JP4842207B2 - 無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法およびその方法を使用した通信装置 - Google Patents

無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法およびその方法を使用した通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、無線ネットワークにおけるブロードキャスト(broadcast)方法およびその
方法を使用する通信装置に関し、詳細には、IEEE802.15.4標準に基づくZigBee(登録商標)ネットワークにおいてリンク基盤(link-based)の手法を採用することにより効率よくデータをブロードキャストすることができる、無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法およびその方法を使用する通信装置に関する。
PANと略称される個人領域ネットワーク(Personal Area Network)は、複数のユー
ザによる利用が想定される近距離通信網(LAN)や遠距離通信網(WAN)と対比される概念であって、個人が所有する固有なネットワークを意味する。すなわち、PANとは、個人が所有する複数のデバイス(devices)を、その個人の利便を目的として相互接続して構成した1つのネットワークを意味する。このようなPANを無線で実現するための試みとして、IEEE802.15ワーキンググループ(Working Group)は、WPAN(Wireless Personal Area Network)を策定し、短距離無線ネットワークの標準として提案している。IEEE802.15ワーキンググループの下には、4つのTG(Task Group)がある。IEEE802.15.1が公知のブルートゥース(Bluetooth)であり、IEEE802.15.3およびIEEE802.15.3aが高速(high rate)WPAN、そしてZigBee(登録商標)と呼ばれるIEEE802.15.4が250kbps以下の低速(low rate)WPANに対する標準化作業を行う。
ZigBee(登録商標)グループの主な目標の1つは無線センサネットワーク(wireless sensor network)のための媒体アクセス制御(MAC)階層上のプロトコルスタック(protocol stack)を標準化することである。この目標に従って、現行のZigBee(登録商標)標準規格は、ネットワーク階層(network layer)における信頼性のあるデータブロードキャスト方法をサポートする。ZigBee(登録商標)標準規格に基づくブロードキャスト方法は、ネットワーク−ワイド(network-wide)ブロードキャスト、ローカルブロードキャスト回復(local broadcast repair)、および制限半径(limited radius)ブロードキャストという3つの部分から構成される。
図1ないし図4は従来のZigBee(登録商標)標準規格に係るブロードキャスト方法を説明するための図である。図1ないし図4に基づいて、従来のZigBee(登録商標)標準規格に係るブロードキャスト方法、およびこれに伴う問題点について詳説する。
図1はZigBee(登録商標)ネットワークにおける従来のZigBee(登録商標)標準規格によるネットワーク−ワイドブロードキャスト方法を説明するための図である。従来のZigBee(登録商標)標準規格によると、ネットワーク−ワイドブロードキャストは、ツリー構造のみを用いてブロードキャストパケット(broadcast packet)を伝送するツリー基盤(tree-based)のブロードキャスト方法である。
例えば、図1に示すようなネットワーク構造において、ブロードキャストパケットのソースをノードAと仮定すると、ブロードキャストパケットはツリー構造に従って伝送されるため、隣接ノードにブロードキャストパケットを伝送する場合にも必ず親ノード(parent node)を介して伝送される。従って、ノードAからノードBまたはノードCにブロードキャストパケットを伝送するためには、ツリー構造に沿って6回の伝送/中継(transmission/relay)を行う必要がある。しかし、ツリー構造の代わりに物理的リンク(physical link)を考慮すると、図1にて点線で示したリンクに沿って、3つ若しくは4つのノードを介してブロードキャストパケットをノードBやノードCに伝送することができる。このように、従来のZigBee(登録商標)標準規格によってツリー構造に従ってブロードキャストパケットが伝送される場合にはブロードキャストパケットの伝送に不要な遅延が生ずるという問題を抱えている。
図2はZigBee(登録商標)ネットワークにおけるローカルブロードキャスト回復方法を説明するための図である。前述した通りに、従来のZigBee(登録商標)標準規格に基づいたブロードキャスト方法は、ツリー構造を基盤とした親ノードおよび子ノードの関係を利用するので、いずれかのノードが親ノードとの連結を失った場合ブロードキャストパケットはそれ以上伝送されない。従って、親ノードとの連結をなくした場合、失った経路の回復のためにローカルブロードキャスト回復方法が使用される。
