JP4780496B2 - 光応答性酸素吸着材料及び酸素分子濃度の調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素分子を可逆的に吸着・脱離する光応答性酸素吸着材料、及びその吸着材料を用いて主に大気中の酸素分子濃度を調整する方法に関する。
太陽電池や燃料電池などを利用した新しいエネルギーが開発されているが、これらの実用化及び普及を待つ間、引き続き化石燃料の利用を余儀なくされている。例えば火力発電では石油・石炭・天然ガス等の化石燃料を燃焼して電気エネルギーを得ているが、これによる大気汚染問題は依然として深刻である。この解決策の一つに気体中の酸素富化による燃焼効率の向上が挙げられる。酸素は大気中に21%含有され、この濃度を上げれば、被燃焼物を完全燃焼できる。
酸素分子を可逆的に脱離・吸着できる酸素運搬体の例として、ヘモグロビン中のヘムのような、ポルフィリン−金属イオン錯体が挙げられる。例えば、特許文献1には、生体内で酸素を吸着及び脱離できるポルフィリン構造を有する金属錯体とアルブミンとの複合体の製造方法が提案されている。
しかし、ポルフィリン−金属イオン錯体は、使用できる錯体の種類が限られ、また製造方法、使用方法が煩雑であった。
ポルフィリン以外の錯体では、サレーンのコバルト錯体であるN,N´ビス(サリチリデン)-エチレンジアミノコバルト(以下、サルコミンという。)が酸素分子を可逆的に吸着及び脱離する。特に、サルコミン内のコバルトの第五配座に、ピリジン、イミダゾール等の適当な軸塩基性化合物が配位すると、酸素分子が空の第六配座へ結合することが知られている。この酸素分子の結合は特異的かつ可逆的であり、軸塩基の例えばピリジン内窒素等の非共有電子対に由来する塩基性が高いほど、結合能は増大する。
例えば、サルコミンのモノピリジン化物を多孔性物質に担持させた酸素吸着分離剤、及びそれを用いた圧力変動式吸着分離法(PSA法)による空気中の酸素の吸着分離方法が、特許文献2で提案されている。
特開2005−097290公報 特開平5−007771号公報
しかし、上記のようなサルコミン系酸素吸着分離剤及び分離方法では、吸着分離剤を担持させる多孔性物質と、酸素分子を吸着分離剤から分離するための減圧装置とが必要であった。また、酸素分子の吸着及び脱離は酸素分圧による平衡反応を利用しているため、さらに効率と作業性の良い酸素分子の吸着及び脱離方法が望まれていた。
そこで、本発明者は、光の照射に応答して可逆的に塩基性の強度が変化する光応答性の軸塩基性化合物に着目し、この化合物とサルコミンのような金属サレーン錯体との間の相互作用により、酸素分子の吸着及び脱離を制御できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(7)に関する。
(1) 軸塩基性配位子の有無により可逆的に酸素分子の吸着及び脱離の転移を示す金属サレーン錯体類(a)、及び
前記金属サレーン錯体類と配位結合する軸塩基性部位を有し、光照射により可逆的に異性化を示し、前記配位結合に対する立体障害の度合いと、軸塩基性部位の塩基性との少なくとも一方が、前記異性化による異性体同士で異なり、かつ、軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が、前記異性体同士で異なる光応答性化合物(b)
を含むことを特徴とする光応答性酸素吸着材料。
(2) 軸塩基性部位がスチルバゾール構造である前記(1)記載の光応答性酸素吸着材料。
(3) 金属サレーン錯体の中心金属がコバルトである前記(1)または(2)記載の光応答性酸素吸着材料。
(4) 光応答性化合物が、軸塩基性部位を含む側鎖と、炭素数2以上の有機基である側鎖とを有する共重合体である前記(1)〜(3)のいずれか記載の光応答性酸素吸着材料。
(5) 炭素数2以上の有機基が炭素数4〜15の脂肪族炭化水素基を含む前記(4)記載の光応答性酸素吸着材料。
(6) 前記共重合体が、アルキル(メタ)アクリレートと、スチルバゾール(メタ)アクリレートとの共重合体である前記(4)または(5)記載の光応答性酸素吸着材料。
