JP4741736B2 - 温度安定化物品 - Google Patents
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Description
本発明は概略的に、相変化物質含有物を含む物品の分野に係り、特に、限定するものではないが、種々の運動活動に使用される靴、例えばテニスシューズ、ベースボールシューズ、ゴルフシューズなどに適した物品に関する。本発明は更に、作業用靴、ドレスシューズ、ブーツ、オーバシューズ、登山又はハイキング用靴、その他の履物、保護用物品にも好適なものである。
【0002】
発明の背景
古くからの懸案は、活動的使用に適した快適な履物、つまり、そのような活動の間、足の温度上昇を抑制することのできる履物を提供することであった。従来、知られている温度制御性靴中底として、米国特許5,499,460(Bryantら)に開示されているものがある。この履物用品は、基材にマイクロカプセル化相変化物質を含ませたものである。
【0003】
発明の概要
本発明は、履物、保護用衣服、装身具などに、温度安定化材料、若しくはそれぞれが温度安定化材料を含む少なくとも2種類の成分を含む物品であって、人又は対象物を快適又は適当な低温に効果的に維持させる物品を含ませることができることを見出したことに基づくものである。この温度安定化材料は、物品に対し、一体的、かつ、全体的に分散される。或る例においては、少なくとも2種類の成分であって、別々の相変化温度を有する異なる温度安定化材料が選択され、温度上昇に対し最大の保護をもたらし、活動条件下でも履物装着者に最大の壮快さを提供するようにしている。この壮快さの向上の結果、演技が向上し、スタミナも増強され、活動の快楽のレベルも高められることになる。温度安定化材料の特定の使用方法、適用位置について以下、説明する。
【0004】
特許請求の範囲および本明細書に用いられている“正常の皮膚表面温度”とは、約88°Fないし94°Fの皮膚表面温度範囲(特に、足の温度)を意味するものである。
別途、規定しない限り、本明細書で使用されている全ての技術的および科学的用語は本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されているものと同一の意味を有するものである。本明細書に記載されているものと類似ないし均等の方法および材料を本発明の実施および試験において使用することができるが、以下の記載では適当な方法および材料のみが例示されている。又、本明細書に記載された全ての文献、特許出願、特許およびその他の文献は、その全体が参照のために引用されているものと理解されるべきである。抵触事件においては、定義を含む本明細書が参照されるものである。更に、材料、方法および実施例は説明のためのもので、発明の限定を意図するものではない。
本発明の他の特徴および利点は以下の記載および特許請求の範囲から明らかにあるであろう。
【0005】
本明細書に記載されている本発明の物品は、これと接触する人又は対象物の温度上昇に対し抵抗を増加させるものである。例えば、履物に使用された場合、この物品は使用者に対し壮快さを増大させるもので、これは活動条件下で通常発生する足の温度上昇を抑制することにより達成されるものである。履物に使用される本発明の物品は、温暖な環境条件下で装着した者に対し、あるいは運動をしている装着者に対し、足を冷却させるという壮快さを与えることを意図している。更に、特に多相変化温度を有する温度安定化材料を含む履物の場合、本発明の物品は、履物の季節的又は地理的範囲を拡大させる旅行用、運動用又は娯楽用履物の製造を可能にする。旅行者は寒い環境でも、温暖な環境でも、温度安定化物品を用いて作られた履物を等しく快適に使用することができる。同様に、ゴルフなどの屋外スポーツに使用される履物を寒い気候でも温暖な気候でも等しく快適に使用することができるようにすることができ、それにより履物を変える必要性もなくなる。すなわち、温度安定化物品は、旅行用/冒険用靴や、ゴルフ用履物にも有用である。
【0006】
靴内の足の温度は多くの要因、例えば使用者が歩行する暖かい地面からの熱の入力、直接的な太陽光による熱の入力、足を外部又は外側の湿気から保護するように作られた典型的な靴から外部へ容易に飛散させることが困難な人体から発生する熱、足と靴の内側面との間の摩擦による熱、その他のプロセスにより、左右される。すなわち、足は実質的に微小気候として見ることができる。これらの熱源のできるだけ多くを制御並びに抑制することにより、足の温度の好ましくない上昇を少なくすることができる。或る温度を超えたとき、足は不快に感じるようになる。このときの温度は各個人の忍耐力により異なるが、ほぼ95°Fより高いと不快と感じられるようになると思われる。本発明の課題は、装着者に快適と感じさせる準平衡温度を足に与えることである。
【0007】
本発明の1つの様相は、相変化温度を有する温度安定化材料を含む物品を具備する履物などの製品に関するものであり、この場合、温度安定化材料は、可撓性、かつ、弾性のベース材料に組み込まれる。物品に関連する相変化温度は、人又は対象物の温度上昇、特に運動の間の温度上昇を少なくするよう選択される。履物に加え、このベース材料を例えば、履物、ヘルメット、肘、膝又は向うずね用ガード、リックサック用ストラップなどの保護用並びに衣服用製品内にも配置させるようにすることもできる。
【0008】
本発明の他の様相は、少なくとも2のタイプの物品であって、別々の相変化温度を有する異なる温度安定化材料を含み、それぞれが可撓性、かつ、弾性のベース材料に組み込まれた物品を具備する履物としての使用に関するものである。例えば、一方の相変化温度を正常の皮膚温度よりも低くし、他方の相変化温度を正常の皮膚温度よりも高くする。
