JP4831955B2 - 会計処理方法および会計処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

会計処理方法および会計処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、会計処理方法であって、特に、国や地方自治体などの公会計における会計処理方法および当該会計処理をコンピュータで処理するためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
公会計は、国家の政策レベルの意思決定、すなわち国家の行く末や進むべき方向性に関するビジョンの設定、さらに予算を通じた大枠としての資源の調達と配分に関する意思決定をその対象とする。そして公会計の目的は、単なる企業会計と同様の会計処理の観点にとどまらず、むしろそのような国家の政策レベルの意思決定の責任と是非について検証可能な情報を提供することを通じて、政策レベルの意思決定そのものを方向付け、また規律付けるという政治の観点を含むものである。従って企業会計のように、「損益勘定」を重視するのではなく、政策レベルの意思決定を直接、記録・会計処理することが重要である。
従来の現金主義に基づく公会計は、政府としての政策レベルの意思決定を示していることは間違いない。しかし、資金勘定(資金収支計算書勘定)が示しているのは資金(現金及び現金同等物)の増減にすぎない。
これまでの資金勘定(資金収支計算書勘定)が公会計のメインフレームとして使われていた理由は、国家の所有者である国民の代表者が国会で決めた予算に対して、法規範性を持たせて厳しくチェックするためには、どこから財源を調達してどのように使ったのかを完全に把握する必要があったからである。
従来の現金主義に基づく公会計は、政策レベルの意思決定を反映する「鏡」のようなものだと考えることができ、資金(現金及び現金同等物)の増減という「鏡」を見ることで、間接的に国家の政策レベルの意思決定を把握することができるが非常に分かりづらく、政策レベルの意思決定に利用することは困難である。これに対して、政策レベルの意思決定を正面から記録・計算する勘定が要求される。
従来の会計処理ソフトとしては、企業の消費税、公共料金など振り替え処理を行うソフト(例えば、特許文献1を参照)や国際会計基準に準拠したキャッシュフロー計算書などの財務諸表の作成ソフト(例えば、特許文献2を参照)などが開示されている。また、公会計の会計処理については、政府側から見た貸借対照表と国民側から見た貸借対照表とを作成するソフトが提案されている。(例えば、特許文献3を参照)
しかし、ここで提案されている貸借対照表は、過去から引き継ぐ全資産の貸借対照表であり、国民側から見て、従来のものより、見やすいとはいえ、政策立案には利用しにくかった。
特開2002−203091号公報 特開2002−175395号公報 特開2001−265909号公報
本発明の課題は、国民が将来負担するべき負債や将来利用可能な資源を明確にして、政策レベルの意思決定を支援できる会計処理方法および会計処理を行うためのプログラムを記録した記憶媒体を提供することである。
本発明では、上記の課題を解決するために、純資産の変動計算書勘定を新たに設定し、当該年度の政策決定による資産変動を明確にするとともに、将来の国民の負担をシミュレーションできる会計処理方法を提案した。
請求項1に係る発明は、財務諸表を作成する会計処理のためのコンピュータシステムであって、予算を含む、従来の単式簿記システムにより作成された伝票データから資金(現金及び現金同等物)の受入(A1)と払出(A2)を有する資金収支計算書勘定(A)を記録する資金収支計算書勘定記憶手段と、資金収支計算書勘定記憶手段から前記伝票データを変換して複式簿記での伝票データとした複式仕訳データを用いて、企業会計における複式簿記・発生主義会計として用いられてきた閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)(B1〜B4)と損益勘定(行政コスト計算書勘定)(B5B7)を作成・記録する閉鎖残高勘定及び損益勘定作成・記録手段と、前記資金収支計算書勘定記憶手段及び閉鎖残高勘定及び損益勘定作成・記録手段から、さらに、前記複式仕訳データを用いて、国家の政策レベルの意思決定を記録・会計処理するために、拡張された処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C1〜C4)を作成・記録する損益外純資産変動計算書勘定作成・記録手段と、処理された結果で、資金収支計算書、貸借対照表、損益外純資産変動計算書、損益勘定行政コスト計算書をふくむ、少なくとも1つ以上の財務諸表を作成する財務諸表作成手段と、作成した財務諸表を表示する財務諸表表示手段とを備え、資金収支計算書勘定(A)の期末の収支尻(貸借差額)(A3)が、当期資金増減額として、貸借対照表上の資金勘定(B1)に振替えられ、資金収支計算書勘定と貸借対照表勘定の間での勘定連絡であり、損益外純資産変動計算書勘定作成・記録手段の記録は、その期における損益外の純資産増加(C3,C4)と純資産減少(C1,C2)の2つで構成され、前記損益勘定(行政コスト計算書勘定)の収支尻(貸借差額)である純経常費用(B7)が処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の(C1)に振替えられ、処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