JP4793499B2 - ラインパイプ用厚肉継目無鋼管 - Google Patents

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本発明は、強度、靱性、溶接性に優れたラインパイプ用厚肉継目無鋼管に関する。厚肉継目無鋼管とは、肉厚が30〜50mmの継目無鋼管を意味する。本発明の継目無鋼管は、API(米国石油協会)規格に規定されるX70以上の強度、具体的には、X70(降伏強度482MPa以上)、X80(降伏強度551MPa以上)、X90(降伏強度620MPa以上)、X100(降伏強度689MPa以上)、X120(降伏強度827MPa以上)の強度を有し、合わせて良好な靱性を有するラインパイプ用の高強度高靱性厚肉継目無鋼管であって、特に海底フローライン用に好適なものである。
陸上や浅海に位置する油田の石油、ガス資源が近年枯渇しつつあり、深海の海底油田の開発が活発になっている。深海油田では、海底に設置された油井、ガス井の坑口から、洋上のプラットホームまでフローラインやライザーを用いて原油やガスを輸送する必要がある。
深海に敷設されたフローラインを構成するパイプの内部には、深い地層圧が加わった高圧の内部流体圧がかかり、また、パイプは波浪による繰り返し歪みと、操業停止時には深海の海水圧の影響を受ける。従って、このような用途に使用されるパイプとしては、高強度で高靱性の厚肉鋼管が望まれている。
高強度で高靱性の継目無鋼管は、従来、高温に加熱されたビレットを穿孔圧延機で穿孔した後、圧延、延伸して、製品のパイプ形状に成形し、その後、熱処理を施して製造していた。しかしながら、近年、省エネルギーや省プロセスの観点から、インラインでの熱処理を適用し、製造プロセスを簡素化することが検討されている。特に、熱間加工された後に素材が保有する熱を有効利用することに着目して、一旦室温まで冷却せずに、焼入するプロセスが導入されている。この方法によれば、大幅な省エネルギーと製造プロセスの効率化が達成され、大きな製造コストの削減が可能になる。
仕上圧延後に直接焼入するインライン熱処理プロセスで製造された鋼管は、従来のように圧延後に一旦室温まで冷却されてから再加熱されることがないので、変態および逆変態のプロセスを経ない。従って、結晶粒が粗大となりやすく、靱性および耐食性の確保が容易ではない。このような問題に対応するため、仕上圧延された鋼管の結晶粒を微細にする技術や、結晶粒がそれ程小さくなくても靱性や耐食性が確保できる技術が、いくつか提案されている。
例えば、特許文献1(特開2001−240913号公報)には、仕上げ圧延後に再加熱炉を用いて、仕上げ圧延から再加熱炉装入までの時間を調整することによって、結晶粒の微細化を図る技術が開示されている。また、特許文献2(特開2000−104117号公報)には、成分組成、特にTiとSの含有量を調整して、結晶粒が比較的大きくても、良好な性能を有する技術が開示されている。
しかしながら、近年需要が増加している大深度の海底油田用の高強度で厚肉の鋼管を製造するには、上記の特許文献1に開示されている技術では対応しきれない。例えば、厚肉鋼管になると、仕上げ圧延の温度が高温になり、狙いの再加熱炉装入温度になるまでに長時間を要し、生産能率が大きく低下する。また、上記の特許文献2に記載されている方法も厚肉材には適用が困難である。厚肉材ではインライン熱処理時の冷却速度が小さくなるので、特許文献2に開示される組成の鋼を適用しても靱性が低下するという問題がある。
特開2001−240913号公報 特開2000−104117号公報
本発明は、上記の問題を解決することを課題とし、肉厚が30〜50mmの鋼管で高強度と安定した靱性を有するラインパイプ用継目無鋼管を提供することを目的とする。
1.基礎的検討と知見
まず、厚肉の継目無鋼管の靱性が支配される因子を解析した。その結果、以下のことが判明した。
(1)溶鋼の凝固時および凝固後の冷却条件が靱性に大きく影響する。冷却速度が小さいと、靱性が低下するので、一定の冷却速度以上で冷却する必要がある。