【0009】
本発明は、全体として活動の間における体(例えば、足)の温度上昇を抑制することを実行するものである。これは、特定の相変化温度を有する温度安定化材料を提供することにより、又は温度安定化材料を特定の部位に配置させることにより特に快適な皮膚温度を維持させることにより達成される。物品、例えば履物に、さもなくば発生する足の温度上昇を抑え、長時間に亘って冷たい感じを維持させる。
本発明の物品を履物に組み込む場合、例えば多くの一般的なタイプの靴に使用することができる。これらの靴の内、好ましいものは、足を外部条件から実質的に保護するようにした靴である。従って、サンダル、その他の実質的に開放された靴に対しては、本発明の目的からして一般に有用ではない。本発明が有用であると思われる他の靴の例は、機能上の理由から、足が実質的に囲まれるようにした靴である。このような靴の例としては、運動用靴、例えばバスケットボール、テニス、ゴルフ、バレーボール、野球、フットボール、サッカー、ハイキング、登山、その他の類似する屋内、屋外スポーツおよび活動などに使用される靴である。本発明が有用である靴の他の例は、作業用靴および作業用ブーツである。特に有効な靴の例は温暖な環境で使用されるものである。
【0010】
図1に、本発明が有用な靴1が示されている。この靴1は底2を有し、この底2はその縁部を介して甲革4と接続されている。この甲革4は爪革6および飾り革部8を含み、更に舌革10を含む。
図2に、図1のA−A間の靴1の縦断面が示されている。図2は中底12を示している。この中底は、靴の底部とほぼ同一の形状および寸法を有し、靴底上に載置された足床上に直接ないし間接的に載置されている。この靴は当業者に公知の靴の製法に従って作られている。
【0011】
この物品は、靴の種々の部位に用いられる履物部材の形態をとることができる。この物品はベース材料を含む。このベース材料は多数の異なる材料、例えば液体、ゲル、発泡体、非発泡体などからなるものであってもよい。好ましくは、このベース材料は足と温度安定化材料(以下に示す)との間に適当な熱通路を提供するものが用いられる。ベース材料なしでは、温度安定化材料は熱を受け取り、足の温度上昇を防止するよう最適化させることはできない。ベース材料は靴の使用の間に一般的に曲げを生じる部位において可撓性を持たせることができる。そのような曲げを生じないことが予想される靴の他の部分においては、可撓性の乏しいベース材料、例えば粉砕コルクなどの材料を用いることができる。このような材料は、例えば靴の底に用いることができる。
【0012】
好ましいベース材料の例は、ポリマー材料などの可撓性、弾性材料である。成形可能な発泡有機プラスチックなどのポリマー性ベース材料も本発明で使用することができる。そのような使用可能なポリマー性材料の例として、ポリウレタン、エチレン/酢酸ビニル(EVA)コポリマー、ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン、シリコーン、酢酸セルロース、ネオプレン、エポキシ、ポリスチレン、ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)などを挙げることができる。選択される特定の材料によっては、これらの物質は発泡体であっても、非発泡体であってもよい。発泡ベース材料はポケット又は気泡を有するが、これらは用途に応じて、連続気泡、あるいは独立気泡のものであってもよい。この種の有用な例として、連続気泡のポリウレタン(Time Release社,ナイヤガラ・フォール、ニューヨーク州)が挙げられる。
【0013】
ある種の用途において、特に有用なポリマー性ベース材料は高い圧縮抵抗を有するものである。この特性により、良好な衝撃吸収能が得られ、温度安定化材料の分布を犠牲にすることもない。高圧縮抵抗を有するポリマー性ベース材料は更に衝撃に対しても抵抗を示し、保護特性を向上させ、これは或る種の用途において有益である。このような特性は、例えば上記物品を履物に使用し、歩行からの繰り返される圧力に曝される場合に有益となる。好ましい圧縮抵抗のポリマー性ベース材料は圧縮歪が20%以下、例えば15%以下、より好ましくは10%以下のものである。
【0014】
ある種の用途において、特に好ましいポリマー性ベース材料は熱成形可能なもの、すなわち、熱の適用により所望の形状に成形できるものである。ポリマー性ベース材料の熱成形性は、それを用いた物品を含む製品の製造を容易にし、多様性を可能にする。好ましいポリマー性ベース材料は、特定の温度安定化材料が過度の温度により非可逆的に悪影響されないようにするため、約300°F未満で熱成形可能なものである。
【0015】
特に有用なポリマー性ベース材料は、温度安定化材料の有効量を充填し得るものである。或る種の公知のポリマー性ベース材料は、充填量が増えることがポリマー性ベース材料の構造を犠牲にすることから、温度安定化材料を一体的に含有することが制限される。例えば、本発明の物品において有用なポリマー性ベース材料は、ポリマー性ベース材料の重量に基づいて、温度安定化材料を約15ないし35重量%含有することができる。好ましいポリマー性ベース材料は、温度安定化材料を約20ないし35重量%あるいは約20ないし30重量%含有することができる。このようなベース材料の適当な薄層は、マイクロカプセル化相変化材料のような温度安定化材料を少なくとも約400g/m2含有することができる。より好ましくは、有用なポリマー性ベース材料は、例えばTHERMASORB(登録商標)83を少なくとも425g/m2、例えば450g/m2含むものである。
【0016】
特に有用なポリマー性ベース材料は、比重が約0.75を超えるもの、例えば0.80、好ましくは約0.90を超えるもの、より好ましくは約0.93を超えるもの、例えば0.922又は0.934のものである。