の貸方と借方の差額(収支尻)が、当期純資産変動額(C5)という形で、最終的には(B)の閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)の純資産(国民持分)(B4)の部に振り替えられて、(B)の閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)の借方(左側)と貸方(右側)がバランスし、一方で、処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の借方側(勘定の左側)には純経常費用(C1)と並んで財源措置(C2)という項目もあるが、これは具体的に言えば社会保障給付や、インフラ資産を整備した際の資本的支出のような、損益外で財源を費消する取引のことを指しており、処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の貸方側(勘定の右側)に計上される資産形成充当財源(C4)は、財源措置として支出がなされた場合、財源は費消されるが、その一部分は、インフラ資産のように将来にわたって利用可能な資産形成に充当されるため、その支出の時点で政府の純資産(国民持分)がまるまる毀損したわけではなく、何らかの資源が現金以外の形で会計主体としての政府の内部に残っていると考えることができ、将来世代も利用可能な資産が、当期どれだけ増加したかを示しているのが資産形成充当財源(C4)であることを特徴とする会計処理コンピュータシステムである。
このような会計処理により、純資産変動額や将来償還すべき負担の増減額を財務諸表のなかに表示することができるので、国民の資産が当期の予算措置で増えるのかまたは減るのか、また、その財源の内訳から将来の国民負担がどの程度増えるのかまたは減るのかを一目で知ることが出来る。したがって、政策決定者は純資産変動額を勘案して政策を遂行することができる。
請求項2に係る発明は、予算データから請求項1に記載した会計処理コンピュータシステムで得られた財務諸表に対して、純資産変動額または将来償還すべき負担の増減額の目標値を設定する項目と、増減額を少なくとも仕訳された1の科目以上を変数とするように項目を選択して変数とする科目とを定める表を表示し、該表に入力することで、シミュレーション手順を選択するシミュレーション手順選択手段と、請求項1に記載した会計処理コンピュータシステムで前と同じ予算データを処理して、純資産変動額または将来償還すべき負担の増減額が目標値になるように、該変数に指定した科目の金額の組み合わせを算出して、シミュレーション結果を表又はグラフで表示する結果表示手段とを備える会計処理のコンピュータシミュレーション・システムである。
このような会計処理方法においては、純資産変動額または将来償還すべき負担の増減額を目標値として、当期の財政支出をシミュレーションして調整することにより、政策の意思決定者に対して財政状況を考慮した政策決定のための支援を行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の会計処理コンピュータシステム機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これにより、政策の意思決定者が汎用のコンピュータを使ってデータを入力するだけで、当期における純資産の変動額に関する会計処理ができ、純資産の変動額を織り込んだ貸借対照表と損益計算書および資金収支計算書を作成することができ、行政の効率や国が所有する国民の資産と負債の総額が明確になり、償還するべき負債総額と財政収入のバランスから、今後の政策の方向性を決定するのを支援できる。
請求項4による発明は、請求項2に記載の会計処理のコンピュータシミュレーション・システム機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これにより、政策の意思決定者が汎用のコンピュータを使ってデータを入力し、将来世代に先送りする額を目標値として、当期の財政支出をシミュレーションして調整することにより、政策の意思決定者に対して財政状況を考慮した政策決定のための支援を行うことができる。
本発明によれば、純資産の変動計算書勘定を新たに設定し、当該年度の政策決定による資産変動を明確にするとともに、将来の国民の負担をシミュレーションできる会計処理方法をコンピュータで処理することができる。これにより、政策の意思決定者が汎用のコンピュータを使ってデータを入力するだけで、当期における純資産の変動額に関する会計処理ができ、さらに、シミュレーションを行い、その結果を政策の意思決定に反映させることができる。さらに、純資産の変動額を織り込んだ貸借対照表を作成することができ、国が所有する国民の資産と負債の総額が明確になり、償還するべき負債総額と財政収入のバランスから、今後の政策の方向性を決定するのを支援できる効果を発揮する。
以下、本発明について、好ましい実施形態を、図を参照しながら詳述する。図1に、従来の公会計による会計処理と本発明による会計処理との勘定連絡図を示す。
まず、図1の(A)の部分が示すのは、従来、単式簿記・現金主義会計で扱ってきた資金(現金及び現金同等物)の受入と払出を記録・会計処理する資金収支計算書勘定である。期末の収支尻(貸借差額)が、当期資金増減額として、図1の(B)貸借対照表上の資金勘定に振替えられることとなる。これが資金勘定(資金収支計算書勘定)と閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)の間での勘定連絡である。
