JP4771571B2 - アルケニル置換芳香族炭化水素の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルケニル置換芳香族炭化水素を芳香族炭化水素とオレフィンより一段で直接合成する方法に関する。
より具体的には、エチレンを用いてベンゼンをアルケニル化し、スチレンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スチレンは、エチレンによるベンゼンのアルキル化及びこれによって得られたエチルベンゼンの脱水素による二段のプロセスで製造されている。
エチレンとベンゼンから直接スチレンを合成する一段合成法については、酢酸パラジウムを用いた液相反応が藤原らによって報告されている(1J. Am. Chem. Soc. 0, 1969, 1910, 7166)。ここでは酢酸銅もしくは酢酸銀を酸化助触媒として用いることで、酸素による触媒的な部分酸化反応を可能にしているが、反応速度及び、スチレンの選択率は低い。
【0003】
その後、カルボン酸アミドを添加することで触媒の安定性を向上させる改良が施されているが(特公昭51‐14496号公報)、必須の溶媒として用いられる酢酸とエチレンから生成する酢酸ビニルの副生は抑えられず、スチレンの選択率は十分ではない。また、第VIII族遷移金属(鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)を用いたスチレンの一段合成法は、米国特許3,848,010号明細書に開示されている。しかし、スチレンの一段合成法では、酢酸等のカルボン酸の存在が不可欠であり、従来の技術では酢酸ビニル等のカルボン酸エステルの副生を回避できないため、スチレンのみを選択的に生成することは依然困難である。
【0004】
また、本発明者の一人らによってカルボン酸非共存下でのロジウムによるスチレン選択的製造法が提案されている(米国特許出願番号第09/277,327)。しかしながら、上記いずれのスチレン一段合成法技術でもこれらの第VIII族遷移金属を触媒として作用させるためには、反応によって還元された第VIII族遷移金属を再酸化するために銅含有化合物等の酸化助触媒が不可欠である。反応中に第VIII族遷移金属を再酸化することで、自身が還元された酸化助触媒は空気または酸素によって再酸化することが出来る。すなわち従来の技術では、本反応を触媒的に実施するためには、触媒となる第VIII族遷移金属、酸化助触媒、酸素(空気)の共存が必須条件であった。
酢酸パラジウムを用い、酸素のみを酸化剤として芳香族炭化水素とスチレンの反応を行なう方法が知られているているが(米国特許3,775,511号明細書)、主生成物はアセトフェノンであり、アルケニル化生成物であるスチルベンの選択率は低い。
【0005】
本発明において、「選択的に製造する」、「選択的に生成する」の用語は、所望の芳香族炭化水素をその他の生成物と比較して相対的に高い割合で製造ないし生成することを意味する。同様に、「選択率が高い」ことは、狙いとする、アルケニル置換芳香族炭化水素が、他の反応生成物( 所望しない生成物) と比較して高い割合で生成することを意味する。同様に、「主に含む」の用語も、その生成物が、他のものに比較して、有意に多いことを意味する。
【0006】
本願発明は、特定の触媒を用い、β−ジケトンを添加することで、従来の方法では選択的に得られなかった所定のアルケニル置換芳香族炭化水素を効率的に、かつ酸化助触媒の非存在下で製造できるものである。
反応により得られた芳香族炭化水素は、必要に応じて、分留などの常法により単離して、製品とすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、芳香族炭化水素のオレフィンによるアルケニル化によってアルケニル置換芳香族炭化水素を選択率良く合成する新規な方法を提供することである。本発明は、特に、酸素存在下で芳香族炭化水素をオレフィンでアルケニル化する際に、ロジウム錯体を触媒として用い、β−ジケトンを添加することにより、銅含有化合物や銀含有化合物等の酸化助触媒を必要としないことを特徴とするアルケニル置換芳香族炭化水素の製造方法に関する。有用な反応の一例としては、エチレンを用いてベンゼンをアルケニル化し、スチレンを得る反応があげられる。スチレンはポリスチレンの原料として有用な化合物である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、酸素存在下でアルケニル置換芳香族炭化水素を製造する方法について鋭意研究した結果、ロジウム錯体を触媒として用い、β−ジケトンを添加することにより、酸化助触媒の非存在下で芳香族炭化水素を選択的にアルケニル化する方法を見出したものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明で用いられるRh( I) の形式酸化状態とは、触媒の出発物質がロジウム1価であることを示す。同様に、Rh( III)の形式酸化状態とは触媒の出発物質がロジウム3価であることを示す。
【0010】
本発明で用いられる芳香族炭化水素とはπ電子軌道が非局在化した環状化合物であり、単環および多環を問わず使用できる。具体的には炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、好ましくは炭素数6〜12である。そして、芳香環の少なくとも1原子がこれと共有結合した水素を有する。このような芳香族炭化水素は置換基を含むことができる。
【0011】
置換基としては、直鎖状、分岐状、環状を問わない。置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカリール基およびアラルキル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n- プロピル基、イソブチル基、n- ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0012】
