JP4814403B1 - メタン製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタン製造時に水に添加して使用する炭酸カリウムの使用量を大幅に低減してメタンをより低コストで製造することができ、また脱炭酸装置を設けなくても純メタンを製造することができるようにする。
【解決手段】本発明のメタン製造装置10は、炭酸カリウム水溶液と植物油とから水油混合体を製造する水油混合体製造部1と、水油混合体製造部1で製造された水油混合体を原料としてメタンと二酸化炭素を発生させるガス化反応部2と、ガス化反応部2で発生した二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させて炭酸水素カリウムを生成するとともに、メタンを外部に取り出し製造するメタン製造部3と、メタン製造部3で生成した炭酸水素カリウムを分解して炭酸カリウム水溶液を再生し、水油混合体製造部1に循環供給する炭酸カリウム水溶液再生部4と、を備えることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタンを製造するメタン製造装置に関するものである。
近年、メタンは燃料用ガスとして都市ガスなどに使用され、その消費量や用途が高まっている。ところで、本発明者は、先に下記の特許文献1に開示するガス製造装置を考案した。このガス製造装置は、水と植物油とから水混合体を製造し、その水混合体を原料としてメタンガスを製造するものである。
特開2010−100787号公報
この特許文献1のガス製造装置において、水には炭酸カリウム(K2CO3)が界面活性剤(乳化剤)および反応触媒として添加される。この炭酸カリウムは、食品にも使われているため、排出されても環境にやさしく、また水蒸気改質プロセスで使用される触媒に比べて廉価なものであり、添加する量も水重量の0.1〜5wt%と少量である。
しかし、メタンを大量に生産する際には、炭酸カリウムの添加量もそれに応じて増加し、メタン製造コストが高くなる一要因となっていた。
また、この特許文献1のガス製造装置において、製造され取り出されたメタンには、20〜30%の二酸化炭素が含まれており、純メタンを取り出すには、脱炭酸装置を通過させる必要がある。このため装置が大型化し設置スペースも拡大化してしまうという課題も有していた。
この発明は上記に鑑み提案されたもので、メタン製造時に水に添加して使用する炭酸カリウムの使用量を大幅に低減してメタンをより低コストで製造することができ、また脱炭酸装置を設けなくても純メタンを製造することができるメタン製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、メタンを製造するメタン製造装置において、炭酸カリウムを水に溶かして得られた炭酸カリウム水溶液と、植物油とから水油混合体を製造する水油混合体製造部と、上記水油混合体製造部で製造された水油混合体を原料としてメタンと二酸化炭素を発生させるガス化反応部と、上記ガス化反応部で発生した二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させて炭酸水素カリウムを生成するとともに、メタンを外部に取り出し製造するメタン製造部と、上記メタン製造部で生成した炭酸水素カリウムを分解して炭酸カリウム水溶液を再生し、上記水油混合体製造部に循環供給する炭酸カリウム水溶液再生部と、を備えることを特徴としている。
本発明によると、炭酸カリウム水溶液と植物油とを原料としてメタンと二酸化炭素を発生させ、その二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させて炭酸水素カリウムを生成するとともに、純メタンを外部に取り出し製造し、さらにその炭酸水素カリウムを分解し再生させて得られた炭酸カリウム水溶液を原料とし循環供給するようにしたので、メタン製造に使用する炭酸カリウムの量を大幅に低減することができ、したがって、純メタンをより低コストで製造することができる。
