JP4854368B2 - 歯科修復物製造用硬化性材料の耐用性検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化成分として(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料の耐用性の検査方法に関する。
歯科材料分野では、種々の歯科修復物の製造用として、硬化成分として(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む硬化性材料が、生体に対する安全性、操作性、透明性などの観点から汎用されている。例えば、コンポジットレジンは、一般に、該(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体(モノマー)、充填材(フィラー)、重合触媒、およびその他添加剤から主に構成されるペースト状の硬化性材料であり、口腔内において光照射を行って重合硬化させて、歯牙欠損の修復に使用される。こうしたコンポジットレジンは、操作が簡便ながら、天然歯牙色と同等の色調を付与できることから、治療した歯牙を修復するための材料として急速に普及し、近年においては、前歯の治療の大部分が該硬化性材料によって行われているばかりでなく、高い咬合圧のかかる臼歯部等の修復にも使用されるようになってきている。
しかし、こうした歯科修復物製造用硬化性材料は、保管中に徐々に劣化することが知られており、その劣化の状況によっては材料の製造初期の性能が安定的に発揮されない問題があった。すなわち、その劣化機構は種々の要因が絡み合っており一概には説明できないが、いずれにせよ(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体の加水分解による酸分の生成や、さらには、配合されている添加剤の酸化や分解が原因と推測され、上記コンポジットレジン等において通常、配合されている充填剤の酸点による分解も関与していると考えられる。これらが原因の劣化反応により、長期間保存、特に、高温多湿な状態等の保存環境の悪い条件下で長期間保存した硬化性材料で製造した歯科修復物の中には耐用性が低いものがあり、これらは治療に使用しても、短期間の使用ですぐに、破切、磨耗、表面の著しい荒れ、光沢性低下、脱落、変色、着色等の品質低下が発生し、補修や再治療をしなければならない事態に陥っていた。
また、元々、分解物や不純物を大量に含む(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体の粗悪品を使用したり、表面処理が十分に行われておらず強い酸点を有する充填剤を使用して製造した上記硬化性材料では、保管による経時的な劣化を待たずともその口腔内における耐用性は期待できないものであった。
ところが、こうした耐用性の悪い低品質の硬化性材料も、その硬化前の状態において、上記のような品質低下の原因が生じていない高品質の硬化性材料と比較して外観上に見分けがつくような大きな相違があるわけではない。したがって、係る低品質のものを、予め、判別し、その使用を控えようとしても、その保存期間の長さから大まかに推測するか、或いは、曲げ強さ、吸水溶解試験のような規格に基づく大掛かりな試験を実施して測定値の低下で判断するしかなかった。しかして、歯科治療は、患者の苦痛を伴うことが多く、上記低品質品により治療したが故の再治療等は極力避けなければならず、上記のうちの前者の方法のような大まかな推測では対応できず、また、歯科医による治療の現場において、後者の方法のような大掛かりな試験をその都度実施することも現実的ではなかった。
唯一、使用した後の口腔内における、飲食物等の影響による耐着色性については、コーヒー浸漬試験や長期水中浸漬試験などを行うことが知られているが(例えば、非特許文献1および2)、これとて、操作は比較的簡便であるものの、試験には通常2日以上、長い場合は1ヶ月弱の長期間を要し、しかも、これにより判定するのは上記耐着色性のみであり、破切や磨耗等の機械的強度に対してこの試験結果がどのように影響するかは全く不明であり、実際も必ずしも結果は相関しているとは言えず満足できるものではなかった。
歯科審美 第12巻 第1号 P.97-99 (1999年) 小沢里香子ら「強化型コンポジットレジンの色調安定性について」 歯科材料・器械 第16巻 第2号 P.73-82(1997)染谷実ら「光重合型コンポジットレジンの耐水性に関する研究」
以上の背景にあって、本発明は、硬化成分として(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料に対する、その使用後の耐用性について、簡便な手法で短時間に実施でき、正確性良く判断できる検査方法を開発することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けてきた。その結果、塩基性染料を用いた染色性試験を適用することにより、前記硬化性材料の耐用性を短時間で簡単に評価できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料の、歯牙修復に使用後の耐用性を使用前において検査する方法であって、該歯科修復物製造用硬化性材料の硬化物を塩基性染料の溶液に接触させて、その染色状態を判定することを特徴とする歯科修復物製造用硬化性材料の耐用性検査方法である。
また、本発明は、上記方法に使用する、塩基性染料の溶液からなる、(メタ)アクリル酸エステル系歯科修復物製造用硬化性材料の耐用性検査液も提供する。
