JP4777117B2 - 適応変調制御装置、通信装置、及び、適応変調制御方法 - Google Patents

適応変調制御装置、通信装置、及び、適応変調制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、受信特性に応じて変調方式やチャネル符号化率を選択して行う通信に関する。
従来から、受信特性に応じて変調方式及びチャネル符号化率(MCS:Modulation and channel Coding Scheme、以下「MCS」と記す)を選択して通信を行う適応変調通信では、受信信号から受信信号電力対干渉電力及び雑音電力比(SINR:Signal to Interference plus Noise power Ratio、以下「SINR」と記す)または搬送波電力対干渉電力及び雑音電力比(CINR:Carrier to Interference plus Noise power Ratio、以下「CINR」と記す)を推定し、その推定値を基準としてMCSを選択する。
なお、上記に対して干渉電力を考慮しない、または干渉電力と雑音電力を区別せずに雑音電力として、受信信号電力対雑音電力比(SNR:Signal to Noise power Ratio、以下「SNR」と記す)または搬送波電力対雑音電力比(CNR:Carrier to Noise power Ratio、以下「CNR」と記す)を規準として行う適応変調もある。
以下の説明において、本明細書中では、SINR及びCINRは実質的に等価であることから、代表してSINRで記述することとする。
図12は、従来の移動局装置の構成の一例を示すブロック図である。図12に示す移動局装置は、基地局装置と移動局装置とから構成される通信システムであって、基地局装置から移動局装置への通信における下りリンクと、移動局装置から基地局装置への通信における上りリンクとで使用周波数帯の異なる周波数分割複信(Frequency Division Duplex、以下「FDD」と記す)を採用するシステムに用いられる。図12では、下りリンクにおいてのみ、受信特性に応じてチャネル符号化率を選択してデータ通信を行う場合を想定した例である。
図12において移動局装置は、RF(Radio Frequency)受信部910、復調部920、チャネル復号化部930、受信特性推定部940、符号化率選択部950、変調部960、RF送信部970を備える。RF受信部910は、基地局装置からの下りリンク信号をアンテナ90より受信し、受信信号を出力する。復調部920は、前記受信信号を復調し、復調データを出力する。チャネル復号化部930は、前記復調データをチャネル復号化して受信データを出力する。受信特性推定部940は、受信特性を推定する構成要素であり、前記受信信号から受信信号電力Psを推定する信号電力推定部941、受信信号から干渉電力Piを推定する干渉電力推定部942、受信信号から雑音電力Pnを推定する雑音電力推定部943、並びに、前記推定した受信信号電力Ps、干渉電力Pi及び雑音電力Pnとから、SINRを求めるSINR演算部944を備える。
符号化率選択部950は、前記SINRから、チャネル符号化率を選択する。変調部960は、前記選択されたチャネル符号化率の情報を基地局装置に通知するために、前記チャネル符号化率情報を送信データとして変調し、変調信号を出力する。RF送信部970は、前記変調信号を上りリンク信号によりアンテナ90から基地局装置へ送信する。
なお、受信信号からSINRを推定する手法としては、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1のように、多数の手法が提案されている。
図13に、上記従来例におけるチャネル符号化率選択の一例を示す。図13に示すように、従来のシステムでは、SINRに対して1対1の関係でチャネル符号化率を選択していた(非特許文献2)。また、変調方式とチャネル符号化率の組み合わせであるMCSを選択する従来のシステムにおいても同様に、SINRに対して1対1の関係でMCSを選択していた。このように従来は、チャネル符号化率またはMCSの選択の基準としてSINRを使用していた。
特開2000−358079号公報 特開平10−13364号公報 吉識他著「1セル繰り返しOFDM/TDMAシステムにおけるマルチレベル送信電力制御のための干渉電力推定に関する検討」、電子情報通信学会、研究会報告RCS2002−240、2003年1月16日 中西他著「可変符号化率OFDM適応変調方式を用いた1セル繰り返しTDMAシステムに関する検討」、電子情報通信学会、2004年総合大会、B−5−53、2004年3月、p.540
しかしながら、受信信号において雑音成分の主たる構成要素である熱雑音の電力は一般に電力スペクトル密度がすべての周波数で一定であるのに対して、干渉電力は一般に電力スペクトル密度が周波数によって異なる。このため、それぞれのSINRにおいて同じチャネル符号化率またはMCSであっても、干渉電力が大きい場合と小さい場合とでは誤り率特性などに差が生じてしまう。これによりチャネル符号化率またはMCSの適切な選択ができず、通信特性の劣化を引き起こしていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、受信信号電力対干渉及び雑音電力比、または、搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかに加え、干渉電力と雑音電力との大きさに応じて適切なチャネル符号化率、または、チャネル符号化率及び変調方式を選択する適応変調制御装置、通信装置、及び、適応変調制御方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る適応変調制御装置の一態様は、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する適応変調制御装置であって、干渉電力対雑音電力比と、受信信号電力対干渉及び雑音電力比または搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかを受信電力比として入力し、入力した受信電力比と入力した干渉電力対雑音電力比とに基づいて、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する選択部を備えることを特徴とする。
