上述した特許文献1に開示されている従来の画像表示装置では、静止した背景上を物体が水平に動くような映像を表示する場合において、入力画像信号の階調レベルが充分に小さい場合には、図50および図51に示す黒挿入方式と同様の効果を得ることができる。しかしながら、この画像表示装置では、入力画像信号の階調レベルが大きい場合には、以下のような問題が生じる。
図53は、図52のような映像が表示された場合において、動く物体を注視した観察者にとって、どのような明るさの分布に見えるかを示す図である。
図53に示すように、本来の画像より明る過ぎる箇所や暗過ぎる箇所が発生している。これにより、動く物体の前端や後端において、静止時には見えない異常な明暗が見えてしまい、これが動画品質を低下させることになる。
このような異常な明暗が生じる理由は、1フレームの画像表示期間中で、画素が点灯される期間の時間的な重心位置が、入力画像信号の階調レベルが50%未満である場合と、入力画像信号の階調レベルが50%以上である場合とで大きく異なるためである。例えば、入力画像信号の階調レベルが50%未満である場合には、画素が点灯される期間における表示輝度の時間的な重心位置は、後半のサブフレーム期間T202が0%の階調レベルの画像信号を供給するから、前半のサブフレーム期間T201となる。一方、入力画像信号の階調レベルが50%以上である場合には、画素が点灯される期間(表示輝度)の時間的な重心位置は、後半のサブフレーム期間T202が100%の階調レベルの画像信号を供給するから、後半のサブフレーム期間T202となる。これによって、物体が動いてきた軌跡方向の輝度変化の時間積分には、動く物体の前端や後端において、本来の画像より明る過ぎる箇所や暗過ぎる箇所が生じることになる。
一方、テレビジョン放送やビデオ再生信号出力およびPC(パーソナルコンピュータ)の画像出力など、現行の一般的な画像信号の殆どは、CRT(陰極線管)が有しているガンマ輝度特性を想定して生成、出力されている。液晶表示素子やEL表示素子などのホールド型表示素子を使用した表示パネルも、これらの一般的な画像信号に対して階調表現の互換性を保つために、CRTと同様のガンマ輝度特性を有していることが一般的である。
このようなガンマ輝度特性を有する表示パネルの入力階調と表示輝度との関係は、図54に示すように、全体的に輝度の低い方へ凹んだような曲線となる。したがって、例えば輝度50%のポイントと階調レベル50%のポイントとは、一致していないことが分かる。
このようなホールド型表示素子を使用し、CRTと同様のガンマ輝度特性を有する一般的な表示パネルを用いて、上記特許文献1の第7の実施の形態で示されるような表示制御を行った場合について、入力信号の階調レベルと、観察者が感じる明るさに対応する輝度の時間積分値との関係を図55に示している。
特許文献1の第7の実施形態では、階調レベル50%を境界として、二つのサブフレーム期間(前半サブフレーム期間と後半サブフレーム期間)で画像信号を供給するか、または一つのサブフレーム期間(前半サブフレーム期間)のみで画像信号を供給するかが切り替えられている。このため、階調レベル50%のポイントを境として、二つの凹みを有するような輝度特性となり、一般的な画像信号の入力に対して適性な色再現性を実現することはできない。
また、特許文献2では、後続するサブフレーム期間においても表示点灯させていることで、図50および図51に示す一般的な黒挿入方式の画像表示装置に比べて輝度、コントラストの低下を抑制できるものの、動きボケ改善効果は弱い。また、一般的なホールド型表示装置に比較して十分なコントラストを確保できない。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、ホールド型表示素子を用いた画像表示装置において、最大輝度やコントラストの低下を抑えつつ、入力画像信号の階調レベルによって表示輝度の時間的重心位置が異なることに起因する画質劣化を極力少なくし、かつ、一般的な輝度特性(例えば、ガンマ輝度特性)を有する画像表示装置への出力を前提として作成されている画像信号入力に対する階調表現の互換性を確保しつつ、残像や動きボケと言われる動画品質の劣化を改善できる画像表示装置、これを表示部に用いた電子機器、液晶テレビジョン装置、液晶モニタ装置、画像表示方法、これをコンピュータに実行させるための表示制御プログラムおよびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な可読記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の画像表示装置は、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割して画像表示部に画像表示を行う画像表示装置において、入力画像信号の階調レベルが最小の場合には全てのサブフレームの階調レベルを最小とし、該入力画像信号の階調レベルが最大の場合には全てのサブフレームの階調レベルを最大とし、該入力画像信号の階調レベルが該最小および該最大以外の場合には、該1フレーム期間が3以上のサブフレームで構成される場合は、該1フレーム期間の時間的中心または該時間的中心に近いサブフレームから順に大きな階調レベルを分配しつつ、2つのサブフレームで構成される場合は、一方のサブフレームから順に大きな階調レベルを分配しつつ、該入力画像信号に対応する1フレーム期間での表示輝度の積分値が、所定の階調輝度特性を再現するように演算処理またはテーブルによる変換処理を行うことにより各サブフレームで出力される階調レベルを確定して該画像表示部に画像表示を行う表示制御手段を備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示装置は、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、該1フレーム期間毎に、該画像表示部に対してn個のサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、該表示制御手段は、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心または該中心に最も近いサブフレーム期間において、該n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該中心または該中心に最も近いサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合には、該中心または中心に最も近いサブフレーム期間の前後のサブフレーム期間において、該n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該中心または該中心に最も近いサブフレーム期間およびその前後のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合には、さらにその前後のサブフレーム期間において、該n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する制御を、供給された全ての画像信号の階調レベルに対応する輝度の時間積分の総量が該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達するまで繰り返し、達した場合に、残りのサブフレーム期間において最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。なお、2個のサブフレームの場合には、1フレーム期間の時間的な中心は、2個のサブフレームの中心(境界部分)に最も近いサブフレーム(2個のサブフレームの何れかの位置)とする。
本発明の画像表示装置は、n個(nは3以上の奇数)のサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、該1フレーム期間毎に、該画像表示部に対してn個のサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、該表示制御手段は、時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームからなるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心となる第mサブフレーム期間がm=(n+1)/2により設定され、画像信号の階調レベルに対して、(n+1)/2個の閾値が値の小さい順にT1、T2、・・・、T[(n+1)/2]と設定されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、該第mサブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、該閾値T2以下の場合には、該第mサブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合には、該第mサブフレーム期間、該第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m−2サブフレーム期間および第m+2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、以降、入力される画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合には、第[m−(x−2)]サブフレーム期間から第[m+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第[m−(x−1)]サブフレーム期間および第[m+(x−1)]サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示装置は、n個(nは2以上の偶数)のサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、該1フレーム期間毎に、該画像表示部に対してn個のサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、該表示制御手段は、時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームからなるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心に最も近い二つの第m1サブフレーム期間および第m2サブフレーム期間がm1=n/2およびm2=n/2+1により設定され、画像信号の階調レベルに対して、n/2個の閾値が値の小さいものから順にT1、T2、・・・、T[n/2]と設定されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、該第m1サブフレーム期間および該第m2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、閾値T2以下の場合には、該第m1サブフレーム期間および該第m2サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合には、該第m1サブフレーム期間、該第m2サブフレーム期間、該第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m1−2サブフレーム期間および第m2+2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、以降、入力される画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合には、第[m1−(x−2)]サブフレーム期間から第[m2+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第[m1−(x−1)]サブフレーム期間および第[m2+(x−1)]サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示装置は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、該1フレーム期間毎に、該画像表示部に対して該二つのサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、該表示制御手段は、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、該サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該サブフレームβ期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合には、該サブフレームα期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示装置は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、該1フレーム期間毎に、画像表示部に対して該二つのサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、二つの階調レベルの閾値T1、T2が定められており、閾値T2は閾値T1より大きい値であり、該表示制御手段は、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合には、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、サブフレームα期間に供給される階調レベルより小さいレベルであり、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合には、サブフレームα期間においては最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示装置は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、該1フレーム期間毎に、該画像表示部に対して該二つのサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、また2つの階調レベルの閾値T1、T2が定められており、T2はT1より大きい値であり、階調レベルLが一意的に定められており、該表示制御手段は、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合には、サブフレームα期間においては、階調レベルLを供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合には、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示装置は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、該1フレーム期間毎に、該画像表示部に対して該二つのサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、該表示制御手段は、連続して入力された二つのフレームの画像に対して時間的に中間状態のフレーム画像を推定して生成し、該サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合には最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該サブフレームβ期間において、該中間状態のフレーム画像における画像信号の階調レベルが該閾値以下の場合には最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該中間状態のフレームの画像における階調レベルが該閾値よりも大きい場合には、該中間状態のフレームの画像における画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示装置は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、該1フレーム期間毎に、該画像表示部に対して該二つのサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、該表示制御手段は、該サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合には最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該サブフレームβ期間において、入力される画像信号の階調レベルと、この一つ前または一つ後の1フレームに入力される画像信号の階調レベルとの平均値が該閾値以下の場合には最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該平均値が該閾値よりも大きい場合には、該平均値のレベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給しており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置におけるサブフレームの期間長は互いに同一または異なる。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における第mサブフレーム期間の長さは、他のサブフレーム期間の長さに比べて長くなるように設定されている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置において、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合に、前記サブフレームα期間において供給する階調レベルと、前記サブフレームβ期間において供給する階調レベルとは、該サブフレームα期間の階調レベルと該サブフレームβ期間の階調レベルとの差が一定値になるように、または該サブフレームα期間の輝度レベルと該サブフレームβ期間の輝度レベルとの差が一定値になるように設定されている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置において、前記入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合に、前記サブフレームα期間において供給する階調レベルと、前記サブフレームβ期間において供給する階調レベルとは、該サブフレームα期間の階調レベルと該サブフレームβ期間の階調レベルとの関係が一つの関数により設定されているか、または該サブフレームα期間の輝度レベルと該サブフレームβ期間の輝度レベルとの関係が一つの関数により設定されるように定められている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が短い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとし、これが長い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとする。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における画像表示部において、最大の表示輝度レベルをLmax、最小の表示輝度レベルをLminとし、表示輝度レベルLminの状態から表示輝度レベルLmaxの状態へ切替わる場合の応答時間と比較して、表示輝度レベルLmaxの状態から表示輝度レベルLminの状態へ切替わる場合の応答時間が短い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとし、これが長い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとする。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、各サブフレーム期間に供給する画像信号の階調レベルに対して上限値が設定されている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、前記第1サブフレーム期間、第2サブフレーム期間、・・・、第nサブフレーム期間に供給する画像信号の階調レベルに対する上限値がL1、L2、・・・、Lnとされ、n個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近いサブフレーム期間が第jサブフレーム期間とされ、iが0以上j未満の整数とされている場合に、
L[j−i]≧L[j−(i+1)]、
L[j+i]≧L[j+(i+1)]、
という関係を満たすように、各サブフレーム期間に供給する階調レベルの画像信号に対して上限値が設定されている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、前記サブフレームα期間に供給する画像信号の階調レベルに対する上限値L1 ≧前記サブフレームβ期間に供給する画像信号の階調レベルの上限値L2という関係を満たすように、各サブフレーム期間に対して階調レベルの画像信号に対する上限値が設定されている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、入力される画像信号の階調レベルと、1フレーム期間における表示輝度の時間積分量との関係が、適正なガンマ輝度特性を示すように、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルを設定する。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、入力される画像信号の階調レベルと、1フレーム期間における表示輝度の時間積分量との関係が、適正なガンマ輝度特性を示すように、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定する。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置におけるパネル温度またはその周辺温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記表示制御手段は、該温度検出手段により検出された温度に応じて、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルを設定する。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置において、パネル温度またはその周辺温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記表示制御手段は、該温度検出手段により検出された温度に応じて、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定する。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置において、入力される画像信号が複数の色成分の画像信号で構成されている場合に、前記表示制御手段は、該入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分以外の色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率が、該入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率と同じになるように、各サブフレーム期間において供給される画像信号の階調レベルを設定する。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、タイミング制御手段と、1水平ライン分の画像信号が入力されて一時的に保持されるラインデータ記憶手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該ラインデータ記憶手段からフレームデータ記憶手段にデータを転送させるか、または該フレームデータ記憶手段から読み出される1フレーム前のデータを出力させるかを切り替えるフレーム記憶データ選択手段と、該ラインデータ記憶手段から供給される画像信号の階調レベルを、最大または所定値より大きい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第1階調変換手段と、該フレーム記憶データ選択手段から供給される画像信号の階調レベルを、最小または所定値より小さい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第2階調変換手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該第1階調変換手段から出力される画像信号と、該第2階調変換手段から出力される画像信号とを切り替えて画像表示部に供給する出力データ選択手段とを備えている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、タイミング制御手段と、1水平ライン分の画像信号が入力されて一時的に保持されるラインデータ記憶手段と、複数水平ライン分の画像信号が一時的に保持される第1複数ラインデータ記憶手段および第2複数ラインデータ記憶手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該ラインデータ記憶手段からフレームデータ記憶手段にデータを転送するか、または、該フレームデータ記憶手段から読み出される1フレーム前の画像データを該第1複数ラインデータ記憶手段に転送すると共に、該フレームデータ記憶手段から読み出される2フレーム前の画像データを該第2複数ラインデータ記憶手段に転送するように切り替えるフレーム記憶データ選択手段と、該第1複数ラインデータ記憶手段および第2複数ラインデータ記憶手段から供給される二つのフレームの画像データに対して時間的に中間状態のフレーム画像データを推定して生成する中間画像生成手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該第1複数ラインデータ記憶手段から供給される画像データと、該第2複数ラインデータ記憶手段から供給される画像データを切り替えて出力する一時記憶データ選択手段と、該一時記憶データ選択手段から供給される画像信号の階調レベルを、最大または所定値より大きい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第1階調変換手段と、該中間画像生成手段から供給される画像信号の階調レベルを、最小または所定値より小さい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第2階調変換手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該第1階調変換手段から出力される画像信号と、該第2階調変換手段から出力される画像信号を切り替えて画像表示部に供給する出力データ選択手段とを備えている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、タイミング制御手段と、1水平ライン分の画像信号が入力されて一時的に保持されるラインデータ記憶手段と、複数の水平ライン分の画像信号が一時的に保持される第1複数ラインデータ記憶手段および第2複数ラインデータ記憶手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該ラインデータ記憶手段からフレームデータ記憶手段に画像データを転送するかまたは、該フレームデータ記憶手段から読み出される1フレーム前の画像データを該第1複数ラインデータ記憶手段に転送すると共に、該フレームデータ記憶手段から読み出される2フレーム前の画像データを該第2複数ラインデータ記憶手段に転送するように切り替えるフレーム記憶データ選択手段と、該第1複数ラインデータ記憶手段および該第2複数ラインデータ記憶手段から供給される二つの画像信号の階調レベルの平均値を算出し、該第2階調変換手段に供給する階調レベル平均手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該第1複数ラインデータ記憶手段から供給される画像データまたは、該第2複数ラインデータ記憶手段から供給される画像データを切り替えて出力する一時記憶データ選択手段と、該一時記憶データ選択手段から供給される画像信号の階調レベルを、最大または所定値より大きい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第1階調変換手段と、該階調レベル平均手段から供給される画像信号の階調レベルを、最小または所定値より小さい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第2階調変換手段と、該タイミング制御手段によって制御され、該第1階調変換手段から出力される画像信号または該第2階調変換手段から出力される画像信号を切り替えて画像表示部に供給する出力データ選択手段とを備えている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置において、nが3である場合に、前記表示制御手段は、タイミング制御手段と、1水平ライン分の画像信号が入力されて一時的に保持されるラインデータ記憶手段と、該タイミング制御手段によって制御され、該ラインデータ記憶手段からフレームデータ記憶手段にデータを転送させるか、または該フレームデータ記憶手段から読み出される1/4フレーム前のデータを出力させると共に3/4フレーム前のデータを出力させるように切り替えるフレーム記憶データ選択手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該ラインデータ記憶手段から供給されるデータまたは該フレーム記憶データ選択手段から供給される3/4フレーム前のデータを切り替えて出力する階調変換ソース選択手段と、該フレーム記憶データ選択手段から供給される画像信号の階調レベルを、最大または所定値より大きい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第1階調変換手段と、該階調変換ソース選択手段から供給される画像信号の階調レベルを、最小または所定値より小さい階調レベルまたは入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換する第2階調変換手段と、該タイミング制御手段によって制御されて、該第1階調変換手段から出力される画像信号または該第2階調変換手段から出力される画像信号を切り替えて画像表示部に供給する出力データ選択手段とを備えている。