次に、(B)の部分が示すのは、従来、企業会計における複式簿記・発生主義会計として用いられてきた閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)と損益勘定(行政コスト計算書勘定)である。なお、現在、証券取引法適用企業についてはキャッシュフロー計算書の作成も義務付けられているが、通常、キャッシュフロー計算書は、期中の仕訳を経ずに期末に貸借対照表及び損益計算書を組替えて作成されるにとどまっている。従って、現在、企業会計で用いられている勘定体系の中心は、(B)の部分の閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)と損益勘定(行政コスト計算書勘定)である。
そして、(C)の部分が、主として国家の政策レベルの意思決定を記録・会計処理するために、本発明により拡張された処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)である。処分・蓄積勘定は、(B)の損益勘定(行政コスト計算書勘定)の収支尻を「純経常費用」として受入れるとともに、処分・蓄積勘定自体の収支尻である「当期純資産変動額」を(B)の貸借対照表上の純資産の部に振替えることとなる。
(C)の処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の構成は、その期における損益外の純資産増加と純資産減少の二つである。まず、(B)の損益勘定(行政コスト計算書勘定)の収支尻(貸借差額)である純経常費用が(C)の処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)に振替えられてくる。公共部門の場合は、一般事業会社と違って自分で収益を上げるということはほとんど想定されていないので、(B)の損益勘定(行政コスト計算書勘定)の収支尻(貸借差額)は赤字になると考えられる。そこで、ここではマイナスの形で表現しているが、それがそのまま(C)の処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の借方側(勘定の左側)に純経常費用への財源措置として振り替えられてくる。これは人件費や旅費等の純経常費用(収益−費用)として、財源が費消されていることを意味する。それに対する財源の調達は、税収等の形でなされるものであるが、それは当期利用可能な資源、すなわち財源の増加額として貸方側(勘定の右側)に計上される。
一方で、(C)の処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の借方側(勘定の左側)には純経常費用と並んで財源措置という項目もあるが、これは具体的に言えば社会保障給付や、インフラ資産を整備した際の資本的支出のような、損益外で財源を費消する取引のことを指している。
最後に、(C)の処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の貸方側(勘定の右側)に計上される資産形成充当財源について説明する。財源措置として支出がなされた場合、財源は費消されるが、その一部分は、インフラ資産のように将来にわたって利用可能な資産形成に充当されるため、その支出の時点で政府の純資産(国民持分)がまるまる毀損したわけではなく、何らかの資源が現金以外の形で会計主体としての政府の内部に残っていると考えることができる。そこで、将来世代も利用可能な資産が、当期どれだけ増加したかを示しているのが資産形成充当財源である。
別の言い方をすれば、財源とは、税収や他会計からの繰入金のように現金などの形で流動性の高い資源として流入してきた未使用の資源を意味する一方で、資産形成充当財源とは、そのような財源が固定資産などに転化したもの、すなわち税収等の財源が使用されて減少したが、将来世代が利用可能な資産の形で増加したと解釈できるものを計上することになる。
そして、(C)の処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の貸方と借方の差額(収支尻)が、当期純資産変動額という形で、最終的には(B)の閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)の純資産(国民持分)の部に振り替えられて、(B)の閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)の借方(左側)と貸方(右側)がバランスすることになる。(C)の処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の収支尻(貸借差額)である当期純資産変動額がここで表現されているようにマイナスになる場合は、国民の持分である純資産を食い潰していることを意味する。これは本来であれば当期において現役世代の負担において財源の手当てをすべきだったのに、財源不足に陥ったため、将来の利用可能な資産か純資産(国民持分)の一部を食い潰したということであり、将来世代がいずれこの部分を穴埋めしなければならなくなる。従って、マイナスの当期純資産変動額とは、当期に処理しきれなかった歪みであって、将来世代に対して負担が現実的に先送りされた金額だと考えることができる。
