JP4861184B2 - 耐漏洩カップ組立体と共に使用するための流れ制御要素 - Google Patents

Description

１．発明の分野
本発明は概して流れ制御要素に関する。より詳細には、本発明は、耐漏洩カップ組立体のための流れ制御要素に関する。

米国特許第５，０７９，０１３号 米国特許第５，５４２，６７０号 米国特許第６，０５０，４４５号２．従来技術の説明 飲み口と、カップ内に過剰な負圧を生成せずに使用者が飲み口から飲むことができるよう通気孔を有する密閉カップが、当技術分野で公知となっている。しかし、使用中にカップを落としたり、振ったり又はひっくり返したりすると、飲み口と通気孔からカップ内の液体が供給間に漏れやすい。従って、飲み口と通気孔に弁機構を使用するカップが開発されている。これらの弁は、供給間に生じる吸引力に応答して開き、液体に飲み口を通過させ、カップ内に負圧が生じると通気孔に空気を通過させる。

Ｂｅｌａｎｇｅｒに付与された米国特許第５，０７９，０１３号、Ｍｏｒａｎｏに付与された米国特許第５，５４２，６７０号、及びＭａｎｇａｎｉｅｌｌｏに付与された米国特許第６，０５０，４４５号の３件の特許は、このような弁を開示している。これらの特許は全て本出願人の譲受人により所有されている。本出願人は米国特許第６，０５０，４４５号に示される弁組立体を採用したカップを市場に出している。弁組立体は蓋の下側又はカップのキャップに固定されている。本出願人は図１に示す構成の流れ制御要素を有する従来の競合する製品をも認識している。この製品はＦｉｒｓｔ Ｙｅａｒｓ（登録商標）によるタンブルメイトスピルプルーフカップ（Ｔｕｍｂｌｅ Ｍａｔｅｓ Ｓｐｉｌｌ Ｐｒｏｏｆ Ｃｕｐ）の一部として販売されていた。

これらカップ機構の有効性にもかかわらず、本出願人は改良された流れ制御要素を発見すると共に、溢出に対する弁の抵抗又は弁の耐久性を犠牲にせずに流体の流量を改良する、対応する弁の構成を発見した。

発明の概要
本発明の目的は、流れ制御要素側に配置された弁を有する流れ制御要素を提供することである。

本発明の別の目的は、流れ制御要素の側部が円弧状の弁面を有する弁を有する、流れ制御要素を提供することである。

本発明の更に別の目的は、弁が内部にスリットを有する流れ制御要素を提供することである。

本発明の更に別の目的は、弁がスリットを有する弁面である流れ制御要素を提供することである。

本発明の更に別の目的は、流れ制御要素の側部が、互いに対向する壁部を有し、前記壁部の一方又は両方が内部に弁を有する、流れ制御要素を提供することである。

本発明の更に別の目的は、流れ制御要素の側部に弁が配置され、弁はカップからの液体の流れの軸線に略沿って延びたスリットを有する、流れ制御要素を提供することである。

本発明の上記及びその他の目的及び利点は、飲み口と流体連通した第１合わせ部材を有する飲用カップのキャップと共に使用する、流れ制御要素を提供することにより達成することができる。流れ制御要素は、第１スタック、及びこの第１スタックの側部又は側壁に形成された第１弁を有する。第１スタックは、カップの第１合わせ部材に取り外し自在にシールされるように構成された上部を有する。第１弁は、流れ制御要素を介して飲み口と選択的に流体連通するよう構成されている。

上部及び下部を備えた第１スタックを有する流れ制御要素も提供される。上部は第１合わせ面内に取り外し自在にシールされるよう構成される。下部は第１合わせ面の内側及び外側に係合する寸法及び構成を有する。第１弁は第１スタック内に形成され、流れ制御要素を介して飲み口に選択的に流体連通するように構成されている。

本発明は、カップ、キャップ及び流れ制御要素を備える、飲用カップ組立体をも提供する。このカップは開口端部を有し、キャップは前記開口端部をシールするようになっている。キャップは、第１孔と、前記第１孔に流体連通する第１合わせ面を有する。流れ制御要素は、第１スタックと、前記スタックの側壁に形成された第１弁を有する。第１スタックは、第１合わせ面内に取り外し自在にシールされる上部を有する。第１弁は、カップを選択的に第１孔と流体連通させるよう構成されている。

本発明は更に、カップ、キャップ及び流れ制御要素を備える飲用カップ組立体をも提供する。キャップは、飲み口に形成された第１孔と、前記第１孔に流体連通する第１合わせ部材を有する。流れ制御要素は、第１合わせ部材の内側及び外側に摩擦係合するような寸法及び構成を有する部分を有し、これにより第１スタックを第１孔に流体連通するよう位置付けする。

