JP4796010B2 - 通信方法及び通信装置 - Google Patents
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Description
通信装置間の通信に用いられるプロトコルとして、POP3(Post Office Protocol version 3, RFC1939)が知られている(非特許文献1参照。)。
J.Myers、"RFC 1939 - Post Office Protocol (POP) Version 3"、[online]、1996年5月、IAB(Internet Architecture Board)標準勧告文書RFC(Request for Comments)、[平成18年4月3日検索]、インターネット<URL : http://www.ietf.org/rfc/rfc1939.txt>
このため、例えば、リクエスト先の通信装置で厳密にプロトコルに準拠した実装が行われていない場合やプロトコルの一部の実装にバグがある場合には、リクエスト先の通信装置はリクエストに対して誤ったレスポンスを行ってしまい、通信装置間の通信にエラー中断が発生するという問題がある。
これによれば、例えば、セキュリティ上で危険度の高い修正を行うか否かをユーザの判断に委ねることが可能になる。
上記の通信方法において、各々の前記代替コマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルに準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき代替条件を定める代替決定ステップと、各々の前記代替コマンドに対するレスポンスを前記代替決定ステップで定めた当該代替コマンドの代替条件に照合する代替照合ステップと、を更に有し、前記代替照合ステップにおける照合の結果、前記代替コマンドの全てにおいて、前記レスポンスが前記代替条件に合致しているか、前記レスポンスを前記代替条件に合致するように修正可能であれば、以降の通信において、前記コマンドの代わりに前記1又は複数の代替コマンドを用いるようにしてもよい。
上記の通信方法において、各々の前記代替コマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルに準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき代替条件を定める代替決定ステップと、各々の前記代替コマンドに対するレスポンスを前記代替決定ステップで定めた当該代替コマンドの代替条件に照合する代替照合ステップと、を更に有し、前記代替照合ステップにおける照合の結果、前記代替コマンドの何れかにおいて、前記レスポンスが前記代替条件に合致せず、かつ、前記レスポンスを前記代替条件に合致するように修正可能でなければ、前記代替ステップを再実行するようにしてもよい。
上記の通信方法において、1又は複数の代替コマンドに対して当該1又は複数の代替コマンドによる通信の実行レベルが予め定められており、前記代替ステップでの他の通信装置との通信に制限をかけるための制限レベルを受け付けるレベル受付ステップを更に有し、前記代替ステップで定められた前記1又は複数の代替コマンドに対する前記実行レベルが前記制限レベルを超えていれば、前記代替ステップにおいて他の通信装置との通信を実行するようにしてもよい。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<システム構成>
本実施の形態の通信システムの構成について図1を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態の通信システムのシステム構成図である。
通信装置1は、本発明の通信方法を実行する機能を有する装置であって、他の通信装置との間でリクエスト及びリクエストに対するレスポンスの送受信を行う。
通信装置2は、他の通信装置との間でリクエスト及びリクエストに対するレスポンスの送受信を行う。なお、通信装置2は、本発明の通信方法を実行する機能を有する通信装置であってもよく、当該機能を有しない通信装置であってもよい。
<通信装置の装置構成>
図1の通信装置1の装置構成について図2を参照しつつ説明する。図2は図1の通信装置1の装置構成図である。
メモリ12は記憶素子であり、メモリ12には、例えば、通信装置1を制御するための各種制御プログラムや各種アプリケーションソフトが格納されている。
DSP13は音声や画像などの処理に特化されたマイクロプロセッサである。
アシスト回路14はハードウェアにより構成され、CPU11などの処理をアシストする回路である。
表示デバイス17は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの表示機器、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子である。
入力IF18は、キーボード18a、マウス18b、タブレット18cなどの入力デバイスを通信装置1に接続するためのものである。なお、入力デバイスには、キーパッド、タッチパネルなどもある。
