JP4848294B2 - 燃料電池用水素製造触媒及びdss運転対応型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料供給のON/OFFを繰り返すDSS運転によっても良好に使用可能な燃料電池用水素製造触媒、及びその触媒を備えたDSS運転対応型燃料電池に関する。
水素と酸素を燃料とする固体高分子型燃料電池(PEFC)は、低公害で熱効率が高いため、自動車用電源や分散電源等の幅広い分野での動力源として、また、家電製品等の民生用の動力源としての適用が期待されている。この燃料電池に燃料である水素を供給するには幾つかの方法があるが、メタン、プロパン、天然ガス、灯油等の炭化水素を触媒(本願では「水素製造触媒」という。)の存在下で水蒸気改質して水素を製造する方法が一般的に検討されている。
こうした水蒸気改質法は、例えばメタンを原料とした場合には、そのメタンを水素製造触媒の存在下で、CH4+H2O→CO+3H2 の反応により水素を含む改質ガスを得るが、その改質ガスは多量の一酸化炭素を含み、この一酸化炭素は燃料電池の働きを阻害する被毒物質として作用する。そこで、その後に、例えばCu−Zn等のCO変成触媒の存在下で、CO+H2O→CO2+H2 の反応により一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、さらにその後に、例えばPtやRu等のCO除去触媒を有するCO除去触媒の存在下で、CO+1/2O2→CO の反応により一酸化炭素をさらに除去する方法が検討されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
ところで、従来、工業的に利用されている水素の90%は主にNi/Al触媒を用いた水蒸気改質法により連続的に製造されているが、こうしたNi/Al触媒は貴金属を含まないため安価であり、実用上極めて有利な触媒である。一方、水素を燃料とする固体高分子型燃料電池(PEFC)は民生用の燃料電池としての実用化が期待されており、そのため、daily start-up and shut-down運転(本願では「DSS運転」という。)が伴うことから、水蒸気改質法による水素製造も燃料電池のDSS運転に対応した安定製造が要求されている。
DSS運転対応型燃料電池に水素を供給するためには、水蒸気改質もDSS運転により行われることになる。そのため、水素製造触媒には、燃料であるメタン等の炭化水素原料が供給される燃料雰囲気と、炭化水素原料が供給されない水蒸気雰囲気とが任意の間隔で繰り返される。こうした場合であっても、上記の安価なNi/Al触媒を用いて水素を製造できればよいが、Ni/Alは高温で水蒸気雰囲気下に晒されると、Ni金属のシンタリングが起こり、活性が低下することがよく知られている(例えば非特許文献1を参照)。
そこで現在、固体高分子型燃料電池用の水蒸気改質触媒には、Ruを触媒活性成分としAlを担体としたものや、RuとNiを触媒活性成分としAlを担体としたものが用いられている(例えば特許文献3を参照)。
特開2003−47855号公報 特開2004−89813号公報 特開2005−262070号公報 石油学会誌、Vol.2、109(1977)
しかしながら、貴金属であるRuは高価であるため、実用化のためにはNi等の比較的値段の安い卑金属を使うことができると共に、炭化水素原料が供給される燃料雰囲気と、炭化水素原料が供給されない水蒸気雰囲気とが任意の間隔で繰り返される場合であっても安定した触媒性能を発揮できる、DSS運転対応型の水素製造触媒が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、燃料供給のON/OFFを繰り返すDSS運転によっても安定して使用することができる燃料電池用水素製造触媒を提供すること、及び、その水素製造触媒を備えたDSS運転対応型燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の第1の観点に係る燃料電池用水素製造触媒は、一般式ABO型で当該BがNiMn(1−x)の組成物からなり、前記xが0.7±0.10であることを特徴とする。
