JP4812542B2 - 植物の育成に使用する振動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹木、イネ、その他の植物が植えられた土壌に振動を与えることによって植物を有効に育成するに使用する振動装置に関する。
植物を有効に育成方法については従来より種々の方法が知られているが、植物が植えられた土壌に対して強制的に振動を与えて植物を育成させるための振動装置は未だ提案されていない。
本発明は、人の体に対しマッサージやショック療法を行なうことによって、血行が良くなり、筋肉の機能が高められて体力の回復・増強が図られるように、植物が植えられた土壌に対し強制的に振動を与えることによって、植物を有効に育成できるようにする振動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、植物11の植えられた土壌Sに対して振動装置により一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物11の根rに刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、加振機13を搭載した基台14と、基台14の下面より垂設された多数本の振動伝達棒15とからなり、基台14をダンパー18を介してクレーンで吊持した状態で、各振動伝達棒15の下端部を植物11の植えられた土壌Sに所要深さだけ突入させるようにしてなることを特徴とする。
請求項に係る発明は、植物11の植えられた土壌Sに対して振動装置により一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物11の根rに刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、植物11の植えられた土壌Sの上に載置される格子枠状の振動伝達枠24と、振動伝達枠24上の中央部に立設された支柱25と、支柱25の上端部に設置された加振機23とからなることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、植物11の植えられた土壌Sに対して振動装置により一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物11の根rに刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、一定間隔おきに偏心カム30を設けた長尺な回転シャフト31の一端部を連動用フレキシブルシャフト33を介してモーターに連動連結すると共に、回転シャフト31の略全長に亘って非回転チューブ35を套嵌してなる棒状振動体36からなるもので、この棒状振動体36を植物11の植えられた土壌Sの上に這わせるようにしたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、植物11の植えられた土壌Sに対して振動装置により一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物11の根rに刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、加振機43を搭載した基台41と、基台41の下面側に取り付けられた複数条の橇44とからなり、植物21の植えられた土壌Sを走行するトラクター45によって基台41を牽引させながら、橇44を土壌Sの表面側で滑らせるようにしてなることを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明する。まず、請求項1〜4の各発明に係る振動装置によれば、植物11が植わった土壌Sに対し振動を与えることにより、その振動が植物11の根rに伝わって刺激を与え、その成長を促進させることができ、特にイネ11の成長・促進に有効である。このような植物11の成長・促進は、土壌Sの表面に微細なクラックが入って、そのクラックから土壌S中に酸素が導入されて活性化すること、また強制振動によって局部的に土壌Sが液状化し、栄養分が供給し易くなり、特に肥料を施した場合、永年の肥料分が地中下部に溜まって根rに届かない状態にあるので、その液状化によって肥料分を活用させること、そしてまた強制振動により根rに刺激を与えることによって、根菌が育ち易くなることなどに要因があるものされる。例えば、ブドウやナシなどを植えた果樹園では、それらを植樹した後はその土壌を耕すようなことがないため土壌が硬くなり、酸素が不足し、果樹の根の成長機能が低下した状態になり易いことから、果樹の植わった土壌を振動装置で振動させることにより、その土壌表面にクラックが入り、土壌中に酸素が入って活性化し、栄養分の吸収も良くなり、根の成長機能を活発化して、美味しい果実をたくさん実らせることができる。
