JP4802388B2 - 暗号化装置、復号化装置および通信システム - Google Patents
暗号化装置、復号化装置および通信システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、よりセキュリティの高い暗号化装置、よりセキュリティの高い復号化装置およびよりセキュリティの高い通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報処理技術や通信技術の進展により、通信網を介した情報の伝送が容易かつ効率的に行えるようになっており、これに伴って、そのような通信網を介して伝送される情報の量も飛躍的に増大している。
通信網としては種々の形態のものがあるが、たとえば、複数のコンピュータシステム、ネットワークが世界的規模で接続されたインターネットは、その規模、通信コストの面から着目されており、広く利用されている。
ところで、このような通信網を介しては、個人や企業間において種々の機密性を有するデータの通信も行われている。
そのようなデータ通信における機密性の必要なデータを伝送する一般的な方法として、機密データを暗号化して伝送する方法が行なわれている。その際、暗号化を行うのに暗号鍵を使用するが、データを暗号化し伝送する者は、暗号鍵を、喪失したり、第三者に知れ渡る事が無いように、安全に保持、管理する必要がある。
そのような管理方法としては、暗号鍵および復号鍵を、いわゆるICカードに記憶させて安全に保持、管理し、暗号送信側および復号受信側にICカードを1枚ずつ分配し、ICカードを用いて機密データを暗号化し伝送させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、暗号鍵と復号鍵とが記録されたICカードを暗号送信側および復号受信側それぞれ1枚ずつ持つ方法では、このICカードを使用する者により、1人で暗号化または復号化を行う際に、機密データの改ざん、覗き見、漏洩等のICカードの不正使用を行なわれるおそれがある。このため、ICカードを1枚ずつ使用する方法では、第3者のチェック機能がない、セキュリティが低い等の問題があり改善の要望がある。
【0004】
したがって本発明の目的は、よりセキュリティの高い暗号化装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、よりセキュリティの高い復号化装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、よりセキュリティの高い通信システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る暗号化装置は、複数の情報記憶装置のデータを読み取る読取手段と、前記複数の情報記憶装置のすべてから読み取ったデータに基づいて暗号鍵を生成する暗号鍵生成手段と、前記暗号鍵を使用した所定の暗号化方式で、所望の暗号化対象のデータを暗号化する暗号化手段と、暗号化対象のデータファイルを複数の分割データファイルに分割する分割手段とを有し、前記複数の情報記憶装置は、各々が、前記データファイルを分割する際に用いる分割パターンを複数個有する分割パターンテーブルを、各分割パターンが複数に分割されるように複数に分割した部分分割パターンテーブル、および、所定バイト長のバイナリデータを有する暗号鍵テーブル、を記憶し、前記読取手段は、乱数を基にしたオフセット値を用いて、各前記情報記憶装置のバイナリデータから所定バイト長のデータを読み込み、前記暗号鍵生成手段は、前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記所定バイト長のデータを統合して前記暗号鍵を生成し、前記分割手段は、前記読取手段により前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記部分分割パターンテーブルを統合して得られる前記分割パターンテーブルから、乱数に基づいて選択した分割パターンを用いて前記データファイルを分割し、前記複数の分割データファイルを生成し、前記暗号化手段は、前記複数の情報記憶装置に分割して記憶された分割パターンにより分割された前記複数の分割データファイルを、前記複数の情報記憶装置に別々に記憶されている複数のバイナリデータを一部ずつ統合して得た前記暗号鍵を使用して、前記分割データファイル毎に暗号化する。
【0006】
また、本発明の復号化装置は、複数の情報記憶装置のデータを読み取る読取手段と、前記複数の情報記憶装置のすべてから読み取ったデータに基づいて復号鍵を生成する復号鍵生成手段と、前記復号鍵を使用した所定の復号化方式で、所定の暗号化方式で暗号化されたデータを復号化する復号化手段と、復号化対象の複数の分割データファイルを1つのデータファイルに統合する統合手段とを有し、前記複数の情報記憶装置は、各々が、前記複数の分割データファイルを統合する際に用いる統合パターンを複数個有する統合パターンテーブルを、各統合パターンが複数に分割されるように複数に分割した部分統合パターンテーブル、および、所定バイト長のバイナリデータを有する復号鍵テーブル、を記憶し、前記読取手段は、符号化時の乱数を基にしたオフセット値を用いて、各前記情報記憶装置のバイナリデータから所定バイト長のデータを読み込み、前記復号鍵生成手段は、前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記所定バイト長のデータを統合して前記復号鍵を生成し、前記復号化手段は、前記複数の分割データファイルを、前記複数の情報記憶装置に別々に記憶されている複数のバイナリデータを一部ずつ統合して得た前記復号鍵を使用して、前記分割データファイル毎に復号化し、前記統合手段は、前記読取手段により前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記部分統合パターンテーブルを統合して得られる前記統合パターンテーブルから、暗号時の乱数に基づいて選択した統合パターンを用いて、復号化された前記複数の分割データファイルを統合し、前記データファイルを生成する。
【0007】
また、本発明の通信システムは、データを暗号化する上述した暗号化装置と、暗号化された当該データを復号する上述した複合化装置とを有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態として、所望のデータを伝送路を介して伝送する送信装置および受信装置を有する通信システムを例示して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の通信システムの1の全体構成を示すブロック図である。
図2は、通信システム1の送信装置10、伝送路20および受信装置30の各構成要素を示した図である。
通信システム1は、送信装置10と受信装置30とが伝送路20を介して接続された構成である。
ICカード40−1およびICカード40−2は、送信装置10に装荷される。また、ICカード40−3およびICカード40−4は、受信装置30に装荷される。
【0009】
通信システム1の各部の概略動作について説明する。
まず、送信装置10について詳細に説明する。
送信装置10は、送信対象の所望のデータに対して、後述する種々の処理を施して所定の形式に変換し、伝送路20に送出する。
【0010】
送信装置10は、第1のICカード40−1および第2のICカード40−2を装荷している。
図3(A)は、4バイトの部分暗号鍵a1と4バイト部分暗号鍵a2とDES(Data Encription Standard)暗号化するために用いるDES暗号鍵8バイトの関係を示した図である。
図3(A)に示すように、4バイトの部分鍵暗号鍵a1および4バイトの部分暗号鍵a2を結合すると、8バイトのDES暗号鍵を生成できる。
ICカード40−1は、送信対象のデータをDES暗号化するために用いるDES暗号鍵8バイトを分割した上位4バイトである部分暗号鍵a1を記憶している。
ICカード40−2は、先に分割したDES暗号鍵8バイトの下位4バイトである部分暗号鍵a2を記憶している。
このため、送信装置10が送信対象のデータをDES暗号化するには、ICカード40−1およびICカード40−2を必要とする。
また、送信するデータをDES暗号化するに先立って、ICカード40−1およびICカード40−2を、送信装置10に装荷する。
【0011】
送信装置10の構成について図2を参照して、詳細に説明する。
送信装置10は、図2に示すように、ICカード読取部11、暗号鍵生成部12、暗号化部13、および送信部14を有する。
【0012】
ICカード読取部11は、ICカード40−1に記憶されている部分暗号鍵a1およびICカード40−2に記憶されている部分暗号鍵a2を読み取る。
【0013】
暗号鍵生成部12は、ICカード読取部11によって読み取られた部分暗号鍵a1および部分暗号鍵a2を結合し、送信対象のデータをDES暗号化する際に用いるDES暗号鍵8バイトを生成する。
【0014】
暗号化部13は、送信対象の所望のデータに対して、暗号鍵生成部12で生成されたDES暗号鍵を用いてDES暗号化処理を施し、DES暗号化されたデータを生成して、送信部14に出力する。
【0015】
送信部14は、送信装置10が接続されている伝送路20に応じたインターフェイス及びプロトコル制御手段などを有しており、暗号化部13より入力されるDES暗号化されたデータを、伝送路20を介して受信装置30へ送信する。
【0016】
図4は、送信装置10の具体的な装置構成を示した図である。
コンピュータ装置100には、ICカードドライブ200−1およびICカードドライブ200−2が接続されている。
ICカードドライブ200−1には、ICカード40−1が装荷される。
ICカードドライブ200−2には、ICカード40−2が装荷される。
コンピュータ装置100は、送信装置10の構成要素である、ICカード読取部11、暗号鍵生成部12、暗号化部13および送信部14を実現する。
また、ICカードドライブ200−1およびICカードドライブ200−2は、ICカード読取部11のインターフェイス部分を実現する。
コンピュータ装置100には、送信対象のデータが入力され、DES暗号化されたデータが出力され、受信装置30へ送信される。
【0017】
次に、通信システム1の伝送路20について説明する。
伝送路20は、任意の伝送路である。本実施の形態においては、伝送路20を、送信装置10および受信装置30を含む種々の装置、コンピュータ、ネットワークが世界規模で接続されたインターネットであるとする。