アリール基の例としては、フェニル基およびナフチル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルカリール基の例としては、2- メチルフェニル基(o- トリル基)、3- メチルフェニル基(m- トリル基)、4- メチルフェニル基(p- トリル基)、2,3ジメチルフェニル基(2,3キシリル基)、3,4−ジメチルフェニル基(3,4キシリル基)および2,4,6−トリメチルキシリル基(メシチル基)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アラルキル基の例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)およびトリフェニルメチル基(トリチル基)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0013】
また、芳香族炭化水素および芳香族炭化水素の置換基は、水素と炭素以外の原子を1個以上有する非炭化水素の置換基を更に1個以上含むことができる。非炭化水素の置換基の例としては、ハロゲン原子(- F、- Cl、- Br、- I)、水酸基(- OH)、アルコキシ基(- OR)、カルボキシル基(- COOH)、エステル基(- COOR)、アルデヒド基(- CHO)、アシル基(- C(=O)R)、アミド基(- C(=O)NH2 )、置換アミド基(- C(=O)NHR、- C(=O)NR2 )、アミノ基(- NH2 )、置換アミノ基(- NHR、- NR2 )、ニトロ基(- NO2 )、ニトロソ基(- NO)、シアノ基(- CN)、シアナート基(- OCN)、イソシアナート基(- NCO)、チオシアナート基(- SCN)、イソチオシアナート基(- NCS)、チオール基(- SH)、チオエーテル基(- SR)、スルホ基(- SO3 H)およびハロゲン化アルキル基(- CF3 )等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、芳香族炭化水素および芳香族炭化水素の置換基は、後述するロジウム触媒を被毒しないもの、もしくは好ましくない副反応を誘発しないものである。
【0014】
単環芳香族炭化水素の具体例としては、ベンゼン、メチルベンゼン(トルエン)、1,2−ジメチルベンゼン(o−キシレン)、1,3−ジメチルベンゼン(m−キシレン)、1,4−ジメチルベンゼン(p−キシレン)、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン(キュメン)、1−イソプロピル−4−メチルベンゼン(p−シメン)、n−ブチルベンゼン、2−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、n−ペンチルベンゼン、シクロペンチルベンゼン、ネオペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1−シクロヘキシル−4−メチルベンゼン、およびシクロオクチルベンゼン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0015】
多環芳香族炭化水素の具体例としては、ビフェニル、ビフェニレン、ターフェニル、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−エチルナフタレン、2−エチルナフタレン、2,2’−ジメチルビフェニル、ジフェニルメタン、1,2−ジフェニルエタンおよび1,8−ジフェニルオクタン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
ヘテロ原子を含む芳香族炭化水素の具体例としては、メトキシベンゼン(アニソール)、エトキシベンゼン、ニトロベンゼン、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、イソブチルベンゾエート、ジフェニルエーテル、シクロヘキシルフェニルエーテル、ベンゾニトリル、フェニルアセテート、フェニルヘキサノエート、トリルアセテート、フェノール、ベンズアルデヒド、アセトフェノン、クロロベンゼン、2−クロロキシレン、ブロモベンゼン、トリクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンおよび1,2−ジブロモナフタレン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】
より好ましい芳香族炭化水素の具体例は、ベンゼンである。
【0018】
本発明で用いられるオレフィンとは炭素- 炭素二重結合を少なくとも1個有する化合物であり、かつその炭素- 炭素二重結合の炭素原子の一つに水素が少なくとも1個結合する化合物である。直鎖状、分岐状および環状を問わず使用できる。具体的には炭素数2〜20のオレフィンであり、好ましくは炭素数2〜12である。また、このようなオレフィンは置換基を含むことができる。
【0019】
置換基としては、直鎖状、分岐状、環状、飽和および不飽和を問わない。置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカリール基およびアラルキル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n- プロピル基、イソブチル基、n- ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0020】
