JP4841078B2 - Method for producing carbonyl compound - Google Patents

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルケン又はシクロアルケンからカルボニル化合物を製造する方法、特に効率よくカルボニル化合物を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子状酸素を用い、オレフィンを直接酸化してカルボニル化合物を製造する方法として、PdCl2−CuCl2触媒によるワッカー法が知られている。しかしこの方法には、原料オレフィンの炭素数が増加すると反応速度が低下してしまうことや、内部オレフィンの反応性が低いこと等の欠点がある。また、塩化物を用いるため装置の腐食が著しいことや、有害な塩素含有化合物の副生が見られる等の問題がある。このため、工業的にはアセトアルデヒドやアセトンなどの低級カルボニル化合物の製造以外には用いられていない。
これら従来法の問題点を克服するため、近年、触媒あるいは溶媒を工夫するなどの検討がなされている。特に、ポリオキソアニオン系化合物を用いてカルボニル化合物を製造する方法が多く報告されている。
【0003】
特許公表公報63−500923号公報には、パラジウム化合物とポリオキソアニオン化合物とからなる触媒に銅、鉄、コバルト等のレドックス金属及び/又は有機物(アセトニトリル等)を添加した水溶液中、酸素共存下でオレフィンの酸化を行う方法が提案されている。
しかしこの方法では、初期反応はよいが、反応の進行に伴って触媒成分が沈降し、反応速度が低下してしまう。
【0004】
特開平5−51344号公報には、環状エーテルと水を溶媒として、パラジウム化合物とポリオキソアニオン系化合物とからなる触媒下、オレフィン類からカルボニル化合物を得る方法が提案されている。
特開平6−48974号公報には、含酸素系有機化合物、含硫黄系有機化合物、含窒素系有機化合物のいずれかの有機溶媒と水からなる溶媒中、パラジウム化合物とポリオキソアニオン系化合物と有機リン化合物とからなる触媒を用いて反応を行う方法が提案されており、前記方法における有機リン化合物の代わりに鉄含有化合物を含む触媒を用いた方法が特開平7−149685号公報に報告されている。
【0005】
特開平7−10797号公報には、パラジウム化合物とポリオキソアニオン系化合物とからなる触媒を用い、水を含む溶液中でオレフィンを酸化して対応するカルボニル化合物を製造するに際し、ポリオキソアニオン系化合物のカウンターカチオンの少なくとも一部が、ニッケル、銅、マンガン、ランタン、亜鉛及びセリウムから選ばれる少なくとも一つのイオンであることを特徴とするカルボニル化合物の製造方法が提案されている。
【0006】
しかし、上記の方法は、必須成分であるポリオキソアニオン系化合物が高価であり、その利用により触媒系を複雑化させ、主触媒であるパラジウムの再生回収効率を下げる要因となるため、経済面からも環境面からも好ましい方法とはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、温和な条件下、アルケン又はシクロアルケンから対応するカルボニル化合物を効率よく製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、パラジウム化合物と強酸からなる酸化触媒を用いてアルケン又はシクロアルケンを酸化すると、ポリオキソアニオン系化合物を用いなくても、効率よく対応するカルボニル化合物が生成することを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、
(A)金属パラジウムと
(B)硫酸、硝酸、ハロゲン化水素、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、及びペンタフルオロプロピオン酸からなる群より選択される少なくとも1つの強酸、とからなる酸化触媒、及び、
ニトリル系の溶媒、又はニトリル系の溶媒と他の溶媒の混合溶媒の存在下、
炭素数3〜30のシクロアルケンを
分子状酸素により、10〜100℃の反応温度で酸化して
対応するカルボニル化合物を得るカルボニル化合物の製造方法を提供する。
お、本明細書では、「強酸」を、ヘテロポリ酸を含まない意味に用いる。
また、本明細書では
(A)パラジウム化合物と(B)強酸とからなる酸化触媒存在下、アルケン又はシクロアルケンを分子状酸素により酸化して対応するカルボニル化合物を得るカルボニル化合物の製造方法、についても説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における酸化触媒は、触媒成分としてパラジウム化合物(A)と、強酸(B)とを含んでいる。
【0011】
[パラジウム化合物(A)]
パラジウム化合物(A)としては、例えば、金属パラジウム、0価のパラジウム錯体などの0価のパラジウム化合物、酢酸パラジウム(II)、シアン化パラジウム(II)などの有機酸塩;ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)などの有機錯体;フッ化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)などのハロゲン化物;硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)などの酸素酸塩;酸化パラジウム(II);硫化パラジウム(II);セレン化パラジウム(II);水酸化パラジウム(II);テトラアンミンパラジウム(II)塩化物などの無機錯体などの2価のパラジウム化合物などが例示できる。これらのパラジウム化合物は、そのまま用いてもよく、活性炭、酸化アルミニウム(アルミナ)などの担体に担持した状態で用いてもよい。
【0012】
担体としては、活性炭、酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化ケイ素(シリカ)、シリカ−アルミナ、酸化マグネシウム、ゼオライトなど慣用の担体が挙げられる。中でも、本発明においては、活性炭、及びアルミナが用いられ、特に、活性炭が好ましく用いられる。
【0013】
活性炭としては、植物系、鉱物系、ポリマー系の何れの原料から得られた活性炭であってもよい。
【0014】
活性炭は、一般に、炭化、整粒した原料を、水蒸気、空気(酸素)及び燃焼ガス(CO2)によって賦活するガス賦活法、又は、原料に塩化亜鉛水溶液などを含浸させて焼成する薬品賦活法等により製造される。本発明における活性炭は、前記何れの方法によって製造されたものであってもよい。活性炭の形状は、特に限定されず、粉末状、粒状、繊維状、ペレット状、ハニカム状等の何れの形状であってもよい。
【0015】
活性炭の平均細孔径は、触媒活性が損なわれない範囲であればよく、例えば5〜150オングストローム、好ましくは8〜60オングストローム程度である。なお、平均細孔径30〜60オングストローム程度の活性炭を用いると、優れた活性が得られる場合が多い。平均細孔径が小さすぎると、触媒活性が低下しやすく、逆に大きすぎると、触媒寿命が低下しやすい。