この発明によれば、上記組成物を燃料電池用水素製造触媒として用いたので、炭化水素原料が供給されない水蒸気雰囲気でも触媒性能を維持することができ、DSS運転対応型の燃料電池用水素製造触媒として好ましく用いることができる。さらに、この発明によれば、水素製造触媒が貴金属を主要材料として含んでいないので、触媒コストの低減を図ることができる。
また、本発明の第2の観点に係る燃料電池用水素製造触媒は、一般式ABO型で当該BがNi(1−x)の組成物からなり、燃料供給のON/OFFを繰り返すDSS運転対応型の燃料電池用水素製造触媒であって、前記組成物は、DSS運転時に、金属Niがオキシ炭酸化合物に担持されていることを特徴とする。この燃料電池用水素製造触媒において、前記MがMnであり、前記xが0.7±0.10であることが好ましい。
この発明によれば、上記組成物をDSS運転対応型の燃料電池用水素製造触媒として用い、その組成物を構成するNiがDSS運転時に金属Niの状態でオキシ炭酸化合物に担持されているので、炭化水素原料が供給されない水蒸気雰囲気でも触媒性能を維持することができ、DSS運転対応型の燃料電池用水素製造触媒として好ましく用いることができる。さらに、この発明によれば、水素製造触媒が貴金属を主要材料として含んでいないので、触媒コストの低減を図ることができる。
上記第1及び第2の観点に係る本発明の燃料電池用水素製造触媒において、前記AがLaであることが好ましい。前記組成物を構成するA元素は特に限定されないが、この発明によれば、A元素をLaとすればより好ましい触媒性能を発揮できる。
上記第1及び第2の観点に係る本発明の燃料電池用水素製造触媒において、前記AがLaCe(1−y)であることが好ましい。前記組成物を構成するA元素は特に限定されないが、この発明によれば、A元素をLaCe(1−y)とすればより好ましい触媒性能を発揮できる。
上記第1及び第2の観点に係る本発明の燃料電池用水素製造触媒において、前記組成物が、Pd、Pt、Rh及びRuから選ばれるいずれか1以上を含むことが好ましい。この発明によれば、上記組成物にPd、Pt、Rh及びRuから選ばれるいずれか1以上を含有させることにより、DSS運転時における触媒性能をより向上させることができる。なお、これらの元素は、微量含有させるだけでよいので、従来型の触媒に比べてコストの面でも有利である。
上記課題を解決する本発明のDSS運転対応型燃料電池は、上記第1及び第2の観点に係る本発明の燃料電池用水素製造触媒を有する水素製造装置を構成部材として備えることを特徴とする。
この発明によれば、DSS運転対応型燃料電池の構成部材として、上記本発明の燃料電池用水素製造触媒を有する水素製造装置を用いたので、コストメリットのあるDSS運転対応型の燃料電池として好ましく適用できる。
本発明の燃料電池用水素製造触媒によれば、炭化水素原料が供給されない水蒸気雰囲気でも触媒性能を維持することができるので、DSS運転対応型の低コストの燃料電池用水素製造触媒として好ましく用いることができる。また、本発明のDSS運転対応型燃料電池によれば、コストメリットのあるDSS運転対応型の燃料電池として好ましく適用できる。
以下、本発明の燃料電池用水素製造触媒及びDSS運転対応型燃料電池について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態と実施例とにより本発明の範囲が限定されるものではなく、以下の構成要素には、技術常識の範囲内で当業者が容易に想定できるものや実質的の同一のもののも含まれる。
(燃料電池用水素製造触媒)
本発明の燃料電池用水素製造触媒は、燃料供給のON/OFFを繰り返すDSS運転対応型の燃料電池用水素製造触媒として用いられるものであって、一般式ABO型でそのBがNi(1−x)の組成物からなるものである。そして、この組成物は、DSS運転時に、上記Ni元素が金属Niとしてオキシ炭酸化合物に担持された状態になっている。
本発明では、Ni元素がDSS運転時に金属Niとしてオキシ炭酸化合物に担持されているように構成されるので、炭化水素原料が供給されない水蒸気雰囲気を伴うshut-down時においても、Ni酸化物になって触媒活性が失活することがなく、触媒性能を維持することができるという効果がある。
一般式ABO型はペロブスカイト型構造としてよく知られている構造であるが、本発明においては、結晶学的に必ずしもペロブスカイト構造でなくてもよく、組成比としてABO型になっていればよい。
