JP4821994B2 - ガスインジェクタの特性測定試験装置および特性測定試験方法 - Google Patents
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Description
また、ガスインジェクタの場合、気柱振動が大きいなどの事情により、上記した液体燃料用インジェクタの特性測定試験装置をガス用にそのまま流用することも困難である。
請求項2記載のガスインジェクタの特性測定試験装置の発明は、ガスインジェクタの特性を測定する測定試験装置において、前記ガスインジェクタの下流側に、それぞれ空間を残して非圧縮性流体が封入され該非圧縮性流体にフロートが浮かべられた第1のチャンバーと第2のチャンバーとが設けられており、前記第1のチャンバーは、前記ガスインジェクタのガス噴射によるガスが前記フロート上の空間に導入されるように該インジェクタに連結され、前記第2のチャンバーは前記第1のチャンバーとの間で前記非圧縮性流体が移動可能となるように前記第1のチャンバーに連結されており、
前記ガスインジェクタと前記第1のチャンバーとが噴射室を介して前記連結がなされており、前記第1のチャンバーに対する前記ガスの導入方向が該第1のチャンバー内壁の接線方向に略沿い、かつ水平方向に略沿っていることを特徴とする。
請求項3記載のガスインジェクタの特性測定試験装置の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第1のチャンバーと第2のチャンバーとは、流量制御弁を介して前記連結が行われていることを特徴とする。
請求項4記載のガスインジェクタの特性測定試験装置の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、
前記第2のチャンバーのフロートの位置を検出する位置センサと、該第2のチャンバー内の空間圧力を検出する圧力センサと、前記位置センサと前記圧力センサの検出結果に基づいて第1のチャンバーに導入されたガスの噴射量を算出する噴射量演算部とを有することを特徴とする。
請求項5記載のガスインジェクタの特性測定試験装置の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記第1のチャンバーの横断面積が前記第2のチャンバーの横断面積よりも大きく設定されていることを特徴とする。
請求項7記載のガスインジェクタの特性測定試験方法の発明は、請求項6記載の発明において、前記第1のチャンバーの横断面積を前記第2のチャンバーの横断面積よりも大きくして、前記第1のチャンバー側における前記非圧縮性流体の移動量を前記第2のチャンバー側で増幅して測定することを特徴とする。
測定対象となるガス噴射用のインジェクタ100は、噴射室25に取り付けられており、該噴射室25内にインジェクタ100の噴射口(図示しない)が露出されている。該インジェクタ100のガス導入部には、ガス供給流路23が接続されており、該ガス供給流路23の他端側は、減圧弁22、開閉弁21を介してガスタンク20に接続されてインジェクタ100への高圧ガスの供給が可能になっている。また、インジェクタ100の噴射口開閉駆動部(図示しない)にはインジェクタドライバ32が接続され、該インジェクタドライバ32は、コントローラ31を介してPC(パーソナルコンピュータ)30に接続されている。PC30は、CPUとこれを動作させるプログラムとを備えており、インジェクタ100への各種噴射命令をコントローラ31に発行してインジェクタ100の噴射制御を行う。なお、インジェクタ100の動作電流は、電流計33で測定され、デジタルオシロスコープ48に出力されて測定結果の表示が可能になっており、さらに該測定データがデジタルオシロスコープ48からPC30に送出されるように構成されている。
第1のチャンバー1は、上下が封止された円筒形状を有しており縦方向に設置されている。該第1のチャンバー1内には、上方に小さな空間1aを残してシリコンオイルなどの非圧縮性流体2が収容されており、該非圧縮性流体2に非圧縮性流体よりも比重が小さな円柱形状のフロート3が浮かばせてある。該フロート3の外径は、第1のチャンバー1の内径よりも僅かに小さく、非圧縮性流体2に浮かべた際に第1のチャンバー1の内壁と全周に亘って僅かな隙間を形成する。この結果、フロート3と第1のチャンバー1の内壁との間で全周に亘って作用する非圧縮性流体の表面張力によって該フロート3が第1のチャンバー1内で軸方向中心位置に維持される。