【0018】
次に、通信システム1の受信装置30について説明する。
受信装置30は、前述したように送信装置10において所定の形式に変換された伝送路20を介して伝送されるデータを受信し、元の形式のデータを復元して出力する。したがって、受信装置30は、前述した送信装置10の各構成部に対応した構成を有する。
【0019】
図3(B)は、4バイトの部分復号鍵b1と4バイト部分復号鍵b2とDES復号化するために用いるDES復号鍵8バイトの関係を示した図である。
図3(B)に示すように、4バイトの部分鍵復号鍵b1および4バイトの部分復号鍵b2を結合すると、8バイトのDES復号鍵を生成できる。
ICカード40−3は、受信したDES復号化されたデータをDES復号するために用いるDES復号鍵8バイトを分割した上位4バイトである部分復号鍵b1を記憶している。
ICカード40−4は、先に分割したDES復号鍵8バイトの下位4バイトである部分復号鍵b2を記憶している。
受信装置30が受信したDES暗号化されたデータをDES復号化するには、ICカード40−3およびICカード40−4を必要とする。したがって、ICカード40−3およびICカード40−4に記憶されている部分復号鍵b1および部分復号鍵b2は、受信したDES暗号化されたデータのDES復号化に先立って、ICカード読取部31に読み取られる。
【0020】
受信装置30の構成について図2を参照して、詳細に説明する。
受信装置30は、図2に示すように、ICカード読取部31、復号鍵生成部32、受信部33および復号化部34を有する。
【0021】
ICカード読取部31は、装荷されたICカード40−1およびICカード40−2より、4バイトの部分復号鍵b1および4バイトの部分復号鍵b2を読み出し、復号鍵生成部32へ出力する。
【0022】
復号鍵生成部32は、ICカード読取部31によって読み取られた4バイトの部分復号鍵b1および4バイトの部分復号鍵b2を結合して、受信したDES暗号化されたデータをDES復号化する際に用いるDES復号鍵8バイトを生成する。
【0023】
受信部33は、受信装置が接続されてる伝送路20に応じたインターフェイスおよびプロトコル制御手段などを有しており、伝送路20を介して送信装置10より送信されるDES暗号化されたデータを受信し、復号化部34に出力する。
【0024】
復号化部34は、復号鍵生成部32で生成されたDES復号鍵8バイトを用いて、受信したDES暗号化されたデータに対して、DES復号化処理を施し、DES復号化されたデータを生成する。
【0025】
図5は、受信装置30の具体的な装置構成を示した図である。
コンピュータ装置300には、ICカードドライブ200−3およびICカードドライブ200−4が接続されている。
ICカードドライブ200−3には、ICカード40−3が装荷される。
ICカードドライブ200−4には、ICカード40−4が装荷される。
コンピュータ装置300は、受信装置30の構成要素である、ICカード読取部31、復号鍵生成部32、受信部33および復号化部34を実現する。
また、ICカードドライブ200−3およびICカードドライブ200−4は、ICカード読取部31のインターフェイス部分を実現する。
コンピュータ装置300には、暗号化されたデータが入力され、復号化した元のデータが出力される。
【0026】
次に、通信システム1の動作について説明する。
送信対象のデータは、送信装置10へ入力される。送信装置10で送信対象のデータをDES暗号化し送信するためには、ICカード40−1かつICカード40−2を必要とする。そこでまず、ICカード40−1に記憶されている部分暗号鍵a1およびICカード40−2に記憶されている部分暗号鍵a2をICカード読取部11が読み取り、図3(A)のように、読み取った4バイトの部分暗号鍵a1および4バイトの部分暗号鍵a2を結合して、DES暗号化する際に用いる8バイトのDES暗号鍵を生成する。
そして、暗号化部13は、生成された8バイトのDES暗号鍵を用いて、送信対象のデータに対して、DES暗号化処理を行ない、DES暗号化されたデータを生成する。
そして、DES暗号化されたデータを送信部14から伝送路20を介して受信装置30へ送信する。
【0027】
伝送路20を介して送信装置から送信されたDES暗号化されたデータを、受信部33が受信する。ICカード40−3に記憶されている4バイトの部分復号鍵b1およびICカード40−4に記憶されている4バイトの部分復号鍵b2を、ICカード読取部31が読み取り、図3(B)のように、読み取った部分復号鍵b1および部分復号鍵b2を結合し、DES復号化する際に用いる8バイトのDES復号鍵を生成する。
そして、復号化部34は、生成されたDES復号鍵を用いて、受信したDES暗号化されたデータに対して、DES復号化処理を行ない、DES復号化された元のデータを生成し、出力する。
【0028】
このように、本実施の形態の通信システム1においては、2つのICカードを用いなければ、送信対象のデータをDES暗号化できない。また、受信したDES暗号化されたデータをDES復号化できない。
このため、1つのICカードを用いて運用する場合よりも、セキュリティ性を高めている。
このシステムにおいて、送信側に、ICカード40−1を所持する使用者およびICカード40−2を所持する管理者の2人を想定し、また、受信側にICカード40−3を所持する使用者およびICカード40−4を所持する管理者の2人を想定し、所望のデータを送信する際には、送信側使用者および送信側管理者の所持するICカードを送信装置10に装荷し、暗号化して送信し、受信し復号化する際には、受信側の使用者および管理者の所持するICカードを受信装置30に装荷し、復号化し、元の送信データを復元するように運用すると、1つのICカードを用いて運用する場合よりもセキュリティを高めることができ、有効である。
【0029】
第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態について図6〜図36を参照して説明する。
本発明の第2の実施の形態として、所望の複数のデータファイルを、任意の伝送路を介して一括的に伝送する送信装置および受信装置を有する通信システムを例示する。
第2の実施の形態は、データを送信する送信側に管理者および使用者(システムのオペレータ、作業者)の2人と、受信側に管理者および使用者の2人を想定し、それぞれ送信側使用者ICカード80−1、送信側管理者ICカード80−2、受信側使用者ICカード80−3および受信側管理者ICカード80−4を持つ。
第2の実施の形態の通信システム2の全体構成は、図1に示した第1の実施の形態と同じなので図面は省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態の通信システム2の構成を詳しく示すブロック図である。
通信システム2は、送信装置50と受信装置70とが伝送路60を介して接続された構成である。
ICカード80−1およびICカード80−2は、送信装置50に装荷される。
また、ICカード80−3およびICカード80−4は、受信装置70に装荷される。
【0030】
まず、通信システム2の各部の概略動作について説明する。
送信装置50は、送信対象の所望のデータファイルに対して、後述する種々の処理を施して所定の形式に変換し、伝送路60に送信する。
送信装置50は、送信側使用者ICカード80−1および送信側管理者ICカード80−2を装荷している。
送信装置50に装荷された2つのICカード80−1およびICカード80−2は、送信装置50が送信対象の所望のデータファイルを所定の変換を施し伝送路60に送信する際に必要な種々のデータが分割して記憶されている。
【0031】
まず、ICカード80−1およびICカード80−2に記憶されているデータについて説明する。
図7は、ICカード80−1に記憶さているデータを示すブロック図である。
ICカード80−1は、図7に示すように、設定ファイル81−1、部分分割パターンテーブル82−1、暗号鍵テーブル83−1を有する。
送信側使用者ICカード80−1の記憶されているデータ要素の説明をする。
設定ファイル81−1は、ユーザパスワード、カードフォルダID(IDentity code)、カードフォルダの氏名、使用者フラグ、管理者フラグ、ワークグループID、カードフォルダRSA(Rivest,Shamir,Adleman暗号)秘密鍵、カードフォルダRSA公開鍵、管理者ID、管理者の氏名、受信側のID、受信側の氏名および受信側のRSA公開鍵を有する。
【0032】
ユーザパスワードは、ICカード80−1を所持する者の本人確認のためのパスワードである。
カードフォルダIDは、ICカード80−1を所持する者のID番号である。
カードフォルダの氏名は、ICカード80−1を所持する者の氏名である。
使用者フラグは、使用者用ICカードの場合には1であり、それ以外の場合は0である。
管理者フラグは、管理者用ICカードの場合には1であり、それ以外の場合は0である。
ワークグループIDは、使用者および管理者が属するワークグループのID番号である。
カードフォルダRSA秘密鍵は、ICカード80−1所持者のRSA秘密鍵である。
カードフォルダRSA公開鍵は、ICカード80−1所持者のRSA公開鍵である。
管理者IDは、送信側の管理者のID番号である。
管理者の氏名は、送信側の管理者の氏名である。
受信側のIDは、受信側の使用者のID番号である。
受信側の氏名は、受信側の使用者の氏名である。
受信側のRSA公開鍵は、受信側の使用者のRSA公開鍵である。
【0033】
図8は、分割パターンテーブルの一例を示した図である。
部分分割パターンテーブル82−1は、図8に示したように、送信対象のデータファイルを分割する際に用いる分割パターンテーブルの一部である。後述するデータ分割部53では、部分分割パターンテーブル82−1と部分分割パターンテーブル82−2を結合し、分割パターンテーブルを作成し、分割パターンテーブルを参照しながら、データファイルを分割する。
具体的には、分割パターンテーブルは、図8に示すように、分割パターン番号とそれに対応する分割パターンを16個縦に並べたテーブルである。部分分割パターンテーブル82−1は、分割パターンテーブルの1〜4列目までのテーブルである。また、部分分割パターンテーブル82−2は、分割パターンテーブルの5〜8列目までのテーブルである。図8のパターン1の1B−F1は、1バイトのデータをファイル1に格納する事を意味する。
