はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技媒体を遊技機内部に貯留する貯留手段(貯留タンク92)と、
該貯留手段に貯留された前記遊技媒体を遊技機前面部(前面12a)に設けられた排出部(メダル排出口17,118)より遊技機外部へと払い出すための払出手段(払出装置93等)とを備え、
所定条件を満たすことにより前記排出部から前記遊技媒体の払い出しを行うように構成した遊技機において、
前記遊技機前面部に一体の遊技媒体受け皿を不具備とするとともに、
遊技機とは別体の収容箱(ドル箱101)を、前記排出部から払い出される遊技媒体が直接収容される位置に支持する支持手段(ドル箱支持機構100等)を設け、
さらに、該支持手段に前記収容箱が支持されているかを検出する検出センサ(ドル箱センサ112)と、該検出センサによる検出結果に基づいて前記収容箱が支持されていると判断された場合には遊技媒体の払い出しを許可する払出許可手段(主制御装置131)と、前記検出センサによる検出結果に基づいて前記収容箱が支持されていないと判断された場合には遊技媒体の払い出しを禁止する払出禁止手段(主制御装置131)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、所定条件を満たした場合には、貯留手段に貯留された遊技媒体が遊技機前面部に設けられた排出部より遊技機外部へと払い出される。この構成の遊技機において、収容箱を支持する支持する支持手段が設けられており、排出部から払い出される遊技媒体は、支持手段に支持された収容箱へと直接払い出される。また、遊技を終了する際などには、支持手段に支持された収容箱を持ち運ぶことができる。従って、遊技機から収容箱への遊技媒体の移し替え作業を省略することができる。なお、本構成では、遊技機という限られた空間における構成の最適化という面から、遊技機には遊技媒体を収容する手段である遊技媒体受け皿が設けられておらず、支持手段に支持される収容箱のみが遊技媒体を収容する手段である。従って、支持手段に収容箱が支持されていない状態で排出部から遊技媒体が払い出されると、当該遊技媒体が飛散することとなる。しかし、支持手段に収容箱が支持されているかを検出する検出センサが設けられており、当該検出センサの検出結果に基づいて、支持手段に収容箱が支持されていると判断されたときにのみ遊技媒体の払い出しが許可され、支持手段に収容箱が支持されていないと判断されたときには遊技媒体の払い出しが禁止される構成である。従って、支持手段に収容箱が支持されていないにも拘らず遊技媒体の払い出しが行われ、遊技媒体が飛散するといった不都合は生じない。以上より、本構成であれば、遊技機から収容箱への遊技媒体の移し替え作業の省略を最適な構成において行うことができる。
手段2.手段1において、前記払出禁止手段により遊技媒体の払い出しが禁止されている状態において、遊技媒体の払い出しが行われる前記所定条件を満たした場合には、異常が発生したと判断し、遊技者に異常を報知する異常報知処理又は遊技を不能とする遊技不能処理の内の少なくとも一方の処理を実行する異常処理手段(主制御装置131)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、支持手段に収容箱が支持されていないことにより遊技媒体の払い出しが禁止されている状態で、遊技媒体の払い出しが行われる所定条件を満たした場合には異常が発生したと判断され、遊技者に異常を報知する異常報知処理又は遊技を不能とする遊技不能処理の内の少なくとも一方の処理が実行される。この異常報知処理により、支持手段に収容箱を支持するよう遊技者に促すことができる。また、遊技不能処理により、異常が発生した状態のまま遊技が続行されるといった不都合を解消することができる。
手段3.手段2において、前記異常処理手段により異常が発生したと判断された後、前記支持手段に前記収容箱が支持されたと判断された場合には、前記異常報知処理及び前記遊技不能処理を自動的に解除することを特徴とする遊技機。
手段3によれば、異常報知処理や遊技不能処理が実行されている状態において、支持手段に収容箱が支持されると、その旨が検出センサにより検出される。そして、この検出結果に基づいて、支持手段に収容箱が支持されていると判断され、異常報知処理や遊技不能処理が自動的に解除される。これにより、異常報知処理や遊技不能処理の解除を容易に行うことができる。
手段4.手段1乃至3のいずれかにおいて、前記支持手段として、前記収容箱が載置される平板状の板状支持部材(可動部材103)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、平板状の板状支持部材が設けられ、該板状支持部材に収容箱を載置することにより、排出部の下方に収容箱を配置することができる。従って、収容箱の配置を容易に行うことができる。また、遊技終了時などには、収容箱を持ち上げて運ぶだけでよい。さらに、本構成であれば、比較的簡易な構成により、上記効果を得ることができる。
手段5.手段4において、前記板状支持部材が前記遊技機前面部の下端に設けられていることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、板状支持部材が遊技機前面部の下端に設けられている。仮に、板状支持部材の下方に遊技媒体受け皿が設けられていると、該板状支持部材を遊技機前面部の下端に設けることができないが、遊技媒体受け皿が不具備であるので、本構成のように板状支持部材を遊技機前面部の下端に設けることができる。よって、本構成であれば、遊技機という限られた空間における最適な位置に板状支持部材を設けることができる。
手段6.手段4又は5において、遊技機前方から見た前記板状支持部材の左右方向の長さが、前記遊技機前面部の左右方向の長さと同一であることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、遊技機前方から見た板状支持部材の左右方向の長さが、遊技機前面部の左右方向の長さと同一であるので、比較的左右方向の長さが長い収容箱であっても板状支持部材に載置することができる。また、板状支持部材の左右方向の長さが長いので、収容箱を板状支持部材上における遊技のし易い位置に移動させることができる。
手段7.手段4乃至6のいずれかにおいて、前記板状支持部材を前記遊技機前面部より前方に突出する使用時位置と突出しない非使用時位置との間で切換配置可能としたことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、板状支持部材を使用時位置に配置することにより収容箱の配置が可能となる。一方、収容箱を配置しないときは板状支持部材を非使用時位置に配置することにより、板状支持部材が遊技者の邪魔にならない。また、例えば、遊技機の搬送時などには、前方に突出しない非使用時位置とすることができるので、搬送作業の邪魔にならない。これにより、板状支持部材の利便性が良くなる。なお、遊技機前面部に遊技媒体受け皿が一体に設けられていると、板状支持部材の使用時位置と非使用時位置との間での切換配置方法を遊技媒体受け皿の位置などを考慮して設定する必要があるが、本構成では遊技媒体受け皿が不具備であるので板状支持部材の切換配置方法の設定の自由度が高い。
手段8.手段7において、前記板状支持部材が、略水平となる前記使用時位置と、前記板状支持部材の上面が前記遊技機前面部と対面した位置となる前記非使用時位置との間で回動可能な構成としたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、板状支持部材は、略水平となる使用時位置と、板状支持部材の上面が遊技機前面部と対面した位置となる非使用時位置との間で回動可能な構成となっている。従って、板状支持部材の使用時位置と非使用時位置との間での配置換えを、板状支持部材の回動操作により行うことができる。この構成であれば、遊技者は簡易な操作を行うだけで板状支持部材の配置換えを行うことができる。また、板状支持部材の使用時位置と非使用時位置との間での配置換えを行う構成として、例えば、板状支持部材を遊技機内部に収納した位置を非使用時位置とし、略水平となる使用時位置との間で出し入れすることにより板状支持部材の配置換えを行う構成も考えられる。しかし、この構成の場合、遊技機内部に板状支持部材を収納するためだけのスペースを設ける必要があり、遊技機内部という限られた空間においてこのようなスペースを設けると、それに対応させて貯留手段や払出手段などの設計及び配置の変更を余儀なくされ好ましくない。これに対して本構成であれば、遊技機外部における板状支持部材の回動により使用時位置と非使用時位置との間での配置換えを行うことができるので、上記のような問題は生じない。なお、この構成において、板状支持部材を使用時位置及び非使用時位置のそれぞれの位置において保持することができる保持手段(ストッパ面108aとストッパ受け面107aとの当接、磁石12bと磁石103dとの磁力)を設けるのが好ましい。この場合、板状支持部材が使用時位置及び非使用時位置のそれぞれの位置において保持されるので、遊技を行う過程において予期せぬ要因などにより、板状支持部材が使用時位置又は非使用時位置から勝手に回動するといった不都合が生じない。さらに、板状支持部材の使用時位置における保持手段は、板状支持部材に設けられた係合手段(ストッパ面108a)と遊技機に設けられた被係合手段(ストッパ受け面107a)とによる係合関係により構成されるのが好ましい。使用時位置においては板状支持部材に収容箱が載置されるので、板状支持部材の当該位置における保持を確実に行う必要がある。この場合に、板状支持部材の使用時位置を係合関係により保持することにより、板状支持部材を使用時位置にしっかりと保持することができる。