ところで、従来のZigBee(登録商標)標準規格によると、パケットヘッダに含まれるパケット制御フィールド(packet control field)の「Lost Parent」ビットを用いて、親ノードとの連結を失った子ノード(child node)が、ローカルブロードキャスト回復方法を実行する。従って、親ノードから伝送されるブロードキャストパケットについてはどのような対策も論じられていない。例えば、図2に示すように、ノードCとノードBとの連結が断たれた場合、ノードFはノードGのように、ノードCの他の枝にあるノードからパケットを受信することができる。しかし、従来のZigBee(登録商標)標準規格によると、ノードFがノードGから受信したパケットは親ノードや子ノードから受信されたパケットでないので廃棄されてしまう。よって、このような場合にはノードの下位ツリー構造は回復できないという問題点がある。
図3はZigBee(登録商標)ネットワークで使用される制限半径ブロードキャストを説明するための図である。ZigBee(登録商標)ネットワークでは、RC(radiuscounter)値を用いて、ブロードキャストパケットが伝送される範囲を設定する。図3は、ノード0が、RC=2の値を使用して制限半径ブロードキャストを行う場合を示すものである。RC値はそれぞれのノードからブロードキャストパケットが再伝送されるたびに1ずつ減少し、RC値が0になると、ブロードキャストパケットはそれ以上再伝送されない。
ところが、このような制限半径ブロードキャストもツリー基盤により行われるため非効率な状況が起こり得る。例えば、図4に示すようなネットワーク構成において、ノードFおよびノードGは1ホップ内に近接しているにもかかわらず、ノードFがRC=3の設定で制限半径ブロードキャストを行う場合、ノードGまでブロードキャストパケットが伝送されない。ノードGまで伝送するためにはRC=4にして制限半径ブロードキャストを行わなければならない。従って、隣接ノードについても大きなRC値が用いられるので、不要なトラフィック(traffic)が増加してしまうという問題を抱えている。
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたものである。本発明が解決しようとする課題は、従来のZigBee(登録商標)標準規格に基づいたブロードキャスト方法に存在する問題点を解決することのできるリンク基盤にかかる無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法およびその方法を使用した通信装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法は、ブロードキャストパケットを受信するステップと、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットであるか否かを判断するステップと、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットであると判断した場合に、前記ブロードキャストパケットを格納し、前記ブロードキャストパケットを隣接ノードに再ブロードキャスト(rebroadcast)するステップと、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットではないと判断した場合に、前記ブロードキャストパケットを廃棄するステップと、を含む。なお、前記無線ネットワークは、IEEE802.15.4標準規格に基づいたZigBee(登録商標)ネットワークとすることができる。
好ましくは、隣接ノードの中で前記ブロードキャストパケットを中継したノードを記録するステップと、所定時間が経過した後、前記隣接ノードすべてが前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして記録されたか否かを検査するステップと、前記隣接ノードすべてが、前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして、記録されていない場合に、前記ブロードキャストパケットを再ブロードキャストするステップと、を更に含む。さらに、前記隣接ノードすべてが、前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして、記録されている場合に、前記ブロードキャストパケットを廃棄するステップを更に含むことが好ましい。
前記所定時間は、再ブロードキャスト伝送時間の設定のための再ブロードキャストタイマーによりカウントされるものとすることができる。また、受信された前記ブロードキャストパケットのLQI(Link Quality Indicator)値に基づいて設定されるものとしてもよい。
前記再ブロードキャストするステップは、前記隣接ノードがすべて前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして記録される時まで、前記所定時間の間隔で所定回数繰り返して行われるようにして、無制限に再ブロードキャストされることを抑えることができる。