ABO型の組成物において、本願では、Bサイトの元素がNi(1−x)であることに特徴がある。特に好ましい触媒活性を示すM元素としては、Mn(マンガン)を挙げることができる。Mnを構成元素とした場合のNiMn(1−x)において、炭化水素原料から水素への水蒸気改質反応(例えば、CH4+H2O→CO+3H2)による変換効率の観点からは、xが0.7±0.10であること、すなわち、xが0.6以上0.8以下であることが好ましい。
ABO型の組成物において、Aサイトの元素としては、ランタノイド元素(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Dy等)や、Ba、Sr、Ca等のアルカリ土類元素を挙げることができる。この中でも、Bサイトの元素をNiMn(1−x)とした場合においては、Aサイトの元素としてLaを好ましく挙げることができ、また、LaCe(1−y)を好ましく挙げることができる。これらの元素でAサイトを構成することにより、好ましい触媒性能を発揮させることができる。なお、後述の実験例においては、LaCe(1−y)においてyを0.5としたものを例示している。
なお、本発明のABO型の水素製造触媒において、その組成物が、Pd、Pt、Rh及びRuから選ばれるいずれか1以上を含むことが好ましい。水素製造触媒の総重量に対する前記の元素の含有量は、DSS運転時における触媒性能をより高めることができる量を選択する。これらの元素はいずれも貴金属と呼ばれるものであり、コストの点ではやや好ましくないが、本願では含有量が上記範囲であり、主要成分として含まないので、コスト上昇を極力防ぐことができる。なお、上記元素の中でも、特にPdを含有させることが触媒活性の点でより好ましい。
以上説明した本発明の水素製造触媒は、DSS運転対応型の燃料電池用水素製造触媒として好ましく用いることができる。
(水素製造触媒の製造方法)
上述した水素製造触媒は以下のようにして作製することができる。例えLaNi0.70.3からなる組成物を作製する場合、例えばメタノール溶媒に、ランタン塩、ニッケル塩、マンガン塩を最終的に上記組成比になるように所定量秤量して投入し、さらにクエン酸やエチレングリコール等の支持塩を所定量秤量して投入した後、所定の温度で重合させてゲル化させ、その後、所定の温度で炭化と焼成を行って前駆物質を作製し、その後さらに焼成することによって、ペロブスカイト型構造又はそれに類似する構造からなるLaNi0.70.3を作製することができる。
なお、Aサイトに例えばCe(セリウム)を所定の化学量論比で含有させる場合には、La塩とCe塩を所定量秤量して加え、また、Bサイトに例えばPdを所定の化学量論比で含有させる場合には、Pd塩を所定量秤量して加えることにより調整できる。
なお、上記の製造例はその一例であって、必ずしも上記の例に限定されない、
(水素製造装置及び燃料電池)
上述した本発明の水素製造触媒は、水素製造装置内に設けられて、メタン、プロパン、天然ガス、灯油等の炭化水素を水蒸気改質して水素を製造する触媒として用いられる。本発明の水素製造触媒を適用できる水素製造装置の形態は特に限定されず、種々の水素製造装置に好ましく適用可能である。また、こうした水素製造装置を構成部材として備える燃料電池も特に限定されず、各種の形態からなる燃料電池を好ましく適用可能である。本発明の水素製造触媒を適用した水素製造装置や燃料電池は、DSS運転対応型の水素製造装置や燃料電池として好ましいものとなり、特にdaily start-up and shut-down運転(DSS運転)を伴う民生用の機器や装置に好ましく用いることができる。
実験例と比較実験例を挙げて本発明の水素製造触媒を更に具体的に説明する。以下の具体例は、本発明の水素製造触媒の一例を挙げたものであり、本発明の範囲が以下の具体例のみに限定されないことは言うまでもない。
(実験例1)
100mlのメタノール溶媒中に以下のモル比となるように秤量した各塩を投入して溶解し、その後、約130℃で重合させてゲル化させ、その後、約330℃・大気雰囲気で炭化させ、次いで、約500℃・大気雰囲気で5時間の焼成を行って、前駆物質を作製した。その後さらに、約1000℃・大気雰囲気で15時間焼成することによって、ペロブスカイト型構造又はそれに類似する構造からなるLaNixMn(1-X)の触媒粉末を7種作製した。