第2のチャンバー7は、前記第1のチャンバー1と同様に上下が封止された円筒形状を有しており、縦方向にして防振台9上に設置されている。該防振台9によって第2のチャンバー7の振動を防止することで測定精度を上げることができる。該第2のチャンバー7内には、上方に小さな空間7aを残してシリコンオイルなどの非圧縮性流体2が収容され、該非圧縮性流体2に非圧縮性流体2よりも比重が小さな円柱形状のフロート8が浮かばせてある。フロート8の外径も、第2のチャンバー7の内径よりも僅かに小さく、非圧縮性流体2に浮かべた際に第2のチャンバー7の内壁と全周に亘って僅かな隙間を形成する。この結果、フロート8と第1のチャンバー1の内壁との間で全周に亘って作用する非圧縮性流体の表面張力によって該フロート8が第2のチャンバー7内で軸方向中心位置に維持される。
なお、第1のチャンバー1内の非圧縮性流体2と第2のチャンバー7の非圧縮性流体2とは、連結路4を通して連続しており、図3に示すように、第2のチャンバー7の内径断面積Bは、第1のチャンバー1の内径断面積Aよりも相対的に小さくなっている。なお、この実施形態では、第1のチャンバー1、第2のチャンバー7ともに円筒形状を有するものについて説明したが、これに限定されるものではなく、また、両者間で断面積の相違を除いて横断面形状が異なるものであってもよい。
初めに、インジェクタ100の1ショットの噴射によるガス噴射量を測定する手順について説明する。
初期動作として、電磁弁5、電磁弁14〜16を開放し、第1のチャンバー1の空間1a内と第2のチャンバー7の空間7a内のガス圧を等しくする(ステップa1)。この際に、背圧管11、12、13における背圧はリリーフバルブ17によって調整される。
次いで、電磁弁14〜16を閉じ、一方、ガス供給流路23では開閉弁21を開き、減圧弁22で所定圧力に減圧した状態でガスタンク20からインジェクタ100に加圧ガスを供給する。インジェクタ100では非動作時には噴射口は閉じられており、この状態により噴射待機状態になる(ステップa2)。また、噴射待機状態では、変位センサ40、圧力センサ41、温度センサ42がそれぞれ検知状態になっている。
上記演算後は、背圧管11〜13の電磁弁14〜16を開いて次の測定に備えることができる(ステップa6)。
先ず、1ショット時と同様に、初期動作として、電磁弁5、電磁弁14〜16を開放し、第1のチャンバー1の空間1a内と第2のチャンバー7の空間7a内のガス圧を等しくする(ステップb1)。背圧管11、12、13における背圧はリリーフバルブ17によって調整される。その後、電磁弁14、16は開いたままにして、電磁弁5、15を閉じて連続噴射に備える(ステップb2)。この際にマスフローメータ19では、ガス流量の測定が可能になっている。この状態で設定回数の連続噴射を開始する(ステップb3)。
PC30では、上記連続噴射の開始に伴って、予め定めた連続ショットの噴射に応じた指令をコントローラ31に発行する。コントローラ31では、該指令に従って制御信号を生成し、インジェクタドライバ32に送出する。該インジェクタドライバ32では、制御信号に従って駆動信号(複数パルス)を生成し、インジェクタ100に送出する。駆動信号を受けたインジェクタ100では、連続ショット指令に従って、所定の時間間隔で所定の時間噴射口を開くことで、ガス供給流路23から供給される圧力ガスが連続ショットで噴射される。このショットによるガスは、第1のチャンバー1の空間1aを経て背圧管11、背圧管13を通ってさらにリリーフバルブ17、流量制御弁18を通してマスフローメータ19に導入される。この際にガス流は流量制御弁18によって連続流に整流される。マスフローメータ19では、複数回のショットによるガスが連続流としてガス流量が測定されている(ステップb4)。したがって、この測定流量をショット回数で除することで、1ショット当たりの平均ガス噴射量を算出することができる(ステップb5)。
インジェクタ100では、その後も連続噴射が行われ、上記で説明したように噴射に伴ってフロート3の下降、非圧縮流体2の移動、フロート8の上昇がショット毎に連続して生じ、その度に、上記1ショット時と同様に第2のチャンバー7内の空間圧力、フロート8の変位量、第2のチャンバー7内の空間温度が測定されてPC30でデータが取得される(ステップb7)。PC30では、各ショット時における空間7a内の圧力変動と、フロート8の変位量とに基づいて第1のチャンバー1内に導入されたガスの体積変化量から噴射量を演算する(ステップb8)。また、この際に1ショット時と同様に温度センサ42による測定結果を利用して温度変動も考慮して噴射量をより正確に演算することも可能になる。該演算は、ショット毎に行ってもよく、また、上記データを適宜のメモリ、HDDなどの記録手段に記録しておき、これを適宜読み出して演算を行うようにしてもよく、連続噴射終了の後に演算を行ってもよい。設定回数で連続ショットを行うことにより測定を終了し(ステップb9)、各電磁弁を開いて待機状態にする(ステップb10)。この連続ショット時の測定によりショット毎のバラツキを測定することができる。この際に上記マスフローメータ19で測定した平均噴射量を参考にして評価を行うことができる。
