JP4788079B2 - Cooling control method for rolled metal in hot rolling - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延とは、金属材を数100〜千数100℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に供給し、搬送しつつローラーで圧延して所望の厚みと幅の金属板あるいは金属帯にすることをいう。
例えば帯鋼の熱間圧延ライン100は、図3に示すように、被圧延金属材(以下、単に被圧延材と称す)Sの搬送方向上流から下流に向かう順に、加熱炉101、複数の粗圧延機102:Rougher (多くの場合4機。そのうち一部(多くの場合1機)を往復圧延するものとし、残りを一方向圧延する。しかし、4機中3機が一方向のタイプに限らず例えば3機中2機が一方向のタイプも含め、3/4連続という)、クロップシャ103、デスケーリング装置104、複数の仕上圧延機105:Finisher、冷却ゾーン106、コイラー(巻取装置)107を順次配置して成る。
【0003】
その他の金属の熱間圧延ラインも大同小異で、仕上圧延機105、冷却ゾーン106、コイラー107を順次配置して成る点は共通している。
粗圧延機102、仕上圧延機105は複数あるのでそれぞれRougher 、Finisherの頭文字を取り、各スタンドのナンバーを付与して、R1、R2、R3、F1、F2、… F7などと略称される。コイラー107も同様に複数ある場合が多く、号機ナンバーを付与して、DC1、DC2などと略称される。熱間圧延では、仕上圧延機105で被圧延材Sの先端を噛み込み、圧延し、尾端を圧延し終わり、という動作を断続的に繰り返す、バッチ圧延と称される方式が一般的である。
【0004】
さて、被圧延材Sに所望の材質、すなわち所望の強度や伸び等を与えるためには、仕上圧延後の被圧延材Sを所望の温度に冷却したのちに巻き取ることが重要であることが知られている。このため、前述の冷却ゾーン106における被圧延材Sの冷却制御が重要である。
冷却ゾーン106における被圧延材Sの冷却は、直接的には図4に示すような被圧延材Sの幅方向にいくつかの冷却水噴射用ノズル201を設置したヘッダ202から被圧延材Sに冷却水を噴射することによって行われる。冷却水の噴射と停止は、中間配管203とヘッダ202との間に接続されたバルブ204の開閉によって行われるが、被圧延材Sの仕上圧延速度の加減速があってもそれに応じて適宜冷却水の噴射を行うヘッダ202の数を増減し、被圧延材Sの全長にわたり冷却後の温度(巻取り直前の温度Coiling Temperture (:CTと以下略しても称する)で代表する)を一定にしようとする冷却制御が制御装置205により行われる。制御装置205は、図5に示すように、いくつかの連続したヘッダ群からなる構成単位(各ヘッダ202につながる中間配管203を共有するヘッダ群という機械装置上の区別に従うこともある)を、仮想的にバンクと称する分割された小冷却ゾーンととらえ、該バンクが冷却ゾーン106の長手方向にいくつも連なっているものとして各バンク毎に冷却水を噴射するか停止するか信号を送るようにしている場合が多い。しかしながら、近年、CTの精度アップを目的として、各バンク単位ではなく、さらに細分化して各ヘッダ毎に冷却水を噴射するか停止するか信号を送るようにしている場合もある。
【0005】
また、被圧延材Sの冷却に先立って、被圧延材Sを仮想的な切板に長手分割し、その切板ごとに、被圧延材Sの目標CTとなることを目標に、注水バンク数あるいは注水ヘッダ数を計算により設定し、各切板をトラッキングして、実際にその設定した注水バンク数あるいは注水ヘッダ数分の冷却水が各切板に向け噴射されるように制御する切板制御も多く用いられている。
【0006】
あるいはまた、図5に示すように、仕上圧延機105の出側に仕上出側温度計206を設置し、仕上出側温度計206の直下に、ある切板が到達したときのその切板の実績温度を測定し、この測定された実績温度を目標仕上出側温度あるいは仕上出側温度を予め被圧延材Sの冷却に先立って計算によって予測しておいた値と比較して、その偏差をとらえ、適当なゲインを掛け算して冷却ゾーン106における注水バンク数あるいは注水ヘッダ数を加減調整するフィードフォワード制御を併用することや、コイラー107の直上流に設置した巻取温度計207直下にその切板が到達したときのその切板の実績温度を測定し、この測定した実績温度を目標巻取温度あるいは巻取温度を被圧延材Sの冷却に先立って予め計算によって予測しておいた値と比較して、その偏差をとらえ、適当なゲインを掛け算して冷却ゾーン106における注水バンク数あるいは注水ヘッダ数を加減調整するフィードバック制御を併用するのが一般的である。
【0007】
結果的に、注水バンク数あるいは注水ヘッダ数は、フィードフォワード制御やフィードバック制御がないとした場合の切板についての設定計算による初期注水バンク数あるいは注水ヘッダ数と、フィードフォワード制御あるいはフィードバック制御で求めた注水バンクあるいは注水ヘッダの増減数との和として決定されることになる。
【0008】
また、この注水バンク数あるいは注水ヘッダ数は、被圧延材Sの搬送方向に見ると、注水長ととらえることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このフィードフォワード制御やフィードバック制御を併用した被圧延材Sの冷却制御にあっても、以下の問題があった。
即ち、図6に示すように、被圧延材Sの冷却制御の結果、その最尾端100m内外にわたる領域で、CTが局部的に高めにはずれ、ひどい場合には所望の材質を得るための許容範囲をはずれてしまう場合があったのである。ちなみに、図6は、仕上圧延後の被圧延材の厚みが2.0mm、幅が900mm(目標CT:約600℃、許容差±40℃)の低炭素鋼のぶりき原板を圧延する場合の例を示している。
【0010】
この原因を調査していくと、次のような事実にたどりついた。その事実とは、同じく図6に示すように、最尾端100m内外よりもさらに先端寄りの定常部と仮にここで称する領域の巻取温度実績が、伝熱計算の誤差などにより、目標CTに対し低めにはずれ気味の場合に、前述のようなCTの局部的な高めはずれの現象が起こることである。
【0011】
この結果をもとに、原因について一つの推論に達した。その推論とは、フィードバック制御の過制御が起こっているのではないか、ということである。前述の定常部の巻取温度が低めにはずれ気味であると、その被圧延材Sの最尾端100m内外領域に対する注水長を短縮しようとする方向にフィードバック制御が働く。このときにフィードバック制御が過制御になっているのではないか、という推論である。
【0012】
どうしてフィードバック制御が過制御になるのか、それは次に述べる仕上圧延速度の加減速パターンに関係があるのではないか、というもう一つの推論にもたどり着いた。
図7に示すように、仕上圧延速度は加減速を行っている。被圧延材Sの先端が仕上圧延機105の各スタンドに噛み込んでいき、コイラー107に巻き付くまで(被圧延材Sの先端が仕上圧延機105のF1スタンドにオンしたとき(a)から前記先端がコイラー107に巻き付いたとき(b)まで)は、先端の突っ掛かりによる進行停止を防止する目的上、スレッディング速度と呼ばれる低い速度で被圧延材を通板し、被圧延材Sの先端がコイラー107に巻き付いた以降は仕上圧延速度を加速させ、トップ速度と呼ばれる高速にたどり着いたらそのトップ速度で通板する。そして、被圧延材Sの尾端が仕上圧延機105を抜ける時期が近づくと(被圧延材Sの尾端がF1スタンドをオフ(c)すると)、今度は仕上圧延速度を減速に転ずる。これは、最尾端まで巻き取りが終了した場合にはコイル状に巻き取られた被圧延材を停止させて抜き出す必要があるところ、トップ速度のまま最尾端まで巻き取りが終了すると、それから減速したのでは停止までに時間がかかりすぎることと、もう一つは、高速のトップ速度のまま被圧延材の最尾端が仕上圧延機を抜けると、最尾端が跳ね上がり、冷却水噴射用ノズルに突き刺さって引張り、冷却水噴射用ノズルを破損すること、これらを防止する目的でそうしている。
【0013】
フィードバック制御の過制御は、最後に述べた、被圧延材Sの尾端で仕上圧延速度を減速させていることと関係がある。すなわち、被圧延材Sの定常部の巻取温度が低めにはずれ気味であるので、注水長を短縮するようにフィードバック制御が働くわけであるが、そのフィードバック制御は、被圧延材Sの尾端で仕上圧延速度を減速させていることは何ら考慮していないため、フィードバック制御しはじめるタイミングでの高速のトップ速度を以って、注水長の短縮代を計算し、実際に制御する。ところが実際は、被圧延材Sの尾端はどんどん減速しながら冷却ゾーンを通過する。減速する分、注水長の短縮代を小さくするのが適当であるところ、高速のトップ速度を以って計算した注水長の短縮代は大きいため、注水長を短縮しすぎ、CTの局部的な高めはずれの現象が起こるのである。
【0014】
同様に、定常部のCTが目標に対し高めにはずれ気味の場合には、逆に最尾端100m内外領域のCTが低めにはずれるのではないか、と推測されるが、図示しない調査結果により、その現象もやはり起こっていたのである。
こうした問題の解決方法について最初に検討したことは、フィードバック制御の周期を短縮することである。従来、通常フィードバック制御は、後述のように積分制御を行っていたのであるが、切板数枚ごとでなく、一枚ごとにフィードバック制御するようにすれば、応答性が上がり、仕上圧延の速度変動にともなう被圧延材の速度変動があっても実績CTの高めはずれあるいは低めはずれの兆候を察知し、追随的に注水長の調整が行われ、実績CTの高めはずれあるいは低めはずれを回避できるのではないか、と推定される。しかし、この方法は実際に実施してみると、十分ではない。切板は一枚数mあり、切板一枚ごとにフィードバック制御するようにしても、結果をフィードバック制御すべき基礎となる切板は、もうすでにCTの許容範囲を外れている場合があるほか、さらに切板の分割を細かくして応答性を上げようとする試みも、制御装置の計算負荷をいたずらに増大させるのみならず、注水バンクの冷却水噴射バルブの応答遅れに起因したハンチング(haunting)と呼ばれる制御と実績の逆位相振動現象につながるだけである可能性も懸念された。
【0015】
本発明は、従来技術のこのような問題を解決し、被圧延材の速度変動があった場合でも、適正に巻取温度を制御し、被圧延材に所望の材質を付与できるようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法は、被圧延金属材を熱間仕上圧延し冷却ゾーンにて冷却水により冷却し巻き取るに際し、前記冷却に先だって、前記被圧延金属材を仮想的な切板に長手分割し、該切板ごとに、前記被圧延金属材の目標巻取温度となることを目標に、前記冷却ゾーンにおける注水長を設定し、前記被圧延金属材の巻取温度実績と前記目標巻取温度との偏差を必要な注水量に換算して前記注水長にフィードバック制御する、熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法において、前記フィードバック制御による注水量を、前記被圧延金属材の速度変動により刻一刻と変化する量である注水バンク1つ当たりの冷却能力を計算機により計算し、計算された前記刻一刻と変化する量である注水バンク1つ当たりの冷却能力に反比例するように調整することを特徴としている。
【0017】
また、本発明のうち請求項2に係る熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法は、被圧延金属材を熱間仕上圧延し冷却ゾーンにて冷却水により冷却し巻き取るに際し、前記冷却に先だって、前記被圧延金属材を仮想的な切板に長手分割し、該切板ごとに、前記被圧延金属材の目標巻取温度となることを目標に、前記冷却ゾーンにおける注水長を設定し、前記被圧延金属材の巻取温度実績と前記目標巻取温度との偏差を必要な注水量に換算して前記注水長にフィードバック制御する、熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法において、予め設定される前記被金属材の速度パターンに基づいて予めわかっている速度変動する前記被圧延金属材の領域のみ、前記フィードバック制御による注水量を、前記被圧延金属材の速度変動により刻一刻と変化する量である注水バンク1つ当たりの冷却能力を計算機により計算し、計算された前記刻一刻と変化する量である注水バンク1つ当たりの冷却能力に反比例するように調整することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る被圧延金属材の冷却制御方法が適用されるスリークォータ式の熱間圧延ラインの概略構成図である。
図1において、熱間圧延ライン1は、被圧延材Sの搬送方向上流から下流に向かう順に、加熱炉2、複数の粗圧延機3、クロップシャー5、デスケーリング装置6、複数の仕上圧延機8、冷却ゾーン15、及びコイラー17を順次配置して構成されている。そして、仕上圧延機8の入側には、仕上入側温度計7が、仕上圧延機8の最終F7スタンドには、速度計10が、仕上圧延機8の出側には、仕上出側温度計11が、冷却ゾーン15の出側には、巻取温度計16がそれぞれ設置されている。
【0019】
ここで、粗圧延機3で粗圧延された被圧延材Sが仕上入側温度計7の真下まで搬送されてきて、その先端が仕上入側温度計7の真下に到達すると、被圧延材Sの先端の温度は仕上入側温度計7から計算機13に伝送される。計算機13内では、被圧延材Sの先端の温度が所定の閾値以上であるか否かを判断し、前記温度が所定の閾値以上である場合には、被圧延材Sの先端が仕上入側温度計7の真下に到達したと判定する。そして、計算機13内では、被圧延材Sの先端が仕上入側温度計7の真下に到達した、と判定したことをトリガー信号として、上位計算機12からの被圧延材Sの長手方向目標CTパターンを設定し、被圧延材Sを仮想的な切板Sa(図1(B)参照)に長手分割し、この切板Saごとに、長手方向目標CTパターンを達成するための目標注水長計算(注水バンク数あるいは注水ヘッダ数の計算)が起動される。
【0020】
この目標注水長計算は、各切板Saが仕上入側温度計7の真下に到達したときに、仕上入側温度計7で測定された仕上入側温度(Finisher Entry Temperture、以下単にFETという)を基に、仕上出側温度(Finisher Delivery Temperture、以下単にFDTという)を予測計算し、その予測計算されたFDTを入力としてモデル計算により注水長Lを決定し、あるいはさらに、実際に前記切板Saが仕上出側温度計11の真下に到達したときに、仕上出側温度計11で測定された実績FDTを入力としてモデル計算をもう一回行って注水長Lを確定する、というやり方で行う。
【0021】
また、各切板Saごとの目標注水長計算は、前記予測計算されたFDT及び仕上出側温度計11で測定された実績FDTの他に、上位計算機12から伝送される、前記被圧延材Sの長手方向目標巻取温度CTパターン、仕上圧延後の被圧延材Sの厚み、仕上圧延後の被圧延材Sの板幅、被圧延材Sのスレッディング速度、被圧延材Sのトップ速度、被圧延材Sの加速度、被圧延材Sの減速度、及び被圧延材Sのクリーピング速度に基づいて、概略後述の計算ロジックにより、計算される。ここで、被圧延材Sの長手方向目標CTパターンは、上位計算機12内に設定テーブルを設け、被圧延材Sの鋼種や仕上圧延後の厚み、幅等のデータをキーとし、被圧延材Sの先端、中間、尾端ごとに設定される。
【0022】
上述の計算ロジック概略であるが、まず、切板Saが被圧延材Sの長手方向のどこに位置するか、そして仕上圧延開始前の被圧延材Sの状態ではどの位置に相当し、該位置での実績FDTはいくらだったか、のデータをもとに以降の計算が行われる。前述のスレッディング速度、トップ速度、加速度、減速度、クリーピング速度及び各構成設備間の機械的な距離をもとに、主要構成設備(F1、F7、冷却ゾーン15の入側、同出側)への到達までに要する時間を予測計算し、次にその所要時間をもとに、冷却ゾーン15の入側に到達するまでの放冷による被圧延材Sの温度降下、デスケーリング装置6によるデスケーリング水や仕上圧延機8内のスタンド間の被圧延材冷却水噴射による被圧延材Sの温度降下、仕上圧延中の加工発熱による被圧延材Sの温度上昇などの温度変動をその切板Saごとに計算し、その切板Saが冷却ゾーン15の入側に到達した時に何℃の温度になるかを計算する。そして、その温度をもとに、冷却ゾーン15を通過する際にどこどこのバンクあるいはヘッダを冷却水噴射状態とすれば、当該切板Saを目標CTまで冷却できるかを計算する。
【0023】
ここで、当該切板Saが冷却ゾーン15を通過する際にどこどこのバンクあるいはヘッダを冷却水噴射状態とすれば、当該切板Saを目標CTまで冷却できるかは、あるバンクあるいはヘッダ(1つとは限らない)から冷却水噴射した場合、そのバンクあるいはヘッダに相当するゾーンをその切板Saが通過するのに要する時間を前述のスレッディング速度、トップ速度、加速度、減速度、クリーピング速度及び各構成設備間の機械的な距離をもとに計算した結果とから、その時間でその切板Saが何℃まで冷却されるかを伝熱計算モデルによって求め、それがまだ目標CTよりも所定値以上高い値であれば、その直下流のバンクあるいはヘッダも噴射した場合はどうか、を次に計算する、という一連の計算プロセスを結果が目標CTとなるまで繰り返す、収束計算により求めてもよい。
【0024】
このような計算により求めた冷却水を噴射するバンクあるいはヘッダと対象の切板Saの計算機設定に基づく多くのデータを制御装置14に伝送し、制御装置14の側ではリアルタイムにその切板Saの冷却水を噴射する各バンクあるいは各ヘッダへの到達をメジャーリングロール4と速度計10の両者を用いたトラッキングに基づいて判定し、バルブ開閉から冷却水の噴射停止までの遅延時間などを適宜考慮した上で、その到達タイミングにあわせて各バンクの各ヘッダの冷却水噴射停止のためのバルブの開閉を制御する。即ち、計算機13で設定された切板Saごとの目標注水長が制御装置14に伝送され、制御装置14はこの切板Saごとの目標注水長に基づいて、冷却ゾーン15における各バンクの各ヘッダの冷却水噴射停止のためのバルブの開閉を制御する。
【0025】
ちなみに、被圧延材Sの尾端が仕上圧延機8を抜けた以降のトラッキングに関しては少し工夫を要し、起点を仕上圧延機5の最終スタンドのロールから被圧延材Sの尾端が抜けたときの圧延荷重の急減信号( ロードセル(荷重計)のオフ信号など) が図示しない経路を通じ制御装置14に上がった時点とし、その時点からのトラッキングは、例えば被圧延材Sの先端がコイラー17に巻き付いた以降続けている、コイラー17の図示しないマンドレルの径+巻数×被圧延材仕上圧延後板厚の積算により計算される巻径と、該マンドレルの回転数の掛け算、を時間積分していく、などの方法で行えばよい。