このようにして、この発明による会計処理方法によって表示・計算される将来利用可能な資源の増加額や、将来世代への負担の先送り金額が明らかになることとなる。そして、こうした勘定連絡(勘定科目間の金額の連動)をきちんと設定しておくことによって、本発明による会計処理の特徴であるシミュレーション機能が現実に可能となる。一つの勘定科目の金額が変動した場合に、公会計の勘定体系である(A)(B)(C)のすべてが連動して他の勘定科目に対する金額的な波及効果が完全に計算可能となるからである。
予算編成上の意思決定を行うためには、財政政策による資源配分の変更を行うことによって政府の財務諸表上にどのような波及効果が生じるのかを予測しながら意思決定を行わなければならない。これを可能とするために、本発明による会計処理の勘定連絡の設定が有効に機能する。
図2に、処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の一実施例を示す。図2に示すような表形式は、例えばマイクロソフト社のエクセル(商品名)を利用して、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、表のフォーマットをプログラムしておく。記録媒体としては、フレキシブルディスク(FD、CD−ROM、光磁気ディスク(MO)などを使うことができる。表の中のデータとしての具体的数値は、図3に示すコンピュータ1のキーボードやバーコード読み取り装置、光学式読み取り機(OCR)による読み取り装置などの入力装置2から入力する。また、コンピュータのプログラムを読み取るための読み取り装置3としては、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、CD−ROMドライブ、光磁気ディスク(MO)ドライブなどを装備する。また、データはFD、CD−ROM,MOなどに記録したものを上記のドライブを使って入力してもよい。
図2において、左側上部の行政コスト(経常損益)すなわち行政にかかる費用は、当期中に損益勘定(行政コスト計算書勘定)で処理すべき総費用及び総収益を計上する。この表では、とりあえず通常の企業会計で用いられる発生形態別分類に準拠して経常費用を計上することとしているが、勘定科目の設定は、現在、政府で用いている歳入・歳出項目であっても差し支えない。
行政コスト(経常損益)の小計、すなわち経常損益財源の変動は、図1で示した損益勘定(行政コスト計算書勘定)の収支尻(貸借差額)である純経常費用に一致する。その金額は、純経常費用を補填するための財源措置として図1の(C)で表される損益外純資産変動計算区分の最上部に計上される。
損益勘定(行政コスト計算書勘定)は、主として行政レベルの業務執行上の意思決定を対象とするので、行政コスト(損益)計算区分に計上される行政コスト(経常損益)は少なければ少ないほど効率的な行政運営であることを意味する。
図2において、左側中段にある財源の使途(損益外財源の減少)に属する勘定科目群は、処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の借方側に計上される科目である。ここは主として国家の政策レベルの意思決定として、どこにどれだけの資源を配分するかということを表示する部分である。これは現役世代によって構成される内閣及び国会が、予算編成上、どこにどれだけの資源を配分すべきかを意思決定し、当該会計期間中に費消する資源の金額である。
財源の使途(損益外財源の減少)とは、当該会計期間中における損益勘定(行政コスト計算書勘定)に計上されない純資産(国民持分)の減少原因であって、当期に費消可能な資源の流出をいう。この表では、その金額を損益外純資産変動計算区分において財源措置(当期費消する資源の総額)として計上している。
具体的には、まず資本形成への財源措置として、固定資産形成のための資本的支出額を計上している。例えば文教関連であれば、国立大学法人で施設整備する場合の資本的支出額を計上する。通常の公共事業の場合は道路や橋への資本的支出額を計上する。次に、貸付金・出資金への財源措置として、金融資産を形成することとなる貸付・出資金額を計上する。例えば中小企業対策として国民金融公庫などの連結対象特殊法人等を経由して、当期に(期間一年以上の)貸付を行った金額を計上する。経済協力の場合も、例えば円借款でどの国にいくら貸付を行ったか、その金額を計上する。さらに預金保険機構を通じて金融機関に対する資本注入を行った場合も、その出資金額を計上することとなる。これらは、国民の純資産として将来に残る資産の科目からなる財源措置と区分される。
そして補助金・社会保障給付等の移転支出への財源措置については、非交換性の支出(対価なき移転支出)金額を計上する。その他、国債整理基金のような減債基金を設定している場合には、減債基金への繰入額(元本分)を計上する。これらは、国民の純資産として将来に残る資産の科目以外の科目からなる財源措置と区分される。
この表では財源の使途(損益外財源の減少)の勘定科目分類として、とりあえず性質別に固定資産形成、金融資産形成、非交換性の支出という形式としているが、この他にももちろん事務事業・施策単位など別の勘定科目分類を設定することも可能であり、国民の純資産として将来に残る資産の科目とそれ以外の科目に区分できればよい。
図2における中央部には、財源措置、すなわち財源の使途(損益外財源の減少)に対応する財源の調達(損益外財源の増加)を、科目別に区分して記載する。これについては、損益外純資産変動計算区分の財源の調達(損益外財源の増加)の欄において、その金額が、財源の種類別(税収からの一般財源、他会計からの繰入、その他の財源)としてその金額が計上される。
