以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図5は、本発明の実施の形態におけるフォーマット変換ファイル作成装置のハードウェア構成例を示す図である。ここで、フォーマット変換ファイルとは、統合DBと連携する各システム(以下「連携システム」という。)のデータフォーマットと統合DBのデータフォーマットとの変換規則が定義されたファイルをいう。また、統合DBとは、複数のシステム間のデータ連携を行うための仲介的又は共通的なデータベースをいう。更に、データフォーマットとは、システムにおいて管理されている情報の構造(例えば、ツリー構造)やその構造を構成する各データ項目の属性情報(項目名、データ型等)等を含む情報をいい、例えば、スキーマ情報とも呼ばれる。
なお、フォーマット変換ファイルは、それによる変換の方向によって2種類に分けられる。すなわち、連携システムから統合DBへの変換を行うフォーマット変換ファイルを入力用フォーマット変換ファイルといい、その逆変換を行うフォーマット変換ファイルを出力用フォーマット変換ファイルという。
図5のフォーマット変換ファイル作成装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100と、補助記憶装置102と、メモリ装置103と、演算処理装置104と、表示装置105と、入力装置106とを有するように構成される。
フォーマット変換ファイル作成装置10での処理を実現するプログラムは、CD―ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。演算処理装置104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってフォーマット変換ファイル作成装置10に係る機能を実行する。表示装置105はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置106はキーボード及びマウス等で構成され、様々な操作指示を受け付けるために用いられる。
図6は、本発明の実施の形態におけるフォーマット変換ファイル作成装置の機能構成例を示す図である。図6において、フォーマット変換ファイル作成装置10は、基本フォーマット変換ファイル編集部11、基本フォーマット変換ファイル評価部12、抽象化項目設定部13、フォーマット変換ファイル管理部14、基本フォーマット変換ファイルDB21、フォーマット定義DB22、関数定義DB23、抽象化項目設定DB24、及びフォーマット変換ファイルDB25等より構成される。これらの機能は、フォーマット変換ファイル作成装置10にインストールされたプログラムの処理によって実現される。
基本フォーマット変換ファイル編集部11は、基本フォーマット変換ファイルの作成又は修正を行わせるための画面(以下「基本フォーマット変換ファイル編集画面」という。)を介したユーザとの対話によって基本フォーマット変換ファイルの作成及び編集等を行う。ここで、基本フォーマット変換ファイルとは、変換規則の定義において、連携システム側のデータ項目名等が具体的に特定されずに抽象化(穴あき状態)された、すなわち変数として表現された、雛型としてのフォーマット変換ファイルをいう。
図7は、基本フォーマット変換ファイルを説明するための図である。図7において、左側には連携システムごとの具体的なフォーマット変換ファイルの定義が表形式で示されている。すなわち、フォーマット変換ファイルA501とフォーマット変換ファイルB502とは、それぞれ異なる連携システムに対応している。但し、両者の相違点は、変換前の項目名のみである。この項目名の相違点を抽象化(変数化)させたものが図中右側の基本フォーマット変換ファイル503である。
変換規則が抽象化された基本フォーマット変換ファイルが一つ作成されることで、その基本フォーマット変換ファイルと類似した「型」の具体的なフォーマット変換ファイルの作成が容易となる。図7の例では、基本フォーマット変換ファイル503を作成しておくことで、フォーマット変換ファイルA501及びフォーマット変換ファイルB502の作成については、抽象化された部分を埋めるだけ、すなわち変数に具体的な値を適用するだけの作業でよい。なお、基本フォーマット変換ファイルにおいて抽象化された項目を以下「抽象化項目」という。
図8は、基本フォーマット変換ファイル編集画面の表示例を示す図である。図8の基本フォーマット変換ファイル編集画面110の表示例では、基本フォーマット変換ファイルの定義がある程度なされた状態が示されている。
すなわち、変換元フォーマット表示領域1106には、変換元(連携システム)のデータフォーマットが表示されており、変換先(統合DB)フォーマット表示領域1107には、変換先のデータフォーマットが表示されている。変換元フォーマット表示領域1106における「従業員」と「年齢」とは()で囲まれているが、これらは抽象化項目として定義されたことを示す。
変換元と変換先とのデータ項目を結ぶリンクl1及びl2は、変換元((従業員名)又は(年齢))の値がそのまま変換先(従業員名又は年齢)に登録される旨の定義を示す。また、変換元の「せいべつ」から関数f1へのリンクl3と、関数f1から変換先の「従業員性別」へのリンクl4とによって、変換元の「せいべつ」の値は、関数f1を介して変換先の「従業員性別」に登録される旨が定義されたことが示されている。ここで関数とは、例えば、性別について連携システムでは「0」又は「1」で表現され、統合DBでは「m」又は「f」で表現されるといった場合のように変換元の値が変換先の値としてそのまま扱えない場合に両者の対応関係を規定する情報をいう。
また、定数c1から変換先の「ソート順」へのリンクl5によって、変換先の「ソート順」には定数c1の値(1)が代入される旨が定義されたことが示されている。
上記のように、基本フォーマット変換ファイル編集画面110では、変換元のデータフォーマットと変換先のデータフォーマットとの間の変換規則、すなわち、基本フォーマット変換ファイルの定義情報を作成することができる。作成された基本フォーマット変換ファイルに関する定義情報は基本フォーマット変換ファイルDB21に保存される。
図6に戻る。基本フォーマット変換ファイル評価部12は、既存の基本フォーマット変換ファイルを再利用して新たな基本フォーマット変換ファイルを作成する際に用いられ、基本フォーマット変換ファイルDB21に管理されている既存のフォーマット変換ファイルについて再利用の適否に関する評価を行い、その評価結果をユーザに提示する。
抽象化項目設定部13は、GUIを介して抽象化項目に対する具体的な値をユーザに設定させる。抽象化項目に設定された値(以下「抽象化項目設定値」という。)は、抽象化項目設定DB24に保存される。
フォーマット変換ファイル管理部14は、抽象化項目設定値と基本フォーマット変換ファイルとに基づいて特定の連携システムに対する具体的なフォーマット変換ファイルを作成する。作成されたフォーマット変換ファイルに関する情報はフォーマット変換ファイルDB25に保存される。
フォーマット定義DB22は、統合DBも含めてシステムごとのデータフォーマットの定義情報(フォーマット定義)を管理するデータベースであり、フォーマット定義テーブル及びフォーマット定義項目テーブルより構成される。
図9は、フォーマット定義DBを構成するフォーマット定義テーブルの構成例を示す図である。フォーマット定義テーブル221は、フォーマット定義を管理するテーブルである。フォーマット定義テーブル221における一レコードは一つのフォーマット定義を表現し、フォーマット定義ID、フォーマット定義名、及びフォーマット種別等の項目より構成される。
フォーマット定義IDは、各フォーマット定義を識別するためのIDであり、フォーマット定義が登録される際に自動採番される。フォーマット定義名は、フォーマット定義に付けられた名前である。フォーマット種別は、当該フォーマット定義が「変換元システムフォーマット」、「統合DB用フォーマット」、又は「変換先システムフォーマット」のいずれであるのかを示す情報である。「変換元システムフォーマット」とは、統合DBに対して変換元(統合DBに対してデータを出力する側)となるシステムのフォーマット定義を示す。「統合DB用フォーマット」は、統合DBのフォーマット定義を示す。「変換先システムフォーマット」とは、統合DBからの変換先(統合DBからデータを取り込む側)となるシステムのフォーマット定義を示す。
また、図10は、フォーマット定義DBを構成するフォーマット定義項目テーブルの構成例を示す図である。フォーマット定義項目テーブル222は、フォーマット定義によって規定されるデータフォーマットを構成する、それぞれが値を有する要素、すなわち、各データ項目(以下「フォーマット定義項目」という。)の定義情報を管理するテーブルである。フォーマット定義項目テーブル222における一レコードは一つのフォーマット定義項目を表現し、フォーマット定義ID,項目ID,親項目ID、項目種別、項目名、項目名抽象化フラグ、データ型、データ長、及びソート順等の項目より構成される。
フォーマット定義IDは、当該フォーマット定義項目が属するフォーマット定義のフォーマット定義IDである。一つのフォーマット定義には複数のフォーマット定義項目が属し得る。項目IDは、各フォーマット定義項目を識別するためのIDであり、自動採番される。親項目IDは、データフォーマットがツリー構造のような階層構造を構成する場合に当該フォーマット定義項目の親項目を識別するためのIDである。当該項目がルートとなる場合はNULL値が設定される。