・硝酸ランタン・6水和物…1(単位:モル比。以下同じ。)
・硝酸ニッケル・6水和物…0、0.2、0.3、0.5、0.7、0.8、1.0
・硝酸マンガン・6水和物…1.0、0.8、0.7、0.5、0.3、0.2、0
・クエン酸…10
・エチレングリコール…40
なお、上記のうち、硝酸ニッケルと硝酸マンガンのモル比は、NixMn(1-X)のxと(1−x)とが合計で1.0(モル比)になるように調整した。
(実験例2)
作製手順は実験例1と同様であるが、LaNi0.7Mn0.3にPd元素を導入した組成物を作製した。具体的には、LaNi0.7Mn0.3にPd元素をモル比で0.005と0.0005導入して、LaNi0.7Mn0.3Pd0.005とLaNi0.7Mn0.3Pd0.0005となるように組成物を作製した。Pd元素としては、硝酸パラジウム水溶液を用い、ランタン塩等と共に溶解し、実験例1と同様にして、前記組成物からなる触媒粉末を作製した。
(実験例3)
作製手順は実験例1と同様であるが、LaNi0.7Mn0.3にRh元素を導入した組成物を作製した。具体的には、LaNi0.7Mn0.3にRh元素をモル比で0.005と0.0005導入して、LaNi0.7Mn0.3Rh0.005とLaNi0.7Mn0.3Rh0.0005となるように組成物を作製した。Rh元素としては、(硝酸ロジウム水溶液)を用い、ランタン塩等と共に溶解し、実験例1と同様にして、前記組成物からなる触媒粉末を作製した。
(実験例4)
作製手順は実験例1と同様であるが、AサイトにCe元素を導入した組成物を作製した。具体的には、AサイトにCe元素をモル比で0.5導入して、La0.5Ce0.5Ni0.7Mn0.3となるように組成物を作製した。Ce元素としては、(硝酸セリウム)を用い、ランタン塩等と共に溶解し、実験例1と同様にして、前記組成物からなる触媒粉末を作製した。
(比較実験例1)
作製手順は実験例1と同様であるが、LaNi0.7Mn0.3を基準とし、そのBサイトのMnの代わりに、Al(硝酸塩),Co(硝酸塩),Cr(硝酸塩),Fe(硝酸塩),Ti(チタニウムテトライソプロポキシド)を導入した組成物を作製し、それ以外は実験例1と同様にして、各種の組成物からなる触媒粉末を作製した。
(比較実験例2)
作製手順は実験例1と同様であるが、Bサイトにさらに他の元素を導入した組成物を作製した。具体的には、Bサイトに「B」元素をモル比で0.1導入して、LaNi0.7Mn0.20.1となるように組成物を作製した。B元素としては、Al(硝酸塩),Co(硝酸塩),Cr(硝酸塩),Fe(硝酸塩),Ti(チタニウムテトライソプロポキシド)を用い、それぞれの塩をランタン塩等と共に溶解し、実験例1と同様にして、各種の組成物からなる触媒粉末を作製した。
(比較実験例3)
作製手順は実験例4と同様であるが、AサイトにCe元素の代わりに他の元素を導入した組成物を作製した。A元素としては、Dy(硝酸塩),Nd(硝酸塩),Pr(硝酸塩),Sm(硝酸塩),Sr(硝酸塩)を用い、それぞれの塩をランタン塩等と共に溶解し、実験例4と同様にして、各種の組成物からなる触媒粉末を作製した。
(触媒活性測定)
図1は、上記実験例と上記比較実験例で得られた触媒粉末の触媒活性を測定する装置を示す模式図である。図1に示すように、触媒活性測定装置は、直径10mmの石英ガラス製の反応管内に充填した触媒粉末を石英ウールとケイ砂とで両側から挟み、その部分を所定の温度で加熱可能になるように構成した。また、触媒粉末に接触するように熱電対を配置し、加熱時の温度を測定できるよう構成した。図1に示す触媒活性測定装置の上方にガス導入口を設け、下方にガス導出口を設けた。
触媒活性測定は、上記実験例と上記比較実験例で得られた触媒粉末を粒径0.5μm以下に粉砕したものを0.1g秤量し、石英ガラス製の反応管に充填し、20%H/Nを200ml/minで流通させながら700℃で1時間水素還元を行った。このとき、GHSV(原料ガス供給速度を見掛け触媒体積で除した値)は、200÷(1/60)÷0.1=120000ml/h/gとなる。その後、Nを160ml/minでパージした後、N、CH、HOをそれぞれ流量41.7ml/min、83.3ml/min、250ml/minで流通させ、700℃で改質反応を行った。このとき、GHSVは、375÷(1/60)÷0.1=225000ml/h/gとなる。出口ガスの定量は、Nを内部標準ガスとしたガスクロマトグラフィーによって行い、改質反応後の定常活性状態でのCH転化率を測定した。図2は、定常活性を測定する際のプロファイルである。この実験では、GHSVを225000で行っており、通常のGHSVの数千レベルのものに比べ、かなりの加速試験で行った結果で評価している。