アリール基の例としては、フェニル基およびナフチル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルカリール基の例としては、2- メチルフェニル基(o- トリル基)、3- メチルフェニル基(m- トリル基)、4- メチルフェニル基(p- トリル基)、2,3ジメチルフェニル基(2,3キシリル基)、3,4−ジメチルフェニル基(3,4キシリル基)および2,4,6−トリメチルキシリル基(メシチル基)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0021】
アラルキル基の例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)およびトリフェニルメチル基(トリチル基)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。不飽和炭化水素置換基の例としては、ビニル基およびアリル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0022】
また、オレフィンおよびオレフィンの置換基は、水素と炭素以外の原子を1個以上有する非炭化水素の置換基を更に1個以上含むことができる。非炭化水素の置換基の例としては、ハロゲン原子(- F、- Cl、- Br、- I)、水酸基(- OH)、アルコキシ基(- OR)、カルボキシル基(- COOH)、エステル基(- COOR)、アルデヒド基(- CHO)、アシル基(- C(=O)R)、アミド基(- C(=O)NH2 )、置換アミド基(- C(=O)NHR、- C(=O)NR2 )、アミノ基(- NH2 )、置換アミノ基(- NHR、- NR2 )、ニトロ基(- NO2 )、ニトロソ基(- NO)、シアノ基(- CN)、シアナート基(- OCN)、イソシアナート基(- NCO)、チオシアナート基(- SCN)、イソチオシアナート基(- NCS)、チオール基(- SH)、チオエーテル基(- SR)、スルホ基(- SO3 H)およびハロゲン化アルキル基(- CF3 )等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、オレフィンおよびオレフィンの置換基は、後述するロジウム触媒を被毒しないもの、もしくは好ましくない副反応を誘発しないものである。
【0023】
直鎖状モノオレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、直鎖状ペンテン(例えば、1-ペンテン、2-ペンテン等)、直鎖状ヘキセン(例えば、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン等)、直鎖状ヘプテン(例えば、1-ヘプテン等)、直鎖状オクテン(例えば、1-オクテン等)、直鎖状ノネン(例えば、1-ノネン等)、直鎖状デセン(例えば、1-デセン等)、直鎖状ドデセン(例えば、1-ドデセン等)および直鎖状エイコセン(例えば、1-エイコセン等)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0024】
分岐状モノオレフィンの具体例としては、イソブテン(2−メチルプロピレン)、2−メチル−1ブテン、3- メチル−1−ブテン、2,3,3−トリメチル−1−ブテンおよび2−メチル−2ブテン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0025】
環状モノオレフィンの具体例としては、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン1,2−ジメチルシクロへキセンおよびシクロオクテン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0026】
ポリオレフィンの具体例としては、1,2−ブタジエン(メチルアレン)、1,3−ブタジエン(ビビニル)、1,3−ペンタジエン、1,5−ヘプタジエン、ジビニルベンゼン、ビニルシクロヘキセン、およびアリルシクロヘキセン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0027】
ヘテロ原子を含むオレフィンの具体例としては、ビニルクロライド、ビニルフルオライド、ビニリデンクロライド、アリルブロマイド、クロロスチレン、トリクロロエチレン、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸メチル、p- ビニル安息香酸、酢酸ビニル、プロピオン酸アリル、酢酸プロペニル、エチリデンジアセテート、アクリル酸メチルおよび、メタアクリル酸メチル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0028】
より好ましいオレフィンの具体例は、エチレンである。
【0029】
本発明で用いられるβ−ジケトンとは、2個のケト基を1個の炭素を隔てて分子中に保有する有機化合物であり、下式( 2) で示されるようにエノール型及びケト型の互変異性体の平衡混合物として存在する。このようなβ−ジケトンはR1 およびR3 の位置に置換基を含むことができ、R2 の位置に水素原子もしくは置換基を含むことができる。R1 、R2 、R3 は互いに同じであっても異なっていても良い。置換基としては、直鎖状、分岐状、環状、飽和および不飽和を問わない。
【0030】
置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカリール基およびアラルキル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n- プロピル基、イソブチル基、n- ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0031】
アリール基の例としては、フェニル基およびナフチル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルカリール基の例としては、2- メチルフェニル基(o- トリル基)、3- メチルフェニル基(m- トリル基)、4- メチルフェニル基(p- トリル基)、2,3ジメチルフェニル基(2,3キシリル基)、3,4−ジメチルフェニル基(3,4キシリル基)および2,4,6−トリメチルキシリル基(メシチル基)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。アラルキル基の例としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)およびトリフェニルメチル基(トリチル基)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。不飽和炭化水素置換基の例としては、ビニル基およびアリル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0032】
【化2】
【0033】
また、β−ジケトンおよびβ−ジケトンの置換基は、水素と炭素以外の原子を1個以上有する非炭化水素の置換基を更に1個以上含むことができる。非炭化水素の置換基の例としては、ハロゲン原子(- F、- Cl 、- Br 、- I)、水酸基(- OH)、アルコキシ基(- OR)、カルボキシル基(- COOH)、エステル基(- COOR)、アルデヒド基(- CHO)、アシル基(- C(=O)R)、アミド基(- C(=O)NH2 )、置換アミド基(- C(=O)NHR、- C(=O)NR2 )、アミノ基(- NH2 )、置換アミノ基(- NHR、- NR2 )、ニトロ基(- NO2 )、ニトロソ基(- NO)、シアノ基(- CN)、シアナート基(- OCN)、イソシアナート基(- NCO)、チオシアナート基(- SCN)、イソチオシアナート基(- NCS)、チオール基(- SH)、チオエーテル基(- SR)、スルホ基(- SO3 H)およびハロゲン化アルキル基(- CF3 )等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0034】
置換基を含むβ−ジケトンの具体例としては、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンおよび1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0035】
ヘテロ原子を含むβ−ジケトンの具体例としては、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン)、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,5−ヘプタンジオン、および1,1,1,2,2,6,6,7,7,7−デカフルオロ−3,5−ヘプタンジオン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0036】
より好ましいβ−ジケトンの具体例は、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンである。
【0037】
本発明における触媒はロジウム錯体である。後述する実施例のようにロジウム(III )の形式酸化状態にある錯体よりもロジウム(I)の形式酸化状態にある錯体がより好ましい。また、少なくとも一つのβ−ジケトナト配位子を含むロジウム錯体が触媒として有効である。
【0038】
より好ましい触媒の具体例は、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム(I)、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム(I)、クロロ(1,5‐シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、ノルボルナジエン[ 1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン] ロジウム(I)テトラフルオロボレートである。これらの触媒は、商業上入手可能である。
【0039】
本発明に関して、酸化助触媒とは、還元された触媒(ロジウム錯体)を酸化する能力を持ち、かつその酸化助触媒の還元体は酸素もしくは空気から酸化を受けることが可能なレドックス剤のことである。すなわち酸化助触媒は、反応によって還元されたロジウム錯体を再酸化し、これによって自身は還元される。そして還元された酸化助触媒は空気または酸素によって再酸化されることで、還元されたロジウム錯体を再酸化する能力を再び得、助触媒として作用する。具体的には、酢酸銅(II)、酸化銅(II)、塩化銅(II)、酢酸銀(I)、ヘテロポリ酸(H3+nPMo12-n V n O40(n=1-6)等)等を示す。
以上のとおり、本発明は、上記のごとき酸化助触媒を用いないで(酸化助触媒の非存在下)、酸素の存在化で、ロジウム錯体触媒と共にβ−ジケトンを用いて、芳香族炭化水素をオレフィンによりアルケニル化して、アルケニル置換芳香族炭化水素を製造する方法である。
【0040】
本発明において、芳香族炭化水素が液体である場合、もしくは芳香族炭化水素およびオレフィンが液体である場合には、反応媒体が事実上芳香族炭化水素もしくは芳香族炭化水素およびオレフィンである。このため、必ずしも溶媒を必要としないが、加えてもかまわない。芳香族炭化水素が固体である場合は触媒を溶解するための溶媒が必要である。溶媒としては、反応に不活性な飽和炭化水素(例えば、n- ヘプタン、2,2,5,5−テトラメチルヘキサン等)、エーテル(例えば、エチレングリコールジエチルエーテル等)もしくは、反応に不活性な立体障害の大きな置換基で覆われた芳香族炭化水素(例えば1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼン等)を用いて反応を行うことができる。