発明の詳細な説明
図面、特に図２及び図３を参照すると、全体を参照符号１０で示す本発明によるカップ組立体を示している。カップ組立体１０は、カップ１２、キャップ１４及び流れ制御要素２０を含む。キャップ１４は、飲み口１６及び好ましくは通気孔１８を有する。

キャップ１４には、好ましくは飲み口１６及び通気孔１８に近接しているか又は組み込まれた、合わせ面が形成される。キャップ１４は、流れ制御要素２０と摩擦係合して、流れ制御要素を飲み口１６及び通気孔１８に流体連通させることができる。図２及び図３に示す実施形態では、キャップ１４は飲み口１６内及び通気孔１８の下方に円筒状の凹部１７が形成されている。これら凹部１７は、流れ制御要素２０を収容するように構成されている。

図３を参照し、制御要素２０は１つ以上のスタック２４を有する。各スタック２４は略円筒状であり、内形は単純な広い開口円筒状を成し、使用後にスタックを完全に洗浄でき、乾燥又は凝結した液体が溜まる偶角部及び隙間の数を最小にすることができる。図３及び図４に示すようにスタック２４の外形は段状とするのが好ましいが、スタックの内形は一定の直径であるか、一定の割合で減少し、滑らかで段部のない内面を形成する。従って、滑らかな内面は円筒状、円錐状、又は両者の組合せであるのが好ましい。この滑らかな内面により流体の流れ易さが更に向上し、スタック２４の洗浄が容易となる。流れ制御要素２０の洗浄が容易であることは、組立体１０の正確性と衛生面、及びこの要素を受け入れる消費者の両方にとって非常に重要である。

図３に示す実施形態では、制御弁２０の各スタック２４は、好ましくは湾曲したスリット３２を有する凹状の上部弁面３０を有する。細長い独立したスリット３２は、横に切る又は弁面３０を貫通する孔の別のタイプに好適であることが知られている。スリット３２は、凹状弁面３０の縁部から縁部まで実質的に延びているのが好ましい。

飲み口１６に整合したスリット３２の最適な長さは約０．２３５インチである。通気孔１８に整合したスリット３２の最適な長さは約０．１７インチである。飲み口１６に整合したスタック２４の最適な内径は約０．２９９インチから約０．３６８インチであり、上記最小径と最大径を有する円錐形が理想的である。通気孔１８に整合したスタック２４の最適な内径は約０．２４７インチから約０．３００インチであり、上記最小径と最大径を有する円錐形が理想的である。飲み口１６に整合してスタック２４の最適な高さは頂部から底部まで約０．８０３インチであり、くぼみから底部まで約０．５２１インチである。通気孔１８に整合したスタック２４の最適な高さは頂部から底部まで約０．７３インチであり、くぼみから底部まで約０．５５インチである。２つのスタック２４の中心間の距離は好ましくは１．６インチである。飲み口１６に整合したスタック２４の下部２６の好ましい外径は約０．５４５インチである。通気孔１８に整合したスタック２４の下部２６の好ましい外径は約０．４９０インチである。これらの寸法は、それぞれ約０．４９９インチ及び約０．４３９インチの好ましい内径を有する円筒状の凹部１７を有するカップの蓋に、摩擦嵌合を可能にする。上記寸法に±約０．００５インチの許容値を与えるのが好ましい。

流れ制御要素２０は単一のエラストマー材料で形成するのが好ましい。これにより凹部１７への挿入及びこれからの取り外しが容易となる。しかし、流れ制御要素２０は、凹部１７又は他の係合キャップ１４に挿入されるよう構成された、２つの別個の弁要素又はスタック２４により形成することもできる。使用されるエラストマー材料の最も好ましい例はシリコンであるが、ＴＰＥ（熱可塑性エラストマー）、天然ゴム、及び合成ゴム（例えばイソプレン）等も適している。

図４は、カップ組立体１１０と共に使用される流れ制御要素１２０の別の例示的実施形態を示している。カップ組立体１１０は、カップ１１２、飲み口１１６を有するキャップ１１４、及び好ましくは通気孔１１８を含む。キャップ１１４は、飲み口１１６及び通気孔１１８内に形成された孔１１９以外は、カップ１１２をシール可能である。キャップ１１４には、飲み口１１６に整合した第１合わせ部材又は凹部１１５と、通気孔１１８に整合した第２合わせ部材又は凹部１１７が形成される。流れ制御要素１２０は、飲み口１１６及び通気孔１１８と連通して、全面的に又は略全面的な耐溢出組立体１０を形成する。

