JP4853588B2 - イオン源 - Google Patents
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Description
特開昭51−8996号、特開昭51−8996号、及び特開平3-179252号に記載されている従来例では、測定試料濃度が低い場合(例えば、空気中の微量成分を測定する場合や、液体中の微量成分を測定する場合等)、測定試料のイオンに比較して多量に存在する成分のイオンあるいは多量に存在する成分由来のイオン(例えば、イオン分子反応により生成したイオン等)の強度が極端に強くなる。特に、多量に存在する成分に相当する分子あるいは多量に存在する成分由来のイオンに相当する分子が、目的とする試料の分子よりイオンになりやすい、あるいは同じ程度にイオンになる場合、目的とする試料のイオンの生成効率が悪化し、結果的に感度が低下するという問題があった。
2.長時間の連続測定について
上記の従来例では、測定するガス中の成分が針先に堆積し、コロナ放電が不安定になり、長時間連続して測定できなくなるという問題があった。特開平6−310091号に記載の方法では、1ヶ月程度の長期間に渡る連続運転について触れられていない。放電が不安定になった後、再び測定を行うには針先の堆積物を取り除いたり、針を交換したりといったメンテナンスが必要になり、この間は測定できないことに加えて、人手・手間がかかるという問題がある。
まず、イオンの生成効率を上げる手段であるが、高電圧を印加することにより針電極先端に生成するコロナ放電において、針電極と、生成したイオンを質量分析部に取り込むための開口部を有する隔壁と、を結ぶ方向、つまりイオンが放電領域から引き出される方向と、試料ガスが流れる方向が異なる構成にすることによって、目的とする試料のイオンの生成効率を大幅に向上させる。
(負のコロナ放電)
O2+N2 → 2NO
(負のコロナ放電)
O2 -+NO→NO3 -
O2 -+CP→(CP−H)-+HO2
ここで、(CP−H)-はCPからプロトンの抜けた負イオンを表す。上式からわかるように、基本的に、負のコロナ放電で生成したO2 -が介在した反応となる。N2はO2との負のコロナ放電下での反応により中間体NOを経てNO3 -に容易に変化し、強度の強いイオンとなって観測される。NO3 -は酸性度が高いので、CPとは反応しない。従って、CPに比較してN2の濃度が非常に高い場合、観測されるのはNO3 -がほとんどで、(CP−H)-はわずかにしか観測されない。
O2+e- → O2 -
(負のコロナ放電)
O2 -+CP→(CP−H)-+HO2
となる。この反応形態は、(CP−H)-を高感度に測定する観点から非常に望ましいものとなる。
2.放電を長時間持続するための手段
本発明は、質量分析部と高電圧を印加することにより針電極先端にコロナ放電を生じさせて試料のイオン化を行うイオン源とを備えたイオン化質量分析計において、前記イオン源は、針電極と、生成したイオンを質量分析部に取り込むための開口部とを結ぶ方向、つまりイオンが放電領域から引き出される方向と、試料ガスが流れる方向が90度以上異なるように(別の見方をすると:針電極先端と、イオンを質量分析部に送り込むための第1の開口部を結ぶ方向とその中心と針電極先端とを結んだ方向とのなす90度以下の位置に設けられた試料ガスを供給する第2の開口部とで)構成される質量分析計および方法を提供する。
1)針先近傍のイオン化領域に生じる負イオンが、針先先端領域の電界強度を弱める。
2)電界強度が弱まると、放電電流が低下する。
3)イオン化領域に生じていた負イオンが、電界の力により対向電極側に移動する。
4)針先先端領域の電界強度が再び強くなり放電電流が元どおりになる。
Claims (5)
- 針電極が配置され、前記針電極と前記針電極により放電される領域とを覆う筒を有し、コロナ放電により試料ガスのイオンを生成する第1の室と、
前記第1の室で生成された前記イオンを分析部に取り込む第1の開口部と、
窒素および酸素を含む前記試料ガスを前記針電極の先端へ向けて導入する第2の開口部とを有し、
前記針電極の先端と前記第1の開口部を結ぶ方向と、前記針電極の先端と前記第2の開口部の中心とを結ぶ方向のなす角度が90度以下であり、
前記試料ガスは、前記第2の開口部から前記針電極の先端へ向かって流れ、
前記針電極の先端は、導入される前記試料ガスの流れの中にあるように配置され、
前記針電極の側面及び前記筒の少なくともいずれかが絶縁体で覆われており、前記放電は、前記針電極の先端と前記第1の開口部を形成する電極との間で起きていることを特徴とするイオン源。 - 前記絶縁体は、前記針電極に設けられた外筒であることを特徴とするイオン源。
- 針電極が配置され、コロナ放電により試料ガスのイオンを生成する第1の室と、
前記第1の室で生成された前記イオンを分析部に取り込む第1の開口部と、
窒素および酸素を含む前記試料ガスを前記針電極の先端へ向けて導入する第2の開口部とを有し、
前記針電極の先端と前記第1の開口部を結ぶ方向と、前記針電極の先端と前記第2の開口部の中心とを結ぶ方向のなす角度が90度以下であり、
前記試料ガスは、前記第2の開口部から前記針電極の先端へ向かって流れ、
前記針電極の先端は、導入される前記試料ガスの流れの中にあるように配置され、
前記針電極の側面が金又はクロムで覆われており、前記放電は、前記針電極の先端と前記第1の開口部を形成する電極との間で起きていることを特徴とするイオン源。 - 針電極が配置され、コロナ放電により反応ガスのイオンを生成する第1の室と、
前記反応ガスが第1の開口部から導入される第2の室と、
前記反応ガスを前記第2の室から前記第1の室へ導入し、前記第1の室で生成された前記反応ガスのイオンを、前記第2の室へ取り込む第2の開口部と、
試料ガスが導入され、前記反応ガスのイオンとの反応により前記試料ガスのイオンが生成される第3の室と、
前記第2の室から前記反応ガスのイオンを前記第3の室へ取り込む第3の開口部と、
前記第3の室で生成された前記試料のイオンを反応部へ取り込む第4の開口部とを備え、
前記針電極の先端と前記第1の開口部を結ぶ方向と、前記針電極の先端と前記第2の開口部の中心とを結ぶ方向のなす角度が90度以下であり、
前記針電極の先端は、導入される前記反応ガスの流れの中にあるように配置され、
前記放電は、前記針電極の先端と前記第2の開口部を形成する電極との間で起きていることを特徴とするイオン源。 - 請求項4記載のイオン源であって、前記第2の開口部と前記第3の開口部との距離、前記第3の開口部と前記第4の開口部との距離が、それぞれ1〜10mmであることを特徴とするイオン源。
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2010
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