例えば、政府が破綻金融機関に公的資金を注入する場合、その資本注入額自体は損益外財源変動計算区分の財源措置(当期費消する資源の総額)として計上されるが、そのための財源の調達(現役世代の負担額)が税金によるものなのか、それ以外の財源によるものなのか、ということが表示される。もし税収(一般財源)等による調達額が不足すれば、その負担は最終的に将来世代へと先送りされることになる。現役世代が、当期費消する資源の総額(財源措置)と現役世代の負担額(財源の調達)の差額として、各純資産の変動原因(勘定科目)ごとにいくら実質的な公債発行相当額が生じたのか、言い換えればどれだけ将来世代への負担の先送り額が生じたのかを計算することとなる。
図2の下段にある資産形成充当財源の変動に属する勘定科目群は、処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)の貸方側に計上される科目である。資産形成充当財源の変動とは、当該会計期間中における損益勘定(行政コスト計算書勘定)に計上されない純資産(国民持分)の変動原因であって、原則として資金以外の形態をとる将来利用可能な資源の流出入をいう。会計上は、資産形成に充当された資産見返勘定を変動させるすべての取引を意味する。この表では、その金額を資産形成充当財源変動計算区分として計上している。
具体的には、まず資産形成充当財源の減少原因別に、資産形成充当財源変動計算区分にその金額を計上する。この表の場合、例えば減価償却・直接資本減耗や除売却による固定資産の減少額の他、貸付金等の元本償還による金融資産の減少額を表示する。次に資産形成充当財源の増加原因については、財源内訳別にその金額を計上する。つまり資産形成の財源内訳として、例えば税収(一般財源)によるものなのか、他会計からの繰入によるものなのか、あるいはその他の財源(公債発行の場合を含む)によるのなのかによって区別して表示する。さらに、資産形成充当財源の増加も減少もあり得る変動原因として、資産及び負債の再評価差額(再評価損益)を計上する。
資産形成充当財源(将来利用可能な資源)の変動額の一部は、実は財源措置額(当期費消する資源の総額)の一部分と連動している。と言うのも、当該会計期間中の財源措置(当期費消する資源の総額)の一部分は、インフラ資産等の固定資産、貸付金・出資金等の金融資産に形を変えて将来世代も含めて利用可能な資源となっているからである。従って、その部分については、将来利用可能な資源(資産形成充当財源)が増加したものとして、資産形成充当財源変動計算区分においてその金額が計上されることとなる。
以上のようなデータをコンピュータの入力装置2から入力すると、記録媒体に記録されたプログラムにより制御されて、例えば、科目毎に、当期費消する財源措置(負の値になるが)と税などにより調達される財源と将来利用可能な資源の変動額の和を演算して、当期純変動(将来世代の負担増減額)が求められる。勿論、区分毎の小計および総和の演算も行うプログラムとなっている。この表の中で使われる数値は互いに連動しており、1つの科目の数値が変動すれば、それに伴って関連する演算に反映されて、その演算結果が変化するようにプログラムされている。
コンピュータの構成については、図3に示すが、図4を使って表作成のプロセスを説明する。図3において、データの入力装置2から入力されたデータは、入力インタフェース4を通してデータ記憶装置5に記憶され、記録媒体から読み取り装置3により読み取られたプログラムも、入力インタフェース4を通してプログラム記憶装置6に記憶される。
プロセスを図4に示すフローチャートで説明すると、ステップS1でコンピュータはプログラム読み取り装置3でプログラムを読み取りプログラム記憶装置6に記憶する。これにより、図3に示す制御装置7がプログラムにしたがって動作を開始する。ステップS2で、出力インタフェース8を通して、表示装置9に、入力するべきデータを記載するために、図2に示すような各欄が空欄になった表を表示する。ステップS3で、入力装置2からデータを入力すると、データはデータ記憶装置5に記憶されるとともに、制御装置7に読み込まれて、ステップS4で、必要な演算が行われる。また、演算結果は出力インタフェース8を通して表示装置9に表示される。また、演算の結果はデータ記憶装置5に記憶される。このプロセスをデータ入力の都度繰り返して行う。この表は、いつでも出力インタフェース8を通して、プリンタ10に出力して印刷できるが、全てのデータを入力することにより(ステップ5)、表が完成する(ステップ6)。
図2において、右側に位置する当期純変動の欄に、赤字公債相当額、建設公債相当額などの将来世代の負担変動額が表示されることとなっている。
上記のように、行政コスト(損益)計算区分の収支尻(貸借差額)である純経常費用への財源措置を含め、損益外純資産変動計算区分において、財源措置(当期費消する資源の総額)とこれに対応する財源の調達(現役世代の負担額)が計上される。そしてその差額が、当期純変動(将来世代の負担変動額)を構成する赤字公債相当額または建設公債相当額として表示される。赤字公債相当額または建設公債相当額のいずれに該当するかは、資産形成(将来利用可能な資源の増加)を伴う財源措置か否かによって区別される。