【0016】
活性炭の細孔容積(細孔径200オングストローム未満のポアの細孔容積)は、通常0.2〜2.5ml/g程度であるが、触媒活性の点から、好ましくは0.7〜2.5ml/g、さらに好ましくは0.8〜2.0ml/g(例えば、0.8〜1.5ml/g)程度である。
【0017】
活性炭の比表面積は、通常500〜4000m2/g程度であるが、好ましくは700〜4000m2/g程度であり、特に比表面積が800〜4000m2/g(例えば、900〜3000m2/g)程度の活性炭を用いると、より高い触媒活性が得られる。
【0018】
パラジウム化合物(A)の担持量は、活性炭に対して、通常0.5〜80重量%、好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは2〜20重量%程度である。
【0019】
パラジウム化合物(A)の担持は慣用の方法、例えば、含浸法、コーティング法、噴霧法、吸着法、沈殿法などにより行うことができる。還元の方法は、水素を用いるなど慣用の方法により行うことができる。なお、触媒成分、例えばパラジウム化合物(A)を担持した後、反応器の種類や反応形式等に応じて、触媒を適当な形状、例えば、球状、円柱状、多角柱状、ハニカム状などに成形することもできる。
【0020】
パラジウム化合物(A)としては、活性炭に担持されたパラジウム化合物、又は2価のパラジウム化合物が好ましい。具体的には、例えば、活性炭に担持された0価のパラジウム、酢酸パラジウム(II)などの有機酸塩又は有機錯体、塩化パラジウム(II)などのハロゲン化物、硫酸パラジウム(II)等の酸素酸塩などが含まれる。特に、活性炭に担持された0価のパラジウム、酢酸パラジウム(II)などが好ましく用いられる。
パラジウム化合物(A)は、単独で又は2以上を混合して使用することができる。
【0021】
[強酸(B)]
強酸(ヘテロポリ酸を除く)(B)は、パラジウム化合物の作用を強化させたり、基質となるアルケン又はシクロアルケンを活性化させる働きをするものと推察される。
【0022】
強酸(B)のpKa(25℃)は、例えば4以下、好ましくは−15〜2,さらに好ましくは−10〜0程度の範囲であり、このような強酸(B)には、無機酸及び有機酸が含まれる。無機酸としては、例えば、硫酸、硝酸、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、及び対応するハロゲン化水素酸)、リン酸、超強酸(ClSO3H,H2SO4−SO3,HF−SbF5など)などが挙げられる。有機酸としては、ハロアルカン酸(例えば、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸など);アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸など)、ハロアルキルスルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸など)、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸など)などのスルホン酸などが挙げられる。強酸(B)として陽イオン交換樹脂(例えば、スルホン酸型イオン交換樹脂などの強酸性イオン交換樹脂など)を用いることもできる。
【0023】
好ましい強酸(B)には、例えば、硫酸、硝酸、ハロゲン化水素(ハロゲン化水素酸を含む)、リン酸などの無機酸;アルキルスルホン酸(メタンスルホン酸など)、ハロアルキルスルホン酸、アリールスルホン酸などのスルホン酸;トリクロロ酢酸などのハロアルカン酸などが挙げられる。前記強酸(B)は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
[他の触媒成分]
本発明の酸化触媒は、前記パラジウム化合物(A)及び強酸(B)に加えて、他の触媒成分を含んでいてもよい。このような触媒成分として、例えば、Bi,Sn,Pb,Sbの単体又は化合物(C)等が挙げられる。これらの触媒成分を併用すると、有機基質や反応の種類により、目的化合物の収率や選択率が向上する場合がある。
【0025】
Bi,Sn,Pb,Sbの単体又は化合物(C)は、Bi,Sn,Pb,Sbの単体、または金属成分としてBi,Sn,Pb,Sbを含有する化合物であれば特に制限がなく、それ自体公知の各種化合物を使用することができる。例えば、Bi,Sn,Pb,Sbの酸化物、水酸化物、塩(硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物などの無機塩類、酢酸塩などの有機酸塩類)、錯塩又は錯体などが挙げられる。
【0026】
前記Bi,Sn,Pb,Sbの単体又は化合物(C)は、一種単独で使用しても、あるいは二種以上を混合物、複合化合物、組成物などとして併用してもよい。また、Bi,Sn,Pb,Sbの単体又は化合物(C)は、水溶液や有機溶媒溶液などの各種溶液、懸濁液の状態、あるいは活性炭等の担体に担持した状態等の種々の態様で使用することができる。好ましい態様として、0価のパラジウムと同一の活性炭に担持した態様で用いることが挙げられ、その場合の担持量は、活性炭に対して1〜20重量%程度である。
【0027】
[製造方法]
本発明の製造方法では、前記酸化触媒の存在下、ヘテロポリ酸の非存在下で、アルケン又はシクロアルケン(基質)を分子状酸素で酸化する。
【0028】
アルケンとして、例えば、エテン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセン、1−トリアコンテンなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜30程度(好ましくは2〜20程度)のアルケンなどが挙げられる。アルケンには、アルカポリエン類(例えば、ブタジエンなどのアルカジエン等)も含まれる。
【0029】
また、シクロアルケンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、シクロオクタデセンなどの炭素数3〜30程度のシクロアルケンなどが挙げられる。シクロアルケンには、シクロアルカジエンなどのシクロアルカポリエン類も含まれる。
【0030】
これらの化合物は、分子内に種々の置換基を有していてもよい。このような置換基として、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基など)、メルカプト基、置換チオ基(例えば、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(例えば、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基などが挙げられる。
【0031】
置換基を有するアルケンの具体例として、例えば、スチレン、メチルスチレンなどのスチレン誘導体;アクリル酸エチルなどのα,β−不飽和エステル;アクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクロレインなどのα,β−不飽和アルデヒド;アクロレインジエチルアセタールなどのα,β−不飽和アセタール;ビニルメチルケトンなどのα,β−不飽和ケトンなどが挙げられる。