(7) 前記(1)〜(6)のいずれか記載の光応答性酸素吸着材料へ光照射して、光応答性化合物を軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が高い異性体へ異性化する工程と、
酸素分子を含有する酸素分子吸着用の環境下で、酸素分子を前記配位能が高い異性体へ異性化された吸着材料中の金属サレーン錯体類へ結合させる工程と、
前記酸素分子が結合している光応答性酸素吸着材料を、酸素分子吸着用の環境から、酸素分子脱離用の環境へ移動する工程と
前記酸素分子が結合している光応答性酸素吸着材料へ、酸素分子脱離用の環境下で光照射して軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が低い異性体へ異性化して、酸素分子を金属サレーン錯体類から脱離させる工程と
を含む酸素分子濃度の調整方法。
本発明の吸着材料は、光照射のみで空気中の酸素分子の吸着及び脱離を制御できるため、この吸着材料を用いる酸素吸着及び脱離システムを簡便化できる。例えば、肺疾患の患者が利用する、従来は重い酸素ボンベを引いて携帯していた酸素供給装置等の軽量化、小型化に有効に用いられる。
また、本発明によれば、火力発電等において、空気中の酸素を富化した高酸素濃度下で化石燃料を燃焼できるため、不完全燃焼比率が減少する。これにより、従来と同等のエネルギーを少ない化石燃料で獲得できる。また使用燃料量が減るため、放出される二酸化炭素量や窒素酸化物NO量も減少する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の光応答性酸素吸着材料は、軸塩基性の光応答性化合物と金属サレーン錯体類とを含む。
本発明において、金属サレーン錯体類とは、金属とサレーンとの錯体またはその誘導体とし、軸塩基性配位子の有無により、可逆的に酸素分子の吸着及び脱離の転移を示す。例えばコバルト(II)のサレーン錯体であるサルコミンを、その誘導体としては、フルオミンすなわちN,N´ビス(3−フルオロサリチリデン)−エチレンジアミノコバルトや、2つのベンゼン環の3位、4位、5位または6位の水素がアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、β−カルボキシエチル基、クロロ基、アリル基、ヒドロキシル基などで置換された化合物を用いることができる。他の金属サレーン錯体には、鉄(II)サレーン錯体が挙げられる。なかでもサルコミンが好適に用いられる。
サルコミンが配位子及び酸素分子と配位する構造を下式(1)に示す。下式(1)のように、金属サレーン錯体類は、錯体の中心金属の第5配座に軸塩基性配位子が配位結合していると、残りの第6配座へ酸素分子が特異的に結合する。
Figure 0004780496
(ただし、式(1)で、Lは軸塩基性配位子である。)
光応答性化合物とは、光の照射によってその性質が変化する特性を備えた物質であり、例えば、光の照射に応答して立体構造の異性化を起こす物質である。光照射に応答した異性化(以下、光異性化という。)により得られる異性体の例として、シス体とトランス体、開環体と閉環体、等が挙げられる。本発明では、光応答性化合物のうち、可逆的に光異性化を示し、かつ上記のような金属サレーン錯体類と配位結合できる軸塩基性配位子の部位を含有するものを使用する。
金属サレーン錯体類と配位結合できる軸塩基性配位子の部位(以下、軸塩基性部位という。)の構造は、窒素含有ヘテロ環式化合物類、例えばピリジン、スチルバゾール等のピリジン構造、イミダゾール、ヒスチジン、プリン等のイミダゾール構造;炭素環式アミン類;エチルアミン、ブチルアミン等の脂肪族アミン類などが挙げられる。これらのうち、光応答性でありかつ光照射を止めてからも照射時の異性化の比率を維持する(以下、フォトンモードという。)部位が好ましい。
具体的には、スチルバゾール構造の軸塩基性部位が、金属サレーン錯体の中心金属に直接結合する末端の部分で軸塩基性を持っており、かつ前記末端から続く構造に光異性化する部分があるため、好ましい。スチルバゾールは、スチリルピリジンともいい、スチルベンの片方のアリル基がピリジル基のものである。ピリジル基は、4−ピリジル基が好ましい。