さらに、好ましくは、本発明の画像表示装置における所定値より大きい階調レベルは、最大を100パーセントとした場合に90パーセントより大きい階調レベルであり、前記所定値より小さい階調レベルは、最小を0パーセントとした場合に10パーセントより小さい階調レベルである。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における所定値より大きい階調レベルは、最大輝度レベルを100パーセントとした場合に90パーセントより大きい輝度レベルに対応する階調レベルであり、前記所定値より小さい階調レベルは、最小輝度レベルを0パーセントとした場合に10パーセントより小さい輝度レベルに対応する階調レベルである。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における所定値より大きい階調レベルは、最大を100パーセントとした場合に98パーセントより大きい階調レベルであり、前記所定値より小さい階調レベルは、最小を0パーセントとした場合に2パーセントより小さい階調レベルである。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における所定値より大きい階調レベルは、最大輝度レベルを100パーセントとした場合に98パーセントより大きい輝度レベルに対応する階調レベルであり、前記所定値より小さい階調レベルは、最小輝度レベルを0パーセントとした場合に2パーセントより小さい輝度レベルに対応する階調レベルである。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置において、前記ガンマ輝度特性を外部から設定可能とするガンマ輝度特性設定手段を更に備え、前記表示制御手段は、該ガンマ輝度特性設定手段により該外部から設定されたガンマ輝度特性に変更可能とする。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における複数のサブフレーム期間が3つ以上のサブフレーム期間の場合に、順次振り分けられた階調レベルが前記1フレーム期間でその中央部が端部より高くなっている。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における複数のサブフレーム期間が3つ以上のサブフレーム期間の場合に、順次振り分けられたサブフレーム画像の各輝度レベルが前記1フレーム期間でその中央部が端部より高くなっている。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における複数のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の重心変動が1サブフレーム期間以内である。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における表示制御手段は、表示画面上の画素部のそれぞれに対して表示制御する。
また、好ましくは、本発明の画像表示装置における画素部は1画素または所定画素数である。
本発明の電子機器は、前記画像表示装置を用いて表示部の表示画面上に画像表示を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の液晶テレビジョン装置は、前記画像表示装置と、該画像表示装置の表示制御手段に、チャネルを選択したテレビジョン放送信号を出力可能とするチューナ部とを備え、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の液晶モニタ装置は、前記画像表示装置と、該画像表示装置の表示制御手段に、外部からのモニタ信号を信号処理したモニタ画像信号を出力可能とする信号処理部とを備え、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間に画像表示部に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心または該中心に最も近いサブフレーム期間において、該n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、該中心または該中心に最も近いサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合に、該中心または中心に最も近いサブフレーム期間の前後のサブフレーム期間において、該n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、該中心または該中心に最も近いサブフレーム期間およびその前後のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合に、さらにその前後のサブフレーム期間において、該n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する制御を、供給された全ての画像信号の階調レベルに対応する輝度の時間積分の総量が該入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達するまで繰り返し、達した場合に、残りのサブフレーム期間において最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、n個(nは3以上の奇数)のサブフレーム期間に画像表示部に表示する輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームからなるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心となる第mサブフレーム期間がm=(n+1)/2により設定され、画像信号の階調レベルに対して、(n+1)/2個の閾値が値の小さい順にT1、T2、・・・、T[(n+1)/2]と設定されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、該第mサブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、該閾値T2以下の場合に、該第mサブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合に、該第mサブフレーム期間、該第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m−2サブフレーム期間および第m+2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、以降、入力される画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合に、第[m−(x−2)]サブフレーム期間から第[m+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第[m−(x−1)]サブフレーム期間および第[m+(x−1)]サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、n個(nは2以上の偶数)のサブフレーム期間に画像表示部に表示する輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームからなるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心に最も近い二つの第m1サブフレーム期間および第m2サブフレーム期間がm1=n/2およびm2=n/2+1により設定され、画像信号の階調レベルに対して、n/2個の閾値が値の小さいものから順にT1、T2、・・・、T[n/2]と設定されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、該第m1サブフレーム期間および該第m2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、閾値T2以下の場合に、該第m1サブフレーム期間および該第m2サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合に、該第m1サブフレーム期間、該第m2サブフレーム期間、該第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m1−2サブフレーム期間および第m2+2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、以降、入力される画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合に、第[m1−(x−2)]サブフレーム期間から第[m2+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第[m1−(x−1)]サブフレーム期間および第[m2+(x−1)]サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示する輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、該サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該サブフレームβ期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合に、該サブフレームα期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示する輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、二つの階調レベルの閾値T1、T2が定められており、閾値T2は閾値T1より大きい値であり、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合に、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、サブフレームα期間に供給される階調レベルより小さいレベルであり、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合に、サブフレームα期間においては最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示する輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、また2つの階調レベルの閾値T1、T2が定められており、T2はT1より大きい値であり、階調レベルLが一意的に定められており、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合に、サブフレームα期間においては、階調レベルLを供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合に、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示する輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、連続して入力された二つのフレームの画像に対して時間的に中間状態のフレーム画像を推定して生成する処理と、該サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合に最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、該サブフレームβ期間において、該中間状態のフレーム画像における画像信号の階調レベルが該閾値以下の場合には最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該中間状態のフレームの画像における階調レベルが該閾値よりも大きい場合に、該中間状態のフレームの画像における画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、二つのサブフレーム期間に画像表示部に表示する輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う画像表示装置を用いる画像表示方法であって、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、該サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合に最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、該サブフレームβ期間において、入力される画像信号の階調レベルと、この一つ前または一つ後の1フレームに入力される画像信号の階調レベルとの平均値が該閾値以下の場合には最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、該平均値が該閾値よりも大きい場合に、該平均値のレベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の表示制御プログラムは、前記画像表示方法の各処理をコンピュータに実行させるためのものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の記録媒体は、前記表示制御プログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能なものであり、そのことにより上記目的が達成される。
前記各サブフレーム期間に分配した時間的に前後の各階調レベルにおいて、該時間的に後の分配階調レベルが該時間的に前の分配階調レベルの1/2以下でよい。
本発明の画像表示方法は、少なくとも動く物体部分および背景部分を含む入力画像信号の画像を表示のために供給する画像表示方法であって、フレーム期間が少なくともサブフレームα期間およびサブフレームβ期間を含む複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを画像表示部に供給するステップを含み、該動く物体部分および該背景部分の両方が最大輝度の50%未満の輝度レベルである場合、最小値の輝度レベルが該複数のサブフレーム期間の少なくともサブフレームβ期間に供給され、該動く物体部分および該背景部分の両方が最大輝度の50%以上の輝度レベルである場合、最大値の輝度レベルが該複数のサブフレーム期間の少なくともサブフレームα期間に供給され、これにより、上記目的が達成される。
前記複数のサブフレーム期間が2つのサブフレーム期間でよい。
前記入力画像信号を前記供給された階調レベルで表示するステップをさらに含んでもよい。
前記入力画像信号を前記供給された階調レベルで表示するステップをさらに含んでもよい。
前記画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が短い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとし、これが長い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとしてもよい。
本発明の画像表示デバイスは、前記画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が短く、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとする、上記画像表示方法を実行するための画像表示デバイスであって、これにより、上記目的が達成される。
本発明の画像表示デバイスは、前記画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が長く、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとする、上記画像表示方法を実行するための画像表示デバイスであって、これにより、上記目的が達成される。
本発明の画像表示方法は、少なくとも動く物体部分および背景部分を含む入力画像信号の画像を表示のために供給する画像表示方法であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを画像表示部に供給するステップを含み、第1サブフレーム期間に供給された該動く物体の輝度レベルが第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも小さい場合に、該第1サブフレーム期間に供給された該背景の輝度レベルも該第2サブフレーム期間に供給された該輝度レベルよりも小さく、該第1サブフレーム期間に供給された該動く物体の輝度レベルが該第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも大きい場合に、該第1サブフレーム期間に供給された該背景の輝度レベルも該第2サブフレーム期間に供給された該輝度レベルよりも大きく、これにより、上記目的が達成される。
前記複数のサブフレーム期間が2つのサブフレーム期間でよい。
前記入力画像信号を前記供給された階調レベルで表示するステップをさらに含んでもよい。
本発明の画像表示装置は、少なくとも動く物体部分および背景部分を含む入力画像信号の画像を表示する画像表示装置であって、フレーム期間が少なくともサブフレームα期間およびサブフレームβ期間を含む複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給する手段と、該画像信号を該供給された階調で表示する手段とを備え、該動く物体部分および該背景部分の両方が最大輝度の50%未満の輝度レベルである場合、最小値の輝度レベルが該複数のサブフレーム期間の少なくともサブフレームβ期間に供給され、該動く物体部分および該背景部分の両方が最大輝度の50%以上の輝度レベルである場合、最大値の輝度レベルが該複数のサブフレーム期間の少なくともサブフレームα期間に供給され、これにより、上記目的が達成される。
前記複数のサブフレーム期間が2つのサブフレーム期間でよい。
前記表示手段において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が短い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとし、これが長い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとしてもよい。
前記画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が短く、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとしてもよい。
前記画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が長く、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとしてもよい。
本発明の画像表示装置は、少なくとも動く物体部分および背景部分を含む入力画像信号の画像を表示のために供給する画像表示装置であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給する手段と、該画像信号を該供給された階調で表示する手段とを備え、第1サブフレーム期間に供給された該動く物体の輝度レベルが第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも小さい場合に、該第1サブフレーム期間に供給された該背景の輝度レベルも該第2サブフレーム期間に供給された該輝度レベルよりも小さく、該第1サブフレーム期間に供給された該動く物体の輝度レベルが該第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも大きい場合に、該第1サブフレーム期間に供給された該背景の輝度レベルも該第2サブフレーム期間に供給された該輝度レベルよりも大きく、これにより、上記目的が達成される。
前記複数のサブフレーム期間が2つのサブフレーム期間でよい。
本発明の画像表示装置は、少なくとも動く物体部分および背景部分を含む入力画像信号の画像を表示する画像表示装置であって、フレーム期間が少なくともサブフレームα期間およびサブフレームβ期間を含む複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給するように構成された表示制御部と、該画像信号を該供給された階調で表示するように構成された画像表示部とを備え、該動く物体部分および該背景部分の両方が最大輝度の50%未満の輝度レベルである場合、最小値の輝度レベルが該複数のサブフレーム期間の少なくともサブフレームβ期間に供給され、該動く物体部分および該背景部分の両方が最大輝度の50%以上の輝度レベルである場合、最大値の輝度レベルが該複数のサブフレーム期間の少なくともサブフレームα期間に供給され、これにより、上記目的が達成される。
前記複数のサブフレーム期間が2つのサブフレーム期間でよい。
前記表示手段において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が短い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとし、これが長い場合には、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとしてもよい。
前記画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が短く、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の後半のサブフレームとしてもよい。
前記画像表示部において、表示輝度が上昇する場合の応答時間に比較して、該表示輝度が下降する場合の応答時間が長く、サブフレームα期間を前記1フレーム期間の中の前半のサブフレームとしてもよい。
本発明の画像表示装置は、少なくとも動く物体部分および背景部分を含む入力画像信号の画像を表示のために供給する画像表示装置であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給するように構成された表示制御部と、該画像信号を該供給された階調で表示するように構成された画像表示部とを備え、第1サブフレーム期間に供給された該動く物体の輝度レベルが第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも小さい場合に、該第1サブフレーム期間に供給された該背景の輝度レベルも該第2サブフレーム期間に供給された該輝度レベルよりも小さく、該第1サブフレーム期間に供給された該動く物体の輝度レベルが該第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも大きい場合に、該第1サブフレーム期間に供給された該背景の輝度レベルも該第2サブフレーム期間に供給された該輝度レベルよりも大きく、これにより、上記目的が達成される。
前記複数のサブフレーム期間が2つのサブフレーム期間でよい。
本発明の画像表示方法は、入力画像信号の画像を表示のために供給する画像表示方法であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを画像表示部に供給するステップを含み、最大の輝度値を該複数のサブフレームの少なくとも1つの中心に供給し、最小の輝度レベルを該複数のサブフレームの該中心から最も離れたサブフレームに供給し、これにより、上記目的が達成される。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%以上の場合、最大の輝度値の輝度レベルが少なくとも1つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%未満の場合、最小値の輝度レベルが前記複数のサブフレームの前記中心から最も離れたサブフレームに供給されてもよい。
前記複数のサブフレームの数が奇数である場合、最大の輝度値が少なくとも1つの中心のサブフレームに供給され、前記複数のサブフレームの数が偶数である場合、最大の輝度値が少なくとも2つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記入力画像信号を前記供給された階調レベルで表示するステップをさらに含んでもよい。
本発明の画像表示方法は、入力画像信号の画像を表示のために供給する画像表示方法であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを画像表示部に供給するステップを含み、該階調レベルの輝度値を該複数のサブフレームの該中心から外側のサブフレームに対して低くし、これにより、上記目的が達成される。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%以上の場合、最大の輝度値の輝度レベルが前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%未満の場合、最小値の輝度レベルが前記複数のサブフレームの前記中心から最も離れたサブフレームに供給されてもよい。
前記複数のサブフレームの数が奇数である場合、最大の輝度値が少なくとも1つの中心のサブフレームに供給され、前記複数のサブフレームの数が偶数である場合、最大の輝度値が少なくとも2つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記入力画像信号を前記供給された階調レベルで表示するステップをさらに含んでもよい。
本発明の画像表示装置は、入力画像信号の画像を表示のために供給するための画像表示装置であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給する手段と、該入力画像信号を該供給された階調レベルで表示する手段とを備え、最大の輝度値を該複数のサブフレームの少なくとも1つの中心に供給し、最小の輝度レベルを該複数のサブフレームの該中心から最も離れたサブフレームに供給し、これにより、上記目的が達成される。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%以上の場合、最大の輝度値の輝度レベルが前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%未満の場合、最小値の輝度レベルが前記複数のサブフレームの前記中心から最も離れたサブフレームに供給されてもよい。
前記複数のサブフレームの数が奇数である場合、最大の輝度値が少なくとも1つの中心のサブフレームに供給され、前記複数のサブフレームの数が偶数である場合、最大の輝度値が少なくとも2つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
本発明の画像表示装置は、入力画像信号の画像を表示のために供給するための画像表示装置であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給するように構成された表示制御部と、該画像信号を該供給された階調で表示するように構成された画像表示部とを備え、最大の輝度値を該複数のサブフレームの少なくとも1つの中心に供給し、最小の輝度レベルを該複数のサブフレームの該中心から最も離れたサブフレームに供給し、これにより、上記目的が達成される。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%以上の場合、最大の輝度値の輝度レベルが前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%未満の場合、最小値の輝度レベルが前記複数のサブフレームの前記中心から最も離れたサブフレームに供給されてもよい。
前記複数のサブフレームの数が奇数である場合、最大の輝度値が少なくとも1つの中心のサブフレームに供給され、前記複数のサブフレームの数が偶数である場合、最大の輝度値が少なくとも2つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
本発明の画像表示装置は、入力画像信号の画像を表示のために供給するための画像表示装置であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給する手段と、該入力画像信号を該供給された階調レベルで表示する手段とを備え、該階調レベルの輝度値を該複数のサブフレームの該中心から外側のサブフレームに対して低くし、これにより、上記目的が達成される。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%以上の場合、最大の輝度値の輝度レベルが前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%未満の場合、最小値の輝度レベルが前記複数のサブフレームの前記中心から最も離れたサブフレームに供給されてもよい。
前記複数のサブフレームの数が奇数である場合、最大の輝度値が少なくとも1つの中心のサブフレームに供給され、前記複数のサブフレームの数が偶数である場合、最大の輝度値が少なくとも2つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
本発明の画像表示装置は、入力画像信号の画像を表示のために供給するための画像表示装置であって、フレーム期間が複数のサブフレーム期間に分割され、入力画像信号の階調レベルを供給するように構成された表示制御部と、該画像信号を該供給された階調で表示するように構成された画像表示部とを備え、該階調レベルの輝度値を該複数のサブフレームの該中心から外側のサブフレームに対して低し、これにより、上記目的が達成される。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%以上の場合、最大の輝度値の輝度レベルが前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
前記階調レベルが前記最大の輝度レベルの50%未満の場合、最小値の輝度レベルが前記複数のサブフレームの前記中心から最も離れたサブフレームに供給されてもよい。
前記複数のサブフレームの数が奇数である場合、最大の輝度値が少なくとも1つの中心のサブフレームに供給され、前記複数のサブフレームの数が偶数である場合、最大の輝度値が少なくとも2つの中心のサブフレームに供給されてもよい。
本発明のプログラムは、前記画像表示方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、これにより、上記目的が達成される。
本発明の記録媒体は、前記コンピュータプログラムを有するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、これにより、上記目的が達成される。
本発明の電子機器は、前記画像表示装置を用いて表示部の表示画面上に画像表示を行う電子機器であって、これにより、上記目的が達成される。
本発明の液晶テレビジョン装置は、前記画像表示装置と、該画像表示装置の表示制御手段に、チャネルを選択したテレビジョン放送信号を出力可能とするチューナ部とを備え、これにより、上記目的が達成される。
本発明の液晶モニタ装置は、前記画像表示装置と、該画像表示装置の表示制御手段に、外部からのモニタ信号を信号処理したモニタ画像信号を出力可能とする信号処理部とを備え、これにより、上記目的が達成される。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、動きボケによる動画品質の劣化を改善するために複数のサブフレーム期間を設けたホールド型画像表示装置において、最大輝度やコントラスト比の低下を極力おさえながら、可能な限り表示輝度の時間的な重心位置が入力画像信号の階調レベルの変化に応じて動く事の無いように、各サブフレーム期間に供給される階調レベルを制御している。
例えば、n個(nは2以上の整数)のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示を行う場合に、時間的な中心または中心に最も近いサブフレーム期間から前後に近接するサブフレーム期間に向かって、順次、入力される階調信号が対応する輝度レベルを超えない範囲で最大または充分に大きい階調レベル(所定値より大きい階調レベル)を供給していき、入力階調レベルに達した時点で残りのサブフレーム期間に最小または充分に小さい階調レベル(所定値より小さい階調レベル)を供給する。