【0026】
さらに、仕上出側温度計11の直下にその切板Saが到達したときのその切板Saの温度を予め計算によって予測して求めておき、その切板Saの仕上出側温度実績との偏差をとらえて、適当なゲインを掛け算して冷却ゾーンにおける冷却水噴射バンク数を加減調整するフィードフォワード制御を併用してもよい。
被圧延材Sは、冷却ゾーン15によって冷却された後、被圧延材Sの巻取温度が巻取温度計16によって測定され、測定された巻取温度実績が計算機13に伝送される。計算機13では、巻取温度実績と目標巻取温度(目標CTパターン)との偏差を必要な注水量に換算して前述の切板Saごとの目標注水長を加減調整し、この加減調製された目標注水長に基づいて制御装置14は冷却ゾーン15における各バンクの各ヘッダの冷却水噴射停止のためのバルブの開閉を制御する。
【0027】
そして、このフィードバック制御による前述の注水量は、被圧延材Sの速度変動により調整される。
このフィードバック制御による注水量の速度変動による調整を具体的に説明すると、まず、被圧延材Sの先端が巻取温度計16を通過した時刻t 1 から、時間Δt i 毎に、巻取温度計16直下に位置する被圧延材Sの巻取温度CTa(t i )[i=1,2,…] を実測し、該実測した被圧延材Sの温度CTa(t i ) と、別途設定される被圧延材Sの目標巻取温度CTd との差CTa(t i )-CTd にΔt i を乗算した値を累積させた量を時間平均した量
【0028】
【数1】
【0029】
を計算機13に記憶させておく。この量をΔCT(t) の時間平均と称することにする。ΔCT(t) の時間平均は、時刻t(t1+ ΣΔt i ) において、冷却ゾーン15の注水により、フィードバック制御して補正すべき被圧延材の温度をどれだけにするかを示す量である。
前述の時間Δt i は、十分に小さな値とすればよいが、逆に大きく設定した方が計算機13での計算負荷が小さくて済むというメリットがある。しかし、その限度は、前述の仮想的な切板1枚の巻取温度計16通過所要時間に注水ヘッダの応答遅れ時間を加えた時間とするのが好ましい。それを超えて大きくすると、複数の切板SaについてΔCT(t) の時間平均がフィードバックされる、複数切板積分制御が行われる状態となり、従来技術におけるCTの高めはずれや低めはずれの問題を再発させてしまうおそれがあるからである。
【0030】
巻取温度計16直下へのある対象とする切板Saの到達は、各切板Saを制御装置14にてトラッキングすることで行う。被圧延材Sの速度実績値の変動は、計算機13に伝送される。そして、計算機13では、被圧延材Sの速度実績値に基づいて冷却ゾーン15における注水バンクあるいはヘッダ1つ当たりの冷却能ΔT を計算する。これは巻取温度実測の対象となった切板Saの巻取温度計16の通過時刻t に計算したという意味をこめてΔT(t)と表現する。ある時刻t から、時刻t+Δt までの間の、冷却ゾーン15の注水バンクあるいはヘッダの増減数すなわち注水長の変動(フィードバック制御による注水量)ΔH を計算機13で次のような演算式にて求める。
【0031】
ΔH(t)=ΔCT(t) の時間平均/ΔT(t)
ここで、ΔT は、時刻t における被圧延材Sの冷却ゾーン最下流バンクあるいは最下流ヘッダにおける被圧延材Sの温度T(ただし、この温度は通常冷却水の水乗りによる影響のため実測できないので、あらかじめ巻取温度予測モデルを用いて詳説しない予測ロジックによって予測した温度をもって代用する) 、該時刻t に巻取温度計16直下にあった対象切板Saの仕上出側板厚計で測定した仕上圧延後板厚実績、および該時刻t における被圧延材の速度実績値V などにより決まる量で、刻一刻と変化する量であり、次のように表現される。
ΔT(t) = (ΔTthread(t)- ΔTtop(t))/(Vthread-Vtop) × (V - Vtop) + ΔTtop(t)
ここに、ΔTthread(t)はスレッディング速度Vthread における、ΔTtop(t) はトップ速度VtopにおけるΔT をそれぞれ示す。
【0032】
このようにすれば、被圧延材Sの速度実績値V が大きければ、フィードバック制御により増減される冷却ゾーン15の注水バンクあるいはヘッダの増減数すなわち注水長の増減ΔH が多く、逆に、被圧延材Sの速度実績値V が小さければ、フィードバック制御により増減される冷却ゾーン15の注水バンクあるいはヘッダの増減数すなわち注水長の増減ΔH が少ない。
【0033】
よって、前述の従来技術の問題である、フィードバック制御の過制御の問題が解消される。
ここで、冷却ゾーン15の最下流のバンクあるいはヘッダのいくつかを、調整ゾーンに決め、そこに対してフィードバック制御により増減される注水バンクあるいはヘッダの増減数すなわち注水長の増減ΔH を反映するようにし、注水長を制御するのも好ましい。フィードバック制御の結果を最も直接的かつ最速の方法でとらえることができるからである。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の変更を行うことができる。
例えば、本発明では、フィードバック制御をそのタイミングによって、
▲1▼ 巻取温度予測モデルの誤差を補正するための制御操作(従来のフィードバック制御)
▲2▼ 被圧延材の速度実績値の変動による、注水バンクあるいはヘッダ当たりの冷却能の変動を防止する制御(上述した実施形態のフィードバック制御)の2種類を切り分けて行うようにするのも好ましい。
【0036】
なぜなら、従来技術の問題点である巻取温度の高めはずれや低めはずれは、被圧延材Sの速度変動する被圧延材領域についてのみ生ずることがわかったため、被圧延材Sの速度変動する被圧延材領域はどこからどこまでか、次に述べる計算により予めわかることから、その領域が来る少し手前で上述した実施形態のフィードバック制御に切り換えるようにし、その領域が来る少し手前以前と、その領域が通過した少し後で従来のフィードバック制御を行うようにすれば、必要以上に計算機13の計算負荷を増大させなくても済むからである。トラッキングは前述したのと同様な方法により行えばよい。
【0037】
加速または減速を伴う下記(2)と(4)の被圧延材領域では▲2▼の制御を行い、そうでない(1)と(3)の被圧延材領域では▲1▼の制御を行うようにする。