(2)さらに、鋼塊を高温域に加熱して熱間加工を行う分塊圧延プロセスは、靱性には良い影響を与えない。
(3)上記の靱性低下の原因は、Ti炭窒化物の析出形態が凝固時および凝固後の冷却速度の影響を受けることにある。この靱性低下を防ぐには、Ti炭窒化物を微細に析出させることが重要である。
(4)析出強化は、インライン熱処理材では、強度と靱性のバランスを悪化させる。高強度を得るためには不利になるが、析出強化を極力使用せず、変態強化および固溶強化を活用する方が高靱性を得るには望ましい。
(5)均一な金属組織を得るためには、残留オーステナイトや低温変態マルテンサイトの生成を防止する必要がある。
(6)合金組成としては、Siを低減し、さらにPおよびSを低減し、NbおよびVは、一定の上限を超えないようにコントロールし、かつ適量のTiならびにCa、MgおよびREMのうちの1種以上を適量含有させた組成が望ましい。これによって、厚肉材の靱性が大幅に向上する。
(7)上記(1)〜(6)の知見は、インライン熱処理を前提として得られたものである。しかし、オフラインで熱処理を施す鋼管に適用すると、さらに良好な靱性が得られる。従って、高強度材をオフライン熱処理で製造する際にも上記の知見は利用できる。
2.基礎試験とその結果
インライン熱処理では、オフライン熱処理における「変態−逆変態」による結晶粒微細化プロセスが存在しないので、圧延終了時の結晶粒そのものを微細化して、靱性を確保する必要がある。
通常、凝固のままの結晶粒は粗大であるが、再加熱して分塊圧延を実施することにより結晶粒が微細になると言われている。そこで、ラボ実験を行ってインライン熱処理材における分塊圧延プロセスの最適化を検討した。その結果、インライン熱処理材では、分塊圧延条件を云々するまでもなく、そもそも分塊圧延を実施しない方が結晶粒が微細になり靱性が向上するという傾向を見出した。即ち、上記の従来の一般常識は正しいとは限らないことが判明した。
この予想外の結果を理解するため、さらにラボ実験でシミュレーション試験を実施した。まず、分塊工程を経たプロセスとして、鋳込んだインゴットを1250℃に加熱し熱間加工してブロックを作製し、さらに1250℃に加熱して熱間圧延と水冷により穿孔過程とインライン熱処理工程をシミュレーションした。
分塊工程を経ないプロセスとしては、鋳込んだインゴットから上記の熱間加工で作製したブロックと同サイズのブロックを機械加工で切り出し、そのブロックを1250℃に加熱して熱間圧延と水冷により穿孔過程とインライン熱処理工程をシミュレーションした。
上記の二通りの試験の結果、分塊圧延を実施しない方の結晶粒が圧倒的に微細になり、靱性が向上した。
ところが、実機で同様の試作を実施したところ、期待したほどの効果が得られないことが判明した。そこで、上記シミュレーションにおいて結晶粒径が大きく異なる原因を調査した。その結果、分塊圧延シミュレーション材では、添加したTiのほぼ全量がTi炭窒化物として析出し、分塊圧延シミュレーション時の加熱と熱間加工によるTi炭窒化物の粒成長によって、析出粒子数が減少していることがわかった。析出粒子数が減少すると、母相の結晶粒成長をピンニングする能力が低下し、その後の穿孔シミュレーションのためのブロック加熱時に結晶粒の粗大化が抑制できないのである。
一方、分塊圧延シミュレーションを実施しないプロセスでは、まず、インゴット中での炭窒化物の析出は無く、穿孔過程のシミュレーションのための加熱時にTi炭窒化物が微細に析出し、このTi炭窒化物が母相の結晶粒成長をピンニングすることによって、結晶粒が著しく小さくなることが明らかになった。
なお、実機で試作した時に分塊圧延工程を省略しても、ほとんど結晶粒が微細にならなかった原因を調査したところ、鋳込み時の冷却速度が十分に大きくないために、鋳込んだ段階で既にTi炭窒化物が析出し、固溶状態のTiが存在しなかったことが原因であることを見出した。
