JP4803338B2 - Vehicle steering device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作部材の操作量と車輪の転舵量との比を車両の走行状態を表す変量に応じて変更可能な車両の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動アクチュエータの動きを車輪に舵角が変化するように伝達する際に、その電動アクチュエータを車両の走行状態を表す変量に応じて制御することで、その変量に応じて操作部材の操作量と車輪の転舵量との比を変化させる車両の操舵装置が提案されている。そのような操舵装置として、操作部材を車輪に機械的に連結するものと連結しないものとがある。操作部材を車輪に機械的に連結する場合、例えばステアリングホイールの操作に応じた入力シャフトの回転を出力シャフトに遊星ギヤ機構を介して伝達し、その伝達に際して遊星ギヤ機構を構成するリングギヤを駆動する電動アクチュエータを車速に応じて制御することで、操作量と転舵量との比を変更するものが知られている。また、操作部材を車輪に機械的に連結しない場合、ステアリングホイールを模した操作部材を車輪に機械的に連結することなく、電動アクチュエータの動きを、その動きに応じて舵角が変化するように車輪に伝達し、その伝達に際して電動アクチュエータを車速やヨーレート等に応じて制御することで操作量と転舵量との比を変更しているものが知られている。
【0003】
上記のような操舵装置において、操作部材の操作量をセンサにより検出し、操作部材の中立位置からの検出操作量が設定量以下である時に、車輪の転舵量が変化しないように電動アクチュエータを制御することが行われている(特公平7−112822号、特公平7−112824号)。これにより、操作部材の中立位置近傍において操作に対して舵角が変化しない不感帯が設けられ、車両直進時における走行安定性の向上が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような不感帯が設けられた従来の操舵装置においては、操作部材の中立位置を基準位置とし、その基準位置からの操作部材の操作量が設定量以下であれば舵角が変化することはない。そのため、車両の直進時は操作部材の操作の遊び量を適正に得ることができる。しかし、一定曲率で湾曲した道路や積雪等により傾斜したバンク路を一定の舵角を保持して走行する時は、操作部材の中立位置が基準位置であると、操作部材の操作の遊び量を適正に得ることができない。例えば、図10は従来の操作部材の中立位置からの操作量θiと、車輪転舵量に対応する舵角θoの大きさとの関係を示し、操作の遊び量は操作部材の中立位置を基準位置として左操舵時と右操舵時とで等しくθpとされている。その遊び量θpよりも僅かに大きい一定の操作量θaを保持して左旋回走行している状態においては、ドライバーが僅かに操作部材を操作するだけで舵角θが変化するために走行安定性を確保できないという問題がある。また、その状態からドライバーが操作部材を右方向に操作すると、不感帯に入るために操作部材を操作しても舵角が変化しなくなる。すなわち、一定の操作量θaを保持した状態から操作部材を右方に操作する時と左方に操作する時とで車両挙動が相異することになる。そのため、操舵時にドライバーに違和感を与えるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決することのできる車両の操舵装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、操作部材と、その操作部材の操作量を検出するセンサと、その操作部材の基準位置からの検出操作量が設定量を超えるか否かを判断する手段と、電動アクチュエータと、その電動アクチュエータの制御装置と、その電動アクチュエータの動きを車輪に舵角が変化するように伝達可能な機構と、車両の走行状態を表す変量を検出するセンサとを備え、その基準位置からの検出操作量が設定量を超える時、検出変量に応じて操作部材の操作量と車輪の転舵量との比が変化するように前記電動アクチュエータが制御され、その基準位置からの検出操作量が設定量以下である時、車輪の転舵量が変化しないように前記電動アクチュエータが制御される車両の操舵装置において、設定時間以上に亘り定常操舵状態であるか否かを判断する手段が設けられ、設定時間以上に亘り定常操舵状態ではない時、操作部材の中立位置が前記基準位置とされ、設定時間以上に亘り定常操舵状態である時、その設定時間以上に亘る定常操舵状態での操作部材の操作範囲の中央位置が前記基準位置とされ、検出操作量の変化が設定時間以上に亘り設定値未満である時、設定時間以上に亘り定常操舵状態であると判断することを特徴とする。
本発明によれば、設定時間以上に亘り定常操舵状態である時、その設定時間以上に亘る定常操舵状態での操作部材の操作範囲の中央位置が基準位置とされる。その基準位置からの検出操作量が設定量以下である時、車輪の転舵量が変化しないように電動アクチュエータが制御される。これにより、一定の舵角を保持した状態で走行している時に、操作部材の操作に遊びを設けることができ、しかも、その遊び量を左操舵時と右操舵時とで相等しくできる。また、ドライバーが操舵の意思なく遊びの範囲で操作しているか否かを容易に判断できる。
【0007】
その操作部材の操作力を検出するセンサを備え、その検出操作力が設定値以下である時は定常操舵状態ではないと判断されるのが好ましい。
舵角が大きくなると操作部材の操作力は大きくなるので、操作部材の操作力が設定値以下か否かにより操作部材を舵角零の時に操作しているか否かを判断できる。よって、検出操作力が設定値以下である時は定常操舵状態ではないと判断することで、舵角零で操作部材を操作している時は、操作部材の中立位置を基準位置として操作の遊び量を左操舵時と右操舵時とで相等しくすることができる。
【0009】
その操作部材の操作に応じて回転する入力シャフトと、出力シャフトと、その入力シャフトの回転を出力シャフトに伝達する回転伝達機構と、その出力シャフトの回転を車輪に舵角が変化するように伝達するステアリングギヤとを備え、その回転伝達機構の構成要素を前記電動アクチュエータにより駆動することで、その電動アクチュエータの動きが車輪に舵角が変化するように伝達されるのが好ましい。
これにより、操作部材と車輪とが機械的に連結された車両の操舵装置に本発明を適用できる。
その回転伝達機構は、サンギヤとリングギヤとに噛み合う遊星ギヤをキャリアにより保持する遊星ギヤ機構により構成され、そのサンギヤとリングギヤとキャリアの中の何れかである第1遊星ギヤ要素が前記入力シャフトに連結され、そのサンギヤとリングギヤとキャリアの中で入力シャフトに連結されていない何れかである第2遊星ギヤ要素が前記出力シャフトに連結され、そのサンギヤとリングギヤとキャリアの中で入出力シャフトに連結されていない第3遊星ギヤ要素が前記電動アクチュエータにより回転駆動されるのが好ましい。
【0010】
その操作部材を車輪に機械的に連結することなく、その電動アクチュエータの動きが、その動きに応じて舵角が変化するように車輪に伝達されるのが好ましい。これにより、操作部材を車輪に機械的に連結することなく、電動アクチュエータの動きを、その動きに応じて舵角が変化するように車輪に伝達する車両の操舵装置に本発明を適用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示す第1実施形態の車両の操舵装置1は、ステアリングホイール(操作部材)Hに連結される入力シャフト2を備えている。その入力シャフト2はベアリング7、8を介してハウジング10により支持されている。
【0012】