本実施の形態において本発明の通信方法の処理(以下、適応通信処理という。)を実行する階層について図3を参照しつつ説明する。図3は図1の通信装置1の階層構造を示す図である。
図3には、通信装置間のデータ通信を実現するための通信装置の持つべき通信機能を階層構造に分割した、ISO(国際標準化機構:International Organization for Standardization)により策定されたOSI参照モデルを図示するとともに、TCP/IP階層モデルを図示している。
TCP/IP階層モデルでは、アプリケーション層、トランスポート層、インターネット層、及びネットワークインターフェース層に分割されている。
なお、処理対象のプロトコルとして、POP3以外に、IMAP4(Internet Message Access version 4)、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、UPnP(Universal Plug and Play)、SIP(Session Initiation Protocol)、RTP(Real-Time Transfer Protocol)、RTCP(RTP Control Protocol)などが挙げられる。
図1の通信装置1の機能構成について図4を参照しつつ説明する。図4は図1の通信装置1の機能構成図である。
通信装置1は、通信処理部31、32、適応通信処理部33、レスポンス条件データベース(レスポンス条件DB)34、コマンドデータベース(コマンドDB)35、修正データベース(修正DB)36、代替データベース(代替DB)37、及びレスポンス蓄積部38を有する。
適応通信処理部33は、通信処理部31と通信処理部32との間に位置し、通信処理部31と通信処理部32との間の通信の中継を行う。なお、適応通信処理部33の機能の詳細は後述する。
レスポンス条件は、対応するコマンドがリクエストされた場合にリクエスト先の通信装置がプロトコルの規格に準拠した動作を行っていれば返信されてくるはずのレスポンスが合致すべき条件である。レスポンスがレスポンス条件に合致していれば上位層のPOP3などのプロトコルで通信のエラー中断が発生しない。
代替DB37には、以前の通信でコマンドの代わりに用いられた代替コマンド又は代替コマンド群がリクエスト先の通信装置とコマンドとに対応付けて格納されており、その一例を図8に示す。但し、代替DB37の内容は他の通信装置との間で通信が行われている際に適宜変更される。図8では、以前の通信でフィールド「リクエスト先」に格納されている装置名の通信装置に対してフィールド「コマンド」に格納されているコマンドの代わりに用いられた代替コマンド又は代替コマンド群がフィールド「代替コマンド(群)」に格納されている。
レスポンス蓄積部38には、各代替コマンドに対するレスポンス又は修正されたレスポンスが蓄積される。
<適応通信処理部の機能構成>
適応通信処理部33は、リクエスト変更部51、レスポンス条件決定部52、照合部53、判定制御部54及びレスポンス修正部55として機能する。
レスポンス条件決定部52は、リクエスト変更部51から入力されるコマンド又は代替コマンドに対応したレスポンス条件をレスポンス条件DB34から取り出してレスポンス条件の決定を行い、決定したレスポンス条件を照合部53へ出力する。
判定制御部54は、修正DB36及び代替DB37の記憶内容を基にリクエスト変更部51の制御を行い、修正DB36、代替DB37及び照合部53による照合結果を基にレスポンス修正部55の制御を行う。
レスポンス修正部55は、判定制御部54に制御されて、通信処理部32から入力されるレスポンスをそのまま或いはレスポンス条件に合致するように修正して通信処理部31へ出力する。
図4の適応通信処理部33の動作につい図9を参照しつつ説明する。図9は図4の適応通信処理部33により行われる処理動作のメインフローのフローチャートである。
リクエスト変更部51は、通信処理部31からリクエストのコマンドが入力されるのを待つ。そして、リクエスト変更部51は、リクエストのコマンドの入力を受け付けると、受け付けたコマンドを判定制御部54へ出力する(ステップS101)。
<適応通信処理部の動作:判定制御処理>
図4の適応通信処理部33が行う図9の判定制御処理(ステップS108)及び後述する図16の判定制御処理(ステップS606)について図10を参照しつつ説明する。図10は図9の判定制御処理(ステップS108)及び後述する図16の判定制御処理(ステップS606)のフローチャートである。
代替フラグがセットされていれば(S201:YES)、判定制御部54は代替コマンド処理(図11)を呼び出し(ステップS203)、その後呼び出し元に戻る。
一方、代替フラグがセットされていなければ(S201:NO)、判定制御部54は修正フラグがセットされているかを判定する(ステップS202)。
一方、修正フラグがセットされていなければ(S202:NO)、判定制御部54は修正コマンド処理(図13)を呼び出し(ステップS205)、その後呼び出し元に戻る。
<適応通信処理部の動作:代替コマンド処理>
図4の適応通信処理部33が行う図10の代替コマンド処理(ステップS203)について図11を参照しつつ説明する。図11は図10の代替コマンド処理(ステップS203)のフローチャートである。