本発明における光応答性化合物は、軸塩基性部位が金属サレーン錯体類へ配位する配位能が、異性体同士で異なる強さの配位能を示す。具体的には、(1)軸塩基性部位の塩基性が異性体同士で異なる場合、(2)前記配位結合に対する立体障害の度合いが異性体同士で異なる場合が挙げられる。上記(1)、(2)の少なくとも一方であれば、異性体同士は異なる強さの配位能を持つことができる。上記(1)、(2)の両方を満たす場合、配位能の強い方の異性体が(1)と(2)とで同じ異性体であることが好ましい。
このように異性体が異なる強さの配位能を有することにより、例えば上記(1)の場合、まず所定の波長の光を照射して光応答性化合物を塩基性の強い異性体とすると、異性体の軸塩基性配位子は金属サレーン錯体類の第5配座へ強く配位する。これに伴い、金属サレーン錯体類の第6配座に酸素分子が強固に結合する。これに例えば別の波長の光を照射すると、塩基性の弱い異性体へ異性化し、軸塩基性配位子の、金属サレーン錯体類の第5配座への配位能が弱くなる。これに伴い、第6配座に結合している酸素分子も結合能が弱まり脱離する。
以上により、光応答性酸素吸着材料を酸素運搬体として機能させて、酸素分子吸着用の環境中の酸素分子を、酸素分子脱離用環境へ移動できる。これにより酸素分子を酸素分子脱離用環境内へ濃縮することができる。また酸素分子吸着用環境内から酸素分子を減少させることができる。
次に、上記(2)の場合について説明する。光応答性化合物は、(2)のような立体障害性を得るためには、側鎖に軸塩基性部位を含む重合体であることが挙げられる。重合体であると、金属サレーン錯体類の第5及び第6配座の両方に軸塩基性配位子が配位して酸素分子が金属サレーン錯体類に吸着できなくなるのを防ぎ、第5配座のみに軸塩基性配位子を配位させることができる。(1)の塩基性を有している場合は、光応答性化合物は重合体でなくとも軸塩基性配位子自体であっても良い。
また光応答性化合物は、軸塩基性部位を含む側鎖と、炭素数2以上の有機基である側鎖とを有する共重合体であるのが、(2)のためにはより好ましい。
有機基の側鎖を嵩高い基とすることによりこの有機基が立体障害基として作用し、金属サレーン錯体類の第5配座のみに軸塩基性配位子が配位し、第6配座には酸素が結合するのをさらに促進できる。有機基の側鎖は、立体障害の度合いが低い方の異性体の軸塩基配位子と第5配座で結合している金属サレーン錯体類の、第6配座に酸素分子のような小さい分子は入れるが、大きい分子は入れない程度の空間を確保できるような嵩高さであるのが好ましい。
これにより、まず、軸塩基性部位と有機基の側鎖との立体構造上の間隔が広い異性体に、金属サレーン錯体類の第5配座は強く配位し、充分な空間を有する金属サレーン錯体類の第6配座に酸素分子が結合する。次いで光応答性により軸塩基性部位と有機基の側鎖の間隔の狭い異性体へ異性化すると、立体障害により軸塩基性配位子の配位結合が妨げられる。これに伴い、第6配座に結合している酸素分子の結合も希薄になり、より脱離しやすくなる。また、(1)の塩基性を有する共重合体の場合、異性体のうち塩基性の低い異性体(すなわち配位能及び酸素結合能の低い異性体)を、軸塩基性部位と有機基の側鎖との間隔が狭い異性体とするのが、酸素吸着及び脱離の効率を向上する点で好ましい。
炭素数2以上の有機基中の炭化水素基は、直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基のいずれでもよく、不飽和結合を含んでいても、ケトンやエーテル結合等の置換基で置換されていても良い。炭化水素基は脂肪族炭化水素基が好ましく、特に、tert−ブチル基のような嵩高いアルキル基が好ましい。
また、有機基は、オキシアルキレン基のようにヘテロ原子を含んでいてもよい。例えば有機基として、−COO−R基(ここでRはアルキル基、アルコキシアルキル基またはアラルキル基)が挙げられる。
有機基の炭素数は、軸塩基性配位子の異性体構造や、本発明の光応答性酸素吸着材料の使用温度等に応じて適宜選択される。低温で使用すると分子の熱運動が小さいため、第5、6配座の両方に軸塩基性配位子が配位するのを炭素数が少なくても防止できる。上記Rの好ましい炭素数は、脂肪族炭化水素基の場合、4〜15、より好ましくは8〜15であり、粘性などを考慮すると、有機基が−COO−C17であるのがさらに好ましい。
