JP4790742B2 - はんだ鏝用鏝先及びその製造方法 - Google Patents
はんだ鏝用鏝先及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4790742B2 JP4790742B2 JP2008070312A JP2008070312A JP4790742B2 JP 4790742 B2 JP4790742 B2 JP 4790742B2 JP 2008070312 A JP2008070312 A JP 2008070312A JP 2008070312 A JP2008070312 A JP 2008070312A JP 4790742 B2 JP4790742 B2 JP 4790742B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copper
- tip
- powder
- iron
- joint
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
ところが、このように鏝先を鉄メッキ層で被覆すると、はんだの濡れ性が悪くなってはんだ付け作業に支障を来し易いばかりでなく、鉄の熱伝動率が低いために伝熱性も大きく低下し、作業能率が悪くなるという問題が生じる。また、近年では、環境に配慮するという観点から鉛フリーはんだが主流になりつつあるが、この鉛フリーはんだは融点が鉛入りはんだに比べて高いため、その分はんだ付け時の鏝先温度を高くしなければならず、それに伴って鏝先の消耗も激しくなるという問題も有している。
しかしながら、このように鏝先を二つの部分に分けて形成し、それらを溶接で一体化する手法は、溶接工程や溶接面の後処理工程等を必要とするため、鏝先の製造工程が複雑化して手間とコストがかかるだけでなく、上記鏝先本体部と鏝先先端部との接合面間に隙間(継ぎ目)が介在して伝熱性が低下するという欠点がある。
本発明において好ましくは、上記接合部を形成する銅粉末が、粒径の異なる異径粉末の混合体で形成されると共に、粒径の大きい銅粉末の配合割合が粒径の小さい銅粉末の配合割合より多いことである。
本発明において好ましくは、上記成形体を型内で加圧しながら加熱することであり、あるいは、上記焼結を真空雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下で行うことである。
また、上記成形体の加圧成形に先立ち、上記粉末中にバインダーを添加して該粉末をペースト状にすることが望ましい。
先ず、図3に示すように、上記鏝先本体部2を形成する円柱状をした上記銅棒2aと、上記接合部4を形成する銅粉末4aと、上記鏝先先端部3を形成する銅−鉄混合粉末3aとを、成形用の型10の円筒形をした加圧室10a内に順次収容することにより、これらの銅棒2aと銅粉末4aと銅−鉄混合粉末3aとを3層に連なった状態に積層する。
この場合、上記銅粉末4a及び銅−鉄混合粉末3aは、それらを上記型10内に入れる前に、バインダーとして例えばエチレングリコールをそれぞれ適量(例えば40体積%程度)添加して十分混合することにより、ペースト状にしておくことが望ましい。
なお、上記加圧成形時の加圧力は、大体15〜25KN/m2 程度が好ましく、より好ましくは19〜20KN/m2 程度である。
上記拡散接合とは、接合すべき材料同士を加圧成形した状態で加熱することにより、それらの当接面に相互拡散を生じさせて材料同士を固相状態で金属学的に一体化させる接合方法である。
しかし、上記加熱室14aを減圧する代わりに、該加熱室14a内に窒素やアルゴン等の不活性ガスを供給し、不活性ガス雰囲気下で上記加熱処理を行っても良い。あるいは、水素等の還元性ガスを供給することにより、還元性ガス雰囲気下において銅粉末や鉄粉末等の表面の酸化物を還元しながら加熱処理を行うことも可能である。
しかし、上記鏝先先端部3は、その形状がそれほど複雑でない場合には、上記型10で加圧成形する段階からはんだ付け対象に応じた所定の形状に形成することも可能であり、こうすることにより、焼結後の加工が不要になり、簡単な仕上げ加工だけで済むことになる。この場合には、上記型10の上記鏝先先端部3に対応する部分の形状が、該鏝先先端部3の最終形状に合わせた形に形成される。
また、上記銅粉末及び鉄粉末の粒径については、コストや生産性のほか、上記鏝先本体部2及び鏝先先端部3の機能性等を総合的に考慮して決定される。例えば、熱伝導性やはんだの濡れ性及びコスト等を考えた場合、粒径は大きい方が好ましい。しかし、余り粒径が大きいと、加圧成形が密に行われにくく、焼結も高温で長時間行わなければならないため、生産性が悪くなる。特に、銅−鉄混合粉末3aからなる鏝先先端部3においては、鉄粉末の粒径が大きいほど焼結性が悪くなって焼結に時間がかかり、一方、銅粉末については、はんだ中の錫に対して鉄より銅の方が先に化学反応を起こして消耗するため、該銅粉末の粒径が大きい場合、該鏝先先端部3にその粒径分の大きさの孔が開くことになり、消耗が激しくなる。
逆に、上記銅粉末及び鉄粉末の粒径が小さいと、上述した欠点は解消されるが、コストが高くなる。
また、鉄粉末については、焼結性を考慮した場合、上記銅粉末より粒径の小さいものを使用することが望ましい。具体的には、上述したように銅粉末の粒径が5〜20μmの場合、好ましい鉄粉末の粒径は3〜10μm程度である。しかし、鉄粉末の粒径が銅粉末の粒径と同じかそれより大きくても、焼結は可能で、所期の目的は十分達成することができる。