ここで赤字公債相当額または建設公債相当額という言い方をしているのは、現実の公債発行額とは必ずしも金額が一致しないからである。つまり、公債発行による資金調達が行われる場合、当該会計期間中に現実にキャッシュを必要とする場合が大半だと思われるが、公債発行以外の場合であっても、キャッシュの流出入なくして政府の負債が増加することは十分あり得る。例えば、国庫債務負担行為や公的年金債務の積立不足額の増加のようにキャッシュの流出入なくして政府の負債が増加する一方で、その分、純資産(国民持分)が減少する場合、現実の公債発行はなされないものの、実質的な赤字公債相当額として計上される。
まず赤字公債相当額は、資産形成(将来利用可能な資源の増加)を伴わない財源措置額(当期費消する資源の総額)と、現役世代の負担額(当期利用可能な資源の増加)との差額として、当期純変動に計上される。具体的には、赤字公債相当額は、資産形成を伴わない行政コスト(経常損益)や社会保障給付等の非交換性の支出(対価なき移転支出)に対する財源措置額と、それに対する現役世代の負担額(財源の調達)との差額として計算される。そしてこの赤字公債相当額は、計算上最終的に、将来世代への負担の先送り額を構成することになる。
次に建設公債相当額は、資産形成(将来利用可能な資源の増加)を伴う財源措置額(当期費消する資源の総額)と、現役世代の負担額(当期利用可能な資源の増加)との差額として、当期純変動に計上される。具体的には、財源の使途(損益外財源の減少)を構成する勘定科目群のうち、扶助費・補助金等移転支出(非交換性の支出)に対する財源措置は資産形成(将来利用可能な資源の増加)を伴わないものであるから、それ以外の財源の使途(損益外財源の減少)の合計金額と、これに対応する現役世代の負担額(当期利用可能な資源の増加)との差額が建設公債相当額として計算される。
上記の赤字公債相当額及び建設公債相当額の合計金額は、当期純変動における経常損益財源の変動(行政コスト[経常損益]の小計)と損益外財源の変動(損益外財源の変動の小計)との合計金額に一致する。その金額は、現役世代から構成される内閣及び国会の意思決定によって、既に現時点において、将来の負債償還のために拘束された資源額を意味する。
他方、資産形成充当財源の変動は、将来利用可能な資源の変動額を意味し、当期純変動においてその小計金額が計上される。
これら当期純変動における経常損益財源の変動(行政コスト[経常損益]の小計)、損益外財源の変動(損益外財源の変動の小計)、そして資産形成充当財源の変動をすべて合算することによって、純資産変動計算書の最終的な収支尻(貸借差額)が計算される。そしてこの当該会計期間中の純資産変動が、将来世代の負担変動額を意味する。
当該会計期間中の純資産変動額は、貸借対照表上の純資産(国民持分)の変動として反映される。そして政府が過去・現在・未来にわたる時間軸上の資源配分を行う会計主体であるとすれば、その純資産(国民持分)の変動こそが現役世代と将来世代との間での資源の配分を意味する。例えば純資産(国民持分)が減少する場合は、現役世代が将来世代にとっても利用可能であった資源を費消して便益を享受する一方で、将来世代にその分の負担が先送りされたことになる。逆に純資産(国民持分)が増加する場合は、現役世代が自らの負担によって将来世代も利用可能な資源を蓄積したこととなり、その分、将来世代の負担は軽減される。
本発明の会計処理方法によれば、現役世代と将来世代との間での資源の配分を検討するために、行政コストの削減、政策実行のための財源措置すなわち当期の実行予算を様々に変えて、図2に示す表の計算を行うことができる。これにより、現役世代が負担する分と将来世代にその分の負担が先送りされる部分とが明確になり、政策意思決定を支援できる。
さらに、図4におけるステップS5で、全てのデータが入力されたことを判定し、次のステップS7で、貸借対照表作成を選択すると、貸借対照表作成のためのデータ入力画面(図示しない)が表示される(ステップS8)。ステップS9で、貸借対照表作成のために必要なデータ、例えば、現金、有価証券、インフラ資産、公債発行残高、公的年金債務など借方と貸方に対応するデータを入力する。このとき、先に計算された純資産変動額が貸方に計上される。この場合も、借方と貸方のデータ入力の度に、ステップS10の演算が行われ、貸借対照表の欄が埋められて、全てのデータが入力されたとき(ステップ11)に、貸借対照表が完成する(ステップ12)。
図1の(B)で示される貸借対照表は、資産の部では、過去の政策運営の蓄積として、政府に保有されている資産がどのような状況にあるのかが表示される。例えば社会保障分野の場合、公的年金の積立金を様々な形態で運用していれば、有価証券や公債として計上される。非金融資産(固定資産)のうち、行政庁舎のように基本的に収益を上げない資産はインフラ資産として、あるいは保養施設や厚生年金会館のように収益事業に用いられる資産は事業用資産として計上される。これらによって、社会保障の分野においてどのような資産がこれまで蓄積されてきたのかが明らかになる。
次に負債の部では、それらの資産を形成するための資金をどのように調達したかが表示される。例えば公債の発行残高が計上される他、社会保障分野の場合、公的年金債務(責任準備金)等が計上される。
最後の純資産(国民持分)の部は、どれだけの資産が財源または資産形成充当財源という形態で蓄積されているかを意味するとともに、その合計金額は上記の資産と負債の差額に一致する。