手段9.手段4乃至8のいずれかにおいて、前記板状支持部材の上面が前記遊技機前面部から遊技機前方に向けて上方に傾斜していることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、板状支持部材の上面が遊技機前面部から遊技機前方に向けて上方に傾斜した形状をなすので、板状支持部材上に載置された収容箱は板状支持部材の上面の傾斜に合せて傾き、収容箱の重心は遊技機前面部側に位置することとなる。これにより、板状支持部材に載置されている収容箱の遊技機前方からの落下を防止することができる。さらに収容箱の開口領域が自然と排出部側へと向くこととなるので、収容箱が水平に載置されている場合よりも排出部から払い出される遊技媒体が収容箱へと収容され易くなる。
手段10.手段4乃至9のいずれかにおいて、前記板状支持部材に灰皿又はドリンク容器ホルダの内の少なくとも一方が設置される凹部(凹部113)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段10において、通常、遊技機前面部に遊技媒体受け皿が一体に設けられていると、該遊技媒体受け皿と横並びとなるように遊技機前面部に灰皿等が設けられている。しかし、構成の最適化という面から遊技媒体受け皿を不具備としている本構成において、遊技機前面部に灰皿等を設けるのは遊技媒体受け皿を不具備とした効果を低減させることとなる。こういった状況において、本構成では、板状支持部材に凹部が設けられており、該凹部に灰皿やドリンク容器ホルダを設置することができる。即ち、本構成であれば、遊技媒体受け皿を不具備としたことによる構成の最適化という利点を維持しつつ、灰皿等を設置することができる。
手段11.手段1乃至3のいずれかにおいて、前記支持手段として、遊技機前方に延び前記収容箱の端部に設けられた折り返し部が係合される係合手段(凹部116a)を備えた一対の長尺状支持部材(アーム部材116)を所定間隔離間させ、且つ同一の高さとなるように設け、各長尺状支持部材の前記係合手段に前記収容箱の折り返し部を係合させることにより前記排出部から払い出される遊技媒体が前記収容箱に直接収容されるように前記収容箱が支持される構成としたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、遊技機前方に延び、収容箱の折り返し部を係合することができる係合手段を備えた一対の長尺状支持部材が、所定間隔離され、且つ同一の高さとなるように設けられている。これら各長尺状支持部材の係合手段に収容箱の折り返し部を係合させることにより、収容箱が排出部から払い出される遊技媒体が該収容箱に直接収容されるように支持される。これにより、比較的簡易な構成により、上記効果を得ることができる。また、係合手段に折り返し部が係合される構成であるので、収容箱をしっかりと保持することができる。
手段12.手段11において、前記長尺状支持部材を前記遊技機前面部より前方に突出する使用時位置と突出しない非使用時位置との間で切換配置可能としたことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、長尺状支持部材を使用時位置に配置することにより収容箱の配置が可能となる。一方、収容箱を配置しないときは長尺状支持部材を非使用時位置に配置することにより、長尺状支持部材が遊技者の邪魔にならない。また、例えば、遊技機の搬送時などには、前方に突出しない非使用時位置とすることができるので、搬送作業の邪魔にならない。これにより、長尺状支持部材の利便性が良くなる。なお、遊技機前面部に遊技媒体受け皿が一体に設けられていると、長尺状支持部材の使用時位置と非使用時位置との間での切換配置方法を遊技媒体受け皿の位置などを考慮して設定する必要があるが、本構成では遊技媒体受け皿が不具備であるので長尺状支持部材の切換配置方法の設定の自由度が高い。
手段13.手段11又は12において、前記長尺状支持部材の上面が前記遊技機前面部から遊技機前方に向けて上方に傾斜していることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、長尺状支持部材の上面が遊技機前面部から遊技機前方に向けて上方に傾斜しているので、長尺状支持部材に支持された収容箱は長尺状支持部材の傾斜に合せて傾く。これにより、収容箱の開口領域が自然と排出部側へと向くこととなるので、収容箱が水平に載置されている場合よりも排出部から払い出される遊技媒体が収容箱へと収容され易くなる。
手段14.手段1乃至13のいずれかにおいて、前記排出部は、前記遊技機前面部上に位置する排出口(メダル排出口17)と、該排出口より払い出された遊技媒体を遊技機前方へと案内する案内部(樋17a)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、排出口から払い出された遊技媒体は、案内部により遊技機前方へと案内される。従って、収容箱の開口領域が、遊技機前面部よりもある程度前方に位置する場合であっても、排出部から払い出される遊技媒体は確実に収容箱へと払い出される。
手段15.遊技媒体を遊技機内部に貯留する貯留手段(貯留タンク92)と、
該貯留手段に貯留された前記遊技媒体を遊技機前面部(前面12a)に設けられた排出部(メダル排出口17,118)より遊技機外部へと払い出すための払出手段(払出装置93等)と、
前記排出部から払い出される前記遊技媒体の落下経路上に開口領域を有し、該遊技媒体が収容される収容部(ドル箱101)とを備え、
所定条件を満たすことにより前記排出部から前記遊技媒体の払い出しを行うように構成した遊技機において、
前記収容部は支持手段(アーム部材116)に着脱可能に支持される構成であり、
さらに、該支持手段に前記収容部が支持されているかを検出する検出センサ(ドル箱センサ112)と、該検出センサによる検出結果に基づいて前記収容部が支持されていると判断された場合には遊技媒体の払い出しを許可する払出許可手段(主制御装置131)と、前記検出センサによる検出結果に基づいて前記収容部が支持されていないと判断された場合には遊技媒体の払い出しを禁止する払出禁止手段(主制御装置131)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、所定条件を満たした場合には、貯留手段に貯留された遊技媒体が遊技機前面部に設けられた排出部より遊技機外部へと払い出される。そして、この払い出される遊技媒体は、収容部へと直接払い出される。この収容部は支持手段に着脱可能に支持されており、遊技を終了する際などには、支持手段に支持された収容部を取り外し持ち運ぶことができる。従って、遊技機から収容部への遊技媒体の移し替え作業を省略することができる。但し、支持手段に収容部が支持されていない状態で排出部から遊技媒体が払い出されると、当該遊技媒体が飛散することとなる。しかし、支持手段に収容部が支持されているかを検出する検出センサが設けられており、当該検出センサの検出結果に基づいて、支持手段に収容部が支持されていると判断されたときにのみ遊技媒体の払い出しが許可され、支持手段に収容部が支持されていないと判断されたときには遊技媒体の払い出しが禁止される構成である。従って、支持手段に収容部が支持されていないにも拘らず遊技媒体の払い出しが行われ、遊技媒体が飛散するといった不都合は生じない。以上より、本構成であれば、遊技機から収容部への遊技媒体の移し替え作業の省略を最適な構成において行うことができる。なお、収容部としては、ドル箱のような収容箱であってもよく、さらに従来あるメダル受け皿を着脱可能としたものであってもよい。
手段16.手段1乃至15のいずれかにおいて、外周面に複数種の絵柄が付され且つそれら各絵柄が周方向に配設された無端状ベルト(リール42L,42M,42R)と、
前記各絵柄のうち一部の絵柄を遊技機前面より視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
前記無端状ベルトを回転させる駆動手段(ステッピングモータ61L,61M,61R)と、
前記遊技媒体の遊技機への投入が行われる投入部(メダル投入口75)と、
遊技者に付与されている遊技媒体を仮想遊技媒体として上限数の範囲内で遊技機内部に貯留する仮想貯留手段(主制御装置131)と、
該仮想貯留手段を使用するか否かを決定すべく操作される選択手段(切換スイッチ80)と、
前記無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記無端状ベルトの回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72,73,74)と、
前記投入部から規定数の遊技媒体が投入された後、前記仮想貯留手段から前記規定数の仮想遊技媒体が投入された後又は前記投入部から投入された遊技媒体の数と前記仮想貯留手段から投入された仮想遊技媒体の数との和が前記規定数となった後に、前記始動操作手段の操作に基づいて前記無端状ベルトの回転を開始させ、前記停止操作手段の操作に基づいて前記無端状ベルトの回転を停止させるように、前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131)と、
前記無端状ベルトが停止した際、前記表示窓から視認できる有効位置に所定絵柄が停止していることを条件として、前記仮想貯留手段を制御することによる仮想遊技媒体の付与又は前記払出手段を制御することによる遊技媒体の付与を行う遊技媒体付与手段(主制御装置131)とを備え、