また、発生した二酸化炭素を炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させるようにしたので、脱炭酸装置を設けなくても純メタンを製造することができ、装置をより小型化することができ、設置スペースも容易に確保することができる。
本発明のメタン製造装置の構成を示すブロック図である。 本発明のメタン製造装置の具体的な構成例を示す図である。
図1は本発明のメタン製造装置の構成を示すブロック図である。図1において、本発明のメタン製造装置10は、メタンガスを製造する装置であり、水油混合体製造部1と、ガス化反応部2と、メタン製造部3と、炭酸カリウム水溶液再生部4とを備えている。
水油混合体製造部1は、炭酸カリウムを水に溶かして得られた炭酸カリウム水溶液と、植物油とから水油混合体を製造する。
ガス化反応部2は、その水油混合体製造部1で製造された水油混合体を原料としてメタンと二酸化炭素を発生させる。
メタン製造部3は、そのガス化反応部2で発生した二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させて炭酸水素カリウム(KHCO3)を生成するとともに、メタンを外部に取り出し製造する。
炭酸カリウム水溶液再生部4は、そのメタン製造部3で生成した炭酸水素カリウムを分解して炭酸カリウム水溶液を再生し、上記の水油混合体製造部1に循環供給する。
このように、本発明によると、炭酸カリウム水溶液と植物油とを原料としてメタンと二酸化炭素を発生させ、その二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させて炭酸水素カリウムを生成するとともに、純メタンを外部に取り出し製造し、さらにその炭酸水素カリウムを分解し再生させて得られた炭酸カリウム水溶液を原料とし循環供給するようにした。すなわち、メタン製造に使用する炭酸カリウムをメタン製造プロセスの中で再生させ循環使用するようにしたので、その炭酸カリウムの量を大幅に低減することができ、したがって、メタンをより低コストで製造することができる。
また、発生した二酸化炭素を炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させるようにしたので、脱炭酸装置を設けなくても純メタンを製造することができ、装置をより小型化することができ、設置スペースも容易に確保することができる。
次に、図2を用いてより具体的に説明する。
図2は本発明のメタン製造装置の具体的な構成例を示す図である。図2において、本発明のメタン製造装置10Aは、水油混合体製造部1Aと、ガス化反応部2Aと、メタン製造部3Aと、炭酸カリウム水溶液再生部4Aとから構成されている。
なお、図2の構成例において、植物油をひまわり油の主成分であるリノール酸(C1731COOH)としてメタンを製造する場合の各部位a〜rにおける温度、圧力、各組成の数値例を下記の表1に参考として示している。ここでは、1kmol/h(280kg/h)のリノール酸を用いてメタンを製造する場合についての温度、圧力、流量などのプロセス数値例を挙げている。
Figure 0004814403
水油混合体製造部1Aは、混合器104,109および制御部150を中心に構成されている。水油混合体製造部1Aにおいて、植物油タンク101に貯蔵された植物油は、ポンプ102で送出され(図2の部位a)、流量計103を経由して、混合器104に供給される。
一方、水タンク105に貯蔵された水は、ポンプ106で送出され、流量計107および流量制御弁108を経由して(部位q)、混合器109に供給される。
また、炭酸カリウム(K2CO3)を水に溶かして得られた炭酸カリウム水溶液は、炭酸カリウム水溶液タンク110に貯蔵され、その後ポンプ111で送出され、流量計112を経由して(部位p)、上記の混合器109に供給される。
この混合器109で水タンク105からの水と均一に混合された炭酸カリウム水溶液は、質量流量計113を通過した後(部位b)、上記の混合器104に供給される。
炭酸カリウム水溶液タンク110に貯蔵される炭酸カリウム水溶液の濃度は、20〜40wt%(表1では30wt%)であり、その後、混合器109で水タンク105からの水と混合され、3wt%に希釈された後、混合器104に送出される。装置運転とともにタンク110内の炭酸カリウム水溶液濃度は小さくなるので、定期的に炭酸カリウムを補充する(系外に出た分だけ補充する)。