有機基の構造は、上記した金属サレーン錯体類の第5配座のみに軸塩基性部位を配位させる点、及び塩基性の低い異性体で軸塩基性部位と有機基の側鎖との間隔を狭める点等を立体障害的に考慮して、適宜選定することができる。
前記光応答性化合物と金属サレーン錯体類とは、溶媒中に溶解した溶液でも、膜状の固相であっても良く、可逆反応の再現性の点からは溶液が、液漏れ等の実用上の一般的な問題からは固相が好ましい。溶液に用いる溶媒は、効率良く光応答性化合物に光を照射するために、両異性体の吸収帯に自身の吸収帯を持たない溶媒が良い。また、揮発性、光照射による変性しやすさ、環境への影響等を考慮して、適宜選択される。具体的にはテトラヒドロフラン(以下、THFともいう。)、トルエンなどが挙げられる。
光応答性化合物が重合体または共重合体である場合、主鎖部分はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリ酢酸ビニル等の構造が例示され、適宜選択される。特にポリアルキル(メタ)アクリレート構造が好ましい。例えば、前記共重合体が、アルキル(メタ)アクリレートと、スチルバゾール(メタ)アクリレートとの共重合体であるのが好ましい。重合度は異性化効率、溶液中の粘性等の観点から適宜選択される。
下式(2)に、光応答性化合物がスチルバゾール構造を有する共重合体ポリ(オクチルメタクリレート−コ−スチルバゾールメタクリレート)であり、金属サレーン錯体類がサルコミン(式(2)中、CoSと表記。)である場合の本発明の酸素吸着材料の、光照射による作用を示す。
Figure 0004780496
(ただし、式(2)でnはモル比で0<n<1である。)
ポリ(オクチルメタクリレート−コ−スチルバゾールメタクリレート)(以下、P(OMA−SBMA)という。)は式(2)右辺のトランス体の溶液に暗所下300〜370nmの紫外光を照射すると左辺のシス体へ異性化する。シス体へ254nm近辺の紫外光を照射すると右辺のトランス体へ異性化する。これらの反応は可逆である。また、光照射の終了後、次に上記いずれかの波長の紫外光を照射するまで異性化の平衡は移動しない。
塩基性が高く、かつ立体障害の度合いが低いトランス体のP(OMA−SBMA)は式(2)右辺のようにサルコミン(CoS)の第5配座と強く配位結合し、酸素分子は第6配座に吸着する。
光異性化して左辺のシス体P(OMA−SBMA)になると、サルコミンと配位する部位が、嵩高いオクチルメタクリレート鎖と立体的に近いため、サルコミンの配位能が立体障害により抑制される。シス体自体塩基性が低いこととも相俟って酸素結合能は低下し、酸素は脱離しやすい。
この異性化挙動の一例をP(OMA−SBMA)のTHF溶液(式(2)中のnは0.8)の紫外可視吸収スペクトルで図1(a)、(b)に示す。図1(a)の吸収スペクトル1はトランス体の吸収スペクトルであり300nm近辺に吸収を示す。300〜370nm光照射により矢印のようにトランス体由来の吸収帯が次第に減衰して吸収スペクトル2のシス体由来の短波長側の吸収帯に変化する。続いて254nmの光を照射すると図1(b)のようにシス体の吸収スペクトル2から300nm近辺の吸収が増大して元のトランス体と同じ吸収帯の吸収スペクトル3に戻る。図1(a)、(b)とも等吸収点が認められるので他の反応は起こっていないことがわかる。
P(OMA−SBMA)のSBMA部分にあたる、単量体のスチルバゾールメタクリレートのトランス体及びシス体を別個に溶媒に溶解し、各種pH下で紫外可視吸収スペクトルを測定して吸収帯の吸光度とpHからpKa値を求めた例を図2に示す。ただし、前記溶媒は水:メタノール=3:7体積比の混合溶媒である。図2において、図2中のトランス体のプロット(a)がpKa=4.60、シス体のプロット(b)がpKa=4.28で、トランス体がシス体よりも塩基性が高い、すなわち金属サレーン錯体類への配位能および酸素結合能が強いことがわかる。
次に、P(OMA−SBMA)及びサルコミンのトルエン溶液における酸素吸着・脱離の光応答性を紫外吸収スペクトルにより図3に示す。
図3中の(a)は、窒素雰囲気下におけるトランス体のP(OMA−SBMA)及びサルコミンの溶液の吸収スペクトルである。ここでサルコミンはSBMA先端のスチルバゾールが第五配座に配位して第六配座は空いている。