【0034】
暗号鍵テーブル83−1は、暗号化部57が使用する暗号鍵を生成する際に、暗号鍵テーブル83−2と共に参照されるテーブルである。具体的には、暗号鍵テーブルは、乱数で求められた256バイト長のバイナリデータである。
設定ファイル81−1は、使用者/管理者送受信側特定部52および電子署名部54に参照され、部分分割パターンテーブル82−1は、データ分割部53に参照され、また、暗号鍵テーブル83−1は、暗号化部57に参照される。
【0035】
また、送信側管理者ICカード80−2に記憶されているデータ要素は、送信側使用者ICカード80−1に記憶されているデータ要素とほぼ同様であり、設定ファイル81−2、部分分割パターンテーブル82−2、暗号鍵テーブル83−2を有する。
【0036】
次に、図6の通信システム2の送信装置50の各要素について説明する。
送信装置50は、ICカード読取部51、使用者/管理者送受信側特定部52、データ分割部53、電子署名部54、ダミーファイル付加部55、ダミーデータ付加部56、暗号化部57および送信部58を有する。
【0037】
図9は、ICカード読取部51が、ICカード80−1およびICカード80−2に記憶されている送信側使用者ID、受信側使用者ID、送信側管理者IDおよび受信者側管理者IDを読み取った図である。
ICカード読取部51は、ICカード80−1およびICカード80−2に記憶されているデータを読み取り後述する処理を行い、読み取ったデータを所定の構成要素へ出力する。
このICカード読取部51の処理の具体例のフローチャートを図10に示す。
ICカード読取部51は、図10に示すように、送信側使用者および送信側管理者に対してパスワードの要求をする(S5101)。
ICカード読取部51は、送信側使用者ICカード80−1および送信側管理者ICカード80−2のそれぞれに記憶されている設定ファイル81−1および設定ファイル81−2の中のユーザパスワードを読み出し、入力されたパスワードと読み取ったユーザパスワードの照合を行う(S5102)。パスワードの入力が違った場合は、処理を終了する(S5103)。
【0038】
ステップS5103において、送信側使用者および送信側管理者のパスワードの照合がとれた場合には、ICカード読取部51は、送信側使用者ICカード80−1および送信側管理者ICカード80−2に記憶されている設定ファイル81−1および設定ファイル81−2の中のカードフォルダID、カードフォルダ氏名、管理者フラグ、使用者フラグ、ワークグループIDおよび管理者のIDを読みだし、使用者/管理者送受信側特定部52に出力する(S5104)。
ICカード読取部51は、後述する使用者/管理者送受信側特定部52により、送信側使用者および送信側管理者が特定されない場合は、処理を終了する(S5105、S5103)。
【0039】
ステップS5105において、送信側使用者および送信側管理者が特定された場合には、先の2つの送信側使用者ICカード80−1および送信側管理者ICカード80−2から、記憶されている設定ファイル81−1および設定ファイル81−2を読み取り、電子署名部54へ出力し、部分分割パターンテーブル82−1および部分分割パターンテーブル82−2を読み取り、データ分割部53へ出力し、暗号鍵テーブル83−1および暗号鍵テーブル83−2を読み取り、暗号化部57へ出力する(S5106)。
【0040】
使用者/管理者送受信側特定部52は、先にICカード読取部51によって読み取られた、送信側使用者ID、使用者フラグ、送信側管理者ID、管理者フラグおよびワークグループIDに基づいて、使用者/管理者送受信側を特定する。これは、使用者、管理者、ワークグループおよび使用者と管理者の関係が適正かどうかを調べるためである。
【0041】
使用者/管理者送受信側特定部52の処理の具体例のフローチャートを図11に示す。
使用者/管理者送受信側特定部52は、図11に示すように、ICカード読取部51から送信側使用者ID、使用者フラグ、送信側管理者ID、管理者フラグおよびワークグループIDのデータを受ける(S5201)。
【0042】
使用者/管理者送受信側特定部52は、送信側使用者設定ファイル81−1の使用者フラグが1であることをチェックする(S5202)。使用者フラグが1以外の場合には、設定ファイルのデータが適切でないため、処理を中止する(S5203)。
ステップS5202において使用者フラグが1の場合には、送信側管理者設定ファイル81−2の管理者フラグが1であることをチェックする(S5204)。管理者フラグが1以外の場合には、設定ファイルのデータが適切でないため、処理を中止する(S5203)。
【0043】
ステップS5204において管理者フラグが1の場合には、送信側使用者設定ファイル81−1のワークグループIDと送信側管理者設定ファイル81−2のワークグループIDが同じであるかどうかをチェックする(S5205)。ワークグループIDが異なる場合には、設定ファイルのデータが適切でないため、処理を中止する(S5203)。
【0044】
ステップS5205において、ワークグループIDが同じ場合には、使用者/管理者送受信側特定部52は、送信側使用者設定ファイル81−1の管理者のIDと、送信側管理者設定ファイル81−2のカードフォルダIDが同じであるかどうかをチェックする(S5206)。異なる場合は、使用者と管理者の上下関係が適切でないため、処理を中止する(S5203)。
ステップS5206において、使用者と管理者の上下関係が適切な場合には、送信側使用者および送信側管理者が特定できたものとして、この結果をICカード読取部51へ出力する(S5207)。
【0045】
データ分割部53は、入力された送信対象の複数のデータファイルを結合し、1つの結合ファイルを生成する結合処理と、結合した1つの結合ファイルを7つの一時分割ファイルに分割する分割処理の2つの処理を行なう。
図12は、データ分割部53における結合処理の具体例のフローチャートを示した図である。
データ分割部53は、図12に示すように、送信対象のデータファイルの数、各送信対象のデータファイルのサイズおよび送信対象のデータファイルを結合し、結合ファイルを生成する(S5301)。
結合ファイルサイズが512×7=3584バイトより大きい場合には、データ分割部53は、結合ファイルサイズが480バイトの倍数になるようにパディングを行う(S5302,S5303)。
ステップS5302において、結合ファイルサイズが3584バイト以下であった場合は、3584バイトになるようにパディングを行う(S5304)。
前記処理により、データ分割部53は、送信対象の複数のデータファイルを結合し、1つの結合ファイルを生成する(S5305)。
データ分割部53は、生成された結合ファイルのハッシュ値を計算し、計算されたハッシュ値を電子署名部54へ出力する(S5306)。
【0046】
データ分割部53が、先の結合処理で結合された1つの結合ファイルを分割し、一時分割ファイルの作成を行う分割処理について説明する。
データ分割部53は、図12に示すように、ICカード読取部51により読みだされた、ICカード80−1およびICカード80−2に記憶されている部分分割パターンテーブル82−1および部分分割パターンテーブル82−2を結合し、分割パターンテーブルを生成する(S5307)。
データ分割部53は、1〜16までの乱数を生成し、生成した値を分割パターン番号とする。生成した分割パターンテーブルを参照し、先に生成した分割パターン番号に対応する分割パターンを決定する(S5308)。
先に結合された結合ファイルを、順次16バイトごとに、決定された分割パターンに従って、7つの一時分割ファイルに分割する(S5309)。
データ分割部53は、生成した7つの一時分割ファイルをダミーデータ付加部56へ出力する。(S5310)
【0047】
図13は、電子署名の構造を示した図である。
図13に示すように、電子署名は、ハッシュ値格納部、鍵格納部および署名経路格納部を有する。
電子署名部54は、ICカード読取部51によって読み取られた送信側使用者ICカード80−1および送信側管理者ICカード80−2の設定ファイル81−1および設定ファイル81−2の中の送信側管理者RSA秘密鍵、送信側使用者RSA秘密鍵、受信側管理者のRSA公開鍵、受信側使用者のRSA公開鍵を用いて、図13に示すように、電子署名を作成し、作成した電子署名をダミーファイル付加部55へ出力する。
【0048】
図14は、電子署名部54の処理の具体例のフローチャートを示した図である。
電子署名部54の処理は、図14に示すように、ハッシュ値格納部へのデータ格納(S5410)、鍵格納部へのデータ格納(S5420)、署名経路格納部へのデータ格納(S5430)、電子署名生成(S5440)および出力(S5450)に分けられる。
【0049】
図15は、電子署名部54のハッシュ値格納部へのデータ格納(S5410)のフローチャートを示した図である。
電子署名部54は、図15のように、送信側使用者のRSA秘密鍵を用いて、結合ファイルのハッシュ値をRSA暗号処理する(S5411)。受信側管理者のRSA公開鍵を用いて、先のRSA暗号処理されたハッシュ値をさらにRSA暗号処理し(S5412)、ハッシュ値格納部に記録する(S5413)。
【0050】
図16は、電子署名部54の鍵格納部へのデータ格納のフローチャートを示した図である。鍵格納部は、後述する暗号化部57により作成された初期暗号鍵番号をRSA暗号化処理されたものを記録している。
電子署名部54は、図16に示すように、受信側使用者のRSA公開鍵を用いて、後述する暗号化部57により作成された初期暗号鍵番号をRSA暗号処理を行う(S5421)。さらに、電子署名部54は、先のRSA暗号化処理された初期暗号鍵番号を、送信側管理者のRSA秘密鍵を用いて、RSA暗号処理し(S5422)、鍵格納部に記録する(S5423)。
【0051】
図17は、電子署名部54の署名経路格納部へのデータ格納(S5430)のフローチャートを示した図である。署名経路格納部は、各者のIDをDES暗号化処理したものから成り立っている。
電子署名部54は、図17に示すように、送信側使用者のIDと氏名、受信側使用者のIDと氏名、送信側管理者のIDと氏名および受信側管理者のIDと氏名を結合する(S5431)。
ハッシュ値格納部の3,6,9,12バイト目のデータを読み取り、鍵格納部の2,4,6,8バイト目のデータを読み取り、それぞれのデータを交互に連結し、DES暗号化処理で使用する初期値を生成する(S5432)。
