JP4748928B2 - 固体有機金属化合物の充填方法および充填容器 - Google Patents

固体有機金属化合物の充填方法および充填容器 Download PDF

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Description

本発明は、固体有機金属化合物の充填容器への充填方法およびその充填方法で充填された固体有機金属化合物の充填容器に関する。さらに詳しくは、化合物半導体等の電子工業用材料を製造する際に用いられるMetalorganicChemical Vapor Deposition(以下、「MOCVD」と略称する)法等による気相エピタキシャル成長用の材料である固体有機金属化合物を、長期間一定の濃度で安定的に気相エピタキシャル成長用装置へ供給可能とする充填容器への固体有機金属化合物の充填方法およびその充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器に関するものである。
トリメチルインジウム等の有機金属化合物は、電子工業用材料を製造する際の原料として幅広く使用されている。
有機金属化合物を用いた電子工業用材料の製造方法として、近年、MOCVD法等による気相エピタキシャル成長が多く用いられている。例えば、化合物半導体の薄膜がMOCVD法によって製造されており、その際、トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム等の有機金属化合物を原料に用いる。
MOCVD法でこれら有機金属化合物を使用する際にその有機金属化合物が使用する条件において固体の場合は、通常、有機金属化合物を図5に示すようなキャリアガス導入口(2a)およびキャリアガス排出口(3a)を備えた充填容器(以下、充填容器Aと呼ぶ)に充填し、水素ガス等のキャリアガスをキャリアガス導入口(2a)より容器内に導入し、キャリアガス排出口(3a)より有機金属化合物をキャリアガス中に飽和したガスとして取り出してMOCVD装置へ供給する方法を用いる。
その際、この有機金属化合物が上記の供給において使用する温度で固体の場合には、充填容器A内において固体有機金属化合物中にキャリアガスが固体有機金属化合物と十分な接触をしないまま通過してしまう流路が形成されてしまうこと等によりキャリアガスと固体有機金属化合物との接触状態を均一に保つことが難しく、キャリアガスによって長期間一定の濃度で安定的にMOCVD装置に充填容器Aから固体有機金属化合物を供給することが困難であるという問題点がある。また、前述のようなキャリアガスを用いた方法による固体有機金属化合物の供給においては、充填容器Aに充填する固体有機金属化合物の量を増加させていくと、MOCVD装置へ安定的に供給可能な固体有機金属化合物の量の割合が充填した固体有機金属化合物の量に対して減少し、結果的に固体有機金属化合物の充填容器内への残存量が多くなり固体有機金属化合物を有効に使用できないという問題点がある。
これら問題点を解決するために、固体有機金属化合物を充填容器Aに充填する際の方法について種々の提案がなされている。例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5等においては固体有機金属化合物を充填材とともに充填容器に充填する方法が提案されている。また、例えば特許文献6等においては固体有機金属化合物を不活性な担体に被覆し充填容器Aに充填する方法等が提案されている。
このほかに、前述の問題点を解決する方法において、固体有機金属化合物を充填する充填容器自身の構造について種々の提案がなされている。例えば特許文献7等においては、図6に示すようにキャリアガス導入口にガスを均一化するためのディフューザー(20a)を設け、固体有機金属化合物に対してキャリアガスを均一に流通させる構造とする充填容器(以下、充填容器Bと呼ぶ)が提案されている。
また、例えば特許文献8等においては、図7に示すような通気性を有する固体有機金属化合物配置室(21a)を有する、充填容器(以下、充填容器Cと呼ぶ)が提案されている。
さらに、例えば特許文献9等においては、図8に示すような多孔質インレットチャンバーを固体有機金属化合物の充填部分とする、充填容器(以下、充填容器Dと呼ぶ)が提案されている。
一方、特許文献10等においては、固体有機金属化合物の供給の安定化に関して、ルテニウム化合物を用いた場合において、粒径を制御する方法が提案されている。