また、nが3以上の奇数である場合に、時間的な中心のサブフレーム期間である第m(=(n+1)/2)サブフレーム期間から前後に近接するサブフレーム期間に向かって順次最大もしくは充分に大きい階調レベルを供給していき、その前後に入力階調レベルに応じて増減される階調レベルを供給した後、残りのサブフレーム期間に最小または充分に小さい階調レベルを供給する。このとき、各サブフレーム期間に供給される階調レベルは、入力階調レベルと閾値Tとの大小関係で判定される。
また、nが2以上の偶数である場合に、時間的な中心のサブフレーム期間(または中心に最も近いサブフレーム期間)である第m1(=n/2)および第m2(=n/2+1)サブフレーム期間から前後に近接するサブフレーム期間に向かって順次最大または充分に大きい階調レベルを供給していき、その前後に入力階調レベルに応じて増減される階調レベルを供給した後、残りのサブフレーム期間に最小または充分に小さい階調レベルを供給する。このとき、各サブレーム期間に供給される階調レベルは、入力階調レベルと閾値Tとの大小関係で判定される。
このような制御により、表示輝度の時間的な重心位置を、1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近い位置に固定させることができるため、特許文献1に開示されている従来の画像表示装置において入力階調によって表示輝度の時間的な重心位置が変化した場合に生じるような不正な輝度や色バランスによる画質の劣化を抑制することができる。また、1フレーム期間内における表示輝度が適切に変化するため、従来の一般的なホールド型画像表示装置において生じるような動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。また、最大の階調レベルを表示する際には常に最小輝度表示が設けられる黒挿入方式の画像表示装置において生じるような最大輝度やコントラスト比の低下を抑制することができる。
nが2である場合には、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とすると、サブフレームα期間に最大もしくは充分に大きい階調レベルまたは入力階調に応じて増減される階調レベルを供給し、サブフレームβ期間には最小もしくは充分に小さい階調レベルまたは入力階調に応じて増減される階調レベルを供給する。このとき、各サブフレーム期間に供給される階調レベルは、入力階調レベルと閾値との大小関係で判定される。
このような制御により、表示輝度の時間的な重心位置の移動を極力少なくすることができるため、特許文献1に開示されている従来の画像表示装置において入力階調によって表示輝度の時間的な重心位置が大きく変化した場合に生じるような不正な輝度や色バランスによる画質の劣化を抑制することができる。また、1フレーム期間内における表示輝度が適切に変化するため、従来の一般的なホールド型画像表示装置において生じるような動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。また、最大の階調レベルを表示する際にも最小輝度表示が設けられる黒挿入方式の画像表示装置において生じるような最大輝度やコントラスト比の低下を抑制することができる。
また、nが2である場合に、連続して入力される二つのフレームの画像に対して時間的に中間状態のフレームの画像を生成し、サブフレームβ期間に供給される階調レベルを、その中間状態のフレームの画像の階調レベルと閾値との大小関係で判定してもよい。この場合には、時間的に中間状態のフレームの画像は推定により生成されるため、いくつかの画素で発生することが考えられる補間エラーによる不正な表示を目立たたせずに表示させることができる。
さらに、nが2である場合に、サブフレームβ期間に供給される階調レベルを、入力される画像信号の階調レベルと、その一つ前のフレーム期間または一つ後のフレーム期間の入力階調レベルとを平均した値と閾値との大小関係で判定してもよい。
また、各サブフレーム期間に供給される階調レベルの上限値(最大レベル)を、中心または中心に最も近いサブフレーム期間から前後に向かって順次小さくなるか、または同じになるように設定することによって、入力階調レベルが大きい場合でも、輝度が低いサブフレーム期間を設けることができる。これにより、入力階調レベルが大きい場合でも、従来の一般的なホールド型画像表示装置において生じるような動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。ここで、n=2の場合には、一方のサブフレーム期間に供給される階調レベルの上限値を他方のサブフレーム期間に供給される階調レベルの上限値以上に設定することができる。
また、サブフレーム期間に供給される階調レベルや閾値は、入力階調レベルと輝度の時間積分量とがガンマ輝度特性を示すように設定することができる。これにより、CRTが有するガンマ輝度特性を前提に作成された映像信号に対して階調再現性の互換性を確保しながら、従来の一般的なホールド型画像表示装置において生じるような動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。
また、パネル温度や周辺温度を検出する温度検出手段を設けて、検出温度に応じてサブフレーム期間に供給される階調レベルや閾値を設定(設定変更)することができる。これによって、液晶表示素子のように温度条件によって輝度が上昇する速度と下降する速度とのバランスが変化するような表示素子を用いる場合でも、入力される画像信号に対する表示輝度の関係を一定に保つことができる。
さらに、入力される画像信号が複数の色成分で構成されている場合には、入力階調レベルが最も大きい色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率に、それ以外の色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率を一致させて階調レベルを供給することができる。
これにより、各色成分毎の輝度バランスが大きく異なる場合においても、動画表示の際に色成分のバランスが崩れて異常な色が見えてしまうような現象を防ぐことができる。
ここで、各サブフレーム期間に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける各種振り分け方について請求項の内容と対応させて説明する。なお、詳細には後述するが、入力画像信号が想定している輝度レベルになるように階調レベルが調整される。
また、以下の説明において、振り分け方を分かり易く説明するために、入力画像信号の階調レベルを低いレベルから所定の階調レベルまで徐々に上げた際の振り分け方を説明しているが、本発明は、入力画像信号の階調レベルに応じて、以下のような振り分け方に基づき、演算処理やルックアップテーブル等を用いた変換処理等により瞬時に振り分けるものである。
図67(a)に示すように、1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近いサブフレームから、順次前後のサブフレームがいっぱいになるまで一つのサブフレームづつ入力画像信号が想定している輝度レベルを順次振り分ける。入力画像信号の想定している輝度レベルと同じになるように残った輝度レベルが、余ったサブフレームに振り分けられて輝度レベルの分配が終了する。
図67(b)に示すように、1フレーム期間の時間的な中心の一つのサブフレームから、順次前後のサブフレームがいっぱいになるまで二つのサブフレームづつ同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける。このとき、入力画像信号の輝度レベルを順番にサブフレームに分配していっぱいになり、次のサブフレームに分配するときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値が閾値である。入力画像信号が想定している輝度レベルと同じになるように残った輝度レベルが、次の二つのサブフレームに振り分けられて輝度レベルの分配が終了する。
図67(c)に示すように、1フレーム期間の時間的な中心の二つのサブフレームから同時に、順次前後のサブフレームがいっぱいになるまで二つのサブフレームづつ同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける。このとき、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番に二つのサブフレームづつ分配していっぱいになり、次の左右のサブフレームに分配するときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値が閾値である。入力画像信号が想定している全輝度レベルと同じになるように残った輝度レベルが、次の二つのサブフレームに振り分けられて輝度レベルの分配が終了する。
図67(d)に示すように、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その一方のサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T)になったら、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。
図68(a)に示すように、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。入力画像信号の階調レベルが閾値T1になったら、他方のサブフレームにも同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その一方のサブフレームにおいて輝度レベルの振り分けがいっぱい(閾値T2)になり、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルの残り分が振り分けられて終了する(ドット部分)。
図68(f)に示すように、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その一方のサブフレームにおいて入力画像信号の階調レベルが閾値T1になったら途中で一旦固定(分配停止)し、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その他方のサブフレームにおいて入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱい(閾値T2)になると、一方のサブフレームへの輝度レベルの分配固定が解除されて、一方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルの残り分が振り分けられて終了する(ドット部分)。
図68(g)に示すように、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。入力画像信号の階調レベルが閾値Tになったら、その一方のサブフレームは最大輝度とし、他方のサブフレームは、本フレームの入力画像と、次のフレームの入力画像との画像の差(動き)を見て、その差が変化していれば、前後の各画像の時間的中間状態(間の画像を推定)の入力画像信号が想定している輝度レベルになるように残りの輝度レベルを振り分ける。その一方のサブフレームでは入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱいになる。
図68(h)に示すように、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。分配輝度レベルに対応した階調レベルが閾値Tになったら、その一方のサブフレームは最大輝度とし、他方のサブフレームで本フレームの入力画像と次のフレームの入力画像との平均値を演算して、その平均値の入力画像信号が想定している輝度レベルの残り分を振り分ける。その一方のサブフレームは入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱいになる。
図69(i)および図69(j)に示すように、各サブフレーム期間が異なっているかまたは同一の場合である。サブフレーム期間が狭いほどインパルス効果が得られ、サブフレーム期間幅が太いと、輝度重心がその太いサブフレーム期間に寄って動き難くなる。
図69(k)に示すように、一方のサブフレームから分配輝度レベルを埋めて閾値T1になると、他方のサブフレームにも同時に分配輝度レベルを埋めて行くが、両サブフレームに分配された階調レベルまたは輝度レベルの差が一定値になるように分配される場合である。
図69(l)に示すように、一方のサブフレームから輝度レベルを埋めて閾値T1になると、他方のサブフレームにも同時に分配輝度レベルを埋めて行くが、両サブフレームに分配される階調レベルまたは輝度レベルの差が所定の関数(所定の係数がかけられた値など)に応じた値になるように分配する場合である。
図70(m)に示すように、輝度上昇時の液晶の応答時間>輝度下降時の液晶の応答時間の場合には後半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分け、輝度上昇時の液晶の応答時間<輝度下降時の液晶の応答時間の場合には前半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分ける場合である。
図70(n)に示すように、表示輝度レベルLminからLmaxに変化時の表示輝度応答時間>LmaxからLminに変化時の表示輝度応答時間の場合には後半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分け、表示輝度レベルLminからLmaxに変化時の表示輝度応答時間<LmaxからLminに変化時の表示輝度応答時間の場合には前半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分ける場合である。
図70(o)に示すように、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その一方のサブフレームが上限値L(斜線部分;閾値T)になったら、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。
図70(p)に示すように、1フレーム期間の時間的な中心のサブフレームから入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その中心のサブフレームが最も高い上限値L1(斜線部分;閾値T1)になったら、その中心のサブフレームの左右のサブフレームに同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その左右の二つのサブフレームの分配輝度レベルに対応した階調レベルが次に高い上限値L2(斜線部分;閾値T2)になったら、その左右のサブフレームの更に左右のサブフレームに同時に、輝度レベルを、この輝度レベルが最も低い上限値L3まで振り分ける(ドット部分)。
図71(q)に示すように、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その一方のサブフレームの分配輝度レベルに対応した階調レベルが高い上限値L1(斜線部分;閾値T)になったら、他方のサブフレームに、輝度レベルを、この輝度レベルに対応した階調レベルの低い上限値L2まで振り分ける(ドット部分)。
図71(r)に示すように、1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近いサブフレームの一方から、表示輝度の積分値が適正なガンマ輝度特性を再現するように輝度レベルを確定して入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。そのサブフレームがいっぱい(斜線部分)になったら、中心に最も近い他方のサブフレームに、表示輝度の積分値が適正なガンマ輝度特性を再現するように輝度レベルを確定して入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。さらに、そのサブフレームがいっぱい(斜線部分)になったら、中心に最も近い他方のサブフレームに隣接する空のサブフレームに、表示輝度の積分値が適正なガンマ輝度特性を再現するように輝度レベルを確定して入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。さらに、そのサブフレームがいっぱい(斜線部分)になったら、中心に最も近い一方のサブフレームに隣接する空のサブフレームに、表示輝度の積分値が適正なガンマ輝度特性を再現するように輝度レベルを確定して入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。これを順次繰り返して中心またはこれに最も近いサブフレームから順次左右のサブフレームに画像表示部への入力画像信号が想定している輝度レベルが振り分けられてゆく。
図71(s)に示すように、1フレーム期間の時間的な中心のサブフレームから、表示輝度の積分値が適正なガンマ輝度特性を再現するように輝度レベルを確定して入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その中心のサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T1)になったら、その中心のサブフレームの左右のサブフレームに同時に、表示輝度の積分値が適正なガンマ輝度特性を再現するように輝度レベルを確定して入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その左右の二つのサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T2)になったら、その左右のサブフレームの更に左右のサブフレームに同時に、表示輝度の積分値が適正なガンマ輝度特性を再現するように輝度レベルを確定して入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。これを順次繰り返して中心のサブフレームから順次左右のサブフレームに画像表示部への入力画像信号が想定している輝度レベルが振り分けられてゆく。
本発明の画像表示装置、画像表示方法、プログラムおよび記録媒体によれば、第1サブフレーム期間に供給された動く物体の輝度レベルが第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも小さい場合に、第1サブフレーム期間に供給された背景の輝度レベルも第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも小さくする。さらに、第1サブフレーム期間に供給された動く物体の輝度レベルが第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも大きい場合に、第1サブフレーム期間に供給された背景の輝度レベルも第2サブフレーム期間に供給された輝度レベルよりも大きくする。したがって、従来の一般的なホールド型画像表示装置において生じるような動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。また、最大の階調レベルを表示する際には常に最小輝度表示が設けられる黒挿入方式の画像表示装置において生じるような最大輝度やコントラスト比の低下を抑制することができる。
本発明の画像表示装置および画像表示方法によれば、複数のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置において、各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルを制御することによって、動画表示の際に、画像表示輝度の時間的重心位置が、入力画像信号の階調レベルに応じて移動する量を極力抑える事ができる。これによって、最大輝度やコントラスト比の低下を極力抑えながら、動画表示の際に入力画像信号の階調レベルに依存する画像表示輝度の時間的重心位置が大きく移動するために観察される不正な輝度および色バランスによる画質の劣化を抑える。また、従来のホールド型画像表示装置において問題とされていた動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。
また、本発明の画像表示装置および画像表示方法によれば、入力画像信号の階調レベルと1フレーム期間での表示輝度の時間積分量との関係が適正なガンマ特性を示すように、各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルおよびその判定基準となる閾値とが設定される。これによって、CRTの有するガンマ輝度特性を前提に作成された従来の映像信号に対して、階調再現性の互換性を確保しながら動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。
さらに、本発明の画像表示装置および画像表示方法によれば、パネル温度または周囲温度に応じて、各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルおよびその判定基準となる閾値とが設定される。これによって、液晶表示素子などのように温度条件によって輝度が上昇する速度と下降する速度とのバランスが変化するような表示素子を用いる場合でも、入力される画像信号に対する表示輝度の関係を一定に保つことができる。
以下に、本発明の画像表示装置の実施形態1〜12について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の画像表示装置の実施形態1〜8における基本構成を示すブロック図である。
図1において、画像表示装置1は、画像表示手段(画像表示部)を構成する表示パネル10と、パネル温度またはその周辺温度を検出する温度検出手段としての温度センサIC20と、1フレーム分の画像が記憶されるフレームデータ記憶手段としてのフレームメモリ30と、各部を制御する表示制御手段としてのコントローラLSI40とを備えている。
表示パネル10は、表示素子アレイ11と、TFT基板12と、ソースドライバ13a〜13dと、ゲートドライバ14a〜14dとを有している。
表示素子アレイ11には、液晶材料または有機EL(エレクトロルミネッセンス)部材を用いた複数の表示素子11a(画素部)がマトリックス状に配置されている。
TFT基板12の表示領域には、これらの表示素子11aを駆動する画素電極12aと、画素電極12aへの電荷供給(表示電圧)をオン・オフするスイッチング素子としてのTFT12bとが各表示素子11aに対応してマトリックス状にそれぞれ配置されている。これらの表示素子アレイ11およびTFT基板12の表示領域の周辺部には、各TFT12bをそれぞれ介して画素電極12aおよび表示素子11aを表示駆動するための四つの第1〜第4ソースドライバ13a〜13dと、各TFT12bを駆動するための四つの第1〜第4ゲートドライバ14a〜14dとが配置されている。
TFT基板12の表示領域において、ソースドライバに接続されてソース電圧(表示電圧)が供給される複数のソース電圧ラインと、ゲートドライバに接続されてゲート電圧(走査信号電圧)が供給される複数のゲート電圧ラインとが互いに交叉(直交)して設けられている。その交叉部近傍毎に、画素電極12aおよびTFT12b設けられている。TFT12bのゲート電極は、対応するゲート電圧ライン(その交叉部のゲート電圧ライン)に接続され、TFT12bのソース電極は、対応するソース電圧ライン(その交叉部のソース電圧ライン)に接続され、TFT12bのドレイン電極は画素電極12aに接続されている。ここで、各ソースドライバ(第1〜第4ソースドライバ13a〜13d)毎の左端のソース電圧ラインを第1ソース電圧ラインといい、その右隣を第2ソース電圧ラインといい、以降同様にして、右端のソース電圧ラインを最終ソース電圧ラインということにする。同様に、各ゲートドライバ毎の上端のゲート電圧ラインを第1ゲート電圧ラインといい、その下隣を第2ゲート電圧ラインといい、以降同様にして、下端のゲート電圧ラインを最終ゲート電圧ラインということにする。
なお、図1では、説明を簡略化するために、第1ソースドライバ13aに接続された第1ソース電圧ラインと、第1ゲートドライバ14aに接続された第1ゲート電圧ラインと、これらに接続されているTFT12bと、TFT12bに接続されている画素電極12aと、画素電極12aに対応した表示素子11aだけが例示的に図示され、その他は省略されている。
表示パネル10の近傍には、表示パネル10またはその周辺温度値を検出して温度レベル信号として出力する機能を有する温度センサIC20が搭載されている。また、入力された画像信号を保持するためのフレームメモリ30も搭載されている。さらに、ソースドライバ13a〜13dおよびゲートドライバ14a〜14dへの各種信号出力を行うと共に、フレームメモリ30へのデータアクセスを行い、温度センサIC20から出力される温度レベル信号を読み込んで温度に応じた輝度補正制御をするコントローラLSI40も搭載されている。
上記構成により、この画像表示装置1の動作として基本的な画像表示方法について説明する。
まず、コントローラLSI40からは、1水平ライン分の各画素部に表示される画像信号が、クロック信号に同期して順次、第1ソースドライバ13aに転送される。第1〜第4ソースドライバ13a〜13dは図1に示すように接続されているので、1水平画素数分のクロック信号のパルスによって、第1〜第4のソースドライバ13a〜13dに1水平画素数分の画像信号が一旦保持される。この状態で、コントローラLSI40からソースドライバ13a〜13dにラッチパルス信号が出力されると、各ソースドライバ13a〜13dから各画素部の画像信号に対応した表示電圧レベルが1水平画素数分のソース電圧ラインに出力される。
また、コントローラLSI40は、各ゲートドライバ14a〜14dへの制御信号として、イネーブル信号、スタートパルス信号および垂直シフトクロック信号がそれぞれ出力される。イネーブル信号がロウレベルの間は、ゲート電圧ラインはオフ状態となる。また、イネーブル信号がハイレベルのときに、垂直シフトクロック信号の立上りエッジのタイミングでスタートパルス信号が入力された場合には、該当するゲートドライバの第1ゲート電圧ラインがオン状態となる。また、垂直シフトクロックの立上りエッジのタイミングでスタートパルス信号が入力されていない場合には、前回オン状態となったゲート電圧ラインの次のゲート電圧ラインがオン状態となる。
上記ソース電圧ラインに1水平画素数分の表示電圧が出力されている期間に、1本のゲート電圧ラインがオン状態となることによって、このゲート電圧ラインに接続されている1水平画素分の各TFT12bがオン状態となる。これにより、1水平画素分の各画素電極12aに各ソース電圧ラインからの電荷(表示電圧)がそれぞれ供給され、これによって、表示素子11aの状態が変化して画像表示が行われる。以上のような表示制御が各水平ラインについて繰り返されることによって、表示画面全体に画像表示が為される。
以下に、上記構成の画像表示装置を前提として、本発明の画像表示装置1のコントローラLSI40およびそれを用いた画像表示方法の具体的な各実施形態1〜8について詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態1では、画面上の画素部のそれぞれに対して、前半および後半の二つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分値の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われ、一意的に定められている一方のサブフレーム期間(例えば前半のサブフレーム期間)においては最大の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されこのサブフレームをサブフレームαと呼び、他方のサブフレーム期間(例えば後半のサブフレーム期間)においては最小の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されこのサブフレームをサブフレームβと呼ぶような場合について説明する。これらの制御は画素部単位で(1画素または所定画素数毎に)行われる。
なお、これらのサブフレームαおよびサブフレームβを、それぞれ前半サブフレームか後半サブフレームのいずれに割り当てるかについては後述する。
また、本実施形態1において使用される表示パネル10は、表示素子として応答速度の温度依存性が大きい液晶材料を用いた液晶パネルを用いる。
図2は、図1のコントローラLSI40の実施形態1を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態1の表示制御手段としてのコントローラLSI40Aは、ラインデータ記憶手段としてのラインバッファ41と、タイミング制御手段としてのタイミングコントローラ42と、フレーム記憶データ選択手段としてのフレームメモリデータセレクタ43と、第1階調変換手段としての第1階調変換回路44と、第2階調変換手段としての第2階調変換回路45と、出力データ選択手段としての出力データセレクタ46とを備えている。
ラインバッファ41は、入力された入力画像信号が1水平ラインづつ受信されて一旦保持される。ラインバッファ41は、受信ポートと送信ポートとを独立して備えており、同時に受信と送信とを行うことができる。
タイミングコントローラ42は、フレームメモリデータセレクタ43に対して、上記フレームメモリ30へのデータ転送と、フレームメモリ30からのデータ読み出しとのタイミングを交互に切り替え制御する。また、タイミングコントローラ42は、出力データセレクタ46に対して、第1階調変換回路44と第2階調変換回路45とから各出力タイミングを交互に選択制御する。即ち、タイミングコントローラ42は、出力データセレクタ46に対して、後述するが、前半サブフレーム期間と後半サブフレーム期間とを切り換えさせている。
フレームメモリデータセレクタ43は、タイミングコントローラ42によって制御され、ラインバッファ41に保持された入力画像信号を1水平ライン分づつ、フレームメモリ30にデータ転送することと、1フレーム前に入力されてフレームメモリ30に保存されている画像信号を1水平ラインづつ読み出すこととを交互に選択して、その読み出したデータを第2階調変換回路45に転送する。
第1階調変換回路44は、ラインバッファ41から供給される入力画像信号の階調レベルが、最大の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換される。
第2階調変換回路45は、フレームメモリデータセレクタ43から供給される画像信号の階調レベルが、最小の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換される。
また、これらの第1階調変換回路44および第2階調変換回路45は、温度センサIC20から出力された温度レベル信号に応じて変換値を変化させる機能を有している。なお、本実施形態1では、第1階調変換回路44および第2階調変換回路45は、入力値に対応する出力値が予め記憶されているルックアップテーブルによって構成されているが、演算回路によって出力値を演算して出力させることもできる。
出力データセレクタ46は、タイミングコントローラ42によって制御され、第1階調変換回路44から出力される画像信号と、第2階調変換回路45から出力される画像信号を1ラインづつ交互に選択して、パネル画像信号として出力する。