【0041】
反応は、選択されたオレフィン化合物と芳香族化合物に適した装置を使用して行われる。例えば、芳香族化合物が反応温度で液体で、オレフィン化合物が反応温度で気体の場合、ベンゼン/ エチレンがそれに当たるが、圧力反応容器が最も適している。芳香族化合物及びオレフィン化合物の双方が反応温度で液体の場合、加熱される反応容器、又は還流装置が最も適している。
反応は回分式、半回分式、連続式を問わず行なうことができる。実験室ではバッチ式で行なう方が簡便であり、工業的には連続式で行なうことができる。
【0042】
芳香族化合物、オレフィン化合物、ロジウム錯体触媒、及びβ−ジケトンの配合量は、反応パラメーター、例えば、触媒ターンオーバーフリークエンシー、選択性、及び収量を最適化するように、適宜選定可能である。
【0043】
反応原料である芳香族炭化水素と触媒である前記ロジウム錯体のモル比は、反応が進行する限りにおいて特に制限はないが、事実上は100000:1 から10:1 、好ましくは50000:1 から100:1 である。
【0044】
芳香族化合物とオレフィン化合物のモル比は、広い範囲で変わる。芳香族化合物とオレフィン化合物の適したモル比は、0.1:1〜1000:1である。芳香族化合物は、しばしば、反応剤であり、反応媒体であり得るから、芳香族化合物とオレフィン化合物のモル比を1:1以上( 即ち、化学量論的に過剰の芳香族化合物) として使用することが通常望ましい。
【0045】
β−ジケトンとロジウム錯体触媒のモル比は広い範囲で変わる。通常は、1:1より大きなモル比が触媒効果を有利にするために採用される。好ましくは50:1以上である。
【0046】
本発明方法を実施するにあたっての反応温度は,常温から300℃までが適用されるが、好ましくは120℃から220℃である。
反応圧力は、大気圧から30MPaまでが適用されるが、好ましくは、0.5から5MPaである。
【0047】
反応は、出発物質のオレフィン化合物を完全に転化させるのに十分な時間行われる。しかしながら、反応が進み、生成物が増加するに連れて、望ましくない副反応、例えば、ポリアリーレーションが問題となる。それ故、所望の生成物の収量を最適化するするために、出発物質のオレフィン化合物の転化を完全に終わらない時点で反応を中断することも望ましい。最適化時間は、反応物の性状、及び選択された操作条件、例えば、温度、反応物のモル比、等による。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0049】
[実施例1]
ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム(I)(以降 Rh(acac)(CO)2と表記)、ベンゼン、及び酢酸より、Rh濃度が1mMでベンゼン濃度が10.6Mである Rh(acac)(CO)2/ベンゼン/酢酸溶液を調製した。この溶液3ml、テフロンコーティングされたスターラーチップ、及びアセチルアセトン0.2gをガラス製内筒に導入し、このガラス製内筒をステンレス製オートクレーブに導入した。オートクレーブ容器内を窒素置換した後、エチレンを室温で1.55MPa まで圧入後、酸素を室温で2.10MPa まで圧入し、180℃で20分間加熱攪拌した。冷却後、液相をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1に示す。
【0050】
[比較例1]
アセチルアセトンの代わりに、酢酸銅(以降 Cu(OAc)2 と表記)27mgを加えた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。酢酸銅は酸化助剤として機能する(以下同様)。
【0051】
[比較例2]
アセチルアセトンを加えない点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例2]
Rh(acac)(CO)2 の代りに、ノルボルナジエン[ 1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン] ロジウム(I)テトラフルオロボレート(以降 Rh(NBD)(DPPB)BF4 と表記)を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0053】
[比較例3]ブチルベンゼンの合成反応
アセチルアセトンの代わりに、Cu(OAc)227mgを加えた点以外は実施例2と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0054】
[比較例4]
アセチルアセトンを加えない点以外は実施例2と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0055】
[比較例5]
Rh(acac)(CO)2 の代りに、酢酸パラジウム(以降 Pd(OAc)2 と表記)を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0056】
[比較例6]
アセチルアセトンの代わりに、Cu(OAc)227mgを加えた点以外は比較例5と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例3]
Rh(acac)(CO)2 の代りに、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム(I)(以降 Rh(acac)(ethylene)2と表記)を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0058】