特公平5−39915号公報 特公平6−20051号公報 特開平7−58023号公報 特開平8−250440号公報 特開平8−299778号公報 特許第2651530号公報 特公平2−124796号公報 特開平10−223540号公報 特開2002−83777号公報 特開2003−160865号公報
しかしながら、特許文献1ないし9における充填方法および充填容器の提案においては、充填容器へ充填する固体有機金属化合物自身の粒径についての検討はなされていない。
また、特許文献10等におけるルテニウム化合物の粒径制御の供給安定性への影響については、数回の製膜の検討により供給初期状態の効果についても述べられているものの、ルテニウム化合物について長期間一定の濃度で安定的に供給する効果については明らかではない。本発明者が検討した結果、キャリアガスを用いた固体有機金属化合物の供給において長期安定性を得るための粒径制御方法は、特許文献10等が示すような初期安定性が得られる粒径制御方法とは粒径の大きさおよびその粒度分布が異なること見出した。
本発明は、前述の問題点を解決するものであり、本発明が解決しようとする課題は固体有機金属化合物を、長期間一定の濃度で安定的にMOCVD装置等の気相エピタキシャル成長用装置へ供給可能とする固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法およびその充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器を提供することにある。
前述の問題点を解決するために、本発明者らが検討した結果、充填容器に固体有機金属化合物を充填し、キャリアガスを流通することで長期間一定の濃度で固体有機金属化合物を供給するためには、固体有機金属化合物を固体有機金属化合物用充填容器に充填する際において、固体有機金属化合物の粒径がある特定の大きさ以下の粒において、その含有率を制限することで、初期の供給安定性を確保できるだけでなく、その供給安定性を長期間維持できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、粒径0.25mm以上2.36mm未満(ただし、粒径が0.4〜0.6mmのものは除く)の固体金属化合物のみからなる有機金属化合物の粒を必須として含み、さらに粒径0.25mm未満の固体有機金属化合物の粒が固体有機金属化合物当たり15重量%以下含むことを特徴とする固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法に関するものである。
さらに、本発明の充填方法においては、上記のように粒径を制御した固体有機金属化合物とともに充填材を共存させて使用することが出来る、
すなわち、本発明は、前記固体有機金属化合物に、さらに充填材を共存させることを特徴とする固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法に関するものである。
また、本発明の固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法においては、固体有機金属化合物としてトリメチルインジウムを使用することができる。
さらに本発明は、前述の充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器に関するものである。
充填容器に固体有機金属化合物を充填し、キャリアガスを流通する方法において、粒径0.25mm以上2.36mm未満(ただし、粒径が0.4〜0.6mmのものは除く)の固体金属化合物のみからなる有機金属化合物の粒を必須として含み、さらに粒径0.25mm未満の粒を固体有機金属化合物中に15重量%以下含むようにすることで、長期間一定の濃度で固体有機金属化合物を供給できる効果が得られる理由としては、0.25mm未満の粒が15重量%を超えて多く含まれるものは、その小さい粒同士から形成される空間においてはキャリアガスが通りにくく、それ以上の大きさの粒から形成される空間からキャリアガスがより流通されやすくなるようになり、固体有機金属化合物中にキャリアガスが固体有機金属化合物と十分な接触をしないまま通過してしまう流路が形成されやすくなるためと考えられる。
従って、キャリアガスを用いた固体有機金属化合物の供給において、固体有機金属化合物の粒径が0.25mm未満のものの割合が15重量%を超えて多くなると、初期の供給安定性では問題がないものの、長期間の安定性においては不具合が生じる。本発明のように、粒径0.25mm以上2.36mm未満(ただし、粒径が0.4〜0.6mmのものは除く)の固体金属化合物のみからなる有機金属化合物の粒を必須として含み、さらに粒径0.25mm未満の粒を固体有機金属化合物中に15重量%以下含むものを用いることで、流路が形成されにくくなくなり、短期的に供給量が安定するだけでなく、長期間安定に固体有機金属化合物の充填層中をキャリアガスが流通することができ、固体有機金属化合物の供給安定性が向上すると考えられる。