上記構成により、本実施形態1のコントローラLSI40Aを用いた画像表示装置の動作について説明する。
図3は、本実施形態1の画像表示装置における水平期間毎の画像信号の流れを示す図である。ここでは、第N番目のフレームの1ライン目から3ライン目の画像信号が入力される期間を示している。
なお、図3では、括弧[ ]内は、それぞれ、1水平ライン分の画像信号の転送期間を示している。例えば[f、l]は、第fフレームの水平第lラインに入力された入力画像信号が転送されていることを示しており、例えば[N,2]は第Nフレームの第2水平ラインに入力された画像信号が転送されていることを示している。また、Mライン目は画面の中間ラインを示しており、本実施形態1では第3ゲートドライバ14cの第1ゲート電圧ラインによって駆動される水平ラインである。また、C1は、その後ろの[ ]内に示すフレームおよび水平ラインの入力画像信号をソースとして、第1階調変換回路44で変換された画像信号が転送され、C2は、その後ろの[ ]内に示すフレームおよび水平ラインの入力画像信号をソースとして、第2変換回路45で変換された画像信号が転送されることを示している。
まず、図3の矢印D1に示すように、入力された入力画像信号は、ラインバッファ41で受信される。
次に、矢印D2に示すように、1ライン分の画像信号が受信されている途中から、ラインバッファ41からフレームメモリデータセレクタ43を介してフレームメモリ30への書き込みと、ラインバッファ41から第1階調変換回路44への転送とが行われる。第1階調変換回路44からは変換された画像信号がパネル画像信号として出力される。
また、矢印D3に示すように、上記フレームメモリ30への書き込みと交互に、書き込まれる画像信号のラインから半フレーム分だけ過去の水平ラインの画像信号が、フレームメモリ30から1ラインづつ読み出され、フレームメモリデータセレクタ43を介して第2階調変換回路45で変換されてパネル画像信号として出力される。
さらに、コントローラLSI40から出力された1水平ライン分のパネル画像信号がクロック信号によって第1〜第4のソースドライバ13a〜13dへ転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから各画素部の表示輝度に対応した表示電圧が出力される。このとき、ソース電圧ライン上の電荷(表示電圧)を供給して画像表示させたいラインに該当するゲートドライバには、必要に応じて垂直シフトクロック信号やゲートスタートパルス信号が与えられて、該当するゲート電圧ラインの走査信号がオン状態とされる。一方、画像表示させないゲートドライバでは、イネーブル信号がロウレベルとされて、ゲート電圧ラインの走査信号がオフ状態とされている。
図3の例では、矢印D4に示すように、第N−1フレームの第Mラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、コントローラLSI40から、矢印D5に示すように、第3ゲートドライバ14cへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D6およびD7に示すように、第3ゲートドライバ14cへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給されている。これにより、矢印D8に示すように、表示位置が画面の第Mラインに該当する第3ゲートドライバ14cの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。このとき、表示位置に該当しない第1、第2および第4ゲートドライバ14a、14bおよび14dへのイネーブル信号はオフレベルとされており、ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
次に、矢印D9に示すように、第Nフレームの第1ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、コントローラLSI40から、矢印D10に示すように、第1ゲートドライバ14aへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D11およびD12に示すように、第1ゲートドライバ14aへのスタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D13に示すように、表示位置が画面第1ラインに該当する第1ゲートドライバ14aの第1ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bがオン状態とされ、画像が表示される。このとき、表示位置に該当しない第2〜第4のゲートドライバ14b〜14dへのイネーブル信号はオフレベルとされ、ゲート電圧ラインに接続されたTFT12bはオフ状態とされている。
図4は、図3に示すような表示制御を繰り返すことによって、画面上の画像信号が書き換えられて行く様子を示す図である。ここでは、第Nフレームおよび第N+1フレームの画像信号が入力される期間に、画像表示が書き替えられる状態を示している。
図4に示す斜めの矢印は、1ラインの画像書き換えが行われる垂直位置と書き換えタイミングとを示している。また、Ci[f]は、第fフレームの画像信号が第i階調変換回路(44または45)で変換された画像信号により表示されていることを示しており、次に同じラインへの画像書き換えが行われるまで、画像表示情報が保持されている。図4では、第1階調変換回路44で変換された画像表示情報が保持されている位置を白色(ハッチング無し)、第2階調変換回路45で変換された画像表示情報が保持されている位置をグレー(ハッチング有り)として表している。点線は、駆動されるゲートドライバ(第1ゲートドライバ14a〜14d)の各境界位置を示している。
画面上のある水平1ラインの垂直位置に注目すると、入力1フレーム期間長の半分の期間は、入力画像信号を第1階調変換回路44で変換させた画像信号による表示が行われており、次の半分の期間は同じフレームの入力画像信号を第2階調変換回路45で変換させた画像信号による表示が行われていることが分かる。このような入力1フレーム期間の半分の期間のそれぞれを、前半サブフレーム期間および後半サブフレーム期間ということにする。
サブフレームαとサブフレームβをそれぞれ前半サブフレームと後半サブフレームのいずれに割り当てるかは、使用する表示パネルの輝度応答の特性に従って決める。
本実施形態1で使用する表示パネルは、最小の輝度レベルから最大の輝度レベルへ切替る場合の応答時間が長く、1サブフレーム期間では応答が不十分であるが、逆に、最大の輝度レベルから最小の輝度レベルへ切替る応答時間は短く、1サブフレーム期間で輝度応答がほぼ完了するような輝度応答特性を持つ表示パネルである。
このような表示パネルを使用して、図5のように入力画像信号の階調レベルが変化する場合に、サブフレームα期間を前半サブフレームに、サブフレームβ期間を後半サブフレームにそれぞれ割り当てた場合の表示パネルにおける表示輝度の変化のようすを図6に示している。
図6において、最も階調レベルの変化が大きいのは矢印D37−1で示すように、入力画像信号が大きく上昇変化したときの前半サブフレームであるが、前述した通り本実施形態1で使用する表示パネルは、最小の輝度レベルから最大の輝度レベルへ切替る場合の応答時間が長く、1サブフレーム期間では応答が不十分であり、矢印D37−2で示す前半サブフレームの終了時点で輝度応答が不完全となり、以降に続く入力階調レベルが同一のはずのフレームと輝度変化の状態が異なってしまう。このような場合、実際の映像では、動く物体のエッジ部に擬似輪郭が発生したり、カラー表示の場合には他の色成分との色バランスが崩れて異常な色が見えることがある。
次に、サブフレームαを後半サブフレームに、サブフレームβを前半サブフレームにそれぞれ割り当てた場合に入力される画像信号の階調レベルが図5のように変化した場合に、表示パネルにおける表示輝度の変化のようすを図7に示している。
図7において、最も階調レベルの変化が大きいのは、矢印D38−1で示すように、入力画像信号が下降変化したときの前半サブフレームであるが、前述した通り本実施形態1で使用する表示パネルは、最大の輝度レベルから最小の輝度レベルへ切替る場合の応答時間は短く、1サブフレーム期間でほぼ応答が完了する。このため、矢印D38−2で示す前半サブフレームの終了時点で充分に輝度応答しており、以降に続く入力階調レベルが同一のフレームと輝度変化の状態が同じであるため、動く物体のエッジ部に擬似輪郭が発生したり、カラー表示の場合には他の色成分との色バランスが崩れて異常な色が見えるようなことがない。したがって、本実施形態1においては、サブフレームαを後半サブフレームに、サブフレームβを前半サブフレームに割当てている。
ここで、本実施形態1の画像表示方法について説明する。
本実施形態1の画像表示方法では、後半サブフレームをサブフレームαと呼び、入力画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、入力される入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されるように、また、入力画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には最大の階調レベルの画像信号が供給されるように、第1階調変換回路44によって画像信号が変換される。
また、前半サブフレームをサブフレームβと呼び、入力画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、最小の階調レベルの画像信号が供給されるように、また、入力画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には、入力される入力画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されるように、第2階調変換回路45によって画像信号が変換される。
ここで、前半サブフレーム期間と後半サブフレーム期間とにおいて、設定目標とされる輝度値について説明する。
図8は、本実施形態1における表示輝度値の目標設定を説明するための図である。
図8において、左列は、入力画像信号の想定輝度値を示し、中央列は本実施形態1における前半サブフレーム期間および後半サブフレーム期間の各表示輝度を示している。また、右列は、二つのサブフレーム期間の輝度値を入力1フレーム期間で時間積分した値を示している。これは、実際に観察者の目に知覚される明るさに相当するものと考えられるが、ここでは、表示パネル10における輝度を時間積分した最大能力値を100%としている。図8の上部から、それぞれ、入力画像信号がガンマ輝度特性を踏まえて想定している輝度値が0%、25%、50%、75%および100%の場合を示している。
図8に示すように、各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルを判定するための閾値として、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の1/2(50%)である場合が設定されている。入力画像信号の想定輝度が最大輝度の1/2(50%)以下の場合には、後半サブフレーム期間の輝度は、
[後半サブフレーム期間の輝度]
=[入力画像信号の想定輝度]×2
の割合(所定の割合;乗算値2)で、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。例えば、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の25%である場合には、後半サブフレーム期間の輝度は25%×2=50%とされる。
また、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の1/2(50%)より大きい場合には、後半サブフレーム期間の輝度は、最大輝度(100%)とされる。
一方、前半サブフレームの輝度は、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の1/2(50%)以下の場合には最小輝度(0%)とされる。
また、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の1/2(50%)より大きい場合には、
[前半サブフレーム期間の輝度]
=([入力画像信号の想定輝度]×2−1
の割合(所定割合;乗算値2)で、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。例えば、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の75%=3/4である場合には、前半サブフレーム期間の輝度は(3/4)×2−1=50%とされる。
このように、設定された輝度値に応じて、第1階調変換回路44(前半サブフレーム期間)および第2階調変換回路45(後半サブフレーム期間)によって入力画像信号の階調レベルが変換されて、それぞれ前半サブフレーム期間および後半サブフレーム期間に出力される。これにより、表示輝度の時間的重心位置が、入力画像信号の階調レベルに依存せず、後半サブフレーム期間に固定化されるため、特許文献1に開示されている従来技術のように、不正な輝度や色バランスによる画質劣化を抑制することができる。
ところで、テレビジョン放送、ビデオ再生信号およびPC(パーソナルコンピュータ)の画像出力など、現行の一般的な画像信号の殆どは従来主力の画像表示装置であったCRT(陰極線管)が有しているガンマ輝度特性を想定して生成、出力されている。この場合には、画像表示信号の階調レベルと、この階調レベルが想定している表示輝度との関係は、線形な関係とはなっていない。このため、液晶表示素子やEL表示素子などの表示素子によっても適正な階調表現を実現するためには、ソースドライバ内において画像信号をソース電圧に変換する回路部に、CRTと同様のガンマ輝度特性を有するものを用いることが一般的である。
例えば、本実施形態1では、入力画像信号の想定階調レベルと輝度値との関係は、以下の通りとされている。
[表示輝度]=([画像信号階調レベル]/[最大階調レベル])γ
(γ=2.2)・・・(式1)
(但し、表示輝度の最大値を「1」、最小値を「0」で表す)
また、本実施形態1では、表示パネル10のソースドライバ13a〜13dは、一般的なホールド型表示装置と同様に入力された1フレーム分の画像信号を単純に1フレーム期間で画像表示させた場合に、入力画像信号が想定する階調レベルと輝度との関係を再現できるように、上記式1と同じガンマ輝度特性で設計されている。このとき、画像信号の階調レベルと輝度値との関係は、図54に示すようになる。
本実施形態1のように、二つのサブフレーム期間によって1フレーム期間の画像表示を構成する場合であっても、入力画像信号が想定する階調レベルと輝度値との関係を再現できることが好ましい。
そこで、本実施形態1では、入力される入力画像信号の階調レベルと、1フレーム期間における表示輝度の時間積分量との関係が、適正なガンマ輝度特性を示すように、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定する。
本実施形態1においては、あらゆる階調レベルに対して動きボケを改善することよりも、輝度の低下を抑えることを優先しており、入力画像信号の階調レベルが最大の場合には、表示パネルの最大能力の輝度レベルで表示するような画像表示装置である。
この場合、入力画像信号の階調レベルと、前半サブフレーム期間に供給される階調レベルおよび後半サブフレーム期間に供給される階調レベルとの関係は、以下の式のように表される。
(入力階調/最大階調)γ
={(前半階調/最大階調)γ+(後半階調/最大階調)γ}/2
(γ=2.2)・・・(式2)
図9は、上記式2の関係を満たす入力画像信号の階調レベルと前半および後半サブフレーム期間において供給される階調レベルの関係を示す図である。
図9において、左列は、入力される入力画像信号の階調レベルを示し、中央列は、入力された画像信号の階調レベルを変換して前半と後半のサブフレーム期間において供給される階調レベルを示している。また、右列は、その結果、1フレーム期間で時間積分された輝度を示しており、図9の上部から、それぞれ、表示される輝度の時間積分が0%、25%、50%、75%および100%の場合を示している。
図9に示すように、各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルを判定するための閾値として、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の50%、即ち入力画像信号の階調レベルが72.97%である場合が設定されている。入力画像信号の階調レベルが72.97%以下の場合には、後半サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、上記式2に示す関係を満たすように、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。また、前半サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、最小レベル0(%)とされる。
一方、入力画像信号の階調レベルが72.97%以上の場合には、後半サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、最大レベル(100%)とされ、前半サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、上記式2に示す関係を満たすように、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。
ここで、前半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、入力画像信号が一旦記憶されたラインバッファ41から出力され、上記コントロールLSI40内部の第1階調変換回路44で変換された値である。また、後半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、入力画像信号が一旦記憶されたフレームメモリ30から読み出され、上記コントロールLSI40内部の第2階調変換回路45で変換された値である。
図9の中央列に示すように変換された階調レベルが供給されると、前半および後半の各サブフレーム期間において、表示パネル10のソースドライバが有する上記式1および図54で示されるようなガンマ輝度特性に従った輝度で画像が表示される。
その結果、観察者の目が感じる明るさとして、前半および後半サブフレーム期間における表示輝度が1フレーム期間で時間積分された値が、図9の右列に表される。この1フレーム期間で時間積分された輝度の値は、入力された入力画像信号の階調レベルに対して上記式1および図54に示すような、入力画像信号が想定するガンマ輝度特性を再現している。これにより、本実施形態1の画像表示装置および画像表示方法によって、適正なガンマ特性が実現されていることが分かる。
また、以上のような画像表示方法で画像表示が行われる本実施形態1の画像表示装置において、静止した背景上を物体が水平方向に動くような映像を表示する際に、入力される入力画像信号の階調レベルが充分に小さい場合には、静止する背景の表示部および動く物体の表示部のいずれの表示部においても、後半サブフレーム期間において最小の階調レベルが供給されるため、図50および図51に示す黒挿入方式の画像表示装置と同様に、動きボケが軽減され、動画品質を改善する効果を得ることができる。
次に、入力階調が充分に大きく、入力階調72.97%以上、すなわち表示輝度50%以上の物体が、この物体よりもさらに輝度の大きい背景上を動くような映像が入力された場合に、一般的なホールド型表示装置と本実施形態1の表示装置(画像表示装置)でそれぞれどのように見えるかについて説明する。
図56は、一般的なホールド型表示装置において、上述したような映像が入力された場合の画面上の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を示す図である。図56では図48の場合と同様に、1フレーム期間T101の全てが画像点灯期間T102であり、前半や後半のサブフレーム期間はない。図56のように画像が表示された場合に、動く物体を注視した観察者にどのような明るさの分布が見えるかを図57に示している。
一方、図58は、本実施形態1の画像表示装置において、上述したような映像が入力された場合の画面上の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を示す図である。
図58に示すように、1フレーム期間T101内に二つのサブフレーム期間T201,T202が設けられており、それぞれが前半サブフレーム期間T201と後半サブフレーム期間T202に対応している。動く物体の入力階調も静止する背景も入力階調は72.97%を超えているため、動く物体の後半サブフレーム(A2)と静止する背景の後半サブフレーム(B2)は何れも最大輝度の表示となり、動く物体の前半サブフレーム(A1)と静止する背景の前半サブフレーム(B1)で異なる輝度の表示となる。図58のように映像が表示された場合に、動く物体を注視した観察者にどのような明るさの分布に見えるかを図59に示すと、図57に示す一般的なホールド型表示装置の場合に比較して動きボケが改善されていることが分かる。このように、本実施形態1においては黒挿入方式とは異なる動作原理による動画品質の改善効果を有している。
本実施形態1において、図52および図53に示す特許文献1の実施形態7で提案されている画像表示装置の場合と同様に、静止した背景上を物体が水平に動くような映像を表示する場合の表示輝度について、画面内の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を図10に示している。
図10では、横軸は画面上で水平方向の輝度の状態を示し、縦軸は時間経過を示しており、3フレーム期間の画面表示について表している。
図10に示す本実施形態1の画像表示装置においては、1フレーム期間T101内に二つのサブフレーム期間T201およびT202が設けられており、静止する背景の表示部Bでは、入力される入力画像信号の階調レベルが小さいため、前半のサブフレーム期間T201では最小レベルとして0%が供給されて消灯され、後半のサブフレーム期間T202では入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度40%で点灯されている。一方、動く物体の表示部Aでは、入力される画像信号の階調レベルが所定の閾値よりも充分大きいため、前半のサブフレーム期間T201では入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度20%で点灯され、後半のサブフレーム期間T202では最大レベルとして100%が供給されて輝度100%で点灯されている。なお、画像の表示状態を示す領域の数字は、表示輝度の最大能力を100%とした場合の輝度を示しており、例えば点線で囲んだB1では輝度0%を示している。
図10に示すような映像が表示された場合において、動く物体を注視した観察者にとって、どのような明るさの分布に見えるかを図11に示している。
図11では、動く物体の左端と右端で輝度変化の折れ線が異なる現象があるが、図53のような本来より輝度が大きい箇所や小さい箇所が発生するような不具合は改善されている。
次に、本実施形態1の画像表示装置における温度補正機能について説明する。
本実施形態1の画像表示装置では、表示パネル10の表示素子11aとして、液晶表示素子を用いている。液晶材料の応答速度は、一般に、低温下では遅くなり、高温下では速くなることが知られている。また、温度条件によっては、階調レベルの変化に対して透過率が上昇する場合と下降する場合とで応答速度に差が生じることもある。このような応答速度差の程度や、透過率が上昇する場合と下降する場合とでどちらの応答速度が遅くなるかなどという問題は、液晶材料の使用条件によっても異なる。
本実施形態1では、透過率が上昇する場合と下降する場合の応答速度について、温度が高い場合には殆ど同じであり、温度が低くなるにつれて透過率が下降する応答速度が遅くなるような液晶表示素子を用いる。このような液晶表示素子を用いている場合には、本実施形態1のように、二つのサブフレーム期間の表示輝度の時間積分によって1フレーム期間の画像表示を行うような画像表示装置において、同じ階調レベルの画像信号を供給しても、温度条件によっては輝度が変わることがある。
図12は、本実施形態1で用いる表示パネル10に供給される画像信号の階調レベルを温度条件によって調整しない場合について、温度条件による表示輝度の差を示す図である。左側は、高温下での液晶応答の様子を示しており、右側は、低温下での液晶応答の様子を示している。また、太線は階調レベルを示し、高温下および低温下とも、同じレベルが供給されている。また、グレー(ハッチング)の領域が液晶応答によって変化する輝度を示している。
本実施形態1で使用する液晶表示素子は、上述したように、温度が低くなるにつれて透過率が低くなる(輝度が低くなる)場合の応答速度が遅くなるような液晶表示素子である。よって、図12の右側に示す低温下においては、左側に示す高温下に比べて、前半サブフレーム期間において輝度が充分に下がらず、その結果、時間積分された輝度は大きくなる。このため、高温下と低温下とで同じ階調レベルの画像信号を供給しても、人間の目が感じる明るさが異なってしまうことになる。同じ階調レベルの入力画像信号に対して、温度条件によって知覚される明るさが異なることは、画像表示装置1として好ましくない。このような問題を解決するために、本実施形態1の画像表示装置1には、出力される画像信号に対する温度補正機能を設けている。
具体的には、表示パネル10の近傍に設置された温度センサIC20から出力される温度レベル信号が、コントロ−ラLSI40内部の第1階調変換回路44および第2階調変換回路45に入力されている。第1階調変換回路44および第2階調変換回路45は、上述した通り、入力階調レベルを出力階調レベルに変換するルックアップテーブルによって構成されているが、このルックアップテーブルは複数個設けられており、温度センサIC20からの温度レベル信号に応じて、階調変換に用いられるルックアップテーブルが切り替えるようになっている。
図13は、本実施形態1で用いる表示パネル10について、温度条件の違いにより出力階調レベルを変化させた場合について、表示輝度を示す図である。図13の左側は、高温下での液晶応答の様子を示しており、右側は、低温下での液晶応答の様子を示している。また、太線は階調レベルの変化を示し、グレー(ハッチング)の領域が液晶応答によって変化する輝度を示している。
上述した温度補正機能により、図13の右側に示す低温下では、特に、前半サブフレーム期間において、図13の左側に示す高温下の場合に比較して、低い階調レベルを供給して、液晶応答の遅れによる輝度変化を高温下の場合と同等になるようにしている。これにより、入力画像信号の階調レベルが同じ場合に人間に知覚される明るさを、温度条件に依らず、同等とすることができる。
以上のように、本実施形態1の画像表示装置1によれば、観察者の目が感じる明るさである輝度の時間積分における最大値の低下させることなく、動く物体を注視した際に本来の画像と比べて異常な明暗の箇所を発生させることなく、動きボケを軽減してホールド型画像表示装置の動画品質を向上させることができる。また、入力画像信号に対して適正な輝度ガンマ特性を有する階調表現によって画像を表示させることができる。さらに、液晶パネル10を用いた場合でも、温度条件に依らず、入力画像信号と観察者の目が感じる明るさとの関係を一定に保つことができる。
(実施形態2)
本実施形態2では、二つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、1フレーム期間毎に、画像表示部に対して該二つのサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、 一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、二つの階調レベルの閾値T1、T2が定められており、閾値T2は閾値T1より大きい値であり、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては最小の階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合には、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、サブフレームα期間に供給される階調レベルより小さいレベルであり、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合には、サブフレームα期間においては最大の階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する画像表示装置について説明する。
上記実施形態1において、入力画像信号の想定輝度は、図14に示すように段階的に変化している画像が、水平方向に移動してゆく映像を表示する場合の表示輝度の変化について図15に示している。上記実施形態1では、前半サブフレーム(T201)の輝度は、入力画像信号の想定輝度が50%を超えるまでは0%固定であり、50%を超えると入力画像信号の想定する輝度に応じて増加する。また、後半サブフレーム(T202)の輝度は、入力画像信号の想定する輝度が50%に達するまでは入力画像信号の想定する輝度に応じて増加し、50%を超えると100%固定となる。このような表示を行う場合に観察者の目にはどのように輝度の分布が見えるのかを図16に示すと、本来なだらかに変化するはずの輝度変化の途中に不連続点(図中に○で囲っている部分)が現れている。このような不連続点は観察者にとって、擬似輪郭のような異常な画像として見える可能性がある。
本実施形態2においては、このような不具合の発生を抑えるために前半と後半サブフレームへの階調分配の方法を変更したものである。本実施形態2における表示輝度値の設定目標について図17に示している。
本実施形態2において、階調レベルの閾値T1として想定する輝度が25%の場合の階調値と、階調レベルの閾値T2として想定する輝度が75%の場合の階調値と定める。入力画像信号の想定する輝度レベルが閾値T1、即ち25%以下のとき、サブフレームβである前半サブフレームでは、輝度レベル「0」であり、サブフレームαである後半サブフレームでは、入力画像信号の想定する輝度レベルに応じて変化する輝度レベルで表示する。
また、入力画像信号の想定する輝度レベルが閾値T1、即ち25%よりも大きく、閾値T2、即ち75%以下のとき、サブフレームβである前半サブフレームでは、輝度レベル0%から50%の範囲で、サブフレームαである後半サブフレームでは、輝度レベル50%から100%の範囲で、それぞれ入力画像信号の想定する輝度レベルに応じて、サブフレームαでの輝度レベルとサブフレームβでの輝度レベルの差を50%に維持するような輝度レベルで表示する。なお、このとき、サブフレームαとサブフレームβの関係は、輝度レベルまたは、供給する階調レベルの差を一定としてもよいし、その比率を一定としてもよい。または、サブフレームαとサブフレームβの輝度レベルまたは、供給する階調レベルを何らかの関数によって定義しても構わない。
さらに、入力画像信号として想定する輝度レベルが閾値T2、即ち75%の輝度値より大きい場合には、サブフレームβである前半サブフレームでは、入力画像信号として想定する輝度レベルに応じて変化する輝度レベルで表示し、サブフレームαである後半サブフレームでは、輝度レベル100%での表示となる。