特に有用なポリマー性ベース材料は、デュロメーター等級が高いものである。デュロメーター硬度試験はASTM規格D1706およびD2240に記載されている。この試験は、硬質のスチール製押し針(indentor)をサンプル中に検量されたバネ力で押し当てたときの荷重による窪みの深さを測定するものである。タイプAのジュロメーターは非硬質(nonrigid)の材料に対して使用される。好ましいポリマー性ベース材料は、温度安定化材料が充填されていない場合において、ショアーA硬度が例えば少なくとも20、好ましくは少なくとも21、更に好ましくは少なくとも22のもの、例えば23以上のものである。ポリマー性ベース材料が温度安定化材料(例えば、THERMASORB83)を30重量%充填したとき、その好ましいショアーA硬度は少なくとも約5、より好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約15である。或る用途において、過度の硬度は、潜在的脆弱性又は人の皮膚と接したときの触感からして、上記物品にとって好ましくない。例えば、この物品を履物の中底部分に履物部材として使用した場合、ショアーA硬度は約35未満とすることが好ましい。
【0017】
特に有用なポリマー性ベース材料は、引張り強さが約8kg/m2、好ましくは約10kg/m2を超えるもの、例えば11kg/m2のものである。特に有用なポリマー性ベース材料は、伸び率が約800%のものである。特に有用なポリマー性ベース材料は、摩擦抵抗が44%(NBS)のものである。特に有用なポリマー性ベース材料は、引裂き強度が少なくとも3kg/cm、例えば少なくとも3.6kg/cm、又は少なくとも5.3kg/cmのものである。特に有用なポリマー性ベース材料は、弾性(resilience)が少なくとも40%、例えば少なくとも43%又は少なくとも47%のものである。好ましいポリマー性ベース材料は、温度安定化材料(例えば、THERMASORB83)を30重量%充填したとき、上記特性を同時に保持し得るものである。これらの特性を判定するための適当な方法としてはASTM試験法がある。
【0018】
特に有用なポリマー性ベース材料は、上述のような高い圧縮抵抗、弾性、熱成形性、充填性、高い比重、耐久性、引張り強度、延び率、摩擦抵抗などの特性の組み合わせを有するものである。非発泡のポリマー性ベース材料は適したものと言える。非発泡のポリマー性ベース材料は湿気を捕捉する傾向が少ない。つまり、この湿気を捕捉した場合は腐食、細菌の成長、それに関連する悪臭、汚染などの問題を生じさせる。適当なベース材料の例は、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴム、エチレン・プロピレン−ジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、シリコーンゴムなどであることが見出された。これらの材料は、当業者に公知の方法により固体、ゲル又は発泡体として形成させることができる。他の適当なベース材料の例として、ポリウレタン、アクリルラテックス、天然ラテックスを挙げることができる。或る好ましい態様において、ブタジエンゴムなどのゴムが好適なものとして使用される。
【0019】
物品の異なる部分に使用される本発明の物品のベース材料として異なるポリマー性材料を使用することができる。例えば、物品を靴に使用する場合においては、より密度の高い、より耐久性の良好なベース材料、例えば非発泡材料が靴の中底部として使用される。例えば、靴の中底部として使用されるベース材料は、ポリウレタン、その他の弾性ポリマーを含むことができる。中底のための好ましいベース材料はポリウレタンフォームであり、或る用途においてはブタジエンゴムをポリウレタンフォーム又は他の従来の中底に適用することができる。
靴の上部については、ベース材料は密度が幾分小さいもので、靴の他の部分よりも通気性の良好なものであることが好ましい。例えば、靴の舌革、爪革(vamp)および飾り革に使用されるベース材料はスチレン−ブタジエンランダム、ブロックコポリマー又はスチレン−ブタジエンブレンドを含むものであってもよく、これらは発泡体又は非発泡体であってもよい。
【0020】
同様に、発泡ポリマーの密度は、一立方フィート当たり約3ポンドないし15ポンドの範囲で変化させることができる。なお、好ましい密度として、一立方フィート当たり約4ポンドないし12ポンドの範囲で変化させることができる。発泡ベース材料の密度は製品の異なる部分に使用される物品のものと異なるものであってもよい。例えば、靴の中底部位に使用される履物部材など、物品に使用されるベース材料の密度は、一立方フィート当たり約3ポンドないし15ポンドの範囲で変化させることができるが、好ましい密度は、一立方フィート当たり約6ポンドないし12ポンドの範囲である。靴の舌革、爪革および飾り革に使用される履物部材のような物品に使用されるベース材料の密度は、一立方フィート当たり約3ポンドないし15ポンドの範囲で選択できるが、好ましくは、より低い密度、即ち、一立方フィート当たり約4ポンドないし8ポンドの範囲である。
【0021】
発泡されていないポリマー性ベース材料の密度はより高いものであってよく、例えば、靴の中底部位に履物部材として使用される物品における非発泡ポリマー性ベース材料の比重は、少なくとも約0.75、好ましくは約0.80、より好ましくは約0.85、更に好ましくは約0.88であってもよい。圧縮力又は他の力がより小さい他の用途においては、ベース材料の比重はより小さくして、物品を軽量化したり、可撓性を向上させたりすることができる。靴の上部(舌革、爪革および飾り革)に使用される非発泡性ポリマー性ベース材料の比重は、少なくとも約0.6であってよい。