その入力シャフト2のステアリングホイールHの操作に応じた回転は、遊星ギヤ機構(回転伝達機構)30を介して出力シャフト11に伝達される。その出力シャフト11は、入力シャフト2と同軸心に隙間を介して配置され、ベアリング12、13を介してハウジング10により支持されている。その出力シャフト11の回転はステアリングギヤにより舵角が変化するように車輪に伝達される。そのステアリングギヤは、例えばラックピニオン式ステアリングギヤやボールスクリュー式ステアリングギヤ等の公知のものを用いることができる。これにより、入力シャフト2の回転は遊星ギヤ機構30を介して出力シャフト11に伝達され、その出力シャフト11の回転により舵角が変化する。
【0013】
その遊星ギヤ機構30は、サンギヤ31とリングギヤ32とに噛み合う遊星ギヤ33をキャリア34により保持する。そのサンギヤ31は、入力シャフト2の端部に同行回転するように連結されている。そのキャリア34は、出力シャフト11に同行回転するように連結されている。そのリングギヤ32は、入力シャフト2を囲むホルダー36にボルト362を介して固定されている。そのホルダー36は、入力シャフト2を囲むようにハウジング10に固定された筒状部材35によりベアリング9を介して支持されている。そのホルダー36の外周にウォームホイール37が同行回転するように嵌め合わされている。そのウォームホイール37に噛み合うウォーム38がハウジング10により支持されている。そのウォーム38はハウジング10に取り付けられたモータ(電動アクチュエータ)39により駆動される。これにより、その遊星ギヤ機構30の構成要素であるリングギヤ32がモータ39により駆動され、そのモータ39の動きが車輪に舵角が変化するように伝達される。
【0014】
そのモータ39として、例えば目標駆動電流に応じてパルス幅変調駆動されるブラシ付き直流モータが用いられる。そのモータ39の動きを車輪に舵角が変化するように伝達する際に、そのモータ39を車両の走行状態を表す変量に応じて閉ループ制御することで、その変量に応じて入力シャフト2から出力シャフト11への回転伝達比、すなわちステアリングホイールHの操作量と車輪の転舵量との比を変化させることができる。本実施形態では、その走行状態を表す変量は車速とされている。例えば、車速零の据え切り状態では入力シャフト2の回転角速度とリングギヤ32の回転角速度とが等しくなるようにモータ39を制御することで、入力シャフト2から出力シャフト11への回転伝達比を1とする。また、高速になる程にリングギヤ32の回転角速度を低下させ、遊星ギヤ機構30を減速ギヤ機構として機能させることで、車両の低速での旋回性と高速での走行安定性とを向上できる。
【0015】
図2に示すように、そのモータ39は車両に搭載される制御装置40に接続され、その制御装置40に走行状態を表す変量の検出用センサとして車速センサ41が接続されている。また、その制御装置40に、ステアリングホイールHの操作量として入力シャフト2の回転角を検出する舵角センサ42と、車輪の転舵量として出力シャフト11の回転角を検出する回転角センサ43とが接続されている。検出された入力シャフト2の回転角および車速から求められる目標転舵量と、検出された出力シャフト11の回転角との偏差を低減するように、制御装置40はモータ39を閉ループ制御する。さらに、ステアリングホイールHにドライバーが作用させる操作力として、入力シャフト2により伝達される操舵トルクを検出するトルクセンサ44が制御装置40に接続されている。
【0016】
図3は、操舵装置1における制御系の制御ブロック線図を示す。図3において、TiはステアリングホイールHの操舵トルク、Vは車速のセンサ41による検出値、θiは入力シャフト2の回転角の舵角センサ42による検出値、θoは出力シャフト11の回転角の回転角センサ43による検出値、θo* は出力シャフト11の目標回転角、i* はモータ39の目標制御量である目標駆動電流、C1は入力シャフト2の回転角θiに対する出力シャフトの目標回転角θo* の調節部、C2は出力シャフト11の目標回転角θo* と回転角θoとの偏差(θo* −θo)に対するモータ39の目標駆動電流i* の調節部である。
【0017】
制御装置40は、舵角センサ42により検出した入力シャフト2の回転角θiに対する出力シャフト11の目標回転角θo* を、予め定められて記憶された関係に基づき演算する。本実施形態では、その入力シャフト2の回転角θiに対する出力シャフトの目標回転角θo* の調節部C1は比例制御要素とされ、出力シャフト11の目標回転角はθo* =K(V)・θiにより求められる。ここでK(V)は比例ゲインであり、車速Vの関数とされている。この入力シャフト2の回転角θiと車速Vと出力シャフト11の目標回転角θo* との関係を表す比例ゲインK(V)が制御装置40に記憶される。例えば図4に示すように、その比例ゲインK(V)は車速Vが増大する程に減少するものとされ、この関係が制御装置40に記憶される。制御装置40は、その記憶した比例ゲインK(V)と入力シャフト2の検出回転角θiと検出車速Vとに基づき出力シャフト11の目標回転角θo* を演算する。
【0018】
制御装置40は、出力シャフト11の目標回転角θo* と検出回転角θoとの偏差(θo* −θo)と、モータ39の目標駆動電流i* との間の関係を記憶する。本実施形態では、その偏差(θo* −θo)に対する目標駆動電流i* の調節部C2は比例積分(PI)制御要素とされ、目標駆動電流i* はi* =G・(θo* −θo)により求められる。ここでGは伝達関数であり、例えばKgをゲイン、Tを時定数として、その伝達関数GはPI制御がなされるようにG=Kg・〔1+1/(T・s)〕とされ、そのゲインKgと時定数Tは最適な制御を行えるように設定される。その伝達関数Gが制御装置40に記憶される。
【0019】
制御装置40は、予め定めた設定時間以上に亘り定常操舵状態であるか否かを判断する。本実施形態では、ステアリングホイールHの操作力に対応する検出操舵トルクTiの大きさが予め定めた設定値を超え、且つ、操作量に対応する入力シャフト2の検出回転角θiの変化が設定時間以上に亘り予め定めた設定量未満である時に、設定時間以上に亘り定常操舵状態であると判断する。そうでなければ定常操舵状態ではないと判断する。その操作力の設定値は、車輪を転舵するのに要する力に対応するように定めればよい。その操作量の変化の設定量はステアリングホイールHの遊び量に対応するように定めることができ、例えば数度とされる。その設定時間は一定曲率で湾曲する道路を車両が通過するのに要する時間に対応するように定めることができ、例えば数秒とされる。その検出回転角θiの変化が設定時間以上に亘り設定値未満か否かの判断のため、本実施形態の制御装置40は時系列に検出する回転角θiの変化速度d(θi)/dtを演算し、その変化速度d(θi)/dtの大きさが設定時間以上に亘り設定速度未満か否かを判断する。これにより、ドライバーが操舵の意思なく遊びの範囲でステアリングホイールHを操作しているか否かを容易に判断できる。
【0020】
制御装置40は、ステアリングホイールHの基準位置からの検出回転角θiの変化が予め定めた設定量を超えるか否かを判断する。その操作量の変化の設定量は上記遊びの範囲に対応するように定めればよい。この判断に際して、設定時間以上に亘り定常操舵状態でない時は、ステアリングホイールHの中立位置が基準位置とされ、設定時間以上に亘り定常操舵状態である時は、その設定時間以上に亘る定常操舵状態でのステアリングホイールHの操作範囲の中央位置が基準位置とされる。そのステアリングホイールHの中立位置は、ステアリングホイールHが中立位置にある時に舵角センサ42の検出値が零になるように初期設定することで求めることができる。その設定時間以上に亘る定常操舵状態でのステアリングホイールHの操作範囲の中央位置は、本実施形態では、その設定時間に亘り一定時間間隔でサンプリングした検出回転角θiの積算値をサンプリング数で除することにより求める。