本発明により、固体有機金属化合物を固体有機金属化合物用充填容器に充填する際において、固体有機金属化合物の粒径がある特定の大きさ未満の粒の含有率を制限することで、初期の安定性を確保できるだけでなく、長期間安定的に固体有機金属化合物をMOCVD装置等の気相エピタキシャル成長用装置へ供給することができる。
以下に本発明の充填方法およびその充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器についてさらに詳しく述べる。
本発明の充填方法においては、固体有機金属化合物を固体有機金属化合物用充填容器に充填する際において、粒径0.25mm以上2.36mm未満(ただし、粒径が0.4〜0.6mmのものは除く)の固体金属化合物のみからなる有機金属化合物の粒を必須として含み、さらに粒径0.25mm未満の粒を固体有機金属化合物中に15重量%以下としたものとすることを特徴とする。
本発明において、固体有機金属化合物の粒の大きさとしては、例えば、固体で充填容器に充填する場合には、充填容器に備えた充填口の開口部の大きさを通過する大きさとすることができ、通常、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは6mm以下のものを用いることが出来る。
この固体有機金属化合物の粒を成形する方法としては、特に限定されず、これまで知られている成形方法をそのまま用いることが出来る。この成形方法の例として、例えば、固体有機金属化合物の固まりを粉砕する方法や、また、例えば、固体有機金属化合物を液化し、それを固化する方法等を用いることが出来る。
また、固体有機金属化合物の粒径の制御の方法も、特に限定されず、これまで知られている粒径を揃える方法をそのまま用いることが出来る。この粒径制御の方法として、例えば、固体有機金属化合物の固まりを粉砕する方法においては、固体有機金属化合物を粉砕した後、篩で、一定の大きさの篩目を通過したものを回収する方法等、また、例えば、固体有機金属化合物を液化し、それを固化する方法においては、液滴重量を制御する方法あるいは型枠を使用し液体の形状を型枠の大きさで制御する方法等を例示することが出来る。
前述の方法で、粒径0.25mm以上2.36mm未満(ただし、粒径が0.4〜0.6mmのものは除く)の固体金属化合物のみからなる有機金属化合物の粒を必須として含み、さらに粒径0.25mm未満の粒を固体有機金属化合物中に15重量%以下含むようにしたものを得るための方法としては、特に制限はないが、具体的には、例えば、適度に粉砕した固体有機金属化合物を0.25mmの大きさの篩目をもつ篩を通過したものとしないものとに篩い分けを行い、篩い分けされた0.25mm未満の固体有機金属化合物の粒と0.25mm以上の固体有機金属化合物の粒とを分離し、例えば、0.25mm以上の固体有機金属化合物の粒とを分離したものを全量用いるか、あるいは、0.25mm未満の粒の割合が固体有機金属化合物中に15重量%以下含むように混合する方法等を用いることが出来る。
本発明の充填方法において、適用可能な固体有機金属化合物用充填容器は、特にその構造は限定されず、例えば、先に示したようなこれまで知られている容器をそのまま用いることができる。
本発明の固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法によって固体有機金属化合物を充填容器に充填し、MOCVD装置への有機金属化合物の供給に使用する場合には、充填容器内部の空間に固体有機金属化合物を充填する。
本発明の固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法において、充填容器の内部の空間へ固体有機金属化合物を充填する方法としては、これまで知られている方法をそのまま使用することが可能であり、例えば、固体有機金属化合物を昇華により充填容器内に導入し充填する方法や、また、例えば、有機金属化合物をキャリアガス中の飽和蒸気として充填容器内に導入し充填する方法や、さらに、例えば、有機金属化合物を融点以上に加熱して液状にして充填容器内に導入する方法等を用いることができるが、これらの方法は固体有機金属化合物の粒径の制御が困難な場合が多い。
通常、本発明の粒径を制御した固体有機金属化合物の固体有機金属化合物用充填容器への充填においては、前述のような特殊な操作を必要とせず、充填容器内部の空間に固体有機金属化合物を充填するための充填口を設けた充填容器を使用することで、充填容器の外部で粒径を制御した固体有機金属化合物を固体のまま投入することができる。
この固体有機金属化合物が、例えば、空気中で発火するような物質の場合、前記の固体有機金属化合物の充填口からの充填作業を、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の固体有機金属化合物に対して不活性なガスの雰囲気下で行うことが出来る。
本発明の充填容器に充填して使用できる固体有機金属化合物については、これまで知られている充填容器で使用されている固体有機金属化合物はもちろんのこと、その他の固体有機金属化合物であっても、キャリアガスを用いた供給使用温度・圧力において、キャリアガスに対して所望の供給に足りうる飽和蒸気圧がありかつ供給条件下において固体であるものが適用可能である。これら固体有機金属化合物の代表的な例として、アルキル金属化合物、メタロセン化合物、β−ジケトン錯体、アダクト化合物があり、具体的には例えば、トリメチルインジウム、ジメチルクロルインジウム、トリフェニルアルミニウム、トリフェニルビスマス、tert−ブチルリチウム等のアルキル金属化合物、シクロペンタジエニルインジウム、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ビスシクロペンタジエニルマンガン、フェロセン等のメタロセン化合物、バリウムアセチルアセトナート錯体、ストロンチウムアセチルアセトナート錯体、銅アセチルアセトナート錯体、カルシウムアセチルアセトナート錯体、バリウムジピバロイルメタナート錯体、ストロンチウムジピバロイルメタナート錯体、銅ジピバロイルメタナート錯体、イットリウムジピバロイルメタナート錯体、カルシウムジピバロイルメタナート錯体等のβ−ジケトン錯体、トリメチルインジウム・トリメチルアルシンアダクト、トリメチルインジウム・トリメチルホスフィンアダクト、バリウムジピバロイルメタナート・1,10−フェナントロリンアダクト等のアダクト化合物等が挙げられる。
また、本発明の充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器を使用する際の圧力は、これまで知られている充填容器で用いられている条件を変更することなく使用可能であり、長期間安定的に固体有機金属化合物がMOCVD装置に供給されるような条件であれば特に制限はなく、加圧、常圧、減圧いずれでも使用可能であるが、通常常圧付近から減圧の条件で使用する。
さらに、本発明の充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器を使用する際の温度についても、これまで知られている充填容器で用いられている条件を変更することなく適用可能であり、通常使用する固体有機金属化合物がキャリアガスに対して所望の供給に足りうる飽和蒸気圧が得られかつ供給条件下において固体となっている条件が適用可能である。
本発明の充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器において、キャリアガスもこれまで知られている充填容器で用いられているものがすべて使用可能であり、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスあるいは水素ガス等が用いられる。
また、本発明の充填方法で固体有機金属化合物を充填した充填容器においては、これまで知られている充填容器において固体有機金属化合物とともに充填して使用されている既知の充填材を使用可能である。この充填材としてはその材質として、例えばステンレススチール、ガラス、セラミックス、フッ素樹脂等が用いられ、好ましくはステンレススチールを用いることができる。また、充填材の形状としては、丸型、角型、円筒状、コイル状、スプリング状、球状等の各種形状のものが使用でき、例えばこれらの例として、蒸留用各種パッキング、例えばディクソンパッキング、ヘリパック、フェンスケ等を使用できる。また、繊維状の充填材も使用できる。
これらの充填材は、本発明の充填容器においても、これまで知られている方法で充填容器に充填して固体有機金属化合物とともに使用することができる。
なお、本発明の充填方法は固体有機金属化合物だけでなく、その他蒸気圧をもつ固体無機化合物、固体有機化合物または固体金属等の一般的な固体物質の充填方法にも転用可能である。このように固体有機金属化合物のかわりにその他の固体物質をキャリアガスを用いキャリアガスに飽和したガスとして取り出すための充填方法としても本発明の充填方法は使用可能である。