(1)被圧延材Sの先端から加速開始(スレッディング速度からトップ速度へ向けての加速)までの被圧延材領域(熱間圧延ライン方向長さ)=仕上圧延機最終スタンドから巻取装置までの熱間圧延ライン方向長さ
(2)被圧延材Sの加速開始から加速完了までの被圧延材領域(熱間圧延ライン方向長さ)=(Vtop2 − Vthread2 )/2/ α
ここに、Vtop:トップ速度、Vthread :スレッディング速度、α:加速度(スレッディング速度からトップ速度へ向けての)
(3)被圧延材Sの減速開始から減速完了までの被圧延材領域(熱間圧延ライン方向長さ)=(Vtop2 − Vcreep2 )/2/α
ここに、Vcreep:クリーピング速度(被圧延材の尾端が巻取り終わるときの速度)
(4)トップ速度で冷却ゾーン15を通過する被圧延材領域(熱間圧延ライン方向長さ)=スラブ重量実績÷比重÷被圧延材仕上圧延後板厚÷被圧延材仕上圧延後板幅−(1)−(2)−(3)
【0038】
【実施例】
仕上圧延後被圧延材の厚みが2.0mm、幅が900mm(目標CT:約600℃、許容差±40℃)の低炭素鋼のぶりき原板を圧延する場合を例にとり、本発明の効果を検証した。その結果である実績CTと被圧延材長との関係を図2に示す。実績CTが被圧延材の定常部において低めにはずれ気味でも、最尾端100m領域での実績CTが高めにはずれることはなく、極めて制御精度良好であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1に係る熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法によれば、フィードバック制御による注水量を被圧延金属材の速度変動により調整するので、被圧延金属材の巻取温度の高めはずれや低めはずれの問題を起こすことなく、巻取温度の被圧延材全長均一化が図れ、高品質の製品を製造できる、という効果がある。
【0040】
また、本発明のうち請求項2に係る熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法によれば、予め設定される被圧延金属材の速度パターンに基づいて予めわかっている速度変動する被圧延金属材の領域のみ、フィードバック制御による注水量を被圧延金属材の速度変動により調整するので、請求項1に係る発明の効果に加えて、必要以上にフィードバック制御装置の計算負荷を増大させなくても済むという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法が適用される熱間圧延ラインの概略構成図である。
【図2】本発明の冷却制御方法によって制御された被圧延材のCT実績を示すグラフである。
【図3】一般的なスリークォータ式の熱間圧延ラインの概略構成図である。
【図4】一般的な冷却水噴射用ヘッダの概略構成図である。
【図5】従来の冷却制御方法を説明するための模式図である。
【図6】従来の冷却制御方法によって制御された被圧延材のCT実績を示すグラフである。
【図7】被圧延材を仕上圧延する場合の速度について説明するための模式グラフである。
【符号の説明】
1 熱間圧延ライン
2 加熱炉
3 粗圧延機
4 メジャーリングロール
5 クロップシャー
6 デスケーリング装置
7 仕上入側温度計
8 仕上圧延機
10 速度計
11 仕上出側温度計
12 上位計算機
13 計算機
14 制御装置
15 冷却ゾーン
16 巻取温度計
17 コイラー
S 被圧延材
Sa 切板[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a cooling control method for a metal material to be rolled in hot rolling.
[0002]
[Prior art]
In hot rolling, a metal material is heated to several hundred to several hundreds of degrees Celsius, then supplied onto a hot rolling line, and rolled with a roller while being conveyed to a metal plate or metal strip having a desired thickness and width. To do.
For example, as shown in FIG. 3, a hot
[0003]
The hot rolling lines for other metals are also largely the same and differ in that the
Since there are a plurality of
[0004]
In order to give the material to be rolled S a desired material, that is, desired strength and elongation, it is important that the rolled material S after finish rolling is cooled to a desired temperature and then wound. Are known. For this reason, the cooling control of the material S to be rolled in the
The material to be rolled S in the
[0005]
Prior to cooling the material to be rolled S, the number of water injection banks is set so that the material to be rolled S is longitudinally divided into virtual cut plates, and each cut plate becomes the target CT of the material to be rolled S. Alternatively, the number of water injection headers is set by calculation, each cut plate is tracked, and the cut plate control is performed so that cooling water for the set number of water injection banks or water injection headers is actually injected toward each cut plate. Are often used.