前記所定条件を、前記選択手段の操作により前記仮想貯留手段が使用されている状態において、前記遊技媒体付与手段により仮想遊技媒体の付与が行われた結果、前記仮想貯留手段に貯留される仮想遊技媒体の数が前記上限数を越えたこと、若しくは前記投入部より遊技媒体の投入が行われた結果、前記仮想貯留手段に貯留される仮想遊技媒体の数が前記上限数を越えたこと、又は前記選択手段の操作により前記仮想貯留手段が使用されていない状態において、前記遊技媒体付与手段により遊技媒体の付与が行われたこと、若しくは前記規定数を越えて前記投入部より遊技媒体の投入が行われたことの内のいずれかを満たすこととしたことを特徴とする遊技機。
手段16では、投入部から規定数の遊技媒体が投入された後又は仮想貯留手段から規定数の仮想遊技媒体が投入された後又は投入部から投入された遊技媒体の数と仮想貯留手段から投入された仮想遊技媒体の数との和が規定数となった後に、始動操作手段が操作されることにより駆動手段が制御され無端状ベルトが回転する。この無端状ベルトには複数種の絵柄が付されており、遊技者は表示窓から視認できる領域を通過する絵柄を見ながら、この視認できる領域における有効位置に所定の絵柄を停止させるべく停止操作手段を操作する。そして、停止操作手段が操作されることにより駆動手段が制御され、無端状ベルトの回転が停止する。この際、表示窓から視認できる有効位置に所定絵柄が停止していることを条件として遊技者に対して所定数の仮想遊技媒体又は遊技媒体が付与される。この構成の遊技機において、選択手段の操作により仮想貯留手段が使用されている状態であって、遊技媒体付与手段により仮想遊技媒体の付与が行われた結果、仮想貯留手段に貯留される仮想遊技媒体の数が上限数を越えたこと、若しくは投入部より遊技媒体の投入が行われた結果、仮想貯留手段に貯留される仮想遊技媒体の数が上限数を越えたこと、又は選択手段の操作により仮想貯留手段が使用されていない状態であって、遊技媒体付与手段により遊技媒体の付与が行われたこと、若しくは規定数を越えて投入部より遊技媒体の投入が行われたことを条件として排出部より遊技媒体の払い出しが行われる。そして、この払い出される遊技媒体は、飛散することなく支持手段に支持された収容箱へと収容される。
(第1実施の形態)
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の破断側面図、図4はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図5は前面扉12の背面図、図6は筐体11の正面図である。
図1〜図6に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図4に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図7に基づいて説明する。なお、図7は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図4)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を露出窓31Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図8には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図8に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、各リール42L,42M,42Rが等速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、メダル排出口17から払い出され、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル排出口17よりメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが後述する払出予定数格納エリアに格納され、メダル払出処理に基づいて現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。また、遊技パネル30の表示窓31L,31M,31Rの右方には、エラー報知ランプ115が設けられている。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであれば、その枚数分が後述する払出予定数格納エリアに格納され、メダル払出処理に基づいて現実のメダルとして払い出される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときには、その枚数分が後述する払出予定数格納エリアに格納され、メダル払出処理に基づいて現実のメダルとして払い出される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置130が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
遊技パネル30の下方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。
前面扉12の下端には、本実施の形態の特徴部分である、ドル箱支持機構100が設けられている。ここで、ドル箱支持機構100の構成について以下に説明する。なお、以下のドル箱支持機構100に関する説明では、スロットマシン10の正面から見て、すなわち図1の状態で左右各方向を記載することとする。
ドル箱支持機構100は、前面扉12に固定される固定部材102と、該固定部材102に支持される可動部材103とを備えている。固定部材102及び可動部材103は、略平板状であり、左右方向の長さは、前面扉12の前面12aの左右方向の長さとほぼ同一である。また、固定部材102の前後方向の長さは、後述する樋17aの前方に突出している長さよりも若干長い。一方、可動部材103の前後方向の長さは、ドル箱101を載置することができる程度の長さである。なお、本実施の形態におけるドル箱101は、少なくとも2回のビッグボーナスの発生で払い出されるメダルの数よりも多くのメダル(少なくとも1000枚)を収容できる程度の大きさを有しており、本実施の形態では、1回のビッグボーナスで最高480枚のメダルの払い出しが行われる。固定部材102に支持される可動部材103は、使用時位置(図3の実線で示す)と非使用時位置(図3の二点鎖線で示す)との間で回動可能な構成である。この可動部材103の回動は、固定部材102と可動部材103とのそれぞれの両端に設けられた回動機構100aによって行われる。この回動機構100a及び回動に関連した構成を図9及び図10に示す。なお、図9及び図10には、右側の回動機構100a周辺の構成を示すが、左側の回動機構100a周辺の構成も同様である。
図9に示すように、固定部材102の前面の左右両端側には、それぞれ前方に突出した軸支部104が一体形成されている。軸支部104の前後方向の断面は、前方に膨らんだ略半円状となっている。この軸支部104には、左右方向に貫通する軸孔104aが形成されている。一方、可動部材103の後面の左右両端側には、軸支部104に対応させて凹部105が設けられている。凹部105の底面は、前方に膨らんだ曲面となっている。また、この凹部105の左右方向の長さは、軸支部104の左右方向の長さとほぼ同一であり、さらに凹みの深さは軸支部104の突出している長さとほぼ同一である。そして、この凹部105に軸支部104が収納されている。また、可動部材103の凹部105の右側には、左右方向に貫通する軸孔103aが設けられている。一方、凹部105の左側には、左右方向に延び、右側が開放された有底の軸孔103bが設けられている。軸孔103aの中心軸線と軸孔103bの中心軸線とは、同一直線上に存在する。また、軸支部104に設けられた軸孔104aの中心軸線も、軸孔103a,103bの中心軸線上に位置する。そして、図9の二点鎖線で示すように、軸孔103a,103b,104aに支軸ピン106が挿通されている。これにより、回動機構100aが形成されており、図3の矢印で示すように、可動部材103は左右両側の回動機構100aを中心として上下方向に回動可能な構成となっている。なお、上述したように、凹部105に軸支部104が収納されているので、可動部材103の左右方向の位置ズレが防止されている。