好ましい基質には、シクロペンテン等のシクロアルケンが挙げられる。
【0032】
アルケン又はシクロアルケンの酸化に用いられる分子状酸素は特に制限されず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスで希釈した酸素や空気を使用してもよい。
分子状酸素の使用量は、基質の種類などに応じて選択でき、通常、基質1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは1〜50モル程度である。基質に対して過剰モルの分子状酸素を用いる場合が多い。
【0033】
パラジウム化合物(A)の使用量は、例えば、基質1モルに対して、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましくは0.02〜0.2モル程度である。強酸(B)の使用量は、例えば、基質1モルに対して、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.3モル程度である。Bi,Sn,Pb,Sbの単体又は化合物(C)を使用する場合、その使用量は、例えば、基質1モルに対して、0.0001〜0.5モル、好ましくは0.0005〜0.05モル、さらに好ましくは0.001〜0.02モル程度である。
【0034】
反応は、溶媒の存在下または非存在下の何れで行ってもよい。溶媒は、基質及び目的生成物の種類等により適当に選択できる。前記溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1、2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカルボン酸;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどの鎖状または環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキシルアルコールなどのアルコールなどが挙げられる。上記溶媒のなかでも、アセトニトリル等の非プロトン性の極性溶媒;又はこれらと水との混合物が好ましい。これらの溶媒は一種で、又は二種以上混合して用いられる。
【0035】
反応温度は、基質や反応の種類などに応じ、反応速度及び反応選択性を考慮して適宜選択できるが、例えば、0〜200℃、好ましくは10〜100℃程度である。反応は常圧で行ってもよく、加圧下に行ってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよい。
【0036】
本発明の方法において、水は必ずしも必要でないが、通常は、水の存在下で行われる。この反応では、基質としてアルケンを用いると、対応するオキソアルカン(脂肪族ケトン)が生成する。具体的には、1−デセン及びスチレンからは、それぞれ、メチルオクチルケトン及びアセトフェノンが生成する。また、基質としてシクロアルケンを用いると、対応するシクロアルカノン、及び反応条件によりシクロアルケノンが生成する。例えば、シクロペンテンからは、シクロペンタノンと、条件によりシクロペンテノンが得られる。
【0037】
水の量は触媒量であってもよく、また、基質に対して過剰モル存在していてもよい。例えば、水の使用量は、基質1モルに対して0.001〜1000モル、好ましくは1〜100モル程度である。
【0038】
反応により生成した酸化生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段により、又はこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
【発明の効果】
本発明の方法によれば、温和な条件下、アルケン又はシクロアルケンから対応するカルボニル化合物を効率よく得ることができる。
【0039】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0040】
実施例1
シクロペンテン930mg(13.7mmol)、50重量%含水5重量%Pd/C(商品名「STD」、N.E.CHEMCAT社製)2842mg(Pd;0.67mmol)、97重量%硫酸176mg(1.74mmol)、及びアセトニトリル/水(9ml/1ml)をガラス製フラスコに入れ、酸素雰囲気下(0.1MPa)、温度50℃で4時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は67%、シクロペンタノン(CPon)の収率は62%、2−シクロペンテン−1−オン(CPeo)の収率は5%であった。これらの結果を表1に示した。
【0041】
実施例2
強酸として、硫酸の代わりに、メタンスルホン酸167mg(1.74mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は50%、シクロペンタノンの収率は47%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は3%であった。その結果を表1に示した。
【0042】
実施例3
パラジウム化合物として、49.7重量%含水5重量%Pd−2重量%Bi/C(商品名「NX」、N.E.CHEMCAT社製)2887mg(Pd;0.685mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は66%、シクロペンタノンの収率は61%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は5%であった。その結果を表1に示した。
【0043】
実施例4
パラジウム化合物として、Pd/C(商品名「STD」)の代わりに、49.4重量%含水5重量%Pd/C(商品名「NX」、N.E.CHEMCAT社製)2870mg(Pd;0.685mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は71%、シクロペンタノンの収率は65%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は6%であった。その結果を表1に示した。
【0044】
実施例5
パラジウム化合物として、5重量%Pd/アルミナ粉末(N.E.CHEMCAT社製)1452mg(Pd;0.685mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は21%、シクロペンタノンの収率は20%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は1%であった。その結果を表1に示した。
【0045】
実施例6
パラジウム化合物として、Pd/C(商品名「STD」)の代わりに、Pd(OAc)2(N.E.CHEMCAT社製)154mg(Pd;0.685mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は42%、シクロペンタノンの収率は40%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は2%であった。その結果を表1に示した。