【0021】
制御装置40は、その基準位置からの検出回転角θiの大きさが設定量を超える時、モータ39を検出車速Vに応じてステアリングホイールHの操作量と車輪の転舵量との比が変化するように制御する。すなわち、記憶した伝達関数Gと、演算した出力シャフト11の目標回転角θo* と、検出回転角θoとに基づき、モータ39の目標駆動電流i* を演算し、その演算された目標駆動電流i* を印加することでモータ39を駆動する。また、制御装置40は、その基準位置からの検出回転角θiが設定量以下である時、車輪の転舵量が変化しないようにモータ39を制御する。
【0022】
図5のフローチャートを参照して上記制御装置40による制御手順を説明する。まず、各センサ41、42、43の検出値を読み込む(ステップ1)。次に、検出操舵トルクTiの大きさが設定値Toを超えるか否かを判断し(ステップ2)、設定値Toを超える場合は入力シャフトの検出回転角θiの変化速度d(θi)/dtの大きさが設定速度A未満か否かを判断し(ステップ3)、設定速度A未満であれば時間の積算を行い(ステップ4)、サンプリングした入力シャフトの検出回転角θiの積算を行い(ステップ5)、積算時間tが設定時間ta以上か否かを判断する(ステップ6)。ステップ6において積算時間tが設定時間ta未満であればステップ1に戻る。ステップ6において積算時間tが設定時間ta以上であれば、設定時間以上に亘り定常操舵状態であると判断し、サンプリングした入力シャフト2の検出回転角θiの積算値Σθiをサンプリング数nで除することで求めたステアリングホイールHの操作範囲の中央位置を基準位置θsとする(ステップ7)。ステップ2において検出操舵トルクTiの大きさが設定値To以下の場合、ステップ3において入力シャフト2の検出回転角θiの変化速度d(θi)/dtの大きさが設定速度A以上の場合、上記時間積算と入力シャフトの検出回転角θiの積算とを解除し(ステップ8)、ステアリングホイールHの中立位置を基準位置θsとする(ステップ9)。次に、その求めた基準位置θsからの入力シャフト2の検出回転角θiの大きさが設定量θpを超えるか否かを判断する(ステップ10)。ステップ10において基準位置θsからの検出回転角θiの大きさが設定量θpを超える時、検出車速Vに対応する比例ゲインK(V)を求め(ステップ11)、その求めた比例ゲインK(V)と入力シャフト2の検出回転角θiとから出力シャフト11の目標回転角θo* を演算し(ステップ12)、その目標回転角θo* と出力シャフト11の検出回転角θiとの偏差(θo* −θo)と、伝達関数Gとから目標駆動電流i* を演算し(ステップ13)、その目標駆動電流i* に基づきモータ39を駆動する(ステップ14)。次に、制御を終了するか否かを、例えば車両のイグニッションスイッチがオンか否かにより判断し(ステップ15)、終了しない場合はステップ1に戻る。ステップ10において基準位置θsからの検出回転角θiの大きさが設定量θp以下である時、舵角が変化しないように出力シャフト11の目標回転角θo* を直前の値と同一として変化しないものとし(ステップ16)、しかる後にステップ13に至る。
【0023】
上記第1実施形態によれば、ステアリングホイールHと車輪とが機械的に連結された車両において、設定時間ta以上に亘り定常操舵状態である時、その設定時間ta以上に亘る定常操舵状態でのステアリングホイールHの操作範囲の中央位置が基準位置θsとされ、その基準位置θsからの入力シャフト2の検出回転角θiの大きさが設定量θp以下である時、車輪の転舵量が変化しないようにモータ39が制御される。これにより、一定の舵角を保持した状態で走行している時に、ステアリングホイールHの操作に遊びを設けることができ、しかも、その遊び量を左操舵時と右操舵時とで相等しくできる。また、設定時間ta以上に亘り定常操舵状態でない時は、ステアリングホイールHの中立位置を基準位置として、ステアリングホイールHの操作の遊び量を左操舵時と右操舵時とで相等しくすることができる。図6は、ステアリングホイールHの中立位置からの操作量に対応する入力シャフト2の検出回転角θiと、車輪転舵量に対応する舵角θの大きさとの関係を、設定時間ta以上に亘り定常操舵状態でない時を実線で、設定時間ta以上に亘り定常操舵状態である時を破線で示す。すなわち、ステアリングホイールHの操作に対して舵角が変化しない不感帯の中点位置が、設定時間ta以上に亘り定常操舵状態でない時はステアリングホイールHの中立位置になり、設定時間ta以上に亘り定常操舵状態である時はステアリングホイールHの操作範囲の中央位置θaにオフセットされる。また、ステアリングホイールHの操作力が設定値以下か否かにより、ステアリングホイールHを舵角零の時に操作しているか否かを判断できる。よって、検出操舵トルクTiの大きさが設定値To以下である時は定常操舵状態ではないと判断することで、舵角零でステアリングホイールHを操作している時は、ステアリングホイールHの中立位置を基準位置として操作の遊び量を左操舵時と右操舵時とで相等しくすることができる。
【0024】
図7は、本発明の第2実施形態に係る所謂ステアバイワイヤシステムを採用した車両の操舵装置を示す。この車両の操舵装置は、ステアリングホイールを模した操作部材101と、この操作部材101の回転操作により駆動される操舵用モータ(電動アクチュエータ)102と、その操舵用モータ102の動きを、その操作部材101を車輪104に機械的に連結することなく、その動きに応じて舵角が変化するように操舵用前方左右車輪104に伝達するステアリングギヤ103とを備える。その操舵用モータ102は、例えば公知のブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。そのステアリングギヤ103は、その操舵用モータ102の出力シャフトの回転運動をステアリングロッド107の直線運動に変換する運動変換機構を有する。そのステアリングロッド107の動きがタイロッド108とナックルアーム109を介して車輪104に伝達され、その車輪104のトー角が変化する。そのステアリングギヤ103は公知のものを用いることができ、操舵用モータ102の動きを舵角が変化するように車輪104に伝達できれば構成は限定されない。なお、操舵用モータ102が駆動されていない状態では、車輪104がセルフアライニングトルクにより直進操舵位置に復帰できるようにホイールアラインメントが設定されている。その操作部材101は、車体側により回転可能に支持される回転シャフト110に連結されている。その回転シャフト110に操作用アクチュエータ119の出力シャフトが一体化されている。その操作用アクチュエータ119はブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。その操作部材101を直進操舵位置に復帰させる方向の弾力を付与する弾性部材130が設けられている。
【0025】
操作部材101の操作量の検出用センサとして回転シャフト110の回転角を検出する角度センサ111と、操作部材101の操作力に対応する操作トルクを検出するトルクセンサ112と、転舵量の検出用センサとして舵角を検出する舵角センサ113と、走行状態を表す変量の検出用センサとして車速を検出する速度センサ114および車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ116が設けられている。その角度センサ111、トルクセンサ112、舵角センサ113、速度センサ114、ヨーレートセンサ116は、コンピュータにより構成される制御装置120に接続される。