同じく、ベース材料の厚みは約0.5ないし10mm、好ましくは約1.0ないし6mmの範囲で変化させることができる。靴の中底部位として使用される履物部材のような物品におけるベース材料の厚みは約0.5mmないし6mmの範囲とすることが好ましい。
快適さおよび感触のため、ベース材料に多数の材料、例えば織布、ポリマー材料、その他、冷やすべき人又は対象物とベース材料との間の熱伝導を実質的に阻害しない材料で被覆することができる。なお、冷やすべき人又は対象物と接触することを意図しない物品の表面については上述のような制限は適用されない。
【0022】
温度安定化材料
温度安定化材料はマイクロカプセル(マイクロPCMと呼ばれるもの)又は、より大きいカプセル内にカプセル化させることができる。マイクロカプセルは温度安定化材料の所定量についてより大きい表面積を提供し、ベース材料からの熱伝導をより効果的にさせる。カプセル化温度安定化材料は、漏れ抵抗性マイクロカプセルとしてカプセル化することができる。更に、マイクロカプセル化温度安定化材料はベース材料内にそれを囲むように個別にカプセル化して埋め込むことができる。更に、マイクロカプセルのほぼ全体を互いに離間させ、その間にベース材料が介在させ、もし、ベース材料が発泡体である場合は、マイクロカプセル間にベース材料と空気又は他のガスが介在されることになる。温度安定化材料のマイクロカプセルは約1.0ないし1000ミクロンの大きさとすることができ、これは当業者に公知の方法により形成することができる。
【0023】
温度安定化材料は相変化型材料であってもよい。この相変化材料は感知し得る熱の貯蔵を介して吸収材料から熱を簡単に除去する。言い換えれば、相変化材料は、熱源(例えば、足および周囲の靴材料)が加熱されると、同時に加熱され、熱源から熱が除去される。しかし、相変化材料の最も効果的な機能は、それ自体の相変化である。極めて大量の熱が、この相変化との関連(すなわち、固相から液相への変化、又は液相から気相への変化)で相変化材料により吸収される。相変化に可成りの熱が必要であり、その相変化に熱が吸収されるにも拘らず、この相変化の間において、通常、相変化材料の温度の変化は殆どない。固相から液相へ変化し、溶融潜熱を吸収剤から吸収する相変化材料は、密閉システムにおいて最も実際的である。
【0024】
特定の適用のための相変化材料の適当な例として、パラフィン、ナフタレン、硫黄、水和塩化カルシウム、ブロモ樟脳、セチルアルコール、シアニミド(cyanimide)、エレウジン酸、ラウリン酸、水和珪酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム5水和物、燐酸二ナトリウム、水和炭酸ナトリウム、水和硝酸カルシウム、グラウバー塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウムおよび酢酸マグネシウムを挙げることができる。
このような相変化材料の例は、炭素原子数13ないし30の炭素鎖長のパラフィン系炭化水素である。更に、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(DMP),2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(HMP)なども相変化材料として使用することができる。
【0025】
【表1】
【0026】
上記物質のそれぞれを別々にカプセル化することができ、記載した融点近傍で最も効果的となる。これらの物質を個々のカプセル又はマイクロカプセル内にて混合し、相変化温度が実質的に連続的な範囲のものとなる相変化材料を得ることができる。相変化温度を選択し、対応する温度安定化材料を含むマイクロカプセルを物品に添加することにより、特定の環境において最適に操作されるよう物品の効果的温度範囲を調整することができることが上記記載から理解できるであろう。上述のように、1つの態様として、製品は少なくとも2つの異なる温度安定化材料を含む少なくとも2つのタイプの物品を具備することができる。この態様によれば、物品の各タイプのものが異なる温度を安定化させるよう機能し、又、これらを製品の異なる部位に配置させることができる。
【0027】
本発明において、本発明の1つの態様による物品に使用される相変化材料は、休んでいる人の皮膚温度よりも幾分、低い温度で相変化を実行することが望ましい。この休んでいるときの皮膚温度(休んでいるときの足の温度を含めて)は、約88°Fないし95°Fの範囲(即ち、約31°C度ないし35°C)である。上昇したときの皮膚温度は、約90°Fないし98°Fの範囲、あるいはそれ以上となる。従って、この本発明の態様で用いられる相変化材料は、約78°Fないし100°Fの範囲(即ち、約25°Cないし約38°C)で相変化を実行することが望ましい。好ましくは、約80°Fないし86°Fの範囲(即ち、約26.6°Cないし約30.0°C)で、あるいは約92°Fないし98°Fの範囲(即ち、約33.3°Cないし36.6°C)で相変化を実行するものが使用される。
【0028】