流れ制御要素１２０は、キャップ１１４の第１及び第２合わせ部材１１５及び１１７に収容されるよう構成されている。特に、流れ制御要素１２０は、第１スタック１２４と、好ましくは第２スタック１４４を有する。

第１スタック１２４は飲み口１１６に近傍に配置され、第２スタック１４４は通気孔１１８の近傍に配置されている。第１及び第２スタック１２４及び１４４は、カップ１１２を飲み口１１６の孔１１９及び通気孔１１８に、それぞれ選択的に流体連通させることができる。ある実施形態では、制御要素１２０は単一のスタック、即ち第１スタック１２４しか有しておらず、前記スタックは、単一の合わせ部材又は弁のスタックをキャップ１１４に固定するための他の装置に合わせられ、カップ１１２から飲み口１１６への液体の流れを選択的に許容し、飲み口を介するカップへの空気の流れを選択的に許容する。

流れ制御要素１２０を、図５から図７をさらに参照して、以下に説明する。第１スタック１２４は下部１２６及び上部１２８を有する。同様に、第２スタック１４４は下部１４６及び丈夫１４８を有する。上部１２８及び１４８の外側寸法は、それぞれ下部１２６及び１４６の外側寸法よりも小さいのが好ましい。即ち、第１スタック１２４は、その上部１２８と下部１２６との間に段部又は過渡部１３０を有する。また、第２スタック１４４はその上部１４８と下部１４６との間に段部又は過渡部１５０を有する。

第１合わせ部材１１５は第１スタック１２４を収容するよう構成され、第２合わせ部材１１７は第２スタック１４４を収容するよう構成される。特に、第１スタック１２４の下部１２６は第１合わせ部材１１５内に摩擦的に収容されるように構成され、第２スタック１４４の下部１４６は第２合わせ部材１１７内に摩擦的に収容されるように構成される。上部１２８、１４８の外側寸法は下部１２６、１４６よりも小さいため、上部は合わせ部材１１５、１１７の内面と接触することはなく、好都合である。

所望の摩擦嵌合を得るために、合わせ部材１１５、１１７及び下部１２６、１４６は対応する形状を有するのが好ましい。例えば、合わせ部材１１５、１１７及び下部１２６、１４６は図示したように略円筒状の形状である。勿論その他の対応する形状も考えられる。合わせ部材の内面と各スタックの下部の外面との摩擦嵌合により、流れ制御要素１２０とキャップ１１４との間が略気密にシールされる。

シール性、及び合わせ部材１１５、１１７とスタック１２４、１４４との間の保持力を更に向上させるために、下部１２８、１４８はそれぞれ保持リムをさらに含む。例えば、第１スタック１２４の下部１２６は第１保持リム１３２を有してよく、第２スタック１４４の下部１４６は第２保持リム１５２を有する。

下部１２６、１４６は、保持リム１３２、１５２が収容されてそれぞれ合わせ部材の外面に摩擦嵌合するまで、それぞれ合わせ部材１１５、１１７内に押圧される。従って、保持１３２、１５２は、各スタック１２４、１４４を合わせ部材１１５、１１７の内側と外側の両方に摩擦嵌合させる。更に、保持リム１３２、１５２が合わせ部材を中心に収容されて、リムが合わせ部材の３つの側部（例えば、内側、外側及び底部）に係合するまで、下部１２６、１４６は合わせ部材１１５、１１７内にそれぞれ押圧される。

保持リム１３２、１５２が、少なくともスタック１２４、１４４を部材１１５、１１７の内面及び外面に係合させるため、下部１２６、１４６の外側寸法と合わせ部材の内側寸法との間の許容値が緩和される、即ち増加する。保持リム１３２、１５２は許容値を緩和するたけではなく、更に重要なことに、合わせ部材１１５、１１７とスタック１２４、１４４との間の係合長さを短くすることもできる。従って、合わせ部材１１５、１１７及びスタック１２４、１４４は従来よりもはるかに短いストロークで完全に係合することができる。

スタック１２４、１４４の合わせ部材１１５、１１７への挿入を更に容易にするために、保持リム１３２、１５２は面取り部１４５を含むこともできる。従って、流れ制御要素１２０は、従来よりも容易に合わせ部材１１５、１１７に挿入及び／又はこれから取り外すことができる。

例えば、各下部１２６、１４６は従来よりも小さな外側寸法を有することができる。下部１２６は約０．５２インチの直径を有し、下部１４６は約０．４５５インチの直径を有する。これらの寸法は、第１合わせ部材１１５が約０．４９９インチの直径を有する時に約０．０２１インチの摩擦嵌合をなし、第２合わせ部材１１７が約０．４３９インチの直径を有する時に約０．０１６インチの摩擦嵌合をなす。許容値が緩和されると、流れ制御要素１２０のキャップ１１４に対する係合／係合解除がより容易となる。少なくとも合わせ部材１１５、１１７の内面及び外面と摩擦嵌合することにより、下部１２６、１４６は略気密なシールを形成する。