【0046】
比較例1
97重量%硫酸を用いないで実施例1と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は10%、シクロペンタノンの収率は9%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は1%であった。
その結果を表1に示した。
【0047】
比較例2
(NH456PMo4840107mg(0.0685mmol)を加えて実施例1と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は32%、シクロペンタノンの収率は30%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は2%であった。その結果を表1に示した。
【0048】
比較例3
46.7重量%H5PMo10240・29H2O水溶液166mg(0.0343mmol)を加えて実施例3と同様の操作で反応を行った。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、シクロペンテンの転化率は55%、シクロペンタノンの収率は52%、2−シクロペンテン−1−オンの収率は3%であった。その結果を表1に示した。
【表1】

Figure 0004841078
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a carbonyl compound from an alkene or cycloalkene, and particularly to a method for efficiently obtaining a carbonyl compound.
[0002]
[Prior art]
A Wacker method using a PdCl 2 —CuCl 2 catalyst is known as a method for producing a carbonyl compound by directly oxidizing an olefin using molecular oxygen. However, this method has drawbacks such as a decrease in the reaction rate when the carbon number of the raw material olefin is increased and a low reactivity of the internal olefin. In addition, since chloride is used, there are problems such as significant corrosion of the apparatus and the appearance of harmful chlorine-containing compounds. For this reason, it is not used industrially except for the production of lower carbonyl compounds such as acetaldehyde and acetone.
In order to overcome the problems of the conventional methods, in recent years, studies have been made such as devising a catalyst or a solvent. In particular, many methods for producing carbonyl compounds using polyoxoanionic compounds have been reported.
[0003]
Patent Publication No. 63-500923 discloses an aqueous solution in which a redox metal such as copper, iron, cobalt and / or an organic substance (acetonitrile, etc.) is added to a catalyst comprising a palladium compound and a polyoxoanion compound in the presence of oxygen. A method for oxidizing olefins has been proposed.
However, in this method, the initial reaction is good, but as the reaction proceeds, the catalyst component settles and the reaction rate decreases.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-51344 proposes a method for obtaining a carbonyl compound from an olefin using a cyclic ether and water as a solvent and a catalyst comprising a palladium compound and a polyoxoanionic compound.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-48974 discloses a palladium compound, a polyoxoanion compound, and an organic compound in a solvent comprising any one of an oxygen-containing organic compound, a sulfur-containing organic compound, and a nitrogen-containing organic compound and water. A method of performing a reaction using a catalyst comprising a phosphorus compound has been proposed, and a method using a catalyst containing an iron-containing compound instead of the organic phosphorus compound in the above method has been reported in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-149585. Yes.