[実施例4]
Rh(acac)(CO)2 の代りに、クロロ(1,5‐シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー(以降 [Rh(COD)Cl]2 と表記)を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0059】
[実施例5]
Rh(acac)(CO)2 の代りに、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)(以降 RhCl(PPh3)3と表記)を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0060】
[実施例6]
Rh(acac)(CO)2 の代りに、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム(III )ダイマー(以降 [Rh(Cp*)Cl2]2と表記)を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0061】
[実施例7]
Rh(acac)(CO)2 の代りに、ビス(2‐フェニルピリジン)ロジウム(III )アセテート(以降 Rh(ppy)2(OAc)と表記)を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0062】
[実施例8]
アセチルアセトンの代わりに、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンを用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0063】
[実施例9]
アセチルアセトンの代わりに、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオンを用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0064】
[実施例10]
アセチルアセトンの代わりに、アセト酢酸tert- ブチルエステルを用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表1に示す。
【0065】
表1中の実施例1〜7の結果が示すとおり、ロジウム錯体を触媒として用い、アセチルアセトンを加えることで酸化助触媒非存在下で、スチレンの生成が認められる。また、酢酸中の反応にも関わらず、酢酸ビニルの副生成を全く伴わずに、スチレンを選択的に生成出来ることが分かる。酸化助触媒として酢酸銅を用いた場合(比較例1,3)、酢酸ビニルの生成が認められる。
【0066】
比較例2,4が示すように、酸素のみからの酸化反応難しく、スチレンの生成は殆ど認められないかもしくは微量である。パラジウムについては、アセチルアセトンの添加及び酸化助触媒非存在下でスチレンの選択率は向上するものの、酢酸ビニルの副生は避けられない(比較例5、6)。また、ロジウム錯体としてはロジウム(III )の形式酸化状態にある錯体よりもロジウム(I)の形式酸化状態にある錯体が良好な結果を示している。β‐ジケトンに関しての検討ではアセチルアセトンと2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンが良好な結果を示している。
【0067】
本表でmM(ミリモ−ラー)は反応溶液中の生成物のモル濃度である。またTOF(タ−ンオ−バ−フレクエンシ−)は以下のように定義した。
TOF=(生成物のモル数÷触媒のモル数)÷反応時間( 秒)
【0068】
【表1】
【0069】
[実施例11]
Rh濃度が1mMでベンゼン濃度が10.6Mである Rh(acac)(CO)2/ベンゼン/酢酸溶液の代わりに、Rh濃度が1mMでエチルベンゼン濃度が7.8Mである Rh(acac)(CO)2/エチルベンゼン/酢酸溶液を用いた点以外は実施例1と全く同様な操作で反応させた。結果を表2に示す。
【0070】
[実施例12]
Rh(acac)(CO)2 、ベンゼン、酢酸、及びアクリル酸メチルより、Rh濃度が1mM、ベンゼン濃度が9.0M、アクリル酸メチル濃度が1.0Mである Rh(acac)(CO)2/ベンゼン/アクリル酸メチル/酢酸溶液を調製した。この溶液3ml、テフロンコーティングされたスターラーチップ、及びアセチルアセトン0.2gをガラス製内筒に導入し、このガラス製内筒をステンレス製オートクレーブに導入した。オートクレーブ容器内を窒素置換した後、メタンを室温で1.55MPa まで圧入後、酸素を室温で2.10MPa まで圧入し、180℃で20分間加熱攪拌した。冷却後、液相をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
表2から、エチレンによるエチルベンゼンのアルケニル化及び、アクリル酸メチルによるベンゼンのアルケニルが、エチレンによるベンゼンのアルケニル化と同様に進行することが分かる。
【0073】
【発明の効果】
酸素存在下、ロジウム錯体を触媒として用い、β−ジケトンを添加することを特徴とする本発明の方法によれば、銅含有化合物や銀含有化合物等の酸化助触媒の非存在下で、オレフィンによって芳香族炭化水素を選択的にアルケニル化することが出来る。
この技術によって、アルケニル置換芳香族炭化水素、特にスチレンの製造を高選択率で達成することができる。また、本発明は酸化助触媒を必要としないため、酸化触媒の除去の煩雑さがないという優れた作用効果を有する。
Claims (7)