合わせ部材１１５、１１７及びスタック１２４、１４４は、互いに選択した距離だけ離れている。例えば、合わせ部材１１５、１１７及びスタック１２４、１４４は中心間で約１．６インチ互いに離れていても良い。

図７を参照すると、流れ制御要素１２０の第１スタック１２４は第１弁１３４を有する。第１弁１３４はスタック１２４の側壁１３６内に配置される。第１弁１３４は弁面１３８及び弁スリット１４０を有する。弁面１３８は僅かに円弧状の湾曲を有する略平坦な形状を有し、飲み口１１６の近傍の第１スタック１２４の上部１２８内に配置されている。従って、弁面１３８は第１スタック１２４の側壁１３６上に形成されている。

スリット１４０は弁面１３８に形成された通常閉鎖したスリットである。スリット１４０は任意に選択した方向の面１３８内に設けることができる。例えば、図示例では、スリット１４０は略垂直方向に設けられている。垂直方向では、細長いスリット１４０は液体の流れ１４３の軸線方向に略沿っている。勿論、スリット１４０はその他の方向、例えば、これらに限定されるわけではないが、略水平方向（例えば軸線１４３に対する法線）又は傾斜した方向に向けられていても良く、これでも本発明で使用可能である。

第１スタック１２４は、ここでは例として、第１弁１３４を含んでいるように記載されており、第１弁は１つの弁面１３８及び１つの弁スリット１４０を含んでいることを理解されたい。勿論、第１スタック１２４は２つ以上の弁、２つ以上の弁面を有していても良く、及び／又は各弁面は２つ以上のスリットを有していても良い。例えば、第１弁１３４はクリスクロス（ｃｒｉｓ−ｃｒｏｓｓ）の方向、十字状スリットの方向の多数のスリット１４０、又は孔を含んでいても良いが、後者は適性度が劣る。

また、弁面１３８は、本明細書では例として、僅かに円弧状の湾曲を有する略平坦な形状であると記載されている。勿論、弁面は、限定されるわけではないが、非平坦な面等の他の形状も考えられる。例えば、弁面１３８及び側壁１３６は同じであっても良い。

第１弁１３４を側壁１３６に設けることで幾つかの利点が得られる。例えば、第１弁１３４は側壁１３６に位置しているため、カップを落としたり、逆さにしたり、及び／又は振ったりした場合、カップ１１２内の液体は弁面１３８又はスリット１４０に力を直接作用させない。事実、図示例の弁面１３８の円弧状の形状は、液体をスリット１４０から引き離して第１スタック１２４の頂点１４２に向ける。振られた又は逆さにされたスリット１４０上の液体からの力が弱くなると、望んだ時にカップ１１２に流体連通させる孔１１９に弁１３４を選択的に位置決めする能力に悪影響を与えずに、従来よりも耐溢出に優れた設計となる点で、有利であることが知られている。

更に、第１弁１３４をスタック１２４の側壁１３６に移動させることで、弁スリット１４０を従来の弁よりも長くすることができる。幾つかの従来の弁は、スタックの頂部に位置するスリットを有している。これらの弁では、スリットの長さはスタックの直径に制約を受ける。しかし、必要であれば第１弁１３４をスタック１２４の側壁１３６上に設けることにより、スリット１４０の長さが増加してスタックの全長又は略全長と一致する。スリット１４０の長さを増加させることにより、第１弁１３４が開いた時のスリットを介する流体の流量を増加させることができる。

幾つかの従来の弁では、スタックの頂部のスリットと弁面は、スタックの円筒状の構成によるリムの応力により制約を受けることが知られている。反対に、第１弁１３４をスタック１２４の側壁１３６に移動させることで、この制約を軽減させることもできる。これは、スリット１４０の長さを増すことなく、所望時に第１弁１３４の開口をより容易にすることができる。

更に、第１弁１３４を側壁１３６に移動させることにより、各スタック１２４が２つ以上の弁を有することができる。また、幾つかの従来の弁はスタックの頂部に位置決めされていた。このような弁では、２つ以上の弁をスタックの頂部に位置決めするのは不可能であり、可能であったとしても、スタックの直径により、製造に高い費用がかかる。しかし、第１弁１３４をスタック１２４の側壁１３６に位置決めすることにより、必要であればそのスタック内に２つ以上の弁を設けることができる。

飲み口１１６に整合するスリット１４０の最適な長さは約０．２０５インチである。飲み口１１６に整合する第１スタック１２４の最適な内径は約０．３１４インチから約０．３６０インチである。また好ましくは、第１スタック１２４は円錐状である。飲み口１１６に整合した第１スタック１２４の最適な高さは頂部から底部まで約０．８８４インチである。