【0026】
その制御装置120は、操舵用モータ102の動きを車輪104に舵角が変化するように伝達する際に、その操舵用モータ102を車速とヨーレートに応じて駆動回路122を介して閉ループ制御することで、その車速とヨーレートに応じて操作部材101の操作量と車輪104の転舵量との比を変化させる。
【0027】
図8は、第2実施形態の制御装置120の制御系の構成を示すブロック線図を示す。ここで、γは車両100のヨーレートの検出値、γ* はヨーレートの目標値、Vは車速の検出値、δhは操作部材101の回転角の検出値、δは舵角の検出値、δ* は目標舵角、i* は操舵用モータ102の駆動電流の目標値、G1はδhに対するγ* の調節部の伝達関数、G2はγ* とγとの偏差に対するδ* の調節部の伝達関数、G3はδ* とδとの偏差に対するi* の調節部の伝達関数である。
その検出されたδh、V、γから求められるδ* と、検出されたδとの偏差を低減するように操舵用モータ102を閉ループ制御する。すなわち、そのδhに対するγ* の調節部は例えば比例制御要素とされ、比例ゲインは車速Vに比例するものとされ、比例定数をKとして以下の関係が制御装置120に記憶される。
γ* =G1・δh=K・V・δh
そのγ* とγとの偏差に対するδ* の調節部は例えばPI制御要素とされ、Kaをゲイン、Taを時定数として、以下の関係が制御装置120に記憶される。
δ* =G2・(γ* −γ)=Ka〔1+1/(Ta・s)〕(γ* −γ)
そのδ* とδとの偏差に対するi* の調節部は例えばPI制御要素とされ、Kbをゲイン、Tbを時定数として、以下の関係が制御装置120に記憶される。
i* =G3・(δ* −δ)=Kb〔1+1/(Tb・s)〕(δ* −δ)
その比例定数K、ゲインKa、Kb、時定数Ta、Tbは最適な制御を行えるように適宜調整される。
【0028】
また、K1は操作部材101の回転角度δhに対する目標操作トルクTh* のゲインであり、予め定めて記憶されたTh* =K1・δhの関係と角度センサ111により検出された回転角度δhとから目標操作トルクTh* が演算される。そのゲインK1は最適な制御を行えるように調整される。
G4は、目標操作トルクTh* と操作トルクThとの偏差に対する操作用アクチュエータ119の目標駆動電流ih* の伝達関数である。制御装置120は予め定めて記憶したih* =G4・(Th* −Th)の関係と、演算した目標操作トルクTh* と、トルクセンサ112により検出した操作トルクThとから目標駆動電流ih* を演算する。その伝達関数G4は、例えばPI制御を行う場合、ゲインをK4、ラプラス演算子をs、時定数をτaとして、G4=K4〔1+1/(τa・s)〕になる。そのゲインK4および時定数τaは最適な制御を行えるように調整される。その目標駆動電流ih* に応じて操作用アクチュエータ119が駆動される。これにより、路面から車輪104に作用する操舵抵抗に応じた操作反力を操作用アクチュエータ119により発生することができる。
【0029】
制御装置120は、設定時間以上に亘り定常操舵状態であるか否かを判断する。本実施形態では、操作部材101の操作力に対応する検出操作トルクThの大きさが予め定めた設定値を超え、且つ、操作量に対応する操作部材101の検出回転角δhの変化が予め定めた設定時間以上に亘り設定値未満である時に、設定時間以上に亘り定常操舵状態であると判断する。そうでなければ定常操舵状態ではないと判断する。その操作力の設定値は、車輪を転舵するのに要する力に対応するように定めればよい。その操作量の変化の設定値は操作部材101の遊び量に対応するように定めることができ、例えば数度とされる。その設定時間は一定曲率で湾曲する道路を車両が通過するのに要する時間に対応するように定めることができ、例えば数秒とされる。その検出回転角δhの変化が設定時間以上に亘り設定値未満か否かの判断のため、本実施形態の制御装置120は時系列に検出する回転角δhの変化速度d(δh)/dtを演算し、その変化速度d(δh)/dtの大きさが設定時間以上に亘り設定速度未満か否かを判断する。これにより、ドライバーが操舵の意思なく遊びの範囲で操作部材101を操作しているか否かを容易に判断できる。
【0030】
制御装置120は、操作部材101の基準位置からの検出回転角δhの変化が予め定めた設定量を超えるか否かを判断する。その操作部材101の操作量の変化の設定量は操作の遊び範囲に対応するように定められる。この判断に際して、設定時間以上に亘り定常操舵状態でない時は、操作部材101の中立位置が基準位置とされる。その操作部材101の中立位置は、操作部材101が中立位置にある時に角度センサ111の検出値が零になるように初期設定することで求めることができる。その設定時間以上に亘り定常操舵状態である時は、その設定時間以上に亘る定常操舵状態での操作部材101の操作範囲の中央位置が基準位置とされる。その設定時間以上に亘る定常操舵状態での操作部材101の操作範囲の中央位置は、本実施形態では、その設定時間に亘り一定時間間隔でサンプリングした検出回転角δhの積算値をサンプリング数で除することにより求める。
【0031】
制御装置120は、その基準位置からの検出回転角δhの大きさが設定量を超える時、モータ102を検出車速Vと検出ヨーレートγに応じて操作部材101の操作量と車輪の転舵量との比が変化するように制御する。すなわち、上記記憶した伝達関数G3に基づきモータ102の目標駆動電流i* を演算し、その演算された目標駆動電流i* を印加することでモータ102を駆動する。また、制御装置120は、その基準位置からの検出回転角δhが設定量以下である時、車輪の転舵量が変化しないようにモータ102を制御する。
【0032】
図9のフローチャートを参照して上記第2実施形態の制御装置120による制御手順を説明する。まず、各センサによる検出値を読み込む(ステップ101)。次に、操作部材101の検出回転角δhから目標操作トルクTh* をTh* =K1・δhの関係から演算し、その憶されたTh* と検出操作トルクThとの偏差から操作用アクチュエータ119の目標駆動電流ih* をih* =G4・(Th* −Th)の関係から演算し、その目標駆動電流ih* に応じて操作用アクチュエータ119を駆動する(ステップ102)。次に、検出操作トルクThの大きさが設定値Toを超えるか否かを判断し(ステップ103)、設定値Toを超える場合は操作部材101の検出回転角δhの変化速度d(δh)/dtの大きさが設定速度A未満か否かを判断し(ステップ104)、設定速度A未満であれば時間の積算を行い(ステップ105)、サンプリングした操作部材101の検出回転角δhの積算を行い(ステップ106)、積算時間tが設定時間ta以上か否かを判断する(ステップ107)。ステップ107において積算時間tが設定時間ta未満であればステップ101に戻る。ステップ107において積算時間tが設定時間ta以上であれば、設定時間以上に亘り定常操舵状態であると判断し、サンプリングした操作部材101の検出回転角δhの積算値Σδhをサンプリング数nで除することで求めた操作部材101の操作範囲の中央位置δsを基準位置とする(ステップ108)。ステップ103において検出操作トルクThの大きさが設定値To以下の場合、ステップ104において操作部材101の検出回転角δhの変化速度d(δh)/dtの大きさが設定速度A以上の場合、上記時間積算と入力シャフトの検出回転角δhの積算とを解除し(ステップ109)、操作部材101の中立位置を基準位置δsとする(ステップ110)。