鋳込み時に析出するTi炭窒化物は、高温で析出するので、粗大化しやすく、析出個数が減少する。従って、母相の結晶粒をピンニングする能力が減少する。一方、鋳込み時にTi炭窒化物の析出が少なく、固溶Ti量が十分確保されていると、その後の製管プロセスにおけるビレットの加熱時に、低温でTi炭窒化物が析出するため、微細に析出し、析出粒子数は多くなる。析出粒子数が多いと、母相の結晶粒をピンニングする作用が大きく、母相の結晶粒の粗大化が抑制される。従って、鋳込みプロセスにおける冷却速度を適切に制御することがきわめて重要である。
特に、凝固後の冷却が遅いと、冷却途中の高温域でTi炭窒化物が析出するが、比較的転位の少ないオーステナイト域での析出であるため、核生成サイトが少なく、個々の析出物は粗大化し、粗い分散状態となる。一旦粗く析出すると、Ti炭窒化物は固相中では溶解しにくいので、微細分散は不可能となる。
一方、凝固後の冷却速度をTi炭窒化物が析出しない速度とした場合、鋳込まれたビレットには、Ti炭窒化物は存在せず、Tiは固溶状態で存在する。その後の熱間加工のための加熱時に比較的低温でTi炭窒化物が析出する。加熱時の析出の場合は、転位の多いベイナイト組織中での低温析出のため、核生成サイトが多く、微細に分散して析出する。なお、加熱速度が大きすぎると、析出が高温域になり、微細析出しにくくなることも明らかになった。
Ti炭窒化物を十分に微細析出させるためには、加熱途中に適切な温度域で均熱する処理を実施することも有効である。Ti炭窒化物は、一旦微細に析出すると、粗大化しにくく、分塊圧延を実施した場合でも、結晶粒の粗大化抑制効果が発揮される。ただし、分塊圧延時にTi炭窒化物の若干の粗大化が起こるので、凝固時の固溶Tiは、分塊圧延を実施しないときより多く存在させる方がよい。
VやNbによる析出強化によれば高強度を得やすいので、その析出強化は、従来、高強度で溶接性が要求される鋼材に多く適用されていた。しかしながら、厚肉のインライン熱処理材では、上記の析出強化は靱性を大きく低下させるので、なるべく使用しない方がよい。特に、Nbはインライン熱処理材の靱性を著しく低下させるので、含有させる場合は、厳密に上限を設定する必要がある。Vに関しても、Nbほどではないが、上限を設定し、変態強化と固溶強化を基礎として強度を確保する合金設計を行う必要がある。
さらに、厚肉材になると、熱処理の第1段階の焼入れ処理で、均一な金属組織を得るのが難しく、靱性が低下する傾向がある。厚肉材では冷却速度が低下するので、均一な変態組織とすることが困難なのである。すなわち、冷却時にマルテンサイトやベイナイトに順次変態するが、冷却速度が小さくてCの拡散がある程度可能であれば、未変態のオーステナイトにCが濃縮し、その部分は最終変態後にC含有量が高いマルテンサイトやベイナイトに変化したり、C含有量の高い残留オーステナイトになる。従って、冷却速度は、可能な限り大きく設定したうえ、なるべく低温まで強制冷却を行うのが望ましい。
しかしながら、厚肉鋼管の場合、冷却速度を大きくするのには限度がある。そこで、厚肉材においても達成できる冷却速度であっても、均一な組織とする技術を開発すべく検討を行った。その結果、濃縮する元素、即ちCの含有量を少なくするとともに、Siの含有量をも抑えることで、Cの第2相への濃縮を低減できることを見出した。
以上の知見に基づき、下記のとおり合金設計と製造プロセスの基本思想を明確にし、本発明を完成するに到った。以下、成分含有量に関する「%」は「質量%」を意味する。
まず、C含有量は0.08%以下に制限する。さらに、Siの上限を0.25%以下、より好ましくは0.15%以下、さらに好ましくは0.10%以下とする。Tiは、凝固時には析出せず、その後のビレット加熱時に微細なTi炭窒化物として析出するのに適した含有量として、0.004〜0.010%の狭い範囲にコントロールする必要がある。さらに、インライン熱処理の場合、Nb添加は靱性を低下させるとともに、強度バラツキの要因になるため、Nbは添加せず、不純物としての上限は0.005%以下にするのが好ましい。Vも靱性を低下させるので、無添加か、含有させても0.08%以下とする必要がある。