項目種別は、当該フォーマット定義項目が「階層」であるのか「末端」であるのかの別を示す情報である。「階層」とは、ツリー構造において子ノードを有するノードに係るフォーマット定義項目をいう。一方、「末端」とは、子ノード持たないノードに係るフォーマット定義項目をいう。例えば、図8の変換先データフォーマットにおいて、「従業員一覧」及び「従業員情報」は「階層」に分類され、「従業員名」、「従業員コード」、「従業員性別」、及び「ソート順」は「末端」に分類される。
項目名は、フォーマット定義項目の名前である。項目名抽象化フラグは、当該フォーマット定義項目の項目名が抽象化項目であるか否かを示すフラグである。データ型、データ長は、当該フォーマット定義項目のデータ型、データ長を示す。ソート順は、当該フォーマット定義項目が属する階層の中での表示順を示す。
図6の基本フォーマット変換ファイルDB21について説明する。基本フォーマット変換ファイルDB21は、基本フォーマット変換ファイルに関する情報を管理するデータベースであり、基本フォーマット変換定義テーブル、設定リンク情報テーブル、設定関数項目テーブル、設定定数項目テーブル、及び抽象化項目管理テーブル等より構成される。
図11は、基本フォーマット変換ファイルDBを構成する基本フォーマット変換定義テーブルの構成例を示す図である。基本フォーマット変換定義テーブル211は、基本フォーマット変換ファイルにおける変換規則の定義情報(以下「基本フォーマット変換定義情報」という。)を管理するテーブルである。基本フォーマット変換定義テーブル211における一レコードは、一つの基本フォーマット変換定義情報(一つのフォーマット定義と他のフォーマット定義との間の一方向の変換規則の定義情報)を表現し、基本フォーマット変換定義ID,変換元フォーマット定義ID、変換先フォーマット定義ID、入出力種別、基本フォーマット変換ファイル名、及び基本フォーマット変換ファイル等の項目より構成される。
基本フォーマット変換定義IDは、各基本フォーマット変換定義情報を識別するためのIDであり自動採番される。変換元フォーマット定義IDは、当該基本フォーマット変換定義情報において変換元とされるフォーマット定義のフォーマット定義IDである。変換先フォーマット定義IDは、当該基本フォーマット変換定義情報において変換先とされるフォーマット定義のフォーマット定義IDである。
入出力種別は、当該基本フォーマット変換定義情報が入力用であるのか出力用であるのかを示す情報である。基本フォーマット変換ファイル名は、当該基本フォーマット変換定義情報が記述されている基本フォーマット変換ファイルのファイル名である。基本フォーマット変換ファイルは、当該基本フォーマット変換定義情報が記述されている基本フォーマット変換ファイルの実データである。
図12は、基本フォーマット変換ファイルDBを構成する設定リンク情報テーブルの構成例を示す図である。設定リンク情報テーブル212は、変換元と変換先とのデータ項目等ごとの関連付け(リンク)に関する情報を管理するテーブルである。設定リンク情報テーブル212における一レコードは、一つのリンク(例えば、図8における、l1、l2、l3、l4、l5のそれぞれ)を表現し、基本フォーマット変換定義ID、リンクID、リンク元オブジェクト種別、リンク元オブジェクトID、リンク先オブジェクト種別、及びリンク先オブジェクトID等の項目より構成される。
基本フォーマット変換定義IDは、当該リンクが定義されている基本フォーマット変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDである。一つの基本フォーマット変換定義情報に複数のリンクが定義され得る。リンクIDは、各リンクを識別するためのIDであり、自動採番される。
リンク元オブジェクト種別とは、リンクの対象となるオブジェクトのうち変換元のオブジェクト(リンク元)の種別を示す情報である。オブジェクトの種別としては、フォーマット定義項目、関数、又は定数がある。リンク元オブジェクトIDは、リンク元のオブジェクトを識別するためのIDであり、オブジェクトの種別に応じて項目ID、関数ID、又は定数IDが登録される。項目IDとは、フォーマット定義項目の項目IDである。関数ID、定数IDは、後述する設定関数項目テーブル又は設定定数項目テーブルにおいて各関数又は定数を識別するために付されるIDである。
リンク先オブジェクト種別とは、リンクの対象となるオブジェクトのうち変換先のオブジェクト(リンク先)の種別を示す情報である。リンク先オブジェクトIDは、リンク先のオブジェクトを識別するためのIDである。
図13は、基本フォーマット変換ファイルDBを構成する設定関数項目テーブルの構成例を示す図である。設定関数項目テーブル213は、変換元と変換先との間に介在する関数に関する情報(関数情報)を管理するテーブルである。設定関数項目テーブル213における一レコードは、一つの関数を表現し、基本フォーマット変換定義ID、関数ID、抽象化フラグ、関数定義ID、及び関数名等の項目より構成される。
基本フォーマット変換定義IDは、当該関数が定義されている基本フォーマット変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDである。一つの基本フォーマット変換定義情報に複数の関数が定義され得る。関数IDは、各関数を識別するためのIDであり、自動採番される。抽象化フラグとは、当該関数が抽象化項目であるか否かを示すフラグである。関数定義IDは、関数の定義内容が管理されている関数定義DB23において各定義内容を識別するために採番されるIDである。すなわち、ここでは当該関数の定義内容への関連付けがなされているだけであり、実際の定義内容は管理されていない。なお、関数定義IDは、抽象化フラグがONである場合は無効なものとして扱われる。抽象化されている場合の具体的な定義内容は、基本フォーマット変換ファイルより派生した個々のフォーマット変換ファイルで定義されるからである。関数名は、当該関数の関数名である。但し、抽象化フラグがOFFの場合、この値は無効なものとして扱われる。
図14は、基本フォーマット変換ファイルDBを構成する設定定数項目テーブルの構成例を示す図である。設定定数項目テーブル214は、変換先に設定される定数に関する情報(定数情報)を管理するテーブルである。設定定数項目テーブル214における一レコードは、一つの定数を表現し、基本フォーマット変換定義ID、定数ID、抽象化フラグ、定数値、及び定数名等の項目より構成される。
基本フォーマット変換定義IDは、当該定数が定義されている基本フォーマット変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDである。一つの基本フォーマット変換定義情報に複数の定数が定義され得る。定数IDは、各定数を識別するためのIDであり、自動採番される。抽象化フラグとは、当該定数が抽象化項目であるか否かを示すフラグである。定数値は、当該定数の値である。但し、定数値は、抽象化フラグがONである場合は無効なものとして扱われる。抽象化フラグがONである場合、具体的な値は個々のフォーマット変換ファイルで定義されるからである。定数名は、当該定数の定数名である。但し、抽象化フラグがOFFの場合、この値は無効なものとして扱われる。
図15は、基本フォーマット変換ファイルDBを構成する抽象化項目管理テーブルの構成例を示す図である。抽象化項目管理テーブル215は、基本フォーマット変換定義情報において設定された抽象化項目に関する情報を管理するテーブルである。抽象化項目管理テーブル215における一レコードは、一つの抽象化項目を表現し、基本フォーマット変換定義ID、抽象化項目ID、対象ID、抽象化項目種別、及び抽象化項目名等の項目より構成される。
基本フォーマット変換定義IDは、当該抽象化項目が設定されている基本フォーマット変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDである。一つの基本フォーマット変換定義情報に複数の抽象化項目が設定され得る。抽象化項目IDは、各抽象化項目を識別するためのIDである。対象IDは、抽象化項目とされたオブジェクトを特定するためのIDであり、項目ID(図10)、関数ID(図13)、又は定数ID(図14)が登録される。抽象化項目種別は、当該抽象化項目の種別(項目名、関数、又は定数の別)を示す情報である。抽象化項目名は、当該抽象化項目の名前である。
関数定義DB23(図6)について説明する。図16は、関数定義DBを構成する関数定義テーブルの構成例を示す図である。関数定義テーブル231は、関数の定義内容を管理するテーブルである。関数定義テーブル231における一レコードは、一つの関数に対応し、関数定義ID、関数名、及び関数定義内容等の項目より構成される。
関数定義IDは、各定義内容を識別するためのIDであり、自動採番される。関数名は、当該定義内容に係る関数の関数名である。関数定義内容は、関数の定義内容そのものである。なお、記述言語は所定のものに限定されない。
抽象化項目設定DB24(図6)について説明する。図17は、抽象化項目設定DBを構成する抽象化項目設定情報テーブルの構成例を示す図である。抽象化項目設定情報テーブルは、基本フォーマット変換定義情報における抽象化項目に対して設定された値を管理するテーブルである。抽象化項目設定情報テーブル241における一レコードは、一つの抽象化項目に対する設定情報に対応し、基本フォーマット変換定義ID、抽象化項目設定ID,抽象化項目ID、抽象化項目設定値、及び出力フラグ等の項目より構成される。
基本フォーマット変換定義IDは、対応する抽象化項目が設定されている基本フォーマット変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDである。抽象化項目設定IDは、各抽象化項目の設定情報を識別するためのIDであり、自動採番される。抽象化項目IDは、抽象化項目管理テーブル215(図15)における抽象化項目IDであり、対応する抽象化項目を特定するためのものである。抽象化項目設定値は、抽象化項目に対して設定された値である。出力フラグは、当該抽象化項目が、具体的なフォーマット変換ファイルにおいて変換対象とされるか否かを示すフラグである。
フォーマット変換ファイルDB25(図6)について説明する。図18は、フォーマット変換ファイルDBを構成するフォーマット変換ファイル管理テーブルの構成例を示す図である。フォーマット変換ファイル管理テーブル251は、連携システムごとの具体的なフォーマット変換ファイルに関する情報を管理するテーブルである。フォーマット変換ファイル管理テーブル251における一レコードは、一つのフォーマット変換ファイルを表現し、基本フォーマット変換定義ID、抽象化項目設定ID、フォーマット変換ファイル、及び利用システム名等の項目より構成される。
基本フォーマット変換定義IDは、当該フォーマット変換ファイルの雛型とされた基本フォーマット変換定義情報を識別するための基本フォーマット変換定義IDである。抽象化項目設定IDは、当該フォーマット変換ファイルの作成の際に参照された抽象化項目の設定情報(図17)を特定するための抽象化項目設定IDである。フォーマット変換ファイルは、フォーマット変換ファイルの実データである。利用システム名は、当該フォーマット変換ファイルを利用する連携システムのシステム名である。
以下、図6のフォーマット変換ファイル作成装置10の処理手順について説明する。図19は、フォーマット変換ファイル作成装置におけるフォーマット変換ファイルの作成又は再利用時の処理概要の一例を説明するためのフローチャートである。
例えば、ユーザが、統合DBに対して他のシステムを新たに連携させたいときは、以下のような処理によって連携が実現される。
まず、基本フォーマット変換ファイル評価部12は、基本フォーマット変換ファイルDB21(図11〜図15)に登録されている既存の基本フォーマット変換ファイルについて再利用の適否に関する評価(再利用性の評価)を行い、評価結果をユーザに提示する(S11)。再利用に適した基本フォーマット変換ファイルが存在しない場合(S13でNo)、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、新たな基本フォーマット変換ファイルの作成、又は既存の基本フォーマット変換ファイルの修正を行う(S15)。基本フォーマット変換ファイル編集部11は、作成又は修正された基本フォーマット変換ファイルの定義情報等を、基本フォーマット変換ファイルDB21及び関数定義DB23(図16)に登録する。
再利用可能な基本フォーマット変換ファイルが存在した場合(S13でYes)又はステップS15に続いて、抽象化項目設定部13は、基本フォーマット変換ファイルにおける抽象化項目に、連携システムに対応した値(抽象化項目設定値)を設定する。抽象化項目設定部13は、抽象化項目に対する設定情報を抽象化項目設定DB24(図17)に登録する。また、フォーマット変換ファイル管理部14は、抽象化項目設定DB24及び基本フォーマット変換ファイルDB21に基づいて、基本フォーマット変換ファイルおける抽象化項目に対して設定値を適用することにより、連携システムに対応したフォーマット変換ファイルを生成する(S17)。フォーマット変換ファイル管理部14は、生成されたフォーマット変換ファイルをフォーマット変換ファイルDB25(図18)に登録する。
その後、フォーマット変換ファイル管理部14によってフォーマット変換ファイルの利用状況等を示す情報が登録される(S19)。
なお、図19においては、基本フォーマット変換ファイルの評価(S11)が最初に行われているが、ユーザの任意によって基本フォーマット変換ファイルの新規作成等(S15)を最初に行ってもよい。
続いて、図19の各ステップの詳細について説明する。まずは、ステップS15における基本フォーマット変換ファイルの新規作成又は修正処理について説明する。
図8を参照しながら、基本フォーマット変換ファイル編集画面110の操作方法について説明する。図8において、基本フォーマット変換ファイル編集画面110は、その上方に基本フォーマット変換ファイル選択ボックス1101、編集ボタン1102、削除ボタン1103、及び新規作成ボタン1104等が配置され、編集フレーム1105に、変換元フォーマット表示領域1106、変換先フォーマット表示領域1107、項目追加ボタン1108、関数追加ボタン1109、定数追加ボタン1110、関数定義ボタン1111、編集ボタン1112、削除ボタン1113、抽象化ボタン1114、及び保存ボタン1115等が配置されている。
基本フォーマット変換ファイル選択ボックス1101は、基本フォーマット変換ファイルDB21に既に登録されている基本フォーマット変換ファイルのファイル名の一覧を表示させるプルダウンリストを有するコンボボックスであり、修正対象とする基本フォーマット変換ファイルを選択させるためのものである。なお、ここで選択された基本フォーマット変換ファイルを以下「カレント基本フォーマット変換ファイル」という。
編集ボタン1102がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、カレント基本フォーマット変換ファイルの定義情報を基本フォーマット変換ファイルDB21より取得し、編集フレーム1105に表示させる。
削除ボタン1103がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、カレント基本フォーマット変換ファイルの定義情報を基本フォーマット変換ファイルDB21より削除する。
新規作成ボタン1104がクックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、新規作成編集ダイアログを表示させる。
図20は、新規作成編集ダイアログの表示例を示す図である。図20において、新規作成編集ダイアログ31は、ファイル名入力領域311、入出力種別選択ボックス312、及び統合DB側フォーマット定義選択ボックス313等を有している。これらの部品を介して、基本フォーマットのファイル名が入力され(311)、入力用又は出力用の基本フォーマット変換ファイルであるか否かが選択され(312)、連携の対象とする統合DB側のフォーマット定義が選択される(313)。更に、登録ボタン314がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、新規作成編集ダイアログ31における設定内容を基本フォーマット変換ファイル編集画面110に反映させる。
図21は、新規作成編集ダイアログの設定内容が反映された基本フォーマット変換ファイル編集画面の表示例を示す図である。
図21に示されるように、入力されたファイル名が基本フォーマット変換ファイル選択ボックス1101のプルダウンリストに追加され、選択状態とされる。また、統合DBのフォーマット定義がフォーマット定義DB22より取得され、新規作成される基本フォーマット変換ファイルの入力用又は出力用の別に応じて、変換先フォーマット表示領域1107又は変換元フォーマット定義変換元フォーマット表示領域1106に表示される。すなわち、新規作成される基本フォーマット変換ファイルが入力用である場合、統合DBは変換先とされ、新規作成される基本フォーマット変換ファイルが出力用である場合、統合DBは変換元とされる。
この状態において、ユーザは、変換先フォーマット表示領域1107にツリー表示されている変換先データフォーマットのいずれかのフォーマット定義項目を変換元フォーマット表示領域1106にドラッグ&ドロップすることにより、変換先と変換元との間の基本フォーマット変換定義情報を容易に作成することができる。
図22は、変換先のデータフォーマットのドラッグ&ドロップによる編集操作を説明するための図である。図中(A)に示されるように、変換先データフォーマットのフォーマット定義項目「従業員情報」がドラッグされ、変換元データフォーマット表示領域1106にドロップされると、基本フォーマット変換ファイル編集画面110の表示は図中(B)のようになる。
すなわち、変換元データフォーマット表示領域1106には、ドロップされたフォーマット定義項目「従業員情報」以下のデータフォーマットがそのままコピーされる。これによって、自動的に変換元(すなわち、連携システム)のフォーマット定義がなされたことになる(S15a)。
また、コピー先とコピー元とにおいて、それぞれ対応するフォーマット定義項目の間にリンクが設定される。これによって自動的に変換元と変換先とのフォーマット定義項目の関連付けが行われたことになる(S15b)。
また、関数や定数とのリンクについても自動的に設定される(S15c、S15d)。