このように、本発明に係る適応変調制御装置の一態様によれば、受信信号電力対干渉及び雑音電力比、または、搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかに加え、干渉電力と雑音電力の大きさに応じて適切なチャネル符号化率を選択することが可能となり、干渉電力と雑音電力の比率の相違による通信特性をチャネル符号化率へ反映させることができる。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。
(2)また、本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記選択部は、さらに、前記受信電力比と前記干渉電力対雑音電力比とに基づいて、複数の変調方式から一つの変調方式を選択することを特徴とする。
このように、受信信号電力対干渉及び雑音電力比、または、搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかに加え、干渉電力と雑音電力の大きさに応じて適切なチャネル符号化率及び変調方式を選択することが可能となり、干渉電力と雑音電力の比率の相違による通信特性をチャネル符号化率及び変調方式へ反映させることができる。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。
(3)さらに、本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記選択部は、前記干渉電力対雑音電力比が大きいほど選択するチャネル符号化率の値を小さくすることを特徴とする。
このように、前記選択部は、干渉電力対雑音電力比が大きいほど、雑音電力に比べ干渉電力の影響が大きく、同じ受信電力比の場合であっても、周波数によって誤り率特性に差が生じることから、小さい値のチャネル符号化率を選択する。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。
(4)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記選択部は、チャネル符号化率それぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の閾値を入力し、前記入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを、前記複数の閾値に対応させて一つのチャネル符号化率を選択することを特徴とする。
このように、前記選択部は、受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを反映する閾値を設定することにより、所定の通信特性を維持するチャネル符号化率を容易に選択することができる。
(5)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記複数の閾値は、干渉電力対雑音電力比が所定の値より大きくなると選択可能なチャネル符号化率の値が小さくなるように、干渉電力対雑音電力比の範囲が特定されていることを特徴とする。
このように、前記選択部は、干渉電力対雑音電力比が所定の値より大きくなると周波数毎の誤り率特性に差が生じることから、選択可能なチャネル符号化率の値が小さくなるようにチャネル符号化率を選択する。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。
(6)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記選択部は、前記干渉電力対雑音電力比が大きいほど低いチャネル符号化率を選択し、前記干渉電力対雑音電力比が小さいほど低い変調方式を選択すること特徴とする。
このように、前記選択部は、干渉電力対雑音電力比が大きいほど、雑音電力に比べ干渉電力の影響が大きく、周波数によって誤り率特性に差が生じることから、チャネル符号化率を低くし、干渉電力対雑音電力比が小さいほど、干渉電力に比べ雑音電力の影響が大きく、雑音電力の影響は各周波数に同じように影響することから、変調方式を低くする。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。
(7)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記選択部は、チャネル符号化率それぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の第一の閾値と、変調方式それぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の第二の閾値とを入力し、前記入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを前記複数の第一の閾値に対応させて一つのチャネル符号化率を選択し、前記入力した干渉電力対雑音電力比と受信電力比とを前記複数の第二の閾値に対応させて一つの変調方式を選択することを特徴とする。
このように、前記選択部は、チャネル符号化率と変調方式との閾値を設定することにより、所定の通信特性を維持するチャネル符号化率と変調方式とを容易に選択することができる。
(8)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記第一の閾値は、干渉電力対雑音電力比が所定の値より大きくなると選択するチャネル符号化率の値が小さくなるように、干渉電力対雑音電力比の範囲が特定され、前記第二の閾値は、干渉電力対雑音電力比が所定の値より小さくなると選択する変調方式のレベルが低くなるように、干渉電力対雑音電力比の範囲が特定されていることを特徴とする。
このように、前記選択部は、干渉電力対雑音電力比が大きいほど、雑音電力に比べ干渉電力の影響が大きく、周波数によって誤り率特性に差が生じることから、チャネル符号化率が低くなるように第一の閾値を設定し、干渉電力対雑音電力比が小さいほど、干渉電力に比べ雑音電力の影響が大きく、雑音電力の影響は各周波数に同じように影響することから、変調方式のレベルが低くなるように第二の閾値を設定する。これにより、適切なチャネル符号化率並びに変調方式を選択することができる。