- 酸素存在下、かつ酸化助触媒の非存在下で、ロジウム錯体触媒と共にβ−ジケトンを用いて、芳香族炭化水素をオレフィンによりアルケニル化することを含む、アルケニル置換芳香族炭化水素の製造方法において、オレフィンが炭素数2〜20の置換または非置換オレフィン(ここで、置換基は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n- プロピル基、イソブチル基、n- ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基から選択されるアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基から選択されるシクロアルキル基、フェニル基およびナフチル基から選択されるアリール基、2- メチルフェニル基(o- トリル基)、3- メチルフェニル基(m- トリル基)、4- メチルフェニル基(p- トリル基)、2,3ジメチルフェニル基(2,3キシリル基)、3,4−ジメチルフェニル基(3,4キシリル基)および2,4,6−トリメチルキシリル基(メシチル基)から選択されるアルカリール基および、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)およびトリフェニルメチル基(トリチル基)から選択されるアラルキル基のいずれであってもよく、また、その置換基は、ハロゲン原子(-F、-Cl、-Br、-I)、水酸基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、アルデヒド基(-CHO)、アミド基(-C(=O)NH 2 )、アミノ基(-NH 2 )、ニトロ基(- NO 2 )、ニトロソ基(-NO)、シアノ基(-CN)、シアナート基(-OCN)、イソシアナート基(-NCO)、チオシアナート基(-SCN)、イソチオシアナート基(-NCS)、チオール基(-SH)、チオエーテル基(-SR)、スルホ基(-SO 3 H)および-CF 3 からなる群から選ばれた、水素と炭素以外の原子を一個以上有する非炭化水素の置換基を更に1個以上含んでいてもよい。)であり、芳香族炭化水素が炭素数6〜20の単環もしくは多環の芳香族炭化水素(その芳香族炭化水素は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n- プロピル基、イソブチル基、n- ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基から選択されるアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基から選択されるシクロアルキル基、フェニル基およびナフチル基から選択されるアリール基、2- メチルフェニル基(o- トリル基)、3- メチルフェニル基(m- トリル基)、4- メチルフェニル基(p- トリル基)、2,3ジメチルフェニル基(2,3キシリル基)、3,4−ジメチルフェニル基(3,4キシリル基)および2,4,6−トリメチルキシリル基(メシチル基)から選択されるアルカリール基および、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)およびトリフェニルメチル基(トリチル基)から選択されるアラルキル基のいずれかの置換基を有していてもよく、また、その置換基は、ハロゲン原子(-F、-Cl、-Br、-I)、水酸基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、アルデヒド基(-CHO)、アミド基(-C(=O)NH 2 )、アミノ基(-NH 2 )、ニトロ基(- NO 2 )、ニトロソ基(-NO)、シアノ基(-CN)、シアナート基(-OCN)、イソシアナート基(-NCO)、チオシアナート基(-SCN)、イソチオシアナート基(-NCS)、チオール基(-SH)、チオエーテル基(-SR)、スルホ基(-SO 3 H)および-CF 3 からなる群から選ばれた、水素と炭素以外の原子を一個以上有する非炭化水素の置換基を更に1個以上含んでいてもよい。)である、方法。
- β−ジケトンが下式(1)に示されるβ−ジケトンである、請求項1に記載の方法。
- β−ジケトンが2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)、または2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンである、請求項1又は2記載の方法。
- ロジウム錯体が、Rh( I) の形式酸化状態にある錯体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- ロジウム錯体が、ロジウム原子を少なくとも1個とβ−ジケトナト配位子を少なくとも1個有する錯体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- ロジウム錯体が、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム(I)、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム(I)、クロロ(1,5‐シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)もしくは、ノルボルナジエン[ 1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン] ロジウム(I)テトラフルオロボレートの内より選ばれるいずれかで1つである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- オレフィンがエチレンであり、芳香族炭化水素がベンゼンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
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