[0005]
In Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-10797, a polyoxoanion compound is used for producing a corresponding carbonyl compound by oxidizing an olefin in a solution containing water using a catalyst comprising a palladium compound and a polyoxoanion compound. There has been proposed a method for producing a carbonyl compound, wherein at least a part of the counter cation is at least one ion selected from nickel, copper, manganese, lanthanum, zinc and cerium.
[0006]
However, in the above method, the polyoxoanion compound, which is an essential component, is expensive, and its use complicates the catalyst system and lowers the regeneration recovery efficiency of palladium, which is the main catalyst. However, it is not a preferable method from the viewpoint of environment.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for efficiently producing a corresponding carbonyl compound from an alkene or cycloalkene under mild conditions.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the inventors of the present invention efficiently dealt with oxidation of an alkene or cycloalkene using an oxidation catalyst composed of a palladium compound and a strong acid without using a polyoxoanion compound. As a result, the present invention was completed.
[0009]
That is, the present invention
(A) and the metal palladium (B) sulfuric acid, nitric acid, hydrohalic, phosphoric acid, methanesulfonic acid, ethanesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid, benzenesulfonic acid, p- toluenesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, dichloroacetic acid An oxidation catalyst comprising: at least one strong acid selected from the group consisting of : trichloroacetic acid, trifluoroacetic acid, and pentafluoropropionic acid; and
In the presence of a nitrile solvent or a mixed solvent of a nitrile solvent and another solvent ,
Provided is a method for producing a carbonyl compound in which a cycloalkene having 3 to 30 carbon atoms is oxidized with molecular oxygen at a reaction temperature of 10 to 100 ° C. to obtain a corresponding carbonyl compound.
Your name, in the present specification, the "strong acid", used in the meaning that does not contain a heteropoly acid.
In this specification ,
A method for producing a carbonyl compound, in which an alkene or cycloalkene is oxidized with molecular oxygen in the presence of an oxidation catalyst comprising (A) a palladium compound and (B) a strong acid, is also described.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The oxidation catalyst in the present invention contains a palladium compound (A) and a strong acid (B) as catalyst components.
[0011]
[Palladium compound (A)]
Examples of the palladium compound (A) include metal palladium, zero-valent palladium compounds such as zero-valent palladium complexes, organic acid salts such as palladium (II) acetate and palladium (II) cyanide; dichlorobis (benzonitrile) palladium. Organic complexes such as (II); Halides such as palladium fluoride (II), palladium chloride (II), palladium bromide (II), palladium iodide (II); palladium nitrate (II), palladium sulfate (II) Divalent palladium compounds such as palladium oxide (II); palladium sulfide (II); palladium selenide (II); palladium hydroxide (II); tetraammine palladium (II) chloride and other inorganic complexes Etc. can be exemplified. These palladium compounds may be used as they are, or may be used while being supported on a support such as activated carbon or aluminum oxide (alumina).
[0012]
Examples of the carrier include conventional carriers such as activated carbon, aluminum oxide (alumina), silicon dioxide (silica), silica-alumina, magnesium oxide, and zeolite. Among them, activated carbon and alumina are used in the present invention, and activated carbon is particularly preferably used.
[0013]
The activated carbon may be activated carbon obtained from any of plant-based, mineral-based, and polymer-based raw materials.
[0014]
In general, activated carbon is a gas activation method in which a carbonized and sized raw material is activated with water vapor, air (oxygen) and combustion gas (CO 2 ), or a chemical activation method in which the raw material is impregnated with an aqueous zinc chloride solution and fired. Etc. are manufactured. The activated carbon in the present invention may be produced by any of the above methods. The shape of the activated carbon is not particularly limited, and may be any shape such as powder, granule, fiber, pellet, and honeycomb.
[0015]
The average pore diameter of the activated carbon may be in a range that does not impair the catalytic activity, and is, for example, about 5 to 150 angstroms, preferably about 8 to 60 angstroms. When activated carbon having an average pore size of about 30 to 60 angstroms is used, excellent activity is often obtained. If the average pore diameter is too small, the catalyst activity tends to decrease, and conversely if too large, the catalyst life tends to decrease.
[0016]
The pore volume of the activated carbon (pore volume of pores having a pore diameter of less than 200 angstroms) is usually about 0.2 to 2.5 ml / g, but preferably 0.7 to 2.5 ml from the viewpoint of catalytic activity. / G, more preferably about 0.8 to 2.0 ml / g (for example, 0.8 to 1.5 ml / g).
[0017]
The specific surface area of the activated carbon is usually about 500 to 4000 m 2 / g, preferably about 700 to 4000 m 2 / g, and in particular, the specific surface area is 800 to 4000 m 2 / g (for example, 900 to 3000 m 2 / g). Higher catalytic activity can be obtained with a degree of activated carbon.
[0018]
The supported amount of the palladium compound (A) is usually 0.5 to 80% by weight, preferably 1 to 40% by weight, and more preferably about 2 to 20% by weight with respect to the activated carbon.