前記隣接ノードの中で前記ブロードキャストパケットを中継したノードを記録するステップは、前記隣接ノードの情報をリストアップした隣接リストを設定し、前記隣接リストにリストアップされた隣接ノード別に前記ブロードキャストパケットを中継したことを記録することが好ましい。なお、前記隣接リストは、前記リストアップされた隣接ノードのインデックスに基づくビットマップを用いて設定することができる。前記リストアップされた隣接ノードは、ブロードキャストソースを基準にして1ホップ内のノードからなっており、前記リストされたノードは、ZigBee(登録商標)アドレス体系に基づいてグループ化され、グループ化されたグループ別に前記ブロードキャストパケットを中継したか否かを記録および検査するよう構成することもできる。
さらに、前記課題を解決するための、本発明に係る無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法は、ブロードキャストパケットを受信するステップと、前記ブロードキャストパケットのヘッダ内に所定フィールドがセットされているか否かを判断するステップと、前記所定フィールドがセットされていれば、信頼性のある第1ブロードキャスト方法によって前記ブロードキャストパケットを再ブロードキャストするステップと、前記所定フィールドがセットされていなければ、信頼性のない第2ブロードキャスト方法により前記ブロードキャストパケットを再ブロードキャストするステップと、を含む。なお、前記無線ネットワークはIEEE802.15.4標準規格によるZigBee(登録商標)ネットワークであることが好ましい。
前記第1ブロードキャスト方法は、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットである場合、前記ブロードキャストパケットを再ブロードキャストし、所定時間の経過後に隣接ノードの中で前記ブロードキャストパケットを中継していないノードが存在した場合に再ブロードキャストを行い、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットではない場合に、前記ブロードキャストパケットを廃棄する方法であることが好ましい。そして、前記第2ブロードキャスト方法は、前記ブロードキャストパケットが最初受信されたパケットである場合、前記ブロードキャストパケットを再ブロードキャストし、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットでなければ、前記ブロードキャストパケットを廃棄する方法であることが好ましい。
また、前記所定フィールドは、前記ブロードキャストパケットのヘッダに含まれるパケット制御フィールド内の「Lost Parent」フィールドを使用できる。
一方、本発明に係るブロードキャスト方法を使用する通信装置は、ブロードキャストパケットを受信する手段と、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットであるか否かを判断する手段と、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットであると判断された場合に、前記ブロードキャストパケットを格納し、前記ブロードキャストパケットを隣接ノードに再ブロードキャストする手段と、前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットでないと判断された場合には、前記ブロードキャストパケットを廃棄する手段と、を含む。
好ましくは、隣接ノードの中で前記ブロードキャストパケットが中継されたノードを記録する手段と、所定時間が経過した後、前記隣接ノードすべてが、前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして記録されたか否かを検査する手段と、前記隣接ノードすべてが、前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして、記録されていない場合に、前記ブロードキャストパケットを再ブロードキャストする手段と、を更に含む。そして、前記隣接ノードすべてに前記ブロードキャストパケットが中継されたことと記録されていれば、前記ブロードキャストパケットを廃棄する手段を更に含むことが好ましい。
本発明によると、第1に、ツリー基盤ではなく、リンク基盤の方法を採用することによって、無線ネットワークにリンクされたすべてのノードがブロードキャストパケットの伝送に関与することができる。
第2に、ブロードキャストパケットがリンク基盤によって伝送されるので、ツリー基盤による方法より素早くブロードキャストパケットを伝送することができる。
第3に、本発明はツリー構造を使用しないので、ツリー構造の回復のためのローカルブロードキャスト回復方法が不要になる。