第２スタック１４４は第２又は通気弁１５４を有する。通気弁１５４はダックビルの形態の弁であるのが好ましい。通気弁１５４は、スリット１６０に沿って互いに嵌り合う一対のビル状のフラップ１５８を有するのが好ましい。通気弁１５４はダックビル弁の形態の弁であると記載したのは、例示を目的としただけであるのを理解されたい。勿論他の形態の通気弁でも可能である。

通気孔１１８に整合したスリット１６０の最適な長さは約０．２０５インチである。通気孔１１８に整合した第２スタック１４４の最適な内径は約０．２６８インチから約０．２９４インチである。第１スタック１２４と同様に、第２スタック１４４の形状も円錐状が好ましい。通気孔１１８に整合する第２スタック１４４の最適な高さは頂部から底部まで約０．４８７インチである。

使用する際には、使用者は飲み口１１６に負圧又は吸い込み力を与える。飲み口１１６の孔１１９は第１弁１３４と流体連通している。従って、使用者による吸い込み力が弁面１３８に対して負圧を与える。吸い込み力が第１の所定の限界に達すると、この圧力は弁面１３８の弾性力に打ち勝ち、弁面の少なくとも一部を変形させる。弁面１３８の変形により、スリット１４０が開き、カップ１１２内の内容物が負圧によりカップから吸い込まれる。

カップ１１２内の負圧が第２の所定限界に達すると、この圧力はフラップ１５８の弾性力に打ち勝ち、フラップ１５８の１つ以上を変形させる。フラップ１５８の変形によりスリット１６０が開き、カップ１１２の外側からの空気がカップ内に吸い込まれる。

吸い込み力が第１及び第２所定限界以下になると、第１及び第２スタック１２４、１４４及び第１及び第２弁１３４、１５４のエラストマー特性は、スリット１４０、１６０をそれぞれ閉鎖するのに十分となる。

段部１３０、１５０は、上部１２８、１４８が合わせ部材１１５、１１７の内面と接触しないことを保証する。これにより、合わせ部材１１５、１１７に接触した場合に上部１２８、１４８にかかる応力により生じ得る意図しない悪影響を受けることなく、第１及び第２弁１３４、１５４は所望通りに動作する。

第１スタック１２４の細長い形状により、飲み口１１６内の孔１１９に近接して弁面１３８を位置付けることができる。また、弁面１３８の円弧状の形状は飲み口１１６の形状に対応するようになっており、これにより、弁面を従来のシステムよりも孔１１９に近接して設けることができる。

第１スタック１２４の内径及び外径は、第１弁１３４の領域に流体を大量に且つ比較的無拘束な状態で流す。この構成は、弁を開くのに必要な吸引力と、弁を通過する流体とを最適な状態でバランスさせることが分かっている。同様に、略円筒状の直径及び結果としての内径の形状は単純であり、開口部及び管は広く、第１スタック１２４を完全に洗浄することができる。この好ましい流れ制御要素１２０の洗浄が容易であることは、組立体１１０の正確性と衛生面、及びこの要素を受け入れる消費者の両方にとって、非常に重要である。

図１０から図１３を参照すると、流れ制御要素２２０の別の例示的な実施形態を示している。流れ制御要素２２０は、第１スタック２２４及び好ましくは第２スタック２４４を有する。

第１スタック２２４は、上部２２６及び下部２２８を有する。同様に、スタック２４４は上部２４６及び下部２４８をさらに有する。上部２２６、２４６の外側寸法はそれぞれ下部２２８、２４８の外側寸法よりも小さいのが好ましい。即ち、第１スタック２２４は、その上部２２６と下部２２８との間に段部又は過渡部２３０を有する。さらに第２スタック２４４も、その上部２４６と下部２４８との間に段部又は過渡部２５０を有する。

第１スタック２２４の下部２２８は、キャップの第１合わせ部材内に摩擦的に受容されるように構成され、第２スタック２４４の下部２４８はキャップの第２合わせ部材内に摩擦的に受容されるように構成される。

所望の摩擦嵌合を得るためには、キャップの合わせ部材及び下部２２８、２４８は互いに対応する形状を有するのが好ましい。例えば、合わせ部材及び下部２２８、２４８は図示したような略円筒状の形状とすることができる。勿論、対応する他の形状も考えられる。合わせ部材の内面と各スタックの下部との間の摩擦嵌合は、流れ制御要素２２０とキャップとの間で略気密なシールを形成する。