次に、その求めた基準位置δsからの操作部材101の検出回転角δhの大きさが設定量δpを超えるか否かを判断する(ステップ111)。ステップ111において検出回転角δhの大きさが設定量δpを超える時、検出した回転角δhと車速Vに対応する目標ヨーレートγ* を記憶した関係から演算し(ステップ112)、その目標ヨーレートγ* と検出したヨーレートγとの偏差に対応する目標舵角δ* を記憶した関係から演算し(ステップ113)、その目標舵角δ* と検出した舵角δとの偏差に対応する操舵用モータ102の目標駆動電流i* を記憶した関係から演算し(ステップ114)、その目標駆動電流i* に応じて操舵用モータ102を駆動する(ステップ115)。次に、制御を終了するか否かを、例えば車両のイグニッションスイッチがオンか否かにより判断し(ステップ116)、終了しない場合はステップ101に戻る。ステップ111において基準位置δsからの操作部材101の検出回転角δhの大きさが設定量δp以下である時、舵角が変化しないように目標舵角δ* を直前の値と同一として変化しないものとし(ステップ117)、しかる後にステップ114に至る。
【0033】
上記第2実施形態によれば、操作部材101と車輪とが機械的に連結されていない車両において、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0034】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記各実施形態では操作部材の操作力を検出するセンサを備え、その検出操作力が設定値以下である時は定常操舵状態ではないと判断されるが、そのような操作力の検出センサを設けず、検出操作量の変化が設定時間以上に亘り設定値未満であれば、設定時間以上に亘り定常操舵状態であると判断するようにしてもよい。第1実施形態において車両の走行状態を表す変量としてステアリングホイールHの操作量を用い、モータ39を車速に代えて、あるいは車速と共に、舵角センサ42により検出されるステアリングホイールHの操作量に応じて制御するようにしてもよい。その操作量が大きい場合は小さい場合よりも入力シャフト2から出力シャフト11への回転伝達比を大きくすることで車両の旋回性を向上できる。また、第1実施形態における入力シャフト2に遊星ギヤ機構30のリングギヤ32あるいはキャリア34を連結し、出力シャフト11に連結される遊星ギヤ機構30の構成要素を入力シャフト2に連結されていないサンギヤ31あるいはリングギヤ32とし、モータ39により駆動される遊星ギヤ機構30の構成要素を入出力シャフト2、11に連結されていないサンギヤ31あるいはキャリア34としてもよい。すなわち、サンギヤ31、リングギヤ32、キャリア34の各遊星ギヤ要素の中の何れかを入力シャフト2に連結し、各遊星ギヤ要素の中で入力シャフト2に連結されていない何れかを出力シャフト11に連結し、各遊星ギヤ要素の中で入出力シャフトに連結されていないものをモータ39により回転駆動してもよい。さらに、遊星ギヤ機構30以外の回転伝達機構、例えば遊星コーン式回転伝達機構を用いてもよい。また、各実施形態において電動アクチュエータを車両の走行状態を表す変量に応じて制御する際に、その変量に応じて操作部材の操作量と車輪の転舵量との比を変化させることができるならば、制御系の構成は特に限定されない。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、操作部材の操作量と車輪の転舵量との比を変更可能な車両において一定舵角を保持して走行する時に、操作部材の操作のための一定の遊び範囲を左右何れの方向にも設け、操舵時にドライバーに違和感を与えることのない車両の操舵装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の操舵装置の縦断面図
【図2】本発明の第1実施形態の操舵装置の制御構成の説明図
【図3】本発明の第1実施形態の操舵装置における制御系のブロック線図
【図4】本発明の第1実施形態の操舵装置の制御系における比例ゲインK(V)と車速Vとの関係一例を示す図
【図5】本発明の第1実施形態の操舵装置における制御手順を示すフローチャート
【図6】本発明の第1実施形態の操舵装置における入力シャフトの検出回転角と舵角の大きさとの関係一例を示す図
【図7】本発明の第2実施形態の操舵装置の構成説明図
【図8】本発明の第2実施形態の操舵装置における制御系のブロック線図
【図9】本発明の第2実施形態の操舵装置における制御手順を示すフローチャート
【図10】従来の操舵装置の問題点の説明図
【符号の説明】
2 入力シャフト
11 出力シャフト
30 遊星ギヤ機構
37 ウォームホイール
38 ウォーム
39 モータ
40 制御装置
41 車速センサ
42 舵角センサ
43 回転角センサ
44 トルクセンサ
101 操作部材
102 操舵用モータ
103 ステアリングギヤ
104 車輪
111 角度センサ
112 トルクセンサ
113 舵角センサ
114 速度センサ
116 ヨーレートセンサ
120 制御装置
H ステアリングホイール[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle steering apparatus capable of changing a ratio between an operation amount of an operation member and a steering amount of a wheel according to a variable representing a traveling state of the vehicle.
[0002]
[Prior art]
When transmitting the movement of the electric actuator to the wheel so that the rudder angle changes, the electric actuator is controlled according to the variable representing the running state of the vehicle, so that the operation amount of the operation member and the wheel according to the variable There has been proposed a vehicle steering device that changes a ratio with the amount of steering. Such steering devices include those that mechanically connect the operating member to the wheels and those that do not. When the operation member is mechanically connected to the wheel, for example, the rotation of the input shaft according to the operation of the steering wheel is transmitted to the output shaft through the planetary gear mechanism, and the ring gear constituting the planetary gear mechanism is driven in the transmission. It