第4に、リンク基盤による制限半径ブロードキャスト方法が使用できるので、効率よくブロードキャストパケットの伝送範囲を設定することができる。本発明のブロードキャスト方法では、制限半径(RC)値は実際の制限ホップの意味を持つものとなる。
第5に、必要に応じて、信頼性のあるブロードキャスト方法と、信頼性はないものの最大効率を得ることのできるブロードキャスト方法とを選択的に使用できる。
第6に、隣接リストをZigBee(登録商標)アドレス体系を用いてグループ化することができるとともに、LQI(Link Quality Indicator)値に応じて再ブロードキャスト伝送時間を効率よく設定できる。
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳述する。
本発明に係る無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法は、ツリー基盤の親ノードと子ノードの関係を用いる代わりに、リンク基盤(link-based)に基づいた方法を使用する。従って、ツリー構造に係る親ノードおよび子ノードのみがブロードキャストパケットの伝送に関与するのではなく、すべてのノードがブロードキャストパケットの伝送に加わることができる。そして、本発明に係る無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法は、基本的にIEEE802.15.4標準規格に基づいたZigBee(登録商標)ネットに適用されるが、必ずこれに限るものではなく、本発明に係る条件を満足する他の無線ネットワークにも適用可能である。
図5Aおよび図5Bは、本発明の第1の実施形態に係る無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法を説明するためのフローチャートである。まず、図5Aに示すように、無線ネットワークにリンクされたいずれかのノードがブロードキャストパケットを受信すると(S100でY)、そのノードは、受信したパケットが最初に受信されたパケットであるか否かを判断する(S105)。なお、「最初に受信されたパケットである」場合とは、以前受信したパケットと同一でないパケットが受信された場合を指す。受信されたパケットが最初に受信されたパケットであるか否かは、BTT(Broadcast Transaction Table)にあるBTR(Broadcast Transaction Record)に、受信されたパケットに対応す
るパケット情報が存在するか否かを検査することによって把握することができる。
S105における判断の結果、「最初に受信されたパケットである」と判断された場合(Y)、その受信したパケットに対応するBTRを生成してBTTに格納する(S110)。受信したパケットに対応して生成されるBTRにはパケットのソースアドレスや、ブロードキャストシーケンス番号(Broadcast Sequence Number:BCSN)などが格納さ
れる。
S110でBTRを生成すると、次に、受信したブロードキャストパケットをバッファに格納し、再ブロードキャストタイマーをセットする(S115)。再ブロードキャストタイマーとは、再ブロードキャスト伝送時間(タイミング)の決定のために使用されるものである。そして、受信したパケットを再ブロードキャストする(S120)。
受信したパケットを再ブロードキャストすると、次に、図6に示すように、すべての隣接ノードをリストアップしている隣接リスト(Neighbor List)に、受信したブロードキャストパケットを中継した隣接ノードを記録する(S125)。なお、隣接リストは、ブロードキャストソースで1ホップ内にある隣接ノードに対する情報から構成されるリストである。隣接リストの隣接ノードが中継したノードか否かは、各ノードに対するインデックスに基づくビットマップ(bitmap)を用いて記録できる。この場合、ビットマップの長さは隣接リストにリストアップされた隣接ノードの個数に対応する。図6の例では、ID=2、4、5、6、7、9の隣接ノードがリストアップされており、中継マークフィールド(Relayed Mark Field)にチェックの入っているID=2、4、5の隣接ノードが、前記受信したブロードキャストパケットを中継した隣接ノードとして記録されている。
もし、S105の判断の結果、「最初に受信されたパケットではない」と判断された場合(N)、受信したパケットのソースアドレスが隣接リストに隣接ノードとしてリストアップされていれば、その隣接ノードを、ブロードキャストパケットを中継したノードとして(中継マークフィールドに)記録し(S130)、受信したパケットを廃棄する(S140)。以上のような過程により、受信されたブロードキャストパケットを処理する。
図5Bに示すように、一定の時間が経過して、S115でセットした再ブロードキャストタイマーの設定時間に到達すると(S150でYES)、隣接リストにリストアップされたすべての隣接ノードがブロードキャストパケットを中継したか否かを判断する(S155)。S155の判断の結果、すべての隣接ノードがブロードキャストパケットを中継したノードとして記録されていない場合(NO)には、受信したパケットを再度ブロードキャストし(S170)、再ブロードキャストタイマーをリセットする(S175)。そして、再ブロードキャスト回数をカウントするための変数(Max Retransmission Limit)を増加させ(S180)、該変数が所定の値以下であれば(S195でYES)、S150ないしS180を繰り返し行う。これにより、再ブロードキャストされる回数は所定回数に限定されて制限なしに再ブロードキャストすることを抑えることができる。