[0006]
Alternatively, as shown in FIG. 5, a
[0007]
As a result, the number of irrigation banks or irrigation headers is determined by the initial irrigation bank number or irrigation header number and the feedforward control or feedback control based on the setting calculation for the cut plate when there is no feedforward control or feedback control. It will be determined as the sum of the increase or decrease in the number of water injection banks or water injection headers.
[0008]
In addition, the number of water injection banks or the number of water injection headers can be regarded as the water injection length when viewed in the conveying direction of the material S to be rolled.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, even in the cooling control of the material to be rolled S using both the feedforward control and the feedback control, there are the following problems.
That is, as shown in FIG. 6, as a result of the cooling control of the material S to be rolled, the CT is locally high in the region extending from the inside to the outside of the end 100 m, and in a severe case, an allowance for obtaining a desired material is obtained. Sometimes it was out of range. Incidentally, FIG. 6 shows a case in which a low carbon steel tin plate is rolled with a rolled material having a thickness of 2.0 mm and a width of 900 mm (target CT: about 600 ° C., tolerance ± 40 ° C.) after finish rolling. An example is shown.
[0010]
After investigating the cause, we came up with the following facts. As shown in FIG. 6, the fact is that the winding temperature results in the region referred to here as the stationary part further closer to the tip than inside and outside of the rearmost end 100 m are the target CT due to errors in heat transfer calculation and the like. On the other hand, in the case of a low shift, the above-described phenomenon of local increase in CT occurs.
[0011]
Based on this result, we reached an inference about the cause. The reasoning is that over-control of feedback control is occurring. If the coiling temperature of the stationary part is slightly lower than the above, the feedback control works in a direction to shorten the water injection length with respect to the innermost and outermost regions of the material to be rolled S 100 m. At this time, it is inferred that the feedback control is over-controlled.
[0012]
We have arrived at another reasoning why the feedback control is over-controlled and that it is related to the acceleration / deceleration pattern of the finish rolling speed described below.