次に、電子署名部54は、ハッシュ値格納部の2,5,8,11バイト目のデータを読み取り、鍵格納部の1,3,5,7バイト目のデータを読み取り、それぞれのデータを交互に連結し、DES暗号化処理で使用するDES暗号鍵を生成する(S5433)。
電子署名部54は、先に結合したデータ列を、先に生成した初期値およびDES暗号鍵を用いてDES暗号化処理し(S5434)、署名経路格納部に記録する(S5435)。
【0052】
電子署名部54は、図14に示したように、生成したハッシュ値格納部、鍵格納部および署名経路格納部を結合し、電子署名を生成し(S5440)、生成した電子署名をダミーファイル付加部55へ出力する(S5450)。
【0053】
ダミーファイル付加部55は、一時ダミーファイルを生成し、生成した一時ダミーファイルをダミーデータ付加部56へ出力する。
図18は、送信するファイルにダミーファイルを付加した図である。
ダミーファイルは、分割ファイルとは無関係なファイルであり、図18に示すように元のファイルの特定を困難にするために生成される。
【0054】
図19は、ダミーファイル付加部55の処理の具体例のフローチャートを示した図である。
一時ダミーファイルは、署名、データ分割部53により生成された分割パターン番号および暗号化部57により生成されたDES暗号化処理の初期値を有する。
ダミーファイル付加部55は、図19に示すように、電子署名部54により生成された電子署名の全体を6ブロックで分割し、第1ブロック、第3ブロック、および第5ブロックの、計3ブロックを抽出し署名を生成する(S5501)。
ダミーファイル付加部55は、データ分割部53により生成された分割パターン番号、暗号化部57により生成されたDES暗号化処理の初期値およびステップS5501で生成された署名を結合し(S5503)、一時ダミーファイルを生成する(S5504)。生成された一時ダミーファイルをダミーデータ付加部56へ出力する(S5504)。
【0055】
ダミーデータ付加部56は、先にデータ分割部53により生成されたすべてもしくは幾つかの一時分割ファイル、およびダミーファイル付加部55により生成された一時ダミーファイルに、適度な量のダミーデータを付加し、生成したパディングされた一時分割ファイルおよびパディングされた一時ダミーファイルを暗号化部57へ出力する。
【0056】
ここで適度な量とは、暗号化部57による暗号化処理を行なう際に、暗号化処理されるファイルのサイズが8バイトの倍数になるような量である。これは、後の暗号化部57が、8バイトブロック暗号アルゴリズムのCBC(CipherBlock Chaining;暗号ブロック連鎖)モードを利用するために、暗号化するファイルサイズを1ブロック8バイトの倍数にする必要があるからである。
【0057】
図20は、ダミーデータ付加部56が、ファイルに対してダミーデータを付加することを示した図である。
図21は、ダミーデータ付加部56の処理の具体例のフローチャートを示した図である。
ダミーデータ付加部56には、図21に示すように、一時分割ファイルまたは一時ダミーファイルが入力される(S5601)。
ダミーデータ付加部56は、一時分割ファイルに対して(S5602)、一時分割ファイルのファイルサイズが8バイトの倍数−1の場合は、0x80を付加する(S5603,S5604)。
ステップS5603において、一時分割ファイルのファイルサイズが8バイトの倍数−X(ここでX=2〜8)の場合は、0x80で始まりその後X−1バイト分0x00が続くようにパディングを行う(S5605)。上記のダミーデータ付加処理を行ないパディングされた一時分割ファイルを生成し(S5606)、生成したパディングされた一時分割ファイルを暗号化部57へ出力する(S5607)。
【0058】
ステップS5602において、ダミーデータ付加部56は、先にダミーファイル付加部55により生成された一時ダミーファイルに対しては、7つのパディングされた一時分割ファイルうち1番小さいファイルサイズと同じファイルサイズになるように、ダミーデータを付加する(S5608)。付加するダミーデータの値は、0x00〜0xffまでの乱数で行う。上記のパディングされた一時ダミーファイルを生成し(S5609)、暗号化部57へ出力する(S5607)。
【0059】
図22は、暗号化部57が、複数のファイルを暗号化することを示した図である。
暗号化部57は、先のICカード読取部51によって読み取られた暗号鍵テーブル83−1および暗号鍵テーブル83−12を用いてDES暗号鍵を生成し、そのDES暗号鍵を用いて、ダミーデータ付加部56より生成されたパディングされた7つの一時分割ファイルを図22に示すようにDES暗号化処理し、7つの分割ファイルを送信部58へ出力する。
【0060】
また、暗号化部57は、先のダミーデータ付加部56により付加されたファイルサイズが8バイトの倍数にパディングされた一時ダミーファイルをDES暗号化し、ダミーファイルを生成し、生成したダミーファイルを送信部58へ出力する。
【0061】
また、暗号化部57は、先に生成した署名およびダミーファイル名のハッシュ値を結合し、コントロールファイルを生成し、生成したコントロールファイルを送信部58へ送信する。
【0062】
図23は、暗号化部57のコントロールファイルを作成する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
コントロールファイルに書き込む内容は、署名およびダミーファイル名のハッシュ値である。
暗号化部57は、図23に示すように、電子署名部54により生成された電子署名の全体を6ブロックで分割し、第2ブロック、第4ブロック、および第6ブロックの、計3ブロックを抽出し、署名とする(S5701)。一時ダミーファイルに書き込んだ部分については、コントロールファイルに書き込まない。
暗号化部57は、ダミーファイル名のハッシュ値を求める(S5702)。この値は、受信装置70がダミーファイルを特定する際に参照される。
暗号化部57は、生成した署名およびダミーファイルのハッシュ値を結合し、コントロールファイルを生成し(S5703)、送信部58へ出力する(S5704)。
【0063】
図24は、暗号化部57のパディングされた7つの一時分割ファイルに対して暗号化する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
暗号化部57は、図24に示すように、0〜255の乱数を8回求め、初期値を生成する(S5711)。また、初期値は、ダミーファイル付加部55へ出力もされる(S5712)。DES暗号鍵は、初期暗号鍵番号から生成する。初期暗号鍵番号は、0〜255の乱数を求め、初期暗号鍵番号とする(S5713)。また、初期暗号鍵番号は、電子署名部54へ出力もされる(S5714)。
【0064】
次に、DES暗号鍵は、初期暗号鍵番号からDES暗号鍵を求める。
暗号化部57は、初期暗号鍵番号に対して6回ビットシフトを行ない、6つの暗号鍵番号を求める(S5715)。前記の処理まで求められた7つの暗号鍵番号各々をオフセット値として、送信側使用者ICカード80−1の暗号鍵テーブル83−1より4バイト読み込む。また、同じオフセット値で送信側管理者ICカード80−2の暗号鍵テーブル83−2より、4バイト読み込む(S5716)。それぞれの4バイトを結合し、DES暗号鍵とする(S5717)。
ただし、暗号鍵番号が252より大きく、4バイト読み込むことが出来ない場合は、足りない分を暗号鍵テーブル83−1および暗号鍵テーブル83−2の先頭より読み込む。
暗号化部57は、生成された初期値と7つのDES暗号鍵を用いて、CBCモードで、パディングされた7つの一時分割ファイルをDES暗号化処理し、7つの分割ファイルを生成し(S5718)、生成した7つの分割ファイルを送信部58へ出力する(S5719)。
【0065】
暗号化部57は、ダミーデータ付加部56により生成されたパディングされた一時ダミーファイルをDES暗号化処理し、ダミーファイルを生成し、生成したダミーファイルを送信部58へ出力する。
図25は、暗号化部57のパディングされた一時ダミーファイルに対して暗号化する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
暗号化部57は、図25に示すように、生成したコントロールファイルのハッシュ値20バイトを求める(S5721)。求めたハッシュ値20バイトの5〜12バイト目の値を初期値8バイト、求めたハッシュ値20バイトの13〜20バイト目の値をDES暗号鍵8バイトとする(S5722)。生成した初期値8バイトとDES暗号鍵8バイトを用いて、CBCモードでパディングされた一時ダミーファイルをDES暗号化処理してダミーファイルを生成し(S5723)、生成したダミーファイルを送信部58へ出力する(S5724)。
また、ダミーファイル名は、7つの分割ファイルの名前と似たようなファイル名が付けられている。
【0066】
送信部58は、暗号化部57により生成された7つの分割ファイル、1つのダミーファイルおよびコントロールファイルを、伝送路60を介して、受信装置70へ送信する。
【0067】
このような構成の送信装置50により、所望の送信対象のデータファイルが伝送路20に送信される。
この時の、送信装置50の動作についてまとめて説明する。
図26は、送信装置の処理の流れを示した図である。
まず、送信対象の複数のデータファイルを送信装置50に入力する。
送信側使用者は、送信側使用者ICカード80−1を送信装置50へ装荷し、送信側管理者は、送信側管理者ICカード80−2を送信装置50へ装荷し、ICカード読取部51は、ICカード80−1およびICカード80−2の持ち主の認証を行ない正しく認証された場合は、使用者/管理者送受信側特定部52は、送信側使用者および送信側管理者の関係をチェックする。適正な関係の場合は、ICカード読取部51は、2つのICカード80−1およびICカード80−2から設定ファイル81−1および設定ファイル81−2、部分分割パターンテーブル82−1および部分分割パターンテーブル82−2、暗号鍵テーブル83−1および暗号鍵テーブル83−2を読みだし、それぞれを、電子署名部54、データ分割部53、暗号化部57へ出力する。
【0068】