リクエスト変更部51は、変数nの値を1にセットする(ステップS303)。
レスポンス条件決定部52は、リクエスト変更部51から入力された代替コマンドに対応してレスポンス条件DB34に格納されているレスポンス条件を取り出し、当該代替コマンドに対するレスポンス条件の決定を行う(ステップS305)。
適応通信処理部33は通信処理部32からレスポンスの入力があると、照合部53は、当該レスポンスをレスポンス条件と照合する(ステップS307)。
判定制御部54は、照合部53による照合結果を基に、レスポンスがレスポンス条件に合致するかを判定する(ステップS308)。
レスポンスがレスポンス条件に合致していなければ(S308:NO)、判定制御部54は、照合部53による照合結果を基に、レスポンスがレスポンス条件に包含されているか、つまり、レスポンスをレスポンス条件に合致するように修正可能であるかを判定する(ステップS310)。
レスポンスがレスポンス条件に包含されていなければ(S310:NO)、判定制御部54は代替コマンド検索処理(図14)を呼び出し(ステップS321)、その後呼び出し元に戻る。
レスポンスがレスポンス条件に包含されていれば(S310:YES)、判定制御部54はリクエスト先の機器に対応してn番目の代替コマンドが修正DB36のフィールド「コマンド」に登録されているかを判定する(ステップS311)。
変数nの値がコマンド数Nより大きければ(S318:YES)、レスポンス修正部55は、レスポンス蓄積部38に格納した代替コマンドに対するレスポンス又は代替コマンド群に含まれる各代替コマンドに対するレスポンスからなるレスポンス群を基に、通信処理部31から適応通信処理部32に入力されたコマンドに対するレスポンスのレスポンス条件に合致するレスポンスを作成する(ステップS319)。そして、レスポンス修正部55は、作成したレスポンスを通信処理部31へ出力し(ステップS320)、呼び出し元に戻る。
図4の適応通信処理部33が行う図10の修正コマンド処理(ステップS204)について図12を参照しつつ説明する。図12は図10の修正コマンド処理(ステップS204)のフローチャートである。
リクエスト変更部51は、通信処理部31から入力されるコマンドをそのままリクエストとして通信処理部32及びレスポンス条件決定部52へ出力する(ステップS401)。
適応通信処理部33は、通信処理部32からレスポンス(通信相手の装置からのレスポンス)が入力されるのを待つ(ステップS403)。
判定制御部54は、照合部53による照合結果を基に、レスポンスがレスポンス条件に合致するかを判定する(ステップS405)。
レスポンスがレスポンス条件に合致していなければ(S405:NO)、判定制御部54は、照合部53による照合結果を基に、レスポンスがレスポンス条件に包含されているか、つまり、レスポンスをレスポンス条件に合致するように修正可能であるかを判定する(ステップS407)。
レスポンスがレスポンス条件に包含されていれば(S407:YES)、レスポンス修正部55は、レスポンスがレスポンス条件に合致するように当該レスポンスを修正し(ステップS408)、修正したレスポンスを通信処理部31へ出力する(ステップS409)。そして、呼び出し元に戻る。
図4の適応通信処理部33が行う図10の通常コマンド処理(ステップS205)について図13を参照しつつ説明する。図13は図10の通常コマンド処理(ステップS205)のフローチャートである。
リクエスト変更部51は、通信処理部31から入力されるコマンドをそのままリクエストとして通信処理部32及びレスポンス条件決定部52へ出力する(ステップS501)。
適応通信処理部33は、通信処理部32からレスポンス(通信相手の装置からのレスポンス)が入力されるのを待つ(ステップS503)。
判定制御部54は、照合部53による照合結果を基に、レスポンスがレスポンス条件に合致するかを判定する(ステップS505)。
レスポンスがレスポンス条件に合致していなければ(S505:NO)、判定制御部54は、照合部53による照合結果を基に、レスポンスがレスポンス条件に包含されているか、つまり、レスポンスをレスポンス条件に合致するように修正可能であるかを判定する(ステップS507)。
レスポンスがレスポンス条件に包含されていれば(S507:YES)、判定制御部54は修正DB36にリクエスト先の通信装置に対応付けてリクエストされたコマンドを登録する(ステップS508)。レスポンス修正部55は、レスポンスがレスポンス条件に合致するように当該レスポンスを修正し(ステップS509)、修正したレスポンスを通信処理部31へ出力する(ステップS510)。そして、呼び出し元に戻る。
図4の適応通信処理部33が行う図11、12、13の代替コマンド検索処理(ステップS321、S410、S511)について図14を参照しつつ説明する。図14は図11、12、13の代替コマンド検索処理(ステップS321、S410、S511)のフローチャートである。
判定制御部54は、コマンドDB35において通信処理部31から入力されたコマンドに対応する代替コマンド又は複数の代替コマンドからなる代替コマンド群を検索する(ステップS602)。判定制御部54は、検索の結果、代替コマンド及び代替コマンド群の何れかがコマンドDB35にあったかを判定する(ステップS603)。