上記実施形態1と比較すると、入力画像信号が想定する輝度が25%以上、75%未満の範囲における前半のサブフレームおよび後半のサブフレームでの目標とする表示輝度が、上記実施形態1のように後半のサブフレームから前半のサブフレームに順次増加させるものとは異なり、本実施形態2では後半のサブフレームと前半のサブフレームで共に増加させる。また、入力画像信号が想定する輝度が25%以下および75%以上の各範囲の場合には、上記実施形態1と本実施形態2とは同じである。
その一例として、図17に本実施形態2における表示輝度値の目標設定例を示している。これと、上記実施形態1の表示輝度値の目標設定例を示す図8とを比較すると、入力画像信号が想定する輝度が例えば50%の場合に前半サブフレームと後半サブフレームでの各表示輝度が異なることが分かる。その目標とする表示輝度が、上記実施形態1のように後半のサブフレームで100%まで増加させた後に前半のサブフレームで0%から増加させるものとは異なり、本実施形態2では後半のサブフレームで50%から100%まで増加させると共に、前半のサブフレームでは0%から50%まで増加させている。
次に、本実施形態2で入力画像信号が想定する輝度が25%以上、75%未満の範囲において、前述したような目標とする表示輝度を維持するために各サブフレームにおいて供給される階調レベルについて説明する。
本実施形態2においても上記実施形態1と同様に表示パネルはガンマ輝度特性を有しており、また、入力される画像信号もCRTを想定したガンマ輝度特性を有している。前述したように前半のサブフレームでの輝度レベルと後半のサブフレームでの輝度レベルの差を50%に維持する場合の前半のサブフレームと後半のサブフレームとの各階調レベルの関係は、以下の式で表される。
(後半階調/最大階調)γ−(前半階調/最大階調)γ=0.5
(γ=2.2)・・・(式3)
また、入力階調に対する関係式は上記実施形態1で説明した(式2)と同じである。これらの関係式より、本実施形態2における入力画像信号の階調レベルと前半および後半のサブフレームで供給される階調レベル、および実際に表示される輝度の時間積分値の関係を図18に示している。上記実施形態1における入力画像信号の階調レベルと前半および後半サブフレームで供給される階調レベル、および実際に表示される輝度の時間積分値の関係の図9の場合と比較すると、輝度の時間積分値を50%とする場合において前半サブフレームで供給する階調レベルと後半サブフレームで供給する階調レベルの差が少なくなっていることが分かる。
さらに、本実施形態2において、図14に示すような入力画像信号が想定する輝度が段階的に変化しているような画像が、水平方向に移動してゆく映像を表示する場合の表示輝度の変化について図19に示している。このとき、入力画像信号の想定輝度レベルが40%であるB2のところと、想定輝度レベルが60%のB3のところで、前半サブフレーム(T201)および後半サブフレーム(T202)での表示輝度レベルが上記実施形態1の図15とは異なり、前半サブフレーム輝度と後半サブフレーム輝度の差が50%となっていることが分かる。
さらに、このような表示を行う場合に、観察者の目にはどのように輝度の分布が見えるのかを図20に示すと、上記実施形態1の図16に現れていた輝度変化の不連続点(○印部分)が図20の○印部分(不連続点がない状態)のように改善されていることがわかる。
以上のように、本実施形態2の画像表示装置によれば、実施形態1と同様の効果に加えて、入力画像信号が想定する輝度が段階的に変化しているような画像が移動するような映像を表示した場合においても、観察者に輝度変化の不連続点が見える現象を回避する事ができる。
(実施形態3)
本実施形態3では、二つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置であって、この1フレーム期間毎に、画像表示部に対して二つのサブフレーム期間の画像表示制御を行う表示制御手段を備え、一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、二つの階調値の閾値T1、T2が定められており、閾値T2は閾値T1よりも大きい値であり、階調レベルLが一意的に定められており、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、最小の階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、また、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、閾値T2以下の場合には、サブフレームα期間においては、階調レベルLを供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、さらに、入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合には、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部に供給し、サブフレームβ期間においては、最大の階調レベルの画像信号を画像表示部に供給するような画像表示装置について説明する。
なお、本実施形態3では、サブフレームαとサブフレームβの輝度の大小関係は入力画像信号の階調レベルによって異なるため、いずれのサブフレームを前半、後半のサブフレームに割当てるかは、上記実施形態1のように最小の輝度レベルから最大の輝度レベルへ切替える場合の応答時間と、最大の輝度レベルから最小の輝度レベルへ切替える場合の応答時間の関係で決められるものではないが、その他の表示パネルの特性や表示される映像の特性などに応じて決めることが望ましい。ここでは、サブフレームβを前半サブフレームに、サブフレームαを後半サブフレームに割当てた場合について説明する。
本実施形態3における表示輝度値の設定目標について例えば図21に示している。
本実施形態3では、図21に示すように、階調レベルの閾値T1として想定する輝度が25%の場合の階調値と、閾値T2として想定する輝度が75%の場合の階調レベルとに定め、かつ所定の階調レベルLを想定する輝度値が50%の場合の階調レベルと定める。入力画像信号の想定する輝度レベルが閾値T1、即ち25%以下の場合には、サブフレームαである後半サブフレームの輝度は入力画像信号に応じて変化して、サブフレームβである前半のサブフレームの輝度は0%(最小値)に固定である。
また、入力画像信号の想定する輝度レベルが閾値T1、即ち25%よりも大きく、閾値T2、即ち75%以下の場合、サブフレームαである後半のサブフレームの輝度は階調レベルL、即ち50%の輝度で固定され、サブフレームβである前半のサブフレームの輝度は入力画像信号に応じて変化する。
さらに、入力画像信号の想定する輝度レベルが閾値T2、即ち75%よりも大きい場合には、サブフレームαである後半サブフレームの輝度は入力画像信号に応じて変化して、サブフレームβである前半サブフレームの輝度は100%(最大値)に固定である。
ここで、本実施形態3において上述のような表示輝度の目標を実現するために、前半および後半のサブフレームに供給される画像信号の階調レベルについて図22に示している。
本実施形態3においても、上記実施形態1の場合と同様に(式1)で表されるガンマ輝度特性を有する表示パネルを使用しており、また、入力画像信号も(式1)で表されるガンマ輝度特性を想定した画像信号である。
本実施形態3において、図52および図53に示す従来の特許文献1(実施形態7)で提案されている画像表示装置の場合と同様に、静止した背景上を物体が水平に動くような映像を表示する場合の表示輝度について、画面内の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を図23に示す。静止する背景の画像であるBの部分においては、図10に示す上記実施形態1の場合と同じ輝度表示であるが、動く物体を示すAの部分においては、入力画像信号の想定する輝度レベルが50%を超えているために、前半のサブフレーム(T201)での輝度レベルよりも後半のサブフレーム(T202)での輝度レベルの方が大きくなっている。
図23に示すような映像が表示された場合において、動く物体を注視した観察者にとって、どのような明るさの分布が見えるかを図24に示している。図24では、動く物体の左端と右端の各○印部分で輝度変化の折れ線が異なる現象があるが、上記実施形態1の場合と同様で、図53のような本来より輝度が大きい箇所や小さい箇所が発生するような不具合は改善されている。
(実施形態4)
本実施形態4の画像表示装置は、上記実施形態1の画像表示装置と比較して、使用する表示パネルの応答特性が異なる。また、一方のサブフレームについては供給される階調レベルの上限値を設けることで、動画ボケ改善効果の向上を図っている。
本実施形態4で使用する表示パネルは、上記実施形態1とは異なり最大の輝度レベルから最小の輝度レベルへ切替る場合の応答時間が長く、1サブフレーム期間では応答が不十分であるが、最小の輝度レベルから最大の輝度レベルへ切替る応答時間は短く、1サブフレーム期間で輝度応答がほぼ完了するような輝度応答特性を持つ表示パネルである。したがって、上記実施形態1の場合とは逆にサブフレームαを前半のサブフレームに割当て、サブフレームβを後半のサブフレームに割当てている。
本実施形態4において、前半のサブフレームと後半のサブフレームにおいて、設定目標とされる輝度値について説明する。
図25は、本実施形態4における表示輝度値の目標設定を説明する図である。
図25において、左列は、入力画像信号の想定輝度値を示し、中央列は本実施形態4における前半のサブフレーム期間および後半のサブフレーム期間の各表示輝度を示している。また、右列は、二つのサブフレーム期間の輝度値を入力1フレーム期間で時間積分した値を示している。これは、実際に観察者の目に知覚される明るさに相当するものと考えられるが、ここでは、表示パネル10における輝度を時間積分した最大能力値を100%としている。図25の上部から、それぞれ、入力画像信号として想定される輝度値が0%、25%、50%、66.67%、75%および100%の場合を示している。
図25に示すように、各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルを判定するための閾値として、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の2/3(66.67%)である場合が設定されている。入力画像信号の想定輝度が最大輝度の2/3(66.67%)以下の場合には、前半のサブフレーム期間の輝度は、
[前半サブフレーム期間の輝度]
=[入力画像信号の想定輝度]×1.5
の割合(所定の割合;乗算値1.5)で、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。
例えば、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の25%である場合には、前半サブフレーム期間の輝度は25%×1.5=37.5%とされる。
また、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の2/3(66.67%)より大きい場合には、前半のサブフレーム期間の輝度は、最大輝度(100%)とされる。この2/3(66.67%)の閾値は1.5を乗算すると100%になる。
一方、後半のサブフレームの輝度は、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の2/3(66.67%)以下の場合には最小輝度(0%)とされる。
また、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の2/3(66.67%)より大きい場合には、
[後半サブフレーム期間の輝度]
=([入力画像信号の想定輝度]−2/3)×1.5
の割合(所定割合;乗算値1.5)で、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。例えば、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の75%=3/4である場合には、後半のサブフレーム期間の輝度は(3/4−2/3)×1.5=1/8=12.5%とされる。
本実施形態4では、動画品質の向上を図るため、前半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルの上限値L1および後半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルの上限値L2が、L1≧L2という関係を満たすように設定されている。この例では、前半サブフレーム期間の輝度は100%が上限とされており、後半サブフレーム期間の輝度は50%が上限とされている。
このように後半のサブフレーム期間の輝度が50%とされていることによって、観察者の目に知覚される明るさの最大値が25%だけ低下する。しかしながら、入力される画像信号の想定する輝度値が最大(100%)の場合でも、前半のサブフレーム期間と後半のサブフレーム期間との間に輝度差があるため、動きボケが軽減される。
本実施形態4における表示パネルおよび入力画像信号の想定する輝度は、上記実施形態1と同様のγ輝度特性を有しており入力画像信号と表示輝度の関係(式1)に従う。
本実施形態4では、入力される入力画像信号の階調レベルと、1フレーム期間における表示輝度の時間積分量との関係が、静止画表示において適正なガンマ輝度特性を示すように、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定する。
なお、本実施形態4において、前半および後半のサブフレーム期間の表示輝度の時間積分が観察者の目に知覚される明るさと考えられるが、特に、本実施形態4では入力画像信号の階調レベルが大きい場合でも動きボケの軽減を図ることができるように、後半のサブフレーム期間の輝度値を表示パネル10の最大能力の半分以下に制限している。そこで、以下では、1フレーム期間の輝度の時間積分で言うと、表示パネル10の最大能力値の75%である輝度値を、画像表示装置1で表現できる最大輝度として説明する。
この場合、入力画像信号の階調レベルと、前半のサブフレーム期間に供給される階調レベルおよび後半のサブフレーム期間に供給される階調レベルとの関係は、以下の式のように表される。
(入力階調/最大階調)γ
={(前半階調/最大階調)γ+(後半階調/最大階調)γ}/2
×(1/0.75)
(γ=2.2)・・・(式4)
図26は、上記式2の関係を満たす入力画像信号の階調レベルと前半および後半サブフレーム期間において供給される階調レベルの関係を示す図である。
図26において、左列は、入力される入力画像信号の階調レベルを示し、中央列は、入力された画像信号の階調レベルを変換して前半と後半のサブフレーム期間において供給される階調レベルを示している。また、右列は、その結果、1フレーム期間で時間積分された輝度を示しており、図26の上部から、それぞれ、入力される入力画像信号の階調レベルが0%、25%、50%、75%、83.2%および100%の場合を示している。
図26に示すように、各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルを判定するための閾値として、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の83.2%である場合が設定されている。入力画像信号の想定輝度が最大輝度の83.2%以下の場合には、前半サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、上記式2に示す関係を満たすと共に、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。また、他方のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、最小レベル0(%)とされる。
一方、入力画像信号の想定輝度が最大輝度の83.2%以上の場合には、前半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、最大レベル(100%)とされ、後半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、上記式2に示す関係を満たすと共に、入力画像信号の想定輝度に応じて増減される。
ここで、前半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、入力画像信号が一旦記憶されたラインバッファ41から出力され、上記コントロールLSI40内部の第1階調変換回路44で変換された値である。また、後半のサブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルは、入力画像信号が一旦記憶されたフレームメモリ30から読み出され、上記コントロールLSI40内部の第2階調変換回路45で変換された値である。
図26の中央列に示すように変換された階調レベルが供給されると、前半および後半の各サブフレーム期間において、表示パネル10のソースドライバが有する上記式1および図54で示されるようなガンマ輝度特性に従った輝度で画像が表示される。
その結果、観察者の目が感じる明るさとして、前半および後半のサブフレーム期間における表示輝度が1フレーム期間で時間積分された値が、図26の右列に表されている。この1フレーム期間で時間積分された輝度の値は、入力された入力画像信号の階調レベルに対して上記式1および図54に示すような、入力画像信号が想定するガンマ輝度特性を再現している。これにより、本実施形態4の画像表示装置および画像表示方法によって、適正なガンマ特性が実現されていることが分かる。
また、以上のような画像表示方法で画像表示が行われる本実施形態4の画像表示装置において、静止した背景上を物体が水平方向に動くような映像を表示する際に、入力される入力画像信号の階調レベルが充分に小さい場合には、静止する背景の表示部および動く物体の表示部のいずれの表示部においても、後半のサブフレーム期間において最小の階調レベルが供給されるため、図50および図51に示す黒挿入方式の画像表示装置と同様に、動きボケの軽減やコントラスト向上など動画品質を改善する効果を得ることができる。
また、本実施形態4において、図52および図53に示す従来の特許文献1(実施形態7)で提案されている画像表示装置の場合と同様に、静止した背景上を物体が水平に動くような映像を表示する場合の表示輝度について、画面内の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を図27に示している。
図27では、横軸は画面上で水平方向の輝度の状態を示し、縦軸は時間経過を示しており、3フレーム期間の画面表示について表している。
図27に示す本実施形態4の画像表示装置では、1フレーム期間T101内に二つのサブフレーム期間T201およびT202が設けられており、静止する背景の表示部Bでは、入力される入力画像信号の階調レベルが小さいため、前半のサブフレーム期間T201では入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度40%で点灯され、後半のサブフレーム期間T202では最小レベルとして0%が供給されて消灯されている。一方、動く物体の表示部Aでは、入力される画像信号の階調レベルが所定の閾値よりも充分大きいため、前半のサブフレーム期間T201では最大レベルとして100%が供給されて輝度100%で点灯され、後半のサブフレーム期間T202では入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度20%で点灯されている。なお、画像の表示状態を示す領域の数字は、表示輝度の最大能力を100%とした場合の輝度を示しており、例えば点線で囲んだB1では輝度40%を示している。
図27に示すような映像が表示された場合において、動く物体を注視した観察者にとって、どのような明るさの分布に見えるかを図28に示している。
図28では、動く物体の左端と右端で輝度変化の折れ線(○印部分)が異なる現象があるが、図53のような本来より輝度が大きい箇所や小さい箇所が発生するような不具合は改善されている。
図30は、本実施形態4で用いる表示パネル10について、温度条件の違いにより出力階調レベルを変化させた場合について、表示輝度を示す図である。図30の左側は、高温下での液晶応答の様子を示しており、右側は、低温下での液晶応答の様子を示している。また、太線は階調レベルの変化を示し、グレー(ハッチング)の領域が液晶応答によって変化する輝度を示している。
上述した温度補正機能により、図30の右側に示す低温下では、特に、後半のサブフレーム期間において、図30の左側に示す高温下の場合に比較して、低い階調レベルを供給して、液晶応答の遅れによる輝度変化を高温下の場合と同等になるようにしている。これにより、入力画像信号の階調レベルが同じ場合に人間に知覚される明るさを、温度条件に依らず、同等とすることができる。
以上のように、本実施形態4の画像表示装置1によれば、観察者の目が感じる明るさである輝度の時間積分における最大値の低下を25%に抑えながら、動く物体を注視した際に本来の画像と比べて異常な明暗の箇所を発生させることなく、動きボケを軽減してホールド型画像表示装置の動画品質を向上させることができる。また、入力画像信号に対して適正な輝度ガンマ特性を有する階調表現によって画像を表示させることができる。
(実施形態5)
本実施形態5では、赤、緑および青の3原色のそれぞれに独立して階調レベルを供給することによって色表現が行われる画像表示装置について説明する。
図31は、上述の実施形態1の画像表示装置において、赤、緑および青の3原色それぞれが独立した輝度で表示される場合に、全色が輝度0%の静止する背景上を、赤の入力画像信号が想定する輝度レベルが75%で緑と青の入力画像信号が想定する輝度レベルが50%であるような色の物体が水平に動く映像を表示させる場合について、1水平ライン上の各画素部における時間経過毎の表示状態を示す図である。
図31において、この画像表示装置では、赤、緑および青の各色成分について、それぞれ、図8に示すように、入力画像信号が想定する輝度レベルと、前半および後半のサブフレーム期間の輝度レベルとの関係に従う。このため、動く物体の表示部Aについては、前半サブフレーム期間に赤色のみ50%の輝度で表示され、後半サブフレーム期間では全ての色が100%の輝度で表示される。
動く物体に注視する観察者の視線追従の軌跡を示す斜め矢印(点線)に注目すると、観察者には、物体の中央部では静止時と同様に適正な色が見えるが、物体の右端では赤だけが見え、逆に左端では赤が不足して見えることが分かる。このように3色の輝度のバランスが崩れるため、異常な色が見えてしまうことになる。
これは、赤の入力画像信号の階調レベルが大きく、前半および後半の二つのサブフレーム期間にわたって表示されているのに対して、他の2色の入力画像信号の階調レベルが小さく、前半のサブフレーム期間のみで表示されるため、赤と他の2色とで表示点灯の時間的重心位置が異なるためである。
このような現象を回避するために、本実施形態5では、前半および後半の二つのサブフレーム期間によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置1において、最も入力階調レベルが大きな色成分以外の色成分について、前半のサブフレーム期間および後半のサブフレーム期間に供給される階調レベルの制御方法を改良する。
具体的には、上述した3色のうち、入力画像信号の階調レベルが最も大きい色については、上記実施形態1の場合と同様に、後半のサブフレーム期間において最大の階調レベルまたは入力階調に応じて増減される階調レベルを供給し、前半のサブフレーム期間においては最小の階調レベルまたは入力階調に応じて増減される階調レベルを供給する。入力画像信号の階調レベルが最も大きい色以外の2色について前半サブフレーム期間に表示される輝度と後半サブフレームに表示される輝度との比率が、上記入力階調レベルが最も大きい色について前半サブフレーム期間に表示される輝度と後半サブフレーム期間に表示される輝度との比率と同じ比率となるように、階調レベルを設定して各サブフレーム期間に供給する。
なお、本実施形態5において、画像信号の時間的な流れや表示パネル10の駆動方法は上記実施形態1の場合と同様であるので、ここではその説明を省略する。以下では、上記実施形態1との相違点として、入力階調が最も大きい色以外の2色について、第1階調変換回路44および第2階調変換回路45での階調変換方法について説明する。
本実施形態5において用いる表示パネル10は、上記実施形態1と同様に、
[表示輝度]=([画像信号階調]/[最大階調])γ (γ=2.2)
(但し、表示輝度の最大を1、最小を0で表す)
のようなガンマ特性を有するものとする。
まず、ある入力フレームのある画素において、入力階調レベルが最も大きな色成分について、前半および後半のサブフレーム期間において供給される階調レベルと最大階調レベルとの比を、それぞれ、X1およびX2とする。
X1=[前半サブフレーム階調レベル]/[最大の階調レベル]
X2=[後半サブフレーム階調レベル]/[最大の階調レベル]
このとき、各サブフレーム期間における表示輝度は、上述したガンマ特性により、
[前半サブフレームの表示輝度]=X1 γ
[後半サブフレームの表示輝度]=X2 γ
となる。
同様に、入力階調レベルが最も大きな色成分以外のある色成分について、前半および後半のサブフレーム期間において供給される階調レベルと最大階調レベルとの比を、それぞれ、Y1およびY2とする。
Y1=[前半サブフレーム階調レベル]/[最大の階調レベル]
Y2=[後半サブフレーム階調レベル]/[最大の階調レベル]
このとき、各サブフレーム期間における表示輝度は、上述したガンマ特性により、
[前半サブフレームの表示輝度]=Y1 γ
[後半サブフレームの表示輝度]=Y2 γ
となる。
本実施形態5においては、入力階調レベルが最も大きな色成分以外のある色成分について、前半および後半のサブフレーム期間に表示される輝度の比率は、入力階調レベルが最も大きな色成分について、前半および後半のサブフレーム期間に表示される輝度の比率と一致させるので、
Y1 γ:Y2 γ=X1 γ:X2 γ ・・・(式5)
の関係となる。
また、入力階調レベルが最も大きな色成分以外のある色成分について、入力画像信号の階調レベルをYとすると、上記実施形態4で説明したように、入力画像信号の階調レベルと1フレーム期間での輝度の時間積分値との関係を適正なガンマ特性とするためには、
Yγ=(Y1 γ+Y2 γ)/2 ・・・(式6)
の関係を満たす必要がある。
上記式3および上記式4から、
Y1=Y・{2X1 γ/(X1 γ+X2 γ)}1/γ ・・・(式7)
Y2=Y・{2X2 γ/(X1 γ+X2 γ)}1/γ ・・・(式8)
となる。
したがって、入力階調レベルが最も大きな色成分以外のある色成分の階調レベルについては、コントローラLSI40内部の第1階調変換回路44および第2階調変換回路45において、上記式5および式6に従うように演算を行って出力階調レベルを決定する。
本実施形態5の画像表示装置において、図31の場合と同様に、全色が輝度0%の背景上を、入力画像信号が想定する輝度レベルが75%で緑および青の入力画像信号が想定する輝度レベルが50%であるような色の物体が水平に動く映像を表示させた場合について、1水平ライン上の各画素部の時間経過毎の輝度変化を図32に示している。
図32では、図31の場合とは異なり、前半および後半のサブフレーム期間の一方に注目しても、赤、緑および青の各色の輝度の比率が適正に保たれて表示されている。このため、動く物体を注視する観察者にとって、物体の両端の部分で3色の輝度のバランスが崩れるために異常な色が見えてしまうような問題は生じない。
(実施形態6)
本実施形態6では、前半および後半の二つのサブフレーム期間によって、1フレーム期間の画像表示が行われ、連続して入力された二つのフレームの画像に対して時間的に中間状態のフレームの画像を推定して生成し、一意的に定められている一方のサブフレーム期間(例えば前半サブフレーム期間)において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給され、入力される画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には最大の階調レベルの画像信号が供給され、他方のサブフレーム期間(例えば後半サブフレーム期間)において、その中間状態のフレームの画像における画像信号の階調レベルが閾値以下の場合には最小の階調レベルの画像信号が供給され、中間状態のフレームの画像における階調レベルが閾値よりも大きい場合には、中間状態のフレームの画像における画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されて画像表示が行われる場合について説明する。
図33は、図1のコントローラLSI40における実施形態6の要部構成を示すブロッ
ク図である。
図33に示すように、本実施形態6の表示制御手段としてのコントローラLSI40Bは、ラインデータ記憶手段としてのシングルラインバッファ41aと、タイミング制御手段としてのタイミングコントローラ42と、フレーム記憶データ選択手段としてのフレームメモリデータセレクタ43と、第1階調変換手段としての第1階調変換回路44と、第2階調変換手段としての第2階調変換回路45と、出力データ選択手段としての出力データセレクタ46と、第1複数ラインデータ記憶手段としての第1マルチラインバッファ47と、第2複数ラインデータ記憶手段としての第2マルチラインバッファ48と、一時記憶データ選択手段としてのバッファデータセレクタ49と、中間画像生成手段としての中間画像生成回路50とを備えている。
シングルラインバッファ41aは、入力された入力画像信号が1水平ラインづつ受信されて保持される。このシングルラインバッファ41aは、受信ポートと送信ポートとを独立して備えており、同時に受信と送信とを行うことができる。
フレームメモリデータセレクタ43は、タイミングコントローラ42によって制御され、シングルラインバッファ41aに保持された画像信号を1水平ライン分づつ、フレームメモリ30に転送する。これにより、入力された画像信号は、1フレーム期間内にフレームメモリ30に転送される。フレームメモリ30では、送信と受信とを同時に行うことができないため、上記フレームメモリ30へのデータ転送と競合しない期間に、タイミングコントローラ42は、フレームメモリデータセレクタ43を切り替え制御(タイミング制御)して、1フレーム前に入力されてフレームメモリ30に一旦保存されている画像信号を1水平ラインづつ読み出して、第1マルチラインバッファ47へ転送する共に、これと並行して時分割で、2フレーム前に入力されてフレームメモリ30に保存されている画像信号を1水平ラインづつ読み出して、第2マルチラインバッファ48へ転送する。
中間画像生成回路50では、第1マルチラインバッファ47および第2マルチラインバッファ48に保存されている各画像信号を比較することによって、一つ前のフレーム画像および二つ前のフレーム画像に対して時間的に中間の状態となるフレームの画像信号を推定して生成する。
