JP4746066B2 - 通信システム - Google Patents
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Description
セレクティブARQ方式では、送信側は、1フレームの送信データを複数のブロックに分割して、分割したブロックの単位で誤り検出可能な符号化を行って伝送し、受信側は、ブロック毎に誤り検出を行って、その結果に基づいてブロック毎の再送の要否の形式で再送要求信号を作成し、送信局に対して送信(返送)する。送信側は、その再送要求信号による指定に従って、再送を要求されたブロックを選択して再送データとして送信(再送)する。
しかしながら、アドレス情報の部分の暗号を一旦解いて、再送要求信号のためにそれを再暗号化して送信するという使い方は、暗号に対して好ましい方法ではない。例えば、同一の信号の再暗号化は、第三者に解読される危険性が高まると考えられるため、信号伝達の途中で暗号を解かないことが望ましい。
本例では、送信局からの2回の再送で誤りが0になった(つまり、誤りが無くなった)場合を示してある。
この再送データについてもまだ誤りが残っている場合には、その再送データに対する再送要求信号(REQ2)が受信局から返送され、この再送要求に基づいて再送データ(再送2)が送信局から送信される。
この結果、誤りが0になった場合には、誤り無しを示す再送要求信号(ER0)が受信局から返送され、これにより、1フレームの伝送が終了し、次のデータフレームの伝送へ移る。
データフレームは、受信局のアドレス(AD1)、送信局のアドレス(AD2)、データの順に並べられて、フレームが構成される。
再送要求信号は、送信局のアドレス(AD2)、受信局のアドレス(AD1)、誤り状況を示すデータの順に並べられて、フレームが構成される。
なお、再送データのフォーマットは、データ長が異なること以外は、データフレームと同じである。
しかしながら、通信内容の秘匿という面で見ると、両者ともに好ましい方法とは言えない。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、再送及び暗号を用いて通信を行うに際して、暗号を効果的に使用することができる通信システムを提供することを目的とする。
すなわち、前記送信局は、受信局を識別する受信局情報、送信局を識別する送信局情報及び伝送対象となるデータを暗号化し、少なくとも暗号化された前記データを誤り検出符号化し、その結果の信号を送信し、当該送信した信号に含まれる暗号化された受信局情報、送信局情報及びデータを記憶する。
前記受信局は、受信した信号に含まれる受信局情報を復号した結果に基づいて当該受信局情報が自局を識別する情報である場合には、当該受信した信号に含まれる暗号化されたデータについて誤り検出を行い、当該誤り検出の結果に基づいて、前記受信した信号に含まれる受信局情報及び送信局情報を受信時の暗号化されたままの状態で誤り検出の結果に関する情報に付加した再送要求信号を送信する。
前記送信局は、受信した再送要求信号に含まれる暗号化された受信局情報及び送信局情報と前記記憶した暗号化された受信局情報及び送信局情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合には、当該再送要求信号に含まれる誤り検出の結果に関する情報に基づいて前記記憶した暗号化されたデータの中から再送対象となるデータを選択し、選択したデータに前記記憶した暗号化された受信局情報及び送信局情報を付加した再送信号を送信する。
前記受信局は、受信した非再送のデータ(つまり、初回のデータ)及び再送のデータに基づいてデータを復号する。
また、通信としては、例えば、無線通信に適用するのに適しているが、有線通信に適用されてもよい。
また、受信局や送信局を識別する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、各局を識別する固有な装置番号や固有な文字列などの情報を用いることができる。なお、例えば、各局は、当該各局(自局)を識別する情報をメモリに記憶している。
また、受信局情報、送信局情報、データを暗号化する態様としては、例えば、これらのそれぞれを別個に復号することができるように暗号化する態様や、或いは、受信局情報及び送信局情報の組と、データとを別個に復号することができるように暗号化する態様などを用いることができる。
また、誤り検出符号化としては、例えば、誤り検出符号を使用する態様ばかりでなく、誤り訂正符号を使用する態様が用いられてもよい。
また、再送要求信号は、例えば、受信されたデータに誤りがあった場合に再送を要求するために送信されるばかりでなく、受信されたデータに誤りが無かった場合にその旨を通知するために送信されてもよい。
また、再送の要求や再送としては、例えば、一連のデータを複数のブロックに区切って、各ブロック毎に行うことができる。
また、再送要求信号に含まれる誤り検出の結果に関する情報としては、例えば、再送要求の対象となるデータを示す情報(データブロックの番号を示す情報)が用いられ、また、再送の要否(ブロック毎の再送の要否)を示す情報が用いられてもよい。
なお、非再送のデータ(初回のデータ)により誤り無く全てのデータが伝送された場合には、再送は行われなくてもよい。
また、例えば、全てのデータが誤り無く伝送されなくとも、同一のデータなどについての再送の回数が所定値を超えた(又は、所定値以上となった)場合には、その再送を止めて次のデータの伝送へ移行するような態様を用いることもできる。