代替コマンド及び代替コマンド群の何れかがコマンドDB35にあれば(S603:YES)、判定制御部54は、リクエスト先の機器と通信処理部31から入力されるコマンドとに対応させて検索の結果見つかった代替コマンド又は代替コマンド群を代替DB37に登録する(ステップS604)。判定制御部54は代替フラグをセットする(ステップS605)。そして、判定制御部54は判定制御処理(図10)を呼び出し(ステップS606)、その後呼び出し元に戻る。
別の代替コマンド及び代替コマンド群の何れかがコマンドDB35にあれば(S609:YES)、判定制御部54は、リクエスト先の通信装置と通信処理部31から入力されたコマンドとに対応して代替DB37に登録されている代替コマンド又は代替コマンド群を、検索の結果見つかった別の代替コマンド又は代替コマンド群に更新する(ステップS610)。判定制御部54は代替フラグをセットする(ステップS605)。そして、判定制御部54は判定制御処理(図10)を呼び出し(ステップS606)、その後呼び出し元に戻る。
(通信装置の動作:レスポンスの修正)
図4の通信装置1がリクエストに対するレスポンスを修正する場合の通信装置1の動作について図15を参照しつつ説明する。図15は図4の通信装置1がリクエストに対するレスポンスの修正を行う場合の動作シーケンスである。
レスポンス条件決定部52は、TOPコマンドに対応してレスポンス条件DB34に記憶されているレスポンス条件を取り出し、レスポンス条件の決定を行う(ステップS4)。
ここで、レスポンス条件のメール本文の行数が5行で、通信処理部32から入力されるレスポンスに含まれるメール本文の行数が7行であったとすると、判定制御部54は、レスポンスがレスポンス条件に合致せず(ステップS7)、包含されていると判断する(ステップS8)。判定制御部54は、修正DB36にリクエスト先の通信装置に対応付けてTOPコマンドを登録する(ステップS9)。
通信処理部31から適応通信処理部33にTOPコマンドが入力される(ステップS31)。適応通信処理部33の判定制御部54は、修正DB36にリクエスト先の通信装置に対応してTOPコマンドが登録されているので修正フラグをセットし、代替DB37にリクエスト先の機器に対応してTOPコマンドが登録されていないので代替フラグをリセットする。判定制御部54は、代替フラグがセットされておらず、修正フラグがセットされているので、修正コマンド処理を呼び出す(ステップS32)。
レスポンス条件決定部52は、TOPコマンドに対応してレスポンス条件DB34に記憶されているレスポンス条件を取り出し、レスポンス条件の決定を行う(ステップS34)。
ここで、レスポンス条件のメール本文の行数が5行で、通信処理部32から入力されるレスポンスに含まれるメール本文の行数が7行であったとすると、判定制御部54は、レスポンスがレスポンス条件に合致せず(ステップS37)、包含されていると判断する(ステップS38)。
(通信装置の動作:コマンドの代替)
図4の通信装置1が代替コマンドを用いて通信を継続する場合の通信装置1の動作について図16及び図17を参照しつつ説明する。図16及び図17は図4の通信装置1が代替コマンドを用いて通信を継続する場合の動作シーケンスである。
レスポンス条件決定部52は、TOPコマンドに対応してレスポンス条件DB34に記憶されているレスポンス条件を取り出し、レスポンス条件の決定を行う(ステップS54)。
ここで、レスポンス条件のメール本文の行数が10行で、通信処理部32から入力されるレスポンスに含まれるメール本文の行数が7行であったとすると、判定制御部54は、レスポンスがレスポンス条件に合致せず(ステップS57)、包含されていないと判断し、代替コマンド検索処理を呼び出す(ステップS58)。
判定制御部54は、修正DB36にリクエスト先の通信装置に対応してTOPコマンドが登録されていないので修正フラグをリセットし、代替DB37にリクエスト先の機器に対応してフィールド「コマンド」にTOPコマンドが登録されているので代替フラグをセットする。判定制御部54は、代替フラグがセットされているので、代替コマンド処理を呼び出す。
通信装置1は通信相手の装置からRETR代替コマンドに対するレスポンスを受け取り、通信処理部32から適応通信処理部33にレスポンスが入力される(ステップS63)。照合部53はレスポンスをレスポンス条件と照合する(ステップS64)。
レスポンス修正部55は、RETR代替コマンドに対するレスポンスを利用して、通信処理部31から入力されたTOPコマンドのレスポンス条件に合致したレスポンスを作成し(ステップS67)、作成したレスポンスを通信処理部31へ出力する(ステップS68)。
通信処理部31から適応通信処理部33にTOPコマンドが入力される(ステップS81)。適応通信処理部33の判定制御部54は、修正DB36にリクエスト先の通信装置に対応してTOPコマンドが登録されていないので修正フラグをリセットし、代替DB37にリクエスト先の機器に対応してフィールド「コマンド」にTOPコマンドが登録されているので代替フラグをセットする。判定制御部54は、代替フラグがセットされているので、代替コマンド処理を呼び出す(ステップS82)。
通信装置1は通信相手の装置からRETR代替コマンドに対するレスポンスを受け取り、通信処理部32から適応通信処理部33にレスポンスが入力される(ステップS86)。照合部53はレスポンスをレスポンス条件と照合する(ステップS87)。
レスポンス修正部55は、RETR代替コマンドに対するレスポンスを利用して、通信処理部31から入力されたTOPコマンドのレスポンス条件に合致したレスポンスを作成し(ステップS90)、作成したレスポンスを通信処理部31へ出力する(ステップS91)。
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態にレスポンスの修正、及び代替コマンド又は代替コマンド群を用いた継続通信、の夫々の実行に制限を加える機能を付加したものである。
<通信装置の装置構成>
本実施の形態の通信装置1aの装置構成について図18を参照しつつ説明する。図18は本実施の形態の通信装置1aの装置構成図である。
<制限レベル設定画面>
図18の表示デバイス17aに表示される制限レベル設定画面について図19を参照しつつ説明する。図19は図18の表示デバイス17aに表示される制限レベル設定画面の一例である。
また、制限レベル設定画面には、スライダ17Bが表示され、ユーザはマウス18bなどを利用してつまみ17Cを移動させることによって制限レベルを指定することができる。制限レベルは、レスポンスの修正の実行、及び代替コマンド又は代替コマンド群を用いた継続通信の実行に、制限をかけるためのものである。
例えば、制限レベルを危険度とした場合は、制限レベル“5”は最も安全度の高い(危険度の低い)レベルを示しており、制限レベル“0”は最も安全度の低い(危険度の高い)レベルを示している。
<CPUの動作:制限レベル受付処理>
図18のCPU11aが行う制限レベル格納処理について図20を参照しつつ説明する。図20は図18のCPU11aにより行われる制限レベル受付処理のフローチャートである。
CPU11aは、入力信号に基づいて、ユーザの入力操作が制限レベル設定画面の呼び出し操作であるかを判定する(ステップS702)。制限レベル設定画面の呼び出し操作が行われていなければ(S702:NO)、ステップS701の処理に戻る。
ユーザは、制限レベル設定画面を利用して、マウス18bなどを用いてつまみ17Cを移動させたり、“OK”ボタン17Dや“キャンセル”ボタン17Eを押下したりする。
“OK”ボタン17Dが押下されていれば(S704:OK)、CPU11aは、つまみの位置に基づいて制限レベルを特定し、特定した制限レベルをメモリ12aの後述する制限レベル記憶部39に格納する(ステップS705)。そして、CPU11aは表示制御回路16を制御して制限レベル設定画面の非表示処理を行い(ステップS706)、ステップS701に戻る。
<通信装置の機能構成>
図18の通信装置1aの機能構成について図21を参照しつつ説明する。図21は図18の通信装置1aの機能構成図である。
適応通信処理部33aは、通信処理部31と通信処理部32との間に位置し、通信処理部31と通信処理部32との間の通信の中継を行う。なお、適応通信処理部33aの機能の詳細は後述する。
<適応通信処理部の機能構成>
適応通信処理部33aは、リクエスト変更部51、レスポンス条件決定部52、照合部53、判定制御部54a及びレスポンス修正部55aとして機能する。
判定制御部54aは、照合部53から照合結果に応じて、コマンドDB35において代替コマンド又は代替コマンド群の検索を行い、検索の結果見つかった代替コマンド又は代替コマンド群の代替動作レベルが制限レベル記憶部39に記憶されている制限レベル以上であれば、リクエスト先の通信装置と通信処理部31から適応通信処理部33aに入力されたコマンドとに対応させて代替DB37に格納する。
また、レスポンス修正部55aは、判定制御部54に制御されて、通信処理部32から入力されるレスポンスをそのまま、或いは、修正動作レベルが制限レベル記憶部39に記憶されている制限レベル以上である場合にはレスポンス条件に合致するように修正してレスポンス蓄積部38に格納する。そして、レスポンス修正部55aは、レスポンス蓄積部38に蓄積されているレスポンスを基に通信処理部31から適応通信処理部33aに入力されるコマンドのレスポンス条件に合致したレスポンスを作成して、通信処理部31へ出力する。
以下、適応通信処理部33aの動作を説明する。
但し、適応通信処理部33aは、図9及び図10に示すフローと実質的に同じ処理により、リクエスト入力処理及び判定制御処理を行う。
なお、本実施の形態では、図9の判定制御処理(ステップS108)において図10の判定制御処理フローが呼び出される。
<適応通信処理部の動作:代替コマンド処理>
図21の適応通信処理部33aが行う図10の代替コマンド処理(ステップS203)について図23を参照しつつ説明する。図23は図10の代替コマンド処理(ステップS203)のフローチャートである。
なお、代替コマンド検索処理(ステップS321)において図26の代替コマンド検索処理フローが呼び出される。
修正動作レベルが制限レベルを超えていれば(S308A:YES)、ステップS310以降の処理が行われる。修正動作レベルが制限レベル以下であれば(S308A:NO)、ステップS321以降の処理が行われる。
図21の適応通信処理部33aが行う図10の修正コマンド処理(ステップS204)について図24を参照しつつ説明する。図24は図10の修正コマンド処理(ステップS204)のフローチャートである。
図24の修正コマンド処理フローは、図12の修正コマンド処理フローに、レスポンスがレスポンス条件に包含されているかの判定ステップ(ステップS407)を行う前に、レスポンスの修正を実行するかの判定ステップを加えたものである。
ステップS405の判定ステップにおいて、判定制御部54aによってレスポンスがレスポンス条件に合致していないと判定された場合(S405:NO)、レスポンス修正部55aは、予め設定されている修正動作レベルが制限レベル記憶部39に記憶されている制限レベルを超えているかを判定する(ステップS405A)。
<適応通信処理部の動作:通常コマンド処理>
図21の適応通信処理部33aが行う図10の通常コマンド処理(ステップS205)について図25を参照しつつ説明する。図25は図10の通常コマンド処理(ステップS205)のフローチャートである。
なお、代替コマンド検索処理(ステップS511)において図26の代替コマンド検索処理フローが呼び出される。
修正動作レベルが制限レベルを超えていれば(S505A:YES)、ステップS507以降の処理が行われる。修正動作レベルが制限レベル以下であれば(S405A:NO)、ステップS511以降の処理が行われる。
<適応通信処理部の動作:代替コマンド検索処理>
図21の適応通信処理部33aが行う図23、24、25の代替コマンド検索処理(ステップS321、S410、S511)について図26を参照しつつ説明する。図26は図23、24、25の代替コマンド検索処理(ステップS321、S410、S511)のフローチャートである。
1つ目の判定ステップは、代替コマンド及び代替コマンド群の何れかがあったと判定された(ステップS603:YES)後、検索の結果見つかった代替コマンド又は代替コマンド群を用いた通信の実行を行うかを決めるための判定ステップである。
ステップS603の判定ステップにおいて、判定制御部54aによって代替コマンド及び代替コマンド群の何れかがあったと判定された場合(S603:YES)、判定制御部54aは、コマンドDB35aを参照して、検索の結果見つかった代替コマンド又は代替コマンド群の代替動作レベルを取得する。そして、判定制御部54aは、取得した代替動作レベルが制限レベル記憶部39に記憶されている制限レベルを超えているかを判定する(ステップS603A)。
なお、代替動作レベルが制限レベルを超えていれば(S603A:YES)、検索の結果見つかった代替コマンド又は代替コマンド群が代替DB37に格納され、図10の判定制御フローを経て図23の代替コマンド処理フローが実行される。つまり、ステップS603Aの判定ステップは、検索の結果見つかった代替コマンド又は代替コマンド群を用いた通信の実行を行うかを決めるための判定ステップと等価である。
なお、代替動作レベルが制限レベルを超えていれば(S609A:YES)、検索の結果見つかった別の代替コマンド又は代替コマンド群が代替DB37に格納され、図10の判定制御フローを経て図23の代替コマンド処理フローが実行される。つまり、ステップS609Aの判定ステップは、検索の結果見つかった別の代替コマンド又は代替コマンド群を用いた通信の実行を行うかを決めるための判定ステップと等価である。
以下、具体例を挙げて説明する。
修正動作レベルが“1”に設定されている。また、コマンドaに対して代替コマンドa1と代替コマンドa2とがあり、代替コマンドa1の代替動作レベルが“2”に、代替コマンドa2の代替コマンド動作レベルが“4”であるとする。そして、通信処理部31から適応通信処理部33aへコマンドa1が入力されたとする。
修正動作レベル“1”は制限レベル“0”を超えているので、必要な場合にはレスポンスの修正が行われる。また、代替コマンドa1の代替動作レベル“2”と代替コマンドa2の代替動作レベル“4”とは制限レベル“0”を超えているので、必要な場合には代替コマンドa1を用いた通信が行われ、必要な場合には代替コマンドa2を用いた通信が行われる。
修正動作レベル“1”は制限レベル“1”を超えていないので、レスポンスの修正の実行は行われない。これに対して、代替コマンドa1の代替動作レベル“2”と代替コマンドa2の代替動作レベル“4”とは制限レベル“1”を超えているので、必要な場合には代替コマンドa1を用いた通信が行われ、必要な場合には代替コマンドa2を用いた通信が行われる。
修正動作レベル“1”は制限レベル“2”を超えていないので、レスポンスの修正の実行は行われない。また、代替コマンドa1の代替動作レベル“2”は制限レベル“2”を超えていないので、代替コマンドa1を用いた通信は行われない。これに対して、代替コマンドa2の代替動作レベル“4”は制限レベル“2”を超えているので、必要な場合には代替コマンドa2を用いた通信が行われる。
