JP4827042B2 - Heat pipe manufacturing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ウイックとして多数本の金属製ファイバーを使用したヒートパイプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、作動流体の潜熱として、熱の輸送を行うヒートパイプが広く知られている。この種のヒートパイプは密閉容器の内部から脱気した後、水などの凝縮性の流体を封入し、外部からの入熱によってその作動流体を蒸発させるとともに、その蒸気が低温・低圧の凝縮部に流動した後、放熱して凝縮することにより、作動流体の潜熱として熱を輸送するように構成した熱伝導素子である。したがって、ヒートパイプは、作動流体の潜熱として熱を輸送するために、熱伝導性がもっとも高いとされている銅による熱輸送量の数十倍ないし百数十倍の輸送能力を備えている。
【0003】
この種のヒートパイプでは、蒸発した作動流体が低温・低圧側の凝縮部に流動することにより熱を輸送するが、その熱の輸送の後、凝縮した作動流体を蒸発部(入熱部)に還流させる必要があり、従来一般には、その還流のための作用をウイックによって生じる毛細管圧力を利用しておこなっている。このウイックは基本的には、毛細管圧力を生じさせることを主たる機能とするものであるから、実効毛細管半径が可及的に小さくなることが好ましく、また、そのウイックを構成している素材は、作動流体との濡れ性に優れていることが望ましい。
【0004】
ヒートパイプにおけるウイックの最も一般的な構造は、パイプの内面に形成した細溝であり、エッチングあるいは切削などにより、パイプの内面にその軸線方向に沿って形成されている。この種のグルーブタイプのウイックであれば各細溝の開口端側にメニスカスが生じることにより、実効毛細管半径を小さくし、作動流体に還流のための毛細管圧力を生じさせることができる。併せて、細溝が液相作動流体の流路を形成する。したがって、液相作動流体が還流する際の流路抵抗を小さくした状態で、液相作動流体を還流させるポンプ作用を生じることができる。
【0005】
しかしながら、グルーブタイプのウイックにおいては、そのグルーブの溝幅を加工技術上の制約によって、所定限界以下に細くすることができないため、毛細管圧力を向上させるにも限界があった。そこで従来カーボンファイバーやグラスファイバーなどの極細線を束ねるとともに、その極細線束をパイプの内面に沿わせて配置することにより、細溝に代わるウイックを形成したヒートパイプが知られている。この種の極細線ウイック(ファイバーウイック)を使用したヒートパイプでは、実効毛細管半径を更に小さくし毛細管作用を更に高めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の極細線を使用したヒートパイプでは、極細線をパイプの内面に密着状態に配置する必要があるために、螺旋状の板バネを中心側に配置し、その螺旋状の板バネによって極細線をヒートパイプコンテナの内面に押し付けて密着させることが行われている。しかしながら、ヒートパイプは常時直線状態で使用されるわけではない上に、マイクロヒートパイプと称される小型のヒートパイプにおいては、内径が極めて小さくなるから、極細線ウイックをパイプの内面に整列状態で密着させることが困難であった。
【0007】
そのため、従来のファイバーウイックを使用したヒートパイプにあっては、ファイバーがパイプの内面から離れてしまい、両者の間の熱伝達が阻害される。その結果、ヒートパイプに対する入熱部(蒸発部)における熱抵抗あるいは、凝縮部(放熱部)におけるヒートパイプから外部への熱伝達特性が損なわれ、結局、熱輸送能力が阻害される不都合があった。
【0008】
さらに、極細線同士の間に形成される僅かな隙間が、液相作動流体の還流路となるが、その極細線ウイックあるいはファイバーがヒートパイプの屈曲などにより、当初の整列した結束状態から、乱雑な結束状態、もしくは配列状態に形態を変化させてしまった場合には、それに伴って液相作動流体の還流路となるファイバー同士の間の細い空間が閉塞状態になったり、あるいは複雑に屈曲した状態となるために、液相作動流体の流路抵抗が増大し、その結果、液相作動流体の蒸発部への還流が阻害されて熱輸送能力が低下するおそれが多分にあった。
【0009】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、金属ファイバーをウイックとして使用した熱輸送能力に優れたヒートパイプの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ヒートパイプコンテナの内面に沿わせて金属ファイバーウイックを設けたヒートパイプの製造方法において、前記ヒートパイプコンテナの内面に沿わせて、多数本の金属ファイバーを挿入するとともに、そのヒートパイプコンテナの中心部に、前記金属ファイバーが挿入された円筒状の部分の内径より外径が大きく形成され、先端側がテーパー状に形成された円筒状のプラグを挿入して、前記金属ファイバーを前記ヒートパイプコンテナの内面に押圧しつつ、前記プラグをヒートパイプコンテナおよび金属ファイバーに対して軸線方向に相対的に移動させ、そのプラグにより前記金属ファイバーをヒートパイプコンテナの内面に押圧している箇所の外周側から加熱して、金属ファイバーをヒートパイプコンテナの内面に連続的に焼結することを特徴とするヒートパイプの製造方法である。
【0019】
したがって請求項1の発明では、前記ヒートパイプコンテナの内面に、前記金属ファイバーが挿入された円筒状の部分の内径より外径が大きく形成され、先端側がテーパー状に形成された円筒状のプラグを挿入することによって金属ファイバーをヒートパイプの内面に押し付けつつ、プラグが相対的に移動しながらその押圧箇所の外側から加熱して、金属ファイバーとヒートパイプコンテナとの焼結および金属ファイバー同士の焼結が生じる。その結果、焼結箇所を連続的に移動させることができるので、ヒートパイプの連続的な加工・生産が可能になり、また長尺のヒートパイプを効率よく加工・生産することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照して、この発明を説明する。図1は、この発明の対象とすることのできるヒートパイプの一具体例を示すものである。ここに示すヒートパイプ1のコンテナ2は銅製のパイプ材の両端部を封止して中空密閉状態にしたものである。コンテナ2の内部には多数本の銅製の極細線(ファイバー)4と、極細線4をコンテナ2の内面に押し付けるスパイラル状の押し付け金具3とが挿入されており、極細線4がコンテナ2の内面に接触させられている。前記多数本の極細線4同士は、その一部が焼結され、結束状態を維持している。また、極細線4のコンテナ2の内面に接触している部分が、コンテナ2に対して焼結され固着されている。この極細線4がヒートパイプ1のウイックを構成している。また、コンテナ2の内部には、真空脱気された状態で例えば純水やアルコール等の凝縮性流体が作動流体7として所定量封入されている。こうして構成されたヒートパイプ1の一方の端部が加熱部5とされていて、他方の端部が放熱部6とされている。加熱部5には発熱体等が接触している。
【0021】
図2は、上記ヒートパイプ1の一部の断面図およびその一部を更に拡大して示す断面図である。前記焼結は窒素ガス雰囲気などの非酸化性雰囲気の中で、約1000℃にてコンテナ2の内面および極細線4を加熱昇温して行われる。すなわち、図に示すように、焼結前には単に接触していた極細線4同士、およびコンテナ2の内面とここに接触している極細線4とが、互いに融合して一体化している。
【0022】
上記のように構成されたヒートパイプ1においても、その加熱部5とされている端部に図示しない発熱体などから熱が伝達される。加熱部5に伝達された熱によって、コンテナ2の内部に封入されている作動流体が加熱されて蒸発する。その場合、ウイックとして機能する極細線4が、コンテナ2の内面に焼結されて一体化されており、またその極細線4の一部が、互いに焼結されて一体化されているので、これら一体化されたコンテナ2および極細線4の間では、熱伝導によって熱が伝わる。そして、そのコンテナ2の内面および極細線4の表面から、ここに接触している作動流体7の熱が伝達される。したがってコンテナ2の内面のみならず、これと一体の極細線4の表面が、実質上、コンテナ2から作動流体7に対する熱の伝達面となる。このようにして、コンテナ2から作動流体7に対する熱伝達面が拡大されているので、コンテナ2から作動流体7に対して熱を伝達する際の抵抗(熱抵抗)が小さくなり、ひいてはヒートパイプ1自体の熱抵抗が小さくなる。
【0023】
上記の加熱部5では、外部からの入熱によって作動流体7が蒸発し、その内部圧力が高くなる。これに対して放熱部6となっている他方の端部では、放熱によって温度が低く、したがって内部圧力が低くなっているので、作動流体7の蒸気は、圧力差によって放熱部6に向けて流動する。作動流体7の蒸気は、放熱部6において熱を外部に奪われて、すなわち放熱して凝縮する。
【0024】
このようにして、ヒートパイプ1の放熱部6において液化した作動流体7は、複数本の極細線4の間に形成された間隙8を通って、加熱部5側へ還流する。すなわち、加熱部5においては、作動流体7の蒸発が生じることにより、極細線4同士の間におけるメニスカスによって毛細管圧力が発生し、その毛細管圧力により、液相作動流体が加熱部5側に流動させられる。このような作動流体7の蒸発・凝縮・還流が繰り返し生じることにより、発熱体の熱が輸送されて発熱体が冷却される。
【0025】
したがって、上記の具体例として示したヒートパイプ1においては、極細線4がウイックとして機能し、その加熱部5側で生じる毛細管圧力により液相の作動流体7を放熱部6から加熱部5に還流させることができる。また、その極細線4はコンテナ2に融合して一体化されているので、具体的には焼結されているので、その極細線4が実質的にコンテナ2の一部となって作動流体7に対して熱を伝達し、また放熱部6では作動流体蒸気からコンテナ2に対して熱を伝達することになる。すなわち、コンテナ2と作動流体7との実質的な熱交換面積が広くなって、ヒートパイプ1としての熱抵抗が低減される。さらに、極細線4同士が焼結されて結束状態とされ、かつコンテナ2の内面に焼結されて固着されているので、極細線4の間に形成される間隙8が、還流路の機能を奏し、作動流体7の流動抵抗が小さくなるので、その結果、還流性能が向上する。
【0026】
さらに、相互に束ねられて、焼結により結束された多数本の極細線4同士の間に形成される隙間が、液相作動流体の還流路となるので、液相作動流体の還流路の多くが、結束された極細線の内周側に形成される気相作動流路から遮蔽された状態となる。そのため、還流途中の液相作動流体が、高速で流動する作動流体蒸気に直接晒される度合いが少なくなり、この点においても、液相作動流体の還流性能が向上する。したがって、ヒートパイプ1としての熱抵抗が小さいことと相俟って、加熱部5でのドライアウトを生じることなく多量の熱を輸送でき、ヒートパイプ全体としての熱輸送能力が向上する。
【0027】
本発明者らの実験によって得られた結果を図3に示す。図3はグルーブウイックを用いた従来の一般的なヒートパイプと、ファイバーウイックをヒートパイプコンテナの内部に単に挿入した従来のヒートパイプと、この発明の対象とすることのできるヒートパイプとの特性を測定した結果を示す線図である。図3において●印は、グルーブウイックタイプのヒートパイプの測定結果を表し、また■印は、ファイバーウイックを使用した従来のヒートパイプについての測定結果を示し、▲印は、この発明の対象とすることのできるヒートパイプの測定結果を示している。
【0028】
図3から明らかなように、グルーブウイックタイプのヒートパイプでは入熱量が特に増大しないにも係わらず、熱抵抗が急激に大きくなっており、これは入熱量で加熱部におけるドライアウトが生じることを示しており、これ以上の熱輸送を行うことができない。これに対して、ファイバーウイックタイプのヒートパイプでは、熱抵抗が特に増大することなく、入熱量を増大させることができ、グルーブウイックタイプのヒートパイプに比較して、熱輸送量を増大させることができる。さらに、金属ファイバーを焼結したウイックが使用されているヒートパイプにあっては、入熱量の増大にも係わらず熱抵抗はほぼ一定値を示し、しかもファイバーウイックタイプの従来のヒートパイプよりも熱抵抗が小さくなっており、したがって、熱輸送能力が従来のヒートパイプと比べて格段に優れていることが明らかとなった。
【0029】
つぎに、上述したヒートパイプの製造方法の一具体例について説明する。図4は、この発明の製造方法の一具体例の製造過程を示したものである。なお、図4に示す部材で図1もしくは図2に示す部材と同一のものには、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0030】
まず、ヒートパイプ1のコンテナ2の材料として、図4に示す断面が円形である銅製のパイプ材21を用意し、このパイプ材21を脱脂洗浄する。その洗浄方法として、例えば適宜の溶剤を使用した洗浄、あるいは超音波洗浄などの従来知られた方法が用いられる。他方、ウィックとなる極細線4として銅製の極細線を多数本用意する。そして、この極細線4を脱脂洗浄する。
【0031】
洗浄の完了したパイプ材21の内部に、その内面に沿わせて洗浄の完了した多数本の極細線4を環状に結束した状態で挿入する。あるいはこれと同時に、その環状に配列した極細線4の内周側に押し付け金具31を挿入する。この押し付け金具31は、極細線4をパイプ材21の内周面に押し付けておくためのものであって、一例として弾性のある螺旋状金属帯が使用される。このような金属帯は、軸線方向に引っ張って外径を縮小し、その状態でパイプ材21の中心部に挿入し、しかる後、引っ張り力を解除して弾性によって外径を増大させ、その弾性力によって極細線4がパイプ材21の内周面に押し付ける。その状態を図4に示してある。
【0032】
その後、図4に示すように、極細線4と押し付け金具31とが挿入されているパイプ材21を加熱炉9の内部に収納し、その内部温度を徐々に上昇させる。そして、非酸化雰囲気内で加熱炉9の内部温度を1000℃程度に保持し、極細線4とパイプ材21とを焼結させ、固着させる。
【0033】
そして、パイプ材21の開口端を封止してパイプ材21を密閉し、コンテナ2を形成する。その際に、図4に示すように、開口部に注入ノズル10の一端部を挿入し、溶接あるいはロウ付け等の手段によって固着する。なお、注入ノズル10としては、銅製で断面が円形の小径管が採用されている。
【0034】
つぎに、注入ノズル10が固着されたコンテナ2を脱脂洗浄する。その後、そのコンテナ2をヒートパイプ化する。すなわち、注入ノズル10を介して、作動流体を規定量よりも若干多めにコンテナ2の内部に注入する。これは、次工程でコンテナ2の内部から非凝縮性ガスの追い出しを行うためである。この加熱追い出し工程の一例として、ここでは図4示すように、注入ノズル10が設けられた端部が上方となるようにコンテナ2をシリコンオイルバス内などに設置し、120℃程度に加熱する。すると、作動流体中に溶存などしている非凝縮性ガスが作動流体の蒸気と共に注入ノズル10の開口端からコンテナ2の外部に放出される。すなわち、先にコンテナ2内に封入された作動流体の全量から蒸気として追い出された量を差し引いた量が、作動流体の実質的な封入量となる。
【0035】
そして、蒸気を所定量追い出した後、注入ノズル10の先端側をかしめるなどして仮封止する。したがって、このコンテナ2が充分に脱気されたヒートパイプ1のコンテナ2となる。なお、この加熱追い出し工程では、予め注入ノズル10を仮締めしておいた状態でコンテナ2内部の圧力を高め、その後に仮締め部分を開放して作動流体をフラッシュさせる方法を採ることもできる。なお、この実施例では、コンテナ2の内部への作動流体の脱気封入方法として加熱追い出し法を例示したが、これに替えて真空ポンプ法やガス液化法等を採用することもできる。
【0036】
なお、上述の例においては、コンテナ2および極細線4は銅製としたが、この材質は銅に限定されず、濡れ性向上のために酸化銅や二酸化銅を使用しても良い。
【0037】
また、前記濡れ性向上のために、コンテナ2の内部となる範囲に、図示しないブラスト装置を利用したサンドブラスト加工や、エッチング処理あるいはサンドペーパーを利用した研削加工などの、コンテナ2の内面に粗面化を施す加工を焼結の前工程に採用することもできる。
【0038】
また、押し付け金具31は螺旋状金属帯としたが、これは上記に限定されず、丸線状スプリングとしても良い。要は、弾性力で極細線4をパイプ材21の内面に押し付ける物ならば良い。
【0039】
つぎに、この発明に係る、連続的な加工を可能とするヒートパイプの製造方法について図5を参照して説明する。図5は、この発明の製造方法の一具体例を示したものである。なお、図5に示す部材で図1と図2および図5に示す部材と同一のものには、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0040】
図5に示す例は、極細線4をパイプ材21の内周面に押し付けるための部材としてプラグ11を用いた例である。すなわち、このプラグ11は、その最大外径が、パイプ材21の内周面に沿って環状に配置した極細線4の内径より僅か大きく、先端側がテーパー状をなす部材であって、マンドレル12の先端部に取り付けられている。
【0041】
極細線4を内周面に沿わせて配置したパイプ材21の内部に、前記プラグ11をその先端側から挿入し、プラグ11がパイプ材21の内部を進むように、プラグ11とパイプ材21とを相対的に軸線方向に移動させる。プラグ11の最大外径が環状に配列された極細線4の内径より大きく設定されているので、プラグ11が相対的に進行することにより、極細線4がパイプ材21の内周面に押し付けられる。
【0042】
このようにしてプラグ11によって極細線4をパイプ材21の内周面に押し付けている状態で、その押し付け箇所の外周側に配置した加熱コイル13によって、パイプ材21を加熱昇温する。その場合、パイプ材21および極細線4が銅製である場合、その加熱温度は1000℃程度とする。また、雰囲気は、パイプ材21および極細線4の酸化を防止するために、窒素ガスなどによる非酸化雰囲気とする。
【0043】
その結果、極細線4はパイプ材21の内面に押し付けられた状態が加熱されるために、両者の間で焼結が生じ、パイプ材21の内面に接触している極細線4がパイプ材21の内面(すなわちヒートパイプコンテナの内面)に融合一体化される。また同時に、極細線4同士の少なくとも一部に焼結が生じ、極細線4がその環状の結束状態に固定される。なお、その場合、極細線4とパイプ材21の内面との間および極細線4同士の間に、前述した図1および図2に示すように、その軸線方向に沿った間隙が残り、その部分が液相作動流体の流路となる。
【0044】
したがって、このようなプラグを用いた方法によれば、極細線4およびパイプ材21を連続的に走行させつつ、これらの焼結を生じさせることができるので、連続処理、または、長尺処理が可能となる。また、極細線4をパイプ材21の内面に押し付ける押し付け金具等の必要がなくなる。その結果、固定金具をパイプ材21に挿入する工程と、焼結後に引き抜く工程が削除され、生産効率をより高めることができる。
【0045】
なお、この発明は上記の具体例に限定されない。したがってこの発明では、金属ファイバーは上述した銅製の極細線以外に、適宜の金属製のファイバーを使用することができる。その線径は、銅ファイバーの場合は、50〜100μm程度である。また同様にヒートパイプコンテナは銅製に限られないのであり、適宜の金属パイプが使用される。なお、その内径は、一例として数mm程度である。さらに、この発明で金属ファイバーをヒートパイプコンテナの内面に融合一体化させる方法は、焼結以外に超音波溶接や摩擦溶接などの適宜の溶接による方法、あるいはロー付けなどの接合による方法であってもよい。さらにまた、金属ファイバーやコンテナと作動流体との濡れ性を向上させるために、金属ファイバーやコンテナの内面に酸化被膜を形成してもよく、あるいはサンドブラストやエッチングなどによる粗面化処理を施してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の製造方法によれば、ヒートパイプコンテナの内面に金属ファイバーが挿入された円筒状の部分の内径より外径が大きく形成され、先端側がテーパー状に形成された円筒状のプラグを挿入することによって金属ファイバーをヒートパイプの内面に押し付けつつ、プラグが相対的に移動しながらその押圧箇所の外側から加熱して、金属ファイバーとヒートパイプコンテナとの焼結および金属ファイバー同士の焼結が生じる。その結果、焼結箇所を連続的に移動させることができるので、ヒートパイプの連続的な加工・生産が可能になり、また長尺のヒートパイプを効率よく加工・生産することができる。このため、ヒートパイプコンテナの内面に金属ファイバーを押し付ける金具等が不要になり、前記金具等の材料費および製造工程の削減が可能となるので、製造コストを低廉化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の対象とすることのできるヒートパイプの一具体例を示す部分断面側面図である。
【図2】 図1の一部断面図およびその一部を拡大した部分図である。
【図3】 この発明の対象とすることのできるヒートパイプと、グルーブウイックを用いた従来の一般的なヒートパイプと、ファイバーウイックをヒートパイプコンテナの内部に単に挿入した従来のヒートパイプとの特性を測定した結果を示す線図である。
【図4】 図1に示すヒートパイプの製造方法の一具体例における製造過程を示す図である。
【図5】 この発明によるヒートパイプの製造方法の具体例を説明する図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
This invention relates to a manufacturing method of Hitopai flop using a large number of metallic fibers as wick.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, heat pipes that transport heat are widely known as latent heat of working fluids. This type of heat pipe evacuates from the inside of a sealed container, and then encloses a condensable fluid such as water, evaporates the working fluid by heat input from the outside, and condenses the vapor at a low temperature and low pressure. after flowing in, by condensing and radiating a heat conducting element that is configured to transport heat as latent heat of the working flow body. Therefore, in order to transport heat as the latent heat of the working fluid, the heat pipe has a transport capability of several tens to several hundreds of times the amount of heat transport by copper, which is said to have the highest thermal conductivity.
[0003]
In this type of heat pipe, the evaporated working fluid flows into the condensing part on the low temperature / low pressure side, and heat is transported. After transporting the heat, the condensed working fluid is transferred to the evaporating part (heat input part). In general, the action for the reflux is performed by utilizing the capillary pressure generated by the wick. Since this wick basically has the main function of generating capillary pressure, the effective capillary radius is preferably as small as possible, and the material constituting the wick is It is desirable that the wettability with the working fluid is excellent.
[0004]
The most common structure of the wick in the heat pipe is a narrow groove formed on the inner surface of the pipe, and is formed along the axial direction on the inner surface of the pipe by etching or cutting. In this type of groove type wick, a meniscus is generated on the opening end side of each narrow groove, so that the effective capillary radius can be reduced and a capillary pressure for refluxing can be generated in the working fluid. In addition, fine grooves to form a flow path for the liquid-phase working stream body. Therefore, it is possible to produce a pumping action for refluxing the liquid phase working fluid in a state where the flow path resistance when the liquid phase working fluid is refluxed is reduced.
[0005]
However, in a groove type wick, the groove width of the groove cannot be reduced below a predetermined limit due to processing technology restrictions, and there is a limit in improving the capillary pressure. Thus, a heat pipe is known in which a wick that replaces the narrow groove is formed by bundling extra fine wires such as carbon fiber and glass fiber and arranging the extra fine wire bundle along the inner surface of the pipe. In a heat pipe using this kind of extra fine wire wick (fiber wick), the effective capillary radius can be further reduced to further enhance the capillary action.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In conventional heat pipes using extra fine wires, it is necessary to arrange the extra fine wires in close contact with the inner surface of the pipe. Therefore, a spiral leaf spring is arranged on the center side, and the extra fine wire is formed by the spiral leaf spring. Is pressed against the inner surface of the heat pipe container. However, the heat pipe is not always used in a straight line state, and in a small heat pipe called a micro heat pipe, the inner diameter is extremely small, so that the fine wire wick is aligned with the inner surface of the pipe. It was difficult to adhere.
[0007]
Therefore, in a heat pipe using a conventional fiber wick, the fiber is separated from the inner surface of the pipe, and heat transfer between the two is hindered. As a result, the heat resistance in the heat input part (evaporating part) to the heat pipe or the heat transfer characteristic from the heat pipe to the outside in the condensing part (heat radiating part) is impaired, resulting in the disadvantage that the heat transport capacity is hindered. It was.
[0008]
In addition, a slight gap formed between the fine wires becomes a reflux path for the liquid-phase working fluid, but the fine wire wick or fiber is messed up from the originally aligned bundling state due to bending of the heat pipe, etc. If the form is changed to a tightly bound state or an arrayed state, the thin space between the fibers serving as the reflux path for the liquid phase working fluid becomes obstructed or bends in a complicated manner. As a result, the flow resistance of the liquid phase working fluid is increased, and as a result, the reflux of the liquid phase working fluid to the evaporation part is hindered and the heat transport capability is likely to be lowered.
[0009]
The present invention was made in view of the above circumstances, it is an object to provide a method for producing a Hitopai flop having excellent thermal transport capability using metal fibers as wick.
[0010]
[Means for Solving the Problem and Action]
In order to achieve the above object, the present invention provides a heat pipe manufacturing method in which a metal fiber wick is provided along the inner surface of the heat pipe container. Te, with inserting a large number of metal fibers, in the center of the heat pipe container for its outer diameter than the inner diameter of the metal fibers inserted cylindrical portion is larger, the distal end side is formed in a tapered shape The cylindrical plug is inserted and the plug is moved relative to the heat pipe container and the metal fiber in the axial direction while pressing the metal fiber against the inner surface of the heat pipe container. The metal fiber is heated from the outer peripheral side where the metal fiber is pressed against the inner surface of the heat pipe container. It is a manufacturing method of the heat pipe, characterized by continuously sintering the bar on the inner surface of the heat pipe container.
[0019]
Thus, in the invention of
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described with reference to the drawings. Figure 1 shows a specific example of a heat pipe, which may be the inventions of the subject. The
[0021]
FIG. 2 is a cross-sectional view of a part of the
[0022]
Also in the
[0023]
In the
[0024]
In this way, the working
[0025]
Therefore, in the
[0026]
Furthermore, since the gaps formed between a plurality of the
[0027]
The results obtained by our experiments are shown in FIG. Figure 3 is characteristic of the conventional general heat pipe with grooves wick, a conventional heat pipe simply inserted into the heat pipe container fiber wick, the heat pipe can be this inventions the subject It is a diagram which shows the result of having measured. ● marks in FIG. 3 represents the heat pipe of the measurement results of the groove wick type, also ■ mark indicates the measurement results of the conventional heat pipes using fiber wick, ▲ mark, and the inventions of the subject The measurement result of the heat pipe which can be shown is shown.
[0028]
As apparent from FIG. 3, the groove wick type heat pipe despite the heat input does not particularly increase, the thermal resistance has become sharply increases, which Doraiau bets in the heating section in heat input arising This indicates that no further heat transport can be performed. On the other hand, in the fiber wick type heat pipe, the heat input can be increased without particularly increasing the thermal resistance, and the heat transport amount can be increased as compared with the groove wick type heat pipe. it can. Further, in the heat pipe wick by sintering metallic fibers are used, the thermal resistance despite the increase in heat input almost constant value, moreover than conventional heat pipe fiber wick type It has become clear that the heat resistance is small, and therefore the heat transport capability is much better than the conventional heat pipe.
[0029]
Next, an embodiment of the method of heat Topaipu described above. FIG. 4 shows the manufacturing process of one specific example of the manufacturing method of the present invention. 4 that are the same as those shown in FIG. 1 or 2 are given the same reference numerals, and detailed descriptions thereof are omitted.
