JP4805086B2 - 重質油燃料供給装置 - Google Patents
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Description
また、第2の燃料供給路の上流端開口が貯留槽の底面より重量方向上側に位置していることから、貯留槽の底部にごみ等の固形物や水などの不純物を沈殿させることで液体燃料である改質された重質油と分離することができる。
さらに、貯留槽内に貯め置きされる燃料が不足することがないように前処理工程を駆動制御することができるため、機関始動時及び負荷変動時にも安定して運転させることができる。
図1に示すように、本実施形態の船舶に用いられる内燃機関としてのディーゼルエンジン11には、重質油燃料供給装置(以下、「燃料供給装置」と略称する。)12によって燃料として使用される重質油としてのC重油が供給されるようになっている。なお、図1においては、主機または補機として4つのディーゼルエンジン11を備えた場合を図示しているが、ディーゼルエンジン11の数は4つに限定されるものではない。
また、気液分離装置24の他方の流出口には供給路33の上流端が接続されるとともに、供給路33の下流端は減圧冷却装置34の流入口に接続されている。気液分離装置24において気体成分と分離された高温、高圧状態の液体燃料は、供給路33を通じて減圧冷却装置34に送られ、常温、常圧の状態に戻される。なお、反応装置17において生成された液体燃料は、C重油の油分子が低分子化されているため、減圧冷却装置34において常温、常圧の状態に戻されても改質前のように固着することはない。
各ディーゼルエンジン11には、燃焼室(図示略)内に噴射されなかった余剰油としての改質済みC重油を貯留槽41に返送するための返送路51の上流端が接続されている。また、返送路51の下流端は、貯留槽41の上部において供給路39の導入位置とは異なる位置から貯留槽41内に導入されている。したがって、各ディーゼルエンジン11に供給路48を介して供給されたものの燃焼に供されなかった改質済みC重油は、返送路51を通じて貯留槽41内に返送されるようになっている。
図2に示すように、貯留槽41は、下方に凸の偏心円錐形状をなす底壁部41aと、該底壁部41aの周縁から立ち上がる円筒状の側壁部41bと、側壁部41bの上側開口を塞ぐ蓋部41cとから構成されている。
燃料供給装置12においては、ディーゼルエンジン11の始動に先だって、燃料供給装置12が稼働され、重質なC重油を改質させる前処理が実行される。
(1)反応装置17において超臨界水と反応して改質されたC重油を一時貯留させる貯留槽41を備えたことにより、前処理を施されて改質されたC重油を予め所定量貯め置きしておくことができる。そのため、この貯め置きした改質済みのC重油をディーゼルエンジン11の始動時に速やかに供給することができる。また、一時的に高出力が必要となる場合などの負荷変動時に貯め置きした改質済みのC重油を追加供給することで、安定して燃料を供給することができる。すなわち、遅延なく燃料供給を開始することができるとともに前処理工程の能力不足を補うことができる。したがって、補助燃料に頼ることなく、機関始動時及び負荷変動時にも安定して内燃機関を運転させることができる。また、負荷のピーク時に必要な燃料を貯留槽41に貯め置きした燃料でまかなうことにより、反応装置17の処理能力を過度に大きくすることなく、負荷変動に対応することが可能になる。
(9)貯留槽41において設定された最高液面位置を液面センサ44によって検出し、この検出信号に基づいて制御部46が加圧ポンプ13,18の駆動を停止するようにしたため、供給路39及び返送路51から改質済みC重油が逆流することが回避される。
・上記実施形態において、送気路28の途中に可燃性ガスを貯留するためのガス貯留タンクを設けてもよい。このように構成すれば、準備作業におけるC重油の改質時に生成される可燃性ガスを貯留したり、ディーゼルエンジン11に供給する空気に可燃性ガスを混合させる割合を調整したりすることができる。したがって、可燃性ガスの過剰供給に起因するノッキングの回避や、低空気比燃焼による煤や窒素酸化物の生成量の抑制、あるいはエネルギー効率の向上など、必要に応じて燃焼条件を最適化することができる。
・上記実施形態において、反応装置17に保温器を備えてもよい。また、反応装置17内で加圧及び加熱する構成としてもよい。
・上記実施形態において、貯留槽41に貯留した改質済みC重油を撹拌させるための撹拌器を備えるようにしてもよい。
・上記実施形態において、可燃性ガスをディーゼルエンジン11に供給しないようにしてもよい。
(1)各請求項のいずれかに記載の重質油燃料供給装置を備えた内燃機関。
Claims (3)
- 内燃機関の燃料として使用される重質油と超臨界水とを反応させる反応装置と、
重質油を前記反応装置に送出するための燃料送出ポンプと、
超臨界水を前記反応装置に送出するための超臨界水送出ポンプと、
前記燃料送出ポンプ及び前記超臨界水送出ポンプを制御するための制御部と、
超臨界水と反応して改質された重質油を一時貯留させる貯留槽と、
前記貯留槽内の燃料残量を検出するための液面センサと、
前記改質された重質油を前記反応装置から前記貯留槽へ供給するための第1の燃料供給路と、
前記貯留槽に一時貯留された重質油を内燃機関へ供給するための第2の燃料供給路とを備え、
前記第2の燃料供給路は、その上流端開口が前記貯留槽内において該貯留槽の底面より重量方向上側に位置しており、
前記制御部は、前記液面センサの検出信号に基づき前記燃料送出ポンプ及び前記超臨界水送出ポンプを駆動し、前記貯留槽内の燃料液面位置が前記第2の燃料供給路の上流端開口位置を下まわらないように制御することを特徴とする重質油燃料供給装置。 - 前記第1の燃料供給路の途中に介在して前記反応装置における反応によって生成された気体成分と改質された重質油とを分離するための気液分離装置と、
該気液分離装置によって分離された気体成分に含まれる可燃性ガスを内燃機関に供給するための可燃性ガス供給路と
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の重質油燃料供給装置。 - 内燃機関に供給された重質油のうち、燃焼に供されなかった重質油を前記貯留槽に返送するための返送路を更に備え、
該返送路の下流端開口と、前記第1の燃料供給ロの下流端開口と、前記第2の燃料供給口の上流端開口とは、前記貯留槽内において上下方向の位置が重ならないように互いにオフセットされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の重質油燃料供給装置。
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