スタック２２４、２４４に保持リム（図示せず）を設けて、スタックとキャップの合わせ部材との間のシール能力をさらに向上させることも考えられる。保持リムにより、キャップの合わせ部材の少なくとも内面及び外面に対して、各スタック２２４、２４４を摩擦嵌合させることができる。また、保持リムが合わせ部材の３箇所（例えば内側、外側及び底部）に係合するまで、スタック２２４、２４４をキャップの合わせ部材内に押圧することができる。

第１スタック２２４は一対の第１弁２３４を有する。各第１弁２３４はスタック２２４の側壁２３６に対向して配置されている。各第１弁２３４は弁面２３８及び弁スリット２４０を有する。弁面２３８は略平坦な形状であり、上部２２６の側壁２３６内に形成されている。

スリット２４０は、弁面２３８内に形成される通常閉鎖したスリットである。スリット２４０は、任意に選択された方向で面２３８内に設けることができる。例えば、図示例では、スリット２４０は略垂直な方向を有する。勿論、限定されるわけではないが、例えば略水平又は傾斜した方向など、他の方向を有するスリット２４０を本発明と共に使用することも考えられる。また、各第１弁２３４は、クロススリット（ｃｒｏｓｓ−ｓｌｉｔ）の方向又は孔における、多数のスリット２４０を含んでいても良いが、後者は適性度が劣る。

また、本明細書において、弁面２３８は略平坦であると例示的に記載したが、勿論、平坦ではない弁面も考えられる。さらに、本明細書において、各スタック２２４、２４４は例として、単一の弁面しか有していないと記載したが、勿論、本発明ではスタックの一方又は両方に、２つ以上の弁面が設けられていても良い。

さらに、第１弁２３４を側壁２３６に設けることによって、利点が得られる。例えば、カップを逆さにしたり及び／又は振ったりした場合には、カップ内の液体は弁面２３８又はスリット２４０に対して小さな力しか与えない。むしろ、液体は第１スタック２２４の頂部２４２に向けられる。液体を振る又は逆さにする力が、面２３８／スリット２４０に対して弱く作用することは、所望時に、キャップの孔を選択的にカップと流体連通させる第１弁２３４の能力に悪影響を及ぼさずに、従来よりも耐溢出設計を向上させるのに有効である。

また、第１弁２３４をスタック２２４の側壁２３６に移動することにより、従来の弁と比較して、必要であればスリット２４０の長さを伸ばすことができ、及び／又は各スタック２２４に２つ以上の弁を設けることができる。後者の場合は従来の弁では不可能である。更に、第１弁２３４をスタック２２４の側壁２３６に移動することにより、幾つかの従来の弁のスタックの頂部におけるスリット及び弁面で生じる可能性のあるリムの応力を除去することができる。従って、スリット２４０の長さを伸ばさなくても、所望時に第１弁２３４をより容易に開くことができる。

飲み口に整合したスリット２４０の最適な長さは約０．２０５インチである。飲み口に整合した第１スタック２２４の最適な内径は約０．３４０インチから約０．４２５インチである。また、第１スタック２２４は円錐状であるのが好ましい。飲み口に整合した第１スタック２２４の最適な高さは頂部から底部まで約０．８３０インチである。

第２スタック２４４は第２又は通気弁２５４を有する。通気弁２５４は好ましくは凹状の弁面２５８を有する。弁面２５８は図３に詳細に示すスリット２６０を有するのが好ましい。勿論、他のタイプの通気弁も考えられる。

使用する際には、使用者は飲み口に負圧又は吸い込み力を与える。飲み口の孔は第１弁２３４と流体連通している。従って、使用者による吸い込み力が弁面２３８に対して負圧を与える。吸い込み力が第１の所定の限界に達すると、この圧力は弁面２３８の弾性力に打ち勝ち、弁面の少なくとも一部を変形させる。弁面２３８の変形により、スリット２４０が開き、カップ内の内容物が負圧により吸い出される。

カップ内の負圧が第２の所定限界に達すると、この圧力は通気弁２５４の弾性力に打ち勝ち、カップの外側からの空気が吸い込まれる。

吸い込み力がそれぞれ第１及び第２所定限界以下まで低下すると、第１及び第２スタック２２４、２４４及び第１及び第２弁２３４、２５４のエラストマー特性により、十分に弁を閉じることができる。