他の元素は、高強度と良好な靱性とのバランスの観点から調整する。靱性に悪影響を及ぼすPおよびSについてはそれぞれ許容上限値を設定する。Mn、Cr、Ni、MoおよびCuは、靱性、溶接性を考慮して、狙いの強度に応じて選択して調整する必要がある。また、脱酸に必要なAlを添加する。Ca、MgおよびREMのうちの1種以上を選択して添加して鋳込み特性を確保したり、靱性を向上させたりすることも有効である。さらに、安定なTi炭窒化物を析出させるためには、N含有量を狭いレンジにコントロールする必要がある。
次に、製造プロセスとしては、まずTi炭窒化物の析出が抑制され、固溶Tiが確保された凝固鋼塊を得ることが重要である。本発明者は、上記のC、TiおよびNの含有量とすれば、凝固直後にはTi炭窒化物は析出しないことを見出したが、その後の冷却速度が小さいと粗大なTi炭窒化物が析出するので、凝固後は特定の速度以上で冷却する必要がある。
鋳造は、丸ビレット(断面が丸のビレット)に連続鋳造するのが理想であるが、角形の鋳型に連続鋳造やインゴットとして鋳込み、その後に丸ビレットに分塊するプロセスを取ることも可能である。但し、その場合には鋳造後の冷却速度をさらに厳しくコントロールして、粗大なTiNの析出を抑制して十分な量の固溶Tiを確保するのが重要である。
丸ビレットは、熱間加工が可能な温度に再加熱して、穿孔、延伸、定形圧延を実施する。固溶状態のTiが十分存在すると、再加熱時にTi炭窒化物が析出し、析出温度が比較的低温であるので、凝固後の冷却時に析出する場合より、格段に微細なTi炭窒化物が析出する。微細に析出したTi炭窒化物は個数が多く、ビレットの加熱保持時の粒界移動を抑制し、結晶粒粗大化を防止する。急速加熱を行うと、低温での微細析出が不可能となって、結晶粒粗大化防止の効果が得られないので、緩慢な加熱とするか、中温領域で保持すると、微細なTi炭窒化物の析出が促される。
造管後の熱処理では、均一な組織を得ることが靱性確保に必要である。そのためには、化学組成を調整した鋼を用いて、強制冷却終了温度をなるべく低い温度とし、十分に冷やし切ることが重要である。それによって、部分的にCの濃化した変態強化組織や残留オーステナイトの生成を防止することができて靱性が向上する。
以上の基本思想に則ってなされた本発明は、下記の(1)および(2)のラインパイプ用継目無鋼管を要旨とする。
(1)C:0.03〜0.08%、Si:0.15%以下、Mn:0.3〜2.5%、Al:0.001〜0.10%、Cr:0.02〜1.0%、Ni:0.02〜1.0%、Mo:0.02〜1.2%、Ti:0.004〜0.010%、N:0.002〜0.008%ならびにCa、MgおよびREMのうちの1種または2種以上を合計で0.0002〜0.005%含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.05%以下、Sが0.005%以下であり、かつ肉厚が30〜50mmであることを特徴とする高強度で靱性の良好なラインパイプ用厚肉継目無鋼管。
(2)Feの一部に代えて、B:0.0003〜0.01%、V:0.08%以下、Nb:0.05%以下およびCu:1.0%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)の高強度で靱性の良好なラインパイプ用厚肉継目無鋼管。
1.本発明の鋼管の化学組成
まず、本発明において鋼管の化学組成を上記のように限定した理由を以下に述べる。なお、前記のとおり、化学成分含有量(濃度)を表す%は、質量%を意味する。
C:0.03〜0.08%
Cは、鋼の強度を確保するための重要な元素である。焼入れ性を高めて厚肉材で十分な強度を得るために0.03%以上を必要とする。一方、0.08%を超えると靱性が低下するので、0.03〜0.08%とした。
Si:0.15%以下