この実験においては、鏝先本体部2を形成する銅棒2aとして、長さ70mm×直径12mmの無酸素銅C1020が使用された。
また、接合部4を形成する銅粉末4aには、純度が99.8%で、粒径が45μmと10μmの2種類の異径粉末を、91.1:8.9(重量%)の割合で均一に混合したものが使用された。バインダーにはエチレングリコールが用いられた。
さらに、鏝先先端部3を形成する銅−鉄混合粉末3aには、純度が99.8%で粒径が10μmの銅粉末と、純度が99.5%で粒径が5μmの鉄粉末とが使用され、それらが27.5:72.5(重量%)の割合で均一に混合された。バインダーにはエチレングリコールが用いられた。
こうして得られた母材1aの鏝先先端部3を、一般的な鏝先の先端部形状と同様の形状に加工し、鏝先本体部2と接合部4とにクロムメッキ層5を施すことにより図1に示すような鏝先1を得た。
また、この鏝先1を使用して鉛フリーはんだによるはんだ付け実験を繰り返し行い、従来の鉄メッキ層を有する鏝先と比較したが、伝熱性及びはんだの濡れ性共に本発明の鏝先1の方が勝れており、耐久性においても勝れることが確認された。
即ち、図13に示すように、例えば黒鉛などで形成された耐熱性のある型10内に、上記鏝先本体部2を形成する銅棒2aと、接合部4を形成する銅粉末4aと、鏝先先端部3を形成する銅−鉄混合粉末3a又は合金部材3bとを、積層状態に収容し、加圧子11で軸線方向に一軸加圧しながら発熱体16で加熱し、焼結することにより、鏝先用母材1a(図4参照)を得るものである。これにより、緻密で高強度の鏝先を得ることができる。なお、上記鏝先本体部2には銅粉末を用いることもできる。
2 鏝先本体部
2a 銅棒
3 鏝先先端部
3a 銅−鉄混合粉末
3b 合金部材
4 接合部
4a 銅粉末
10 型
12 成形体
Claims (10)
- 蓄熱及び伝熱のための銅製の鏝先本体部と、濡れ面形成のための銅−鉄合金製の鏝先先端部と、これらの鏝先本体部と鏝先先端部との間に介在する銅製の接合部とからなり、この接合部が、銅粉末を加圧成形して銅の融点以下の温度で焼き固めた焼結体としての形態を有していて、この接合部を介して上記鏝先本体部と鏝先先端部とが拡散接合により一体化されていることを特徴とするはんだ鏝用鏝先。
- 上記鏝先本体部が、熔解した銅を固化させて形成した銅棒からなり、また、上記鏝先先端部が、銅−鉄混合粉末を加圧成形して銅の融点以下の温度で焼き固めた焼結体としての形態を有することを特徴とする請求項1に記載の鏝先。
- 上記鏝先本体部が、熔解した銅を固化させて形成した銅棒からなり、また、上記鏝先先端部が、銅と鉄とを熔解させて混合したあと固化させて形成した合金部材からなることを特徴とする請求項1に記載の鏝先。
- 上記接合部を形成する銅粉末は、粒径が異なる異径粉末の混合体からなると共に、粒径の大きい銅粉末の配合割合が粒径の小さい銅粉末の配合割合より多いことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の鏝先。
- 熔解した銅を固化させて形成した銅棒と、銅粉末と鉄粉末とを均一に混合した銅−鉄混合粉末とを、接合部を形成する銅粉末を間に介在させて型内に積層状態に収容し、これらの銅棒と銅粉末と銅−鉄混合粉末とを加圧成形して成形体とすると共に、この成形体を銅の融点以下の温度で加熱して上記銅粉末と銅−鉄混合粉末とを焼結することにより、上記銅棒で形成される鏝先本体部と、上記銅−鉄混合粉末の焼結体で形成される鏝先先端部とを、上記銅粉末の焼結体で形成される接合部を介して拡散接合により一体化させることを特徴とするはんだ鏝用鏝先の製造方法。
- 熔解した銅を固化させて形成した銅棒と、銅と鉄とを熔解させて混合したあと固化させて形成した銅−鉄合金製の合金部材とを、接合部を形成する銅粉末を間に介在させて型内に積層状態に収容し、これらの銅棒と銅粉末と合金部材とを加圧成形して成形体とすると共に、この成形体を銅の融点以下の温度で加熱して上記銅粉末を焼結することにより、上記銅棒で形成される鏝先本体部と上記合金部材で形成される鏝先先端部とを、上記銅粉末の焼結体で形成される接合部を介して拡散接合により一体化させることを特徴とするはんだ鏝用鏝先の製造方法。
- 上記接合部を形成する銅粉末は、粒径が異なる異径粉末の混合体であると共に、粒径の大きい銅粉末の配合割合が粒径の小さい銅粉末の配合割合より多いことを特徴とする請求項5又は6に記載の製造方法。
- 上記成形体を型内で加圧しながら加熱することを特徴とする請求項5から7の何れかに記載の製造方法。
- 上記焼結を真空雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、還元性ガス雰囲気下の何れかで行うことを特徴とする請求項5から8の何れかに記載の製造方法。
- 上記成形体の加圧成形に先立ち、上記粉末中にバインダーを添加して該粉末をペースト状にすることを特徴とする請求項5から9の何れかに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008070312A JP4790742B2 (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | はんだ鏝用鏝先及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008070312A JP4790742B2 (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | はんだ鏝用鏝先及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009220171A JP2009220171A (ja) | 2009-10-01 |