この溶液に1気圧純酸素を供給すると、図3中の(b)に示すように吸収スペクトルの560nm付近を中心とする吸収帯が増大する。この吸収が、酸素分子がサルコミン第六配座に結合したためであることは、既に確認されている。
別に、上記(a)の溶液に、窒素雰囲気下にて300〜370nmの紫外光を照射した後、純酸素を供給すると、図3中の(c)に示すように560nm付近の吸収帯が増大するが、前記(b)の増大には及ばない。これは、300〜370nmの紫外光でP(OMA−SBMA)がシス体化したため、酸素結合能がトランス体よりも低下したためである。
光応答性化合物が共重合体である場合、有機基の側鎖と、軸塩基性部位を含む側鎖との共重合比は同モル量が好ましい。上記式(2)中で共重合比はn:(1−n)で示され、0<n<1であり、nが少なすぎると金属サレーン錯体類の第6配座にも軸塩基性部位が配位するおそれがあり、nが多すぎると金属サレーン錯体類の稼動率が低くなるおそれがある。
本発明の光応答性酸素吸着材料には、以上のような光応答性化合物及び金属サレーン錯体類のほかに、吸着材料の特性を制限しない範囲内で、架橋剤、光増感剤等の添加物を適宜添加しても良い。本発明の光応答性酸素吸着材料は、溶液や固相膜を他の媒体や素材と共に酸素分離吸着剤へ加工することができる。
本発明の酸素分子濃度の調整方法は、本発明の光応答性酸素吸着材料へ、光照射して、光応答性化合物を軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が高い異性体へ異性化する工程と、
酸素分子を含有する酸素分子吸着用の環境下で、酸素分子を前記配位能が高い異性体へ異性化された吸着材料中の金属サレーン錯体類へ結合させる工程と、
前記酸素分子が結合している光応答性酸素吸着材料を、酸素分子吸着用の環境から、酸素分子脱離用の環境へ移動する工程と
前記酸素分子が結合している光応答性酸素吸着材料へ、酸素分子脱離用の環境下で光照射して軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が低い異性体へ異性化して、酸素分子を金属サレーン錯体類から脱離させる工程と
を含む。
本発明の酸素分子濃度の調整方法を、P(OMA−SBMA)及びサルコミンからなる酸素吸着材料の溶液を例として具体的に説明する。
まず、サルコミンへの配位能の高いトランス体のP(OMA−SBMA)及びサルコミンからなる酸素吸着材料を、溶媒中に溶解して溶液を得る。この溶液を例えば溶液に酸素分子を含む気体を導入することにより、酸素分子を含む酸素分子吸着用の環境下におくと、式(2)右辺のように軸塩基性部位のスチルバゾール部分にサルコミンが配位し、酸素分子はサルコミンの残りの第6の配座に選択的に1:1の比率で吸着する。酸素分子を含む気体として大気を用いると作業が簡便である。
次に、上記酸素が吸着している酸素吸着材料を酸素分子脱離用の環境へ移動する。酸素分子脱離用の環境は、例えば酸素濃縮用の燃焼系ならば燃焼室である。次いで、300〜370nmの紫外光を照射する。これによりトランス体はシス体へ異性化し、式(2)左辺のように酸素分子の吸着能は低下してサルコミンから脱離する。脱離して溶液内へ、さらに雰囲気中へ酸素分子が放散される。雰囲気中から酸素分子を回収する場合は、シス体への異性化が完了して光照射を終了した後で、酸素分子を回収してもよい。
気体の導入は通常のエアレーション装置が使用できる。また、酸素分子を含んでいる気体を導入する他、既に酸素を溶存させた液体中に、酸素吸着材料を溶解させても良い。酸素脱離時に、溶液中に残存する酸素分子を低減して放散効率を向上するために、必要に応じて減圧等の放散促進手段を併用しても良い。
酸素分子脱離後の酸素吸着材料に、254nmの紫外光を照射すると、シス体から式(2)右辺のトランス体へ光異性化するので、酸素分子吸着能が回復する。これを酸素分子吸着用の環境へ移動して、繰り返し酸素分子濃度の調整に使用できる。254nmの紫外光照射による光異性化工程は、酸素分子吸着用の環境へ移動してからおこなっても、それまでにおこなっても良い。前もってトランス体化しておくと、酸素吸着材料は酸素分子吸着用の環境下で、光照射なしに酸素分子を吸着できる。