入力された送信対象の複数のデータファイルは、データ分割部53により1つの結合ファイルになり、データ分割部53により7つの一時分割ファイルに分割され、ダミーデータ付加部56によりダミーデータが付加され、暗号化部57により暗号化され7つの分割ファイルになる。分割の際、2つのICカード80−1およびICカード80−1に記憶されている2つの部分分割テーブル82−1および部分分割テーブル82−2を参照して分割する。暗号化の際、2つのICカード80−1およびICカード80−2に記憶されている2つの暗号鍵テーブルおよび83−1暗号鍵テーブル83−2を参照する。また、結合ファイルのハッシュ値と、初期暗号鍵番号と、送信側使用者、送信側管理者、受信側使用者および受信側管理者のIDと氏名は、電子署名部75により処理されて、署名になり、ダミーファイル付加部55により、一時ダミーファイルに分割パターン番号、DES暗号化処理の初期値および先の署名の半分の情報を書き込まれる。一時ダミーファイルは、ダミーデータ付加部56によりダミーデータを付加され暗号化部57により暗号化されダミーファイルになる。残りの署名の半分の情報およびダミーファイル名のハッシュ値は、暗号化部57により生成されるコントロールファイルに書き込まれる。生成された8つのファイル、すなわち、7つの分割ファイルおよび1つのダミーファイルと、コントロールファイルは、送信部58により伝送路60へ送信される。
【0069】
伝送路60は、任意の伝送路である。本実施の形態においては、送信装置50および受信装置70を含む種々の装置、コンピュータ、ネットワークが世界的規模で接続されたインターネットであるとする。
【0070】
次に、通信システム2の受信装置70について説明する。
受信装置70は、送信装置50から伝送路60を介して送られてきた所定の形式に変換されたデータファイルを受信し、後述する種々の処理を施して元のデータファイルに復号する。
受信装置70は、前述したように送信装置50において送信された8つのファイル、すなわち、7つの分割ファイルおよび1つのダミーファイルと、コントロールファイルを受信し、元のデータファイルを復元して出力する。
したがって、受信装置70は、前述した送信装置50の各構成部に対応した構成を有する。
受信装置70は、受信側使用者ICカード80−3および受信側管理者ICカード80−4を装荷している。
受信装置70に装荷された2つのICカード80−3およびICカード80−4は、受信装置70が受信した所定の形式に変換されたデータファイルを、後述する種々の処理を施して元のデータファイルに復号する際に必要な種々のデータが分割して記憶されている。
【0071】
まず、ICカード80−3およびICカード80−4の構成について説明する。
ICカード80−3は、設定ファイル81−3、部分結合パターンテーブル82−3および復号鍵テーブル83−3を有する。ICカード80−4は、設定ファイル81−4、部分結合パターンテーブル82−4および復号鍵テーブル83−4を有する。
【0072】
ICカード80−3の各構成要素の内容は、ICカード80−1とほぼ同じ内容である。ICカード80−4の各構成要素の内容は、ICカード80−2とほぼ同じ内容である。
ただし、設定ファイル81−3は、受信側のID、受信側の氏名および受信側のRSA公開鍵の代わりに、送信側のID、送信側の氏名および送信側のRSA公開鍵を有する。
部分結合パターンテーブル82−3は、7つの分割されたファイルを結合する処理を行なう際に用いられる結合パターンテーブルの一部である。具体的には、部分結合パターンテーブル82−3と部分分割パターンテーブル82−1は、同じ内容のテーブルであり、部分結合パターンテーブル82−4は、部分分割パターンテーブル82−2と同じ内容のテーブルである。
また、復号鍵テーブル83−3は、暗号鍵テーブル83−1と同じ内容のテーブルであり、また復号鍵テーブル83−4は、暗号鍵テーブル83−2と同じ内容のテーブルである。
【0073】
次に、図6の通信システム2の受信装置70の各要素について説明する。
受信装置70は、受信部71、ICカード読取部72、使用者/管理者送受信側特定部73、ダミーファイル除去部74、電子署名部75、復号化部76、ダミーデータ除去部77およびデータ統合部78を有する。
【0074】
受信部71は、送信装置50から伝送路60を介して伝送された8つのファイル、すなわち、7つの分割ファイルおよび1つのダミーファイルと、コントールファイルを受信する。
受信部71は、8つのファイルおよびコントロールファイルをダミーファイル除去部74へ出力する。
【0075】
ICカード読取部72は、送信装置50のICカード読取部51と同様な働きをする。ICカード80−3およびICカード80−4の読み取り時間を計測し、所定の時間以内の場合は、ICカード80−3およびICカード80−4の持ち主に対してパスワードの入力を求め、持ち主の照合を行なう。適正に照合が行なわれた時は、設定ファイル81−3および設定ファイル81−4の中のカードフォルダID、カードフォルダ氏名、管理者フラグ、使用者フラグ、ワークグループIDおよび管理者のIDを読みだし、使用者/管理者送受信側特定部73へ出力する。
【0076】
ICカード読取部72は、使用者/管理者送受信側特定部73により、受信側使用者および受信側管理者が特定された場合には、設定ファイル81−3および設定ファイル81−4を読み取り、電子署名部75へ出力する。また、部分結合パターンテーブル82−3および部分結合パターンテーブル82−4を読み取り、データ統合部78へ出力する。また、復号鍵テーブル83−3および復号鍵テーブル83−4を読み取り、復号化部76へ出力する。
【0077】
使用者/管理者送受信側特定部73は、送信装置50の使用者/管理者送受信側特定部52とほぼ同じ働きをする。
使用者/管理者送受信側特定部73は、先にICカード読取部72によって読み取られた、受信側使用者ID、使用者フラグ、受信側管理者ID、管理者フラグおよびワークグループIDに基づいて、受信側の使用者および管理者の特定を行なう。その結果をICカード読取部72へ出力する。
使用者/管理者送受信側特定部73は、後述する電子署名部75から抽出された各者のIDから、送受信側の使用者および管理者の特定を行なう。その結果を電子署名部75へ出力する。
【0078】
図27は、使用者/管理者送受信側特定部73の送受信側の使用者および管理者の特定を行なう処理の具体例のフローチャートを示した図である。
使用者/管理者送受信側特定部73は、図27に示したように、電子署名部75およびICカード読取部72から入力された(S7301)署名経路格納部の復号化処理で得られた送信側管理者IDと、受信側管理者ICカード80−4に記憶されている送信側管理者IDと一致するかチェックする(S7302)。署名経路格納部の受信側使用者IDと、ICカード80−3の受信側使用者IDと一致するかチェックする(S7303)。署名経路格納部の受信側管理者IDと、ICカード80−4の受信側管理者IDと一致するかチェックする(S7304)。署名経路格納部の送信側使用者IDと、ICカード80−3の送信側使用者IDと一致するかチェックする(S7305)。
以上のチェックで送受信側の使用者および管理者が特定されない場合は、処理を中止する(S7306)。送受信側の使用者および管理者が特定された場合は、この結果を電子署名部75へ出力する(S7307)。
【0079】
ダミーファイル除去部74は、受信部71により受信されたコントロールファイルを解析し、受信された8つのファイルの中からダミーファイルを特定する。
特定したダミーファイルは、復号化部76へ出力される。
コントロールファイルにダミーファイル名のハッシュ値が格納されていることを利用してダミーファイルの特定を行う。
ダミーファイル除去部74は、受信部71により受信された8つのファイル名のハッシュ値を計算し、コントロールファイルより読み取ったハッシュ値と同じ値をもつファイルを検索する。検索した結果、同じ値のファイルをダミーファイルとする。同じ値が無い場合は、ダミーファイルが特定することが出来ないものとし処理を中止する。
ダミーファイル除去部74は、特定した1つのダミーファイルを復号化部76へ出力し、残りの7つの分割ファイルを復号化部74へ出力する。
【0080】
復号化部76は、ダミーファイルに対して復号化する処理と、分割ファイルに対して復号化する処理の2つの処理を行なう。ここでは、ダミーファイルを復号化する処理について説明する。分割ファイルを復号化する処理については後述する。
【0081】
復号化部76は、ダミーファイル除去部74により特定されたダミーファイルを復号化処理し、パディングされた一時ダミーファイルを生成し、生成されたパディングされた一時ダミーファイルをダミーファイル除去部74へ出力する。
図28は、復号化部76の処理の具体例のフローチャートを示した図である。
復号化部76は、図28に示すように、コントロールファイルのハッシュ値を求める(S7601)。求めたハッシュ値の5〜12バイト目の値を初期値8バイト、求めたハッシュ値の13〜20バイト目の値をDES復号鍵8Byteとする(S7602)。生成した初期値8バイトとDES復号鍵8バイトを用いて、CBCモードで受信したダミーファイルをDES復号化処理し、パディングされた一時ダミーファイルを生成し(S7603)、生成したパディングされたダミーファイルをダミーデータ除去部77へ出力する(S7604)。
【0082】
ダミーファイル除去部74は、暗号化された元のデータファイルに関係ないダミーファイルを除去する。
また、ダミーファイル除去部74は、復号化部76により復号化されたパディングされた一時ダミーファイルから、分割パターン番号を抽出し、データ統合部78へ出力する。
また、ダミーファイル除去部74は、復号化部76により復号化されたパディングされた一時ダミーファイルから、DES暗号化処理の初期値を抽出し復号化部76へ出力する。
さらにまた、ダミーファイル除去部74は、復号化部76により復号化された一時ダミーファイルとコントロールファイルの内容を結合して電子署名を生成し、電子署名部75へ出力する。
【0083】
図29は、ダミーファイル除去部74の電子署名を生成する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
ダミーファイル除去部74は、図29に示すように、一時ダミーファイルから読みだした署名データを3つのブロックに分け(S7401)、次にコントロールファイルから読みだした署名データを3つのブロックに分け(S7402)、それぞれを交互に並べて結合し、電子署名を生成する(S7403)。ここで生成された電子署名は、ハッシュ値格納部、鍵格納部、署名経路格納部で構成されている。