請求項に係る発明の振動装置は、加振機13を搭載した基台14と、基台14の下面より垂設された多数本の振動伝達棒15とからなるもので、基台14をダンパー18を介してクレーンで吊持した状態で、各振動伝達棒15の下端部を植物11の植わった土壌Sに所要深さだけ突入させるようにするため、装置的には大掛かりなものとなるけれども、土壌Sの比較的広い範囲を一度に、しかも的確に振動させることができる利点がある。
請求項に係る発明の振動装置は、植物11の植わった土壌Sの上に載置される格子枠状の振動伝達枠24と、振動伝達枠24上の中央部に立設された支柱25と、支柱25の上端部に設置された加振機23とからなるもので、構造が簡単で部品点数が少ないため、製作コストを安くできると共に、比較的軽量であるため運搬が容易となる利点がある。
請求項に係る発明の振動装置は、一定間隔おきに偏心カム30を設けた長尺な回転シャフト31の一端部を連動用フレキシブルシャフト33を介してモーターに連動連結すると共に、回転シャフト31の略全長に亘って非回転チューブ35を套嵌してなる棒状振動体36からなるため、植物11の植えられた土壌Sへの設置が容易で、水田や畑に限らず、果樹園等の傾斜地でも使用可能となり、しかも振動作業がし易くなる利点を有する。
請求項に係る発明の振動装置は、下面側に複数条の橇44を備えた基台41をトラクター45で牽引して、橇44を土壌Sの表面側で滑らせながら、加振機43の振動を基台41から橇44を介して土壌Sに伝え、土壌Sを振動させるようにしたものであるから、振動作業を水田や畑の他、果樹園等の傾斜地でも使用可能であると共に、その振動作業を能率良く、しかも非常に楽に行なうことができる利点を有する。
以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明すると、まず図1及び図2は本発明の一実施形態に係る振動装置による植物としてのイネの育成方法を示している。この育成方法は、イネ11の植えられた土壌Sに対して振動装置12により一日所要時間、所要日数間にわたって振動を与えることにより、植物の根に刺激を与えて、イネ11の成長を促進させるようにした方法である。この場合の土壌Sは、水田又は畑とする。尚、図は図のX−X線に沿った概略断面図である。
振動装置12は、加振機13を搭載した基台14と、この基台14の下面より下向きに一定間隔で縦横整列状態に垂設された多数本の振動伝達棒15と、基台14上に設置された支持枠16とからなるもので、支持枠16に吊り杆17がコイルバネ(ダンパー)18を介して取り付けてあり、この吊り杆17にクレーン(図示せず)のフック19を引っ掛けて吊り下げ、移動できるようになっている。
支持枠16は、基台16上に立設固定された複数本の支柱16aと、これら支柱16aの上部に固定された上部枠16bとで形成されていて、上部枠16bに吊り杆17がコイルバネ(ダンパー)18を介して取り付けられると共に、吊り杆17は、連結部材17bによって相互に連結された複数本のガイド棒17aによって上下垂直方向に案内される。各振動伝達棒15は、基台14が支持枠16を介してクレーンで吊り下げられた状態で、その下端部をイネ11の植えられた土壌Sに所要深さだけ突入させるようになっている。加振機13の電源コード6は延長して所要の電源コンセントに接続する。
上記振動装置12の使用にあたっては、図に示すように、この振動装置12をクレーンで吊り上げて、イネ11が植えてある水田(又は畑)の所要の場所に下ろす。この時、振動装置12は、各振動伝達棒15を水田のイネ11(イネ株)とイネ11(イネ株)との間に位置させると共に、各振動伝達棒15の下端部が土壌Sに所要深さだけ突入するように吊持した状態とする。
このような状態で、振動装置12の加振機13を作動させると、加振機13による振動は、基台14から各振動伝達棒15に伝わり、各振動伝達棒15の振動によって、イネ11の植えられた土壌Sを振動させ、各イネ株の根rに刺激を与える。この場合、加振機13の振動周波数は50〜60Hzとし、また加振力は0.5〜10kNとした。こうしてある一定場所での振動作業を終えたならば、クレーンによって振動装置12を移動させ、同様な振動作業を行なう。以降も同様な作業を行なって、その水田の土壌S全域に振動を与える。
このイネ11の植わった水田(又は畑)土壌Sでの振動作業は、田植え後、例えば約3週間が経過して、イネ11の根rが土壌Sに定着した状態で行なうものとした。そして、このような振動作業は、一日1回で夫々の場所毎に例えば約10分継続して行うと共に、例えば3日おきに10回(約一カ月間)行なった。
しかして、上記のように振動装置12によって振動を与えた土壌Sのイネ11を発育状態を、田植え後約一月半を経過した時に、振動を与えていない他の土壌Sのイネ11(田植えの時期は振動を与えた土壌Sのイネ11と同時)と比較してみると、振動装置12によって振動を与えた土壌Sのイネ11の方は、根rの成長が著しく、その数及び長さが、振動を与えていない土壌Sのイネ11よりも多くて長く、またイネ株も太くなっていることが分かった。
これは、イネ11の植えられた土壌Sに対し振動装置12で振動を与えることにより、その振動がイネ11の根rに伝わって刺激を与え、その成長を促進させることの証明であるといえる。
上述した図に示すような 振動装置12によれば、装置的には大掛かりなものとなるけれども、土壌Sの比較的広い範囲を一度にしかも的確に振動させることができる。
は植物の植えられた土壌に対し振動を与えるための他の振動装置22を示す斜視図であり、図の(a) はこの振動装置22の使用状態を示す正面図、(b) はその平面図である。この振動装置22は、イネ11などの植物の植えられた土壌Sの上に載置される格子枠状の振動伝達枠24と、この振動伝達枠24上の中央部に立設された支柱25と、この支柱25の上端部に設置された加振機23とから構成される。振動伝達枠24は縦桟24aと横桟24bとを格子状に枠組みしてなるものであり、支柱25は、この振動伝達枠24の中央部に補強枠26を介して立設固定されている。この支柱25の頂部には台板27が取り付けてあって、この台板27上に加振機23が設置されている。
上記振動装置22の使用にあたっては、この振動装置22を、図及び図に示すように、イネ11の植えてある水田の所要場所まで運搬していって、格子状の振動伝達枠24を、その縦桟24a及び横桟24bが水田のイネ株に当たらないように土壌Sの上に載置した状態とし、この状態で振動装置22の加振機23を作動させると、加振機23による振動が振動伝達枠24に伝わり、この振動伝達枠24の振動によって、図及び図に示す振動装置12の場合と同様に、土壌Sを振動させて各イネ株の根rに刺激を与える。一定場所での振動作業が終われば、振動装置22を順次移動させるようにする。
このような振動装置22によれば、構造が簡単で部品点数が少ないため、製作コストを安くできると共に、比較的軽量であるため運搬が容易となる利点がある。
は植物の植えられた土壌に対し振動を与えるための更に他の振動装置32を示すもので、(a) は側面図、(b) は(a) の矢印イで示す部分の拡大断面図、(c) は(b) のY−Y線断面図、(d) は(a) の矢印ロで示す部分の拡大断面図である。
この振動装置32は、一定間隔おきに偏心カム30を配設した長尺な回転シャフト31の一端部を連動用フレキシブルシャフト33を介して装置本体部34のモーター(図示省略)に連動連結すると共に、回転シャフト31には略全長に亘って非回転チューブ35を套嵌してなる棒状振動体36からなり、装置本体部34のモーターにより連動用フレキシブルシャフト33を介して回転シャフト31を回転させると、各偏心カム30の偏心回転によって非回転チューブ35に振動を生ぜしめるようにしたもので、水田、畑、果樹園などにおいて、この棒状振動体36を植物の植えられた土壌の上に這わせるようになっている。
の(a) 〜(c) に示すように、回転シャフト31に套嵌される非回転チューブ35には偏心カム30が回転する部分に拡大筒部35aが設けてある。また、図の(d) に示すように、回転シャフト31の一端部31aとこれに連結される連動用フレキシブルシャフト33の端部33aとは、連結ボックス37内で一体回転可能に連結されている。
この振動装置32の使用にあたっては、図の(a) に示すように、例えば水田に隣接した畦道などに装置本体部34を設置し、この装置本体部34から延出した棒状振動体36を隣り合うイネ株列間の通路部に這わせた状態に配置する。この状態で、装置本体部34のモーターを回転させると、連動用フレキシブルシャフト33を介して回転シャフト31が回転し、この回転シャフト31の回転により各偏心カム30が偏心回転して、非回転チューブ35に振動を生ぜしめ、その振動により水田の土壌Sを振動させ、その振動がイネ11の根rに伝わって刺激を与え、その成長を促進させるようになっている。
このような振動装置32によれば、棒状振動体36からなるため、植物の植えられた土壌への設置が容易で、水田や畑に限らず、果樹園等の傾斜地でも使用可能となり、しかも振動作業がし易くなる利点がある。