損益計算書の作成は、既に損益外純資産変動計算書の作成のときに、データを入力しているので、そのデータを連結することにより、貸借対照表作成のフローと同様に、損益計算書作成を選択することによって、該当するデータを連結させて、容易に作成できる。また、資金収支計算書は、当期の現金の受け入れ、払い出しの収支計算であり、当期の損益外純資産変動計算書における予算措置に対して、払い出し実績と、貸借対照表の資金残高を計上したもので、前記の貸借対照表作成のフローと同様に、払い出し実績のデータを入力することにより、同様の手順で容易に作成できる。
図2では、代表的な大枠で科目を示していて、基本的な処理プロセスを説明するのに、図4に示したように逐次データを入力するようなフローを使ったが、実際のデータでは、勘定科目が数千科目もあり、この表を作りながらデータを入力するのは効率が悪く実用的ではない。したがって、最初に全てのデータを入力し、データが揃った後に上記のそれぞれの財務諸表を作成するようなプロセスにするのがよい。すなわち、数千の勘定科目のデータは出納システムの伝票データとして、従来の形式で存在しているか、または、従来の形式により、各行政機関で作成される。CD−ROM、FD,MOなどの記録媒体に記録されたこれらのデータを一括して読み込み、それをこの会計処理に合うように仕訳を行うのがよい。
図5に、従来の単式簿記システムにより作成されたデータを、本発明に適用する科目に仕訳けるためのソフトウエア構造の一例を示す。図5において、従来の方式である単式会計システム21でのマスタデータと会計処理データを、マスタ登録モジュール22における変換定義23と仕訳パターン24にしたがって、データ変換モジュール25と複式仕訳入力モジュール26により複式仕訳データ27に変換する。この複式仕訳データ27は、複式簿記を作成する場合のデータとなるものである。
複式仕訳データ27は、仕訳変換モジュール28を通し、仕訳エンジン29により、本発明の会計処理による財務諸表、特に、損益外純資産変動計算書を作成するための仕訳を行い、仕訳マスタ30として格納する。
このようにして、会計処理に必要なデータが揃うと、図2に示すような損益外純資産変動計算書をはじめ貸借対照表、損益計算書、資金収支計算書などの財務諸表を同時に作成することができる。
次に、本発明の特徴であるシミュレーションについて説明する。損益外純資産変動計算書には、行政コストと、当期に費消する財源措置で国民の純資産として将来に残る資産の科目からなる財源措置とそれ以外の科目からなる財源措置と、当期に調達する財源で国民の純資産として将来に残る資産の科目からなる財源とそれ以外の科目からなる財源と、国民の純資産として将来に残る資産の原因別増減額と、再評価による差額と、国民の純資産として将来に残る資産の原因別増減額充当のために手当てされた財源と、会計処理により、それらから導き出された現役世代の負担額と、将来世代の負担額、赤字公債相当額、建設公債相当額などの金額が表の中に表示される。
本発明によるシミュレーションは、現役世代の負担額と、将来世代の負担額、赤字公債相当額、建設公債相当額などの金額に、目標とするべき金額を設定して、行政コストや財源措置をどのように調整すれば目標とするべき金額が達成できるかを演算するための手順を予め複数のプログラムとして設定する。
例えば、将来世代の負担額を、最初に作成した損益外純資産変動計算書での金額に対してX%減額した金額(シミュレーション時に入力する)を目標とするとき、この減額を、行政コストの削減と整備新幹線の財源措置からの削減と住宅補助の財源措置からの削減を行うとして、それぞれの削減額の限度を設けて増減額を変数とし、その組み合わせを求める演算手順をシミュレーションの手順として設定する。
このようなシミュレーションの手順は、目標を設定する項目と、増減を行う財政措置の項目を選択して変数とする複数のプログラムとして設定され、政策決定を行うユーザが何れかのプログラムを選択できるようにしている。シミュレーションの結果は、複数の増減額の組み合わせの表またはグラフとして表示される。
例えば、政策決定者が、将来世代の負担額を、最初に作成した損益外純資産変動計算書での金額に対して20%減額した金額を目標とするとき、例えば、行政コストと住宅補助を10%以下の削減にとどめ、整備新幹線の財源措置を増減するとしたら、どのような増減額の組み合わせができるかをシミュレーションすることができる。政策決定者は、その結果を比較検討して、どの財源措置をどう変更するのが、現在と将来のために最もよいのかを、予算立案時に、具体的に検討することができる。
このような会計処理方法は、国だけでなく地方自治体、公共的な事業を行う法人、金融機関などの会計処理にも適用できることは勿論である。また、勘定科目もこの実施例に記載した科目に拘わらず、ユーザのニーズに応じて自由に変更できるようにプログラムを組むこともでき、そのようなプログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体とすることもできる。
この発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、当業者が、この発明の趣旨に基づき、容易に実施できる部分的な会計処理手順の変更や置き換えも請求の範囲に含まれる。
本発明による会計処理方法を説明するブロック図である。 本発明による一実施例の会計処理結果を示す表である。 本発明による会計処理方法を実施するためのコンピュータの構成図である。 本発明による会計処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明による会計処理において、単式簿記での勘定科目データの複式簿記への変換を説明するための連関図である。