以下のデータは、本発明の流れ制御要素２０、１２０及び２２０の流れ特性の比較を示す。図３（弁Ａ）に示す流れ制御要素の１０個のサンプルは、図５（弁Ｂ）に示す流れ制御弁の１０個のサンプル、及び図１０（弁Ｃ）に示す流れ制御弁の１０個のサンプルに対して、テストされたものである。この比較の間、１平方インチ（ｐｓｉ）当たりのポンドで測定された負圧が飲み口に加えられた。負圧は最初０．３６ｐｓｉに設定され、その後毎秒ミリリットル（ｍｌ／ｓｅｃ）で測定された選択された最小の流量に到達するまで、緩やかに上昇させた。この選択された最小の流量は１．０±０．１ｍｌ／ｓｅｃである。適切な負圧に達すると、１００ミリリットル（ｍｌ）の水を放出して、弁がテストされた。１０個のサンプルの選択された最小の流量に達するのに必要な負圧が平均化された。これを図１４にグラフで示す。

通気操作圧は、通気孔を介してカップに入る空気が最初に検出された時の圧力である。テストに先立ち、弁を手で強く握ることにより、最初に全ての弁のスリットを開いて、癒着作用を取り除いた。製造後に、癒着作用によりスリットが再度シールされる可能性があるからである。

以下のデータは、比較に使用された弁Ａ、弁Ｂ及び弁Ｃの種々の寸法のインチの単位における公称値を示す。

このデータは、弁Ｂ（図５）及び弁Ｃ（図１０）が、選択した最小流量を達成するのに最小の吸い込み力しか必要としないことを示している。更にこのデータは、弁Ｂ及びＣがサンプル間で必要とする吸い込み力に差がないことを示している。これにより、従来可能であったよりも、より受け入れられ易い製品を提供することができる。

ここで「第１」、「第２」、「第３」、「上部」、「下部」などの用語は、種々の要素を修飾するのに使用され得ることに留意されたい。これらの修飾語は特に記載がない限り、修飾された要素に対して空間的、連続的又は段位的な順番を意味付けるもではない。

当業者にとって明らかなように、上記開示内容に対して種々の変更を行うことができる。従って、上記記載及び図面は本発明の好ましい一実施形態を単に例示するものであり、これらの実施形態に対して、本発明の精神及び添付の特許請求の範囲に従って種々の変更を行うことが可能なことは、当業者にとって明らかであろう。

従来技術の弁機構の斜視図である。 カップ組立体の斜視図である。 図２の３−３線に沿った断面図である。 本発明の流れ制御要素の別の実施形態による、図２の３−３線に沿った断面図である。 図４の流れ制御要素の斜視図である。 図５の流れ制御要素の６−６線に沿った断面図である。 図５の流れ制御要素の７−７線に沿った断面図である。 図５の流れ制御要素の底面図である。 図５の流れ制御要素の平面図である。 本発明による流れ制御要素の更に別の実施形態の斜視図である。 図１０の流れ制御要素の１１−１１線に沿った断面図である。 図１０の流れ制御要素の１２−１２線に沿った断面図である。 図１０の流れ制御要素の一部の平面図である。 本発明の流れ制御要素の種々の実施形態の比較を表す棒グラフである。

Claims (33)