制御部150には、上記の流量計103,107、112および質量流量計113の各計測結果が入力され、制御部150では、これらの計測結果を用いて、流量制御弁108の弁開度を求め、その指令信号を流量制御弁108に出力する。すなわち、制御部150は、植物油タンク101からの植物油の流量を流量計103により計測し、その質量流量に見合った最適流量の低濃度の炭酸カリウム水溶液(ここでは3wt%)を、混合器104に供給するために、流量制御弁108の弁開度を制御している。この水量制御により、混合器109での炭酸カリウム水溶液は希釈され、低濃度となった炭酸カリウム水溶液が混合器104に供給される。
混合器104では、最大量のメタンガスが得られる最適のモル比に制御された、炭酸カリウム水溶液と植物油とを混合することにより、エマルジョンを生成し、その水油混合体を、次のガス化反応部2Aに送り込む。
ガス化反応部2Aは、熱交換器201,204、加熱蒸発器202および反応器203を備えている。
上記の混合器104で製造された水油混合体は、熱交換器201で昇温され、次の加熱蒸発器202に送られ、加熱蒸発器202によって蒸気となった植物油と水蒸気は、反応器203に送られる(部位c)。
反応器203において、加熱蒸発器202によって蒸気となった植物油と水蒸気は、触媒の機能を持つ炭酸カリウムにより反応し、二酸化炭素(CO2)とメタン(CH4)を製造(生成)する。これは、炭酸カリウムが界面活性剤と反応触媒の機能をあわせもつことを利用したガス製造である。反応器203の流体出口温度は反応器203への入熱により制御されている。例えば、植物油がリノール酸の場合は、入口温度は300℃、出口温度は300℃となり、反応器203内では下記の反応式(1)が発生し、二酸化炭素とメタンが生成される。
Figure 0004814403
この反応式(1)では、炭酸カリウム水溶液を残すために、またコーキング(炭素析出)を確実に防止するために水過剰率(実際使用水量/反応必要水量)を2としている。なお、水過剰率は1.1〜2.0に設定すればよい。乾きガス組成は、CO2=31%、CH4=69%となる。
その後、反応器203内の二酸化炭素、メタン、水蒸気および炭酸カリウムは、熱交換器204で300℃から212℃に冷却された後(部位d)、後述する炭酸カリウム水溶液再生部4Aのリボイラ405を通過して117℃にさらに冷却され(部位e)、その後気液分離器406に送られる。この気液分離器406では、二酸化炭素、メタンおよび水蒸気が取り出され(部位f)、メタン製造部3AのCO2吸収塔301に送られる。
なお、上記の説明では、加熱蒸発器202と反応器203とを別個に設けるようにしたが、一体化し一つの容器として構成することもできる。また、熱交換器201と熱交換器204とは同一のものでも可能である。むしろ、熱回収を考慮すれば、同一のものとした方が好ましい。
メタン製造部3Aは、CO2吸収塔301とクーラー302とを備えている。CO2吸収塔301には、上記の気液分離器406からの二酸化炭素、メタンおよび水蒸気が吸収塔301の下部から供給され(部位f)、また吸収塔301の上部から炭酸カリウム水溶液が供給される(部位n)。このCO2吸収塔301では、下記の反応式(2)に示すように、ベンフィールド法により、ガス化反応部2Aで発生した二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させ、炭酸水素カリウムを生成する。
Figure 0004814403
また、CO2吸収塔301内では、上記のように二酸化炭素が反応・吸収されることにより、高純度(99〜99.9%(水分を除く))のメタンが生成し、この純メタンは頂部から取り出され製造されてユーザーに供給される(部位g)。またその全部あるいは一部はさらにクーラー302を経由して40℃程度に冷却されて取り出される。この冷却された純メタンはLPGの付加等の所定の処理が施され、また付臭剤が添加されることで都市ガスの13Aとして供給可能となる。
一方、CO2吸収塔301内で生成した炭酸水素カリウム水溶液はCO2吸収塔301の底部から取り出される(部位h)。このCO2吸収塔301の底部から取り出された炭酸水素カリウム水溶液は、後述するように、水と炭酸カリウム水溶液が加えられ(部位i、j)、最適な濃度の炭酸水素カリウム水溶液とされた後、炭酸カリウム水溶液再生部4Aの溶液再生塔401に供給される(部位k)。
また、部位hと部位kとの圧力差を利用してその間に動力回収タービンを設置することも可能である。
炭酸カリウム水溶液再生部4Aは、溶液再生塔401を中心に構成されている。溶液再生塔401には、上記のように、炭酸水素カリウム水溶液が供給され、メタン製造部3Aで生成した炭酸水素カリウムを、下記の反応式(3)に示すように分解し、炭酸カリウム水溶液を再生する。
Figure 0004814403
この溶液再生塔401では、反応式(3)に示すように、二酸化炭素が発生する。この二酸化炭素は、水蒸気とともに溶液再生塔401の頂部から取り出され、凝縮器402および気液分離器403により水分が取られ、二酸化炭素のみが分離して排出される(部位l)。なお、この気液分離器403から排出される二酸化炭素中の炭素(C)は植物が由来となるので、反応式(3)のCO2はゼロエミッションとなる。
気液分離器403内の分離された水はポンプ404によって溶液再生塔401に戻される。また、気液分離器403に設けられた液面計419が気液分離器403内の余剰の凝縮水を検出したときは、その検出信号がポンプ417に出力され、ポンプ417はオフからオンとなってその余剰の凝縮水を抜き出し、凝縮水タンク410に送り出す(部位r)。
溶液再生塔401の底部に溜まった炭酸カリウム水溶液はCO2が溶解しているのでリボイラ405によって液を蒸気にすることによってCO2を追い出す。このとき、リボイラの加熱流体には反応器203の出口流体が使われる。そしてCO2が無くなった炭酸カリウム水溶液は、底部からポンプ413によって吸引され、質量流量計414を経由した後、CO2吸収塔301の上部からCO2吸収塔301内に供給される(部位n)。
また、質量流量計414を経由した炭酸カリウム水溶液の一部は分岐し(部位o)、流量制御弁415により調整された流量で炭酸カリウム水溶液タンク110に循環供給される。
上記の水タンク409に貯蔵された水は、ポンプ411によって吸引され、流量制御弁412を経由した後、上記のCO2吸収塔301の底部からの炭酸水素カリウム水溶液に加えられ、その炭酸水素カリウムの濃度調整に用いられる(部位j)。
一方、気液分離器406には、上記したように、反応器203内の二酸化炭素、メタン、水蒸気および炭酸カリウムがリボイラ405を通過することで冷却されて導入され、ガス体の二酸化炭素、メタンおよび水蒸気が分離されて、気液分離器406上部から取り出され、一方、液体の炭酸カリウム水溶液は気液分離器406の下部からポンプ407によって吸引された後、流量計416、流量制御弁408を経由して、上記の水タンク409からの水と同様に、CO2吸収塔301の底部からの炭酸水素カリウム水溶液に加えられ、その炭酸水素カリウムの濃度調整に用いられる(部位i(炭酸カリウム濃度11wt%))。
炭酸カリウム水溶液再生部4Aは、2つの制御部450,460を備えている。制御部450には、上記の質量流量計414、流量計420および濃度計418の計測結果が入力され、制御部450は、これらの計測結果を用いて、流量制御弁415,412の弁開度を求め、その指令信号を流量制御弁415,412に出力する。すなわち、制御部450は、流量制御弁415の弁開度を制御することにより、溶液再生塔401からCO2吸収塔301への部位nでの炭酸カリウム水溶液が最適流量になるように、一部の炭酸カリウム水溶液を抜き出して制御している(部位o)。なお、抜き出された炭酸カリウム水溶液は、上記のように、炭酸カリウム水溶液タンク110に回収される。また、制御部450は、流量制御弁412の弁開度を制御することにより、水タンク409からの水の供給量を制御し、溶液再生塔401に供給される炭酸水素カリウム水溶液の濃度(部位kでの濃度)が最適な値(炭酸水素カリウム38wt%)になるように調整している。
制御部460には、流量計416の計測結果が入力され、制御部460は、この計測結果を用いて、流量制御弁408の弁開度を求め、その指令信号を流量制御弁408に出力する。すなわち、制御部460は、上記の流量制御弁412の制御の場合と同様に、CO2吸収塔301の底部からの炭酸水素カリウム水溶液に加える炭酸カリウム水溶液が一定流量になるように制御している。
本発明によると、原料の植物油にリノール酸を用いた場合、表1の部位cと部位dと部位gの数値から分かるように、280kg/hのリノール酸と、162kg/hの水から、280Nm3/hのメタンを製造することができる。これは、リノール酸1kgと水0.6kgでメタン1Nm3が製造できるプロセスであるといえる。
原料の植物油に廃天ぷら油(C571016)を用いた場合、上記の構成例におけるリノール酸の場合と同様にして、881kg/hの廃天ぷら油と、517.5kg/hの水とから、887.6Nm3/hのメタンを製造することができる。これは、廃天ぷら油1kgと水0.6kgでメタン1Nm3が製造できるプロセスであり、処分費のかかる廃天ぷら油と、ただ同然の水を原料に高価なメタンを製造できることを示している。
以上説明したメタン製造のプロセスの特長を箇条書きにすると、以下のようである。
1)炭酸カリウム(K2CO3)が界面活性剤、反応触媒及びCO2吸収剤の三役を担う。
2)炭酸カリウムが系外に出る量は極わずかであるため消費量が極端に少ない。
3)系内の炭酸カリウムは半永久的に繰り返し使用できるため運転費が安い。仮に系外へ排出されたとしても食品添加物として使用されているぐらいなので安全である。
4)植物油は種類を選ばず、廃天ぷら油等の廃食用油も使用可能。放射性物質を含む汚染土壌の浄化に使われた菜の花及びひまわりの種子油も使用可能。
5)水は硬度が1,000以下ならば水道水でも、工業用水でもいかなる水でも使用可能。放射性物質を含む汚染水も海水でなければ可能。
6)原料費及びエネルギー費が安いため、運転費が安い。反応式(1)のCO2の生成熱が大きくその熱を利用できるために定常運転での熱エネルギー費は極端に小さくなる。
7)プロセスがシンプルなため建設費が安い。
8)メタン製造単価が極端に安い。
9)製造メタンの純度が高い(99%以上(乾きガス))
10)炭酸カリウム水溶液再生部で放出されるCO2及び製造されたメタンの燃焼によるCO2はともにゼロエミッションである。
11)硫黄分が無いので、製造メタンの燃焼排ガス中の硫黄酸化物(SOx)はゼロ。
12)生成したCO2は取引で収入になる(22ユーロ/CO21ton)
13)LNG(液化天然ガス)の代替となり得る。
14)製造したメタンにLPGを付加し、付臭剤を添加すれば都市ガスの13Aを製造できる。
15)廃天ぷら油1kgから得られる燃料の総発熱量はBDF(バイオディーゼル燃料)よりも大きい。
16)原料の植物油はいかなる植物油の混合にも対応できる(プロセス設計ができる)。
17)学校給食の廃食用油(廃天ぷら油等)と水道水を原料にメタンを製造し、学校冷暖房のGHP(ガスヒートポンプ)の燃料の13Aの補助燃料あるいは全量を賄える。学校の他にもオフィスビル等のビル冷暖房GHPの燃料となり得る。
18)原料の植物油は精油でなくても精製前の素油でも可能である(原料安)。
19)原料の植物油としては、パーム油、ダイズ油、コーン油、ナタネ油、ヒマワリ油、藻油、ジャトロハ油、カメリナ油、その他の植物油が使用可能である。
20)新自然エネルギー及び新再生可能エネルギーである。
以上述べたように、本発明によると、炭酸カリウム水溶液と植物油とを原料としてメタンと二酸化炭素を発生させ、その二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させて炭酸水素カリウムを生成するとともに、純メタンを外部に取り出し製造し、さらにその炭酸水素カリウムを分解し再生させて得られた炭酸カリウム水溶液を原料として再使用し、循環供給するようにしたので、メタン製造に使用する炭酸カリウムの量を大幅に低減することができ、したがって、メタンをより低コストで製造することができる。