なお、変換元データフォーマット表示領域1106において、全てのフォーマット定義項目名は()で囲まれて表示されている。これは、各フォーマット定義項目の項目名はデフォルトで抽象化項目とされることを示す。ここで作成されるのは、基本フォーマット変換ファイルであるからである。
図22において説明した機能の実現方法、すなわち、フォーマット定義項目のドラッグ&ドロップに応じて、基本フォーマット変換ファイル編集部11によって実行される処理について説明する。
図23は、フォーマット定義項目のドラッグ&ドロップ時の処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、図22に対応させて、変換先が統合DBである場合(入力用である場合)について説明するが、変換元が統合DBである場合もほぼ同様の処理によって行うことができる。
変換元データフォーマット表示領域1106及び変換先データフォーマット表示領域1107の間でフォーマット定義項目のドラッグ&ドロップが行われると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、コピー元とされたフォーマット定義項目(以下「カレントコピー元項目」という。)の定義情報(図10)のコピーをメモリ上に作成し、この定義情報のコピーをコピー先のフォーマット定義項目(以下「カレントコピー先項目」という。)の定義情報とする(S150)。
但し、定義情報のうち、フォーマット定義ID、項目ID、親項目ID、項目名抽象化フラグについては、コピー元の値はそのまま用いない。すなわち、フォーマット定義IDは、連携システム側のフォーマット定義IDに置換される。また、項目IDは、連携システム側の値が新たに採番される。また、親項目IDは、連携システム側における親項目のIDに置換されるかNULL値とされる。また、項目名抽象化フラグはON(抽象化)に初期化される。
続いて、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、連携させようとしている統合DBのデータフォーマットを変換対象としている全ての既存の基本フォーマット変換定義情報(すなわち、これから作成しようとしている基本フォーマット変換ファイルの参考になりそうな基本フォーマット変換定義情報)の基本フォーマット変換定義IDを基本フォーマット変換定義テーブル(図11)より抽出し、そのリストを作成する(S151)。すなわち、変換先フォーマット定義ID(図11)が、現在コピー元とされている統合DBのフォーマット定義ID(図9)と一致する基本フォーマット変換定義情報の基本フォーマット変換定義ID(図11)のリストが作成される。
ステップS151において作成されたリストが空でなかった場合(S152でNo)、すなわち、既に同一のデータフォーマットを変換対象としている基本フォーマット変換定義情報が存在する場合、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、基本フォーマット変換定義IDのリストに基づいて、カレントコピー元項目について、既存の基本フォーマット変換定義情報で行われている変換の経路情報(リンクの繋がり)の一覧を作成する(S153)。より詳しくは、リストに含まれている基本フォーマット変換定義IDごとに設定リンク情報テーブル212(図12)が参照され、そのリンク先オブジェクトIDがカレントコピー元項目を示すリンク情報を検索する。更に、検索されたリンク情報におけるリンク元オブジェクトIDによってリンク先が特定される。
例えば、カレントコピー元項目が「従業員情報」である場合(図22)、リンクl11によってリンク元が(従業員情報)であることが特定される。また、カレントコピー元項目が「従業員性別」である場合、リンクl15によって関数f1がリンク元として特定される。更に、関数f1をリンク先オブジェクトとするリンクl14によって(従業員性別)がカレントコピー元項目「従業員性別」から始まる経路の最も上流のリンク元であることが特定される。
したがって、このようなリンクの繋がりが経路情報として基本フォーマット変換定義情報ごとに作成される。
続いて、基本フォーマット変換ファイル編集部12は、基本フォーマット変換定義情報ごとに作成された経路情報において、経由するオブジェクトの種類(項目、関数、定数)の順序が全て一致するか否かを判定する(S154)。すなわち、既存の基本フォーマット変換定義情報において、カレントコピー元項目に対する変換内容は全て同じであるのか否かが判定される。
経路情報における経由するオブジェクトの種類が同じである場合、既存の基本フォーマット変換定義情報から得られた経路情報をカレントコピー元項目とカレントコピー先項目とを結ぶ経路情報としてメモリ上コピーする(S155)。すなわち、リンク情報(図12)と、関数又は定数が経路に含まれる場合は、関数項目情報(図13)、定数項目情報(図14)等とがコピーされる。
すなわち、過去に設定されている関数情報や定数情報をそのまま今回の基本フォーマット定義に流用することにより、自動的に関数や定数を設定するというわけである。ただし経路のコピーを行うにあたって、コピーの対象となるオブジェクトの設定値が全ての経路において同一ではない場合、または全ての経路において抽象化フラグがオフでない場合には、経路情報のコピーは行われるが、関数や定数については抽象化項目とされる(抽象化フラグがONとされる)。関数や定数を一意に定めることができないため、抽象化項目としておき、その内容は具体的なフォーマット変換ファイルの作成の際にユーザの判断に委ねるというわけである。
一方、経路情報における経由するオブジェクトの種別が完全に一致しない場合、例えば、経路に関数や定数が含まれているものとこれらが含まれていないものとが混在していたりする場合は、一般的な経路は定まっていないため、経路情報のコピーは行われない。
ステップS155又はステップS154で全ての経路に存在するオブジェクトの種別が同じでなかった場合は続いてS156に進み、ステップS150でコピーしたカレントコピー先項目のフォーマット定義の更新が必要かどうかを判定する。詳しくは、経路の始点となるオブジェクトが項目ではなく定数の場合又はコピー先の項目のフォーマット定義のデータ種別とデータ長が、全ての経路において同一の場合は、フォーマット定義の更新の必要はないと判断する。それ以外の場合は、S157に進み、データフォーマット定義の更新を行う。詳しくは経路情報内のコピー先の項目のデータ種別が全て同一であり、かつ経路内のコピー先の項目のデータ長に異なるものがある場合には、データ種別を経路情報内のコピー先項目のデータ種別に設定し、データ長は経路情報内のコピー先項目のデータ長の最大値を設定する。それ以外の場合には、カレントコピー先項目のデータ種別とデータ長のメモリ上のデータを未設定状態に設定し更新する。
ステップS157又はS156でフォーマット定義更新の必要がなかった場合は続いてステップS158に進み、基本フォーマット変換ファイル編集部12は、カレントコピー元項目が階層であるのか末端であるのかを判定する。階層である場合はその下のフォーマット定義項目についても再帰的に処理が行われる(S15A)。末端である場合はそのまま処理が終了する。
一方、ステップS152で、基本フォーマット変換定義IDのリストが空であった場合、すなわち、参考にできるものがなかった場合、変換部12は、カレントコピー元項目とカレントコピー先項目との間のリンク情報(図12)をメモリ上に生成する(S159)。その後ステップS158以降の処理を実行する。
以上の処理によってメモリ上に作成された各種情報に基づいて、図22において説明した表示がなされる。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110のその他の機能について説明する(図8)。
変換元フォーマット表示領域1106又は変換先フォーマット表示領域1107において、いずれかのフォーマット定義項目(ノード)が選択され、項目追加ボタン1108がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、項目編集ダイアログを表示させる。
図24は、項目編集ダイアログの表示例を示す図である。ユーザは、項目編集ダイアログ32において新たに追加するフォーマット定義項目の項目名(321)、項目種別(322)、データ型(323)、データ長(324)、ソート順(325)、抽象化フラグ(326)を設定することができる。登録ボタン327がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、項目編集ダイアログ32において設定されたフォーマット定義項目の定義情報(図10)をメモリ上に保持し、そのフォーマット定義項目に対応するノードを、変換元フォーマット表示領域1106又は変換先フォーマット表示領域1107に追加する。この際、選択されているノードが末端であれば選択されているノードと同じ階層に、選択されているノードが階層であればその階層下に新たなノードが追加される。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110において関数追加ボタン1109がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、関数編集ダイアログを表示させる。
図25は、関数編集ダイアログの表示例を示す図である。ユーザは、関数編集ダイアログ33において抽象化フラグ(331)、関数(332)、及び関数名(333)を設定することができる。関数には関数定義テーブル231より取得された関数名がコンボボックスの選択肢として設定される。但し、関数は、抽象化フラグがOFFに設定された場合のみに選択可能である。また、関数名は、抽象化フラグがONに設定された場合のみ入力可能である。登録ボタン334がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部12は、関数編集ダイアログ33において設定された関数情報(図13)をメモリ上に保持し、その関数を示す矩形(以下、「関数ボックス」という。)を基本フォーマット変換ファイル編集画面110に表示させる(例えば、関数f1を示す矩形)。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110において定数追加ボタン1109がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、定数編集ダイアログを表示させる。
図26は、定数編集ダイアログの表示例を示す図である。ユーザは、定数編集ダイアログ34において抽象化フラグ(341)、定数値(342)、及び定数名(343)を設定することができる。但し、定数値については、抽象化フラグがOFFに設定された場合のみに入力可能である。また、定数名は、抽象化フラグがONに設定された場合のみ入力可能である。登録ボタン344がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部12は、定数編集ダイアログ34において設定された定数項目情報(図14)をメモリ上に保持し、その定数を示す矩形(以下「定数ボックス」という。)基本フォーマット変換ファイル編集画面110に表示させる(例えば、定数c1を示す矩形)。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110において関数定義ボタン1111がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、関数定義編集ダイアログを表示させる。
図27は、関数定義編集ダイアログの表示例を示す図である。ユーザは、関数定義編集ダイアログ35において、関数名の入力(351、352)、及び関数の定義(353)を行うことができる。関数名の入力については、コンボボックス351において既存の関数名の中から選択することができる。また、新規登録ボタン352をクリックするとコンボボックスがテキストボックスに変化し、そのテキストボックスに新たな関数名を入力することができる。前者の場合、既存の関数名に対応した関数定義が関数定義テーブル231より取得され関数定義領域353に表示される。登録ボタン354がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、関数定義編集タイアログ35において設定された関数の定義情報(図16)をメモリ上に保持し、その関数定義IDを、選択されている関数ボックスに係るメモリ上の関数情報(図13)の関数定義IDに代入する。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110においてフォーマット定義項目(ノード)、関数ボックス又は定数ボックスが選択された状態で編集ボタン1112がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、選択されたオブジェクトを編集させるためのダイアログ(図24、図25又は図26)を表示させる。したがって、ユーザは、一度設定された情報を修正することができる。修正された内容は、基本フォーマット変換ファイル編集部11によって、画面上と、メモリ上におけるフォーマット定義項目情報(図10)、関数項目情報(図13)又は定数項目情報(図14)とに反映される。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110において削除ボタン1113がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、選択されているフォーマット定義項目、関数、定数、又はリンクに対応するメモリ上のフォーマット定義項目情報(図10)、関数項目情報(図13)、定数項目情報(図14)、又はリンク情報(図12)をメモリ上より削除すると共に、画面上に表示されているノード、関数ボックス、定数ボックス又はリンクを画面上から削除する。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110において抽象化ボタン1114がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、選択されているフォーマット定義項目、関数又は定数に対応するメモリ上のフォーマット定義項目情報(図10)、関数項目情報(図13)、定数項目情報(図14)の抽象化フラグのON/OFFを切り替え、表示上の更新も行う。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110においてフォーマット定義項目のノード、関数ボックス又は定数ボックス間でドラッグ&ドロップが行われると、基本フォーマット変換ファイル編集部12は、ドロップされたオブジェクトからドラッグされたオブジェクトへのリンクを作成する。すなわち、当該リンクに対応するリンク情報(図12)がメモリ上に生成され、リンクを示す矢印がオブジェクト間に表示される。
基本フォーマット変換ファイル編集画面110において保存ボタン1115がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル編集部11は、メモリ上に保持されている各種情報に基づいて基本フォーマット変換ファイルの作成処理を実行する。
図28は、基本フォーマット変換ファイル編集部による基本フォーマット変換ファイルの作成処理を説明するためのフローチャートである。
まず、メモリ上における、連携システム側のフォーマット定義情報及び基本フォーマット変換定義情報が、フォーマット定義DB22又は基本フォーマット変換ファイルDB21に登録される(S161)。
続いて、メモリ上における基本フォーマット変換定義情報に基づいて基本フォーマット変換ファイルが生成される(S162)。すなわち、各リンク情報に基づいて、リンク元(変換元)の値がリンク先(変換先)の値に登録されるように基本フォーマット変換ファイルが生成される。この際、リンク元が定数値である場合は、定数値が変換先に登録されるように定義される。また、リンク内に関数が介在する場合は、変換元の値がその関数によって処理された結果が変換先に登録されるよう定義される。そのように、生成された基本フォーマット変換ファイルは、例えば図29のように示される。
図29は、基本フォーマット変換ファイルの定義例を示す図である。図29において、基本フォーマット変換ファイル5031は、図8の基本フォーマット変換ファイル編集画面110における定義内容に対応するものである。
基本フォーマット変換ファイル5031は、本実施の形態における独自の以下の記述形式に従っている。
(1)基本的には「変換先のパス = 値 ;」の繰り返しで記述する。
(2)組み込み関数として以下の関数を利用できる
・ value(“パス”) :そのパスに存在するデータの値が出力される。
・ func(“関数の処理” ,引数):引数に与えられた値が”関数の処理”によって処理された結果が出力される。
・ cons(“値”) : ”値”によって示される値が出力される。
(3)抽象化項目は次のように記述される。
項目名:Abstract_Name(%項目ID)
関数:Abstract_Func(%関数ID)
定数:Abstract_Cons(%定数ID)
以上より、基本フォーマット変換ファイル5031には以下の旨が定義されていることが分かる。
連携システムにおける「/じゅうぎょういん/(抽象化項目名が抽象化された項目ID=1の項目)」の値が、統合DBの「/従業員一覧/従業員情報/従業員名」に登録される(5031a)。
連携システムにおける「/じゅうぎょういん/(抽象化項目名が抽象化された項目ID=2の項目)」の値が、統合DBの「/従業員一覧/従業員情報/従業員コード」に登録される(5031b)。
連携システムにおける「/じゅうぎょういん/せいべつ」の値を引数として関数ID=1の抽象化関数より出力される値が、統合DBの「/従業員一覧/従業員情報/従業員性別」に登録される(5031c)。
定数ID=1の定数値が、統合DBの「/従業員一覧/従業員情報/ソート順」に登録される(5031d)。
また、図30は、XSLTによる基本フォーマット変換ファイルの定義例を示す図である。図30(A)には、図29と同様の定義がXSLTによってなされた基本フォーマット変換ファイル5032が示されている。図30の基本フォーマット変換ファイル5032において図29に対応する部分は同一符号を付し、その説明は省略する。
図30(B)には、変換元のデータフォーマットによるXMLデータ5033と、XMLデータ5033が基本フォーマット変換ファイル5032によって変換された結果としての変換先のデータフォーマットによるXMLデータ5034とが示されている。
なお、基本フォーマット変換ファイル5032において、抽象化項目は以下のように記述されている。
項目名:Abstract_Name(%項目ID)
関数:Abstract_Func(%関数ID)
定数:Abstract_Cons(%定数ID)
また、抽象化された関数については、基本フォーマット変換ファイル中では具体的な処理内容は記述されない。
図29の例にもあるように、基本フォーマット変換ファイルの記述形式はXSLTに限定されるものではない。但し、XML及びXSLTは、既に確立された技術として一般的に用いられており、XML又はXSLTによって記述された文書を取り扱うためのライブラリも充実している。また、XMLはインターネットとの親和性も高い。かかる観点においてXML及びXSLTを採用するメリットはある。
続いて、生成された基本フォーマット変換ファイルが基本フォーマット変換定義テーブル211(図11)に登録される(S163)。続いて、メモリ上における抽象化項目設定情報が抽象化項目管理テーブル215(図15)に登録され(S164)、処理が終了する。
次に、ステップS11(図19)における、再利用可能な基本フォーマット変換ファイの評価処理について説明する。
基本フォーマット変換ファイル評価部12は、基本フォーマット変換ファイルDB21に登録されている既存の基本フォーマット変換ファイルについて再利用の適否に関する評価機能を提供するための画面(以下「基本フォーマット変換ファイル評価画面」という。)を表示装置105に表示させる。
図31は、基本フォーマット変換ファイル評価画面の表示例を示す図である。図31において、基本フォーマット変換ファイル評価画面120は、総合DBフォーマット選択ボックス121、統合DBフォーマット表示領域122、評価開始ボタン123、入力用フォーマット変換ファイル評価結果表示領域124、及び出力用フォーマット変換ファイル評価結果表示領域125等より構成されている。なお、図31では、各領域に情報が表示されている状態が示されているが、基本フォーマット変換ファイル評価画面120の表示直後の初期状態では、各領域は空欄となっている。
統合DBフォーマット選択ボックス121は、連携対象とする統合DBのフォーマット定義を選択させるためのコンボボックスである。統合DBフォーマット選択ボックス121において統合DBのフォーマット定義が選択されると、基本フォーマット変換ファイル評価部12は、選択されたフォーマット定義(以下「統合DB側フォーマット定義」という。)の定義情報をフォーマット定義DB22より取得し、取得された定義情報を統合DBフォーマット表示領域122にツリー構造で表示させる。
ユーザは、統合DBフォーマット表示領域122において、連携システムと連携させるフォーマット定義項目を選択することができる。すなわち、各フォーマット定義項目にはチェックボタンが配置されており、そのチェックボタンをチェックすることで、当該フォーマット定義項目を連携対象とすることができる。図中では、「名前」、「年齢」、「連絡先」、「電話番号」、「内線番号」、「FAX」が連携対象とされている。ここで選択されたフォーマット定義項目を以下「連携対象項目」という。
評価開始ボタン123がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル評価部12は、基本フォーマット変換ファイルDB21に登録されている全ての基本フォーマット変換ファイルについて連携対象項目の連携の適否に関する評価を行い、入力用フォーマット変換ファイルについての評価結果は入力用フォーマット変換ファイル評価結果表示領域124に、出力用フォーマット変換ファイルについての評価結果は出力用フォーマット変換ファイル評価結果表示領域125に表示させる。図中に示されるように、評価結果として、利用数、余剰項目、不足項目、処理時間、評価値、及び評価コメント等が基本フォーマット変換ファイルごとに表示される。
利用数は、当該基本フォーマット変換ファイルを利用しているシステムの総数を示す。利用数が多いほど、利用実績の高さ及び信頼性の高さが推測され得る。
余剰項目は、連携対象項目の他に当該基本フォーマット変換ファイルが連携することのできるフォーマット定義項目数を示す。余剰項目数が多い程、拡張性の高さ、すなわち、新たなデータ項目を変換する必要が生じた場合の適応可能性の高さが推測され得る。
不足項目は、連携対象項目のうち、当該基本フォーマット変換ファイルが連携することのできない項目の数を示す。不足項目の存在は、不足項目を連携できるよう基本フォーマット変換ファイルの修正の必要性の存在を意味する。
処理時間は、当該基本フォーマット変換ファイルを用いて変換を行ったときの処理時間を示す。処理時間が小さい程、性能の高さが推測され得る。
評価値は、上記の評価項目を総合した結果を数値として表したものである。評価値が高い程、再利用に適していることを示す。
コメントは、上記の評価項目を総合した結果をユーザに分かり易いメッセージとして表現したものである。
また、各基本フォーマット変換ファイルのファイル名の前にはランプ1241が表示される。ランプ1241は、評価値に応じて色分けされて表示され、ユーザに対して当該基本フォーマット変換ファイルのお勧め度を示すものである。ランプ1241は、例えば、最適であれば青で、適していれば黄色で、適していなければ赤で表示される。
ユーザは、以上の評価結果に基づいて、再利用に適した基本フォーマット変換ファイルを適切かつ容易に判断することができる。
以下、評価開始ボタン123がクリックされることにより実行される処理について説明する。図32は、基本フォーマット変換ファイル評価部による基本フォーマット変換ファイルの評価処理を説明するためのフローチャートである。
まず、統合DBフォーマット選択ボックス121において選択されたフォーマット定義と連携している入力用及び出力用の基本フォオーマット変換定義情報のリストが基本フォーマット変換定義テーブル211(図11)より取得される(S111)。
続いて、取得されたリストから一つの基本フォオーマット変換定義情報が順番に処理対象とされる(S112)。ここで処理対象とされた基本フォオーマット変換定義情報を以下「カレント変換定義情報」という。
続いて、フォーマット変換ファイル管理テーブル251(図18)より、カレント変換定義情報に属するレコード(カレント変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDに係るレコード)が抽出され、抽出されたレコードの数が利用システム数とされる(S113)。
続いて、統合DBのフォーマット定義におけるフォーマット定義項目のうち、カレント変換定義情報が変換対象としているフォーマット定義項目のリストを生成する(S114)。すなわち、カレント変換定義情報が入力用の場合、カレント変換定義情報に属するリンク情報(図12)に基づいて統合DB側フォーマット定義の各フォーマット定義項目からのリンクを逆方向(リンク先からリンク元)にたどり、最終的に連携システム側のフォーマット定義項目にたどり着く項目のリストが生成される。
また、カレント定義情報が出力用の場合、カレント変換定義情報に属するリンク情報(図12)に基づいて統合DB側フォーマット定義の各フォーマット定義項目からのリンクを順方向(リンク元からリンク先)にたどり、最終的に連携システム側のフォーマット定義項目にたどり着く項目のリストが生成される。
続いて、カレント変換定義情報が変換対象としているフォーマット定義項目のリストと、連携対象項目との過不足が判定されることにより、余剰項目及び不足項目が算出される(S115)。
続いて、カレント変換定義情報にとって入力側のフォーマット定義がフォーマット定義テーブル221(図9)及びフォーマット定義項目テーブル222(図10)より取得される(S116)。ここで、カレント変換定義情報が入力用である場合は、入力側は連携システム側となる。カレント変換定義情報が出力用である場合は、入力側は統合DB側となる。
続いて、カレント変換定義情報にとって入力側のフォーマット定義に基づくテストデータが生成される(S117)。なお、フォーマット定義において抽象化項目とされている項目名についてはダミーの項目名として、当該項目の項目IDとしての文字列が用いられる。
続いて、カレント変換定義情報に係る基本フォーマット変換ファイルの実データが基本フォーマット変換定義テーブル211(図11)より取得され、その実データに基づいて、抽象化項目がダミー化されたテスト用のフォーマット変換ファイルが作成される(S118)。すなわち、抽象化項目とされている項目名は項目IDの文字列に置換される。また、抽象化項目とされている関数の関数名は関数IDの文字列に置換され、関数定義内容は入力値をそのまま出力するものに置換される。また、抽象化項目とされている定数値は、定数IDの文字列に置換される。
続いて、ステップS118において生成されたテスト用のフォーマット変換ファイルを用いてステップS117で生成されたテストデータの変換が実行される(S119)。このときに処理速度が測定される。
続いて、上記において算出された、余剰項目、不足項目及び処理速度に基づいて評価値が算出され、また、評価コメントが選択される(S120)。
評価値は、例えば、以下のような式に基づいて算出される。
評価値=基準定数+余剰項目率×α−(不足項目率×β+処理時間×γ)
ここで、
余剰項目率 = 余剰項目数/連携対象項目数
不足項目率 = 不足項目数/連携対象項目数
とする。
上記の式は、余剰項目が多いほど評価値が高くなることを示す。これは、拡張性の高さが肯定的な要素として判定されることを示す。また、不足項目が多いほど評価値が低くなることを示す。これは、修正量の増加が否定的な要素として判定されることを示す。また、処理時間が長いほど評価値が低くなることを示す。これは、性能の低さが否定的な要素として判定されることを示す。