マイクロカプセル化温度安定化材料は例えばFrisby Technologies(Winston-Salem,NC)から入手することができる。その適当な材料の1つはTHERMASORB(登録商標)83であり、これは約83°F(即ち、28.3°C)で固相−液相の相変化を行う。その適当な材料の他の1つ例はTHERMASORB(登録商標)95であり、これは約95°F(即ち、35°C)で固相−液相の相変化を行う。その適当な材料の他の1つ例はTHERMASORB(登録商標)65であり、これは約65°F(即ち、18.3°C)で固相−液相の相変化を行う。その適当な材料の他の1つ例はTHERMASORB(登録商標)122であり、これは約122°F(即ち、50°C)で固相−液相の相変化を行う。これらの物質はTHERMASORB(登録商標)マイクロカプセル1グラム当たり約165ないし210ジュールの熱を吸収することができる。これらの物質はポリマー性ベース材料と混合して或る変化温度範囲の物品を形成させることができる。このブレンドは均質的に形成することができる(即ち、ポリマー性ベース材料全体に1以上のタイプの温度安定化材料を均一に分布させることができる)。あるいは、このブレンドは不均質的に形成することもできる(即ち、ベース材料の一部に特定の温度安定化材料を高濃度に分布させ、ベース材料の他の部位に他の温度安定化材料を高濃度に分布させる)。その他、温度安定化材料をベース材料内に非均質的に分布させ、例えば、予測される高い熱入力又は熱損失部位に温度安定化材料を局在させたり、他の部位には少ない量の温度安定化材料を含有させたり、あるいは温度安定化材料を全く含有させないようにすることもできる。
【0029】
本発明の他の様相によれば、靴を装着した者がそれを装着した瞬間に冷えた感じを受け、壮快さを与えることが重要であることが見出された。この感覚により、その製品に対する瞬間的満足が得られ、足の過度の温度上昇を靴が抑制してくれるという強い信念を装着者に与えることになる。このような特性は、一般的な周囲温度より高い温度で第1の相変化を生じさせる第1の相変化材料(従って、靴は一般的な周囲温度に曝されているときは、相変化材料は固体である)を有する第1のタイプの物品を履物に装着させることによって達成することができる。同時に、この第1の相変化温度は正常の休んでいる皮膚温度よりも下でなければならず、それにより、相変化材料が足から熱を直ちに除去する。従って、第1の相変化温度は、正常の休んでいる足の温度と、靴が使用される環境の予想される周囲温度の双方を考慮に入れて選択されることになる。この周囲温度は約95°Fまでの範囲が考えられる。
【0030】
本発明の更なる様相による更なる利益は、正常の休んでいる皮膚温度よりも高いが、足が熱過ぎると感じる温度(約97°F)よりも低い温度で相変化を行う第2の相変化材料を具備してなる第2のタイプの物品を備えた履物によってもたらされる。この第2の相変化温度安定化剤は、激しい活動に関連して足が或る高い温度に達した後、足の温度上昇を抑制するよう作用する。
一般に、第1および第2の相変化材料の相変化温度は約5°Fないし30°Fの範囲で互いに異なるようにさせる。特定の態様において、この第1の相変化温度安定化剤は約75°Fないし90°Fの範囲、好ましくは約78°Fないし87°Fの範囲、更に好ましくは約80°Fないし85°Fの範囲で相変化を生じさせるものが選ばれる。
【0031】
特定の態様において、上記第2の相変化温度安定化剤は約85°Fないし105°Fの範囲、好ましくは約88°Fないし102°Fの範囲、更に好ましくは約90°Fないし100°Fの範囲で相変化を生じさせるものが選ばれる。特定の好ましい態様において、第1の相変化温度は約78°Fないし87°Fの範囲であり、第2の相変化温度は約88°Fないし102°Fの範囲である。異常な熱の影響を回避するため、より高い相変化温度、例えば約110°Fないし130°Fの範囲の相変化温度を有する第3の相変化材料を含めることも可能である。
【0032】
本発明の物品の製造において、所望のマイクロカプセル化温度安定化材料がポリマー性ベース材料(液体、溶液、懸濁液、分散液、スラリー)に添加され、ついで発泡工程を含んでもよい公知の方法に従って製造が行われる。発泡ベース材料は液状ポリマーおよび/又はエラストマーを適当に選択し、ついで発泡させることにより製造することができる。発泡の一般的方法が米国特許No.5,499,460(Bryant)に開示されている。その他の方法も当業者に周知のものである。非発泡のポリマー性ベース材料は硬化させたり、架橋させたり、その他の公知の方法で実質的に固体の状態にすることができる。
温度安定化剤(例えば、MicroPCM)を、硬化前に液状ポリマー又はエラストマーに添加し、濡れを確実にしたり、均等な分散が混合物中に達成させるようにする。その他、余り好ましくはないが、温度安定化剤をナイフのエッジで削るなどして硬化したポリマー又はエラストマーに添加することもできる。
【0033】
上記物品の1つの重要なパラメータはポリマー性ベース材料の充填(ベース材料の重量に対する温度安定化剤の重量の割合)である。充填量を増加させることにより、その物品の熱吸収能は増大するが、過度の充填は、一般的に熱伝導の良好なベース材料の多くが一般的に熱伝導のよくない温度安定化剤で置き換えられることになり、その結果、その物品が温度安定化剤に対し、熱を容易に伝達することが困難となる。これは熱源(足)と熱シンク(例えば、マイクロカプセル化相変化材料又はMicroPCM)との間の熱結合を減少させる。更に、高い充填量はベース材料の構造を変化させ、それにより特性も変化させる。これはベース材料の利用性にとって重要である。従って、ベース材料を介しての効果的な熱伝導と、一方においてベース材料の機能、他方において熱摂取能との間のバランスが存在する。一般に、充填量が大きければ(熱摂取の量が増えれば)、それだけ相変化材料を再生させるのに必要なエネルギー移動も大きくなる。
【0034】
ポリマー性ベース材料に添加されるマイクロカプセル化相変化材料の一般的な濃度は約20ないし60重量%の範囲、好ましくは約25ないし50重量%の範囲である。気泡の密度が異なれば、充填範囲も異なることになる。すなわち、気泡の密度が小さければ、気泡の密度が大きいものと比較して、本発明で使用するための基本的特徴および特性を維持しつつ充填できる範囲も小さくなる。1立方フィート当たりの約3ポンドの気泡の密度のベース材料は、一般にmicroPCMを約40−50重量%まで充填することができる。1立方フィート当たりの約9ポンドの気泡の密度のベース材料は、一般にmicroPCMを約50−60重量%まで充填することができる。