As shown in FIG. 7, the finish rolling speed is accelerated and decelerated. Until the tip of the material S to be rolled bites into each stand of the
[0013]
The over-control of the feedback control is related to the fact that the finish rolling speed is reduced at the tail end of the material to be rolled S, which is described last. That is, since the coiling temperature of the steady portion of the material S to be rolled is slightly lower, the feedback control works so as to shorten the water injection length, but the feedback control is performed at the tail end of the material S to be rolled. Therefore, the reduction of the finishing rolling speed is not taken into consideration at all. Therefore, the shortening margin of the water injection length is calculated and actually controlled by using the high top speed at the timing of starting the feedback control. In reality, however, the tail end of the material S to be rolled passes through the cooling zone while gradually decelerating. It is appropriate to reduce the water injection length shortening by the amount of deceleration. However, since the water injection length shortening calculated with the high top speed is large, the water injection length is too short. The phenomenon of offshoot occurs.
[0014]
Similarly, when the CT of the stationary part is slightly higher than the target, it is estimated that the CT of the inner and outer regions of the tail end 100m may be shifted slightly lower, but according to the investigation result (not shown) That phenomenon was also happening.
The first consideration for a solution to these problems is to shorten the feedback control cycle. Conventionally, the normal feedback control has been integral control as described later. However, if feedback control is performed for each sheet instead of every several sheets, the responsiveness is improved and the finish rolling speed is increased. Even if there are fluctuations in the speed of the material to be rolled due to fluctuations, it is possible to detect the sign of the actual CT being off or low, and the water injection length is adjusted accordingly, so that the actual CT can be prevented from deviating from high or low. It is estimated that. However, this method is not sufficient when actually implemented. Even if the number of cutting plates is one and the feedback control is performed for each cutting plate, the base cutting plate for which the result should be feedback-controlled may already be outside the CT tolerance range, Furthermore, attempts to increase the responsiveness by further dividing the cut plate not only unnecessarily increase the calculation load of the control unit, but also hunting due to the response delay of the cooling water injection valve of the water injection bank There was also a concern that it could only lead to the control and the actual antiphase oscillation phenomenon.
[0015]
The present invention solves such a problem of the prior art, and even when there is a fluctuation in the speed of the material to be rolled, the coiling temperature is appropriately controlled so that a desired material can be imparted to the material to be rolled. With the goal.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the cooling control method for a rolled metal material in hot rolling according to
[0017]
Moreover, the cooling control method of the metal material to be rolled in the hot rolling according to
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a three-quarter hot rolling line to which a cooling control method for a metal material to be rolled according to the present invention is applied.
In FIG. 1, a
[0019]
Here, when the material to be rolled S rough-rolled by the
[0020]
This target water injection length calculation is based on the finisher entry temperature (Finisher Entry Temperture, hereinafter simply referred to as FET) measured by the finisher side thermometer 7 when each cut plate Sa reaches just below the finisher side thermometer 7. Based on the above, a finisher delivery temperature (hereinafter simply referred to as FDT) is predicted and calculated, and the water injection length L is determined by model calculation using the predicted FDT as an input, or actually, the cutting plate is actually used. When Sa reaches just below the finisher-
[0021]
Further, the target water injection length calculation for each cut plate Sa is transmitted from the
[0022]
Although it is the above-mentioned calculation logic outline, first, it corresponds to which position in the state of the to-be-rolled material S before the start of finish rolling where the cut plate Sa is located in the longitudinal direction of the to-be-rolled material S. The following calculation is performed based on the data of how much the actual FDT was. Based on the above-mentioned threading speed, top speed, acceleration, deceleration, creeping speed and mechanical distance between each component, the main components (F1, F7, cooling zone 15 entry side, exit side) The time required to reach the temperature is predicted and calculated, and then, based on the required time, the temperature drop of the material to be rolled S due to cooling until it reaches the entry side of the cooling zone 15, Temperature fluctuations such as the temperature drop of the rolled material S due to the scaling water and the cooling water injection of the rolled material between the stands in the
[0023]
Here, when the cut plate Sa passes through the cooling zone 15, which bank or header is placed in the cooling water injection state, whether the cut plate Sa can be cooled to the target CT depends on a certain bank or header (1 When the cooling water is injected from the above, the time required for the cut plate Sa to pass through the zone corresponding to the bank or the header is determined by the above threading speed, top speed, acceleration, deceleration, creeping speed and From the calculation result based on the mechanical distance between each component equipment, the heat transfer calculation model determines how many degrees Celsius the cut plate Sa is cooled in that time, and it is still more predetermined than the target CT. If the value is higher than this value, the target CT will be the result of a series of calculation processes to calculate whether the bank or header immediately downstream is also injected. Repeated may be determined by the convergence calculation.
[0024]
A lot of data based on the computer settings of the bank or header for jetting the cooling water and the target cut plate Sa obtained by such calculation is transmitted to the
[0025]
By the way, a little ingenuity is required for tracking after the tail end of the material to be rolled S has passed through the finishing
[0026]
Further, the temperature of the cut plate Sa when the cut plate Sa reaches immediately below the finish-
After the material to be rolled S is cooled by the cooling zone 15, the winding temperature of the material to be rolled S is measured by the winding
[0027]
And the above-mentioned water injection amount by this feedback control is adjusted by the speed fluctuation of the material S to be rolled.