is known to change the ratio between the operation amount and the turning amount by controlling the electric actuator according to the vehicle speed. In addition, when the operating member is not mechanically connected to the wheel, the steering angle of the electric actuator is changed according to the movement of the electric actuator without mechanically connecting the operating member imitating the steering wheel to the wheel. It is known that the ratio between the operation amount and the steered amount is changed by transmitting to the wheel and controlling the electric actuator according to the vehicle speed, the yaw rate, etc. at the time of the transmission.
[0003]
In the steering apparatus as described above, when the operation amount of the operation member is detected by a sensor and the detected operation amount from the neutral position of the operation member is equal to or less than the set amount, the electric actuator is controlled so that the turning amount of the wheel does not change. Control is carried out (Japanese Patent Publication No. 7-11822, Japanese Patent Publication No. 7-11824). As a result, a dead zone in which the rudder angle does not change with respect to the operation is provided in the vicinity of the neutral position of the operation member, and the traveling stability during straight traveling of the vehicle is improved.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional steering device provided with the dead zone as described above, the steering angle changes if the neutral position of the operation member is a reference position and the operation amount of the operation member from the reference position is equal to or less than a set amount. Absent. Therefore, the play amount of operation of the operation member can be appropriately obtained when the vehicle goes straight. However, when running on a road curved with a constant curvature or a bank road inclined by snow, etc. while maintaining a constant rudder angle, if the neutral position of the operation member is the reference position, the play amount of operation of the operation member is reduced. It cannot be obtained properly. For example, FIG. 10 shows a relationship between the operation amount θi from the neutral position of the conventional operation member and the magnitude of the steering angle θo corresponding to the wheel turning amount, and the play amount of the operation is based on the neutral position of the operation member as a reference position. Is equal to θp during left steering and during right steering. In a state where the vehicle is turning counterclockwise while maintaining a certain operation amount θa slightly larger than the play amount θp, the steering angle θ changes by only slightly operating the operation member by the driver. There is a problem that cannot be secured. Further, when the driver operates the operating member in the right direction from that state, the steering angle does not change even if the operating member is operated to enter the dead zone. That is, the vehicle behavior differs between when the operation member is operated to the right and when the operation member is operated to the left from a state in which the constant operation amount θa is maintained. Therefore, there is a problem that the driver feels uncomfortable at the time of steering.
[0005]
It is an object of the present invention to provide a vehicle steering apparatus that can solve the above problems.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention includes an operation member, a sensor for detecting an operation amount of the operation member, a means for determining whether or not a detected operation amount from a reference position of the operation member exceeds a set amount, an electric actuator, A control device for an electric actuator, a mechanism capable of transmitting the movement of the electric actuator to a wheel so that the rudder angle changes, and a sensor for detecting a variable representing a running state of the vehicle, and a detection operation from the reference position When the amount exceeds the set amount, the electric actuator is controlled so that the ratio between the operation amount of the operation member and the turning amount of the wheel changes according to the detected variable, and the detected operation amount from the reference position is set to the set amount. In the vehicle steering apparatus in which the electric actuator is controlled so that the steering amount of the wheel does not change when the following is true, a means for determining whether or not the steering is in a steady state for a set time or more The neutral position of the operating member is set as the reference position when it is not in a steady steering state for a set time or more, and when it is in a steady steering state for a set time or more, in the steady steering state for a set time or more. The center position of the operating range of the operating member is the reference position.When the change in the detected operation amount is less than the set value for the set time or more, it is determined that the steady steering state is set for the set time or more.It is characterized by that.
According to the present invention, when the steering wheel is in the steady steering state for the set time or longer, the center position of the operating range of the operating member in the steady steering state for the set time or longer is set as the reference position. When the detected operation amount from the reference position is equal to or less than the set amount, the electric actuator is controlled so that the wheel turning amount does not change. As a result, when the vehicle is traveling while maintaining a certain rudder angle, play can be provided for the operation of the operation member, and the play amount can be made equal between left steering and right steering.Further, it can be easily determined whether or not the driver is operating within the range of play without intention of steering.
[0007]
It is preferable that a sensor for detecting the operating force of the operating member is provided, and it is determined that the steering is not in a steady state when the detected operating force is equal to or less than a set value.
Since the operating force of the operating member increases as the steering angle increases, it can be determined whether or not the operating member is being operated when the steering angle is zero based on whether or not the operating force of the operating member is equal to or less than a set value. Therefore, when the detected operating force is equal to or less than the set value, it is determined that the steering member is not in a steady steering state. When the operating member is operated at a steering angle of zero, the neutral position of the operating member is used as a reference position. The amount can be made equal between left steering and right steering.
[0009]
The input shaft that rotates according to the operation of the operation member, the output shaft, the rotation transmission mechanism that transmits the rotation of the input shaft to the output shaft, and the rotation of the output shaft is transmitted to the wheels so that the steering angle changes. It is preferable that the movement of the electric actuator is transmitted to the wheel so that the steering angle changes by driving the components of the rotation transmission mechanism by the electric actuator.
Thus, the present invention can be applied to a vehicle steering apparatus in which an operation member and wheels are mechanically coupled.
The rotation transmission mechanism is constituted by a planetary gear mechanism that holds a planetary gear meshing with a sun gear and a ring gear by a carrier, and the first planetary gear element that is one of the sun gear, the ring gear, and the carrier is connected to the input shaft. A second planetary gear element that is not connected to the input shaft among the sun gear, ring gear, and carrier is connected to the output shaft, and is connected to the input / output shaft in the sun gear, ring gear, and carrier. Preferably, the third planetary gear element that is not rotated is driven to rotate by the electric actuator.
[0010]
Preferably, the movement of the electric actuator is transmitted to the wheel such that the steering angle changes in accordance with the movement without mechanically connecting the operating member to the wheel. Thus, the present invention can be applied to a vehicle steering apparatus that transmits the movement of the electric actuator to the wheel so that the steering angle changes in accordance with the movement without mechanically connecting the operation member to the wheel.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A
[0012]
The rotation of the
[0013]
The
[0014]
As the
[0015]
As shown in FIG. 2, the
[0016]
FIG. 3 is a control block diagram of a control system in the
[0017]
The
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
When the detected rotation angle θi from the reference position exceeds the set amount, the
[0022]
The control procedure by the
[0023]
According to the first embodiment, in a vehicle in which the steering wheel H and the wheels are mechanically connected, when the vehicle is in the steady steering state for the set time ta or longer, the vehicle is in the steady steering state for the set time ta or longer. When the central position of the operation range of the steering wheel H is the reference position θs, and the magnitude of the detected rotation angle θi of the
[0024]
FIG. 7 shows a vehicle steering apparatus employing a so-called steer-by-wire system according to a second embodiment of the present invention. The vehicle steering apparatus includes an
[0025]
An
[0026]
The
[0027]
FIG. 8 is a block diagram showing the configuration of the control system of the
Δ obtained from the detected δh, V, γ* Then, the
γ* = G1 · δh = K · V · δh
That γ* Δ for the deviation between γ and γ* For example, the adjusting unit is a PI control element, and the following relationship is stored in the
δ* = G2 · (γ* −γ) = Ka [1 + 1 / (Ta · s)] (γ* −γ)
That δ* I for the deviation between δ and δ* For example, the adjusting unit is a PI control element, and the following relationship is stored in the
i* = G3 · (δ* −δ) = Kb [1 + 1 / (Tb · s)] (δ* −δ)
The proportionality constant K, the gains Ka and Kb, and the time constants Ta and Tb are appropriately adjusted so that optimum control can be performed.