また、固定部材102の前面には、左右方向に延びる溝107がほぼ全体に渡って形成されている。溝107は、上側の壁が水平なストッパ受け面107aとなっており、下側の壁が後方に膨らんだ曲面107bとなっている。一方、可動部材103の後面には、左右方向に延び且つ後方に突出した突条部108がほぼ全体に渡って一体形成されている。この突条部108は、その上面が平坦なストッパ面108aとなっており、下側の面が後方に膨らんだ曲面108bとなっている。また、可動部材103の後面の上半分は、後方に膨らんだ曲面103cとなっている。そして、可動部材103を下方に回動させていくと、溝107内に突条部108が挿入され、図10(b)に示すように、最終的に溝107のストッパ受け面107aと突条部108のストッパ面108aとが当接し、それ以上下方に可動部材103を回動できなくなる。このストッパ受け面107aとストッパ面108aとが当接した位置が、上述した使用時位置であり、この使用時位置では、可動部材103の上面はほぼ水平となっており、詳細には、スロットマシン10前方に向けて若干上方に傾斜している。これにより、可動部材103上へのドル箱101の載置が可能となり、さらに載置したドル箱101は可動部材103の上面の傾斜に合せて傾き、ドル箱101の重心が前面扉12側に位置することとなる。従って、可動部材103上に載置されているドル箱101の手前への落下を防止することができる。また、ドル箱101の開口101cが自然とメダル排出口17側へと向くこととなるので、メダル排出口17から払い出されるメダルが、よりドル箱101へと収容され易くなっている。なお、使用時位置は、ストッパ受け面107aとストッパ面108aとの面接触により保持されるので、可動部材103のドル箱101を支持する強度が高められている。また、上述したように、溝107の下側の壁と突条部108の下側の面とが後方に膨らんだ曲面107b,108bとなっており、さらに可動部材103の後面の上半分も後方に膨らんだ曲面103cとなっているので、曲面107b,108b間の接触や、曲面103cと溝107との接触などが発生しない。従って、可動部材103を円滑に回動させることができる。
固定部材102の前面の左右両端には、前方に延びた延出壁109が一体形成されている。延出壁109と溝107の端部とは離間されている。この延出壁109と溝107の端部との間には、可動部材103の後面の左右両端に一体形成された撓み部110の先端が挿入されている。撓み部110は、後方に突出しており、撓み部110と突条部108の端部との間には、撓み部110の内側への撓みを許容する隙間110aが設けられている。また、撓み部110には、その外側の隅角に外側に向けて突出した係止爪110bが一体形成されている。そして、可動部材103を非使用時位置から使用時位置に配置換えする際には、係止爪110bの傾斜面が延出壁109の内側の側面と接触するので、係止爪110bは延出壁109に係止されない。一方、撓み部110を内側に撓ませることなく可動部材103を使用時位置から非使用時位置に配置換えしようとする際には、係止爪110bの上面が延出壁109の上面に係止される。これにより、例えば、使用時位置に配置された可動部材103に遊技者の足などが衝突したとしても、可動部材103が上方に回動しないので、可動部材103からドル箱101が落下するといった不都合が生じない。なお、遊技者が、可動部材103を意図的に使用時位置から非使用時位置へと配置換えする際は、撓み部110を内側に撓ませながら該可動部材103を上方へと回動させることにより、係止爪110bが延出壁109に係止されることはない。また、撓み部110には、上述した軸孔103a,103bの中心軸線上に中心軸線を有する貫通孔110cが設けられている。この貫通孔110cは、支持ピン106の頭部の通過を十分許容する程度の孔径を有している。従って、撓み部110に阻害されることなく、支軸ピン106を軸孔103a,103b,104aに挿通することができる。
可動部材103の上面の前方端部には、左右に1個ずつ磁石103dが設けられている。一方、図1に示すように、前面扉12の下段プレート16の直下方には、左右方向全体に渡って当接部12cが形成されている。当接部12cには、可動部材103の上面に設けられた磁石103dと1対1に対応させて、左右一対の磁石12bが設けられている。可動部材103を上方に向けて回動させると、可動部材103の先端が当接部12cに当接し、それ以上可動部材103をスロットマシン10側に回動できなくなる。この可動部材103の先端と当接部12cとが当接した位置が、上述した非使用時位置であり、この非使用時位置では、可動部材103に設けられた磁石103dと、当接部12cに設けられた磁石12bとが対面する。これら磁石12b,103dの磁力により、可動部材103を非使用時位置に保持することができる。
可動部材103の上面の略中央には、可動部材103上にドル箱101が載置されているか否かを検知するためのドル箱センサ112が設けられている。このドル箱センサ112は、スイッチセンサであり、常には可動部材103の上面よりも上方に突出している。可動部材103上に外底面が略水平となっているドル箱101が載置されることにより、ドル箱センサ112がONされる。また、可動部材103には、左右に1個ずつ円形状の凹部113が形成されている。この凹部113には、灰皿やドリンク容器ホルダなどを設置することができる。さらに、可動部材103の左右両側面にはそれぞれ、前後方向に延びる一本の溝からなる持ち手部114が形成されている。可動部材103を使用時位置と非使用時位置との間で配置換えをする際は、この持ち手部114に手を掛けて行うことができる。
ドル箱支持機構100の上方には、ホッパ装置91に設けられた払出装置93より払い出され、開口94及び排出用通路82を通過したメダルが排出される部分であるメダル排出口17が設けられている。このメダル排出口17は、従来のスロットマシンに比べ、上方に設けられている。また、排出用通路82からメダル排出口17の前方へと突出する樋17aが形成されている。そして、可動部材103上に載置されたドル箱101の最上部は樋17aの先端よりも下方に位置し、さらに樋17aから落下するメダルの落下経路上にドル箱101の開口101cが位置することとなる。従って、メダル排出口17からドル箱101にメダルが直接払い出される。また、仮に、メダル払出用回転板の回転速度が低下し、メダル排出口17から払い出されるメダルの勢いが低下したとしても、メダル排出口17から払い出されるメダルは、樋17aに沿ってドル箱101の外縁部101aに接触することなくドル箱101の開口101cへと導かれる。なお、メダル排出口17が上方に設けられているので、これに対応させて、図3で示すように、排出用通路82等も上方に設けられている。
遊技者が上述したスロットマシン10で遊技を行う際において、メダルの取扱形式がクレジットモードの場合には、大量にメダルが払い出される状態である特別遊技状態などが発生するまでは基本的にメダル排出口17からのメダルの払い出しは行われない。従って、ドル箱101を可動部材103に載置しておく必要はなく、さらに可動部材103を使用時位置に配置しておく必要もない。従って、可動部材103が遊技の邪魔になると感じる遊技者は、可動部材103を前方に突出しない非使用時位置に配置することができる。この場合において、可動部材103が使用時位置に配置されている場合には、遊技者は可動部材103に形成された撓み部110を内側に撓ませた上で、持ち手部114に手を掛けて可動部材103を上方に回動させることにより、可動部材103の先端が前面12aに形成された当接部12cに当接され、該可動部材103を非使用時位置に配置することができる。この際、可動部材103に設けられた磁石103dと当接部12cに設けられた磁石12bとが対面するので、両磁石12b,103dの磁力により可動部材103が非使用時位置に保持される。なお、この場合に、可動部材103を使用時位置と非使用時位置とで、どちらに配置するかは遊技者の任意である。
一方、遊技が行われた結果、大量にメダルが払い出される状態である特別遊技状態などが発生した場合には、メダル排出口17から払い出されるメダルをドル箱101に収容する必要がある。従って、遊技者は可動部材103を使用時位置に配置し、該可動部材103にドル箱101を載置する必要がある。この場合において、可動部材103が非使用時位置に配置されている場合には、遊技者は持ち手部114に手を掛けて可動部材103を下方に回動させることにより、固定部材102に形成されたストッパ受け面107aに可動部材103に形成されたストッパ面108aが当接され、該可動部材103を使用時位置に配置することができる。この使用時位置に配置した可動部材103上にドル箱101を載置することにより、樋17aの下方にドル箱101が位置することとなる。そして、この際、ドル箱101の外底面によりドル箱センサ112が押され、ドル箱センサ112がONとなる。これにより、後述するように、メダル排出口17からのメダルの払い出しが許可され、メダル排出口17から払い出されるメダルは樋17aに沿ってドル箱101の外縁部101aに接触することなくドル箱101に直接収容される。なお、この使用時位置において可動部材103に遊技者の足などが偶然衝突し、該可動部材103に上向きの力が付与されたとしても、固定部材102に形成された延出壁109の上面に可動部材103の撓み部110に形成された係止爪110bが係止されるので、可動部材103の上方への回動が阻止される。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。なお、基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、ドル箱支持機構100にドル箱101が載置されているか否かを検出するドル箱センサ112、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源基板161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置130、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置130は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15、エラー報知ランプ115を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置130が独自に上部ランプ13、スピーカ14、補助表示部15及びエラー報知ランプ115を駆動制御する。従って、表示制御装置130は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置130が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図12以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図15参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図12〜図21のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図12はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図13は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図14を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には、送信が終了するまで待機する。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図11参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントするカウンタ処理を行う。
ステップS210では、表示制御装置130へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図15は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS402ではリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ123がオン操作されている場合にはステップS403に進み、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。
ステップS402にてリセットスイッチが操作されていないことを確認した後、またはステップS403にてRAMクリア処理を行った後、ステップS404では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS405に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
ステップS406では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS403又はステップS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には、後述するステップS407の通常処理に進み、本処理を終了する。
ステップS406において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS408以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS403のRAMクリア処理、ステップS405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM153のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
そのためにまず、ステップS408ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS409にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS410に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS411において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置130に送信する。その後、ステップS412にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS413にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS414にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図16のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS501では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS502にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS501,ステップS502が共にYESの場合には、ステップS503の抽選処理、ステップS504のリール制御処理、ステップS505のメダル払出処理、ステップS506の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS501に戻る。一方、ステップS501にてメダルがベットされていない、またはステップS502にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
次に、ステップS503の抽選処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
ステップS601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
ステップS602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS603にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS604に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS605ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
次に、ステップS504のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS701においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS702のリール回転処理を行い、各リール42L,42M,42Rを回転させる。その後、ステップS703に進み、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS704に進み、予め定められた各リール42L,42M,42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS703に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS705に進んで回転中の全てのリールを強制的に停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS703にてストップスイッチ72〜74いずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS706に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS705の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
続いて、ステップS707では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS708に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、ステップS707で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS709に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS710に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
そして、ステップS705の強制停止処理の後、ステップS708のスベリテーブル変更処理の後、ステップS709にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS710の停止目判定処理を行った後には、ステップS711にて左、中、右リール42L,42M,42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS711がNOの場合にはステップS703に戻り、YESの場合には続くステップS712にて払出判定処理を行った後、本処理を終了する。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