第1マルチラインバッファ47および第2マルチラインバッファ48は、数十水平ライン分の画像信号を保持しておくことが可能なバッファメモリであり、中間画像生成回路50では、一つ前のフレーム画像および二つ前のフレーム画像について、水平画素数×数十水平ラインの範囲で比較されて時間的に中間状態のフレームの画像が生成される。例えば、二つ前のフレーム画像における1部分領域の各画素部の階調レベルに対して、階調レベルの差の合計が最も少なくなるような同一形状の部分領域を一つ前のフレーム画像内から検索し、この部分領域を上記二つ前のフレーム画像における1部分領域の移動先と推定する。その移動量の半分の距離を移動させた画像信号を生成することによって、時間的に中間状態のフレームの画像を得る方法が挙げられる。なお、本実施形態6では、時間的に中間状態のフレームの画像を生成する方法について特定するものではないので、ここでは詳細な説明を省略する。また、このように、入力される二つのフレームの画像信号に対して、時間的に中間状態のフレームの画像を推定して生成した場合、完全に正しく補間できるような画像を生成することは容易ではないと考えられる。このため、いくつかの画素部では補間エラーによる不正な表示が発生することも考えられる。
このようにして中間画像生成回路50で生成された画像信号は、順次、第2階調変換回路45へ転送される。
一方、第1マルチラインバッファ47に保持された一つ前のフレーム期間の画像信号および、第2マルチラインバッファ48に保持された二つ前のフレーム期間の画像信号は、それぞれ、バッファデータセレクタ49にも転送される。
バッファデータセレクタ49は、タイミングコントローラ42によって制御され、第1マルチラインバッファ47から供給される一つ前のフレーム期間の画像信号と、第2マルチラインバッファ48から供給される二つ前のフレーム期間の画像信号とが、表示タイミングに応じて交互に切り替えられて、第1階調変換回路44に転送される。
第1階調変換回路44では、バッファデータセレクタ49から供給される画像信号の階調レベルが、上記実施形態4の場合と同様に、最大の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換される。
第2階調変換回路45では、中間画像生成回路50から供給される画像信号の階調レベルが、上記実施形態4の場合と同様に、最小の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換される。
出力データセレクタ46は、タイミングコントローラ42によって制御されて、前半サブフレーム期間では第1階調変換回路44から出力される画像信号を選択してパネル画像信号として出力し、後半サブフレーム期間では第2階調変換回路45から出力される画像信号を選択してパネル画像信号として出力する。
上記構成により、本実施形態6の画像表示装置の動作について説明する。
図34は、本実施形態6の画像表示装置におけるフレーム周期毎の画像信号の流れを示す図である。
なお、図34に示す各矩形はそれぞれ、1フレーム分の画像信号の転送期間を示している。また、矩形内に記述されているNおよびN+1などの文字は、何フレーム目の画像信号が転送されるているかを示している。また、パネル画像信号の矩形内に記述されているCi[f]は、第fフレームの入力画像信号を、LSI内部の第i階調変換回路44によって変換させた信号を示している。また、[ ]内の「.」は、二つのフレームに対して時間的に中間状態のフレームの画像を示している。例えば、C2[N−1.N]は、入力第N−1フレームおよび入力第Nフレームに対する時間的に中間状態の画像信号を第2階調変換回路45によって変換させた信号が転送されることを示している。
フレームメモリ30について、グレー(ハッチング有り)の矩形は信号書き込み期間を示しており、白色(ハッチング無し)の矩形は信号読み出し期間を示している。フレームメモリ30は、データ読み出しと書き込みとを同時に行うことができないため、実際のフレームメモリ30のデータの書き込みや読み出しは、それぞれの矩形で示す期間が時分割されて断続的に行われている。
図34に示すように、本実施形態6では、1フレーム分の画像信号が入力される期間に、前半および後半の二つのサブフレーム期間が設けられている。前半サブフレーム期間では、二つ前のフレーム期間に入力された画像信号を第1階調変換回路44で変換した画像信号が出力され、後半サブフレーム期間では、二つ前のフレーム期間に入力された画像信号と一つ前のフレーム期間に入力された画像信号とに対して時間的に中間状態のフレームの画像信号を第2階調変換回路45によって変換した画像信号が出力される。
本実施形態6における表示パネル10の駆動方法は、図3および図4に示す上記実施形態1の場合とは異なり、画面の最上ラインから1ラインづつ下のラインへと順に画像信号を転送して行く一般的な方法である。
図35は、本発明の実施形態6の画像表示装置において、画面上の画像信号が書き換えられてゆく様子を示す図である。ここでは、第Nフレームおよび第N+1フレームの画像信号が入力される期間に、画像表示が書き替えられる状態を示している。
なお、図35に示す斜めの矢印は、1ラインの画像書き換えが行われる垂直位置と書き換えタイミングとを示している。また、Ci[f]は、第fフレームの画像信号が第i階調変換回路で変換された画像信号により表示されていることを示し、[ ]内の「.」は二つのフレームの時間的に中間状態のフレームの画像を示しており、次に同じラインへの画像書き換えが行われるまで、画像表示が保持される。図35では、第1階調変換回路44で変換された画像表示が保持されている位置を白色(ハッチング無し)、第2階調変換回路で変換された画像表示が保持されている位置をグレー(ハッチング有り)として表している。点線は、駆動される四つのゲートドライバの各境界位置を示している。
画面上のある水平1ラインの垂直位置に注目すると、入力1フレーム期間長の半分の期間は、2フレーム前に入力された入力画像信号を第1階調変換回路44で変換した画像信号による表示が行われており、次の半分の期間は2フレーム前に入力された入力画像信号と1フレーム前に入力された入力画像信号の時間的中間の画像信号を第2階調変換回路45で変換した画像信号による表示が行われていることが分かる。このような入力1フレーム期間の半分の期間のそれぞれを、前半サブフレーム期間および後半サブフレーム期間としている。
本実施形態6では、静止する背景と動く物体との表示輝度が図27に示す上記実施形態4と同様の場合について、画面内の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を図36に示している。
図36では、横軸は画面上で水平方向の輝度の状態を示し、縦軸は時間経過を示しており、3フレーム期間の画面表示について表している。
図36に示すように、本実施形態6の画像表示装置において、1フレーム期間T101内に二つのサブフレーム期間T201およびT202が設けられている。静止する背景の表示部Bでは、入力される画像信号の階調レベルが小さいため、前半のサブフレーム期間T201では入力画像信号の階調レベルに応じて増減(所定割合で増減)される階調レベルが供給されて輝度40%で点灯され、後半のサブフレーム期間T202では最小レベルとして0%が供給されて消灯されている。一方、動く物体の表示部Aでは、入力される画像信号の階調レベルが十分に大きいため、前半のサブフレーム期間T201では最大レベルとして100%が供給されて輝度100%で点灯され、後半のサブフレーム期間T202では、推定により生成される時間的に中間状態のフレームの画像の階調レベルに応じて増減(所定割合で増減)される階調レベルが供給されて輝度20%で点灯されている。なお、画像の表示状態を示す領域の数字は、表示輝度の最大能力を100%とした場合の輝度を示しており、例えば点線で囲んだB1では輝度40%を示している。
また、後半のサブフレーム期間において表示される画像では、前後に配置された前半のサブフレーム期間の画像のソースとなる二つのフレームの入力画像に対する時間的に中間状態のフレームの画像がソースとされているので、動く物体を注視する観察者の視線追従の軌跡に沿うような位置に、動く物体が表示されている。
図36に示すような映像が表示された場合において、動く物体を注視した観察者にとって、どのような明るさの分布に見えるかを図37に示している。
上述したように、後半のサブフレーム期間の表示画像において、動く物体の表示部Aが観察者の視線追従の軌跡に沿っているので、図37に示すように、観察者には、静止する背景と動く物体との境界が認識し易くなる。よって、図49に示す従来の一般的なホールド型画像表示装置の場合と比較しても、図28に示す実施形態4の画像表示装置の場合と比較しても、動きボケの幅が少なくなる。また、図53に示す従来の特許文献1に提案されている画像表示装置のように、本来よりも輝度の大きい箇所や小さい箇所が発生することもない。
さらに、本実施形態6において、上記時間的に中間状態のフレームの画像信号を、比較的小さい階調レベルに変換される後半のサブフレーム期間に割り当て、外部から入力される画像信号を比較的大きい階調レベルに変換される前半のサブフレーム期間に割り当てることによって、上記時間的に中間状態のフレームの画像を二つのフレームの画像信号から推定して生成した場合に、いくつかの画素部で発生することが考えられる補間エラーによる不正な表示を、目立たせずに表示させることができる。
本実施形態6においても、上記実施形態4の場合と同様に、一方のサブフレーム期間に供給させる画像信号の階調レベルの上限値L1と、他方のサブフレーム期間に供給させる画像信号の階調レベルの上限値L2とは、L1≧L2の関係を満たすように設定することができる。これにより、入力画像信号の想定輝度が最大の場合でも、前半のサブフレーム期間と後半のサブフレーム期間とで所定以上の輝度差が設けられるため、動きボケを軽減することができる。
また、本実施形態6においても、上記実施形態4の場合と同様に、入力される画像信号の階調レベルと、1フレーム期間における表示輝度の時間積分量との関係が、適正なガンマ輝度特性を示すように、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定することができる。これにより、入力画像信号に対して適正な輝度ガンマ特性を有する階調表現によって表示素子に画像を表示させることができる。
さらに、本実施形態6においても、上記実施形態4の場合と同様に、パネル温度またはその周辺温度を検出する温度センサIC20からの温度レベル信号に応じて、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減(所定割合で乗算など)されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定することができる。これにより、液晶パネル10を用いた場合でも、温度条件に依らず、入力画像信号と観察者の目が感じる明るさとの関係を一定に保つことができる。
さらに、本実施形態6においても、上記実施形態5の場合と同様に、入力画像信号が複数の色成分の画像信号で構成されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分以外の色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率(例えば青色、緑色の前半のサブフレーム期間に表示される輝度と、後半のサブフレーム期間に表示される輝度との比率)が、入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率(赤色の前半のサブフレーム期間に表示される輝度と、後半のサブフレーム期間に表示される輝度との比率)とが同じになるように、各サブフレーム期間において供給される画像信号の階調レベルを設定することができる。これにより、各色の輝度の比率が適正に保たれ、不正な色バランスによる画質の劣化を防ぐことができる。
(実施形態7)
本実施形態7では、二つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われ、一意的に定められている一方のサブフレーム期間(例えば前半サブフレーム期間)において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給され、入力画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には最大の階調レベルの画像信号を供給し、また、他方のサブフレーム期間(例えば後半サブフレーム期間)において、現フレーム期間の画像信号における画像信号の階調レベルと、一つ前または一つ後のフレーム期間の画像信号の階調レベルとの平均値が閾値以下の場合には最小の階調レベルの画像信号が供給され、その平均値が閾値よりも大きい場合には、その平均値のレベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されて画像表示が行われる場合について説明する。
図38は、図1のコントローラLSI40における実施形態7の要部構成を示すブロック図である。
図38に示すように、本実施形態7の表示制御手段としてのコントローラLSI40Cは、図33(実施形態6)における中間画像生成回路50の代わりに、階調レベル平均手段としての階調レベル平均回路51が設けられている。この階調レベル平均回路51は、第1マルチラインバッファ47および第2マルチラインバッファ48に保存されている二つの画像信号の階調レベルを加算して2で除算することにより二つの画像信号の階調レベルの平均値を算出し、第2階調変換回路45に供給する。
本実施形態7のコントローラLSI40Cは、上記実施形態6の場合と同様に動作が行われる。
本実施形態7におけるフレーム周期毎の画像信号の流れは、上記実施形態6の場合と同様に図34に示すようになる。これは、上記実施形態6の場合と同様であるが、本実施形態7では、異なる点は、[ ]内の「.」は二つのフレーム画像信号の平均値による画像を示していることである。
また、本実施形態7において、画面上の画像信号が書き換ってゆく様子は、上記実施形態6の場合と同様に図35のようになる。この場合にも、異なる点は、[ ]内の「.」は二つのフレームにおける画像信号の平均値による画像を示していることである。
このような動作によって、コントローラLSI40Cは、前半のサブフレーム期間には、先に入力された画像信号を第1階調変換回路44で変換した画像信号がパネル画像信号として出力され、後半のサブフレーム期間には、連続して入力された二つのフレームの画像信号の平均値を第2階調変換回路25で変換した画像信号がパネル画像信号として出力される。
本実施形態7において、静止する背景と動く物体との表示輝度が図27に示す実施形態4と同様の場合について、画面内の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を図39に示している。
図39では、横軸は画面上で水平方向の輝度の状態を示し、縦軸は時間経過を示しており、3フレーム期間の画面表示について表している。
図39に示す本実施形態7の画像表示装置においては、1フレーム期間T101内に二つのサブフレーム期間T201およびT202が設けられている。静止する背景の表示部Bでは、入力される画像信号の階調レベルおよび連続して入力される二つのフレームの画像信号の平均値の階調レベルが小さいため、前半のサブフレーム期間T201では入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度40%で点灯され、後半のサブフレーム期間T202では最小レベルとして0%が供給されて消灯されている。一方、動く物体の表示部Aでは、入力される画像信号の階調レベルおよび連続して入力される二つのフレームの画像信号の平均値の階調レベルが充分大きいため、前半のサブフレーム期間T201では最大レベルとして100%が供給されて輝度100%で点灯され、後半のサブフレーム期間T202では連続して入力される二つの画像信号の平均値の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度10%、20%および10%で点灯されている。10%の期間は動く物体の階調レベルと静止する背景の階調レベルを平均した階調レベルを第2階調変換回路で変換している期間である。なお、画像の表示状態を示す領域の数字は、表示輝度の最大能力を100%とした場合の輝度を示しており、例えば点線で囲んだCでは輝度40%を示している。
これにより、入力される画像信号の階調レベルが充分に小さい場合には、動く物体の表示部Aおよび静止する背景の表示部Bのいずれの表示部においても、後半のサブフレーム期間において最小の階調レベルが供給されるため、図50および図51に示した黒挿入方式の画像表示装置の場合と同様に、動画品質の改善効果が得られる。
図39に示すような映像が表示された場合において、動く物体を注視した観察者にとって、どのような明るさの分布に見えるかを図40に示している。
図28に示す実施形態4の画像表示装置の場合と比較して、動く物体と背景との境界部における明るさの変化を示す折れ線が物体の左端の境界部分と右側の境界部分とで異なる現像が解消されていることが分かる。また、図53に示す特許文献1に提案されている画像表示装置のように、本来よりも輝度の大きい箇所や小さい箇所が発生することもない。
本実施形態7においても、上記実施形態4の場合と同様に、一方のサブフレーム期間に供給させる画像信号の階調レベルの上限値L1と、他方のサブフレーム期間に供給させる画像信号の階調レベルの上限値L2とは、L1≧L2の関係を満たすように設定することができる。これにより、入力画像信号の想定輝度が最大の場合でも、前半のサブフレーム期間と後半のサブフレーム期間とである程度以上の輝度差が設けられるため、動きボケを軽減することができる。
また、本実施形態7においても、上記実施形態4の場合と同様に、入力される画像信号の階調レベルと、1フレーム期間における表示輝度の時間積分量との関係が、適正なガンマ輝度特性を示すように、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定することができる。これにより、入力画像信号に対して適正な輝度ガンマ特性を有する階調表現によって画像を表示素子に表示させることができる。
さらに、本実施形態7においても、上記実施形態4の場合と同様に、パネル温度またはその周辺温度を検出する温度センサIC20からの温度レベル信号に応じて、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定することができる。これにより、液晶パネル10を用いた場合でも、温度条件に依らず、入力画像信号と観察者が感じる明るさとの関係を一定に保つことができる。
さらに、本実施形態7においても、上記実施形態5の場合と同様に、入力画像信号が複数の色成分の画像信号で構成されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分以外の色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率(例えば青色、緑色の前半のサブフレーム期間に表示される輝度と、後半のサブフレーム期間に表示される輝度との比率)が、入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される各輝度間の比率(赤色の前半のサブフレーム期間に表示される輝度と、後半のサブフレーム期間に表示される輝度との比率)と同じになるように、各サブフレーム期間において供給される画像信号の階調レベルを設定することができる。これにより、各色の輝度の比率が適正に保たれ、不正な色バランスによる画質の劣化を防ぐことができる。
(実施形態8)
本実施形態8では、3つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われ、1フレーム期間の時間的な中心(中央)となるサブフレーム期間においては最大の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給され、また、時間的な中心(中央)の前後の最初と最後の各サブフレーム期間においては、最小の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されて画像表示が行われる場合について説明する。
図41は、図1のコントローラLSI40における実施形態8の要部構成を示すブロック図である。
図41に示すように、本実施形態8の表示制御手段としてのコントローラLSI40Dは、ラインデータ記憶手段としてのラインバッファ41と、タイミング制御手段としてのタイミングコントローラ42と、フレーム記憶データ選択手段としてのフレームメモリデータセレクタ43と、階調変換ソース選択手段としての階調変換ソースセレクタ52と、第1階調変換手段としての第1階調変換回路44と、第2階調変換手段としての第2階調変換回路45と、出力データ選択手段としての出力データセレクタ46とを備えている。
入力された画像信号は、1水平ラインづつラインバッファ41で受信されて保持される。このラインバッファ41は、受信ポートと送信ポートとを独立して備えており、同時に受信と送信とを行うことができる。
フレームメモリデータセレクタ43は、タイミングコントローラ42によって制御され、ラインバッファ41に保持された画像信号を1水平ライン分づつ、フレームメモリ30に転送させる。また、ラインバッファ41に保持された画像信号は、階調変換ソースセレクタ52へも転送される。
また、タイミングコントローラ42は、上記フレームメモリ30へのデータ転送と交互に、先に入力されてフレームメモリ30に保存されている画像信号を、画面上の2箇所の垂直位置から1水平ラインづつ読み出して、フレームメモリデータセレクタ43を切り替えて、第1階調変換回路44および階調変換ソースセレクタ52へ転送させる。このとき、第1階調変換回路44には、フレームメモリ30から読み出される1/4フレーム前の画像信号が転送され、階調変換ソースセレクタ52にはフレームメモリ30から読み出される3/4フレーム前の画像信号が転送される。
階調変換ソースセレクタ52は、タイミングコントローラ42によって制御され、ラインバッファ41から供給される画像信号と、フレームメモリデータセレクタ43から供給される3/4フレーム前の画像信号とが、表示タイミングに応じて切り替えられて、第2階調変換回路45へ転送する。
第1階調変換回路44では、フレームメモリデータセレクタ43から供給される1/4フレーム前の画像信号の階調レベルが、上記実施形態4の場合と同様に、最大の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換される。
また、第2階調変換回路45では、階調変換ソースセレクタ52から供給される画像信号の階調レベルが、上記実施形態4の場合と同様に、最小の階調レベルまたは入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルに変換される。
出力データセレクタ46は、タイミングコントローラ42によって制御されて、第1階調変換回路44から出力される画像信号と、第2階調変換回路45から出力される画像信号とが、表示タイミングに応じて切り替えられて、画像表示部にパネル画像信号として出力される。
次に、本実施形態8の画像表示装置の動作について説明する。
図42は、本実施形態8の画像表示装置における水平期間毎の画像信号の流れを示す図である。ここでは、第N番目のフレームの1ライン目から3ライン目の画像信号が入力される期間を示している。
図42に示す矩形はそれぞれ、1水平ライン分の画像信号の転送期間を示している。矩形[f、l]は、第fフレームの水平第lラインに入力された画像信号が転送されていることを示しており、例えば[N,2]は第Nフレームの第2水平ラインに入力された画像信号が転送されていることを示している。また、M1ライン目は画面の第1ラインから垂直位置1/4画面の位置の水平ラインを示しており、本実施形態8では第2ゲートドライバ14bの第1ゲート電圧ラインによって駆動される水平ラインである。また、M2ライン目は画面の第1ラインから垂直位置3/4画面の位置の水平ラインを示しており、本実施形態8では第4ゲートドライバ14dの第1ゲート電圧ラインによって駆動される水平ラインである。また、C1およびC2は、その後ろの[ ]内に示すフレームおよび水平ラインの入力画像信号をソースとして、それぞれ第1階調変換回路44および第2変換回路45で変換された画像信号が転送されていることを示している。
図42の矢印D1に示すように、入力された画像信号は、1水平ライン分づつラインバッファ41で受信される。
それと平行して、矢印D3に示すように、現在入力されている画像信号の垂直位置から1/4画面分過去にフレームメモリ30に記憶された1水平ライン分の画像信号が、フレームメモリ30から読み出されて第1階調変換回路44に供給され、第1階調変換回路44で変換されてパネル画像信号として出力される。また、同様に、現在入力されている画像信号の垂直位置から3/4画面分過去にフレームメモリ30に記憶された1水平ライン分の画像信号が、フレームメモリ30から読み出されて第2階調変換回路45に供給され、第2階調変換回路45で変換されてパネル画像信号として画像表示部に出力される。さらに、現在入力されてラインバッファ41で受信された1水平ライン分の画像信号が、矢印D2で示すフレームメモリ30への書み込みと同時に第2階調変換回路45に供給され、第2階調変換回路45で変換されてパネル画像信号として出力される。
コントローラLSI40Dから出力された1水平ライン分のパネル画像信号がクロック信号によって第1〜第4のソースドライバ13a〜13dへ転送された後、ラッチパルス信号を与えると、各ソース電圧ラインから画素の表示輝度に対応した電圧が出力される。このとき、ソース電圧ライン上の電荷を供給して画像表示させたいラインに該当するゲートドライバには、必要に応じて垂直シフトクロック信号やゲートスタートパルス信号が与えられて、該当するゲート電圧ラインがオン状態とされる。一方、画像表示させないゲートドライバでは、イネーブル信号がロウレベルとされて、ゲート電圧ラインがオフ状態とされる。以上のように、1水平ライン分の画像信号が入力される期間に、3ライン分の画像信号が表示パネルへ転送されて画像表示される動作が繰り返される。
図42の事例では、矢印D4に示すように、第N−1フレームの第M2ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、矢印D5に示すように、第4ゲートドライバ14dへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D6およびD7に示すように、スタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D8に示すように、表示位置が画面第M2ラインに該当する第4ゲートドライバ14dの第1ゲート電圧ラインがオン状態とされ、画像が表示される。一方、表示位置に該当しない第1〜第3ゲートドライバ14a〜14cへのイネーブル信号はオフレベルとされ、ゲート電圧ラインがオフ状態とされる。
次に、矢印D9に示すように、第N−1フレームの第M1ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、矢印D10に示すように、第2ゲートドライバ14bへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D11およびD12に示すように、スタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D13に示すように、表示位置が画面第M1ラインに該当する第2ゲートドライバ14bの第1ゲート電圧ラインがオン状態とされ、画像が表示される。一方、表示位置に該当しない第1、第3および第4ゲートドライバ14a、14cおよび14dへのイネーブル信号はオフレベルとされ、ゲート電圧ラインがオフ状態とされている。
次に、矢印D14に示すように、第Nフレームの第1ラインの1水平ライン分の画像信号がソースドライバへ転送された後、矢印D15に示すように、第1ゲートドライバ14aへのイネーブル信号がハイレベルとされ、矢印D16およびD17に示すように、スタートパルス信号と垂直シフトクロック信号とが供給される。これにより、矢印D18に示すように、表示位置が画面第1ラインに該当する第1ゲートドライバ14aの第1ゲート電圧ラインがオン状態とされ、画像が表示される。一方、表示位置に該当しない第2〜第4ゲートドライバ14b〜14dへのイネーブル信号はオフレベルとされ、ゲート電圧ラインがオフ状態とされる。
図43は、図42のような制御を繰り返すことによって、画面上の画像信号が書き換えられてゆく様子を示す図である。ここでは、第Nフレームおよび第N+1フレームの画像信号が入力される期間に、画像表示が書き替えられる状態を示している。
図43に示す斜めの矢印は、1ラインの画像書き換えが行われる垂直位置と書き換えタイミングとを示している。また、Ci[f]は、第fフレームの画像信号が第i階調変換回路で変換された画像信号により表示されていることを示しており、次に同じラインへの画像書き換えが行われるまで、画像表示が保持される。図43では、第1階調変換回路44で変換された画像表示が保持されている位置を白色(ハッチング無し)、第2階調変換回路45で変換された画像表示が保持されている位置をグレー(ハッチング有り)として表している。点線は、駆動されるゲートドライバの境界位置を示している。
画面上のある水平1ラインの垂直位置に注目すると、入力1フレーム期間の半分の期間は、入力画像信号を第1階調変換回路44で変換させた画像信号による表示が行われており、その前後の入力1フレーム期間の1/4期間は、入力画像信号を第2階調変換回路45で変換させた画像信号による表示が行われていることが分かる。このように、実際に画像表示される三つの期間のうち、入力1フレーム期間の先頭の1/4期間、次に1/2期間および最後の1/4期間を、それぞれ、第1、第2および第3サブフレーム表示期間としている。
図42に示すように、一つのフレームとして入力された画像信号に対して、第1階調変換回路44で変換された画像信号による表示期間と、第2階調変換回路45で変換された画像信号による表示期間は、いずれも、入力1フレーム期間の半分の期間となる。したがって、第1階調変換回路44および第2階調変換回路45において、入力される画像信号の階調レベルと変換出力される画像信号の階調レベルとの関係を、上記実施形態4と同様にすることによって、動きボケの軽減による動画品質を改善すると共に、適正なガンマ特性を得ることができる。
本実施形態8の画像表示装置において、静止した背景上を物体が水平に動くような映像を表示する際に、入力される画像信号の階調レベルが充分に小さい場合には、いずれの画面位置においても、第1サブフレーム期間と第3のサブフレーム期間とにおいて最小階調レベルの画像信号が供給されるため、図50および図51に示した黒挿入方式の画像表示装置の場合と同様に、動画品質改善効果が得られる。
本実施形態8の画像表示装置において、静止する背景と動く物体の表示輝度が図27に示す上記実施形態4の場合と同様の場合について、画面内の1水平ライン上での時間経過に伴う輝度変化の様子を図44に示している。
図44では、横軸は画面上で水平方向の輝度の状態を示し、縦軸は時間経過を示しており、3フレーム期間の画面表示について表している。