[0019]
The palladium compound (A) can be supported by a conventional method, for example, an impregnation method, a coating method, a spray method, an adsorption method, a precipitation method, or the like. The reduction can be performed by a conventional method such as using hydrogen. In addition, after supporting a catalyst component, for example, a palladium compound (A), the catalyst is formed into an appropriate shape, for example, a spherical shape, a cylindrical shape, a polygonal column shape, a honeycomb shape, or the like according to the type of reactor, reaction type, or the like. You can also.
[0020]
As the palladium compound (A), a palladium compound supported on activated carbon or a divalent palladium compound is preferable. Specifically, for example, zero-valent palladium supported on activated carbon, organic acid salt or organic complex such as palladium acetate (II), halide such as palladium chloride (II), oxygen acid such as palladium sulfate (II) Contains salt. In particular, zero-valent palladium supported on activated carbon, palladium (II) acetate and the like are preferably used.
A palladium compound (A) can be used individually or in mixture of 2 or more.
[0021]
[Strong acid (B)]
It is surmised that the strong acid (excluding the heteropolyacid) (B) functions to enhance the action of the palladium compound or to activate the alkene or cycloalkene serving as the substrate.
[0022]
The pKa (25 ° C.) of the strong acid (B) is, for example, 4 or less, preferably −15 to 2, more preferably about −10 to 0. Such strong acid (B) includes inorganic acids and organic acids. Contains acid. Examples of the inorganic acid include sulfuric acid, nitric acid, hydrogen halide (hydrogen fluoride, hydrogen chloride, hydrogen bromide, hydrogen iodide, and corresponding hydrohalic acid), phosphoric acid, super strong acid (ClSO 3 H, H 2 SO 4 —SO 3 , HF—SbF 5, etc.). Organic acids include haloalkanoic acids (eg, dichloroacetic acid, trichloroacetic acid, trifluoroacetic acid, pentafluoropropionic acid, etc.); alkyl sulfonic acids (eg, methane sulfonic acid, ethane sulfonic acid, etc.), haloalkyl sulfonic acids (eg, trifluoroalkyl acid, etc.) And sulfonic acids such as benzenesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, and the like. As the strong acid (B), a cation exchange resin (for example, a strongly acidic ion exchange resin such as a sulfonic acid type ion exchange resin) can be used.
[0023]
Preferred strong acids (B) include, for example, inorganic acids such as sulfuric acid, nitric acid, hydrogen halide (including hydrohalic acid) and phosphoric acid; alkylsulfonic acids (such as methanesulfonic acid), haloalkylsulfonic acids, arylsulfonic acids And haloalkanoic acids such as trichloroacetic acid. The said strong acid (B) may be used independently and may be used in combination of 2 or more type.
[0024]
[Other catalyst components]
The oxidation catalyst of the present invention may contain other catalyst components in addition to the palladium compound (A) and the strong acid (B). Examples of such a catalyst component include Bi, Sn, Pb, and Sb alone or a compound (C). When these catalyst components are used in combination, the yield and selectivity of the target compound may be improved depending on the organic substrate and the type of reaction.
[0025]
The simple substance or compound (C) of Bi, Sn, Pb, Sb is not particularly limited as long as it is a simple substance of Bi, Sn, Pb, Sb, or a compound containing Bi, Sn, Pb, Sb as a metal component. Various compounds known per se can be used. Examples thereof include oxides, hydroxides, and salts of Bi, Sn, Pb, and Sb (inorganic salts such as nitrates, sulfates, and halides, organic acid salts such as acetates), complex salts, and complexes.
[0026]
Bi, Sn, Pb and Sb alone or compound (C) may be used singly or in combination of two or more as a mixture, composite compound, composition or the like. Bi, Sn, Pb, Sb alone or compound (C) can be used in various forms such as various solutions such as aqueous solutions and organic solvent solutions, suspensions, or supported on a support such as activated carbon. can do. As a preferred embodiment, it may be used in a manner supported on the same activated carbon as zero-valent palladium. In this case, the supported amount is about 1 to 20% by weight with respect to the activated carbon.
[0027]
[Production method]
In the production method of the present invention, an alkene or cycloalkene (substrate) is oxidized with molecular oxygen in the presence of the oxidation catalyst and in the absence of a heteropolyacid.
[0028]
Examples of alkenes include ethene, propene, 1-butene, 2-butene, 1-pentene, 2-pentene, 3-methyl-1-butene, 1-hexene, 2-hexene, 3-hexene, 1-heptene, 2 -Linear or branched carbon such as heptene, 1-octene, 2-octene, 1-decene, 1-undecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-icocene, 1-triacontene Alkenes having a number of about 1 to 30 (preferably about 2 to 20) are listed. Alkenes also include alkapolyenes (for example, alkadienes such as butadiene).