ダミーファイル除去部74は、生成した電子署名を電子署名部75へ出力する(S7404)。
【0084】
電子署名部75は、ダミーデータ除去部77により出力された電子署名に対して後述する処理を行ない、結合ファイルのハッシュ値、初期暗号鍵、署名経路を抽出する。また、抽出した結合ファイルのハッシュ値をデータ統合部78へ出力し、また、抽出した初期暗号鍵を復号化部76へ出力し、また、抽出した署名経路を使用者/管理者送受信側特定部73へ出力する。
【0085】
電子署名部75は、ハッシュ値格納部および鍵格納部から、DES復号鍵および初期値を求めDES復号処理し署名経路格納部を復号化処理する。
図30は、電子署名部75の電子署名を復号化する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
電子署名部75は、図30に示すように、ハッシュ値格納部より、3,6,9,12バイト目のデータを読み取り、鍵格納部の2,4,6,8バイト目のデータを読み取り、それぞれのデータを交互に連結し、DES復号化処理で使用する初期値を生成する(S7501)。
次に、ハッシュ値格納部より、2,5,8,11バイト目のデータを読み取り、鍵格納部の1,3,5,7バイト目のデータを読み取り、それぞれのデータを交互に連結し、DES復号化処理で使用するDES復号鍵を生成する(S7502)。
そして、電子署名部75は、生成した初期値およびDES復号鍵を用いて、署名経路格納部をDES復号化処理し、送信側使用者のIDと氏名、受信側使用者のIDと氏名、送信側管理者のIDと氏名および受信側管理者のIDと氏名を得る(S7503)。得られた署名経路は、使用者/管理者送受信側特定部73へ出力される(S7504)。
電子署名部75は、使用者/管理者送受信側特定部73により、各者の特定が出来なかった場合は処理を終了する(S7505,S7506)。各者の特定が正しく行なわれた場合は、以下の初期暗号鍵番号を復号する処理を行なう(S7508)。
【0086】
図31は、電子署名部75の鍵格納部に記録されている初期暗号鍵番号を復号化する処理のフローチャートを示した図である。
電子署名部75は、図31に示すように、復号化された署名経路格納部から得られた送信側管理者IDに基づき、受信側管理者ICカード80−4に記憶されている送信側管理者のRSA公開鍵を用いて、鍵格納部を復号化する(S7511)。
署名経路格納部から得られた受信使用者IDに基づいて、受信側使用者ICカード80−3に記憶されている受信側使用者のRSA秘密鍵を用いてRSA復号化処理を行い、初期暗号鍵番号を得る(S7512)。
電子署名部75は、取り出した初期暗号鍵番号を復号化部76へ出力する(S7513)。
【0087】
次にハッシュ値格納部に記憶されている結合ファイルのハッシュ値の復号化を行う。
ハッシュ値格納部は、2重に暗号化された結合ファイルのハッシュ値が記憶されている。
図32は、電子署名部75の鍵格納部に記録されている結合ファイルのハッシュ値の復号化をする処理のフローチャートを示した図である。
電子署名部75は、図32に示すように、受信側管理者ICカード80−4に記憶されている受信側管理者のRSA秘密鍵を用いて、ハッシュ値格納部に記憶されている結合ファイルのハッシュ値を復号化する(S7521)。
受信側使用者ICカード80−3に記憶されている送信側使用者のRSA公開鍵でRSA復号を行い、結合ファイルのハッシュ値を得る(S7522)。
電子署名部75は、得られた結合ファイルのハッシュ値をデータ統合部78へ出力する(S7523)。
【0088】
復号化部76は、前述したダミーファイルに対して復号化する処理と、分割ファイルに対して復号化する処理の2つの処理を行なう。ここでは、分割ファイルに対して復号化する処理について説明する。
復号化部76は、受信された7つの分割ファイルを、復号鍵と初期値を用いて復号化処理し、パディングされた7つの一時分割ファイルを生成し、生成した一時分割ファイルをダミーデータ除去部77へ出力する。
【0089】
図33は、復号化部76が、一時分割ファイルを復号化する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
まず、復号化部76は、図33に示すように、ダミーファイル除去部74により抽出された初期値を、復号化に用いる初期値とする(S7611)。復号鍵は、電子署名部75により生成された初期暗号鍵番号から求める。
復号鍵を求める手順を説明する。
まず、初期暗号鍵番号を初期復号鍵番号とする(S7612)。初期復号鍵番号に対して6回ビットシフトを行ない、6つの復号鍵番号を求める(S7613)。前記の計7つの復号鍵番号に対して次の操作を行う。
前記処理までに求められた7つの復号鍵番号各々をオフセット値として、受信側使用者ICカード80−3の復号鍵テーブル83−3より4バイト読み込む。また、同じオフセット値で、受信側管理者ICカード80−4の復号鍵テーブル83−4より4バイト読み込む(S7614)。それぞれの4バイトを結合し、DES復号鍵とする(S7615)。
ただし、復号鍵番号が、252より大きく、4バイト読み込むことが出来ない場合は、足りない分を復号鍵テーブル80−3および復号鍵テーブル80−4の先頭より読み込む。
【0090】
復号化部76は、次に、受信した7つの分割ファイルを復号化し、7つのパディングされた一時分割ファイルを作成する処理をする。
復号化部76は、先に求められた7つのDES復号化鍵と初期値を用いてCBCモードで、7つの分割ファイルをDES復号化する処理を行ない、パディングされた7つの一時分割ファイルを生成する(S7616)。
復号化部76は、生成したパディングされた7つの一時分割ファイルをダミーデータ除去部77へ出力する(S7617)。
【0091】
ダミーデータ除去部77は、復号化部76により生成されたパディングされた7つの一時分割ファイルに対し、ダミーデータ除去処理を行ない、一時分割ファイルを生成する。生成した一時分割ファイルは、データ統合部78へ出力される。
図34は、ダミーデータ除去部77が、ダミーデータを除去する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
ダミーデータ除去部77は、図34に示すように、パディングされた一時分割ファイルのファイルサイズを取得し、パディングされた一時分割ファイルからデータを読み込み、ファイルサイズ−8バイトまで一時分割ファイルに書き出す(S7701)。ファイルの最後の8バイトを書き出す際には、ファイルの最後の8バイトの後ろから1バイト毎に読み込み、0x00、・・・、0x00、0x80となる所まで探し出す(S7702)。ダミーデータ除去部77は、探し出したポイントの前までを一時分割ファイルに書き出し、一時分割ファイルを生成する(S7703)。
ダミーデータ除去部77は、生成した7つの一時分割ファイルをデータ統合部78へ出力する(S7704)。
【0092】
データ統合部78は、ダミーデータ除去部77により生成された7つの一時分割ファイルを、結合パターンに基づいて統合し、1つの結合ファイルを生成する結合処理と、生成した1つの結合ファイルを分割し、元の複数のデータファイルへ復元する分割処理の2つの処理を行なう。
【0093】
図35は、データ統合部78が、7つの一時分割ファイルを結合する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
データ統合部78は、図35に示すように、ICカード読取部72によりICカード80−3およびICカード80−4に記憶されている部分結合パターンテーブル82−3および部分結合パターンテーブル82−4を結合し、結合パターンテーブルを生成する(S7801)。生成された結合パターンテーブルの内容は、前述の分割パターンテーブルの内容と同じものである。
【0094】
データ統合部78は、ダミーファイル除去部74によりパディングされた一時ダミーファイルから抽出された分割パターン番号を、結合パターン番号とする(S7802)。そして、生成した結合パターンテーブルを参照し、先の結合パターン番号に対応する結合パターンを決定し(S7803)、7つの一時分割ファイルを、決定された結合パターンに従って結合し、1つの結合ファイルを生成する(S7804)。
以上により、7つの一時分割ファイルは、結合処理され、1つの結合ファイルが生成される。
【0095】
データ統合部78は、先の結合処理により生成された結合ファイルより、ハッシュ値を求める(S7805)。求められたハッシュ値と、ダミーデータ除去部77により抽出されたハッシュ値をマッチングする(S7806)。もし、ハッシュ値が一致しない場合は、適正な結合処理が行なわれなかった可能性があるため、生成したファイルを削除し、処理を終了する(S7807)。
ステップS7806において、ハッシュ値が一致する場合は、データ統合部78は、結合ファイルの先頭に書き込まれている元のファイル数、元のファイル名および元のファイルサイズに基づいて、結合ファイルを分割し、元の複数のデータファイルに復元する分割処理を行う(S7808)。データ統合部78は、復元された元の複数のデータファイルを出力する(S7809)。
【0096】
以上により、受信装置70は、受信した7つの分割ファイルと1つのダミーファイルおよびコントロールファイルから、元の複数のデータファイルを復元し出力する。
【0097】
この時の、受信装置70の動作についてまとめて説明する。
図36は受信装置のデータの流れを示した図である。
受信側使用者は、受信側使用者ICカード80−3を受信装置70へ装荷し、受信側管理者は、受信側管理者ICカード80−4を受信装置70へ装荷し、ICカード読取部72は、ICカード80−3およびICカード80−4の持ち主の認証を行ない正しく認証された場合は、使用者/管理者送受信側特定部73は、受信側使用者および受信側管理者の関係をチェックする。適正な関係の場合は、ICカード読取部72は、2つのICカード80−3およびICカード80−4から設定ファイル81−3および設定ファイル81−4、部分分割パターンテーブル82−3および部分分割パターンテーブル82−4、暗号鍵テーブル83−3および暗号鍵テーブル83−4を読みだし、それぞれを、電子署名部75、データ統合部78、復号化部76へ出力する。