スチルバゾール構造を有する光応答性化合物を用いた光応答性酸素吸着材料について説明したが、他の構造の光応答性化合物を用いた場合についても同様の方法で酸素分子の濃縮または低減を行うことができる。
次に、本発明を実施例によってより具体的に説明する。なお、本実施例により本発明を限定するものではない。
(単量体の光応答性化合物:SBMA(スチルバゾールメタクリレート)の合成)
ジイソプロピルアミン(東京化成工業株式会社製、99%、品番D0925、分子量101.19)を3.7ml(27.5mmol)、
テトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製、99.5%、品番200−00486、分子量72.11)を100ml、
n−ブチルリチウム(東京化成工業株式会社製、ca.15%、n−ヘキサン溶液、品番B0396、分子量64.06)を17ml(27.5mmol)、
γ−ピコリン(和光純薬工業株式会社製、99%、品番161−02603、分子量93.13)を3.76ml(25mmol)、
o−アニスアルデヒド(東京化成工業株式会社製、99%、品番A0480、分子量136.15)を3ml(25mmol)、
無水酢酸(関東化学株式会社製、97%、品番01022−00、分子量102.09)を300ml、
ジクロロメタン(和光純薬工業株式会社製、98%、品番130−02457)を200ml、
ボロントリフルオリド−メチルスルフィド錯体(アルドリッチ社製、品番353-43-5、分子量129.94)を42ml、
塩化メタクリロイル(和光純薬工業株式会社製、97%、品番130−11742、分子量104.54)を0.648ml(8mmol)、
トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製、99%、品番202−02646、分子量101.19)を2.0ml(14mmol)、
N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製、99.5%、品番11339−25)を15ml用意した。
まず、三口フラスコの一つの口には玉入り冷却機、別の一つの口には窒素供給用のゴム栓付きパスツールピペット、もう一つの口にはセプタムラバー製のキャップを装着させ、そのフラスコ中でジイソプロピルアミンとテトラヒドロフランとを溶解させた。その後、30分間の窒素供給により反応系内を窒素雰囲気下にした後、−20℃まで冷却した。さらに前記キャップから注射器を用いてn−ブチルリチウムをゆっくりと滴下した。続いて15分間の攪拌後にγ−ピコリンを同様に滴下し、再び15分間攪拌した。その後、o−アニスアルデヒドを同様に滴下し、8時間攪拌した。
この攪拌後に得られた溶液からエバポレータにて溶媒を除去すると、白色の固体が得られた。この白色の固体を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルにて分液操作を行い、有機相を採取した。この有機相からエバポレータを用いて溶媒を除去して白色固体を得た。
この白色固体をなす型フラスコ内にて無水酢酸に溶解させ、140℃で12時間還流させた。得られた黒色の溶液をエバポレータにて溶媒を除去すると黒色の固体が得られた。
この黒色の固体を上記の三口フラスコと同様の反応装置内にてジクロロメタンに溶解させ、30分間の窒素供給により反応系内を窒素雰囲気下にした後、−20℃まで冷却した。さらにキャップから注射器を用いてボロントリフルオリド−メチルスルフィド錯体をゆっくりと滴下した。その後、16時間攪拌した後に、フラスコ内の内容物を別容器に移し替えた。沈殿した黒色固体を採取し、酢酸エチルとpH8に調整した水とを用いて分液操作を行った。有機相を採取し、溶媒を除去した後、得られた固体をメタノール/ヘキサンで再結晶して薄茶色の粉末を得た。