また、基準定数は、評価値の基準となる定数であり任意に設定すればよい。また、α(余剰項目係数)、β(不足項目係数)、γ(処理時間係数)についても任意に設定すればよい。
評価コメントは、補助記憶装置102に予め保存されている以下のようなテーブルの中から選択される。図33は、評価コメント管理テーブルの構成例を示す図である。図33において評価コメント管理テーブル1201は、不足項目率(高、低、無)、余剰項目率(高、低、無)、及び処理時間(短、中、長)の組み合わせごとに評価コメントが管理されている。したがって、不足項目率、余剰項目率及び処理時間に基づいて評価コメントが選択される。なお、表中において、「/」はORを意味し、「−」は、いずれの値でも当てはまることを意味する。
続いて、余剰項目、不足項目、処理素度、評価値及び評価コメントが入力用フォーマット変換ファイル評価結果表示領域124、又は出力用フォーマット変換ファイル評価結果表示領域125に表示される(S121)。
続いて、ステップS111において生成された基本フォーマット変換定義情報のリストの全てについて処理が完了したか否かが判定される(S122)。全てについて処理が完了していない場合は、残りの基本フォーマット変換定義情報について評価がなされる。全てについて処理が完了した場合は処理が終了する。
なお、基本フォーマット変換ファイル評価画面120において、設定ボタン1242がクリックされると、基本フォーマット変換ファイル評価部12は、設定ボタン1242がクリックされた基本フォーマット変換ファイルにおいて変換対象とされている統合DBのフォーマット定義項目を統合DBフォーマット表示領域122においてチェック状態とする。この状態において、評価開始ボタン123がクリックされると、図32において説明した処理が実行される。したがって、ユーザは、例えば、出力用基本フォーマットファイルについて設定ボタン1242がクリックすることにより、当該出力用基本フォーマットファイルの適否に関してそれぞれの入力用フォーマット変換ファイルに対する評価を得ることができる。具体的には、出力用の「××販売」の設定ボタン1242がクリックされると、「××販売」に係る出力用基本フォーマット変換ファイルが出力する統合DB上のフォーマット定義項目がチェックされる。この状態で評価開始ボタン123がクリックされると、「××販売」が出力するフォーマット定義項目との連携の適否に関する評価が表示される。
次に、ステップS17(図19)における、抽象化項目の設定及びフォーマット変換ファイルの作成処理について説明する。
抽象化項目設定部13は、抽象化項目に対する具体的な値の設定と共に、個別の連携システムに対応した具体的なフォーマット変換ファイルを作成させるための画面(以下「抽象化項目設定画面」という。)を表示装置105に表示させる。
図34は、抽象化項目設定画面の表示例を示す図である。図34において、抽象化項目設定画面170は、基本フォーマット変換ファイル選択ボックス171、利用システム名選択ボックス172、編集ボタン173、新規作成ボタン174、削除ボタン175、抽象化項目設定領域176、及び保存ボタン177等より構成されている。
基本フォーマット変換ファイル選択ボックス171は、抽象化項目の設定対象とする基本フォーマット変換定義情報(基本フォーマット変換ファイル)を選択させるためのコンボボックスである。ここで選択された基本フォーマット変換定義情報を以下「カレント変換定義情報」という。
利用システム名選択ボックス172は、既存のシステム名の中から抽象化項目に具体的な値が設定されたフォーマット変換ファイルを利用するシステム名を選択させるコンボボックスである。利用システム名が既存のシステム名の中から選択された場合、既存のフォーマット変換ファイルが修正されることになる。
新規作成ボタン174がクリックされると、利用システム名選択ボックス172がテキストボックスに変わり、新たなシステム名を入力させることができる。削除ボタン175がクリックされると、フォーマット変換ファイル管理部14は、利用システム選択ボックス172にその利用システム名が入力されているフォーマット変換ファイルをフォーマット変換ファイル管理テーブル251より削除する。編集ボタン173がクリックされると、抽象化項目設定部13及びフォーマット変換ファイル管理部14は、以下の処理を実行する。
図35は、抽象化項目設定部による抽象化項目設定処理及びフォーマット変換ファイル管理部によるフォーマット変換ファイル作成処理を説明するためのフローチャートである。
ステップS171において、抽象化項目設定部13は、カレント変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDに基づいて、カレント変換定義情報に属する抽象化項目情報の一覧を抽象化項目管理テーブル215(図15)より取得する。
続いて、抽象化項目設定部13は、カレント変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDに基づいて、カレント変換定義情報に属する抽象化項目設定情報の一覧を抽象化項目設定情報テーブル241(図17)より取得する(S172)。但し、新規作成の場合、抽象化項目設定情報は存在しないため、ここでは空の一覧が取得されることになる。
続いて、抽象化項目設定部13は、取得された抽象化項目情報の一覧と抽象化項目設定情報の一覧とに基づいて、カレント変換定義情報における抽象化項目の出力フラグ、抽象化項目名、項目種別、設定値等を抽象化項目設定領域176の「有効」、「抽象化項目」、「項目種別」、「設定値」の欄に表示させる(S173)。但し、新規作成の場合、出力フラグ及び設定値は表示されない。
続いて、ユーザによって、出力フラグ及び設定値の入力がなされる(図34)。項目名が抽象化されている場合、具体的な項目名が設定される(1762)。定数値が抽象化されている場合、具体的な定数値が入力される(1763)。また、関数抽象化されている場合、具体的な関数が関数定義テーブル231(図16)の中から選択される(1764)。また、ユーザは、「有効」欄をチェックすることで、当該抽象化項目をフォーマット変換ファイルへの出力対象とするか否かを選択することができる(1761)。すなわち、基本フォーマット変換ファイルにおいて変換対象とされている全てのフォーマット定義項目ではなく、対象とされている利用システムでのフォーマット変換ファイルにおいて必要とされているフォーマット定義項目のみを変換対象とすることで、変換速度を向上させることができる。
必要事項が入力され、ユーザによって保存ボタン177がクリックされると、抽象化項目設定部13は、設定情報を抽象化項目設定情報テーブル241(図17)に登録する(S176)。
続いて、フォーマット変換ファイル管理部14は、カレント変換定義情報の基本フォーマット変換定義IDに基づいて、カレント変換定義情報の基本フォーマット変換ファイルを基本フォーマット変換定義テーブル211(図11)より取得する(S177)。
続いて、フォーマット変換ファイル管理部14は、取得された基本フォーマット変換ファイルに基づいて利用システムに個別のフォーマット変換ファイルを作成する。すなわち、抽象化項目に対して設定値を適用したものをフォーマット変換ファイルとして出力する。但し、出力フラグがOFFとされているフォーマット変換定義項目についての変換処理に関する部分はフォーマット変換ファイルには出力されない。
図36は、基本フォーマット変換ファイルに基づくフォーマット変換ファイルの作成処理を説明するための図である。
図36においては、基本フォーマット変換ファイル5031に基づいてフォーマット変換ファイル2501が作成される様子が示されている。すなわち、基本フォーマット変換ファイル5031において項目名の抽象化項目であるAbstract_Name(%1)とAbstract_Name(%2)とが、フォーマット変換ファイル2501では具体的な項目名「なまえ」、「ばんごう」に置換されている(S178a、S178b)。
また、基本フォーマット変換ファイル5031において関数の抽象化項目であるAbstract_Function(%1)が、フォーマット変換ファイル2501では具体的な関数の定義に置換されている(S178c)。
なお、基本フォーマット変換ファイル5031におけるソート順に対する定数の代入処理については、出力フラグがOFFとされているためフォーマット変換ファイル2501には出力されない(S178d)。
また、図37は、XSLTによる基本フォーマット変換ファイルに基づくフォーマット変換ファイルの作成処理を説明するための図である。図37においては、XSLTによる基本フォーマット変換ファイル5032に基づいてXSLTによるフォーマット変換ファイル2502が作成される様子が示されている。
なお、図37における各ステップ番号は図36に対応している。すなわち、基本フォーマット変換ファイル5031において項目名の抽象化項目であるAbstract_Name(%1)とAbstract_Name(%2)とが、フォーマット変換ファイル2501では具体的な項目名「なまえ」、「ばんごう」に置換されている(S178a、S178b)。
また、基本フォーマット変換ファイル5031において関数の抽象化項目であるAbstract_Function(%1)が、フォーマット変換ファイル2501では具体的な関数の定義に置換されている(S178c)。