JP4790742B2 true JP4790742B2 (ja) | 2011-10-12 |
Family
ID=41237533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008070312A Expired - Fee Related JP4790742B2 (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | はんだ鏝用鏝先及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4790742B2 (ja) |
-
2008
- 2008-03-18 JP JP2008070312A patent/JP4790742B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009220171A (ja) | 2009-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100886111B1 (ko) | 분말 금속 스크롤 | |
CN101327551B (zh) | 一种钎焊材料及其制备方法以及用其进行钎焊的方法 | |
CN106735207B (zh) | 一种高致密度Cu/CuCr梯度复合材料的制备方法 | |
CN104708192A (zh) | 一种W-Ti合金靶材组件扩散焊接方法 | |
CN102407408A (zh) | 一种适用于异种金属材料焊接的焊接结及其制备方法 | |
CN111014869B (zh) | 一种钼基石墨的真空焊接方法 | |
JPS62253704A (ja) | 粉末物質による金属、セラミツク又は金属セラミツク部品の製造方法 | |
CN101670433B (zh) | 一种激光间接成型制造金属模具的方法 | |
JP4410066B2 (ja) | 電気接点材料の製造方法 | |
TW202333875A (zh) | 鋁粉末混合物、金屬積層造形用粉末及金屬積層造形物 | |
TWI483795B (zh) | 複合金屬之一體成型方法 | |
JP4790742B2 (ja) | はんだ鏝用鏝先及びその製造方法 | |
CN103194635B (zh) | Ti(C,N)基金属陶瓷与钢的无外压扩散连接方法 | |
CN217936346U (zh) | 金刚石/铜/金属涂层复合结构 | |
CN102049583A (zh) | 复合材料焊接刀片的制造方法 | |
AU2008202166B9 (en) | Formation of scroll components | |
JP2014001427A (ja) | 焼結部品の製造方法 | |
JPS62199256A (ja) | 金属炭化物と合金との接合方法 | |
KR20160064397A (ko) | 초경합금 접합체 제조방법 | |
JP2005272934A (ja) | アトマイズ金属微粉末を用いた金属部材の製造方法およびアトマイズ金属微粉末を用いた金属部材 | |
JP3898803B2 (ja) | 金属複合部材の製造方法 | |
JPH08310878A (ja) | 焼結体と異種材料体との結合方法 | |
TWI624319B (zh) | Composite tungsten carbide tool manufacturing method | |
TWI408288B (zh) | Manufacturing method of shaft tube for cooling fan | |
JP2000061508A (ja) | 残留応力の少ない複合圧延ロール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110201 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20110201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20110201 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20110315 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110614 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110621 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110720 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4790742 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |