JP4752310B2 - 有機el装置および電子機器 - Google Patents
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Description
また、本発明は、外光による表示光の着色を緩和することができ、室外などで使用されても、従来よりもカラーバランスがとれた高画質な表示ができる有機EL装置および電子機器の提供を目的とする。
本発明の有機EL装置によれば、発光層が外光によって発光したときのその着色発光を円偏光板の反射光によって緩和することができる。例えば、発光層が外光によって励起されて、赤色の光を出射する場合、円偏光板の反射光が青色であれば、その赤色と青色とが合成されることで灰色の表示にすることができる。そこで、室外などで有機EL装置を使用した場合でも、表示領域における非発光部位が赤色などを発色することを回避することができる。したがって、本発明は、室外などで使用されても、カラーバランスの良い高画質な表示ができる有機EL装置を提供することができる。
本発明の有機EL装置によれば、太陽光(白色光)が円偏光板を透過し、その透過光によって発光層が励起されてある色が発光した場合、その発光の色を円偏光板の反射光によって打ち消すことができる。例えば、円偏光板の透過光が青色である場合、赤色の発光層がホトルミネッセンス(PL)効果により励起されて赤色光を発光する場合がある。この場合、円偏光板の反射光は、赤の補色である青である。したがって、発光層から発光と円偏光板の反射光とが合成されて灰色が表示される。そこで、本発明は、太陽光などの白色光が表示画面に入射する環境下で使用されても、カラーバランスの良い高画質な表示ができる有機EL装置を提供することができる。
また、本発明の有機EL装置は、前記円偏光板が太陽光(白色光)に対する反射光が青色であることが好ましい。
本発明によれば、例えば外光による発光層から発光のピーク波長が赤の波長である場合、円偏光板の反射光のピーク波長が赤より短い青(赤の補色である青)の波長となる。これにより、本発明は、カラーバランスの良い表示ができる有機EL装置を簡便に提供することができる。
本発明によれば、人間の視覚感度における最大波長である550nmを中心として、円偏光板の反射分光特性のピーク波長λAと、外光による発光のピーク波長λBとを対象関係にすることができる。そこで、本発明は、円偏光板の反射光の色と外光による発光の色とをより正確にかつ簡便に補色の関係にすることができる。
本発明によれば、円偏光板の紫外線カット機能によって発光層に特定波長域の光が入射して、その発光層で特定の色が発光する場合が生じる。このような場合でも、本発明は、かかる特定の色を円偏光板の反射光で緩和させることができる。そこで、本発明は、カラーバランスの良い表示ができる有機EL装置を簡便に提供することができる。
本発明によれば、円偏光板に入射した外光を偏光板によって直線偏光に変換することができる。その直線偏光は位相差板(λ/4板)によって円偏光に変換することができる。この円偏光は、有機EL装置の陰極で反射されると、回転方向の反転した円偏光に変換される。その反射光(円偏光)は再び位相差板を透過する際に直線偏光に変換されるが、この直線偏光は偏光板の透過軸に直交する直線偏光となっているのでその偏光板を全く透過できない。したがって、上記円偏光板によれば、有機EL装置内に入射した外光によって生じた反射光が有機EL装置外に出ることを防止することができる。また、有機EL装置内に入射した外光によって生じた発光の色については、円偏光板の反射光によって打ち消すことができる。これらにより、本発明は、室外などで使用されても、カラーバランスの良い高画質な表示ができる有機EL装置を提供することができる。
本発明によれば、例えば外光が円偏光板を透過してその透過光により赤発光層が励起され赤の発光があった場合、円偏光板の反射光(青)によって赤の発光色を打ち消すことができる。そこで、本発明は、室外などで使用されても、カラーバランスの良い高画質な表示ができる有機EL装置を提供することができる。
本発明の電子機器によれば、室外などで使用されても、カラーバランスがとれた高画質の表示をすることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の断面構成図である。本実施形態の有機EL装置100は、図1に示すように、有機EL素子110の出力光を陽極11側から取り出すボトムエミッション方式の有機EL装置である。
有機EL装置100は、基板10の上面に、有機EL素子110を配設してなる構成を備えている。有機EL素子110は、ガラス基板10の一方面(図1の上面)側に、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜からなる陽極11と、正孔輸送層12と、発光層13と、電子輸送層14と、Al等の光反射性の金属膜からなる陰極21とを順に積層した構成となっている。なお、正孔輸送層12、発光層13および電子輸送層14は、有機機能材料からなる有機機能層15を形成している。また、後に詳述するように、ガラス基板10の他方面(図1の下面)側には、位相差フィルム(位相差板)31および偏光フィルム(偏光板)32が順に積層されて、円偏光板30が構成されている。
また、陰極21には、良好な光反射性を具備したAl(アルミニウム)を好適に用いることができる。この場合、陰極21は、発光層13で生じた光を陽極11側へ反射する機能を有するものとなる。なお、Alの他にも、Au(金)、Ag(銀)、Cr(クロム)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Ca、Mg(マグネシウム)、Sr、Yb(イッテルビウム)、Er(エルビウム)、Tb(テルビウム)、Sm(サマリウム)等の金属材料、およびこれらから選択される金属材料の薄膜を複数積層した構造とすることもできる。
なお、必要に応じて、陰極21から発光層13への電子注入効率を高めるとともに、正孔ブロッキング機能を有する電子輸送層14を形成してもよい。この電子輸送層14は、オキサジアゾール誘導体やAlq3などの有機材料で形成することが可能である。
なお、発光層13の材料を適当に選択することにより、発光層13を異なる色光に発光させることができる。そこで、本実施形態の有機EL装置100は、RGB三原色のいずれかに発光する複数の有機EL素子110をマトリクス状に整列配置した構成となっている。
図1において、ガラス基板10の光出射面側には、円偏光板30が配設されている。この円偏光板30は、ガラス基板10側に配置された位相差フィルム(位相差板)31と、その外側に配置された偏光フィルム(偏光板)32とによって構成されている。この偏光フィルム32は、ガラス基板10の外側(図1の下側)から有機EL装置100に入射する外光のうち、透過軸方向の直線偏光のみを透過させるものである。なお偏光フィルム32は、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等からなる支持基板の表面に、ヨウ素錯体等を吸着させたポリビニルアルコール(PVA)等のフィルムを装着し、これを所定方向に延伸してPVA高分子およびヨウ素錯体を配向させることにより形成される。
図7は、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の模式断面図である。図7において図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本実施形態の有機EL装置200は、RGBの各ドットを複数有する。Rドットは赤を発光する発光層13Rの部位である。Gドットは緑を発光する発光層13Gの部位である。Bドットは青を発光する発光層13Bの部位である。
図11は、上記各実施形態の有機EL装置100,200を備えた電子機器の一例を示す斜視構成図である。同図に示す携帯電話機1300は、複数の操作ボタン1302と、受話口1303と、送話口1304と、先の実施形態の有機EL装置100,200からなる表示部1301とを備えて構成されている。そして、この携帯電話機1300によれば、野外などで使用されても、表示部に備えられた有機EL装置100,200による高画質表示が可能になっている。
また、本発明は、円偏光板を表示面側に配置する全ての有機EL装置に適用することができる。
Claims (7)
- 透明導電膜からなる陽極と光反射性金属膜からなる陰極とからなる一対の電極と、前記一対の電極の間に配置され、前記一対の電極によって電流が供給されることにより赤色光を発光する赤色発光層と緑色光を発光する緑色発光層と青色光を発光する青色発光層とを含む発光層と、外光が入射される表示面に配置された円偏光板と、を少なくとも備え、
前記発光層で生じた光の一部が前記陰極で反射し、前記陽極および前記円偏光板を介して外部に出射する構成とされ、
前記円偏光板は、前記外光のうち、透過軸方向の直線偏光を透過させ、当該透過光を円偏光に変換するとともに、前記透過軸方向に垂直な直線偏光を吸収し、かつ、前記発光層を黒表示状態としたときに前記透過光によって前記発光層が発する光の発光色に対して、補色の関係となる色の光を前記円偏光板で反射させる反射分光特性を有することを特徴とする有機EL装置。 - 前記円偏光板の反射分光特性のピーク波長は、前記発光のピーク波長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
- 前記円偏光板は、前記外光として太陽光が入射されたときの反射光が青色光であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL装置。
- 前記円偏光板の反射分光特性のピーク波長をλA[nm]として、前記発光層が外光によって発光したときにおける該発光の分光特性のピーク波長をλB[nm]とすると、
λAは、(550×2−λB)±50[nm]の範囲内にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の有機EL装置。 - 前記円偏光板は、紫外線を透過させない機能を有するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の有機EL装置。
- 前記円偏光板は、偏光板と、位相差板とで構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の有機EL装置。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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