[0030]
First, as a material of the
[0031]
A large number of
[0032]
Thereafter, as shown in FIG. 4, the
[0033]
And the opening end of the
[0034]
Next, the
[0035]
Then, after expelling a predetermined amount of vapor, temporary sealing is performed by caulking the tip side of the injection nozzle 10 or the like. Therefore, this
[0036]
In the above example, the
[0037]
In addition, in order to improve the wettability, the inner surface of the
[0038]
Moreover, although the
[0039]
Next , a heat pipe manufacturing method that enables continuous processing according to the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 5 shows a specific example of the manufacturing method of the present invention. 5 that are the same as those shown in FIGS. 1, 2, and 5 are assigned the same reference numerals, and detailed descriptions thereof are omitted.
[0040]
The example shown in FIG. 5 is an example in which the
[0041]
The
[0042]
In this manner, with the
[0043]
As a result, since the
[0044]
Therefore, according to the method using such a plug, since the
[0045]
In addition, this invention is not limited to said specific example. Therefore, in the present invention, as the metal fiber, an appropriate metal fiber can be used in addition to the above-described copper fine wire. The wire diameter is about 50 to 100 μm in the case of copper fiber. Similarly, the heat pipe container is not limited to copper, and an appropriate metal pipe is used. The inner diameter is about several mm as an example. Further, in the present invention, the method of fusing and integrating the metal fibers with the inner surface of the heat pipe container is a method by an appropriate welding such as ultrasonic welding or friction welding in addition to sintering, or a method by joining such as brazing. Also good. Furthermore, in order to improve the wettability between the metal fiber or the container and the working fluid, an oxide film may be formed on the inner surface of the metal fiber or the container, or the surface may be roughened by sandblasting or etching. Good.
[0046]
【The invention's effect】
As described above, according to the manufacturing method of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional side view showing a specific example of a heat pipe that can be an object of the present invention.
FIG. 2 is a partial cross-sectional view of FIG. 1 and a partial view enlarging a part thereof.
FIG. 3 shows the characteristics of a heat pipe that can be an object of the present invention, a conventional general heat pipe using a groove wick, and a conventional heat pipe in which a fiber wick is simply inserted into a heat pipe container. It is a diagram which shows the result of having measured.
It is a diagram showing a manufacturing process in an embodiment of Figure 4. The method of heat Topaipu shown in FIG.
5 is a diagram for explaining a tool body of the manufacturing method of the heat pipe according to the present invention.
Claims (1)
前記ヒートパイプコンテナの内面に沿わせて、多数本の金属ファイバーを挿入するとともに、そのヒートパイプコンテナの中心部に、前記金属ファイバーが挿入された円筒状の部分の内径より外径が大きく形成され、先端側がテーパー状に形成された円筒状のプラグを挿入して、前記金属ファイバーを前記ヒートパイプコンテナの内面に押圧しつつ、前記プラグをヒートパイプコンテナおよび金属ファイバーに対して軸線方向に相対的に移動させ、そのプラグにより前記金属ファイバーをヒートパイプコンテナの内面に押圧している箇所の外周側から加熱して、金属ファイバーをヒートパイプコンテナの内面に連続的に焼結することを特徴とするヒートパイプの製造方法。In the heat pipe manufacturing method in which a metal fiber wick is provided along the inner surface of the heat pipe container,
And placed along the inner surface of said heat pipe container, as well as inserting the large number of metal fibers, in the center of the heat pipe container for its outer diameter than the inner diameter of the metal fibers inserted cylindrical portion larger A cylindrical plug having a tapered tip is inserted, and the plug is pressed against the heat pipe container and the metal fiber in the axial direction while pressing the metal fiber against the inner surface of the heat pipe container. The metal fiber is heated from the outer peripheral side of the portion where the metal fiber is pressed against the inner surface of the heat pipe container by the plug, and the metal fiber is continuously sintered on the inner surface of the heat pipe container. A method for manufacturing a heat pipe.
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