次に、ステップS505のメダル払出処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS801にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS802にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS803においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS804にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS805にてドル箱センサ112がONであるか否かを判定する。ドル箱センサ112がONのときは、メダルの払い出しが許可され、ステップS806にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してドル箱支持機構100上に載置されたドル箱101へ払い出す。このとき、ステップS807ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。
ステップS805においてドル箱センサ112がONでなかったときは、ステップS808において、エラー検出処理が実行される。このエラー検出処理では、表示制御装置130に対してエラー報知コマンドが送信され、これにより表示制御装置130はエラー報知ランプ115を点滅させる。このエラー報知ランプ115における点滅を遊技者に視認させることにより、ドル箱支持機構100へのドル箱101の載置を促すことができる。エラー報知コマンドを送信した後、再度ステップS805においてドル箱センサ112がONであるか否かを判定する。即ち、ドル箱センサ112がONとなるまでは、ステップS805とステップS808との間で無限ループとなり、通常処理が一切行われなくなる。従って、メダルの払い出しが禁止され、さらに遊技者による操作が無効化され実質的に遊技不能状態となる。但し、この間にメダル投入口75よりメダルが投入された場合は、ステップS808のエラー検出処理において、その枚数分が払出予定数格納エリアに格納され、エラー解除後にその分の払い出しが行われる。その後、ステップS805においてドル箱センサ112がONであると判定されると、ステップS806に進む。
一連の処理の結果、ステップS804又はステップS807で払出数が1インクリメントされると、再びステップS801に戻る。ステップS801で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS808にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数や獲得枚数表示部37は、次回スタートレバー71が操作されたときにリセットされる。
次に、ステップS506の特別遊技状態処理について、図20のフローチャートに基づき説明する。
特別遊技状態処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。一方、ビッグボーナス(以下「BB」という)ゲームは、30回の小役ゲームと3回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは高確率で小役が当選する(有効ライン上に「ベル」図柄などが揃う)ゲームであり、JACインとは12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームは終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームは終了する。
さて、特別遊技状態処理では、先ずステップS901にて遊技状態がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS902に進み、ボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、図21に示すように、まずステップS1001にてRB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはステップS1002に進み、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定し、RB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃ったときには、ステップS1003においてRB当選フラグをリセットしRB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるRBゲームとし、図22に示すRBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。ステップS1001でRB当選フラグがセットされていないときには、ステップS1004にてBB当選フラグがセットされたか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1005に進み、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定し、BB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃ったときには、ステップS1006においてBB当選フラグをリセットしBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとし、図23に示すBBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。
なお、図22,図23において、残小役ゲームカウンタは小役ゲームの残りゲーム数(残小役ゲーム数ともいう)を表し、残JACインカウンタはJACイン可能な残り回数(残JACイン回数ともいう)を表し、残JAC成立カウンタはJAC図柄が成立可能な残り回数(残JAC成立数ともいう)を表し、残JACゲームカウンタはJACゲームの残りゲーム数(残JACゲーム数ともいう)を表す。残小役ゲーム数や、残JACイン回数や、残JAC成立数、残JACゲーム数は、適宜、ゲーム数表示部36に表示される。ちなみに、役の抽選で小役またはリプレイに当選して小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグがセットされたときには、そのゲームで小役図柄またはリプレイ図柄を有効ライン上に揃えられないとこれらの当選フラグはリセットされるが、役の抽選でRBまたはBBに当選してRB当選フラグまたはBB当選フラグがセットされたときには、そのゲームでRB図柄またはBB図柄を有効ライン上に揃えられなかったとしてもこれらの当選フラグは次回に持ち越される。なお、BB又はRB当選フラグを持ち越した次ゲームにおける抽選処理では、小役又はリプレイの当選可否に関する抽選は行われるが、BB又はRBに関する抽選は行われない。また、BB又はRB当選フラグを持ち越した状態で小役又はリプレイに当選した場合には、小役又はリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
さて、図20に戻り、ステップS901で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS903にてそのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する。JACゲームでないときにはBBゲームの小役ゲーム中であることを意味するため、ステップS904に進み、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する。JAC図柄が有効ライン上に揃ったときには、ステップS905にてJACゲームを開始すると共に図23(b)のBBゲーム中JACゲーム初期設定処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS904でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、ステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定する。残小役ゲーム数が0でないときには本処理を終了し、0のときにはステップS908に進み、各種設定フラグやBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりする特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。
ステップS903で遊技状態がJACゲームであるときには、ステップS909に進みJAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定し、JAC図柄が有効ライン上に揃ったときにはステップS910にて残JAC成立数を1ディクリメントする。その後、或いはステップS909でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS911にて残JACゲーム数を1ディクリメントする。続いて、ステップS912では残JAC成立数か残JACゲーム数のいずれかが0になったか否かを判定し、いずれも0になっていないとき、つまりJAC図柄がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、いずれかが0になっていたとき、つまりJAC図柄が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、JACインが1回消化されたことになるためステップS913にて残JACイン回数を1ディクリメントし、続くステップS914にてその残JACイン回数が0か否かを判定する。0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。ちなみに、当該ボーナスゲームがRBボーナスである場合には、当初の残JACイン回数が1(図22参照)であるからステップS913で0になり、ステップS914で必ず肯定判定され、ステップS908の特別遊技状態終了処理にてRB設定フラグがリセットされる。