1a 空間
2 非圧縮性流体
3 フロート
4 連結路
5 電磁弁
6 減圧弁
7 第2のチャンバー
7a 空間
8 フロート
11 背圧管
12 背圧管
13 背圧管
14 電磁弁
15 電磁弁
16 電磁弁
25 噴射室
30 PC
40 変位センサ
41 圧力センサ
42 温度センサ
100 インジェクタ
Claims (7)
- ガスインジェクタの特性を測定する測定試験装置において、前記ガスインジェクタの下流側に、それぞれ空間を残して非圧縮性流体が封入され、該非圧縮性流体上に前記空間の圧力を前記非圧縮性流体に付加するフロートが浮かべられた第1のチャンバーと前記非圧縮性流体上に該非圧縮性流体の圧力を前記空間に付加するフロートが浮かべられた第2のチャンバーとが設けられており、前記第1のチャンバーは、前記ガスインジェクタのガス噴射によるガスが前記フロート上の前記空間に導入されるように該インジェクタに連結され、前記第2のチャンバーは前記第1のチャンバーとの間で前記第1のチャンバーへの前記ガスの導入に伴い前記第1のチャンバー内の前記非圧縮性流体が前記第2のチャンバー内のフロート下方で前記非圧縮性流体中に移動するように前記第1のチャンバーに連結されていることを特徴とするガスインジェクタの特性測定試験装置。
- ガスインジェクタの特性を測定する測定試験装置において、前記ガスインジェクタの下流側に、それぞれ空間を残して非圧縮性流体が封入され該非圧縮性流体にフロートが浮かべられた第1のチャンバーと第2のチャンバーとが設けられており、前記第1のチャンバーは、前記ガスインジェクタのガス噴射によるガスが前記フロート上の空間に導入されるように該インジェクタに連結され、前記第2のチャンバーは前記第1のチャンバーとの間で前記非圧縮性流体が移動可能となるように前記第1のチャンバーに連結されており、
前記ガスインジェクタと前記第1のチャンバーとが噴射室を介して前記連結がなされており、前記第1のチャンバーに対する前記ガスの導入方向が該第1のチャンバー内壁の接線方向に略沿い、かつ水平方向に略沿っていることを特徴とするガスインジェクタの特性測定試験装置。 - 前記第1のチャンバーと第2のチャンバーとは、流量制御弁を介して前記連結が行われていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスインジェクタの特性測定試験装置。
- 前記第2のチャンバーのフロートの位置を検出する位置センサと、該第2のチャンバー内の空間圧力を検出する圧力センサと、前記位置センサと前記圧力センサの検出結果に基づいて第1のチャンバーに導入されたガスの噴射量を算出する噴射量演算部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスインジェクタの特性測定試験装置。
- 前記第1のチャンバーの横断面積が前記第2のチャンバーの横断面積よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスインジェクタの特性測定試験装置。
- 互いに連結された二つのチャンバーにそれぞれ空間を残して非圧縮性流体を封入して該非圧縮性流体上にそれぞれフロートを浮かべ、一方の第1のチャンバーの空間に噴射ガスを導入し、該ガスの導入による圧力を前記フロートを介して前記非圧縮性流体に付加して該非圧縮性流体が他方の第2のチャンバー側で前記フロート下方の前記非圧縮性流体中に移動して前記フロートを介して変化する該第2のチャンバーの空間圧力と前記非圧縮性流体の移動量とを測定して前記導入ガスの噴射量を算出することを特徴とするガスインジェクタの特性測定試験方法。
- 前記第1のチャンバーの横断面積を前記第2のチャンバーの横断面積よりも大きくして、前記第1のチャンバー側における前記非圧縮性流体の移動量を前記第2のチャンバー側で増幅して測定することを特徴とする請求項6記載のガスインジェクタの特性測定試験方法。
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