(9)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、前記選択部は、チャネル符号化率と変調方式の組み合わせを特定する複数の変調パラメータをそれぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の閾値を入力し、前記入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを、前記複数の閾値に対応させて一つの変調パラメータを選択することを特徴とする。
このように、前記選択部は、干渉電力対雑音電力比が大きいほど、チャネル符号化率が低く、干渉電力対雑音電力比が小さいほど、変調方式のレベルが低くなるように変調パラメータの閾値を設定することにより、適切な変調パラメータを容易に選択することができる。
(10)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、受信信号電力または搬送波電力のいずれかと、干渉電力と、雑音電力とを入力し、受信信号電力対干渉及び雑音電力比または搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかを受信電力比として算出し、算出した受信電力比を前記選択部へ出力する受信品質情報演算部と、干渉電力と雑音電力とを入力し、干渉電力対雑音電力比を算出し、算出した干渉電力対雑音電力比を前記選択部へ出力する干渉雑音情報演算部と、を更に備えることを特徴とする。
このように、受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを前記選択部へ通知する機能を有することにより、適切なチャネル符号化率または変調方式を選択することができる。
(11)本発明に係る適応変調制御装置の一態様において、受信信号を入力し、入力した受信信号に基づいて受信信号電力または搬送波電力のいずれかを推定する信号電力推定部と、受信信号を入力し、入力した受信信号に基づいて干渉電力を推定する干渉電力推定部と、受信信号を入力し、入力した受信信号に基づいて雑音電力を推定する雑音電力推定部と、を更に備えることを特徴とする。
このように、受信側の通信装置に設置される適応変調制御装置は、受信信号に基づいて、受信信号電力または搬送波電力のいずれか、干渉電力並びに雑音電力を推定する機能を有することにより、適切なチャネル符号化率または変調方式を選択するための情報を取得するとともに、取得した情報を用いて適切なチャネル符号化率または変調方式の少なくとも一方を選択することができる。
(12)本発明に係る通信装置の一態様は、通信先へチャネル符号化した信号を送信する通信装置であって、上記(1)から上記(10)のいずれかの適応変調制御装置と、前記適応変調制御装置が選択したチャネル符号化率を用いてデータを符号化するチャネル符号化部と、前記符号化した信号を通信先へ送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
このように、送信側の通信装置は、適切なチャネル符号化率を選択する適応変調制御装置を備えることにより、通信特性の劣化を抑制する通信を行うことができる。
(13)本発明に係る通信装置の別の態様は、通信先からチャネル符号化された信号を受信する通信装置であって、上記(1)から上記(11)のいずれかの適応変調制御装置と、前記適応変調制御装置が選択したチャネル符号化率を通信先へ送信する送信部と、前記選択したチャネル符号化率で符号化された信号を通信先から受信する受信部と、を備えることを特徴とする。
このように、受信側の通信装置は、適切なチャネル符号化率または変調方式の少なくとも一方を選択する適応変調制御装置を備えることにより、通信先の通信装置へ適切なチャネル符号化率あるいは変調方式を通知することが可能となり、通信特性の劣化を抑制する通信を行うことができる。
(14)本発明に係る適応変調制御方法の一態様は、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する適応変調制御方法であって、干渉電力対雑音電力比と、受信信号電力対干渉及び雑音電力比または搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかを受信電力比として入力し、入力した受信電力比と入力した干渉電力対雑音電力比とに基づいて、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択することを特徴とする。
このように、本発明に係る適応変調制御方法の一態様によれば、受信信号電力対干渉及び雑音電力比、または、搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかに加え、干渉電力と雑音電力の大きさに応じて適切なチャネル符号化率を選択することが可能となり、干渉電力と雑音電力の比率の相違による通信特性をチャネル符号化率へ反映させることができる。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。
本発明によれば、受信信号電力対干渉及び雑音電力比、または、搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかに加え、干渉電力と雑音電力の大きさに応じて適切なチャネル符号化率、または、チャネル符号化率及び変調方式を選択することが可能となり、通信特性の劣化を抑制することができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素及び相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
また、各実施形態では、基地局装置または移動局装置が適応変調制御装置を備える例を説明するが、これらに限られることはない。本発明に係る適応変調制御装置は、チャネル符号化率、または、変調方式を用いて通信を行う通信装置に設置することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1は、基地局装置100と移動局装置200とから構成される通信システムであり、FDDを採用するシステムの例である。また、図1では、下りリンクにおいてのみ、受信特性に応じてチャネル符号化率を選択してデータ通信を行う場合を想定した例を示している。
図1において基地局装置100は、RF受信部110、復調部120、チャネル符号化部130、変調部140、並びに、RF送信部150を備える。
RF受信部110は、移動局装置からの上りリンク信号をアンテナ90より受信し、受信信号を出力する。復調部120は、RF受信部110が受信した受信信号を復調し、受信信号に含まれているチャネル符号化率情報を出力する。チャネル符号化率情報は、移動局装置200で選択されたチャネル符号化率を特定する情報である。チャネル符号化部130は、復調部120が復調したチャネル符号化率情報に基づいて、移動局装置200へ送信する送信データをチャネル符号化し、符号化データを出力する。変調部140は、チャネル符号化部130が符号化した符号化データを変調し、変調信号を出力する。RF送信部150は、変調部140が変調した変調信号を下りリンク信号としてアンテナ90から移動局装置へ送信する。
なお、移動局装置200において、チャネル符号化率情報にチャネル符号化が施されている場合は、復調部120において復調されたデータをチャネル復号して、チャネル符号化率情報を得る。また、チャネル符号化率情報が移動局装置100からの他のデータに多重されている場合は、復調後またはチャネル復号後にチャネル符号化率情報と他のデータの分離を行う。
図1において移動局装置200は、RF受信部210、復調部220、チャネル復号化部230、変調部240、RF送信部250、受信特性推定部310、並びに、選択部(符号化率選択部)320を備える。また、受信特性推定部310と選択部320とは、適用変調制御装置300を構成する。図1に示す適用変調制御装置300は、受信信号に基づいて、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する。
RF受信部210は、基地局装置からの下りリンク信号をアンテナ90より受信し、受信信号を出力する。復調部220は、RF受信部210が受信した受信信号を復調し、復調データを出力する。チャネル復号化部230は、復調部220が復調した復調データをチャネル復号化して受信データを出力する。
受信特性推定部310は、RF受信部210が受信した受信信号に基づいて、受信信号電力Ps、干渉電力Pi及び雑音電力Pnの推定値を推定し、推定した各推定値から、受信信号電力対干渉及び雑音電力比(以下、「SINR」と記す)Ps/(Pi+Pn)と、干渉電力対雑音電力比(以下、「INR」と記す)Pi/Pnとを求める。ここでは、受信特性推定部310は、SINRを推定する例を説明するが、SINRに代えて、搬送波電力対干渉は及び雑音電力比(以下、「CINR」と記す)を推定する場合もあり得る。受信特性推定部310は、SINRまたはCINRのいずれかを受信電力比として選択部320へ出力する。
選択部320は、受信特性推定部310が推定したSINRとINRとに基づいて、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する。また、受信特性推定部310がSINRまたはCINRを推定する場合、選択部320は、SINRまたはCINRのいずれかを受信電力比として入力し、入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力とに基づいて、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択することになる。選択対象となる複数の符号化率は、予め選択部320内の記憶領域あるいは所定の記憶領域に記憶されており、選択部320は、記憶領域に記憶する(保持する)複数のチャネル符号化率から一つを選択する。
変調部240は、選択部320が選択したチャネル符号化率を特定するチャネル符号化率情報を基地局装置100に通知するために、前記チャネル符号化率情報を送信データとして変調し、変調信号を出力する。RF送信部250は、変調部240が変調した変調信号を上りリンク信号としてアンテナ90から基地局装置100へ送信する。
なお、変調部240は、チャネル符号化率情報の変調の前に、システムで予め定めたチャネル符号化率によって、チャネル符号化を施しても良い。また、基地局装置への他の送信データに付加して送信しても良い。
図2は、本実施形態の適応変調制御装置300の一例を示す機能ブロック図である。図2に示す適応変調制御装置300は、受信特性推定部310と選択部320とを備え、受信特性推定部310は、信号電力推定部311、干渉電力推定部312、雑音電力推定部313、受信品質情報演算部(SINR演算部)314、ならびに、干渉雑音情報演算部(INR演算部)315を備える。
信号電力推定部311は、RF受信部210が受信した受信信号から受信信号電力Psを推定する。また、信号電力推定部311は、受信信号電力に代えて搬送波電力を推定する場合もあり、受信信号電力または搬送波電力のいずれかを信号電力情報として出力するものとする。以降の説明では、信号電力推定部311は、受信信号電力を出力する場合を説明する。干渉電力推定部312は、RF受信部210が受信した受信信号から干渉電力Piを推定する。雑音電力推定部313は、RF受信部210が受信した受信信号から雑音電力Pnを推定する。
受信品質情報演算部314は、信号電力推定部311が推定した受信信号電力Ps(または搬送波電力)、干渉電力推定部312が推定した干渉電力Pi、及び、雑音電力推定部313が推定した雑音電力Pnとから、SINR(またはCINR)を算出し、算出したSINR(またはCINR)を受信電力比として選択部320へ出力する。受信品質情報演算部314は、SINRを算出する場合をSINR演算部、CINRを算出する場合をCINR演算部ということもある。
干渉雑音情報演算部315は、前記推定した干渉電力Pi及び雑音電力Pnとから、INRを算出し、選択部320へ出力する。干渉雑音情報演算部315は、INRを算出することからINR演算部ということもある。
選択部320は、受信品質情報演算部314から受信電力比(SINRまたはCINRのいずれか)を入力し、干渉雑音情報演算部315からINRを入力し、受信電力比とINRとに基づいて、チャネル符号化率を選択する。
図3に、本実施形態におけるチャネル符号化率選択の一例を示す。図3は、横軸をSINR、縦軸をINRの値とし、3種類のチャネル符号化率(1/8、1/4及び1/2)から一つのチャネル符号化率を選択する場合の例を示している。図3中、S31はSINRの値を、T31、T32はINRの値の一例を示している。受信特性推定部310によって求めたSINRとINRとの関係からチャネル符号化率を選択する。図3に示すように、同じSINRにおいても、INRが大きくなるにつれて段階的に低いチャネル符号化率となるように選択を行う。従って、INRが大きくなるほど、選択するチャネル符号化率の値(最大値)が段階的に小さく(低く)なる。図3では、チャネル符号化率は、3段階に変化する例を示しているが、より多くのチャネル符号化率が存在する場合は更に多段階に選択するチャネル符号化率が変化することになる。
チャネル符号化率それぞれについてSINR(またはCINR)の範囲とINRの範囲とを特定する複数の閾値を設定している。選択部320は、受信特性推定部310が推定したSINR(またはCINR)とINRとを、複数の閾値に対応させて一つのチャネル符号化率を選択する。図3では、符号B1、B2で示す二つの閾値を一例として示している。SINRが閾値B1以上、かつ、INRが閾値B1以下の場合、選択部320は、チャネル符号化率1/2を選択する。SINRが閾値B2以上、かつ、INRが閾値B2以下であり、さらに、SINRがB1より小さく、かつ、INRがB1より大きい場合、選択部320は、チャネル符号化率1/4を選択する。さらに、SINRが閾値B2より小さく、かつ、INRが閾値B2より大きい場合、選択部320は、チャネル符号化率1/8を選択する。このように、選択部320は、複数の閾値によって特定される範囲(図3では、閾値によって特定される領域ともいえる)にSINRとINRとを対応させて、一つのチャネル符号化率を選択する。ここでは、SINRが閾値B1以上、かつ、INRが閾値B1以下の場合、選択部320は、チャネル符号化率1/4、1/8を選択することも可能であるといえるが、複数のチャネル符号化率が選択可能な場合、選択部320は、大きいチャネル符号化率を選択するものとする。
それぞれのSINRに対して、チャネル符号化率選択の閾値となるINRをどのように設定するか(例えば、図3におけるSINR=S31に対する閾値T31及びT32)は、システムの構成と性能によって異なる。このため、例えば目標のビット誤り率(BER:Bit Error Rate、以下「BER」と記す)、パケット誤り率、フレーム誤り率またはブロック誤り率などを定め、その目標値を満たすことのできるSINRとINRの関係をシミュレーションや実験などによって求め、前記閾値を決定する。
シミュレーションや実験などを用いた具体的な閾値決定の手順について、目標BERを10−4とした場合の例について説明する。図4は、閾値を決定する手法の一例を示す図である。まず、選択可能なチャネル符号化率(この例では1/8、1/4および1/2の3種類とする)それぞれについて、SINRを変化させたときのBER特性を取得する。なお、このときINRは固定しておく。次にSINRを固定してINRを変化させたときのBER特性を様々なSINRについて取得し、図4に示すような、SINR対INR対BER特性のグラフ(3次元のグラフ)を作成する。実線は、符号化率1/8におけるSINR対INR対BER特性、1点鎖線は、符号化率1/4におけるSINR対INR対BER特性、2点鎖線は、符号化率1/2におけるSINR対INR対BER特性を示す。
このグラフを目標BERである10−4の面で切り出し、図4に示したように、それぞれのチャネル符号化率で目標BERを達成できるSINRとINRの関係を導き出す。それらの境界をチャネル符号化率選択の閾値として設定する。なお、いずれのチャネル符号化率においても目標BERを達成できない領域は、送信を行わない領域として設定する。図4中では、符号化率1/8は、右上がりの斜線部分、符号化率1/4は、右下がりの斜線部分、符号化率1/2は、格子模様部分という結果を導くことができる。なお、図4は、閾値を決定する手法の一例を示す図であり、実験データ等実測値を示したものではない。
このようにして設定されたチャネル符号化率選択の閾値は、適応変調制御装置300内の所定の記憶領域へ記憶され、必要に応じて、選択部320が読み出す。選択部320が閾値を保持していてもよい。
また、図1及び図2では、受信特性の推定及びチャネル符号化率の選択を移動局装置200において行う例を示しているが、以下のような構成も可能である。
図5は、本実施形態の通信システムの別の構成の一例を示す図である。図5において、適応変調制御装置301は、選択部320を備え、受信特性推定部310を備えていない構成とした例であり、適応変調制御装置301を基地局101へ設置し、受信特性推定部310を移動局装置201に設置した構成例を示している。この場合、移動局装置201では、受信特性推定部310によって求めたSINR(またはCINR)及びINRを受信特性情報として基地局装置101へ送信する。基地局装置101では、復調部121は、RF受信部110が受信した受信信号を復調し、受信信号に含まれている受信特性情報を出力し、選択部320は、復調部121が出力した受信特性情報に基づいて、チャネル符号化率を選択する。
図6は、本実施形態の通信システムのさらに別の構成の一例を示す図である。図6において、適応変調制御装置302は、選択部320と、受信特性情報演算部330とを備える構成とした例である。受信特性情報演算部330は、図2に示す受信特性推定部310の一部の機能を有し、受信品質情報演算部314、干渉雑音情報演算部315を含む受信特性演算部330及び選択部320を備える。
図2に示す受信特性推定部310のうち、信号電力推定部311、干渉電力推定部312及び雑音電力推定部313までを電力推定部260として移動局装置202に設け、基地局装置102に受信品質情報演算部314、干渉雑音情報演算部315を備える受信特性演算部330及び選択部320を設ける。この場合、移動局装置202では、電力推定部260によって求めた受信信号電力Ps(または搬送波電力)、干渉電力Pi及び雑音電力Pnの各推定値(電力情報)を基地局装置102へ送信する。基地局装置102では、復調部122は、RF受信部110が受信した受信信号を復調し、受信信号に含まれている各推定値を出力し、受信特性情報演算部330は、復調部122が出力した各推定値に基づいて、SINR(またはCINR)とINRとを算出して、選択部320へ出力し、選択部320は、受信特性情報演算部330が出力したSINR(またはCINR)とINRとに基づいて、チャネル符号化率を選択する。
図5、図6において、図1及び図2と同じ符号の構成要素は同様の機能を備えるため説明を省略する。
なお、図5、図6で示した適応変調制御装置301、302は、基地局装置101、102へ設置した例を示したが、適応変調制御装置301、302は、適応変調制御装置300の機能の一部分を備える構成としたものであり、移動局装置201の構成を備える場合に、適応変調制御装置301を設置すれば移動局装置200と同様の機能を備えることになり、同様に移動局装置202へ適応変調制御装置302を設置することが可能であり、このような場合も本発明を適用したことに変わりはない。
このように、本実施形態によれば、SINRまたはCINRのいずれかに加え、干渉電力と雑音電力の大きさに応じて適切なチャネル符号化率を選択することが可能となり、干渉電力と雑音電力の比率の相違による通信特性をチャネル符号化率へ反映させることができる。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。また、チャネル符号化率選択の機能を、処理負荷を考慮して送信側(基地局装置側)または受信側(移動局装置側)のいずれかへ分散させることができる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図7は第1の実施形態と同様に、基地局装置103と移動局装置203とから構成される通信システムであり、FDDを採用するシステムの例である。また、図7では、下りリンクにおいてのみ、受信特性に応じて変調方式及びチャネル符号化率を選択してデータ通信を行う場合を想定した例を示す。図7における基地局装置103は、図1に示す基地局装置100と、復調部123、チャネル符号化部133、並びに、変調部143が異なる。
復調部123は、RF受信部110が受信した受信信号を復調し、受信信号に含まれているMCS情報をチャネル符号化部133と変調部143へ出力する。本明細書では、MCS(変調パラメータ)は、チャネル符号化率と変調方式の組み合わせを特定する情報である。チャネル符号化部133は、復調部123が復調したMCS情報に含まれるチャネル符号化率に基づいて、移動局装置203へ送信する送信データをチャネル符号化し、符号化データを出力する。変調部143は、復調部123が復調したMCS情報に含まれる変調方式に基づいて、チャネル符号化部133が符号化した符号化データを変調し、変調信号を出力する。
なお、移動局装置203においてチャネル符号化率情報にチャネル符号化が施されている場合は、復調部123において復調されたデータをチャネル復号して、チャネル符号化率情報を得る。また、MCS情報が移動局装置203からの他のデータに多重されている場合は、復調後またはチャネル復号後にMCS情報と他のデータの分離を行う。
図7における移動局装置203は、図1に示す移動局装置200と、選択部(MCS選択部)340が異なり、これに伴って適応変調制御装置303の構成も異なっている。
選択部340は、受信特性推定部310が推定したSINRとINRとに基づいて、変調方式及びチャネル符号化率の組み合わせであるMCSを選択する。また、変調部240は、選択されたMCSを特定するMCS情報を基地局装置103に通知するために、前記MCS情報を送信データとして変調し、変調信号を出力する。
なお、変調部240は、MCS情報の変調の前に、システムで予め定めたチャネル符号化率によって、チャネル符号化を施しても良い。また、基地局装置103への他の送信データに付加して送信しても良い。
図8は、本実施形態の適応変調制御装置303の一例を示す機能ブロック図である。図8に示す適応変調制御装置303は、図2に示した適応変調制御装置300と比べ、選択部(MCS選択部)340、並びに、適応変調制御装置303の出力がMCSである点が異なる。その他の構成要素は図2と同様である。また、受信品質情報演算部314は、SINRとCINRとのいずれか一方を出力する点も第1の実施形態と同様である。
図9に、本発明の第2の実施形態におけるMCS選択の一例を示す。図9は、横軸をINR、縦軸の左側を変調方式、右側をチャネル符号化率とし、3種類の変調方式BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)及び16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)と3種類のチャネル符号化率1/8、1/4及び1/2との組み合わせからMCSを選択する場合の例を示している。受信特性推定部310によって求めたSINRとINRとの関係からMCSを選択する。
図9は、SINRをある1つの代表値(一例として、SINR=S61)に固定した場合に、INRと選択するMCSとの関係を示したものであり、一点鎖線は目標性能(例えばBER=10−4)を達成するチャネル符号化率の境界値(チャネル符号化率の閾値)を示し、実線は目標性能(例えばBER=10−4)を達成する変調方式の境界値(変調方式の閾値)を示す。図9に示すように、選択部340は、同じSINRにおいても、INRが大きくなるにつれて段階的に高い変調方式と低いチャネル符号化率の組み合わせのMCSとなるように選択を行い、INRが小さくなるにつれて低い変調方式と高いチャネル符号化率の組み合わせのMCSとなるように選択を行う。また、この例では、選択部340は、伝送レートが同じになるようにチャネル符号化率と変調方式とを選択しているがこれに限定されるものではなく、チャネル符号化率の閾値と変調方式の閾値との関係によっては伝送レートが変化する場合もあり得る。さらに、図9では、INRがT62の場合に、変調方式とチャネル符号化率との閾値が変化するように設定しているが、異なるINRにおいてそれぞれの閾値が変わる場合であってもよく、INRがT62で、変調方式の閾値が変化し、INRがT62より大きい値で、チャネル符号化率の閾値が変化するようにしてもよい。
図9では、変調方式とチャネル符号化率との閾値を別々に設定しているが、MCSの閾値を設定し、SINRとINRの値に基づいて、MCSの値を選択することも可能である。選択部340は、複数の変調パラメータそれぞれについてSINRの範囲とINRの範囲とを特定する複数の閾値を設定する。例えば、図3に示したチャネル符号化率とSINR、INRとの関係において、チャネル符号化率の閾値をMCSの閾値に替えて、SINRとINRとに基づいてMCSを選択することができる。
図9では、チャネル符号化率それぞれについてSINR(またはCINR)の範囲とINRの範囲とを特定する複数の第一の閾値(チャネル符号化率の閾値)と、変調方式それぞれについてSINR(またはCINR)の範囲とINRの範囲とを特定する複数の第二の閾値(変調方式の閾値)とを設定している。選択部320は、受信特性推定部310が推定したSINR(またはCINR)とINRとを複数の第一の閾値に対応させて一つのチャネル符号化率を選択し、また、前記SINR(またはCINR)とINRとを複数の第二の閾値に対応させて一つの変調方式を選択する。図9では、SINRがS61において、INRがT61以下の場合、選択部320は、チャネル符号化率1/2、変調方式BPSKを選択する。INRがT62以下、かつ、T61より大きい場合、選択部320は、チャネル符号化率1/4、変調方式QPSKを選択する。INRがT62より大きい場合、選択部320は、チャネル符号化率1/8、変調方式16QAMを選択する。また、図9は、SINRがS61の場合を示しているが、各SINRについて、あるいは、所定の範囲のSINRについて、図9と同様の閾値(境界値)を設定してチャネル符号化率、変調方式を選択する。所定の範囲のSINRとは、INRに関する閾値(すなわち、チャネル符号化率、変調方式に対応するINRの範囲)として同じ値が用いられる範囲のSINRを意味する。
それぞれのSINRに対して、MCS選択の閾値(チャネル符号化率の閾値と変調方式の閾値)となるINRをどのように設定するか(図9におけるSINR=S61に対する閾値T61及びT62)は、システムによって異なる。このため、例えば目標のビット誤り率、パケット誤り率、フレーム誤り率またはブロック誤り率などを定め、その目標値を満たすことのできるSINRとINRの関係をシミュレーションや実験などによって求め、前記境界値を決定する。閾値の決定方法については、第1の実施形態において図4を用いて説明した方法と同様に定めることが可能である。MCS選択の閾値は、第1の実施形態と同様に所定の記憶領域に保持されている。
また、図7及び図8では、受信特性の推定及びMCSの選択を移動局装置203において行う例を示しているが、以下のような構成も可能である。
図10は、本実施形態の通信システムの別の構成の一例を示す図である。図10において、適応変調制御装置304は、選択部340を備え、受信特性推定部310を備えていない構成とした例であり、適応変調制御装置304を基地局104へ設置し、受信特性推定部310を移動局装置204に設置した構成例を示している。この場合、移動局装置204では、受信特性推定部310によって求めたSINR(またはCINR)及びINRを基地局装置104へ送信する。基地局装置104では、復調部124は、RF受信部110が受信した受信信号を復調し、受信信号に含まれている受信特性情報を出力し、選択部340は、復調部124が出力した受信特性情報に基づいて、MCSを選択する。
図11は、本実施形態の通信システムのさらに別の構成の一例を示す図である。図11において、適応変調制御装置305は、選択部340と、受信特性情報演算部330とを備える構成とした例である。受信特性情報演算部330は、図8(または図2)に示す受信特性推定部310の一部の機能を有し、受信品質情報演算部314、干渉雑音情報演算部315を含む受信特性演算部330及び選択部340を備える。
図2に示す受信特性推定部310のうち、信号電力推定部311、干渉電力推定部312及び雑音電力推定部313までを電力推定部260として移動局装置204に設け、基地局装置104に受信品質情報演算部314、干渉雑音情報演算部315及びMCS選択部340を設ける。その他、図6と同様である点は説明を省略する。
図10、図11において、図7及び図8と同じ符号の構成要素は同様の機能を備えるため説明を省略する。
なお、図10、図11で示した適応変調制御装置304、305は、基地局装置104、105へ設置した例を示したが、適応変調制御装置304、305は、適応変調制御装置300の機能の一部分を備える構成としたものであり、移動局装置204の構成を備える場合に、適応変調制御装置304を設置すれば移動局装置203と同様の機能を備えることになり、同様に移動局装置205へ適応変調制御装置305を設置することが可能であり、このような場合も本発明を適用したことに変わりはない。
このように、本実施形態によれば、SINRまたはCINRのいずれかに加え、干渉電力と雑音電力の大きさに応じて適切なMCSを選択することが可能となり、干渉電力と雑音電力の比率の相違による通信特性をチャネル符号化率及び変調方式へ反映させることができる。これにより、通信特性の劣化を抑制することができる。また、同一の伝送レートを実現する複数のMCSが存在する場合に、SINRまたはCINRのいずれかに加え、干渉電力と雑音電力の大きさに応じて選択することによって、より適切なMCSを選択することが可能となる。さらに、MCS選択の機能を、処理負荷を考慮して送信側(基地局装置側)または受信側(移動局装置側)のいずれかへ分散させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態の適応変調制御装置の一例を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態におけるチャネル符号化率選択の一例を示す図である。 閾値を決定する手法の一例を示す図である。 第1の実施形態の通信システムの別の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態の通信システムのさらに別の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態の適応変調制御装置の一例を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態におけるMCS選択の一例を示す図である。 第2の実施形態の通信システムの別の構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態の通信システムのさらに別の構成の一例を示すブロック図である。 従来の移動局装置の構成の一例を示すブロック図。 従来例におけるチャネル符号化率選択の一例を示す図である。
符号の説明
90 アンテナ
100〜105 基地局装置
110 RF受信部
120、123〜125 復調部
130、133 チャネル符号化部
140、143 変調部
150 RF送信部
200〜205 移動局装置
210 RF受信部
220 復調部
230 チャネル復号化部
240 変調部
250 RF送信部
260 電力推定部
300〜305 適用変調制御装置
310 受信特性推定部
311 信号電力推定部
312 干渉電力推定部