(DSS運転試験)
前記の触媒活性測定と同様、上記実験例と上記比較実験例で得られた触媒粉末を粒径0.5μm以下に粉砕したものを前記同様の改質反応を行い、定常活性状態でのCH転化能を確認した。その後、200℃まで10K/minで降温する際に所定の温度(以下、「スチーミング温度」という。)で原燃料であるCHを供給停止することによってshut−downを行い、続いて700℃まで10K/minで昇温する際にスチーミング温度でCHを供給開始することによってstart−upを行った。その後、CH転化能が定常活性を示すまで反応を行った後に、start−upとshut−downとを繰り返すDSS運転試を行った。なお、この実験例では、スチーミング温度を600℃とした。
(XRD回折測定及びXAFS測定)
実験に供した触媒粉末の結晶構造は、X線回析装置(理学社製、型式:RINT−Ultima III)によって測定した。なお、各実験例と各比較実験例で作製された触媒粉末は、測定されたXRDパターンから、単一のペロブスカイト型によく似た複合酸化物であることが同定された。XAFS測定は、化合物の定性的な情報を精度よく測定できる測定手段であり、ここでは、X線吸収微細構造(X-ray absorption fine structure)測定装置(高エネルギー加速器研究機構内フォトンファクトリーBL12C)によって測定した。
(触媒活性測定結果)
図3は、実験例1で得られたLaNixMn(1-X)の触媒粉末を改質反応させた後のCH転化率の測定結果を示すグラフである。Bサイトを構成するNiのモル比が約0.7のとき極大値を示しているのが確認され、その±10%程度が好ましい範囲であることが推察された。なお、各実験例と各比較実験例では、通常の実用態様に比べてかなり高いGHSVで行った加速試験を行っているので、測定されたCH転化率の実測値はやや低い値を示しているが、実用態様のGHSVで行った測定では十分に高いCH転化率が見込まれる。一方、比較実験例1で得られた触媒粉末についても同様に測定したが、実験例1で得られたような触媒活性は得られなかった。また、Bサイトにさらに他の元素を導入した比較実験例2で得られた触媒粉末についても同様に測定したが、実験例1で得られたような触媒活性は得られなかった。
実験例2〜3で得られた触媒粉末は貴金属を僅かに含有させたLaNi0.7Mn0.3の触媒粉末であるが、この触媒粉末を改質反応させた後のCH転化率の測定結果については、いずれも5〜7%の変化率が確認された。測定されたCH転化率の実測値はやや低い値を示しているが、実用態様のGHSVで行った測定では十分に高いCH転化率が見込まれる。
実験例4で得られた触媒粉末はAサイトにCe元素を導入したLa0.5Ce0.5Ni0.7Mn0.3の触媒粉末であるが、この触媒粉末を改質反応させた後のCH転化率の測定結果については、約4%程度の変化率が確認された。測定されたCH転化率の実測値はやや低い値を示しているが、実用態様のGHSVで行った測定では十分に高いCH転化率が見込まれる。一方、Ce元素に変えて他の元素を導入した比較実験例3で得られた触媒粉末についても同様に測定したが、実験例4で得られたような触媒活性は得られなかった。
(DSS運転試験結果)
実験例1で作製したLaNi0.7Mn0.3からなる触媒粉末を用いてDSS運転試験を行った。図4は、LaNi0.7Mn0.3を水素還元する前のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示しており、図5は、LaNi0.7Mn0.3を水素還元した後のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示しており、図6は、スチーミング温度後における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示しており、図7は、失活した後における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示しており、図8は、再焼成して再生した後における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示している。