【0035】
充填量は、製品の異なる部位に配置される物品によっても異なることになる。例えば、中底に配置される履物部材として使用される物品の場合、充填量は約20−60重量%、あるいは約30−50重量%(即ち、ベースポリマーのマイクロカプセルが40重量%)の範囲で充填できる。靴の舌革、爪革および飾り革に履物部材として使用される物品の場合、充填量は約20−60重量%、あるいは約20−40重量%の範囲で充填できる。
製品が靴の場合、一対の靴に対し、microPCMを約2ないし16オンスの範囲で含ませることができる。即ち、本発明において一対の靴は約350ないし4000ジュールの熱を吸収することができる。好ましくは、本発明において一対の靴は約1000ないし3500ジュールの熱、より好ましくは約2000ないし3500ジュールの熱を吸収することができるよう設計される。
【0036】
この物品は製品の任意の部位に配置させることができる。製品が靴の場合、この物品は履物部材であり、履物の任意の部分の1部として、あるいは全体として機能する。すなわち、靴の中底、舌革、爪革、飾り革、側面、ヒール部などで足の温度上昇の防止が望まれ、足との良好な熱的接触がなされる部分として用いられる。足の或る部分は他の部分と比較して熱に敏感であり、従って、履物部材としての本発明の物品はそのような部位、例えば足の甲と接触する靴の部位に組み込まれた場合に特に効果的となる。靴の或る部分は地面との良好な接触を果たし、それにより装着者の足の温度上昇を防止することができる。この物品の取り付け方法については本発明において重要ではない。一般的に、この物品を例えば靴の床面に、のり付け、縫い付けることができる。更に、この履物部材が靴と一体的になるように製作することもでき、その場合、付属品は不要となる。靴の一般的製造方法については当業者に周知である。従って、本明細書の記載から、ここに記載した靴の製造方法については、当業者が容易に理解し得るであろう。
【0037】
特定の例において、ブタジエンゴムベース材料およびマイクロカプセル化相変化材料からなる物品を、靴の中底、例えばヒール部分、又は足指の上の部分に組み込むことができる。中底は圧縮抵抗の大きいポリマー材料で作ることができる。この中底の好ましい材料の例としては、ポリウレタン、エチレン/酢酸ビニル(EVA)コポリマー、ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン、シリコーン、酢酸セルロース、ネオプレン、エポキシ、ポリスチレン、ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)などを挙げることができる。或る好ましい態様として、独立気泡のEVAコポリマーの使用が好ましい。図3には足指の上部における温度安定化物品を用いた中底が示されている。この温度安定化物品を非温度安定化材料に適当な手段、例えば接着剤、物理的接続手段などにより取着させることができる。或る例においては、この温度安定化物品を基板に直接、適用し(例えば、履物部材に温度安定化特性を持たせた中底)、例えば、その場で硬化させる。或る種の基板材料は、温度安定化材料を受け付けるため、製造後に処理される必要がある。例えば、EVAは一般に、成形後に表面に“スキン”と呼ばれるものが形成される。これは溶剤、例えばアセトンなどを用いた処理など、幾つかの方法によって除去することができる。
【0038】
他の態様として、温度安定化材料を粉砕コルクのベース材料に分散させ、靴又はブーツの底に挿入することができる。一般に、ゴム底の内部は中空であって、底の強度を犠牲にすることなく、密度の小さい物質で置き換えている。この密度の小さい物質を上述のような履物部材とすることができる。
この物品の温度安定化機能は最初から実現させてもよいし、あるいは、この物品又はこの物品を含む製品を、この物品又は製品の温度安定化材料の相変化温度より低い環境下に液体材料が固体材料に全て(又は、少なくとも一部)変換される程度の長時間、静置させることにより再生させてもよい。
【0039】
本発明は更に、人又は対象物の温度上昇を抑制する方法を提供する。この方法は、上述のような物品を熱的にチャージ(再生(regenerating))させることからなる。この熱的チャージは、相変化型材料の少なくとも1部、好ましくは全体が固相であることを確実にするものである。これは、物品又はこの物品を含む製品を、相変化型材料の相変化温度より低い環境下に放置することにより、あるいはこの物品又は製品を冷蔵庫又は他の冷たい場所に上記同様の目的のために静置させることにより行うことができる。この物品又は製品はついで人又は対象物、例えば足と接触させる。ついで、肉体的活動(例えばハイキング、登山、ランニング、ウォーキングなどの精力的肉体活動、バスケットボール、フットボール、野球、バレーボール、サッカーなどのスポーツ)を行っても、従来の靴のような、足の温度上昇を生じさせることがない。
本発明を、以下の実施例を参照して説明するが、これらは特許請求の範囲に記載した発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0040】
実施例
以下の実施例は本発明の態様の特徴を説明するものである。
実施例1:トレッドミルテスト
トレッドミルテストを以下のようにして行った。被験者にソックスと、一対の靴を与え、履かせた。なお、靴は正しくフィットするものであるように注意を払った。なぜならば、正しくフィットしない靴の場合は信頼できる結果を得ることができないことが先に認められたからである。