図44に示すように、本実施形態8の画像表示装置においては、1フレーム期間T101内に三つのサブフレーム期間T301〜T303が設けられており、静止する背景の表示部Bでは、入力される画像信号の階調レベルが小さいため、第2サブフレーム期間T302では入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度40%で点灯され、第1サブフレーム期間T301および第3サブフレーム期間T303では最小輝度レベルとして0%が供給されて消灯されている。一方、動く物体の表示部Aでは、入力される画像信号の階調レベルが充分大きいため、第2サブフレーム期間T302では最大レベルとして100%が供給されて輝度100%で点灯され、第1サブフレーム期間T301および第3サブフレーム期間T303では入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルが供給されて輝度20%で点灯されている。なお、画像の表示状態を示す領域の数字は、表示輝度の最大能力を100%とした場合の輝度を示しており、例えばCでは輝度0%を示している。
図44に示すような映像が表示された場合において、動く物体を注視した観察者にとって、どのような明るさの分布に見えるかを図45に示している。
図45では、図28に示す上記実施形態4のような、動く物体の左端と右端で輝度変化の折れ線が異なる現象が解消されていることが分かる。また、図53に示す特許文献1で提案された画像表示装置のように、本来より輝度の大きい箇所や小さい箇所が発生することもない。
本実施形態8においても、上記実施形態4の場合と同様に、パネル温度またはその周辺温度を検出する温度センサIC20からの温度レベル信号に応じて、各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの判定基準となる閾値と、入力される画像信号に応じて増減されて各サブフレーム期間に供給される画像信号の階調レベルとを設定することができる。これにより、液晶パネル10を用いた場合でも、温度条件に依らず、入力画像信号と観察者が感じる明るさとの関係を一定に保つことができる。
さらに、本実施形態8においても、上記実施形態5の場合と同様に、入力画像信号が複数の色成分の画像信号で構成されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分以外の色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される輝度間の比率が、入力される画像信号の階調レベルが最も大きい色成分について各サブフレーム期間毎にそれぞれ表示される輝度間の比率と同じになるように、各サブフレーム期間において供給される画像信号の階調レベルを設定することができる。これにより、各色の輝度の比率が適正に保たれ、不正な色バランスによる画質の劣化を防ぐことができる。
なお、上記実施形態1〜7では、二つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置について説明し、また、上記実施形態8では、三つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる画像表示装置にも適用することが可能である。
例えば、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる場合には、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心(nが奇数である場合)または中心に最も近い(nが偶数である場合)サブフレーム期間において、そのn個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を供給する。さらにそれでも、その供給されたサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が入力画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合には、さらに、中心または中心に最も近いサブフレーム期間の前後のサブフレーム期間において、前後の両方に、または前および後の順に、あるいは後および前の順に、その供給されたn個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を供給する。さらにそれでも、その供給されたサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が入力画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合には、さらに、その前後のサブフレーム期間において、n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を供給する制御を続ける。その供給されたサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が入力画像信号の階調レベルに対応する輝度に達した場合には、残りのサブフレーム期間において最小の階調レベルの画像信号を供給する。
また、n個(nは3以上の奇数)のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる場合、時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームと称されるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心となる第mサブフレーム期間をm=(n+1)/2とし、画像信号の階調レベルに対して、(n+1)/2個の閾値を値の小さいものから順にT1、T2、・・・、T[(n+1)/2]として、入力画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、第mサブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。また、入力画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、閾値T2以下の場合には、第mサブフレーム期間において最大の階調レベルの画像信号を供給し、第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。また、入力画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合には、第mサブフレーム期間、第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において最大の階調レベルの画像信号を供給し、第m−2サブフレーム期間および第m+2サブフレーム期間において、入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。以降、入力画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合には、第[m−(x−2)]サブフレーム期間から第[m+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大の階調レベルの画像信号を供給し、第[m−(x−1)]サブフレーム期間および第[m+(x−1)]サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。
さらに、n個(nは2以上の偶数)のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量によって1フレーム期間の画像表示が行われる場合、時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームと称されるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心に最も近い二つの第m1サブフレーム期間および第m2サブフレーム期間をm1=n/2およびm2=n/2+1とし、画像信号の階調レベルに対して、n/2個の閾値を値の小さいものから順にT1、T2、・・・、T[n/2]として、入力画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合には、第m1サブフレーム期間および該第m2サブフレーム期間において、入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。また、入力画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、閾値T2以下の場合には、第m1サブフレーム期間および該第m2サブフレーム期間において最大の階調レベルの画像信号を供給し、第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。また、入力画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合には、第m1サブフレーム期間、第m2サブフレーム期間、第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において最大の階調レベルの画像信号を供給し、第m1−2サブフレーム期間および第m2+2サブフレーム期間において、入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。以降、入力画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合には、第[m1−(x−2)]サブフレーム期間から第[m2+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大の階調レベルの画像信号を供給し、第[m1−(x−1)]サブフレーム期間および第[m2+(x−1)]サブフレーム期間において、入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を供給し、その他のサブフレーム期間においては最小の階調レベルの画像信号を供給する。
このとき、第1サブフレーム期間、第2サブフレーム期間、・・・、第nサブフレーム期間に供給する画像信号の階調レベルの上限値をL1、L2、・・・、Lnとし、n個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近いサブフレーム期間を第jサブフレーム期間とし、iが0以上j未満の整数として、
L[j−i]≧L[j−(i+1)]、
L[j+i]≧L[j+(i+1)]、
という関係を満たすように、各サブフレーム期間に対して階調レベルの画像信号の上限値を定めて、これを各サブフレーム期間において画像信号の階調レベルの最大値として供給することができる。
このような制御により、表示輝度の時間的な重心位置を、1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近い位置に固定させることができるため、特許文献1に開示されている従来の画像表示装置において入力階調によって表示輝度の時間的な重心位置が変化した場合に生じるような不正な輝度や色バランスによる画質の劣化を抑制することができる。また、輝度差が異なるサブフレーム期間が設けられているため、従来の一般的なホールド型画像表示装置において生じるような動きボケによる動画品質の劣化を改善することができる。また、最大の階調レベルを表示する際にはも最小輝度表示が設けられる黒挿入方式の画像表示装置において生じるような最大輝度やコントラスト比の低下を抑制することができる。
(実施形態9)
本実施形態9では、前半および後半の二つのサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分値の総量によって1フレーム期間の画像表示方法において、デジタル入力のソースドライバを用いて画像表示装置のガンマ輝度特性を変更することができる場合について説明する。
また、本実施形態9では、1フレームの前半および後半のサブフレームに対する階調レベルの埋め方において、入力画像信号の階調レベルが50%以下の場合に前半および後半の他方が0%ではなく例えば数%あり、50%以上の場合に前半および後半の一方が100%ではなく100%に例えば数%足りない場合について説明する。前半および後半で一方が他方の少なくとも半分の階調レベル以上の差が出るように階調レベルを前半および後半に振り分ける。好ましくは前半および後半で一方が他方の10%以下、更に好ましくは2%以下(例えば256階調のうち1階調分だけ振り分ける)で本発明の効果を得ることができる。
図60は、本発明の画像表示装置の実施形態9における基本構成例を示すブロック図である。なお、図1と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
図60に示すように、本実施形態9の画像表示装置は、図1の画像表示装置と構成が殆ど同じであるが、ソースドライバ13Da〜13Ddがデジタル入力のソースドライバになっており、温度センサIC20の代わりに、ガンマ輝度特性を切換えによって「2.1」、「2.2」および「2.3」のいずれかに変更可能とするガンマ輝度特性設定手段としてのガンマ輝度特性設定スイッチ21および、これによりガンマ輝度特性を切り替えて表示制御を行うコントローラLSI40Eを備えている点が異なっている。なお、ここでは、ガンマ輝度特性設定スイッチ21は温度センサIC20の代わりに設けたが、温度センサIC20と共に設けてもよい。
デジタル入力のソースドライバ13Da〜13Ddは、パネル画像信号をデジタル表示データとして受け取り、各デジタル表示データの値に従って、予め設定された電圧より1つを選択して階調電圧として出力する方式のものである。例えば8ビット入力のソースドライバの場合には、出力可能な階調電圧を予め256通り設定しておき、入力される8ビットのデジタル表示データで決定される0〜255までの256通りの値に従って、一意的に決められた階調電圧を選択して出力することができるものである。
図61は、図60のコントローラLSI40Eの構成例を示すブロック図である。
図61に示すように、本実施形態9の表示制御手段としてのコントローラLSI40Eは、ラインデータ記憶手段としてのラインバッファ41と、タイミング制御手段としてのタイミングコントローラ42と、フレーム記憶データ選択手段としてのフレームメモリデータセレクタ43と、ガンマ特性設定信号が入力される第1階調変換手段としての第1階調変換回路44Eと、ガンマ特性設定信号が入力される第2階調変換手段としての第2階調変換回路45Eと、出力データ選択手段としての出力データセレクタ46とを備えている。
ラインバッファ41は、入力された入力画像信号が1水平ライン分づつ受信されて一旦保持される。ラインバッファ41は、受信ポートと送信ポートとを独立して備えており、同時に受信と送信とを行うことができる。
タイミングコントローラ42は、フレームメモリデータセレクタ43に対して、上記フレームメモリ30へのデータ転送と、フレームメモリ30からのデータ読み出しとのタイミングを交互に切り替え制御する。また、タイミングコントローラ42は、出力データセレクタ46に対して、第1階調変換回路44Eと第2階調変換回路45Eとからの各出力タイミングを交互に選択制御する。即ち、タイミングコントローラ42は、出力データセレクタ46に対して、後述するが、前半サブフレーム期間と後半サブフレーム期間とを切り換えている。
フレームメモリデータセレクタ43は、タイミングコントローラ42によって制御され、ラインバッファ41に保持された入力画像信号を1水平ライン分づつ、フレームメモリ30にデータ転送することと、1フレーム前に入力されてフレームメモリ30に保存されている画像信号を1水平ライン分づつ読み出すこととを交互に選択して、その読み出したデータを第2階調変換回路45Eに転送する。
第1階調変換回路44Eは、ラインバッファ41から供給される入力画像信号の階調レベルが、ルックアップテーブルに従って2つのサブフレームの前半サブフレーム期間の階調レベルに変換される。
第2階調変換回路45Eは、フレームメモリデータセレクタ43から供給される画像信号の階調レベルが、ルックアップテーブルに従って2つのサブフレームの後半サブフレーム期間の階調レベルに変換される。
なお、本実施形態9では、第1階調変換回路44Eおよび第2階調変換回路45Eは、入力値に対応する出力値が予め記憶されているルックアップテーブルによって構成されており、ガンマ輝度特性設定スイッチ21からのガンマ値に従って決定される3種類のルックアップテーブルにより1つが選択されて出力値を決定している。なお、本実施形態9ではルックアップテーブルを用いているが、演算回路の演算式を切り替えることによっても出力値を決定させることができる。
出力データセレクタ46は、タイミングコントローラ42によって制御され、第1階調変換回路44Eから出力される画像信号と、第2階調変換回路45Eから出力される画像信号を1ライン分づつ交互に選択して、パネル画像信号として出力する。
上記構成による本実施形態9の画像表示装置の動作については、ソースドライバ13Da〜13Ddがデジタル入力方式のものに変更されているだけあり、上記実施形態1の場合と基本的には同様なのでここではその説明を省略する。
次に、本実施形態9の画像表示方法について説明する。
本実施形態9の画像表示方法では、後半サブフレームをサブフレームαと呼び、入力画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、入力される入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されるように、また、入力画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には最大の階調レベル近辺(フレームの前半と後半の一方が他方の半分以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは2%以下)の画像信号が供給されるように、第2階調変換回路45Eによって画像信号が変換される。
また、前半サブフレームをサブフレームβと呼び、入力画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、最小の階調レベル近辺(フレームの前半と後半の一方が他方の半分以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは2%以下)の画像信号が供給されるように、また、入力画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には、入力される入力画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されるように、第1階調変換回路44Eによって画像信号が変換される。
前半サブフレーム期間と後半サブフレーム期間への階調レベルの配分方法について説明する。
本実施形態9では、説明を簡単にするために5ビットデジタル入力のソースドライバを用いて説明するが、特に、ソースドライバの入力ビット数を限定する必要はなく、一般的には256階調を表示可能な8ビット入力のタイプのソースドライバが多く用いられている。
液晶パネル10の輝度レベルは、ソースドライバ13Da〜13Ddに入力されたデジタル表示データに従って、出力される階調電圧と使用する液晶パネル10の電圧-透過率特性(V−T特性)により決定されるが、本実施形態9では5ビットデジタル入力のソースドライバ13Da〜13Ddを用いた場合を示しており、入力されるデジタルデータに対して液晶パネル10の輝度レベルが下記の(表1)に示す値になるように階調電圧を設定している。即ち、ソースドライバ13Da〜13Ddのガンマ輝度特性が2.2になるように基準電圧を設定している。
本実施形態9では、前述したデジタル入力のソースドライバ13Da〜13Ddを用いて前半、後半サブフレームの階調レベルを適宜組み合わせることにより、画像表示装置のガンマ輝度特性を変更可能にしている。即ち、一般的な画像信号の殆どは従来主力の画像表示装置であったCRT(陰極線管)が有しているガンマ輝度特性を想定して、ガンマ値=2.2として出力されているが、本実施形態9では、表示される画面に対して最適なガンマ値を選択してその表示画面上の画像を見やすくできるように、画像表示装置のガンマ輝度特性をガンマ輝度特性設定スイッチ21でガンマ値を「2.1」、「2.2」および「2.3」の3種類のいずれかに変更できるようにしている。
具体的には、第1階調変換回路44E、第2階調変換回路45E内のルックアップテーブルをガンマ輝度特性設定スイッチ21から入力されるガンマ特性設定信号に従って、2.2用のルックアップテーブルA、2.1用のルックアップテーブルB、2.3用のルックアップテーブルCのいずれかに切替えることにより実現している。
次に、ルックアップテーブルA(ガンマ輝度特性2.2)における、入力画像信号の階調レベルと、前半、後半各サブフレーム期間にソースドライバ13Da〜13Ddに出力されるデジタルデータと、前半、後半各サブフレーム期間の階調レベルと、その結果、観察者の目が感じる明るさとして、前半、後半各サブフレーム期間における表示輝度が1フレーム期間で時間積分された値(知覚される明るさ)の対応関係を下記の(表2)に示している。
入力画像の階調レベルと輝度の画像表示装置の目標輝度レベルとの関係は次式で表される。
画像表示装置の目標輝度レベル
=(入力画像の階調レベル)γ ・・・・(式1
00)
γ=画像表示装置のガンマ輝度特性(スイッチで設定されたガンマ値)
前半、後半各サブフレーム期間に供給される階調レベルと1フレーム期間で時間積分された値[知覚される明るさ]との関係は、次式で表される。
輝度の時間積分[知覚される明るさ]
={(前半サブフレームの階調レベル)Dγ
+(後半サブフレームの階調レベル)Dγ}/2・・・(式101)
Dγ=2.2=ソースドライバのガンマ輝度特性
上記(表2)に示した、入力画像信号の階調レベル、前半、後半サブフレームの階調レベル、知覚される明るさとの関係のうち、目標輝度レベルの異なる6例を図62に図示している。
図62から分かるように、入力画像信号の階調レベルが50%未満、即ち25.81の場合は、入力画像信号の階調レベルに応じて増減される後半サブフレームと、最小近辺の階調レベルの前半サブフレームの組み合わせで知覚される明るさが決定される。また、入力画像信号の輝度レベルが50%以上、即ち74.19%や83.67%の場合は、入力画像信号の階調レベルに応じて増減される前半サブフレームと、最大近辺の階調レベルの後半サブフレームの組み合わせで知覚される明るさが決定されている。
これと同様にルックアップテーブルBおよびルックアップテーブルCにおける対応関係を次の(表3)および(表4)に示している。この場合も式100および式101の関係が成り立ち、ルックアップテーブルBでは、γ=2.1、ルックアップテーブルCでは、γ=2.3となる。
本実施形態9で用いているルックアップテーブルは、設定された画像表示装置のガンマ輝度特性に対して誤差が±1.5%以内になるようにテーブルデータが選択されている。
また、ルックアップテーブルA〜Cを用いた場合の入力画像の階調レベルと1フレーム期間で時間積分された値[知覚される明るさ]との関係を図63にグラフで示す。
以上のように、本実施形態9の画像表示装置では、第1階調変換回路44Eによって入力画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、入力される入力画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されるように、また、入力画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には最大の階調レベル近辺の画像信号が供給されるように画像信号を変換し、第2階調変換回路45によって入力画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、最小の階調レベル近辺の画像信号が供給されるように、また、入力画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合には、入力される入力画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号が供給されるように画像信号が変換することにより、画像表示装置のガンマ輝度特性を変更することができる。即ち、前半サブフレームと後半サブフレームの階調レベルを適宜組み合わせることにより、ある輝度の時間積分における最大値を低下させることなく、動きボケを軽減してホールド型画像表示装置の動画品質を向上させながら、画像表示装置のガンマ輝度特性を変更することができる。
なお、本実施形態9では、画像表示装置のガンマ輝度特性を変更するために、二つのサブフレームに増減される階調レベルと最小の階調レベル近辺の画像信号、あるいは最大の階調レベル近辺と増減される階調レベルの画像信号を供給することにより、1フレーム期間に知覚される明るさを制御したが、他の用途、例えば液晶パネルの温度補正や、液晶材料の変更によるV−T特性の違いによる階調補正などに用いることも可能である。
(実施形態10)
上記実施形態1〜9では本発明の画像表示装置の画像表示制御手段をハードウェアで構成することもできるが、本実施形態10では、上記実施形態1〜9の画像表示装置の画像表示制御手段をソフトウェアで構成する場合について説明する。
図64は、本実施形態10の画像表示装置の画像表示制御手段がコンピュータによって処理する場合の構成例を示すブロック図である。
図64に示すように、本実施形態10の画像表示装置1の画像表示制御手段40Fは、CPU(中央演算処理装置)からなる制御手段401と、上記実施形態1〜9の画像表示方法をコンピュータにより実行させるための処理手順が記述された表示制御プログラムおよびそのデータが格納されている可読記録媒体としてのROM402と、制御手段401がワークメモリとして利用するRAM403とを有している。
可読記録媒体としては、各種ICメモリ、ハードディスク(HD)、光ディスク(例えばCD)および磁気記録媒体(例えばFD)などの記憶装置であり、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、この記録媒体から読み取られた表示制御プログラムおよびそのデータがROM402からRAM403内に格納されて制御手段401によって実行される。
制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、
画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心またはその中心に最も近いサブフレーム期間において、n(2以上の整数)個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
中心またはこの中心に最も近いサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合に、その中心またはこの中心に最も近いサブフレーム期間の前後のサブフレーム期間において、n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
その中心またはこの中心に最も近いサブフレーム期間およびその前後のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達しない場合に、さらにその前後のサブフレーム期間において、n個のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度レベルを超えない範囲で最大の階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する制御を、供給された全ての画像信号の階調レベルに対応する輝度の時間積分の総量が、入力される画像信号の階調レベルに対応する輝度に達するまで繰り返し、達した場合に、残りのサブフレーム期間において最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給するする処理(手段)とを順次実行する。
または、制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、
時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームからなるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心となる第mサブフレーム期間をm=(n+1)/2により設定し、
画像信号の階調レベルに対して、(n+1)/2個の閾値が値の小さい順にT1、T2、・・・、T[(n+1)/2]と設定されている場合に、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、該第mサブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、該閾値T2以下の場合に、該第mサブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合に、該第mサブフレーム期間、該第m−1サブフレーム期間および第m+1サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第m−2サブフレーム期間および第m+2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理と、
以降、入力される画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合に、第[m−(x−2)]サブフレーム期間から第[m+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、第[m−(x−1)]サブフレーム期間および第[m+(x−1)]サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給する処理とを実行する。
または、制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、 時間的に最も早いものから順に、または最も遅いものから順に第1サブフレーム、第2サブフレーム、・・・、第nサブフレームからなるn個のサブフレーム期間のうち、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心に最も近い二つの第m1サブフレーム期間および第m2サブフレーム期間をm1=n/2およびm2=n/2+1により設定し、 画像信号の階調レベルに対して、n/2個の閾値が値の小さいものから順にT1、T2、・・・、T[n/2]と設定されている場合に、入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、第m1サブフレーム期間および第m2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、 入力される画像信号の階調レベルが閾値T1よりも大きく、かつ、閾値T2以下の場合に、第m1サブフレーム期間および第m2サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T2よりも大きく、かつ、閾値T3以下の場合に、第m1サブフレーム期間、第m2サブフレーム期間、第m1−1サブフレーム期間および第m2+1サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、第m1−2サブフレーム期間および第m2+2サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
以降、入力される画像信号の階調レベルが閾値Tx−1(xは4以上の整数)よりも大きく、かつ、閾値Tx以下の場合に、第[m1−(x−2)]サブフレーム期間から第[m2+(x−2)]サブフレーム期間までの各サブフレーム期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、第[m1−(x−1)]サブフレーム期間および第[m2+(x−1)]サブフレーム期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、その他のサブフレーム期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)とを実行する。
または、制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、 一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合に、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、サブフレームβ期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合に、サブフレームα期間において最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)とを実行する。
または、制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、 一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、二つの階調レベルの閾値T1、T2が定められており、閾値T2は閾値T1より大きい値であり、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、サブフレームβ期間においては最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合に、サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、サブフレームβ期間においては、サブフレームα期間に供給される階調レベルより小さいレベルであり、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合に、サブフレームα期間においては最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)とを実行する。
または、制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、
一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、また2つの階調レベルの閾値T1、T2が定められており、T2はT1より大きい値であり、階調レベルLが一意的に定められており、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T1以下の場合に、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、サブフレームβ期間においては、最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T1より大きく、閾値T2以下の場合に、サブ
フレームα期間においては、階調レベルLを供給し、サブフレームβ期間においては入力される画像信号に応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
入力される画像信号の階調レベルが閾値T2より大きい場合に、サブフレームα期間においては、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、サブフレームβ期間においては、最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)とを実行する。
または、制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、
一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、
連続して入力された二つのフレームの画像に対して時間的に中間状態のフレーム画像を
推定して生成する処理(手段)と、
サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、入力される画像信号の階調レベルが閾値よりも大きい場合に最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
サブフレームβ期間において、中間状態のフレーム画像における画像信号の階調レベルが閾値以下の場合には最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、中間状態のフレームの画像における階調レベルが閾値よりも大きい場合に、その中間状態のフレームの画像における画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)とを実行する。
または、制御手段401は、本発明の表示制御プログラムおよびそのデータに基づいて、
一方のサブフレーム期間をサブフレームα期間、他方のサブフレームをサブフレームβ期間とし、
サブフレームα期間において、入力される画像信号の階調レベルが一意的に定められている閾値以下の場合には、入力される画像信号の階調レベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を該画像表示部に供給し、入力される画像信号の階調レベルが該閾値よりも大きい場合に最大または所定値より大きい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)と、
サブフレームβ期間において、入力される画像信号の階調レベルと、この一つ前または一つ後の1フレームに入力される画像信号の階調レベルとの平均値が該閾値以下の場合には最小または所定値より小さい階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給し、その平均値が閾値よりも大きい場合に、その平均値のレベルに応じて増減される階調レベルの画像信号を画像表示部である表示パネル10に供給する処理(手段)とを実行する。
以上により、最大輝度やコントラストの低下を抑えつつ、画像表示装置において動画表示の際に生じる動きボケを抑制することができる。
(実施形態11)
本実施形態11では上記実施形態1〜10の画像表示装置および画像表示方法を用いた完成品である液晶テレビジョン装置について説明する。
図65は、本発明の画像表示装置を用いた液晶テレビジョン装置の実施形態11における構成例を示すブロック図である。
図65において、液晶テレビジョン装置1000は、上記実施形態1〜10のいずれかの画像表示装置1と、テレビジョン放送信号のチャネルを選択するチューナ部1001とを備え、チューナ部1001で選択されたチャネルのテレビジョン放送信号を画像表示装置1のコントローラLSI40に画像信号として入力する。
以上により、液晶テレビジョン装置1000の表示画面上において、最大輝度やコントラストの低下を抑えつつ、画像表示装置において動画表示の際に生じる動きボケを抑制した高品質の画像を得ることができる。
(実施形態12)
本実施形態12では上記実施形態1〜10の画像表示装置および画像表示方法を用いた完成品である液晶モニタ装置について説明する。
図66は、本発明の画像表示装置を用いた液晶モニタ装置の実施形態12における構成例を示すブロック図である。
図66において、液晶モニタ装置2000は、上記実施形態1〜10のいずれかの画像表示装置1と、パーソナルコンピュータ(PC)など外部からのモニタ信号を信号処理する信号処理部2001とを備え、信号処理部2001から出力されるモニタ映像信号を画像表示装置1のコントローラLSI40に画像信号として入力する。
以上により、液晶モニタ装置2000の表示画面上において、最大輝度やコントラストの低下を抑えつつ、画像表示装置において動画表示の際に生じる動きボケを抑制した高品質の画像を得ることができる。
なお、上記実施形態1の画像表示方法が画面上の画素部のそれぞれに対して制御されることを示したが、上記実施形態2〜9の各画像表示方法に対しても画素部単位で(画素部毎に)行われる。
さらに、上記実施形態1〜12では特に説明しなかったが、階調レベルとは入力される信号レベルのことを指し、輝度レベルとは表示される明るさレベルのことを指す。
さらに、上記実施形態1〜12では特に説明しなかったが、複数のサブフレーム期間が3つ以上のサブフレーム期間の場合に、順次振り分けられた階調レベルが1フレーム期間でその中央部が端部より高くなっている。また、順次振り分けられたサブフレーム画像の各輝度レベルが1フレーム期間でその中央部が端部より高くなっている。さらに、複数のサブフレーム期間に表示される輝度の時間積分の重心変動が1サブフレーム期間以内である。
ここで、上記実施形態1〜12では、1フレーム期間を二つもしくは三つのサブフレーム期間に分割して表示制御する場合を中心に説明してきたが、これに限らず、1フレーム期間を複数(2個以上の整数)のサブフレーム期間に分割して表示制御することができる。この場合、 各サブフレーム期間に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける各種振り分け方の事例について整理して説明する。なお、入力画像信号が想定している輝度レベルになるように階調レベルが調整される。
また、以下の説明において、振り分け方を分かり易く説明するために、入力画像信号の階調レベルを低いレベルから所定の階調レベルまで徐々に上げた際の振り分け方を説明しているが、本発明は、入力画像信号の階調レベルに応じて、以下のような振り分け方に基づき、演算処理やルックアップテーブル等を用いた変換処理等により瞬時に振り分けるものである。
図67〜図71は、本発明の画像表示装置において、各サブフレーム期間に画像表示部への入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける各種振り分け方の事例を説明するための各サブフレームの概念図である。なお、図67〜図71では、縦方向に短冊状の複数のサブフレームにより1フレームが構成されており、ドット部分はサブフレームへの輝度レベルの振り分け途中を示し、斜線部分は輝度レベルが確定したサブフレームを示している。
図67(a)では、1フレームを2以上の整数(奇数も偶数も含むが、ここでは例えば6個)のサブフレームに分割した場合に、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近いサブフレーム(ここでは例えば左側で、右側から始めてもよい)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。その左側のサブフレームがいっぱい(斜線部分)になったら、中心に最も近い右側のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。さらに、その右側のサブフレームがいっぱい(斜線部分)になったら、中心に最も近い左側のサブフレームの左に隣接するサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。さらに、その左のサブフレームがいっぱい(斜線部分)になったら、中心に最も近い右側のサブフレームの右に隣接するサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。これを順次繰り返して中心またはこれに最も近いサブフレームから順次前後のサブフレームに画像表示部への入力画像信号が想定している輝度レベルが振り分けられてゆく。入力画像信号の想定している輝度レベルと同じになるように残った輝度レベルが、余ったサブフレームに振り分けられて輝度レベルの分配が終了する。
図67(b)では、1フレームを3以上の奇数(ここでは例えば5個)のサブフレームに分割した場合に、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心のサブフレーム(例えば左側から3つ目)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番にサブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値が閾値であり、入力画像信号の階調レベル<閾値T1である。その中心のサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T1)になったら、その中心のサブフレームの左右(前後)のサブフレームに同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T1<入力画像信号の階調レベル<閾値T2である。さらに、その左右の二つのサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T2)になったら、その左右のサブフレームの更に左右のサブフレームに同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T2<入力画像信号の階調レベルである。この動作を順次繰り返す。その中心のサブフレームに輝度レベルが溢れるまでの輝度レベルに対応した階調レベルの値が閾値T1、その左右のサブフレームに輝度レベルが溢れるまでの輝度レベルに対応した階調レベルの値が閾値T2となっている。サブフレームの数が増えると閾値の数も増える。このように、閾値T1、T2を設けることによって輝度レベルを振り分けるときの制御的な判断を早くすることができる。
図67(c)では、1フレームを2以上の偶数(ここでは6個)のサブフレームに分割した場合に、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心の左右二つのサブフレーム(例えば左側から3,4つ目)から入力画像信号が想定している輝度レベルを同時に振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値T1である。その中心の左右の両サブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T1)になったら、その中心の左右のサブフレームの更に左右二つのサブフレームに同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T1<入力画像信号の階調レベル<閾値T2である。さらに、その更に左右二つのサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T2)になったら、その更に左右のサブフレーム(左から2,5つ目)の更に左右のサブフレーム(左から1,6つ目)に入力画像信号が想定している輝度レベルを同時に振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T2<入力画像信号の階調レベルである。この動作を順次繰り返す。
図67(d)では、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番に各サブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値Tを設定した場合、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値Tである。その一方のサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T)になったら、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T<入力画像信号の階調レベルである。この場合、一方のサブフレームに振り分けることができる輝度レベルに対応した階調レベルの値を閾値Tとする。
図68(e)では、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番にサブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値T1,T2を設定した場合に、二つのサブフレームの一方(ここでは例えば左側)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値T1である。その一方のサブフレームにおいて入力画像信号の階調レベルが閾値T1になったら、他方のサブフレームにも同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T1<入力画像信号の階調レベル<閾値T2である。さらに、その一方のサブフレームにおいて入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱい(閾値T2)になり、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルが振り分けられて終了する(ドット部分)。このとき、閾値T2<入力画像信号の階調レベルである。
図68(f)では、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番にサブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値T1,T2を設定した場合に、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値T1である。その一方のサブフレームにおいて入力画像信号が想定している輝度レベルに対応した階調レベルが閾値T1になったら、その一方のサブフレームに分配した輝度レベルを途中で一旦固定(分配停止)し、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T1<入力画像信号の階調レベル<閾値T2である。さらに、その他方のサブフレームにおいて入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱい(閾値T2)になると、一方のサブフレームへの輝度レベルの分配固定が解除されて、一方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルの残り分が振り分けられて終了する(ドット部分)。このとき、閾値T2<入力画像信号の階調レベルである。これによって輝度重心が平均化される。
図68(g)では、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番にサブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値Tを設定した場合に、二つのサブフレームの一方(ここでは左側)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値Tである。その一方のサブフレームにおいて入力画像信号の階調レベルが閾値Tになったら、その一方のサブフレームは最大輝度とし、他方のサブフレームには次の1フレームの画像状態を考慮して輝度レベルを分配する。即ち、元の1フレームの入力画像と、次の1フレームの入力画像との画像の差(動き)を見て、その差が変化していれば、前後の各画像の時間的中間状態(間の画像を推定)の入力画像信号が想定している輝度レベルになるように他方のサブフレームに残りの輝度レベルを振り分ける。その一方のサブフレームで入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱいになる。このとき、閾値T<入力画像信号の階調レベルである。これによって擬似輪郭が抑制される。
図68(h)では、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番にサブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値Tを設定した場合に、二つのサブフレームの一方(ここでは左側)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値Tである。その一方のサブフレームにおいて入力画像信号の階調レベルが閾値Tになったら、その一方のサブフレームは最大輝度とし、他方のサブフレームにおいて、元フレームの入力画像と、次のフレームの入力画像との平均値を演算して、その平均値の入力画像信号が想定している輝度レベルの残り分を振り分ける。その一方のサブフレームでは入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱいになる。このとき、閾値T<入力画像信号の階調レベルである。
図69(i)および図69(j)では各サブフレーム期間が異なっている場合と同一の場合である。サブフレーム期間が狭いほどインパルス効果が得られ、サブフレーム期間幅が太いと、輝度重心がその太いサブフレーム期間に寄って動き難くなる。したがって、できるだけ時間的に中心部など所定位置のサブフレームを太くしたり細くしたりして輝度重心効果やインパルス効果を変えることができる。なお、図69(i)は図67(a)〜図68(h)に適応させることができ、図69(j)は図67(b)に適応させることができる。
図69(k)では、図68(e)の場合と同様であるが、これに加えて、一方のサブフレームから輝度レベルを埋めてこの輝度レベルに対応した階調レベルが閾値T1になると、他方のサブフレームにも同時に輝度レベルを埋めて行くが、両サブフレームに分配された階調レベルまたは輝度レベルの差が一定になるように分配される場合である。
即ち、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番にサブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値T1,T2を設定した場合に、二つのサブフレームの一方(ここでは例えば左側)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値T1である。入力画像信号の階調レベルが閾値T1になったら、他方のサブフレームにも同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを、左右の両サブフレームに分配される階調レベルまたは輝度レベルの差が一定になるように同一速さで振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T1<入力画像信号の階調レベル<閾値T2である。さらに、その一方のサブフレームにおいて入力画像信号が想定している輝度レベルの振り分けがいっぱい(閾値T2)になり、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルの残り分が振り分けられて分配処理が終了する(ドット部分)。このとき、閾値T2<入力画像信号の階調レベルである。
図69(l)で、図68(k)の場合と異なるのは、一方のサブフレームから輝度レベルを埋めてこの輝度レベルに対応する階調レベルが閾値T1になると、他方のサブフレームにも同時に輝度レベルを埋めて行くが、両サブフレームに分配される輝度レベルの差が所定の関数に応じた値になるように分配される点である。所定の関数とは、図68(k)のように、両サブフレームに分配される階調レベルまたは輝度レベルの差が一定値もこの関数に含まれると考えてもよいが、これとは別に、所定の係数がかけられる場合もある。この両サブフレームへの輝度レベルの分配方法を規定している。なお、図69(l)は図68(e)および図68(f)に適応させることができる。
図70(m)では、液晶の応答速度に関し、表示輝度の上昇する時の液晶応答時間と表示輝度の下降する時の液晶応答時間が異なる場合に、前後のどちらのサブフレームから輝度レベルを振り分けた方が弊害が少なくなるかについて、輝度上昇時の液晶応答時間>輝度下降時の液晶応答時間の場合には後半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分け、輝度上昇時の液晶応答時間<輝度下降時の液晶応答時間の場合には前半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分ける場合である。なお、これは図67(d)〜図68(h)に適応させることができる。
これを図67(d)に適応させると、輝度上昇時の液晶応答時間>輝度下降時の液晶応答時間の場合、二つのサブフレームの後半(右側)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値Tである。その後半のサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T)になったら、前半(左側)のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T<入力画像信号の階調レベルである。また、輝度上昇時の液晶応答時間<輝度下降時の液晶応答時間の場合、二つのサブフレームの前半(左側)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値Tである。その前半のサブフレームがいっぱい(斜線部分;閾値T)になったら、後半(右側)のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T<入力画像信号の階調レベルである。
図70(n)では、最大の表示輝度レベルをLmax、最小の表示輝度レベルをLminとし、表示輝度レベルLminの状態と表示輝度レベルLmaxの状態との間で切替わる場合の応答時間に関し、前後のどちらのサブフレームから輝度レベルを振り分けた方が弊害が少なくなるかについて、LminからLmax時(輝度が明るくなる場合)の応答時間>LmaxからLmin時(輝度が暗くなる場合)の応答時間の場合には後半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分け、LminからLmax時の応答時間<LmaxからLmin時の応答時間の場合には前半のサブフレームから先に輝度レベルを振り分ける場合である。なお、これは図67(d)〜図68(h)に適応させることができる。
図70(o)では、サブフレームに振り分ける分配輝度レベルに対応した階調レベルの上限値Lを設定する場合である。なお、これは図67(a)〜図68(h)に適応させることができる。
即ち、例えば図67(d)の場合と同様に、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番に各サブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値Tを設定した場合、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値Tである。その一方のサブフレームの分配輝度レベルに対応した階調レベルが上限値L(斜線部分;閾値T)になったら、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T<入力画像信号の階調レベルである。
図70(p)では、サブフレームに振り分ける分配輝度レベルに対応した階調レベルに上限値L1〜L3を設定し、かつその上限値L1〜L3を、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心または中心に最も近いサブフレームほど高く設定する場合である。なお、これは図67(a)〜図67(c)に適応させることができる。
即ち、例えば図67(b)の場合と同様に、1フレームを3以上の奇数(ここでは例えば5個)のサブフレームに分割した場合に、画像表示が行われる1フレーム期間の時間的な中心のサブフレーム(例えば左側から3つ目)から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値T1である。その中心のサブフレームの分配輝度レベルに対応した階調レベルが最も高い上限値L1(斜線部分;閾値T1)になったら、その中心のサブフレームの左右のサブフレームに同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T1<入力画像信号の階調レベル<閾値T2である。さらに、その左右の二つのサブフレームの分配輝度レベルに対応した階調レベルが次に高い上限値L2(斜線部分;閾値T2)になったら、その左右のサブフレームの更に左右のサブフレームに同時に入力画像信号が想定している輝度レベルを最も低い上限値L3まで振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T2<入力画像信号の階調レベルである。上限値L3<上限値L2<上限値L1である。
図71(q)では、二つのサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける各上限値L1,L2を上限値L1が上限値L2よりも大きくなるように設定する場合である。なお、これは図67(d)〜図68(h)に適応させることができる。
即ち、例えば図67(d)の場合と同様に、1フレームを2個のサブフレームに分割し、入力画像信号が想定している輝度レベルを順番に各サブフレームに分配してゆくときの輝度レベルに対応した階調レベルの基準値として閾値Tを設定した場合、二つのサブフレームの一方から入力画像信号が想定している輝度レベルを振り分ける(ドット部分)。このとき、入力画像信号の階調レベル<閾値Tである。その一方のサブフレームの分配輝度レベルに対応した階調レベルが高い上限値L1(斜線部分;閾値T)になったら、他方のサブフレームに入力画像信号が想定している輝度レベルを低い上限値L2まで振り分ける(ドット部分)。このとき、閾値T<入力画像信号の階調レベルである。低い上限値L2<高い上限値L1である。
以上の図70(o)〜図71(q)のように上限値Lを設けることにより、入力画像信号の階調レベルが最大の場合においても、全てのサブフレームの輝度レベルが100パーセントにはならず黒挿入時と同じようにインパルス効果を得ることができる。時間的な中央部ほどその上限値が高ければ輝度重心が中央部になる。
図71(r)では、図67(a)の場合と同様であるが、ここでは、入力画像信号が想定している輝度レベルと表示輝度の時間積分値が適正なガンマ輝度特性を示すように、各サブフレーム期間の輝度レベルを設定する場合である。
即ち、入力画像信号の階調レベルに応じて、輝度レベルが分配されるサブフレーム数は増減するが、常時1フレーム期間内における輝度の時間積分値が、入力される画像信号の階調レベルに対して適正なガンマ輝度特性を示すように各サブフレームへ分配する輝度レベルを確定し、その輝度レベルを実現する階調レベルを設定する。
図71(s)では、図71(r)の内容に加えて、常時1フレーム期間内における輝度の時間積分値が、入力される画像信号の階調レベルに対して適正なガンマ輝度特性を示すように各サブフレームへの輝度レベル分配の基準となる、階調レベルの閾値も決めている。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜12を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜12に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜12の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。