一方、ステップS914で残JACイン回数がゼロでないとき、つまりBBゲームでJACインが3回消化されていないときには、ステップS915においてJACゲーム設定フラグをリセットするJACゲーム終了処理を行ったあと、今回JACインしたときに小役ゲームを1ゲーム消化しているためステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、続いてステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定し、残小役ゲーム数が0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。一方、残小役ゲーム数が0でないときにはBBボーナスにおける小役ゲームが30回に達しておらず且つJACインも3回に達していないため、本処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
スロットマシン10の下端には、ドル箱101を載置することができるドル箱支持機構100が設けられている。これにより、メダル排出口17及び樋17aの直下にドル箱101を載置することができ、載置されたドル箱101の開口101cが樋17aから落下するメダルの落下経路上に位置し、メダル排出口17から払い出されるメダルは直接、ドル箱101に収容される。従って、ドル箱101が一杯になった場合には、メダルを移し替える必要はなく、ドル箱101を交換するだけでよい。さらに、遊技を終了する際などには、ドル箱101ごと持ち運ぶことができる。また、従来のスロットマシン10には、前面部12の下端にメダルを収容することができるメダル受け皿が設けられており、少なくとも1000枚程度のメダルを収容することができる程度の大きさを有したドル箱101をスロットマシン10の最上部よりも上方に位置するドル箱載置台や遊技者の足元などに載置して遊技が行われていた。この場合に、メダル受け皿がメダルで一杯になると、ドル箱載置台や足元などに載置してあるドル箱101をメダル受け皿周辺まで持ってきてメダルの移し替えを行う必要があり、メダルの移し替えを行った後は、再度ドル箱載置台や足元にドル箱101を持っていく必要があった。こういったドル箱101を上げ下げする作業は、遊技者にとって負担となっていた。特に、ある程度の枚数のメダル(例えば、800枚)がドル箱101に収容されると、ドル箱101を上げ下げする作業の負担はより増大する。これに対して、本実施の形態であれば、ドル箱101を上げ下げする作業の頻度を少なくすることができ、ドル箱101を上げ下げする作業の負担を軽減することができる。さらに、ドル箱101の配置は、ドル箱支持機構100への載置により行うことができるので、ドル箱101の配置作業などを容易に行うことができる。
また、ドル箱支持機構100は、前面扉12の下端に設けられている構成である。仮に、ドル箱支持機構100が前面扉12の下端よりも上方に設けられているとすると、これに対応させてメダル排出口17を本実施の形態よりも上方に形成しなればならない。さらに、これに対応させてホッパ装置91等も本実施の形態よりも上方に配置する必要が生じる。しかし、ホッパ装置91は比較的重いため、筐体11の底板11b上に直接設置されるのが望ましい。従って、この場合には、本実施の形態よりも上方に位置するメダル排出口17へとメダルを搬送するための搬送手段をホッパ装置91に設ける必要が生じ、ホッパ装置91の構成が複雑となってしまうという不都合が生じる。しかし、本実施の形態では、ドル箱支持機構100が前面扉12の下端に設けられているので、このような不都合は生じない。
また、ドル箱支持機構100は、固定部材102と可動部材103とを備えており、可動部材103は使用時位置と非使用時位置との間で回動可能な構成である。そして、可動部材103に載置されるドル箱101は、少なくとも1000枚程度のメダルを収容することができる程度の大きさを有しており、可動部材103はこのドル箱101を載置することができる程度の大きさとなっている。従って、ドル箱101を使用する必要がないときに可動部材103が使用時位置となっていると、遊技の邪魔になる場合がある。しかし、本実施の形態であれば、ドル箱101を使用する必要がないときは可動部材103を前方に突出しない非使用時位置に配置することができるので、ドル箱101を使用する必要がないときに可動部材103が遊技の邪魔になるといった不都合が生じない。さらに、スロットマシン10の搬送時などには、搬送作業の邪魔にならないように可動部材103を前方に突出しない非使用時位置とすることができる。
また、ドル箱支持機構100には、該ドル箱支持機構100にドル箱101が載置されているか否かを判定するドル箱センサ112が設けられており、ドル箱センサ112がONでない限りメダル排出口17からメダルが払い出されない構成である。従って、ドル箱支持機構100にドル箱101が載置されていないにも拘らずメダルが払い出され、当該払い出されたメダルが床に飛散するといった不都合が生じない。さらに、メダル排出口17からメダルが払い出される状態のときは、ドル箱支持機構100にドル箱101が載置されるまで遊技不能となる。これにより、例えば、仮想メダルとしてスロットマシン10に貯留されるメダルが、クレジット上限枚数(本実施の形態では50枚)を越えた状態で、遊技が行われるといった不都合が生じない。
また、スロットマシン10には、ドル箱支持機構100に載置されるドル箱101以外に、メダル排出口17から払い出されるメダルを収容する手段が設けられていない構成である。仮に、ドル箱支持機構100が外周縁全体に渡って上方に起立する周囲壁を備え、ドル箱支持機構100がメダル受け皿としても機能する構成の場合は、本実施の形態のように、回動機構によりドル箱支持機構100を使用時位置と非使用時位置との間で配置換え可能とするのは困難である。この場合に、ドル箱支持機構100を配置換え可能とするには、例えば、筐体11内にドル箱支持機構100を収納するスペースを設け、該スペースに収納した位置を非使用時位置とし、本実施の形態における使用時位置との間で出し入れする構成とする必要がある。しかし、筐体11内部という限られた空間においてドル箱支持機構100を収納するためだけのスペースを設けるには、ホッパ装置91等の設計変更や配置換えを余儀なくされ好ましくない。よって、本実施の形態であれば、最適な構成において、ドル箱支持手段であるドル箱支持機構100を設けることができ、最適な構成において、上記効果を達成することができる。
また、排出用通路82からメダル排出口17の前方へと突出する樋17aが形成されているので、メダル排出口17から払い出されるメダルの勢いが低下したとしても、メダル排出口17から払い出されるメダルは、樋17aに沿ってドル箱101の外縁部101aに接触することなくドル箱101の開口101cへと導かれる。
(第2実施の形態)
上記第1実施の形態では、ドル箱支持手段として固定部材102と可動部材103とを備えたドル箱支持機構100を設け、可動部材103が使用時位置と非使用時位置との間で配置換え可能であり、可動部材103を使用時位置とした際にドル箱101の載置が可能となる構成であったが、本実施の形態においてはこの構成を変更する。この変更した構成について図24を用いて説明する。
本実施の形態においては、ドル箱支持手段として、前面12aの左右両側に、前方に突出する2本のアーム部材116が、それぞれ同じ高さとなるように設けられている。第1実施の形態と異なり、アーム部材116には回動機構が設けられておらず、前方に突出した位置において固定されている。これらアーム部材116が設けられている位置は、メダル排出口118の下端よりも下方である。また、2本のアーム部材116の間の長さは、ドル箱101の長辺部の長さよりも若干長く、アーム部材116の前後方向の長さは、ドル箱101の短辺部の長さよりも若干短い。さらに、それぞれのアーム部材116には、左右方向に延び、上側及び左右両側が開口した係合溝116aが2個前後に設けられている。この係合溝116aの開口幅は、ドル箱101の左右両端に形成された持ち手部101bの前後方向の両端部の壁厚より長い。また、2個の係合溝116aの間隔は、持ち手部101bの前後方向の長さとほぼ同一である。さらに、アーム部材116の左右方向の長さは、持ち手部101bの左右方向の長さよりも短い。即ち、係合溝116aに持ち手部101bの前後方向の両端を係合させることができる。従って、アーム部材116の上方から、係合溝116aに持ち手部101bの前後方向の両端を係合させることにより、アーム部材116にドル箱101を設置することができる。そして、上述したように、アーム部材116はメダル排出口118の下端よりも下方に位置するので、アーム部材116に設置されたドル箱101は、メダル排出口118の下方に位置し、メダル排出口118から払い出されるメダルの落下経路上にドル箱101の開口101cが位置することとなる。これにより、メダル排出口118から払い出されるメダルは、ドル箱101に直接収容される。また、ドル箱101のアーム部材116への設置は、持ち手部101bの前後方向の両端を係合溝116aに係合させることのみにより行われているので、ドル箱101をアーム部材116から簡単に取り外すことができる。従って、第1実施の形態と同様に、遊技を終了する際などには、ドル箱101ごと持ち運ぶことができ、メダルの移し替え作業を必要としない。