修正動作レベル“1”は制限レベル“5”を超えていないので、レスポンスの修正の実行は行われない。また、代替コマンドa1の代替動作レベル“2”と代替コマンドa2の代替動作レベル“4”は制限レベル“5”を超えていないので、代替コマンドa1を用いた通信と代替コマンドa2を用いた通信は行われない。
<補足>
本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく、例えば、以下のようなものも含まれる。
(2)上記の実施の形態では処理対象のプロトコルをPOP3などとし、POP3などのプロトコルとTCP或いはUDPとの間に本発明の機能を設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、任意の処理対象のプロトコルとその下位層に位置するプロトコルとの間に本発明の機能を設けることができる。
(4)上記の第1の実施の形態では、コマンドDB35は予め作成されている場合を例に挙げて説明したがこれに限らず、コマンドDBを例えば推論機構を用いて自動生成するようにしてもよい。
コマンドa(a∈A)は、func(a)⊆func(b)となるコマンドb(b∈B)で代替可能である。また、コマンドa(a∈A)は、func(a)⊆func(x,y,・・・)となるコマンド群x,y,・・・(x,y,・・・∈B)で代替可能である。
例えば、POPを例にすれば、func(TOP)⊆func(RETR)とfunc(LIST)⊆func(STAT)の関係を述語理論を利用した推論機構によって発見できる。これにより、TOPはRETRで、LISTはSTATで代替することが可能なことが分かる。
例えば、本発明の機能は、ATAPI(AT Attachment Interface)やシリアルATPIなどのHDDインタフェースでの通信、USBやBluetooth上の通信、I2C(Inter-Integrated Circuit)といったシリアルバスのプロトコルなどによるチップ内通信などに適用できる。
(7)上記の実施の形態では、レスポンスがレスポンス条件に合致せず、レスポンス条件に包含されている場合はレスポンスがレスポンス条件に合致するように当該レスポンスを修正する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、レスポンスがレスポンス条件に合致せず、レスポンス条件に包含されている場合も代替コマンド又は代替コマンド群を用いて通信相手の装置にリクエストするようにしてもよい。
31、32 通信処理部
33 適応通信処理部
34 レスポンス条件データベース
35 コマンドデータベース
36 修正データベース
37 代替データベース
38 レスポンス蓄積部
51 リクエスト変更部
52 レスポンス条件決定部
53 照合部
54 判定制御部
55 レスポンス修正部
Claims (9)
- 他の通信装置に対してリクエストを送信し、当該他の通信装置から当該リクエストに対するレスポンスを受信する通信装置において行われる通信方法であって、
リクエストのコマンドを他の通信装置へ送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信されるコマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルの規格に準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき条件を定める決定ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記コマンドに対するレスポンスを前記決定ステップにおいて定めた前記条件と照合する照合ステップと、
前記照合ステップにおける照合の結果、前記レスポンスが前記条件に合致しなければ、当該レスポンスを当該条件に合致するように修正する修正ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。 - レスポンスの修正の実行レベルが予め定められており、
レスポンスの修正の実行に制限をかけるための制限レベルを受け付けるレベル受付ステップを更に有し、
前記レスポンスの修正の実行レベルが前記制限レベルを超えていれば、前記修正ステップを実行する
ことを特徴とする請求項1記載の通信方法。 - 他の通信装置に対してリクエストを送信し、当該他の通信装置から当該リクエストに対するレスポンスを受信する通信装置において行われる通信方法であって、
リクエストのコマンドを他の通信装置へ送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信されるコマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルの規格に準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき条件を定める決定ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記コマンドに対するレスポンスを前記決定ステップにおいて定めた前記条件と照合する照合ステップと、
前記照合ステップにおける照合の結果、前記レスポンスが前記条件に合致しなければ、1または複数の代替コマンドで前記送信ステップにおいて送信した前記コマンドの代わりとなる当該1又は複数の代替コマンドを定め、前記1又は複数の代替コマンドの全てを順次用いて前記他の通信装置との通信を行う代替ステップと、
前記代替ステップにおける各前記代替コマンドに対するレスポンスを基に前記コマンドに対する前記条件に合致するレスポンスを作成する作成ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。 - 前記照合ステップにおける照合の結果、前記レスポンスが前記条件に合致していない場合、前記レスポンスを前記条件に合致するように修正可能であるかを判断する判断ステップを更に有し、
前記判断ステップにおける判断の結果、前記レスポンスを前記条件に合致するように修正可能でなければ、前記代替ステップを実行し、
前記レスポンスを前記条件に合致するように修正可能であれば、当該レスポンスを当該条件に合致するように修正する
ことを特徴とする請求項3記載の通信方法。 - 各々の前記代替コマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルに準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき代替条件を定める代替決定ステップと、
各々の前記代替コマンドに対するレスポンスを前記代替決定ステップで定めた当該代替コマンドの代替条件に照合する代替照合ステップと、
を更に有し、
前記代替照合ステップにおける照合の結果、前記代替コマンドの全てにおいて、前記レスポンスが前記代替条件に合致しているか、前記レスポンスを前記代替条件に合致するように修正可能であれば、以降の通信において、前記コマンドの代わりに前記1又は複数の代替コマンドを用いる
ことを特徴とする請求項3記載の通信方法。 - 各々の前記代替コマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルに準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき代替条件を定める代替決定ステップと、
各々の前記代替コマンドに対するレスポンスを前記代替決定ステップで定めた当該代替コマンドの代替条件に照合する代替照合ステップと、
を更に有し、
前記代替照合ステップにおける照合の結果、前記代替コマンドの何れかにおいて、前記レスポンスが前記代替条件に合致せず、かつ、前記レスポンスを前記代替条件に合致するように修正可能でなければ、前記代替ステップを再実行する
ことを特徴とする請求項3記載の通信方法。 - 1又は複数の代替コマンドに対して当該1又は複数の代替コマンドによる通信の実行レベルが予め定められており、
前記代替ステップでの他の通信装置との通信に制限をかけるための制限レベルを受け付けるレベル受付ステップを更に有し、
前記代替ステップで定められた前記1又は複数の代替コマンドに対する前記実行レベルが前記制限レベルを超えていれば、前記代替ステップにおいて他の通信装置との通信を実行する
ことを特徴とする請求項3記載の通信方法。 - 他の通信装置に対してリクエストを送信し、当該他の通信装置から当該リクエストに対するレスポンスを受信する通信装置であって、
リクエストのコマンドを他の通信装置へ送信する送信手段と、
前記送信手段において送信されるコマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルの規格に準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき条件を定める決定手段と、
前記送信手段によって送信された前記コマンドに対するレスポンスを前記決定手段によって定めた前記条件と照合する照合手段と、
前記照合手段による照合の結果、前記レスポンスが前記条件に合致しなければ、当該レスポンスを当該条件に合致するように修正する修正手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。 - 他の通信装置に対してリクエストを送信し、当該他の通信装置から当該リクエストに対するレスポンスを受信する通信装置であって、
リクエストのコマンドを他の通信装置へ送信する送信手段と、
前記送信手段において送信されるコマンドに対して前記他の通信装置がプロトコルの規格に準拠して動作していれば返信されるはずのレスポンスが合致すべき条件を定める決定手段と、
前記送信手段によって送信された前記コマンドに対するレスポンスを前記決定手段によって定めた前記条件と照合する照合手段と、
前記照合手段による照合の結果、前記レスポンスが前記条件に合致しなければ、1または複数の代替コマンドで前記送信手段において送信した前記コマンドの代わりとなる当該1又は複数の代替コマンドを定め、前記1又は複数の代替コマンドの全てを順次用いて前記他の通信装置との通信を行う代替手段と、
前記代替手段による前記代替コマンドに対するレスポンスを基に前記コマンドに対する前記条件に合致するレスポンスを作成する作成手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
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