[0028]
K1 is the target operating torque Th with respect to the rotation angle δh of the operating
G4 is the target operation torque Th* Target operating current ih of the operating actuator 119 with respect to the deviation between the operating torque Th and the operating torque Th* Is the transfer function. The
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
When the magnitude of the detected rotation angle δh from the reference position exceeds the set amount, the
[0032]
A control procedure by the
[0033]
According to the said 2nd Embodiment, the effect similar to 1st Embodiment can be show | played in the vehicle in which the
[0034]
The present invention is not limited to the above embodiment. For example, in each of the above embodiments, a sensor that detects the operating force of the operating member is provided, and when the detected operating force is equal to or less than a set value, it is determined that the steering state is not in a steady state. If the change in the detected operation amount is less than the set value over the set time, the steady steering state may be determined over the set time. In the first embodiment, the operation amount of the steering wheel H is used as a variable representing the running state of the vehicle, and the
[0035]
【The invention's effect】
According to the present invention, when a vehicle capable of changing the ratio between the operation amount of the operation member and the steering amount of the wheel is driven while maintaining a constant rudder angle, a certain play range for operation of the operation member can be changed. It is possible to provide a vehicle steering apparatus that is provided in any direction and does not give the driver a sense of incongruity during steering.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a steering apparatus according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a control configuration of the steering device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a block diagram of a control system in the steering apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing an example of a relationship between a proportional gain K (V) and a vehicle speed V in the control system of the steering apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a flowchart showing a control procedure in the steering apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing an example of the relationship between the detected rotation angle of the input shaft and the magnitude of the steering angle in the steering device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a diagram illustrating the configuration of a steering device according to a second embodiment of the invention.
FIG. 8 is a block diagram of a control system in a steering apparatus according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a flowchart showing a control procedure in the steering apparatus according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 10 is an explanatory diagram of problems of a conventional steering device
[Explanation of symbols]
2 Input shaft
11 Output shaft
30 Planetary gear mechanism
37 Worm wheel
38 Warm
39 Motor
40 Control device
41 Vehicle speed sensor
42 Rudder angle sensor
43 Rotation angle sensor
44 Torque sensor
101 Operation member
102 Steering motor
103 Steering gear
104 wheels
111 Angle sensor
112 Torque sensor
113 Rudder angle sensor
114 Speed sensor
116 Yaw rate sensor
120 controller
H Steering wheel
Claims (4)
その操作部材の操作量を検出するセンサと、
その操作部材の基準位置からの検出操作量が設定量を超えるか否かを判断する手段と、
電動アクチュエータと、
その電動アクチュエータの制御装置と、
その電動アクチュエータの動きを車輪に舵角が変化するように伝達可能な機構と、
車両の走行状態を表す変量を検出するセンサとを備え、
その基準位置からの検出操作量が設定量を超える時、検出変量に応じて操作部材の操作量と車輪の転舵量との比が変化するように前記電動アクチュエータが制御され、
その基準位置からの検出操作量が設定量以下である時、車輪の転舵量が変化しないように前記電動アクチュエータが制御される車両の操舵装置において、
設定時間以上に亘り定常操舵状態であるか否かを判断する手段が設けられ、
設定時間以上に亘り定常操舵状態ではない時、操作部材の中立位置が前記基準位置とされ、
設定時間以上に亘り定常操舵状態である時、その設定時間以上に亘る定常操舵状態での操作部材の操作範囲の中央位置が前記基準位置とされ、
検出操作量の変化が設定時間以上に亘り設定値未満である時、設定時間以上に亘り定常操舵状態であると判断することを特徴とする車両の操舵装置。An operation member;
A sensor for detecting an operation amount of the operation member;
Means for determining whether or not the detected operation amount from the reference position of the operation member exceeds a set amount;
An electric actuator;
A control device for the electric actuator;
A mechanism capable of transmitting the movement of the electric actuator to the wheel so that the rudder angle changes;
A sensor for detecting a variable representing the running state of the vehicle,
When the detected operation amount from the reference position exceeds the set amount, the electric actuator is controlled so that the ratio between the operation amount of the operation member and the turning amount of the wheel changes according to the detected variable,
In the vehicle steering apparatus in which the electric actuator is controlled so that the turning amount of the wheel does not change when the detected operation amount from the reference position is equal to or less than the set amount,
Means for determining whether or not the vehicle is in a steady steering state over a set time;
When not in a steady steering state for a set time or longer, the neutral position of the operation member is set as the reference position,
When it is in a steady steering state over a set time, the center position of the operation range of the operating member in the steady steering state over the set time is set as the reference position ,
A vehicle steering apparatus characterized in that when a change in a detected operation amount is less than a set value for a set time or more, the vehicle is determined to be in a steady steering state for a set time or more .
その検出操作力が設定値以下である時は定常操舵状態ではないと判断される請求項1に記載の車両の操舵装置。A sensor for detecting the operation force of the operation member;
2. The vehicle steering apparatus according to claim 1, wherein when the detected operation force is equal to or less than a set value, it is determined that the vehicle is not in a steady steering state.
出力シャフトと、
その入力シャフトの回転を出力シャフトに伝達する回転伝達機構と、
その出力シャフトの回転を車輪に舵角が変化するように伝達するステアリングギヤとを備え、
その回転伝達機構の構成要素を前記電動アクチュエータにより駆動することで、その電動アクチュエータの動きが車輪に舵角が変化するように伝達される請求項1または2に記載の車両の操舵装置。An input shaft that rotates according to the operation of the operation member;
An output shaft;
A rotation transmission mechanism for transmitting the rotation of the input shaft to the output shaft;
A steering gear that transmits the rotation of the output shaft to the wheels so that the steering angle changes,
The vehicle steering apparatus according to claim 1 or 2 , wherein a component of the rotation transmission mechanism is driven by the electric actuator so that the movement of the electric actuator is transmitted to the wheel so that the steering angle changes.
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