以下、実施例によって本発明を詳しく説明する。
参考例1
固体有機金属化合物として、トリメチルインジウムを用いた。
トリメチルインジウムを窒素雰囲気下において粉砕し、2.36mmの篩目を有する篩を用い、トリメチルインジウムの粒径が2.36mm未満の粒とした。さらに、この粒径が2.36mm未満のトリメチルインジウムを粒から0.25mmの篩目を有する篩を用いてトリメチルインジウムの粒径を0.25mm未満のものをカットし、トリメチルインジウムの粒径が0.25mm未満の粒がトリメチルインジウム中に含まないようにしたトリメチルインジウムを調製した。
このトリメチルインジウムの粒径が0.25mm未満の粒がトリメチルインジウム中に含まないようにしたトリメチルインジウムを用い、供給安定性をテストした。
供給安定性のテストは以下の方法で行った。
窒素雰囲気下において、図1に示すような、外径30.7mmφのSUS製充填容器に、前述の方法で粒径を制御したトリメチルインジウムの粒径が0.25mm未満の粒がトリメチルインジウム中に含まないようにしたトリメチルインジウム100gとステンレス製充填材176gとを充填口(9)から充填した。この充填操作においては、接続部品(26)部分で切り離し、そこを充填口(9)として充填した。
次に、キャリアガス排出口(3)をトリメチルインジウム捕集用のドライアイス−メタノールで冷却したトラップに接続した。キャリアガス排出口(3)とドライアイス−メタノールで冷却したトラップとを接続する配管は加温して、この配管内をトリメチルインジウムが析出しないようにした。トリメチルインジウムと充填材が入った充填容器を25℃の恒温槽につけ、供給安定性テストの装置系内の圧力を大気圧付近にした条件下で、充填容器のキャリアガス導入口(2)より窒素ガスを毎分500cc流し、8時間毎にドライアイス−メタノールで冷却したトラップに捕集されたトリメチルインジウムの重量を測定した。あわせてトリメチルインジウムの蒸気を含むキャリアガスのガス相のガス濃度について、超音波式ガス濃度計(商品名エピソン:トーマススワン社製)にて測定した。
その結果を図2に示す。図2に示すグラフの縦軸には1時間あたりのトリメチルインジウムの供給量を、横軸には供給したトリメチルインジウムの使用割合を重量%で示した。
供給安定性のテストの結果、トリメチルインジウムの供給速度は使用割合の79重量%まで安定していた。
このように、固体有機金属化合物の粒径が0.25mm未満の粒を0重量%にカットしたものを用いることで、固体有機金属化合物の供給を一定の濃度で安定的に行うことができ、さらに、安定した供給速度が得られた条件下において固体有機金属化合物の使用割合を増加させることが可能となる。その結果、固体有機金属化合物を安定的に供給する期間を向上することができる。
比較例1
参考例1において、トリメチルインジウムを粉砕後、粒径が0.25mm未満の粒を除去しなかったこと以外は、参考例1と同様の操作を行い、固体有機金属化合物の供給安定性をテストした。なお、この場合の0.25未満以下の粒の割合は、トリメチルインジウム当たり19重量%であった。
その結果を図3に示す。図3に示すグラフの縦軸には1時間あたりのトリメチルインジウムの供給量を、横軸には供給したトリメチルインジウムの使用割合を重量%で示した。供給安定性のテストの結果、粒径が0.25mm未満の粒をカットしなかったトリメチルインジウムの供給速度は使用割合の54重量%まで安定していた。
このように、粒径が0.25mm未満のトリメチルインジウムの粒をカットしなかったトリメチルインジウムを充填して使用した場合には、参考例1のように長期間安定して供給速度を得ることができなかった。
参考例1において、トリメチルインジウムを粉砕し、粒径が2.36mm未満の粒とし、さらに粒径が0.25mm未満の粒と粒径が0.25mm以上〜2.36mm未満の粒を分割した後、粒径が0.25mm以上〜2.36mmの粒のトリメチルインジウムに、粒径が0.25mm未満の粒のトリメチルインジウムが混合後のトリメチルインジウム中の15重量%となるように混合し、これを粒径を制御したトリメチルインジウムとして50g充填して用いたこと、ステンレス充填材の量を140gとしたこと、およびSUS製充填容器として図4のような容器上部外径が61mmφおよび容器下部外径が26mmφであるSUS製充填容器を用いたこと以外は、参考例1と同様の操作を行い、固体有機金属化合物の供給安定性をテストした。供給安定性のテストの結果、粒径が0.25mm未満の粒を15重量%含むトリメチルインジウムを用いた場合の供給速度は使用割合の58重量%まで安定していた。