Siは、製鋼における脱酸剤としての作用を有するが、極力添加しない方がよい。その理由は、特に厚肉材の靱性を大幅に低下させるからである。Siの含有量が0.25%を超えると厚肉材の靱性が著しく低下するので、脱酸剤として添加する場合も、0.25%以下の含有量とする。0.15%以下とすると更に靱性の改善が得られる。最も望ましいのは0.10%未満に抑制することである。不純物としてのSiを極端に低減するのは製鋼プロセス上困難であるが、0.05%未満に制限すると極めて良好な靱性が得られる。
Mn:0.3〜2.5%
Mnは、焼入れ性を高めて厚肉材でも中心まで強化すると同時に、靱性を高めるために、比較的多量の含有が必要である。その含有量が0.3%未満ではこれらの効果が得られず、2.5%を超えると耐HIC特性が低下するので、0.3〜2.5%とする。
Al:0.001〜0.10%
Alは、製鋼における脱酸剤として添加する。この効果を得るために、その含有量が0.001%以上となるように添加することが必要である。一方、Alの含有量が0.10%を超えると介在物がクラスター状になって靭性を劣化させ、また、管端のベベル面加工時に表面欠陥が多発する。そのため、Alは0.001〜0.10%とする。表面欠陥を防止する観点からは、上限を制限することが望ましく、好ましい上限は0.03%、より好ましい上限は0.02%である。なお、本発明鋼管ではSi添加による大きな脱酸効果を期待できないので、脱酸を十分に行うために好ましいAl含有量の下限は0.010%である。
Cr:0.02〜1.0%
Crは、焼き入れ性を向上させて、厚肉材で鋼の強度を向上させる元素である。その効果が顕著になるのは0.02%以上含有させた場合である。しかし、その含有量が過剰になると、却って靱性が低下するので1.0%以下とした。
Ni:0.02〜1.0%
Niは、焼き入れ性を向上させて、厚肉材で鋼の強度を向上させる元素である。その効果は、0.02%以上の含有で顕著になる。しかしながら、Niは高価な元素であり、また、過剰に含有させてもその効果が飽和するので、上限を1.0%とした。
Mo:0.02〜1.2%
Moは、変態強化と固溶強化により鋼の強度を向上させる元素である。その効果は0.02%以上の含有で顕著になる。しかし、過剰に添加すると靱性が低下するので、上限を1.2%とした。
Ti:0.004〜0.010%
Tiの含有量は、凝固時の冷却時には析出せず、その後のビレット加熱時にTi炭窒化物を析出させるのに適した含有量として、0.004%〜0.010%の狭い範囲にコントロールする必要がある。0.004%未満の含有量の場合は、析出するTi炭窒化物の個数が確保できず、0.010%を超えると、凝固後の冷却時に粗大に析出する。従って、Tiの含有量は、0.004〜0.010%が適正である。
N:0.002〜0.008%
Nは、微細に分散したTi炭窒化物を確保するために0.002%以上の含有が必要である。一方、0.008%を超えると、凝固時に粗大なTi炭窒化物が析出するようになるので、0.002〜0.008%の狭い範囲にコントロールする必要がある。
V:0〜0.08%
Vは、強度と靱性のバランスで含有量を決定する元素である。他の合金元素で十分強度が得られる場合は、無添加の方が良好な靱性が得られる。強度向上元素として添加する場合は、0.02%以上の含有量とするのが望ましい。一方、0.08%を超えると靱性が大きく低下するので、添加する場合は、含有量の上限を0.08%とする。
Nb:0〜0.05%
オフライン熱処理の場合、Nbは、焼入れのための加熱時に結晶粒粗大化を抑制する働きが顕著である。その効果を得るためには0.005%以上の含有が望ましい。しかし、Nbの含有量が0.05%を超えると粗大な炭窒化物が析出して靱性が低下するので、上限を0.05%とした。
インライン熱処理の場合は、Nb炭窒化物が不均一に析出して、靱性を低下させるとともに強度バラツキが大きくなるので、基本的にはNbは添加しない方がよい。強度バラツキが顕著になり、製造上問題となるのは、その含有量が0.005%を超えたときであるので、インライン熱処理を適用する場合は、許容上限を0.005%とするべきである。