続いて、二口フラスコの一つの口には滴下ロート、もう一つの口には玉入り冷却機を装着させた反応装置内で、上記の薄茶色の粉末をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、トリエチルアミンを加えた後、塩化メタクリロイルを滴下ロートからゆっくりと滴下した。室温で12時間攪拌した後に溶媒をエバポレータで除去し、水とクロロホルムを用いて分液操作を行った。有機相を採取し、エバポレータにて溶媒を除去すると薄茶色の固体のSBMAが得られた。SBMAの収率は35%、収量は2.2gだった。
(高分子光応答性化合物:P(OMA−SBMA)の合成)
上記で合成したSBMAを400mg(1.6mmol)、
メタクリル酸2−エチルヘキシル(OMA、東京化成工業株式会社製、99%、品番GH01、分子量198.3)を2.3g(11.6mmol)用意した。他に、
ベンゾニトリルを5ml、
重合開始剤2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN、関東化学株式会社製、97%、品番01467−30、分子量164.21)を4mg(OMA+SBMAのモル数の1/100)、
重合禁止剤ハイドロキノン(東京化成工業株式会社製、99%、品番H0186)、
及びメタノールを用意した。
まず、二口フラスコの一つの口には玉入り冷却機、もう一つの口には窒素供給用のゴム栓付きパスツールピペットを装着し、その中でOMAとSBMAとをベンゾニトリルに溶解させた。
前記のフラスコ内に乾燥窒素をパスツールピペットから30分間供給して装置内の湿気及び酸素を除去した。
AIBNを加え、引き続き乾燥窒素を20分間供給した後、オイルバスでフラスコの温度を60℃に上昇させた。更に3時間反応させた後、ハイドロキノンを加えて反応を停止させた。
フラスコ内の反応物を、大量のメタノールに少量ずつ滴下して沈殿精製させた。この沈殿物を濾紙で濾別し、減圧乾燥してOMAとSBMAとの共重合体P(OMA−SBMA)を1.37g(収率51%)得た。組成比はOMA:SBMA=80:20(モル%)だった。
(紫外線の照射方法)
300〜370nmの紫外光の光源は、キセノンショートアークランプ(500W)(ウシオ電機株式会社製)を使用し、紫外透過可視吸収フィルター(シグマ光機株式会社製、品番UTVAF-50S-34U)を用いた。また、254nmの紫外光の光源は、水銀ランプ(SPECTRONICS社製、品番11SC-1)を使用した。
(P(OMA−SBMA)を溶解させたTHF溶液における紫外可視吸収スペクトル測定)
上記で合成したP(OMA−SBMA)をまずH−NMRによりSBMA成分が全てトランス体であることを確認した。
P(OMA−SBMA)をTHFに溶解させると、紫外可視吸収スペクトルは、図1(a)に吸収スペクトル1で示すように300nm近辺にトランス体由来の吸収が観測された。この溶液に300〜370nm紫外光を照射すると、矢印のようにこのトランス体由来の吸収帯が次第に減衰して吸収スペクトル2のシス体由来の短波長側の吸収帯に変化した。続いて254nmの光を照射すると図1(b)のようにシス体由来の吸収帯の吸収スペクトル2から300nm近辺の吸収が増大して元のトランス体と同じ吸収帯の吸収スペクトル3に戻った。図1(a)、(b)とも等吸収点が認められるのでP(OMA−SBMA)の光異性化以外の反応は起こっていないことが確認された。
(SBMA単量体のpKa測定)
上記で合成したスチルバゾールメタクリレート単量体のトランス体及びシス体を別個に溶媒に溶解し、各種pH下で紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、pHを下げるにつれ、長波長側に新たな吸収帯が出現した。この新たな吸収帯の吸光度とpHとからpKa値を求めた。結果を図2に示す。なお、前記溶媒は水:メタノール=3:7体積比の混合溶媒とした。図2から、図2中のトランス体のプロット(a)がpKa=4.60、シス体のプロット(b)がpKa=4.28で、これから、SBMAはトランス体がシス体よりも塩基性が高い、すなわち酸素結合能が強いことがわかった。
(P(OMA−SBMA)及びサルコミンが共存するトルエン溶液の調製)
上記で合成したP(OMA−SBMA)を4.4mg、サルコミンすなわちN,N´ビス(サリチリデン)-エチレンジアミノコバルト(II)(アルドリッチ社製、品番27471−2)を0.075mg、窒素雰囲気下でトルエンに溶解させた。
(P(OMA−SBMA)及びサルコミンの光応答性測定)
P(OMA−SBMA)及びサルコミンのトルエン溶液における酸素吸着・脱離の光応答性を紫外可視吸収スペクトルにより図3に示した。
すなわち、上記で調製したトランス体のP(OMA−SBMA)及びサルコミンを溶解させたトルエン溶液は、窒素雰囲気下、薄茶色の溶液で、吸収スペクトルを測定したところ、図3中の(a)であった。ここでサルコミンは、SBMA先端のスチルバゾールが第五配座に配位して第六配座は空いている。
この溶液に1気圧純酸素を供給すると、図3中の(b)に示すように吸収スペクトルの560nm付近の吸収帯が増大して、酸素分子がサルコミン第六配座に結合したことがわかった。
別に、上記(a)の溶液に、窒素雰囲気下にて300〜370nmの紫外光を照射した後、純酸素を供給したところ、図3中の(c)に示すように560nm付近の吸収帯が増大したが、前記(b)の増大には及ばなかった。これにより、300〜370nmの紫外光でP(OMA−SBMA)がシス体化したために、酸素結合能がトランス体よりも低下したことがわかった。
溶媒THF中のP(OMA−SBMA)の紫外可視吸収スペクトルであり、(a)はトランス体に300〜370nmの紫外光を照射してシス体へ転移する経過、(b)は(a)の後、シス体へ254nmの紫外光を照射して部分的にトランス体へ戻る経過を示す。 SBMAの(a)トランス体及び(b)シス体のpKa値を示すグラフである。 P(OMA−SBMA)とサルコミンが共存する10℃のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトルであり、(a)はトランス体の窒素存在下すなわち無酸素下、光照射なし、(b)はトランス体の酸素存在下で光照射なし、(c)は(a)に窒素存在下で300〜370nm紫外光を照射してシス体化後、酸素供給した状態である。
符号の説明
1 トランス体の吸収スペクトル
2 シス体の吸収スペクトル
3 トランス体の吸収スペクトル

Claims (5)

  1. 軸塩基性配位子の有無により可逆的に酸素分子の吸着及び脱離の転移を示す金属サレーン錯体類(a)、及び
    前記金属サレーン錯体類と配位結合する軸塩基性部位を有し、光照射により可逆的に異性化を示し、
    前記配位結合に対する立体障害の度合いと軸塩基性部位の塩基性との少なくとも一方が前記異性化による異性体同士で異なり、
    かつ、軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が前記異性体同士で異なる光応答性化合物(b)を含み、
    前記金属サレーン錯体類の中心金属がコバルトであり、軸塩基性部位がスチルバゾール構造であることを特徴とする光応答性酸素吸着材料。
  2. 光応答性化合物が、軸塩基性部位を含む側鎖と、炭素数2以上の有機基である側鎖とを有する共重合体である請求項記載の光応答性酸素吸着材料。
  3. 炭素数2以上の有機基が炭素数4〜15の脂肪族炭化水素基を含む請求項記載の光応答性酸素吸着材料。
  4. 前記共重合体が、アルキル(メタ)アクリレートと、スチルバゾール(メタ)アクリレートとの共重合体である請求項または記載の光応答性酸素吸着材料。
  5. 請求項1〜のいずれか記載の光応答性酸素吸着材料へ光照射して、光応答性化合物を軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が高い異性体へ異性化する工程と、
    酸素分子を含有する酸素分子吸着用の環境下で、酸素分子を前記配位能が高い異性体へ異性化された吸着材料中の金属サレーン錯体類へ結合させる工程と、
    前記酸素分子が結合している光応答性酸素吸着材料を、酸素分子吸着用の環境から、酸素分子脱離用の環境へ移動する工程と
    前記酸素分子が結合している光応答性酸素吸着材料へ、酸素分子脱離用の環境下で光照射して軸塩基性部位の金属サレーン錯体類への配位能が低い異性体へ異性化して、酸素分子を金属サレーン錯体類から脱離させる工程と
    を含む酸素分子濃度の調整方法。
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