313 雑音電力推定部
314 受信品質情報演算部
315 干渉雑音情報演算部
320 選択部(符号化率選択部)
330 受信特性情報演算部
340 選択部(MCS選択部)

Claims (14)

  1. 複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する適応変調制御装置であって、
    干渉電力対雑音電力比と、受信信号電力対干渉及び雑音電力比または搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかを受信電力比として入力し、入力した受信電力比と入力した干渉電力対雑音電力比とに基づいて、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する選択部を備えることを特徴とする適応変調制御装置。
  2. 前記選択部は、さらに、前記受信電力比と前記干渉電力対雑音電力比とに基づいて、複数の変調方式から一つの変調方式を選択することを特徴とする請求項1記載の適応変調制御装置。
  3. 前記選択部は、前記干渉電力対雑音電力比が大きいほど選択するチャネル符号化率の値を小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の適応変調制御装置。
  4. 前記選択部は、チャネル符号化率それぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の閾値を入力し、前記入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを、前記複数の閾値に対応させて一つのチャネル符号化率を選択することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の適応変調制御装置。
  5. 前記複数の閾値は、干渉電力対雑音電力比が所定の値より大きくなると選択可能なチャネル符号化率の値が小さくなるように、干渉電力対雑音電力比の範囲が特定されていることを特徴とする請求項4記載の適応変調制御装置。
  6. 前記選択部は、前記干渉電力対雑音電力比が大きいほど低いチャネル符号化率を選択し、前記干渉電力対雑音電力比が小さいほど低い変調方式を選択すること特徴とする請求項2記載の適応変調制御装置。
  7. 前記選択部は、チャネル符号化率それぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の第一の閾値と、変調方式それぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の第二の閾値とを入力し、前記入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを前記複数の第一の閾値に対応させて一つのチャネル符号化率を選択し、前記入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを前記複数の第二の閾値に対応させて一つの変調方式を選択することを特徴とする請求項6記載の適応変調制御装置。
  8. 前記第一の閾値は、干渉電力対雑音電力比が所定の値より大きくなると選択するチャネル符号化率の値が小さくなるように、干渉電力対雑音電力比の範囲が特定され、前記第二の閾値は、干渉電力対雑音電力比が所定の値より小さくなると選択する変調方式のレベルが低くなるように、干渉電力対雑音電力比の範囲が特定されていることを特徴とする請求項7記載の適応変調制御装置。
  9. 前記選択部は、チャネル符号化率と変調方式の組み合わせを特定する複数の変調パラメータそれぞれについて受信電力比の範囲と干渉電力対雑音電力比の範囲とを特定する複数の閾値を入力し、前記入力した受信電力比と干渉電力対雑音電力比とを、前記複数の閾値に対応させて一つの変調パラメータを選択することを特徴とする請求項6記載の適応変調制御装置。
  10. 受信信号電力または搬送波電力のいずれかと、干渉電力と、雑音電力とを入力し、受信信号電力対干渉及び雑音電力比または搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかを受信電力比として算出し、算出した受信電力比を前記選択部へ出力する受信品質情報演算部と、
    干渉電力と雑音電力とを入力し、干渉電力対雑音電力比を算出し、算出した干渉電力対雑音電力比を前記選択部へ出力する干渉雑音情報演算部と、を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の適応変調制御装置。
  11. 受信信号を入力し、入力した受信信号に基づいて受信信号電力または搬送波電力のいずれかを推定する信号電力推定部と、
    受信信号を入力し、入力した受信信号に基づいて干渉電力を推定する干渉電力推定部と、
    受信信号を入力し、入力した受信信号に基づいて雑音電力を推定する雑音電力推定部と、を更に備えることを特徴とする請求項10記載の適応変調制御装置。
  12. 通信先へチャネル符号化した信号を送信する通信装置であって、
    請求項1から請求項10のいずれかの適応変調制御装置と、
    前記適応変調制御装置が選択したチャネル符号化率を用いてデータを符号化するチャネル符号化部と、
    前記符号化した信号を通信先へ送信する送信部と、を備えることを特徴とする通信装置。
  13. 通信先からチャネル符号化された信号を受信する通信装置であって、
    請求項1から請求項11のいずれかの適応変調制御装置と、
    前記適応変調制御装置が選択したチャネル符号化率を通信先へ送信する送信部と、
    前記選択したチャネル符号化率で符号化された信号を通信先から受信する受信部と、を備えることを特徴とする通信装置。
  14. 複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択する適応変調制御方法であって、
    干渉電力対雑音電力比と、受信信号電力対干渉及び雑音電力比または搬送波電力対干渉及び雑音電力比のいずれかを受信電力比として入力し、
    入力した受信電力比と入力した干渉電力対雑音電力比とに基づいて、複数のチャネル符号化率から一つのチャネル符号化率を選択することを特徴とする適応変調制御方法。
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