このように、粒径が0.25mm未満のトリメチルインジウムの粒が15重量%含まれるトリメチルインジウムを充填して使用した場合には、実施例1のように長期間安定して供給速度を得ることができた。
比較例2
実施例において、トリメチルインジウムを粉砕後、粒径が0.25mm未満の粒を除去した後、粒径が0.25mm以上〜2.36mm未満の粒のトリメチルインジウムに、粒径が0.25mm未満の粒のトリメチルインジウムが混合後のトリメチルインジウム中の20重量%となるように混合し、これを粒径を制御したトリメチルインジウムとして50g充填して用いたこと以外は、実施例と同様の操作を行い、固体有機金属化合物の供給安定性をテストした。供給安定性のテストの結果、粒径が0.25mm未満の粒を20重量%含むトリメチルインジウムの供給速度は使用割合の34重量%まで安定していた。
このように、粒径が0.25mm未満のトリメチルインジウムの粒が20重量%含まれるトリメチルインジウムを充填して使用した場合には、実施例1のように長期間安定して供給速度を得ることができなかった。
比較例3
実施例において、トリメチルインジウムを粉砕後、粒径が0.25mm未満の粒を除去した後、粒径が0.25mm以上〜2.36mm未満の粒のトリメチルインジウムに、粒径が0.25mm未満の粒のトリメチルインジウムが混合後のトリメチルインジウムの40重量%となるように混合し、これを粒径を制御したトリメチルインジウムとして50g充填して用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、固体有機金属化合物の供給安定性をテストした。供給安定性のテストの結果、粒径が0.25mm未満の粒を40重量%含むトリメチルインジウムの供給速度は使用割合の32重量%まで安定していた。
このように、粒径が0.25mm未満のトリメチルインジウムの粒が40重量%含まれるトリメチルインジウムを充填して使用した場合には、実施例1のように長期間安定して供給速度を得ることができなかった。
本発明は、初期の安定性を確保できるだけでなく、長期間安定的に固体有機金属化合物をMOCVD装置等の気相エピタキシャル成長用装置へ供給することができる。
参考例1で使用した充填容器を示す模式断面図 参考例1におけるトリメチルインジウムの供給安定性のテストの結果(供給したトリメチルインジウムの使用割合と1時間あたりのトリメチルインジウムの供給量との関係)を示す図 比較例1におけるトリメチルインジウムの供給安定性のテストの結果(供給したトリメチルインジウムの使用割合と1時間あたりのトリメチルインジウムの供給量との関係)を示す図 本実施例で使用した充填容器を示す模式断面図 従来の充填容器Aを示す模式断面図 従来の充填容器Bを示す模式断面図 従来の充填容器Cを示す模式断面図 従来の充填容器Dを示す模式断面図
2:キャリアガス導入口
3:キャリアガス排出口
9:充填口
22:バルブ
26:接続部品
2a:キャリアガス導入口
3a:キャリアガス排出口
7a:下部開口部
8a:流路
9a:充填口
20a:ディフューザー
21a:固体有機金属化合物配置室
22a:バルブ
23a:カラム型容器
24a:フィルター
25a:インレットチャンバー
27a:多孔質部材

Claims (3)

  1. 固体有機金属化合物を固体有機金属化合物用充填容器に充填する方法において、粒径2.36mm未満の固体有機金属化合物の粒のみからなり、さらに粒径0.25mm未満の固体有機金属化合物の粒が固体有機金属化合物当たり15重量%以下(0重量%を除く)含むであることを特徴とする固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法。
  2. 請求項1記載の粒径2.36mm未満の固体有機金属化合物の粒のみからなり、さらに粒径0.25mm未満の固体有機金属化合物の粒が固体有機金属化合物当たり15重量%以下(0重量%を除く)である固体有機金属化合物に、さらに充填材を共存させることを特徴とする請求項1に記載の固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法。
  3. 固体有機金属化合物がトリメチルインジウムである請求項1または請求項2に記載の固体有機金属化合物用充填容器への固体有機金属化合物の充填方法。
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