Cu:0〜1.0%
Cuは添加しなくてもよいが、耐HIC特性(耐水素誘起割れ特性)を改善する作用を有するので、耐HIC特性を向上させたい場合には添加してもよい。耐HIC特性改善の効果が発現する最少含有量は0.02%である。一方、1.0%を超えても効果が飽和するので、添加する場合、その含有量は0.02〜1.0%とするのがよい。
Ca、Mg、REM:1種で、または2種以上の合計で0.0002〜0.005%
これらの元素は、介在物の形態制御により靱性、耐食性を改善する目的と、鋳込み時のノズル詰まりを抑制して鋳込み特性を改善する目的で添加する。これらの効果を得るためには、1種で、または2種以上の合計で0.0002%以上の含有が必要である。一方、1種で0.005%を超えるか、または2種以上の合計含有量で0.005%を超えると、上記の効果が飽和して、それ以上の効果が発揮されないばかりではなく、介在物がクラスター化し易くなり、逆に靱性、耐HIC特性が低下する。従って、上記元素を単独で添加する場合は、いずれも含有量を0.0002〜0.005%、2種以上を添加する場合は合計の含有量を0.0002〜0.005%とする。なお、REMとは、ランタノイド元素、YおよびScの17元素である。
B:0.0003〜0.01%
Bは、添加しなくてもよいが、添加すると微量であっても焼入れ性を向上させるので、より高強度が必要な場合に添加すると有効である。上記の効果を得るためには、0.0003%以上の含有が望ましい。しかし、過剰の添加は、靱性を低下させるので、Bを添加する場合には、その含有量は0.01%以下とする。
本発明のラインパイプ用鋼管は、上記の成分の他、残部がFeと不純物からなる。ただし、不純物中のPとSは下記のように含有量の上限を抑える必要がある。
P:0.05%以下
Pは、靱性を低下させる不純物元素であり、その含有量は可及的に少なくするのが好ましい。含有量が0.05%を超えると、靱性が著しく低下するので許容上限を0.05%とする。0.02%以下が好ましく、0.01%以下がさらに好ましい。
S:0.005%以下
Sも、靱性を低下させる不純物元素であり、可及的に少なくするのが好ましい。含有量が0.005%を超えると、靱性が著しく低下するので許容上限を0.005%とする。0.003%以下にするのが好ましく、0.001%以下がさらに好ましい。
2.製造条件について
次に、本発明のラインパイプ用厚肉継目無鋼管に関し、好適な製造条件について説明する。
(1)鋳造および凝固後の冷却
まず、上記の組成になるよう鋼を転炉等で精錬し、鋳造し、凝固させ鋳片を得る。このとき、Ti炭窒化物の析出を抑制した凝固鋼塊を得ることが重要である。前記のように規定したCとTiとNの含有量とすれば、凝固時にはTi炭窒化物は、基本的には析出しない。しかしながら、その後の冷却速度が小さいと粗大なTi炭窒化物が析出するので、特定の速度以上で冷却する必要がある。
製造プロセスとしては、丸ビレット形状に連続鋳造するのが理想である。しかし、角形の鋳型に連続鋳造やインゴットとして鋳込み、その後、丸ビレットに分塊するプロセスを取ることもできる。その場合には鋳造後の冷却速度をさらに厳しくコントロールして、粗大なTiNの析出を抑制することが肝要である。
冷却速度としては、凝固後にTi炭窒化物が生成しやすい1400〜1000℃の温度域の平均冷却速度で、丸ビレットに鋳込む場合は6℃/分以上の冷却速度が、分塊圧延を実施する場合は8℃/分以上の冷却速度が必要である。より好ましいのは、丸ビレットに鋳込む場合は8℃/分以上の平均冷却速度、分塊圧延を実施する場合は10℃/分以上の平均冷却速度とすることである。なお、いずれの場合も平均冷却速度は大きいほど望ましいので、その上限に制約はない。