[0029]
Examples of the cycloalkene include cycloalkene having about 3 to 30 carbon atoms such as cyclobutene, cyclopentene, cyclohexene, cycloheptene, cyclooctene, cyclodecene, cyclododecene, and cyclooctadecene. Cycloalkenes also include cycloalkapolyenes such as cycloalkadienes.
[0030]
These compounds may have various substituents in the molecule. Examples of such substituents include halogen atoms, hydroxyl groups, substituted oxy groups (for example, alkoxy groups, cycloalkyloxy groups, aryloxy groups, acyloxy groups, silyloxy groups, etc.), mercapto groups, substituted thio groups (for example, Alkylthio group, cycloalkylthio group, arylthio group, etc.), carboxyl group, substituted oxycarbonyl group (eg, alkyloxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, etc.), substituted or unsubstituted carbamoyl group, cyano group, acyl group, formyl group, Examples thereof include a nitro group, a substituted or unsubstituted amino group, a cycloalkyl group, a cycloalkenyl group, an aryl group, and a heterocyclic group.
[0031]
Specific examples of the alkene having a substituent include, for example, styrene derivatives such as styrene and methylstyrene; α, β-unsaturated esters such as ethyl acrylate; α, β-unsaturated nitriles such as acrylonitrile; α, such as acrolein; β-unsaturated aldehydes; α, β-unsaturated acetals such as acrolein diethyl acetal; α, β-unsaturated ketones such as vinyl methyl ketone.
Preferred substrates include cycloalkenes such as cyclopentene.
[0032]
The molecular oxygen used for the oxidation of the alkene or cycloalkene is not particularly limited, and pure oxygen may be used, or oxygen or air diluted with an inert gas such as nitrogen, helium, or argon may be used.
The amount of molecular oxygen used can be selected according to the type of substrate and the like, and is usually 0.5 mol or more (for example, 1 mol or more), preferably 1 to 100 mol, more preferably 1 mol of the substrate. It is about 1-50 mol. In many cases, a molar excess of molecular oxygen is used relative to the substrate.
[0033]
The amount of the palladium compound (A) used is, for example, about 0.001 to 1 mol, preferably 0.01 to 0.5 mol, more preferably about 0.02 to 0.2 mol, relative to 1 mol of the substrate. is there. The amount of the strong acid (B) used is, for example, about 0.001 to 1 mol, preferably 0.01 to 0.5 mol, more preferably about 0.05 to 0.3 mol, relative to 1 mol of the substrate. . In the case of using Bi, Sn, Pb, Sb alone or compound (C), the amount used is, for example, 0.0001 to 0.5 mol, preferably 0.0005 to 0. The amount is about 05 mol, more preferably about 0.001 to 0.02 mol.
[0034]
The reaction may be performed in the presence or absence of a solvent. The solvent can be appropriately selected depending on the type of the substrate and the desired product. Examples of the solvent include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene; aliphatic hydrocarbons such as hexane, heptane, and octane; alicyclic hydrocarbons such as cyclopentane and cyclohexane; carbon tetrachloride, chloroform, dichloromethane, Halogenated hydrocarbons such as 1,2-dichloroethane; carboxylic acids such as acetic acid, propionic acid and butyric acid; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, cyclopentanone and cyclohexanone; esters such as methyl acetate, ethyl acetate, isopropyl acetate and butyl acetate Amides such as N, N-dimethylformamide and N, N-dimethylacetamide; nitriles such as acetonitrile, propionitrile and benzonitrile; diethyl ether, dibutyl ether, dimethoxyethane, dioxane, Rahidorofuran, chain or cyclic ethers such as ethylene glycol monobutyl ether; methanol, ethanol, isopropanol, etc. alcohols such as 2-ethylhexyl alcohol. Among the above solvents, an aprotic polar solvent such as acetonitrile; or a mixture of these with water is preferable. These solvents are used alone or in combination of two or more.
[0035]
Although reaction temperature can be suitably selected according to a substrate, the kind of reaction, etc., considering reaction rate and reaction selectivity, For example, it is 0-200 degreeC, Preferably it is about 10-100 degreeC. The reaction may be carried out at normal pressure or under pressure. The reaction may be performed by any method such as a batch method, a semi-batch method, or a continuous method.
[0036]
In the method of the present invention, water is not always necessary, but usually it is carried out in the presence of water. In this reaction, when an alkene is used as a substrate, a corresponding oxoalkane (aliphatic ketone) is produced. Specifically, methyl octyl ketone and acetophenone are produced from 1-decene and styrene, respectively. Moreover, when cycloalkene is used as a substrate, cycloalkenone is produced depending on the corresponding cycloalkanone and reaction conditions. For example, from cyclopentene, cyclopentanone and cyclopentenone depending on conditions are obtained.
[0037]
The amount of water may be a catalytic amount or may be present in a molar excess relative to the substrate. For example, the usage-amount of water is 0.001-1000 mol with respect to 1 mol of substrates, Preferably it is about 1-100 mol.