伝送路60を介して伝送された8つのファイル、すなわち、7つの分割ファイルおよび1つのダミーファイルと、コントロールファイルは、受信装置70の受信部71で受信され、ダミーファイルは、ダミーファイル除去部74によりコントロールファイルを用いて特定され、復号化部76により復号化処理が行なわれパディングされた一時ダミーファイルになる。パディングされた一時ダミーファイルおよびコントロールファイルからは、ダミーファイル除去部74により署名、分割パターン番号および暗号化処理の初期値が抽出される。抽出された署名からは、電子署名部75により署名経路、初期暗号鍵番号および結合ファイルのハッシュ値が抽出される。署名経路からは、使用者/管理者送受信側特定部73により送受信側の使用者および管理者が特定される。
【0098】
7つの分割ファイルは、復号化部76により、先に抽出された初期値および初期暗号鍵番号から変換して求められた復号鍵により復号化する処理が行なわれ、7つのパディングされた一時分割ファイルになり、ダミーデータ除去部77によりダミーデータを除去する処理が行なわれ、7つの一時分割ファイルになり、データ統合部78により、1つの結合ファイルになる。生成された結合ファイルのハッシュ値と抽出されたハッシュ値と比較し同じ値の場合には、データ統合部78により結合ファイルは、分割され、元の複数のデータファイルに復元され、受信装置70より出力される。
【0099】
通信システム2の全体の動作についてまとめて説明する。
送信対象の複数のデータファイルは、送信装置50により、2つのICカード80−1およびICカード80−2に記憶されている暗号鍵テーブルおよび分割パターンテーブルに基づいて所定の変換が行なわれ、8つのファイルおよびコントロールファイルになり伝送路60を介して受信装置70に伝送され、伝送された8つのファイルおよびコントロールファイルは、受信装置70により、2つのICカード80−3およびICカード80−4に記憶されている復号鍵テーブルおよび統合パターンテーブルに基づいて所定の変換が行なわれ、元の複数のデータファイルに復元され出力される。
【0100】
このように、本第2の実施の形態の通信システム2においては、送信装置50は、送信対象のデータファイルに対して、暗号化する処理を行なう際に2つのICカードに記憶されている暗号鍵を生成する暗号鍵テーブルおよび分割化する処理を行なう際に2つのICカードに記憶されている分割パターンテーブルを用いている。
このため、送信側では、2つのICカードがなければ、送信対象のデータファイルを送信装置50により暗号化処理および分割化処理する事ができない。同様に、受信側においても2つのICカードがなければ、受信したファイルを復号化処理および統合化処理することができない。
これにより、送信対象のデータファイルを送信する場合には、関連した2つのICカードが必要となり、また、送信対象のデータファイルに対して分割する処理、ダミーファイルを付加する処理、ダミーデータを付加する処理および暗号化する処理をすることにより高いセキュリティ性を有する。
また、関連した2つのICカードを持つ2人が必要となることで、ICカードの悪用、乱用、機密データの改ざん、覗き見、漏洩等を防ぐ解決方法の1つとなっている。
【0101】
変形例
なお、本発明は前述した第1および第2の実施の形態に限られるものではなく、任意好適な種々の改変が可能である。
【0102】
たとえば、前述した実施の形態では、送信装置は、ICカード読取部、使用者/管理者送受信側特定部、データ分割部、電子署名部、ダミーファイル付加部、ダミーデータ付加部、暗号化部および送信部で構成されていたが、このすべてで構成する形態に限らない。たとえば、処理速度の向上のため電子署名部、ダミーファイル付加部、ダミーデータ付加部および使用者/管理者送受信側特定部は、なくてもよい。
【0103】
また、前述した実施の形態では、受信装置は、受信部、ICカード読取部、使用者/管理者送受信側特定部、ダミーファイル除去部、ダミーデータ除去部、電子署名部、復号化部およびデータ統合部で構成されていたが、このすべてで構成する形態に限らない。たとえば、処理速度の向上のため使用者/管理者送受信側特定部、ダミーファイル除去部、ダミーデータ除去部および電子署名部はなくてもよい。
【0104】
また、前述した実施の形態では、送信装置および受信装置は、コンピュータ装置および2つのICカードドライブを用いたが、この形態に限らない。たとえば、1つのICカードドライブを用いてもよい。
【0105】
また、前述した実施の形態では、ICカードを用いて行なったが、この形態でなくてもよい。たとえば、磁気カードを用いてもよい。磁気カードは、一般的に普及しているので、既に使用している装置でこのシステムを構築できる。
【0106】
また、前述した実施の形態では、2つのICカードを用いたが、この限りではなく、3つ以上のICカードを用いてもよい。たとえば、3つ以上のICカードを用いることにより、より高いセキュリティ性が実現される。
【0107】
また、前述した実施の形態では、ICカードに、分割した暗号鍵および暗号鍵テーブルを記憶した形態であったが、この限りではなく、暗号化方式および復号化方式を記憶してもよい。暗号化処理および復号化処理に関する任意のデータであってもよい。
【0108】
また、前述した実施の形態では、図8に示した内容の分割パターンテーブルを用いたが、分割パターンテーブルの内容はこの限りではない。
【0109】
また、前述した実施の形態では、分割パターンテーブルを2つに分けた形態であったが、分割パターンテーブルの分け方はこの限りではない。たとえば、任意に複数に分割し順に振り分けてもよい。
【0110】
また、前述した実施の形態では、ICカードに、分割した分割パターンテーブルを記憶した形態であったが、この形態でなくてもよい。たとえば、分割方法を記憶していてもよい。
【0111】
また、前述した実施の形態では、ファイルを7つに分割する処理を行なったが、7つに分割する処理に限らない。たとえば、任意の複数ファイルに分割してもよい。
【0112】
また、前述した実施の形態では、結合ファイルを所定のバイトごとに順次振り分けて分割する処理を行なったが、分割する方法は前述した実施の形態のでなくてもよい。たとえば、ランダムに分割してもよいし、分割しなくてもよい。
【0113】
また、前述した実施の形態では、送信対象のデータファイルに対して秘密鍵暗号方式で暗号化処理を行なったが、暗号化する方法は秘密鍵暗号方式でなくてもよい。たとえば、公開鍵暗号方式でもよい。
【0114】
また、前述した実施の形態では、送信対象のデータファイルに対してDES暗号化処理を行なったが、暗号化する方法はDES方式でなくてもよい。たとえば、DES方式に限らない。たとえば、より暗号強度の高いトリプルDES、128ビットまたは64ビットの鍵を用いるFEAL(fast encipherment algorithm)、差分解読法および線形解読法に対して十分な安全性のあるMISTY、RSA暗号、離散対数問題の困難性を利用した楕円曲線暗号、楕円ElGamal暗号、楕円RAS暗号、確率暗号、Goldwasser−Micali暗号、高次剰余暗号、OAEP暗号、Merkle−Hellman暗号、McEliece暗号、PGP暗号、GPG暗号等でもよい。
【0115】
また、前述した実施の形態では、送信対象のデータファイルに対して暗号化処理を行なったが、ブロック暗号方式に限らない。たとえば、ストリーム暗号方式でもよい。
【0116】
また、前述した実施の形態では、ICカードを送信装置および受信装置に接続しておこなったが、この形態に限らない。たとえば、ネットワークを介して離れていてもよい。接触型ICカード、非接触型ICカードでもよい。
【0117】
また、前述した実施の形態では、認証は、パスワードを用いて行なったが、この形態に限らない。たとえば、指紋、声紋、顔型などの本人の生体的特徴を認証手段としてもよい。また、ある情報がある性質を持っているという1ビットの情報をそれ以外の余分な情報を一切もらさずに対話的に証明するゼロ知識対話証明を用いて行なってもよい。
【0118】
また、前述した実施の形態では、電子署名を用いて行なったが、この形態に限らない。たとえば、電子署名はなくてもよい。また、電子署名は、他の電子署名の方式、たとえば、ESIGN署名、Elgamal署名、DSA署名等を用いてもよい。
【0119】
また、前述した実施の形態では、ICカードを用いて行なったが、ICカードの内容は、この形態に限らない。たとえば、ICカードの内容は、他の情報でもよい。
【0120】
また、前述した実施の形態では、送信装置の処理の順番は、ICカード読取処理、使用者/管理者送受信側特定処理、データ結合処理、データ分割処理、ダミーファイル付加処理、ダミーデータ付加処理、暗号化処理および送信処理の順番で行なったが、この順番でなくてもよい。
【0121】
また、前述した実施の形態では、受信装置の処理の順番は、受信処理、ICカード読取処理、使用者/管理者送受信側特定処理、ダミーファイル除去処理、電子署名処理、復号化処理、ダミーデータ除去処理、データ統合処理およびデータ分割処理の順番で行なったが、この順番でなくてもよい。
【0122】
また、前述した実施の形態では、ダミーデータおよびダミーファイルを付加および除去したが、この形態に限らない。ダミーデータおよびダミーファイルは付加しなくてもよい。
【0123】
また、前述した実施の形態では、ダミーデータおよびダミーファイルを付加および除去したが、ダミーファイルおよびダミーデータの付加の方法は、この形態に限らない。意味のあるダミーデータでもよいし、ランダムなダミーデータでもよいし、意味のあるダミーファイルでもよいし、全くランダムなダミーファイルでもよい。
【0124】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、よりセキュリティの高い暗号化装置を提供することができる。
また、本発明によれば、よりセキュリティの高い復号化装置を提供することができる。
また、本発明によれば、よりセキュリティの高い通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した通信システムの構成を詳細に示すブロック図である。
【図3】図3は、図2に示した暗号鍵の関係を示した図である。
【図4】図4は、図1に示した実施の形態の通信システムの送信装置の具体的な装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図6に示した通信システムの受信装置の具体的な装置構成を示した図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、図6に示した通信システムの送信側使用者ICカードに記憶されているデータを示すブロック図である。