送信局から受信局へデータを伝送する通信システムにおいて、
前記送信局は、信号を送信する送信側送信手段と、
信号を受信する送信側受信手段と、
暗号化を行う送信側暗号化手段と、
誤り検出符号化を行う送信側誤り検出符号化手段と、
受信局を識別する受信局情報、送信局を識別する送信局情報及び伝送対象となるデータを前記送信側暗号化手段により暗号化し、少なくとも暗号化された前記データを前記送信側誤り検出符号化手段により誤り検出符号化し、その結果の信号を前記送信側送信手段により送信するデータ送信制御手段と、
前記データ送信制御手段により送信された信号に含まれる暗号化された受信局情報及び送信局情報を記憶する送信側局情報記憶手段と、
前記送信側受信手段により受信された再送要求信号に含まれる暗号化された受信局情報及び送信局情報と前記送信側局情報記憶手段に記憶された暗号化された受信局情報及び送信局情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合には、当該再送要求信号に含まれる誤り検出の結果に関する情報に基づいて再送対象となるデータを前記送信側送信手段により送信する再送制御手段と、を備え、
前記受信局は、信号を受信する受信側受信手段と、
信号を送信する受信側送信手段と、
誤り検出を行う受信側誤り検出手段と、
復号を行う受信側復号手段と、
前記受信側受信手段により受信された信号に含まれる受信局情報を前記受信側復号手段により復号した結果に基づいて当該受信局情報が自局を識別する情報である場合には、当該受信された信号に含まれる暗号化されたデータについて前記受信側誤り検出手段により誤り検出を行う誤り検出制御手段と、
前記誤り検出制御手段による誤り検出の結果に基づいて、前記受信された信号に含まれる受信局情報及び送信局情報を受信時の暗号化されたままの状態で誤り検出の結果に関する情報に付加した再送要求信号を前記受信側送信手段により送信する再送要求制御手段と、
前記受信側受信手段により受信された非再送のデータ(つまり、初回のデータ)及び再送のデータに基づいて前記受信側復号手段によりデータを復号する受信側復号制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする通信システム。
図1及び図2には、本発明の一実施例に係る無線通信システムで無線局として用いられる送信局と受信局の系統例を示してある。
なお、本例では、送信局の装置と受信局の装置を分けて説明するが、送信局の機能と受信局の機能の両方を有する装置を無線局として用いることも可能である。
また、本例では、ARQ方式の一例として、セレクティブARQ方式を用いる場合を説明するが、他の種々なARQ方式に適用されてもよい。
本例の送信局は、送信メモリ1と、暗号化部2と、暗号データメモリ3と、誤り検出符号化部(誤り検出符号化回路)4と、変調回路5と、送信回路6と、送受スイッチ(送受SW)7と、アンテナ8と、受信回路9と、復調回路10と、制御部11を備えている。
制御部11には、送信制御部21と、アドレスメモリ22と、アドレス照合部23と、再送ブロック制御部24を備えている。
本例の受信局は、アンテナ31と、送受スイッチ(送受SW)32と、受信回路33と、復調回路34と、誤り検出部(誤り検出回路)35と、暗号データメモリ36と、暗号解読部37と、受信メモリ38と、変調回路39と、送信回路40と、制御部41を備えている。
制御部41には、受信制御部51と、アドレスメモリ52と、宛先解読部53と、受信ブロック制御部54と、再送要求部55を備えている。
図3において、A〜Fはそれぞれ無線局を示している。
本例では、複数の無線局が同一の周波数を使用して独立に無線通信を行い、特に、図3に示されるように、互いの送信が干渉し合うような位置関係に存在する無線局が同一の周波数で複数の対向通信系を構成しているような場合に適用される。各無線局は、通信の相手を識別するために、送信局アドレスと受信局アドレスを付けて信号を送信する。
なお、局のアドレスとしては、例えば、局番号の情報などを用いることができる。
図4(a)、(b)において、AD1’は暗号化された受信局アドレスを示しており、AD2’は暗号化された送信局アドレスを示している。
送信局から送信されるデータフレームは、受信局アドレス、送信局アドレス、データから構成され、これらの全てが暗号化されて送信される。
受信局から送信される再送要求信号は、アドレス部分として送信局から受信されたアドレスをそのままの符号(暗号化された符号)AD1’、AD2’で使用したものを、誤り状況を示す信号に付加して送信される。
本例の送信局において行われる動作の一例を示す。
例えば外部から入力された送信データを送信メモリ1に一旦蓄積した後に読み出し、読み出した送信データを暗号化部2で暗号化し、誤り検出符号化部4で誤り検出符号化し、変調回路5で所定の変調方式により変調し、送信回路6で無線周波数の信号へ変換して増幅し、送受スイッチ7を通してアンテナ8から無線により送信する。
これに際して、暗号化されたデータは、送信と同時に暗号データメモリ3に記憶(蓄積)され、アドレス情報の部分は制御部11のアドレスメモリ22にも記憶される。
また、暗号化されたデータは、所定の長さのブロックに区切られ、誤り検出符号化はブロックを単位として行われる。暗号データメモリ3への蓄積についても、ブロック単位で読み出せる形式で蓄積される。