また、発生した二酸化炭素を炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させるようにしたので、脱炭酸装置を設けなくても純メタンを製造することができ、装置をより小型化することができ、設置スペースも容易に確保することができる。
上記の説明では、リノール酸や廃天ぷら油からメタンを生成するようにしたが、リノール酸や廃天ぷら油に限らず、他の植物油からも同様にメタンを生成することができる。その場合、上記と同様に、炭酸カリウムを溶かした水と、植物油とでエマルジョンを形成する。
植物油の蒸気と水蒸気との反応は、下記の反応式(4)で表わすことができる。
Figure 0004814403
複数の植物油を混合して使用した場合、その混合した植物油のnおよびmの各平均値がわかると、その混合植物油の1kmolと反応する水蒸気のkmol数が、上記の反応式(4)の((4n−m−4)/4)から求められる。また、その反応した時の総発熱量(MJ)も、上記の反応式(4)の(233.96n−39.89m+159.56)から求められる(反応後の断熱ガス温度が求められる)。すなわち、本発明では、いかなる植物油、また、そのいかなる植物油の混合割合に関係なく水の混ぜる量を推算することができる。したがって、出発原料である植物油、水、炭酸カリウムは容易に低コストで入手することができ、そのうちの植物油の組成n、mが分かれば、植物油と水と炭酸カリウムとの混合割合も簡単に決定することができ、したがって、従来化石燃料から得られていた純メタンを、植物由来で確実に低コストで製造することができる。
1 水油混合体製造部
1A 水油混合体製造部
2 ガス化反応部
2A ガス化反応部
3 メタン製造部
3A メタン製造部
4 炭酸カリウム水溶液再生部
4A 炭酸カリウム水溶液再生部
10 メタン製造装置
10A メタン製造装置
101 植物油タンク
102 ポンプ
103 流量計
104 混合器
105 水タンク
106 ポンプ
107 流量計
108 流量制御弁
109 混合器
110 炭酸カリウム水溶液タンク
111 ポンプ
112 流量計
113 質量流量計
150 制御部
201 熱交換器
202 加熱蒸発器
203 反応器
204 熱交換器
301 CO2吸収塔
301 溶液再生塔
302 クーラー
401 溶液再生塔
402 凝縮器
403 気液分離器
404 ポンプ
405 リボイラ
406 気液分離器
407 ポンプ
408 流量制御弁
409 水タンク
410 凝縮水タンク
411 ポンプ
412 流量制御弁
413 ポンプ
414 質量流量計
415 流量制御弁
416 流量計
417 ポンプ
418 濃度計(電気伝導率式)
419 液面計
420 流量計
450 制御部
460 制御部

Claims (4)

  1. メタンを製造するメタン製造装置において、
    炭酸カリウムを水に溶かして得られた炭酸カリウム水溶液と、植物油とから水油混合体を製造する水油混合体製造部と、
    上記水油混合体製造部で製造された水油混合体を原料としてメタンと二酸化炭素を発生させるガス化反応部と、
    上記ガス化反応部で発生した二酸化炭素を、炭酸カリウム水溶液と反応させ吸収させて炭酸水素カリウムを生成するとともに、メタンを外部に取り出し製造するメタン製造部と、
    上記メタン製造部で生成した炭酸水素カリウムを分解して炭酸カリウム水溶液を再生し、上記水油混合体製造部に循環供給する炭酸カリウム水溶液再生部と、
    を備えることを特徴とするメタン製造装置。
  2. 上記炭酸カリウム水溶液再生部で再生された炭酸カリウム水溶液の一部は、メタン製造部に供給される、請求項1に記載のメタン製造装置。
  3. 上記炭酸カリウム水溶液再生部は、炭酸水素カリウムの分解で生成された二酸化炭素を外部に排出する、請求項1または2に記載のメタン製造装置。
  4. 上記植物油は廃天ぷら油である、請求項1から3の何れか1項に記載のメタン製造装置。
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