1. 飲用カップのキャップの飲み口に流体連通した、前記飲用カップのキャップと共に使用する流れ制御要素であって、
   前記流れ制御要素は、前記飲み口に隣接して取り外し自在にシールされるよう構成された上部を有する第１スタックを備え、前記第１スタックは側壁を有し、前記側壁は前記飲み口に選択的に流体連通させるための第１弁を有する、流れ制御要素。
2. 前記第１弁は弁面内部に形成された弁スリットを有する弁面を備える、請求項１に記載の流れ制御要素。
3. 前記弁スリットは前記弁面上において選択した方向に設けられ、前記選択した方向は、略垂直な方向、略水平な方向及び傾斜した方向からなるグループから選択される、請求項２に記載の流れ制御要素。
4. 前記弁スリットは、前記弁面上の垂直な方向に設けられる、請求項２に記載の流れ制御要素。
5. 前記弁面は円弧状をなす、請求項２に記載の流れ制御要素。
6. 前記弁面は選択された形状を有し、前記選択された形状は略平面形状と略非平面形状とからなるグループから選択される、請求項２に記載の流れ制御要素。
7. 前記第１弁は、前記第１スタックの対向する側壁上に設けられた２つの弁面を備える、請求項２に記載の流れ制御要素。
8. 前記２つの弁面はそれぞれ、弁面内部に設けられた垂直スリットを有する、請求項７に記載の流れ制御要素。
9. 前記２つの弁面はそれぞれ、平面形状を有する、請求項７に記載の流れ制御要素。
10. 前記流れ制御要素は更に下部を備え、前記飲用カップのキャップは第１合わせ部材を有し、前記下部は前記第１合わせ部材の内面及び外面と係合可能であり、これにより前記第１スタックを前記飲み口に流体連通させる、請求項１に記載の流れ制御要素。
11. 前記下部は前記第１合わせ部材の底面とも係合可能である、請求項１０に記載の流れ制御要素。
12. 前記流れ制御要素は、前記飲用カップのキャップの第２合わせ部材内に取り外し自在にシールされるように構成された上部を有する第２スタックを更に備え、前記第２合わせ部材は通気孔に流体連通しており、前記第２スタックは前記通気孔と選択的に流体連通する第２弁を形成する、請求項１に記載の流れ制御要素。
13. 飲用カップ組立体であって、前記飲用カップ組立体は、
    開口端部を有するカップと、
    第１孔及び前記第１孔と流体連通する第１合わせ部材を有すると共に、前記開口端部をシールするキャップと、
    前記第１合わせ部材内に取り外し自在にシールされる上部を有する第１スタックを有する流れ制御要素であって、前記第１スタックはその側壁を貫通して形成された第１弁を有し、前記第１弁は前記カップを前記第１孔に選択的に流体連通させる、流れ制御要素と、
    を備える、飲用カップ組立体。
14. 前記第１弁は、これを貫通して形成される弁スリットを有する、請求項１３に記載の飲用カップ組立体。
15. 前記弁スリットは、前記側壁に形成された弁面上に設けられる、請求項１４に記載の飲用カップ組立体。
16. 前記弁スリットは前記弁面上の選択された方向に設けられ、前記選択された方向は、略垂直な方向、略水平な方向及び傾斜した方向からなるグループから選択される、請求項１５に記載の飲用カップ組立体。
17. 前記弁スリットは、前記弁面上の垂直方向に設けられる、請求項１５に記載の飲用カップ組立体。
18. 前記弁面は円弧状をなす、請求項１５に記載の飲用カップ組立体。
19. 前記弁面は選択された形状を有し、前記選択された形状は、略平面形状と略非平面形状とからなるグループから選択される、請求項１５に記載の飲用カップ組立体。
20. 前記第１弁は２つ以上の弁面を備え、前記２つ以上の弁面はそれぞれ、少なくとも１つの弁スリットを有する、請求項１３に記載の飲用カップ組立体。
21. 前記第１弁は、前記第１スタックの対向する側壁表面上に設けられた２つの弁面を備える、請求項１３に記載の飲用カップ組立体。
22. 前記２つの弁面はそれぞれ、弁面内部に設けられた垂直スリットを有する、請求項２１に記載の飲用カップ組立体。
23. 前記２つの弁面はそれぞれ、平面形状を有する、請求項２０に記載の飲用カップ組立体。
24. 前記第１スタックは下部を備え、前記下部は前記第１合わせ部材の少なくとも内側及び外側を係合する、請求項１３に記載の飲用カップ組立体。
25. 前記下部は、前記第１合わせ部材の前記内側、前記外側及び底部と係合する、請求項２４に記載の飲用カップ組立体。
26. 前記流れ制御要素は単一のエラストマー材料で形成される、請求項１３に記載の飲用カップ組立体。
27. 前記キャップは、第２孔と、前記第２孔と流体連通した第２合わせ面とを更に含む、請求項１３に記載の飲用カップ組立体。
28. 前記流れ制御要素は、
    上部及び下部を有する第２スタックを更に備え、前記下部は前記第２合わせ面の３つの側部と係合し、前記上部は、前記カップを選択的に前記第２孔と流体連通させる第２弁を含む、請求項２７に記載の飲用カップ組立体。
29. 飲用カップ組立体であって、前記飲用カップ組立体は、
    開口端部を有するカップと、
    前記開口端部をシールすると共に、飲用飲み口内に形成された第１孔と、前記第１孔と流体連通した第１合わせ部材とを有する、キャップと、
    第１スタックを有する流れ制御要素であって、前記第１スタックは前記第１合わせ部材の内側及び外側と摩擦係合する部分を有し、これにより前記第１スタックを前記第１孔に流体連通させる、流れ制御要素と、
    を備え、
    前記第１スタックは、弁面を有する第１弁と、前記弁面を介して形成された弁スリットとを備え、
    前記第１弁は前記第１スタックの側壁表面上に設けられる、
    飲用カップ組立体。
30. 前記部分は、前記第１合わせ部材の前記内側、前記外側及び底部に摩擦係合する、請求項２９に記載の飲用カップ組立体。
31. 前記部分は前記第１スタックの下部に設けられたリムである、請求項２９に記載の飲用カップ組立体。
32. 前記下部は前記第１スタックの上部の外側寸法よりも大きな外側寸法を有する、請求項２９に記載の飲用カップ組立体。
33. 前記弁スリットは前記弁面上の選択された方向に設けられ、前記選択された方向は、略垂直な方向、略水平な方向及び傾斜した方向からなるグループから選択される、請求項２９に記載の飲用カップ組立体。

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