The adjustment of the amount of water injection by the feedback control by speed fluctuation will be specifically described. First, the time t when the tip of the material S to be rolled passes through the winding
[0028]
[Expression 1]
[0029]
Is stored in the
The above time Δt i Is sufficiently small, but conversely, setting it large has the advantage that the calculation load on the
[0030]
The arrival of a target cutting plate Sa directly below the winding
[0031]
ΔH (t) = Time average of ΔCT (t) / ΔT (t)
Here, ΔT is the temperature T of the material to be rolled S in the cooling zone most downstream bank or the most downstream header of the material to be rolled S at time t 1 (however, this temperature cannot be measured due to the influence of normal cooling water landing). The temperature predicted by the prediction logic not described in detail using the coiling temperature prediction model in advance is used as a substitute), and the finish measured by the finish side thickness gauge of the target cutting board Sa that was directly under the coiling
ΔT (t) = (ΔTthread (t)-ΔTtop (t)) / (Vthread-Vtop) × (V-Vtop) + ΔTtop (t)
Here, ΔTthread (t) represents the threading speed Vthread, and ΔTtop (t) represents ΔT at the top speed Vtop.
[0032]
In this way, if the actual
[0033]
Therefore, the problem of over-control of feedback control, which is a problem of the above-described conventional technology, is solved.
Here, some of the most downstream banks or headers of the cooling zone 15 are determined as adjustment zones, and the number of water injection banks or headers increased or decreased by feedback control, that is, the increase or decrease ΔH of the water injection length is reflected. It is also preferable to control the water injection length. This is because the result of feedback control can be captured by the most direct and fastest method.
[0035]
As mentioned above, although embodiment of this invention has been described, this invention is not limited to this, A various change can be made.
For example, in the present invention, feedback control is performed according to the timing.
(1) Control operation to correct the error of the winding temperature prediction model (conventional feedback control)
(2) It is also preferable to separately perform two types of control (feedback control of the above-described embodiment) for preventing fluctuations in cooling capacity per water injection bank or header due to fluctuations in the actual speed value of the material to be rolled. .
[0036]
This is because it has been found that the increase or decrease in the coiling temperature, which is a problem of the prior art, occurs only in the rolled material region in which the speed of the material S varies, and therefore the material in which the speed of the material S varies. Since the material region can be known in advance by the calculation described below, it is switched to the feedback control of the above-described embodiment a little before the region comes, and the region passes a little before the region comes. This is because if the conventional feedback control is performed a little later, it is not necessary to increase the calculation load of the
[0037]
Control (2) is performed in the rolled material region of the following (2) and (4) accompanied by acceleration or deceleration, and (1) is controlled in the rolled material region of (1) and (3) that is not. To.
(1) Rolled material region (length in the hot rolling line direction) from the tip of the rolled material S to the start of acceleration (acceleration from the threading speed toward the top speed) = from the final stand of the finishing mill to the winding device Hot rolling line direction length
(2) Rolled material region (length in hot rolling line direction) from start of acceleration of rolled material S to completion of acceleration = (Vtop 2 − Vthread 2 ) / 2 / α
Where Vtop: top speed, Vthread: threading speed, α: acceleration (from threading speed to top speed)
(3) Rolled material region (length in hot rolling line direction) from start of deceleration to completion of deceleration of material to be rolled S = (Vtop 2 − Vcreep 2 ) / 2 / α
Here, Vcreep: Creeping speed (speed when the tail end of the material to be rolled ends)
(4) Rolled material region passing through the cooling zone 15 at the top speed (length in the hot rolling line direction) = slab weight result / specific gravity / sheet thickness after finished rolling of rolled material ÷ sheet width after finished rolling of rolled material− (1)-(2)-(3)
[0038]
【Example】
The effect of the present invention will be described by taking as an example the case of rolling a low carbon steel tin plate having a thickness of 2.0 mm and a width of 900 mm (target CT: about 600 ° C., tolerance ± 40 ° C.) after finish rolling. Verified. The relationship between the result CT and the length of the material to be rolled is shown in FIG. It can be seen that even if the actual CT is slightly shifted in the steady portion of the material to be rolled, the actual CT in the region of 100 m at the end is not significantly increased and the control accuracy is very good.
[0039]
【The invention's effect】
According to the cooling control method of a rolled metal material in hot rolling according to
[0040]
Moreover, according to the cooling control method of the rolled metal material in the hot rolling according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a hot rolling line to which a cooling control method for a metal material to be rolled in hot rolling according to the present invention is applied.
FIG. 2 is a graph showing the CT performance of a rolled material controlled by the cooling control method of the present invention.
FIG. 3 is a schematic configuration diagram of a general three-quarter hot rolling line.
FIG. 4 is a schematic configuration diagram of a general coolant injection header.
FIG. 5 is a schematic diagram for explaining a conventional cooling control method;
FIG. 6 is a graph showing the CT performance of a rolled material controlled by a conventional cooling control method.
FIG. 7 is a schematic graph for explaining a speed when finish rolling a material to be rolled.
[Explanation of symbols]
1 Hot rolling line
2 Heating furnace
3 Rough rolling mill
4 Majoring roll
5 Cropshire
6 Descaling device
7 Finishing-side thermometer
8 Finishing mill
10 Speedometer
11 Finishing side thermometer
12 Host computer
13 Calculator
14 Control device
15 Cooling zone
16 Winding thermometer
17 Coiler
S Rolled material
Sa cutting board
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