鋳片の冷却速度は、鋳片の部位によっても差異が生じるが、円形の鋳型に連続鋳造する場合は、半径の1/2の距離だけ中心から離れた場所での冷却速度でコントロールする。角形の鋳型に連続鋳造する場合は、四角形の重心を通り長辺に平行な線上で、重心と表面の中間の場所での冷却速度でコントロールする。温度の測定は、熱電対を取り付けて行うことができるが、表面の温度履歴で更正した数値シミュレーションにて行うこともできる。
(2)ビレットまたは鋳塊の加工
丸ビレットは、熱間加工が可能な温度に再加熱して穿孔、延伸、定形圧延を実施する。また、断面が角形状のブルームまたはスラブに鋳造した場合には、再加熱後に鍛造または/および圧延によって丸ビレットとし、穿孔、延伸、定形圧延を実施する。
再加熱温度としては1150℃未満では熱間変形抵抗が大きくなり、疵の発生が増加するので、1150℃以上が必要である。一方、1280℃を超えると、加熱燃料原単位が大きくなりすぎることや、スケールロスが大きくなって歩留まりが低下すること、加熱炉の寿命が短くなって不経済となること等から、上限を1280℃とした。加熱温度を低くするほど結晶粒は微細になって靱性が良好となるので、好ましい加熱温度は1200℃以下である。
固溶状態のTiが十分存在すると、再加熱時にTi炭窒化物が析出する。しかし、その析出は、凝固後の冷却中における析出とは異なり、析出温度が比較的低温である。従って、凝固後の冷却時に析出する場合より、格段に微細なTi炭窒化物が析出する。微細に析出したTi炭窒化物は個数が多く、ビレットの加熱保持時の粒界移動を抑制し、結晶粒粗大化を防止する。ただし、急速加熱を行うと、低温での微細析出が不可能となるので、結晶粒粗大化防止の効果が得られない。低温での微細析出を促すのには、再加熱のときに、550℃から900℃までの間の平均加熱速度を15℃/分以下とするか、550℃〜1000℃の間で15分間以上、均熱する処理を実施すると有効である。
穿孔、延伸および定形圧延は通常の継目無鋼管の製造条件で実施すればよい。
3.造管後の熱処理
造管後の熱処理では、均一な組織を得ることが靱性確保に必要である。焼入れ処理は、熱間圧延後に室温まで一旦冷却せずに焼入れを実施するインライン熱処理が基本であるが、一旦冷却した後に再加熱して焼入れを実施すると、さらに結晶粒が微細になり靱性が向上する。インライン熱処理方法として、熱間加工終了後、均熱炉にて均熱した後に焼入れを実施すると、強度バラツキの小さい鋼管が得られる。
焼入れ時の冷却速度を大きくするほど、厚肉材で高強度、高靱性が得られやすくなり、理論上の限界冷却速度に近付けば近付くほど、高強度、高靱性が得られる。必要な冷却速度は800℃〜500℃の平均冷却速度で8℃/秒以上である。より好ましいのは、10℃/秒以上、最も好ましいのは、15℃/秒以上である。
優れた靱性の確保に関しては、冷却速度に加えて、冷却終了温度も重要である。化学組成を調整した鋼を用いて、強制冷却終了温度を100℃以下のなるべく低い温度まで冷やし切ることが重要である。好ましいのは80℃以下まで、より好ましいのは50℃以下、最も好ましいのは30℃以下まで、継続して強制冷却を行うことである。それによって、部分的にCの濃化した変態強化組織や残留オーステナイトの生成を防止することでき、靱性が大幅に改善する。
焼入れた後、500℃〜700℃の範囲内の温度で焼戻しを行う。焼戻しの目的は、強度の調整と靱性の向上である。焼戻し温度での保持時間は、鋼管の肉厚等に応じて適宜決定すればよく、通常は10分〜120分程度に設定する。
表1に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、丸ビレットの製造方法としては、断面が丸形状の連続鋳造モールドに鋳込む方法と、一旦角形状のモールドに鋳込んだ後、分塊圧延にて丸ビレットを製造する方法とを採用した。丸形状の連続鋳造モールドに鋳込んだ場合の製造条件を表2および表3に示す。凝固プロセスは「RCC」と表記している。角形状のモールドに鋳込むプロセスは「BLCC」と表記し、その製造条件を表4および表5に示す。