足の温度は、周囲を制御した部屋(室温は72°F(22.2°C);湿度は40%)でAgema570IRカメラを用いて測定した。各被験者をスツール上に座らせ、ふくらはぎを他のスツールに載せ、足が空中に浮かされ、測定の間、他方の足や地面に触れないようにした。足の温度は、足の3つの異なる部位(足底、足の甲、足の弓部)の記録の平均をとって記録した。運動の前に初期の足の温度を記録し、これをベースラインとした。運動の直前に、更に測定し、これをゼロ時間とした。被験者にPrecorC964トレッドミル(無勾配)上を2.5mphの速さで45分間、歩行させた。5分毎にトレッドミルを停止させ、被験者を上記スツールに直行させ、テスト靴およびソックスを脱がせ、足の温度測定を直ちにおこなった。ついで、被験者にソックスと靴を履き替えさせ、トレッドミルテストを続行させた。45分後、被験者を休ませ、足の温度測定を再度おこなった(休ませて)。
【0041】
本発明の実施態様による履物の形状は以下の通りである。
実施例1の靴は、FootJoy(登録商標) Dry I.C.E. ゴルフシューズであり、83°F相変化材料含有発泡体の2.3±0.25mmのものを舌革ライニングに配置し、83°F相変化材料含有発泡体の2.75±0.25mmのものを靴の中底に配置させたものであった。
本発明のこの実施態様のものを、相変化材料を設けない靴と、あるいは相変化材料を靴の中底のみに配したものと比較した。比較例の履物の形状は以下の通りである。
【0042】
比較例1の靴は、FootJoy(登録商標) DryJoys GXゴルフシューズであり、相変化材料を靴の中底のみに配したものであった。この靴は、中底として2.75±0.25mmの厚みで、1立方フィート当たり9ポンドのポリウレタンフォームで、約83°F(28.3°C)で相変化を生じる相変化材料を40重量%充填させたものを用いた。
比較例2の靴は、FootJoy(登録商標) DryJoys ゴルフシューズであり、相変化材料を全く用いていないものであった。比較例3の靴は、Etonic(登録商標) Difference Tour ゴルフシューズであり、比較例4の靴は、Reebock(登録商標) DMX Trac ゴルフシューズであり、比較例5の靴は、Etonic(登録商標) Difference ゴルフシューズであり、比較例6の靴は、Nike(登録商標) SSL ゴルフシューズであり、比較例7の靴は、Adidas(登録商標) Saddle Stripe ゴルフシューズであり、比較例8の靴は、Nike(登録商標) Air Zoom Tour T@C ゴルフシューズであった。
【0043】
得られた時間−温度のグラフが図4に示されている。相変化材料を用いない製品の全てについてのベースライン温度は95.07ないし97.47°Fの狭い範囲のものであった。実施例1および比較例1の履物を装着した被験者の足のベースライン温度は、これらの靴内の相変化材料含有フォームの即効冷却作用により低いものであった。比較例3−8の靴を履きながら歩行させた場合、足の温度は全て、比較例1、2又は実施例1の靴を履いた被験者のものよりも高く上昇した。僅か5分後でも、比較例2の靴を履いた被験者の足の温度は比較例3の靴を履いた被験者の足の温度よりも1°F以上低く、比較例8の靴を履いた被験者の足の温度よりも4°F低かった。この温度の差は試験の終りになるにつれて増大した。従って、比較例2の靴を履いた被験者の足の温度は、比較例3の靴を履いた被験者の足の温度よりも2.2°F低く、比較例8の靴を履いた被験者の足の温度よりも4.4°F低かった。
【0044】
中底に相変化材料を含む履物部材(比較例1)および中底、舌革および飾り革に相変化材料を含む履物部材(実施例1)は、被験者の足の温度上昇を画期的に抑制することができた。これらの履物は装着した時点、テストの最中、テストの終りにおいて被験者の足の温度上昇を抑制することを示した。
比較例1の靴を履いた被験者の足の温度は比較例3と比較してほぼ4°F低く、比較例6と比較して6°F以上低かった。
実施例1の靴を履いた被験者の足の温度は比較例3と比較してほぼ6ないし6.5°F低く、比較例8と比較して7.5ないし10°F低かった。
意外なことに、45分間の歩行の後において、実施例1の靴を履いた被験者の足の温度は、比較例3−8の靴を履いた被験者が歩行する前の足の温度とほぼ同一であった。
【0045】
実施例2:温度安定化材料を含むブタジエンゴム
マイクロカプセル化温度安定化材料、又はMicroPCM(THERMASORB(登録商標)、Frisby Technologies; Winston-Salem,NC)を30重量%(該ゴムの重量に基づいて)含むブタジエンゴムを製造し、下記の物理的特性を、ASTM規格の標準試験法に従って測定した。一方のサンプルにはTHERMASORB83(サンプルA)を含有させ、他方のサンプルにはTHERMASORB95(サンプルB)を含有させた。
【0046】
【表2】
【0047】
他の態様
本発明を上記詳細な説明との関連で記載したが、これらは説明を意図したもので、本発明の範囲を制限することを意図したものでなく、本発明の範囲は付記した特許請求の範囲によって画成されるものである。上記以外の様相、利点、変更も特許請求の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 靴の種々の部位を示す斜視図。
【図2】 靴の縦断面図。
【図3】 本発明の特定の態様による履物の中底の斜視図。
【図4】 種々の靴についての45分間のトレッドミルテストの前後およびその間において測定された足の平均温度を示すグラフ図。
【符号の説明】
