
  3. 前記物品情報記憶手段は、前記保持コストとして、単位期間当たりの物品の在庫保管費と減価償却費とを示す情報を記憶し、
    前記確率計算手段は、前記需要間隔に相当する前記在庫保管費と前記減価償却費との合計を前記売残損失とする、
    ことを特徴とする請求項1記載の在庫管理支援装置。
  4. 物品の取引履歴から必要な在庫量を推定する在庫管理支援プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    物品に対する過去の需要の発生時期と需要量との情報を記憶する取引情報記憶手段と、
    物品の移送に伴う移送コストと、在庫として保持することによる保持コストとの情報を記憶する物品情報記憶手段、
    前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の平均である需要平均を計算する平均計算手段、
    前記取引情報記憶手段を参照して、需要1回当たりの前記需要量の分散度を示す指標である需要偏差を計算する偏差計算手段、
    前記取引情報記憶手段を参照して、需要の発生間隔の平均である需要間隔を計算する間隔計算手段、
    前記物品情報記憶手段を参照して、需要発生時に在庫保管場所と異なる場所から物品を調達する場合に追加的に必要となる前記移送コストである品切損失と、前記間隔計算手段が計算した前記需要間隔だけ物品を保持する場合の前記保持コストである売残損失とを特定し、前記品切損失と前記売残損失との合計に対する前記品切損失の比率である需要確率を計算する確率計算手段、
    前記平均計算手段が計算した前記需要平均と前記偏差計算手段が計算した前記需要偏差とから推定される前記需要量の確率分布において、前記需要量の小さい方から累積した累積確率が、前記確率計算手段が計算した前記需要確率に達するときの前記需要量を特定し、特定した前記需要量を前記在庫量に決定する在庫量計算手段、
    として機能させることを特徴とする在庫管理支援プログラム。
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