図4に示すように、水素還元前の触媒粉末は、XRDパターンからLaNi0.7Mn0.33の存在が同定され、さらに、XAFS測定結果からも、NiOや金属Niが存在しないことが確認された。また、図5に示すように、水素還元後の触媒粉末は、XRDパターンから酸化ランタン(La23)と金属Niの存在が同定され、さらに、XAFS測定結果からは、金属Niの存在とNiOの不存在が確認された。また、図6に示すように、スチーミング温度後においても触媒活性を有する触媒粉末は、XRDパターンからオキシ炭酸ランタン(La22CO3)と金属Niとマンガン酸ランタン(LaMnO3)との存在が同定され、さらに、XAFS測定結果からは、金属Niの存在とNiOの不存在が確認された。また、図7に示すように、失活した後の触媒粉末は、XRDパターンからニッケル酸ランタン(LaNiO3)とマンガン酸ランタン(LaMnO3)との存在が同定され、さらに、XAFS測定結果からは、金属Niの不存在とNiOの存在が確認された。また、図8に示すように、再生された触媒粉末は、図6と同様、XRDパターンからニッケル酸ランタン(LaNiO3)とマンガン酸ランタン(LaMnO3)との存在が同定され、さらに、XAFS測定結果からは、金属Niの不存在とNiOの存在が確認された。
この結果が示すように、一般式ABO型でそのBサイトがNi(1−x)の組成物からなる触媒粉末においては、DSS運転時に、金属Niがオキシ炭酸ランタン(La22CO3)に担持された状態になっていることによって、触媒活性を示していると考えられる。したがって、こうした金属Niがオキシ炭酸化合物上に担持されているように、Aサイトの元素やBサイトの元素を選択することができれば、安価で安定した触媒粉末とすることができると考えられる。なお、本願では、好ましい実験例としてLaNixMn(1-X)組成物を挙げることができ、さらにその組成物に僅かな貴金属を添加した場合も同様の効果が得られることがわかった。
実験例と比較実験例で得られた触媒粉末の触媒活性を測定する装置を示す模式図である。 定常活性を測定する際のプロファイルである。 実験例1で得られたLaNixMn(1-X)の触媒粉末を改質反応させた後のCH転化率の測定結果を示すグラフである。 LaNi0.7Mn0.3を水素還元する前における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示している。 LaNi0.7Mn0.3を水素還元した後における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示している。 スチーミング温度後における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示している。 失活した後における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示している。 再生した後における触媒粉末のSEM写真とX線回折結果とXAFS測定結果とを示している。

Claims (4)

  1. 一般式ABO型で前記AがLa Ce (1−y) で当該yが0.5〜1.0であり、
    前記BがNiMn(1−x) で当該xが0.7±0.10であることを特徴とする燃料電池用水素製造触媒。
  2. 前記組成物は、DSS運転時に、金属Niがオキシ炭酸化合物に担持されており、燃料供給のON/OFFを繰り返すDSS運転対応型の燃料電池用水素製造触媒である、請求項1に記載の燃料電池用水素製造触媒。
  3. 前記組成物が、Pd、Pt、Rh及びRuから選ばれるいずれか1以上を含む、請求項1又は2に記載の燃料電池用水素製造触媒。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の燃料電池用水素製造触媒を有する水素製造装置を構成部材として備える、DSS運転対応型燃料電池。
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