S155の判断結果、隣接リストのすべての隣接ノードがブロードキャストパケットを中継したノードとして記録されている場合(YES)、バッファに格納されているパケットをクリアし(S160)、BTRもクリアする(S165)。このような過程を経ることにより、リンク基盤に基づいてすべての隣接ノードがブロードキャストパケットを受信することを保証する。
一方、本発明の第2の実施形態に係るブロードキャスト方法は、信頼性のあるブロードキャスト方法と、信頼性はないものの最大効率を有するブロードキャスト方法を選択的に使用する方法である。すなわち、「Unreliable Broadcast」フィールドを新たに定義し、該フィールドがセットされたか否かによって使用されるブロードキャスト方法が選択されるようにする。例えば、「Unreliable Broadcast」フィールドがセットされていなければ、前述した第1の実施形態に係る隣接リストを用いたブロードキャスト方法を用いる。「Unreliable Broadcast」フィールドがセットされた場合には、ブロードキャストパケットは前述した第1の実施形態のような信頼性のある方法に従って伝送されず、最初に受信したブロードキャストパケットである場合にはそのままフォワードする。なお、BTRは生成過程が維持されるものの、隣接リストに該当する隣接ノードの、パケットを中継したか否かに関する記録などの過程は使用しない。
「Unreliable Broadcast」フィールドとしては、ネットワーク階層のヘッダに挿入されるパケット制御フィールド(packet control field)における「Lost Parent」フィールド(図7参照)を利用することができる。図7に示したパケット制御フィールドで、「Broadcast」ビット、「Lost Parent」ビット、および「Broadcast Radius Present」ビットはそれぞれ従来のZigBee(登録商標)標準規格に基づいたネットワークーワイドブロードキャスト、ローカルブロードキャスト回復、および制限半径ブロードキャストの使用に関連した情報ビットである。ところで、本発明に係るブロードキャスト方法では、リンク基盤に基づいてすべてのノードがブロードキャストパケットの伝送に関与するため、親ノードとの連結のためローカルブロードキャスト回復方法が不要になる。従って、使用されない「Lost Parent」フィールドを「Unreliable Broadcast」フィールドとして使用することができる。
本発明の第3の実施形態に係るブロードキャスト方法は、制限半径ブロードキャストにおいてツリー基盤とリンク基盤を選択的に使用する。このため、「Tree-based Broadcast」サブフィールドをヘッダに加えて使用する。基本的に、「Tree-based Broadcast」をセットせず、前述した第1の実施形態のようなリンク基盤に基づいた制限半径ブロードキャスト方法を用いる。もし、「Tree-based Broadcast」サブフィールドがセットされた場合には、従来のZigBee(登録商標)標準規格のようなツリー基盤による制限半径ブロードキャスト方法が行われる。
一方、ブロードキャストソース(Broadcast source)を基準にして1ホップ内にあるノード情報から構成される隣接リストを構成するに当って、ZigBee(登録商標)アドレス体系を利用すると、親ノードと子ノードの関係に基づいて該当ノードをグルーピングすることができる。
図8は、隣接ノードをグルーピングし隣接リストを構成する方法を説明するための図である。図8に示すように、第1領域200、第2領域300、第3領域400にそれぞれ第1隣接リスト210、第2隣接リスト310、第3隣接リスト410を構成している。第1隣接リスト210および第2隣接リスト310の場合、ノード6とノード7が親ノードおよび子ノードとの関係にあり、第3隣接リスト410の場合、ノード8、ノード9、ノード10が親ノードおよび子ノードの関係にある。
従って、親ノードと子ノードとの関係にある隣接ノードをグルーピングしてからは、ブロードキャストパケットが該当グループに属する1つのノードから受信されれば、該当グループに属するノードは正常にブロードキャストパケットを受信したと判断し、隣接リストへと記録する。該当グループはスーパーフレーム(superframe)を共有しているので該当グループ内においては信頼性のある伝送が可能になる。さらに、ソースノードにおける待機時間を短縮することができる。