符号の説明
1 コンピュータ
2 入力装置
3 読み取り装置
4 入力インタフェース
5 データ記憶装置
6 プログラム記憶装置
7 制御装置
8 出力インタフェース
9 表示装置
10 プリンタ
21 単式簿記システム
22 マスタ登録モジュール
23 変換定義
24 仕訳パターン
25 データ変換モジュール
26 複式仕訳入力モジュール
27 複式仕訳データ
28 仕訳変換モジュール
29 仕訳エンジン
30 仕訳マスタ

Claims (4)

  1. 財務諸表を作成する会計処理のためのコンピュータシステムであって、
    予算を含む、従来の単式簿記システムにより作成された伝票データから資金(現金及び現金同等物)の受入(A1)と払出(A2)を有する資金収支計算書勘定(A)を記録する資金収支計算書勘定記憶手段と、
    資金収支計算書勘定記憶手段から前記伝票データを変換して複式簿記での伝票データとした複式仕訳データを用いて、企業会計における複式簿記・発生主義会計として用いられてきた閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)(B1〜B4)と損益勘定(行政コスト計算書勘定)(B5B7)を作成・記録する閉鎖残高勘定及び損益勘定作成・記録手段と、
    前記資金収支計算書勘定記憶手段及び閉鎖残高勘定及び損益勘定作成・記録手段から、さらに、前記複式仕訳データを用いて、国家の政策レベルの意思決定を記録・会計処理するために、拡張された処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C1〜C4)を作成・記録する損益外純資産変動計算書勘定作成・記録手段と、
    処理された結果で、資金収支計算書、貸借対照表、損益外純資産変動計算書、損益勘定行政コスト計算書をふくむ、少なくとも1つ以上の財務諸表を作成する財務諸表作成手段と、
    作成した財務諸表を表示する財務諸表表示手段とを備え、
    資金収支計算書勘定(A)の期末の収支尻(貸借差額)(A3)が、当期資金増減額として、貸借対照表上の資金勘定(B1)に振替えられ、資金収支計算書勘定と貸借対照表勘定の間での勘定連絡であり、
    損益外純資産変動計算書勘定作成・記録手段の記録は、その期における損益外の純資産増加(C3,C4)と純資産減少(C1,C2)の2つで構成され、前記損益勘定(行政コスト計算書勘定)の収支尻(貸借差額)である純経常費用(B7)が処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の(C1)に振替えられ、
    処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の貸方と借方の差額(収支尻)が、当期純資産変動額(C5)という形で、最終的には(B)の閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)の純資産(国民持分)(B4)の部に振り替えられて、(B)の閉鎖残高勘定(貸借対照表勘定)の借方(左側)と貸方(右側)がバランスし、
    一方で、処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の借方側(勘定の左側)には純経常費用(C1)と並んで財源措置(C2)という項目もあるが、これは具体的に言えば社会保障給付や、インフラ資産を整備した際の資本的支出のような、損益外で財源を費消する取引のことを指しており、
    処分・蓄積勘定(損益外純資産変動計算書勘定)(C)の貸方側(勘定の右側)に計上される資産形成充当財源(C4)は、財源措置として支出がなされた場合、財源は費消されるが、その一部分は、インフラ資産のように将来にわたって利用可能な資産形成に充当されるため、その支出の時点で政府の純資産(国民持分)がまるまる毀損したわけではなく、何らかの資源が現金以外の形で会計主体としての政府の内部に残っていると考えることができ、将来世代も利用可能な資産が、当期どれだけ増加したかを示しているのが資産形成充当財源(C4)であることを特徴とする会計処理コンピュータシステム
  2. 予算データから請求項1に記載した会計処理コンピュータシステムで得られた財務諸表に対して、純資産変動額または将来償還すべき負担の増減額の目標値を設定する項目と、
    増減額を少なくとも仕訳された1の科目以上を変数とするように項目を選択して変数とする科目とを定める表を表示し、該表に入力することで、シミュレーション手順を選択するシミュレーション手順選択手段と、
    請求項1に記載した会計処理コンピュータシステムで前と同じ予算データを処理して、純資産変動額または将来償還すべき負担の増減額が目標値になるように、該変数に指定した科目の金額の組み合わせを算出して、シミュレーション結果を表又はグラフで表示する結果表示手段とを備える会計処理のコンピュータシミュレーション・システム。
  3. 請求項1に記載の会計処理コンピュータシステム機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  4. 請求項2に記載の会計処理のコンピュータシミュレーション・システム機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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