表2〜表5に示す製管加熱条件で丸ビレットを加熱して、傾斜ロール穿孔機を用いて中空素管を得た。この中空素管をマンドレルミルおよびサイザーを用いて仕上圧延して、肉厚30mmから50mmの鋼管を得た。その後、表2〜表5に記載の焼入れ条件で冷却した。すなわち、製管後、直ちに冷却を実施する方法と、製管後、直ちに再加熱炉に装入して均熱した後、急冷する方法と、一旦室温まで冷却した後、再加熱して冷却する方法とを実施した。その後、表2〜表5に記載の条件で焼戻しを実施して製品とした。
得られた鋼管から、引張試験として、JIS 12号引張試験片を採取し、引張強さ(TS)、降伏強さ(YS)を測定した。なお、引張試験はJIS Z 2241に準じて行った。衝撃試験片は、JIS Z 2202の4号試験片に準じ、10mm×10mm、2mmVノッチの試験片を肉厚中央の長手方向から採取して試験を行った。
表2の試番1には、枝番が1と2の2例が記載されている。1−1および1−2は発明鋼Aを使用し、1−1の製造条件は発明で規定した範囲内にあり、良好な靱性が得られている。一方、試番1−2は製管のための加熱の速度が大きすぎて本発明で規定した製造プロセスを逸脱しており、良好な靱性が得られていない。以下、試番2〜24番に対しても、それぞれ枝番が1と2があり、同じ試番には同じ鋼種を用いている。枝番が1の製造条件は発明で規定した範囲内にあり、良好な靱性が得られている。一方、枝番2では、本発明で規定した製造プロセスを逸脱しており、良好な靱性が得られなかった。
表4および表5でも同様に、一つの試番内は同じ鋼種を使用し、枝番1は本発明に規定した範囲内の製造プロセスとなっていて、良好な靱性が得られている。一方、枝番2は、本発明で規定した製造プロセスを逸脱しているために良好な靱性が得られていない。
なお、試番25から30は、本発明に規定した合金組成範囲を逸脱した鋼(比較鋼)の実施例である。いずれも靱性が十分でなく、厚肉で高靱性が要求されるラインパイプとしては性能が不十分である。
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本発明によれば、継目無鋼管の化学組成とその製造方法を規定することによって、肉厚が30〜50mmの鋼管で降伏応力がX70クラス(降伏強度482MPa以上)、X80クラス(降伏強度551MPa以上)、X90クラス(降伏強度620MPa以上)、X100クラス(降伏強度689MPa以上)、X120クラス(降伏強度827MPa以上)の高強度を有し、しかも靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管が製造可能となる。本発明の継目無鋼管は、特に海底フローライン用として、より厳しい深海に敷設可能な鋼管である。よって、本発明は、エネルギーの安定供給に大きく貢献する発明である。

Claims (2)

  1. C:0.03〜0.08%、Si:0.15%以下、Mn:0.3〜2.5%、Al:0.001〜0.10%、Cr:0.02〜1.0%、Ni:0.02〜1.0%、Mo:0.02〜1.2%、Ti:0.004〜0.010%、N:0.002〜0.008%ならびにCa、MgおよびREMのうちの1種または2種以上を合計で0.0002〜0.005%含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.05%以下、Sが0.005%以下であり、かつ肉厚が30〜50mmであることを特徴とする高強度で靱性の良好なラインパイプ用厚肉継目無鋼管。
  2. Feの一部に代えて、B:0.0003〜0.01%、V:0.08%以下、Nb:0.05%以下およびCu:1.0%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の高強度で靱性の良好なラインパイプ用厚肉継目無鋼管。
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