【図8】図8は、図7に示したICカードの中の分割パターンテーブルを示した図である。
【図9】図9は、図6に示した通信システムのICカードから記憶されている送受信側の使用者および管理者のIDおよび氏名を読み取ったことを示す図である。
【図10】図10は、図6に示した通信システムのICカード読取部の処理のフローチャートである。
【図11】図11は、図6に示した通信システムの使用者/管理者送受信側特定部の処理の具体例のフローチャートである。
【図12】図12は、図6に示した通信システムのデータ分割部における処理の具体例のフローチャートである。
【図13】図13は、図6に示した通信システムの送信装置の電子署名部により生成される署名を示した図である。
【図14】図14は、図6に示した通信システムの電子署名部の処理の具体例のフローチャートである。
【図15】図15は、図6に示した通信システムの電子署名部のハッシュ値格納部へのデータ格納のフローチャートである。
【図16】図16は、図6に示した通信システムの電子署名部の鍵格納部へのデータ格納のフローチャートである。
【図17】図17は、図6に示した通信システムの電子署名部の署名経路格納部へのデータ格納のフローチャートである。
【図18】図18は、図6に示した通信システムの送信装置のダミーファイル付加部によりダミーファイルを付加することを示した図である。
【図19】図19は、図6に示した通信システムのダミーファイル付加部の処理の具体例のフローチャートである。
【図20】図20は、図6に示した通信システムの送信装置のダミーデータ付加部によりファイルに対してダミーデータを付加することを示した図である。
【図21】図21は、図6に示した通信システムのダミーデータ付加部の処理の具体例のフローチャートである。
【図22】図22は、図6に示した通信システムの送信装置の暗号化部により複数のファイルに対し暗号化することを示した図である。
【図23】図23は、図6に示した通信システムの暗号化部のコントロールファイルを作成する処理の具体例のフローチャートである。
【図24】図24は、図6に示した通信システムの暗号化部の一時分割ファイルに対して暗号化する処理の具体例のフローチャートである。
【図25】図25は、図6に示した通信システムの暗号化部の一時ダミーファイルに対して暗号化する処理の具体例のフローチャートである。
【図26】図26は、図6に示した通信システムの送信装置のデータの処理の流れについて説明する図である。
【図27】図27は、図6に示した通信システムの使用者/管理者送受信側特定部の送受信側の使用者および管理者の特定を行なう処理の具体例のフローチャートである。
【図28】図28は、図6に示した通信システムの復号化部の処理の具体例のフローチャートである。
【図29】図29は、図6に示した通信システムのダミーファイル除去部の電子署名を生成する処理の具体例のフローチャートである。
【図30】図30は、図6に示した通信システムの電子署名部の電子署名を復号化する処理の具体例のフローチャートを示した図である。
【図31】図31は、図6に示した通信システムの電子署名部の鍵格納部に記録されている初期暗号鍵番号を復号化する処理のフローチャートである。
【図32】図32は、図6に示した通信システムの電子署名部のハッシュ値格納部に記録されている結合ファイルのハッシュ値の復号化をする処理のフローチャートである。
【図33】図33は、図6に示した通信システムの復号化部が分割ファイルを復号化する処理の具体例のフローチャートである。
【図34】図34は、図6に示した通信システムのダミーデータ除去部がダミーデータを除去する処理の具体例のフローチャートである。
【図35】図35は、図6に示した通信システムのデータ統合部が7つの一時分割ファイルを結合する処理の具体例のフローチャートである。
【図36】図36は、図6に示した通信システムの受信装置のデータの処理の流れについて説明する図である。
【符号の説明】
1…通信システム
2…通信システム
10…送信装置
11…ICカード読取部、 12…暗号鍵生成部
13…暗号化部、 14…送信部
20…伝送路
30…受信装置
31…ICカード読取部、 32…復号鍵生成部
33…受信部、 34…復号化部
40−1〜40−4…ICカード
50…送信装置
51…ICカード読取部、 52…使用者/管理者送受信側特定部
53…データ分割部、 54…電子署名部
55…ダミーファイル付加部、 56…ダミーデータ付加部
57…暗号化部、 58…送信部
60…伝送路
70…受信装置
71…受信部、 72…ICカード読取部
73…使用者/管理者送受信側特定部、74…ダミーファイル除去部
75…データ統合部、 76…復号化部
77…ダミーデータ除去部、 78…データ統合部
80−1…送信側使用者ICカード、80−2…送信側管理者ICカード
80−3…受信側使用者ICカード、80−4…受信側管理者ICカード
81−1…送信側使用者設定ファイル
81−2…送信側管理者設定ファイル
81−3…受信側使用者設定ファイル
81−4…受信側管理者設定ファイル
82−1…送信側使用者部分分割パターンテーブル
82−2…送信側管理者部分分割パターンテーブル
82−3…受信側使用者部分結合パターンテーブル
82−4…受信側管理者部分結合パターンテーブル
83−1…送信側使用者暗号鍵テーブル
83−2…送信側管理者暗号鍵テーブル
83−3…受信側使用者復号鍵テーブル
83−4…受信側管理者復号鍵テーブル
100…コンピュータ装置
200−1〜200−4…ICカードドライブ
300…コンピュータ装置
Claims (7)
- 複数の情報記憶装置のデータを読み取る読取手段と、
前記複数の情報記憶装置のすべてから読み取ったデータに基づいて暗号鍵を生成する暗号鍵生成手段と、
前記暗号鍵を使用した所定の暗号化方式で、所望の暗号化対象のデータを暗号化する暗号化手段と、
暗号化対象のデータファイルを複数の分割データファイルに分割する分割手段と
を有し、
前記複数の情報記憶装置は、各々が、
前記データファイルを分割する際に用いる分割パターンを複数個有する分割パターンテーブルを、各分割パターンが複数に分割されるように複数に分割した部分分割パターンテーブル、および、所定バイト長のバイナリデータを有する暗号鍵テーブル、を記憶し、
前記読取手段は、
乱数を基にしたオフセット値を用いて、各前記情報記憶装置のバイナリデータから所定バイト長のデータを読み込み、
前記暗号鍵生成手段は、
前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記所定バイト長のデータを統合して前記暗号鍵を生成し、
前記分割手段は、
前記読取手段により前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記部分分割パターンテーブルを統合して得られる前記分割パターンテーブルから、乱数に基づいて選択した分割パターンを用いて前記データファイルを分割し、前記複数の分割データファイルを生成し、
前記暗号化手段は、
前記複数の情報記憶装置に分割して記憶された分割パターンにより分割された前記複数の分割データファイルを、前記複数の情報記憶装置に別々に記憶されている複数のバイナリデータを一部ずつ統合して得た前記暗号鍵を使用して、前記分割データファイル毎に暗号化する
暗号化装置。 - 前記複数の情報記憶装置は、
前記バイナリデータを1つずつ記憶する2個の情報記憶装置であり、
前記暗号鍵生成手段は、
前記2つのバイナリデータを一部ずつ統合して前記暗号鍵を生成する
請求項1に記載の暗号化装置。 - 前記複数の情報記憶装置は、
前記分割パターンテーブルを2つに分割した部分分割パターンテーブルを各々1つずつ記憶する2個の情報記憶装置であり、
前記分割手段は、
2個の前記部分分割パターンテーブルを統合して前記分割パターンテーブルを生成する
請求項1または2に記載の暗号化装置。 - 複数の情報記憶装置のデータを読み取る読取手段と、
前記複数の情報記憶装置のすべてから読み取ったデータに基づいて復号鍵を生成する復号鍵生成手段と、
前記復号鍵を使用した所定の復号化方式で、所定の暗号化方式で暗号化されたデータを復号化する復号化手段と、
復号化対象の複数の分割データファイルを1つのデータファイルに統合する統合手段と
を有し、
前記複数の情報記憶装置は、各々が、
前記複数の分割データファイルを統合する際に用いる統合パターンを複数個有する統合パターンテーブルを、各統合パターンが複数に分割されるように複数に分割した部分統合パターンテーブル、および、所定バイト長のバイナリデータを有する復号鍵テーブル、を記憶し、
前記読取手段は、
符号化時の乱数を基にしたオフセット値を用いて、各前記情報記憶装置のバイナリデータから所定バイト長のデータを読み込み、
前記復号鍵生成手段は、
前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記所定バイト長のデータを統合して前記復号鍵を生成し、
前記復号化手段は、
前記複数の分割データファイルを、前記複数の情報記憶装置に別々に記憶されている複数のバイナリデータを一部ずつ統合して得た前記復号鍵を使用して、前記分割データファイル毎に復号化し、
前記統合手段は、
前記読取手段により前記複数の情報記憶装置のすべてから読み込まれた複数の前記部分統合パターンテーブルを統合して得られる前記統合パターンテーブルから、暗号時の乱数に基づいて選択した統合パターンを用いて、復号化された前記複数の分割データファイルを統合し、前記データファイルを生成する
復号化装置。 - 前記複数の情報記憶装置は、
前記バイナリデータを1つずつ記憶する2個の情報記憶装置であり、
前記復号鍵生成手段は、
前記2つのバイナリデータを一部ずつ統合して前記復号鍵を生成する
請求項4に記載の復号化装置。 - 前記複数の情報記憶装置は、
前記統合パターンテーブルを2つに分割した部分統合パターンテーブルを各々1つずつ記憶する2個の情報記憶装置であり、
前記統合手段は、
2個の前記部分統合パターンテーブルを統合して前記分割パターンテーブルを生成する
請求項4または5に記載の復号化装置。 - データを暗号化する請求項1から3のいずれか一項に記載の暗号化装置と、
暗号化された当該データを復号する請求項4から6のいずれか一項に記載の複合化装置と
を有する通信システム。
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