なお、基本フォーマット変換ファイル5031におけるソート順に対する定数の代入処理については、出力フラグがOFFとされているためフォーマット変換ファイル2501には出力されない(S178d)。
続いて、フォーマット変換ファイル管理部14は、作成されたフォーマット変換ファイルをフォーマット変換ファイル管理テーブル251(図18)に登録して処理を終了する。
上述したように本発明の実施の形態におけるフォーマット変換ファイル作成装置10によれば、ドラッグ&ドロップという簡易な操作により、フォーマット変換ファイルの新規作成に必要とされる作業が自動的化されるため、フォーマット変換ファイルの作業工数を大幅に減少させることができる。
また、基本フォーマット変換ファイルに対する評価が自動的に行われるため、評価に要する作業工数を減少させることができると共に、熟練した開発者以外でも再利用に適した基本フォーマット変換ファイルを容易に選択することができる。
また、基本フォーマット変換ファイルといった、具体的なフォーマット変換ファイルの雛型を作成させるため、複数の類似したフォーマット変換ファイルを一つの基本フォーマット変換ファイルから容易に生成することができる。
すなわち、従来であれば類似したフォーマット変換ファイルを作成するためには、既存のフォーマット変換ファイルを解析し、修正を行う必要があった。しかしながら、基本フォーマット変換ファイルを用いれば、抽象化項目に値を設定するだけで類似したフォーマット変換ファイルを容易に作成することができる。
また、既存の資源の管理及び再利用についても、基本フォーマット変換ファイルに基づいて行われるため、個々具体的なフォーマット変換ファイルを対象とする場合に比べ、選定及び管理の対象とする資源の量を減少させることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1) それぞれ値を有する複数の要素より構成されるデータフォーマット間の変換規則の定義情報の作成をコンピュータに実行させる変換規則作成プログラムであって、
第一のデータフォーマットの定義情報の少なくとも一部の複製を第二のデータフォーマットの定義情報として作成する複製手順と、
前記第二のデータフォーマットを構成する各要素と、該各要素の複写元に相当する前記第一のデータフォーマットを構成する各要素とを関連付ける関連付け手順と、
関連付けられた要素のいずれか一方を変換元とし他方を変換先として変換元の要素の値を変換先の要素の値とすることを前記変換規則の定義情報として作成する第一の変換規則作成手順とを有することを特徴とする変換規則作成プログラム。
(付記2) 前記第一のデータフォーマットとの変換規則の定義情報を蓄積する変換規則蓄積手順を有し、
前記第一の変換規則作成手順は、既に蓄積されている前記変換規則の定義情報において前記第一のデータフォーマットを構成する各要素との変換に関数又は定数が用いられている場合は、前記関数又は定数に基づく値を前記変換先の要素の値とすることを前記変換規則の定義情報として作成することを特徴とする付記1記載の変換規則作成プログラム。
(付記3) 前記第一の変換規則作成手順は、前記変換元の要素と前記変換先の要素との変換規則について変数を用いた定義情報を作成することを特徴とする付記1又は2記載の変換規則作成プログラム。
(付記4) 前記第一の変換規則作成手順は、前記変換元又は前記変換先の要素の名前を変数とすることを特徴とする付記3記載の変換規則作成プログラム。
(付記5) 前記第一の変換規則作成手順は、前記変換元と前記変換先との間の関数、又は前記変換先に代入される定数を変数とすることを特徴とする付記3又は4記載の変換規則作成プログラム。
(付記6) 前記変数に対する値を入力させる入力手順と、
前記第一の変換規則作成手順において作成された前記変換規則の定義情報における前記変数に前記入力手順において入力された値を適用することにより、前記第一の変換規則作成手順において作成された前記変換規則の定義情報を雛形とした変換規則の定義情報を作成する第二の変換規則作成手順を有することを特徴とする付記3乃至5いずれか一項記載の変換規則作成プログラム。
(付記7) それぞれ値を有する複数の要素より構成されるデータフォーマット間の変換規則の定義情報に対する再利用性の評価をコンピュータに実行させる変換規則評価プログラムであって、
前記変換規則の定義情報を蓄積する変換規則蓄積手順と、
変換元又は変換先とされる前記データフォーマットを構成する前記要素の中から変換対象とする要素を選択させる変換対象選択手順と、
前記変換規則蓄積手順において蓄積されているそれぞれの前記定義情報について、当該定義情報において変換対象とされている要素と前記変換対象選択手順において選択された要素との過不足を判定する過不足判定手順と、
前記過不足判定手順において判定された過不足に基づく評価情報を表示装置に表示させる表示手順とを有することを特徴とする変換規則評価プログラム。
(付記8) 前記蓄積手順において蓄積されている前記定義情報は、変換元の要素と変換先の要素との変換規則について変数を用いた定義がなされていることを特徴とする付記7記載の変換規則評価プログラム。
(付記9) 前記変数に対する値を入力させる入力手順と、
前記入力手順において入力された値を前記変数に適用することにより、前記変換規則蓄積手順において蓄積されている前記変換規則の定義情報を雛形とした変換規則の定義情報を作成する変換規則作成手順を有することを特徴とする付記8記載の変換規則評価プログラム。
(付記10) 前記変換規則蓄積手順において蓄積されているそれぞれの前記定義情報について、前記変換規則作成手順において当該定義情報を雛形として作成された変換規則の定義情報の数を判定する利用数判定手順を有し、
前記表示手順は、前記利用数判定手順において判定された数を前記評価情報に含めて表示させることを特徴とする付記9記載の変換規則評価プログラム。
(付記11) 前記変換規則蓄積手順において蓄積されているそれぞれの前記定義情報について変換処理を実行することにより当該変換処理の処理時間を測定する処理時間測定手順を有し、
前記表示手順は、前記処理時間測定手順において測定された前記処理時間を前記評価情報に含めて表示させることを特徴とする付記7乃至10いずれか一項記載の変換規則評価プログラム。
(付記12) 付記1乃至11いずれか一項記載の変換規則作成プログラム又は変換規則評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記13) それぞれ値を有する複数の要素より構成されるデータフォーマット間の変換規則の定義情報を作成する変換規則作成装置であって
第一のデータフォーマットの定義情報の少なくとも一部の複製を第二のデータフォーマットの定義情報として作成する複製手段と、
前記第二のデータフォーマットを構成する各要素と、該各要素の複写元に相当する前記第一のデータフォーマットを構成する各要素とを関連付ける関連付け手段と、
関連付けられた要素のいずれか一方を変換元とし他方を変換先として変換元の要素の値を変換先の要素の値とすることを前記変換規則の定義情報として作成する第一の変換規則作成手段とを有することを特徴とする変換規則作成装置。
(付記14) それぞれ値を有する複数の要素より構成されるデータフォーマット間の変換規則の定義情報に対する再利用性の評価を行う変換規則評価装置であって、
前記変換規則の定義情報を蓄積する変換規則蓄積手段と、
変換元又は変換先とされる前記データフォーマットを構成する前記要素の中から変換対象とする要素を選択させる変換対象選択手段と、
前記変換規則蓄積手段に蓄積されているそれぞれの前記定義情報について、当該定義情報において変換対象とされている要素と前記変換対象選択手段が選択させた要素との過不足を判定する過不足判定手段と、
前記過不足判定手段によって判定された過不足に基づく評価情報を表示装置に表示させる表示手段とを有することを特徴とする変換規則評価装置。
(付記15) それぞれ値を有する複数の要素より構成されるデータフォーマット間の変換規則の定義情報をコンピュータを用いて作成する変換規則作成方法であって
第一のデータフォーマットの定義情報の少なくとも一部の複製を第二のデータフォーマットの定義情報として作成する複製手順と、
前記第二のデータフォーマットを構成する各要素と、該各要素の複写元に相当する前記第一のデータフォーマットを構成する各要素とを関連付ける関連付け手順と、
関連付けられた要素のいずれか一方を変換元とし他方を変換先として変換元の要素の値を変換先の要素の値とすることを前記変換規則の定義情報として作成する第一の変換規則作成手順とを有することを特徴とする変換規則作成方法。
(付記16) それぞれ値を有する複数の要素より構成されるデータフォーマット間の変換規則の定義情報に対する再利用性に関してコンピュータを用いて評価する変換規則評価方法であって、
前記変換規則の定義情報を蓄積する変換規則蓄積手順と、
変換元又は変換先とされる前記データフォーマットを構成する前記要素の中から変換対象とする要素を選択させる変換対象選択手順と、
前記変換規則蓄積手順において蓄積されているそれぞれの前記定義情報について、当該定義情報において変換対象とされている要素と前記変換対象選択手順において選択された要素との過不足を判定する過不足判定手順と、
前記過不足判定手順において判定された過不足に基づく評価情報を表示装置に表示させる表示手順とを有することを特徴とする変換規則評価方法。