そして、再ブロードキャスト伝送タイミングを決定する場合、受信したブロードキャストパケットのLQI(Link Quality Indicator)値に比例してバックオフ(backoff)値を設定し、ソードノードからの距離が遠い順に再ブロードキャストを実施することもできる。この場合、ソースから最も離れたノードで発生した再ブロードキャストパケットが受信され場合、ソースノードから近いノードは正常に受信したと仮定できる。さらに、ソースノードから最も離れたノードが先に再ブロードキャストを行うことによって、ネットワーク全体として迅速にブロードキャストを行うことができるようになる。
以上、図面を参照して本発明の好適な実施形態を図示および説明してきたが本発明の範囲は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
本発明はIEEE802.15.4標準規格に基づいたZigBee(登録商標)ネットワークにてリンク基盤により効率よくデータがブロードキャストされるようにした無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法およびその方法を使用する通信装置に用いられる。
従来のZigBee(登録商標)標準規格に基づくネットワーク−ワイドブロードキャスト方法を説明するための図である。 従来のZigBee(登録商標)標準規格に基づくローカルブロードキャスト回復方法を説明するための図である。 従来のZigBee(登録商標)標準規格に基づく制限半径ブロードキャスト方法を説明するための図である。 従来のZigBee(登録商標)標準規格に基づいたブロードキャスト方法の問題点を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係るブロードキャスト方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るブロードキャスト方法を説明するためのフローチャートである。 隣接リストの構成の一実施形態を示した図である。 パケット制御フィールドの構成を示した図である。 隣接ノードをグルーピングし隣接リストを構成する方法を説明するための図である。
符号の説明
200 第1領域
210 第1隣接リスト
300 第2領域
310 第2隣接リスト
400 第3領域
410 第3隣接リスト

Claims (4)

  1. ブロードキャストパケットを受信するステップと、
    前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットであるか否かを判断するステップと、
    前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットであると判断された場合に、前記ブロードキャストパケットを格納し、前記ブロードキャストパケットを隣接ノードに再ブロードキャストするステップと、
    前記ブロードキャストパケットが最初に受信されたパケットではないと判断された場合に、前記ブロードキャストパケットを廃棄するステップと、
    を含む無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法であって、
    前記無線ネットワークはIEEE802.15.4標準によるZigBee(登録商標)ネットワークであり、
    隣接ノードの中で前記ブロードキャストパケットを中継したノードを記録するステップ、を更に含み、
    前記隣接ノードの中で前記ブロードキャストパケットを中継したノードを記録するステップは、前記隣接ノードの情報をリストアップした隣接リストを設定し、前記隣接リストにリストアップされた隣接ノード別に前記ブロードキャストパケットを中継したことを記録し、
    前記リストアップされた隣接ノードは、ZigBee(登録商標)アドレス体系に基づいてグループ化され、そのグループ化されたグループ別に前記ブロードキャストパケットを中継したか否かを記録する、
    とを特徴とする無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法。
  2. 所定時間が経過した後、前記隣接ノードすべてが、前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして記録されたか否かを検査するステップと、
    前記隣接ノードすべてが、前記ブロードキャストパケットを中継したノードとして、記録されていない場合に、前記ブロードキャストパケットを再ブロードキャストするステップと、を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法。
  3. 前記隣接リストは、前記リストアップされた隣接ノードのインデックスに基づくビットマップを用いて設定されることを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法。
  4. 前記リストアップされた隣接ノードは、ブロードキャストソースを基準にして1ホップ内のノードであることを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークにおけるブロードキャスト方法。
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