1 靴、
2 底(靴底)、
4 甲革(アッパー)、
6 爪革、
8 飾り革部(カラー)、
10 舌革(べろ)、
12 中底(インソール)
Claims (20)
- A)靴を熱的にチャージさせる過程、並びに
B)該靴を人の足に履かせる過程を含む、
人の足の温度上昇を抑制するための方法であり、
ここで、該靴が:
靴底と;
該靴底上に配置されたインソールと;
該インソールに取着されたアッパーであって、爪革及び該爪革に取着されたカラーを含むアッパーと;
該アッパーに取着されたべろと;
少なくとも1個の足覆い部材と;を具備し、
前記インソールが、第一のポリマー性材料及び該第一のポリマー性材料中に分散した第一のマイクロカプセル化相変化材料を含み、
前記べろ、爪革及びカラーの少なくとも一つが、前記第一のポリマー性材料より低い密度の第二のポリマー性材料及び該第二のポリマー性材料内に分散した第二のマイクロカプセル化相変化材料を含み、
前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び前記第二のマイクロカプセル化相変化材料が、異なる相変化温度を有する、方法。 - 前記人が、肉体的活動に従事している人である請求項1記載の方法。
- 前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び第二のマイクロカプセル化相変化材料が、前記靴の使用の間に周囲温度よりも実質的に16.7°C(実質的に30°F)を超える温度上昇を生じさせることなく、実質的に2000から3500ジュールの熱を吸収する請求項2記載の方法。
- 前記靴が周囲温度よりも実質的に13.9°C(実質的に25°F)を超える足の温度上昇を生じさせない請求項3記載の方法。
- 靴底と;
該靴底上に配置されたインソールと;
該インソールに取着されたアッパーであって、爪革及び該爪革に取着されたカラーを含むアッパーと
該アッパーに取着されたべろと;を具備し、
前記インソールが、第一のポリマー性材料及び該第一のポリマー性材料中に分散した第一のマイクロカプセル化相変化材料を含み、
前記べろ、爪革及びカラーの少なくとも一つが、前記第一のポリマー性材料より低い密度の第二のポリマー性材料及び該第二のポリマー性材料内に分散した第二のマイクロカプセル化相変化材料を含み、
前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び前記第二のマイクロカプセル化相変化材料が、異なる相変化温度を有する、靴。 - 前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び前記第二のマイクロカプセル化相変化材料の一つが、実質的に31.1°C(実質的に88°F)未満の温度で相変化を生じさせるものである請求項5記載の靴。
- 前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び前記第二のマイクロカプセル化相変化材料の一つが、実質的に25.6から30.6°C(実質的に78°Fから87°F)の温度範囲で相変化を生じさせるものである請求項6記載の靴。
- 前記第一のマイクロカプセル化相変化材料は、前記第一のポリマー性材料に実質的に25重量%から実質的に50重量%で充填されている請求項5記載の靴。
- 前記第一のポリマー性材料は、実質的に0.096から0.192グラム/立法センチメートル(実質的に6から12ポンド/立方フィート)の密度の第一の発泡されたポリマー性材料である請求項5記載の靴。
- 前記肉体的活動が、ゴルフ、バスケット、テニス、ハイキング、ランニング、登山からなる群から選ばれたものである請求項2記載の方法。
- 前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び前記第二のマイクロカプセル化相変化材料の一つが、通常の休んでいるときの皮膚温度未満の相変化温度を有し、かつ、前記第一のマイクロカプセル化相変化材料の別のものが、通常の休んでいるときの皮膚温度を超える相変化温度を有する請求項5記載の靴。
- 前記第一の発泡されたポリマー性材料が、ポリウレタン発泡体を含む請求項9記載の靴。
- 前記第一のポリマー性材料が、0.90を超える比重と、10kg/cm 2 以上の引張強度と、3kg/cm以上のせん断抵抗と、40%以上のレジリエンスと、20以上のショアA硬さと、を有する請求項5記載の靴。
- 前記硬さが、22以上のショアA硬さと、を有する請求項13記載の靴。
- 前記第一のポリマー性材料が、非発泡性のゴムである請求項5記載の靴。
- 前記第二のポリマー性材料が、実質的に0.064から0.128グラム/立法センチメートル(実質的に4から8ポンド/立方フィート)の密度を有する第二の発泡されたポリマー性材料である請求項5記載の靴。
- 前記第二の発泡されたポリマー性材料が、ポリウレタン発泡体である請求項16記載の靴。
- 前記第二のポリマー性材料中の前記第二のマイクロカプセル化相変化材料は、前記第二のポリマー性材料に実質的に20から40重量%で充填されている請求項5記載の靴。
- 前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び第二のマイクロカプセル化相変化材料が、前記靴の使用の間に、実質的に2000から3500ジュールの熱を吸収する請求項5記載の靴。
- 前記第一のマイクロカプセル化相変化材料及び第二のマイクロカプセル化相変化材料が、前記靴の使用の間に熱を吸収して、周囲温度よりも実質的に16.7°C(実質的に30°F)を超える温度上昇を妨げる請求項5記載の靴。
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