ここで、本例では、送信局から送信したデータフレーム中の暗号化されたアドレス部分がそのまま受信局からの再送要求信号のアドレス部分とされて返送されてくるため、このような判定が可能である。
アンテナ31により無線受信した信号を送受スイッチ32を通して受信回路33に入力し、受信回路33で周波数変換して増幅し、復調回路34で復調し、誤り検出部35に入力する。誤り検出部35は、入力された受信信号について、誤り検出符号を使用してブロック毎に伝送誤りの有無を検出する。これと同時に、誤り検出部35は、誤り検出符号のパリティービットを除いたデータ部分を暗号データメモリ36に蓄積するとともに、当該データ部分を暗号解読部37や制御部41へ出力する。制御部41では、暗号化されたままのアドレス情報をアドレスメモリ52に記憶する。
なお、例えば、全てのブロックが誤り無しとならなくても、予め決められた回数だけ再送要求を繰り返して行った場合には、誤り無しを示す再送要求信号を送信して、そのデータフレームについての伝送処理を終了させて、次のデータフレームの伝送処理へ移行するような構成を用いることもできる。
なお、本例では、説明を省略したが、例えば、再送要求信号についても、誤り訂正符号化又は誤り検出符号化を行う構成とすることも可能である。
図5には、データを送信する局となる送信局により行われる処理の手順の一例を示してある。
図6には、データを受信する局となる受信局により行われる処理の手順の一例を示してある。
受信したデータフレームが自局宛てであった場合には、データ部分の受信を行い、受信したデータ部分について、受信したままの符号(暗号化されたままの符号)についてブロック単位に誤り検出を行う(ステップS24)。そして、ブロック単位の誤り検出結果に基づいて、誤りが0(無し)ではない場合には(ステップS25)、ブロック毎の再送の要否を示す再送要求信号の情報部分(本例では、誤り状況の情報部分)を作成し、この情報部分に対して送信局から受信した受信局アドレスと送信局アドレスを受信した符号(暗号化された符号)そのままでフレームの先頭にアドレスとして付加して再送要求信号を作成し(ステップS26)、作成した再送要求信号を無線により送信する(ステップS27)。
これらのアドレス部分が一致した場合には、自局からの送信に対する再送要求信号であると判別し、引き続いて、ブロック毎の再送要否を示す信号部分(本例では、誤り状況の信号部分)を受信し(ステップS7)、再送要求信号の受信が終了した後に、その信号部分の内容に基づいて、受信局における誤りが0(無し)であるか否かを判定する(ステップS8)。
このような再送要求を行った結果、1フレーム分のデータの全ての誤りが0になった場合には(ステップS25)、誤りが0であることを示す再送要求信号を送信局に対して無線により送信し、また、受信したデータ部の暗号を解いて元の伝送データを取得する(ステップS32)。そして、次のデータフレームの受信(待ち受け状態)へ移行する。
また、本例の送信局では、変調回路5や送信回路6や送受スイッチ7やアンテナ8により信号を無線送信する機能により送信手段が構成されており、アンテナ8や送受スイッチ7や受信回路9や復調回路10により信号を受信する機能により受信手段が構成されており、暗号化部2の機能により暗号化手段が構成されており、誤り検出符号化部4の機能により誤り検出符号化手段が構成されており、制御部11の送信制御部21による制御により初回のデータを送信する機能によりデータ送信制御手段が構成されており、制御部11のアドレスメモリ22の機能により局情報記憶手段が構成されており、制御部11のアドレス照合部23や再送ブロック制御部24による制御や暗号データメモリ3により再送を行う機能により再送制御手段が構成されている。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (1)
- 送信局から受信局へデータを伝送する通信システムにおいて、
前記送信局は、受信局を識別する受信局情報、送信局を識別する送信局情報及び伝送対象となるデータを暗号化し、少なくとも暗号化された前記データを誤り検出符号化し、その結果の信号を送信し、当該送信した信号に含まれる暗号化された受信局情報、送信局情報及びデータを記憶し、
前記受信局は、受信した信号に含まれる受信局情報を復号した結果に基づいて当該受信局情報が自局を識別する情報である場合には、当該受信した信号に含まれる暗号化されたデータについて誤り検出を行い、当該誤り検出の結果に基づいて、前記受信した信号に含まれる受信局情報及び送信局情報を受信時の暗号化されたままの状態で誤り検出の結果に関する情報に付加した再送要求信号を送信し、
前記送信局は、受信した再送要求信号に含まれる暗号化された受信局情報及び送信局情報と前記記憶した暗号化された受信局情報及び送信局情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合には、当該再送要求信号に含まれる誤り検出の結果に関する情報に基づいて前記記憶した暗号化されたデータの中から再送対象となるデータを選択し、選択したデータに前記記憶した暗号化された受信局情報及び送信局情報を付加した再送信号を送信し、
前記受信局は、受信した非再送のデータ及び再送のデータに基づいてデータを復号する、
ことを特徴とする通信システム。
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