[0038]
The oxidation product produced by the reaction can be separated and purified by separation means such as filtration, concentration, distillation, extraction, crystallization, recrystallization, column chromatography, or a combination thereof.
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, a corresponding carbonyl compound can be efficiently obtained from an alkene or cycloalkene under mild conditions.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0040]
Example 1
Cyclopentene 930 mg (13.7 mmol), 50 wt% water content 5 wt% Pd / C (trade name “STD”, manufactured by NE CHEMCAT) 2842 mg (Pd; 0.67 mmol), 97 wt% sulfuric acid 176 mg (1. 74 mmol) and acetonitrile / water (9 ml / 1 ml) were put into a glass flask and stirred at 50 ° C. for 4 hours under an oxygen atmosphere (0.1 MPa). As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 67%, the yield of cyclopentanone (CPo) was 62%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one (CPeo) was 5%. These results are shown in Table 1.
[0041]
Example 2
The reaction was performed in the same manner as in Example 1 except that 167 mg (1.74 mmol) of methanesulfonic acid was used as the strong acid instead of sulfuric acid. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 50%, the yield of cyclopentanone was 47%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 3%. The results are shown in Table 1.
[0042]
Example 3
Except for using 48.7 wt% water content 5 wt% Pd-2 wt% Bi / C (trade name “NX”, manufactured by NE CHEMCAT) 2887 mg (Pd; 0.685 mmol) as the palladium compound, The reaction was carried out in the same manner as in Example 1. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 66%, the yield of cyclopentanone was 61%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 5%. The results are shown in Table 1.
[0043]
Example 4
Instead of Pd / C (trade name “STD”), 4870% by weight, 5% by weight Pd / C (trade name “NX”, manufactured by NE CHEMCAT) 2870 mg (Pd; 0) The reaction was carried out in the same manner as in Example 1, except that. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 71%, the yield of cyclopentanone was 65%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 6%. The results are shown in Table 1.
[0044]
Example 5
The reaction was performed in the same manner as in Example 1, except that 1452 mg (Pd; 0.685 mmol) of 5 wt% Pd / alumina powder (manufactured by NE CHEMCAT) was used as the palladium compound. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 21%, the yield of cyclopentanone was 20%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 1%. The results are shown in Table 1.
[0045]
Example 6
Example 1 except that Pd (OAc) 2 (manufactured by NE CHEMCAT) 154 mg (Pd; 0.685 mmol) was used instead of Pd / C (trade name “STD”) as the palladium compound. The reaction was carried out in the same manner. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 42%, the yield of cyclopentanone was 40%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 2%. The results are shown in Table 1.
[0046]
Comparative Example 1
The reaction was carried out in the same manner as in Example 1 without using 97% by weight sulfuric acid. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 10%, the yield of cyclopentanone was 9%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 1%.
The results are shown in Table 1.
[0047]
Comparative Example 2
(NH 4 ) 5 H 6 PMo 4 V 8 O 40 107 mg (0.0685 mmol) was added, and the reaction was carried out in the same manner as in Example 1. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 32%, the yield of cyclopentanone was 30%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 2%. The results are shown in Table 1.
[0048]
Comparative Example 3
The reaction was carried out in the same manner as in Example 3 with the addition of 166 mg (0.0343 mmol) of 46.7 wt% H 5 PMo 10 V 2 O 40 · 29H 2 O aqueous solution. As a result of analysis by gas chromatography, the conversion of cyclopentene was 55%, the yield of cyclopentanone was 52%, and the yield of 2-cyclopenten-1-one was 3%. The results are shown in Table 1.
[Table 1]
Figure 0004841078

Claims (1)

(A)金属パラジウムと
(B)硫酸、硝酸、ハロゲン化水素、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、及びペンタフルオロプロピオン酸からなる群より選択される少なくとも1つの強酸、とからなる酸化触媒、及び、
ニトリル系の溶媒、又はニトリル系の溶媒と他の溶媒の混合溶媒の存在下、
炭素数3〜30のシクロアルケンを
分子状酸素により、10〜100℃の反応温度で酸化して
対応するカルボニル化合物を得るカルボニル化合物の製造方法。
(A) and the metal palladium (B) sulfuric acid, nitric acid, hydrohalic, phosphoric acid, methanesulfonic acid, ethanesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid, benzenesulfonic acid, p- toluenesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, dichloroacetic acid An oxidation catalyst comprising: at least one strong acid selected from the group consisting of : trichloroacetic acid, trifluoroacetic acid, and pentafluoropropionic acid; and
In the presence of a nitrile solvent or a mixed solvent of a nitrile solvent and another solvent ,
A method for producing a carbonyl compound, wherein a cycloalkene having 3 to 30 carbon atoms is oxidized with molecular oxygen at a reaction temperature of 10 to 100 ° C. to obtain a corresponding carbonyl compound.
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