また、アーム部材116の上面は、スロットマシン10前方に向けて若干上方に傾斜している。これにより、アーム部材116に設置したドル箱101は、アーム部材116の傾斜に合せて傾く。従って、ドル箱101の開口101cがメダル排出口118側へと向くこととなる。これにより、メダル排出口118から払い出されるメダルが、ドル箱101へと収容され易くなる。また、フォトセンサからなるドル箱センサ120が、前面12a上のメダル排出口118の右下方に設けられている。このドル箱センサ120が設けられている位置は、アーム部材116にドル箱101を設置した際に、該ドル箱101の外縁部101aの一部が接触する位置である。これにより、アーム部材116にドル箱101が設置されているか否かが判定され、第1実施の形態と同様のメダル払出処理が実行される。さらに、前面12aの下部の左側には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。なお、第1実施の形態とは異なり、メダル排出口118から前方に突出する樋は形成されていない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
アーム部材116は前面12aの下部の左右にそれぞれ1個ずつ設けられており、2個のアーム部材116の間は開放されている。従って、アーム部材116を、上記第1実施の形態のように、使用時位置と非使用時位置との間で配置換え可能な構成としなくても、アーム部材116が遊技の邪魔になるといった不都合が生じない。よって、本実施の形態によれば、第1実施の形態よりも簡易な構成において、第1実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
また、係合溝116aにドル箱101の持ち手部101bを係合させることによりアーム部材116にドル箱101を設置する構成であるので、アーム部材116からのドル箱101の落下を防止することができる。
また、スロットマシン10には、アーム部材116に設置されるドル箱101以外に、メダル排出口118から払い出されるメダルを収容する手段が設けられていない構成である。仮に、アーム部材116の下方にメダル排出口118から払い出されるメダルを収容できるメダル受け皿を設ける構成の場合には、メダル受け皿とメダル排出口118との間の距離が長くなるため、メダル排出口118から払い出されたメダルがメダル受け皿上で跳ね返って飛散するのを防止する構成を設ける必要が生じ、構成の複雑化を招くこととなる。また、前面扉12上という限られた範囲内で、メダル受け皿を設ける必要があるので、前面扉12上の設計変更を余儀なくされ好ましくない。よって、本実施の形態であれば、最適な構成において、上記効果を達成することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1実施の形態及び第2実施の形態では、エラー検出処理として、遊技パネル30に設けられたエラー報知ランプ115を点滅させ、さらに遊技者による操作が無効化され、実質的に遊技不能状態となる構成であったが、これを変更してもよい。例えば、エラー報知ランプ115を設けずに、上部ランプ13やスピーカ14や補助表示部15においてエラー報知を行う構成であってもよい。また、メダル投入口75に該メダル投入口75を開閉するためのソレノイドを設け、エラー報知と同時にメダル投入口75を閉じる構成であってもよい。この場合、ドル箱支持機構100又はアーム部材116にドル箱101が支持されるまでメダルの投入を不可とすることができる。
(b)上記第1実施の形態及び第2実施の形態では、ドル箱センサ112,120が1個のみ設けられる構成であったが、これを変更してもよい。例えば、ドル箱センサ112,120を互いに離間させて2個、3個、4個又は5個以上設ける構成であってもよい。この場合、ドル箱支持機構100又はアーム部材116にドル箱101が支持されているか否かの判定を精度良く行うことができる。即ち、複数設けられたドル箱センサ112,120が全てONとなった時に、メダルの払い出しが可能となる構成であれば、例えば、実際にはドル箱支持機構100又はアーム部材116にドル箱101が支持されていないにも拘らず、手や小物などにより1つのドル箱センサ112,120がONとなっていたとしても、メダルの払い出しは行われない。
(c)上記第1実施の形態における使用時位置の際の可動部材103の上面及び上記第2実施の形態におけるアーム部材116の上面が遊技機前方に向けて上方に傾斜した構成であったが、遊技機前方に向けて上方に傾斜しておらず、例えば、水平な構成であってもよい。但し、この場合、第1実施の形態においては、ドル箱支持機構100からドル箱101が落下してしまう可能性が高くなるので、ドル箱101を固定する手段を設けるのが望ましい。
(d)上記第1実施の形態では、ドル箱支持機構100にドル箱101が載置されているか否かを判定するスイッチセンサとしてのドル箱センサ112が設けられている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、ドル箱センサ112をフォトセンサとして、さらにドル箱支持機構100が使用時位置にあるか否かを検出する位置検出センサを設け、当該位置検出センサがONの時にドル箱センサ112が検出を開始する構成であってもよい。この場合、ドル箱センサ112をフォトセンサとすることができるので、外底面が略水平となっていないドル箱101であっても、ドル箱支持機構100に載置されているか否かの判定を行うことができる。
(e)上記第1実施の形態では、ドル箱支持機構100が固定部材102と可動部材103とを備え、該可動部材103が使用時位置と非使用時位置との間で配置換え可能な構成であったが、ドル箱支持機構100が固定部材102と可動部材103とに分割されておらず、使用時位置に固定されている構成であってもよい。
(f)上記第1実施の形態では、ドル箱支持機構100が前面扉12の下端に設けられている構成であったが、メダル排出口17の下方であれば前面扉12の下端でなくてもよい。この場合、第1実施の形態に比べ、メダル排出口17とドル箱支持機構100との距離が短くなり、比較的底の深いドル箱101を載置することができなくなるが、遊技終了時等のメダルの移し替え作業を必要としないという目的は達することができる。
(g)上記第1実施の形態では、軸孔103a,103b,104aに支軸ピン106を通すことにより、固定部材102に可動部材103が回動可能に支持される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、固定部材102と可動部材103とを連結するように、両部材102,103の両端にヒンジを設け、該ヒンジにより可動部材103を回動可能とする構成であってもよい。
(h)上記第1実施の形態では、ドル箱支持機構100にドル箱101を固定するための固定手段が不具備である構成であったが、固定手段を備えた構成であってもよい。例えば、ドル箱支持機構100の上面の一部とドル箱101の裏面の一部とに、それぞれシート状のマグネットを設ける構成であってもよい。これにより、ドル箱支持機構100にドル箱101を着脱可能に固定することができる。なお、これ以外にもドル箱支持機構100にドル箱101を着脱可能に固定することができれば、どのような構成であってもよい。
(i)上記第1実施の形態では、樋17aが形成され、当該樋17aによりメダル排出口17から払い出されるメダルが、ドル箱101の外縁部101aに接触することなくドル箱101に収容される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、樋17aの代わりに、メダル排出口17から前方に延びる筒状路を設ける構成であってもよい。この場合、メダル排出口17から払い出されるメダルは確実にドル箱101内に導かれる。また、樋17aが形成されていない構成であってもよい。この場合、メダル排出口17から払い出されるメダルが、ドル箱101の外縁部101aに接触する場合があるが、遊技終了時等のメダルの移し替え作業を必要としないという目的は達成することができる。
(j)上記第2実施の形態では、アーム部材116の係合溝116aにドル箱101の持ち手部101bを係合することにより、メダル排出口118の直下にドル箱101を固定する構成であったが、これを変更してもよい。例えば、アーム部材116にフック部を設け、当該フック部にドル箱101の外縁部101aや持ち手部101bを係合する構成であってもよい。
(k)上記第2実施の形態では、アーム部材116が回動可能ではない構成であったが、第1実施の形態と同様に使用時位置と非使用時位置との間で配置換え可能な構成であってもよい。例えば,アーム部材116の前面扉12側に回動機構を設け、図24の状態である使用時位置と、2本のアーム部材116がそれぞれ内側に折れ曲がった状態である非使用時位置との間で配置換え可能な構成であってもよい。この場合、アーム部材116にドル箱101を設置しないときは、アーム部材116を非使用時位置とすることにより、アーム部材116が遊技の邪魔にならない。また、スロットマシン10の搬送時などにアーム部材116が邪魔になるといった不都合は生じない。
(l)上記各実施の形態では、リールが3個である構成のスロットマシン10について説明したが、これに限らず、リールが4個以上ある構成のスロットマシンにも適用できる。また、リールが増加した分、ストップスイッチを増加させたスロットマシンにも適用できる。