本発明の試験方法によれば、重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料の硬化物を塩基性染料を用いて染色することによって、その硬化性材料が有する使用時の耐用性の低さ、具体的には、破切、磨耗、表面荒れ、脱落等の機械的強度や光沢性、変色、着色等の外観などに関する使用時の性状低下のリスクの大きさを、該硬化性材料の使用前(硬化前)において精度良く判断できる。特に、塩基性染料による染色の程度は、曲げ強度や耐着色性の低下と良好に相関しており、これらの性状低下のリスクの判定に用いるのがより好ましい。
このように塩基性染料により、耐用性の程度と相関して硬化物が染色される原因は、必ずしも定かではないが、塩基性染料が上記硬化性材料の耐用性の低下因子、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体の加水分解によって生じた(メタ)アクリル酸と結合すること、さらには、これに加えて、該モノマー合成の際に使用された触媒成分、充填剤が配合されている場合においてその表面酸点、該充填材が表面処理されている場合には、この表面処理が十分に行われていないために残存した表面酸点、もしくは該表面処理部の加水分解によって新たに生じた酸点、およびその他活性成分等とも結合することによるのではないかと推測される。
そうして、上記塩基性染料を用いた染色は、前記硬化性材料の硬化物を、該塩基性染料の溶液に浸漬したり、これを塗布するだけで良く、操作は簡単で、染色時間も僅か1秒程度あれば可能であり迅速に実施でき、耐用性の判別の簡易な手段として本発明は極めて有用である。
本発明に使用される塩基性染料はとしては、公知のものがなんら制限なく使用することができる。ここで、塩基性染料とは、アミノ基、置換アミノ基などの塩基性の官能基を有する染料をいう。後述するように、一般に水溶液として使用するため、水溶性のものが好ましい。
好適に使用できる塩基性染料を例示すれば、マゼンタ(塩基性フクシン)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミン6B、ニュ―トラルレッド、クリスタルバイオレット、メチレンブルー、オーラミン、メチルバイオレット、マラカイトグリン、ビスマルクブラウン、モーヴ、カチオンイエロー、カチオンオレンジ、カチオンピンク、カチオンレッド、バサクリルブルー、ビクトリアブルー、ヤヌスブラック等が挙げられる。このうち、(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料に対する染色性の良さや、溶解性の理由から、マゼンタ、クリスタルバイオレット、ニュートラルレッド、メチレンブルー、ローダミン123を用いるのが特に好ましい。これらの塩基性染料は単独で用いても良いが、2種類以上のものを混合して用いることができる。
本発明に使用される塩基性染料は溶液として使用するものであり、その際の溶液は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル等を用いた有機溶液とすることも可能であるが、通常は、水溶液として使用される。水と有機溶媒の混合溶液であっても良い。塩基性染料の濃度は特に制限されないが、0.05〜5質量%の範囲であることが好適である。この塩基性染料の溶液には、本発明の効果が妨げられない範囲で、任意の添加剤を混合しても良い。具体的には、媒染剤、酸化防止剤などが挙げられる。
本発明の検査方法に使用される歯科修復物製造用硬化性材料は、(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含むものである。前記したとおり、係る硬化性材料では、保管中等において加水分解により(メタ)アクリル酸が生成し易く、これが耐用性の低下の主要因になると思われ、また、これを始めとした酸分が塩基性染料と結合し、その染色の程度で耐用性の高低を判断する本発明の構成を実現可能にしているものと推測される。したがって、スチレン系やオレフィン系等の重合性単量体を用いた硬化性材料では、本発明ほどの大きな耐用性の低下の問題は通常なく、また、該重合性単量体に基づく分解物が発生したとしても、通常は、これが本発明の程に顕著な塩基性染料の染色性の増加現象に結びつくものではない。
ここで、上記硬化性材料が含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する公知の重合性単量体が制限なく使用される。具体的には、下記〔I−1〕〜〔I−4〕に示される各モノマーが挙げられる。
〔I−1〕 単官能性ビニルモノマー
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;あるいはアクリル酸、メタクリル酸、p−メタクリロイルオキシ安息香酸、N−2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル−N−フェニルグリシン、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、及びその無水物、6−メタクリロイルオキシヘキサメチレンマロン酸、10−メタクリロイルオキシデカメチレンマロン酸、2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、10−メタクリロイルオキシデカメチレンジハイドロジェンフォスフェート、2−ヒドロキシエチルハイドロジェンフェニルフォスフォネート等。
〔I−2〕 ニ官能性ビニルモノマー
(i) 芳香族化合物系のもの2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート、あるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト等。
(ii) 脂肪族化合物系のものエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト、例えば1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン;無水アクリル酸、無水メタクリル酸、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、ジ(2−メタクリロイルオキシプロピル)フォスフェート等。
〔I−3〕 三官能性ビニルモノマートリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
〔I−4〕 四官能性ビニルモノマーペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加から得られるジアダクト等。
が挙げられ、このうち2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン(以下、bis−GMAと略する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(以下、bis−MPEPPと略する)、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、TEGDMAと略する)、1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン(以下、UDMAと略す。)等の多官能メタクリレートが好ましく、これらが単独もしくは2種類以上のものを混合して用いられる。
また、近年、歯質への脱灰効果を付与する等の理由から、(メタ)アクリル酸およびその無水物、1,4−ジ(メタ)アクリロキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロキシエチルナフタレン1,2,6−トリカルボン酸、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−m−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロキシデシルトリメリット酸およびその無水物、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、p−ビニル安息香酸などのカルボン酸基またはその無水物を含有するモノマー;(2−(メタ)アクリロキシエチル)ホスホリック酸、(2−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)ホスホリック酸、10−(メタ)アクリロキシデシルホスホリック酸などの燐酸基を含有するモノマー;また、p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を含有するモノマー等の酸性基を含有する酸性基含有重合性単量体を使用することが増えている。このような酸性基含有重合性単量体を用いた硬化性材料の場合、製造当初の分解物が生じていない材料の硬化物でも塩基性染料に対してある程度の高い染色性を有しているが、上記重合性単量体が分解して酸分が増加してくると、その染色性はさらに増加するため、このような酸性基含有重合性単量体を用いた硬化性材料においても、その染色の色の濃さで、耐用性の低下を判別することができる。
また、上記硬化性材料では、シリカ;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア等のシリカ系充填剤;ゼオライト、チタニア−ジルコニア、リン酸ジルコニウム等の表面に強い酸点、具体的にはシリカと同等以上の酸点を有する充填剤を含有するものが、耐用性の低下の問題がより顕著に発揮され、塩基性染料による染色の効果もより顕著に生じるため好ましい。さらに、こうした表面に強い酸点を有する充填剤の表面処理物を含有するものにおいても、上記表面処理が十分でなかったり、この表面処理部が加水分解して新たな酸点が生じた場合には上記と同様の状態になり、本発明の効果が顕著に発揮されるため好ましい。こうした理由から硬化性材料は、(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体100質量部に対して、表面に強い酸点を有する充填剤、またはその表面処理物を50〜2000質量部含有するものであるのが特に好ましい。
上記硬化性材料により製造される歯科修復物としては、公知のものが制限なく対象にできる。具体的に例示すれば、コンポジットレジン、硬質レジン、人工レジン歯、即時重合レジン、床用レジン、などが挙げられ、特に、コンポジットレジンが好ましい。
次に、本発明の検査方法の具体的な操作法を説明する。本発明では、検査対象である(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料について、その使用前の未硬化状態においてその一部を硬化させて検査用の硬化物を作製する。硬化物の作成は、対象の硬化性材料に夫々に応じた硬化方法に従って適宜に実施すれば良い。また、この硬化物は、試験前に研磨、洗浄などの処理を特に必要とせず、未重合層を残存させた状態でも試験を行うことができるが、表面を水洗したり、エタノール含浸綿球で拭いたり、ティッシュなどで未重合部分をふき取ったりして試験に供する方が、耐用性の低下による染色性の増加の状態を、直接的に観察しやすいため好ましい。硬化に際して、プラスチック棒、金属棒などの適当な支持具を用いても良い。
また、本発明の検査方法においては、表面の凹凸が染色の度合いに影響を与える場合があるため、表面性状を同等としたもの同士を比較することが好ましい。これは、凹凸が大きいものほど染色液との接触面積が大きくなり短時間で染色されやすくなるため、接触時間も正確に同じ長さにするのが好ましい。表面性状を均一にする方法としては、硬化体を作製する際にスパチュラやポリプロピレンフィルム等で均一に慣らす方法が挙げられる。ただし、口腔内では歯科材料の硬化体は徐々に磨耗することによって表面荒れを起こすことが知られており、一般的に表面が粗いほど着色の程度は大きいといわれているため、異なる硬化性材料間において、こうした硬化物の表面粗さの影響も加味して、その耐用性の高低を評価する場合にはこの限りではない。
硬化物の形状は、特に制限されるものではなく任意で良いが、塩基性染料の溶液への浸漬操作等の容易さを勘案すれば、一辺や直径が0.5〜5cmの方形状や球状であるのが適当である。なお、塩基性染料により染色した後、これを完全に脱色して元の状態に回復させるのは通常困難であるため、本発明の検査は、上記試験片を作成して実施するのが好ましく、口腔内において歯牙の修復に使用後、その歯面に対して実施するようなことは通常行わないのが普通である。
上記硬化物を作成した後、塩基性染料を溶解させた溶液を接触させる。この接触は、塗布等の方法によって実施しても良いが、通常は硬化物を浸漬させることにより実施する。接触時間は、特に制限はないが、好ましい時間は1秒以上1時間以内、より好ましくは10秒以上10分以内である。このような短時間で染色可能なため、本発明ではコーヒー浸漬試験等よりも、極めて実用性の高いものになっている。なお、接触時間が上記範囲よりも長すぎる場合、本検査の利点が薄れるばかりでなく差が判別し難くなる場合がある。
上記塩基性染料溶液による接触後、硬化物を回収し水洗する。このとき、超音波洗浄等の方法で洗浄を行っても良い。次いで、硬化物の染色状態を観察し耐用性の程度を判定する。耐用性の判定は、より激しく着色しているものほど耐用性低いとして判定すればよい。この着色の激しさは、同じ硬化性材料間であれば、こうした耐用性の低下が生じていない高品位品に対して劣化による耐用性の低下がどの程度生じているかを示す尺度になり、異なる硬化性材料間であれば、どの材料が、より耐用性の低い材料かを示す尺度になる。これら硬化物の染色状態の観察は、目視で行えばよいが、色差計等の測色装置によって色調変化量を測定することにより実施しても良い。
(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体として、酸性基を含有するものを用いておらず、シリカ等の表面に強い酸点を有する充填剤を表面処理なしの状態で含有させておらず、さらにその他の染色の原因なるような物質を有意な量含んでいない場合は、硬化性材料の硬化体は、塩基性染料に対して染色されないか、染色されたとしても僅かな程度でしかない。具体的には、かかる染色試験の前後において、測色装置による色調変化量は、塩基性染料としてメチレンブルーを用いた試験で、通常、CIELab表色系における色差ΔE=2以内でしかない。しかしながら、不純物を大量に含む(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体の粗悪品を用いたり、表面に強い酸点を有する充填剤を表面処理なしの状態で含有させたり、長期間の保管等により劣化が進んだものである場合、上記条件での試験において染色試験の前後における色調変化量はΔEが5以上まで増大してくる。この色調の変化量は、耐用性の低下量、特に、曲げ強度の低下量や耐着色性の低下量と良好に相関しており、このように激しく染色されてしまう硬化性材料の硬化物は、例えば曲げ強度であれば、上記ほとんど染色されない高品質品の該強度に比較して7割程度にまで低下してしまう。かくして、本発明では、このような塩基性染料による染色に基づく色調変化を測定することにより、前記歯科修復物製造用硬化性材料の耐用性を簡易に且つ正確性良く判定するものである。
以下に本発明に関する実施例と比較例を示すが、本発明は該実施例に限定されるものではない。なお、評価は以下の方法で行った。
(1) (メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含むコンポジットレジンからなる試料の作製
・試料A(基本試料);
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン50重量部、トリエチレングリコールジメタクリレート25重量部、1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン25重量部、カンファーキノン0.5重量部、ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.5重量部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.05重量部を混合し、マトリックスモノマーを調整した。このマトリックスモノマー30重量部と、フィラーとして不定形シリカジルコニア(平均粒径1.0ミクロン、γ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物)65重量部、ヒュームドシリカ15重量部(平均粒径0.02ミクロン、メチルトリメトキシシラン表面処理物)とを混合練和し、脱泡して(メタ)アクリル樹脂ペーストを作製し、これを試料Aとした。
・試料A保存品;
上記試料Aを60℃の恒温室に12ヶ月保管したペーストを試料A保存劣化品とした。
・試料B(メタクリル酸配合品);
上記試料Aのマトリックスモノマーに2重量部のメタクリル酸を添加したペーストを試料Bメタクリル酸配合品とした。
・試料B保存品;
上記試料Cを60℃の恒温室に12ヶ月保管したペーストを試料B保存劣化品とした。
・試料C(シリカ配合品);
上記試料A中のヒュームドシリカ15重量部を表面処理を行っていないものに変更したものを試料Cシリカ配合品とした。
・試料C保存品;
上記試料Cを60℃の恒温室に12ヶ月保管したペーストを試料C保存品とした。
・試料A(原料未精製品);
上記試料A中のマトリックスモノマーを、2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン(未精製物)60重量部、トリエチレングリコールジメタクリレート40重量部、カンファーキノン0.5重量部、ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.5重量部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.05重量部に変更したものを試料A原料未精製品とした。
(2)塩基性染料による染色試験
プラスチックの平棒上に直径1.0cmの形状に各試料を各々盛り付け、歯科用光照射器で30秒光照射を行い、重合硬化させた。塩基性染料1.0%水溶液に室温下で浸漬し、30秒後に回収、水洗した。染色の程度を試料Aと比較して目視評価し、試料Aとの染色の差がほとんど区別されないもの(色差計測定値でΔEが2未満に相当する)を◎、わずかしか区別されないものを○(色差計測定値でΔEが2〜4に相当する)、容易に区別可能なものを△(色差計測定値でΔEが5〜9に相当する)、明らかに区別できるもの(色差計測定値でΔEが10以上に相当する)を×とした。
(3)コーヒー着色試験
上記塩基性染料による染色試験において、塩基性染料1.0%水溶液をインスタントコーヒー1.0%水溶液に変更する以外同様に実施し、その染色性を評価した。
(4)加熱下コーヒー着色試験
10×10×2mmの大きさのプラスチックモールドに各試料を各々充填し、ポリエステルフィルムで覆って歯科用光照射器で表裏各30秒光照射し、重合硬化させた。7.4%のインスタントコーヒー水溶液を作製し、これに上記重合硬化させた各試料の硬化体を80℃24時間浸漬した。染色の程度を色差計にて測定し、試験前後の色調変化をCIELab表色系における色差ΔEで表した。
(5) 曲げ強度
各試料を2×2×25mmの角柱状の型枠に充填し、十分に光重合を行って硬化させた。硬化後、硬化体を型枠から取り出し、37℃水中に24時間浸漬したものを試料片とし、試験機(島津製作所製、オートグラフ5000D)に装着し、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1.0mm/分で3点曲げ破壊強度(曲げ強度)を測定した。
実施例1、2、比較例1〜3
各試料について、塩基性染料として、マゼンタ(実施例1)およびメチレンブルーを用いて(実施例2)染色試験を実施した。また、同様に、各試料について、コーヒー着色試験(比較例1)、加熱下コーヒー着色試験(比較例2)、および曲げ強度試験(比較例3)を実施した。結果を表1〜4に示した。
Figure 0004854368
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基本試料である試料Aと比較して、試料A保存品では、マゼンタおよびメチレンブルーのいずれの塩基性染料を用いた場合でも染色の差がわずかに生じた。この試料A保存品は、塩基性染料をコーヒーに変更したコーヒー着色試験では染色の差がほとんど区別できなかった。しかしながら、この試料A保存品は、80℃で長時間に染色を実施し、色差計に試験前後の正確な色調変化を測定する加熱下コーヒー着色試験では色差ΔEが6.3あるものであった。また、曲げ強度でも、試料A保存品は試料A(181MPa)よりもかなり低下していた(154MPa)。
さらに、試料B(メタクリル酸配合品)、試料B保存品、試料C(シリカ配合品)、試料C保存品、試料A(原料未精製品)でも、上記塩基性染料による染色の程度は、試料Aの染色の程度よりも、より激しくなっていた。また、試料B保存品における塩基性染料のメチレンブルー使用と、試料C保存品における前記2種の塩基性染料の使用では、保存前よりも染色の程度がより顕著化することも確認された。これに対して、これらの試料のコーヒー着色試験では、塩基性染料をコーヒーに変更しただけの簡易な試験では、いずれも依然として、染色の差はほとんど区別できなかった。これらの試料は、80℃で長時間に染色を実施する加熱下コーヒー着色試験では、色差ΔEは、上記塩基性染料による染色の激しさに応じて、試料Aよりもさらに値が大きくなっていた。同様に、曲げ強度も、上記染色の激しさにほぼ応じて、さらに値が低下していることが確認できた。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料の、歯牙修復に使用後の耐用性を使用前において検査する方法であって、該歯科修復物製造用硬化性材料の硬化物を塩基性染料の溶液に接触させて、その染色状態を判定することを特徴とする歯科修復物製造用硬化性材料の耐用性検査方法。
  2. 歯科修復物製造用硬化性材料がコンポジットレジンである請求項1記載の耐用性検査方法。
  3. 塩基性染料の溶液からなる、(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体を含む歯科修復物製造用硬化性材料の耐用性検査液。
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