は植物の植えられた土壌に対し振動を与えるための更に他の振動装置で、特に移動式振動装置42を示し、(a) は振動装置42の側面図であり、(b) はその背面図である。この移動式振動装置42は、加振機43を搭載した基台41と、この基台41の下面側に取り付けられた複数条、例えば2条の橇44とからなるもので、図示のように植物21の植えられた土壌Sを走行するトラクター45により基台41を牽引して橇44を土壌Sの表面側で滑らせながら、加振機43の振動を基台41から橇44を介して土壌Sに伝え、その振動により植物の根を刺激するようになっている。
の(a) ,(b) において、46は振動装置42の基台41を昇降するための昇降装置で、トラクター45に装備されている。47はトラクター45の動力を振動装置42側に伝えて加振機13を駆動させるための動力ジョイントである。
この移動式振動装置42によれば、下面側に複数条の橇44を備えた基台41をトラクター45で牽引して、橇44を土壌Sの表面側で滑らせながら、加振機43の振動を基台41から橇44を介して土壌Sに伝え、土壌Sを振動させるようにしたものであるから、振動作業を水田や畑の他、果樹園等の傾斜地でも使用可能であると共に、その振動作業を能率良く、しかも非常に楽に行なうことができる利点を有する。
本発明の一実施形態に係る振動装置によるイネ(植物)の育成方法を説明する正面図である。 図1のX−X線に沿った概略断面図である。 植物の植えられた土壌に対し振動を与えるための他の振動装置を示す斜視図である。 植物の植えられた土壌に対し振動を与えるための更に他の振動装置を示すもので、(a) はこの振動装置の使用状態を示す正面図、(b) はその平面図である。 植物の植えられた土壌に対し振動を与える更に他の振動装置を示し、(a) は側面図、(b) は(a) の矢印イで示す部分の拡大断面図、(c) は(b) のY−Y線断面図、(d) は(a) の矢印ロで示す部分の拡大断面図である。 植物の植えられた土壌に対し振動を与えるための更に他の振動装置で、特に移動式振動装置を示し、(a) は振動装置の正面図であり、(b) はその背面図である。
S 土壌
11 イネ(植物)
r イネの根
12 振動装置
13 加振機
14 基台
15 振動伝達棒
22 振動装置
23 加振機
24 振動伝達枠
25 支柱
30 偏心カム
31 回転シャフト
32 振動装置
33 連動用フレキシブルシャフト
35 非回転チューブ
36 棒状振動体
41 基台
42 振動装置
43 加振機
44 橇
45 トラクター

Claims (4)

  1. 植物の植えられた土壌に対して一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物の根に刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、
    加振機を搭載した基台と、基台の下面より垂設された多数本の振動伝達棒とからなり、基台をダンパーを介してクレーンで吊持した状態で、各振動伝達棒の下端部を植物の植えられた土壌に所要深さだけ突入させるようにしてなることを特徴とする振動装置。
  2. 植物の植えられた土壌に対して一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物の根に刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、
    植物の植えられた土壌の上に載置される格子枠状の振動伝達枠と、振動伝達枠上の中央部に立設された支柱と、支柱の上端部に設置された加振機とからなることを特徴とする振動装置。
  3. 植物の植えられた土壌に対して一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物の根に刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、
    一定間隔おきに偏心カムを設けた長尺な回転シャフトの一端部を連動用フレキシブルシャフトを介してモーターに連動連結すると共に、回転シャフトの略全長に亘って非回転チューブを套嵌してなる棒状振動体からなるもので、この棒状振動体を植物の植えられた土壌の上に這わせるようにしたことを特徴とする振動装置。
  4. 植物の植えられた土壌に対して一日所要時間で所要日数間振動を与えることにより、植物の根に刺激を与えてその成長を促進させるための振動装置であって、
    加振機を搭載した基台と、基台の下面側に取り付けられた複数条の橇とからなり、植物の植えられた土壌を走行するトラクターによって基台を牽引させながら、橇を土壌の表面側で滑らせるようにしてなることを特徴とする振動装置。
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