JP4800299B2 - コスト情報管理システム、コスト情報管理方法およびコスト情報管理プログラム - Google Patents

コスト情報管理システム、コスト情報管理方法およびコスト情報管理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、通信機器や情報処理機器等の複数の部品からなる装置コストを見積もるもので、装置の例えば開発企画段階の設計上流から詳細設計段階の設計下流までをカバーするようにしたコスト情報管理システム、コスト情報管理方法およびコスト情報管理プログラムに関するものである。
従来、装置コストを算出する際、部品コストの見積りでは、専門家が図面をみて経験・カンやスキルを元に値付けをしたりしていた。また、システム系での見積もりでは、過去の類似部品の製造プロセスデータまたはＣＡＤ形状データと製造原価をベースに当該部品のコストを適応修正して見積もるものがあった（例えば、特許文献１参照）。
特開２００２−１８２７３２号公報
しかしながら、上述した方法では、専門家の経験・カンやスキルのレベルによってコスト見積値がぶれる課題があった。また、過去の類似品の製造プロセスデータやＣＡＤデータを所有していないとコスト見積もりができない課題があった。さらに、装置開発企画段階では、詳細な図面やＣＡＤデータがないため、専門家あるいはシステムでのコスト見積もりができず、装置全体のコストが不明であり、ビジネスの損益予想が分からないまま、プロジェクトをスタートせざるを得なくなる可能性もあった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、専門家のスキルを必要とせずに精度の高いコスト見積もりが可能であり、装置の開発企画段階の設計上流から詳細設計段階の設計下流までをカバーしてコスト見積もりを行うことができるコスト情報管理システム及び方法、並びにコスト情報管理プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、装置製作のコスト情報の管理を製作の第１段階及び第２段階で行うコスト情報管理システムであって、装置を構成する各回路の第１段階及び第２段階での機能パラメータと装置目標コストの設定値を入力する入力部と、前記入力部に入力された第１段階での主要な機能パラメータに基づいて第１段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較して第２段階に移行するか否かを判定し、第２段階に移行すると判定された場合に、第１段階での未設定の機能パラメータをさらに設定して第２段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較する制御部とを備えてなるものである。
また、本発明において、前記制御部は、第２段階での装置コストが装置目標コスト内となることを条件として装置開発処理を終了することを特徴とする。
また、前記制御部により演算される第１段階及び第２段階での装置コストを出力する出力部を備えたことを特徴とする。
また、本発明において、装置を構成する各回路の機能パラメータに応じたコストを予め記憶したコストテーブルを有する記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶されたコストテーブルを参照して前記入力部に入力された機能パラメータに応じた各回路のコストを求め、第１段階及び第２段階での装置コストをそれぞれ演算することを特徴とする。
また、本発明は、装置製作のコスト情報の管理を製作の第１段階及び第２段階で行うコスト情報管理方法であって、装置を構成する各回路の第１段階及び第２段階での機能パラメータと装置目標コストの設定値を入力する入力ステップと、前記入力ステップにより入力された第１段階での主要な機能パラメータに基づいて第１段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較して第２段階に移行するか否かを判定し、第２段階に移行すると判定された場合に、第１段階での未設定の機能パラメータをさらに設定して第２段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較するコスト見積ステップとを備えてなる。
このコスト情報管理方法において、前記コスト見積ステップにおいて、第２段階での装置コストが装置目標コスト内となることを条件として処理を終了することを特徴とする。
さらに、前記コスト見積ステップにより演算される第１段階及び第２段階での装置コストを出力する出力ステップを備えたことを特徴とする。
また、装置を構成する各回路の機能パラメータに応じたコストを予め記憶したコストテーブルを有する記憶部を予め備えておき、前記コスト見積ステップでは、前記記憶部に記憶されたコストテーブルを参照して前記入力部に入力された機能パラメータに応じた各回路のコストを求め、第１段階及び第２段階での装置コストをそれぞれ演算することを特徴とする。
また、本発明は、装置製作のコスト情報の管理をコンピュータに実行させるコスト情報管理プログラムであって、装置を構成する各回路の第１段階及び第２段階での機能パラメータと装置目標コストの設定値を入力する入力ステップと、前記入力ステップにより入力された第１段階での主要な機能パラメータに基づいて第１段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較して第２段階に移行するか否かを判定し、第２段階に移行すると判定された場合に、第１段階での未設定の機能パラメータをさらに設定して第２段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較するコスト見積ステップとをコンピュータに実行させる。
本発明に係るコスト情報管理システムの構成を示すブロック図である。 装置を構成する回路構成例を説明する図である。 装置を構成する回路の種別毎に設定する機能パラメータの例を説明する図である。 図１の記憶装置３内に格納されたコストテーブル３Ａの内容を説明する図である。 図１のメインメモリ２内に格納されて中央処理装置１によって実行されるコスト情報管理プログラム２Ａの内容を示すフローチャートである。
図１は、本発明に係るコスト情報管理システムの構成を示すブロック図である。
図１に示すコスト情報管理システムは、装置を構成する各回路の機能パラメータを設定して装置コストを見積もるためのコンピュータで構成され、制御手段（制御部）となる中央処理装置１と、装置を構成する各回路の機能パラメータに基づいて企画段階（本発明の第１段階に相当する）及び設計段階（本発明の第２段階に相当する）における装置コストを見積もるコスト情報管理プログラム２Ａを格納してなるメインメモリ２と、装置を構成する各回路の機能パラメータに応じたコストを予め記憶したコストテーブル３Ａを格納してなる記憶装置３と、装置を構成する各回路の企画段階及び設計段階での機能パラメータと装置目標コストの設定値を入力する入力装置４と、前記中央処理装置１により演算される企画段階及び設計段階での装置コストを出力する出力装置５とを備えている。
図２は、装置を構成する回路構成例を説明する図である。
図２に示すように、一般的に、装置１０は、入力回路１１と、処理回路１２と、出力回路１３と、メモリ回路１４と、電源回路１５とを備えているのが通常である。
本発明においては、このような装置を構成する各回路に対して、図３に示す如く、回路種別毎に機能パラメータを設定している。すなわち、機能パラメータとして、入力回路１１と処理回路１２及び出力回路１３に対しては、回路規模、内部動作速度、信号ピン数及び外形サイズ等を設定し、メモリ回路１４に対しては、メモリ方式（ＳＲＡＭ，ＤＲＡＭ）、メモリ容量、動作クロック速度及び外形サイズ等を設定し、電源回路１５に対しては、入力方式（ＡＣ，ＤＣ）、出力電圧／電流、保護回路有無及び外形サイズ等を設定している。
そして、本発明においては、図４に示す如く、装置を構成する回路の機能パラメータとコストとの対応関係を予め記憶したコストテーブル３Ａを記憶装置３内に格納している。このコストテーブル３Ａとしては、例えば、入力回路１１と処理回路１２及び出力回路１３に共通なコストテーブルとして、回路規模、内部動作速度、信号ピン数及び外形サイズ等に対応したコストが予め記憶されている。メモリ回路１４及び電源回路１５に対してもそれぞれコストテーブルを有する。
次に、上記構成に係るコスト情報管理システムの動作について、図５に示すフローチャートを参照して説明する。
図５は、メインメモリ２内に格納されて中央処理装置１によって実行されるコスト情報管理プログラム２Ａの内容を示すフローチャートである。
まず、装置開発に際し、企画段階で、入力装置４から装置を構成する各回路の主要な機能パラメータ及び装置目標コストが設定入力される（ステップＳ１）。例えば、入力回路１１の機能パラメータとして、回路規模：７０ｋゲート、外形サイズ：２２ｍｍ2が入力され、処理回路１２及び出力回路１３の機能パラメータとして、回路規模及び外形サイズの具体的な数値が入力され、メモリ回路１４の機能パラメータとして、メモリ方式及び外形サイズの具体的な数値が入力され、電源回路１５の機能パラメータとして、入力方式及び外形サイズの具体的な数値が入力される。
中央処理装置１は、上述した機能パラメータの設定入力に基づいて、図４に示すコストテーブルを参照して各回路の機能パラメータに対応するコストを求め、装置コストを演算する（ステップＳ２）。例えば、入力回路１１の機能パラメータに対応したコストとしては、機能パラメータとして、回路規模：７０ｋゲート、外形サイズ：２２ｍｍ2が入力されたので、これに対応するコストは、図４に太線枠でハイライト表示する５００円〜７００円となる。同様にして、処理回路１２、出力回路１３、メモリ回路１４及び電源回路１５の機能パラメータに対応したコストが求められ、それら合計でなる全体の装置コストは、次のようになる。なお、演算された装置コストは、出力装置５により表示等によって出力される。
入力回路１１のコスト ：５００円〜７００円、
処理回路１２のコスト ：６００円〜８００円、
出力回路１３のコスト ：６００円〜８００円、
メモリ回路１４のコスト：５００円〜７００円、
電源回路１５のコスト ：４００円〜６００円、
装置コスト（合計値） ：２６００円〜３６００円。
次に、中央処理装置１は、企画段階で演算された装置コストの演算値が装置目標コスト以下であるか否かを判定する（ステップＳ３）。この場合、装置目標コストとして例えば３０００円が設定されていれば、装置目標コストより価格の低い装置コストの下限値が存在するので、開発を進行することができ、設計段階に移行する。他方、装置コストの演算値が装置目標コストより大きければ開発を断念する。
設計段階では、各回路の未設定の機能パラメータをさらに設定して（ステップＳ４）、装置コストを演算する（ステップＳ５）。演算された装置コストは、出力装置５により表示等によって出力される。このようにすることで、装置コストのばらつきを縮小させてコスト精度を向上させる。そして、装置コストの演算値と装置目標コストとの比較判定を行う（ステップＳ６）。例えば、入力回路１１の例では、機能パラメータとして内部動作速度及び信号ピン数をさらに設定し、コスト精度を図る。
このようにして求められた装置コストの演算値が装置目標コスト以下であれば、装置開発を終了する。他方、装置コストの演算値が装置目標コスト以下でなければ、ステップＳ４に移行し、機能パラメータを変更してステップＳ４以下を実行することができる。
なお、図５に示すフローチャートにおいて、ステップＳ４〜Ｓ６の設計段階を、基本設計段階と詳細設計段階とに分けて、装置コストを求めるようにしても良い。その場合、ステップＳ４において、まず、基本設計段階の未設定の機能パラメータを設定し、ステップＳ６の判定が終了したら、ステップＳ４にリターンして詳細設計段階での機能パラメータをさらに設定し、ステップＳ４以下を繰り返し実行するようにすればよい。
また、本発明では、図４に示すコストテーブル３Ａを記憶装置３に格納し、中央処理装置１により、コストテーブルを用いてコストを演算するようにしたが、コストテーブル３Ａを用いることなく、次のコスト演算式を用いてコストを求めることができる。
入力回路１１のコスト＝回路規模×ｋ１＋内部動作速度×ｋ２
＋信号ピン数×ｋ３＋外形サイズ×ｋ４
（ｋ１〜ｋ４：基準単価）
この計算式を用いるコスト演算は、処理回路１２、出力回路１３、メモリ回路１４及び電源回路１５についても同様に実施できる。
また、本発明に係るコスト情報管理システムは、コスト情報管理方法及びコスト情報管理プログラムに同様にして実施できる。すなわち、図５に示すフローチャートの各ステップ方法及びプログラムの各手順とすれば良い。
この場合、図５に示す各ステップをコンピュータに実行させるプログラムをコンピュータにより読取り可能な記録媒体に記憶させることによって、コスト情報管理方法をコンピュータに実行させることが可能となる。なお、本発明において、上記コンピュータにより読取り可能な記録媒体は、ＣＤ−ＲＯＭやフレキシブルディスク、ＤＶＤディスク、光磁気ディスク、ＩＣカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、更に回線上の伝送媒体をも含むものである。
以上のように、上述した実施の形態によれば、装置を構成する各回路の企画段階での機能パラメータに基づいて企画段階での装置コストを演算して、当該演算値と装置目標コストとを比較して設計段階に移行するか否かを判定し、判定後、設計段階での装置コストを演算するようにしたので、専門家のスキルを要することなく精度の高いコスト見積もりが可能となる。しかも、装置の開発企画段階の設計上流から詳細設計段階の設計下流までをカバーしてコスト見積もりを行うことができ、ビジネス損益を見据えたプロジェトのスタートが可能となる。なお、実施の形態では、第１段階及び第２段階をそれぞれ企画段階及び設計段階として説明したが、これら形式的な段階に限られる必要はない。
本発明によれば、装置を構成する各回路の第１段階（例えば企画段階）での機能パラメータに基づいて第１段階での装置コストを演算して、当該演算値と装置目標コストとを比較して第２段階（例えば設計段階）に移行するか否かを判定し、判定後、第２段階での装置コストを演算するようにしたので、専門家のスキルを要しないで、精度の高いコスト見積もりが可能となる。しかも、装置の第１段階（開発企画段階）の設計上流から第２段階（詳細設計段階）の設計下流までをカバーしてコスト見積もりを行うことができるので、ビジネス損益を見据えたプロジェトのスタートが可能となる。

Claims (7)

  1. 装置製作のコスト情報の管理を製作の第１段階及び第２段階で行うコスト情報管理システムであって、
    装置を構成する各回路の第１段階及び第２段階での機能パラメータと装置目標コストの設定値を入力する入力部と、
    複数の機能パラメータの取り得る組み合わせに対応するコストを記憶したコストテーブルを参照し、前記入力部に入力された第１段階での主要な機能パラメータと当該機能パラメータに対応する他の機能パラメータとの組み合わせに基づいて第１段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較して第２段階に移行するか否かを判定し、第２段階に移行すると判定された場合に、製作の前記第２段階で設定された、第１段階での未設定の機能パラメータをさらに設定して第２段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較する制御部と
    を備えてなるコスト情報管理システム。
  2. 請求項１に記載のコスト情報管理システムにおいて、
    前記制御部は、第２段階での装置コストが装置目標コスト内となることを条件として装置開発処理を終了することを特徴とするコスト情報管理システム。
  3. 請求項１又は請求項２に記載のコスト情報管理システムにおいて、
    前記制御部により演算される第１段階及び第２段階での装置コストを出力する出力部を備えたことを特徴とするコスト情報管理システム。
  4. 装置製作のコスト情報の管理を製作の第１段階及び第２段階で行うコスト情報管理方法であって、
    装置を構成する各回路の第１段階及び第２段階での機能パラメータと装置目標コストの設定値を入力する入力ステップと、
    複数の機能パラメータの取り得る組み合わせに対応するコストを記憶したコストテーブルを参照し、前記入力ステップにより入力された第１段階での主要な機能パラメータと当該機能パラメータに対応する他の機能パラメータとの組み合わせに基づいて第１段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較して第２段階に移行するか否かを判定し、第２段階に移行すると判定された場合に、製作の前記第２段階で設定された、第１段階での未設定の機能パラメータをさらに設定して第２段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較するコスト見積ステップと
    を備えてなるコスト情報管理方法。
  5. 装置製作のコスト情報の管理をコンピュータに実行させるコスト情報管理プログラムであって、
    装置を構成する各回路の第１段階及び第２段階での機能パラメータと装置目標コストの設定値を入力する入力ステップと、
    複数の機能パラメータの取り得る組み合わせに対応するコストを記憶したコストテーブルを参照し、前記入力ステップにより入力された第１段階での主要な機能パラメータと当該機能パラメータに対応する他の機能パラメータとの組み合わせに基づいて第１段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較して第２段階に移行するか否かを判定し、第２段階に移行すると判定された場合に、製作の前記第２段階で設定された、第１段階での未設定の機能パラメータをさらに設定して第２段階での装置コストを演算し、当該演算値と装置目標コストとを比較するコスト見積ステップと
    をコンピュータに実行させるコスト情報管理プログラム。
  6. 請求項５に記載のコスト情報管理プログラムにおいて、
    前記コスト見積ステップにおいて、第２段階での装置コストが装置目標コスト内となることを条件として処理を終了することを特徴とするコスト情報管理プログラム。
  7. 請求項５又は請求項６に記載のコスト情報管理プログラムにおいて、
    前記コスト見積ステップにより演算される第１段階及び第２段階での装置コストを出力する出力ステップを備えたことを特徴とするコスト情報管理プログラム。
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