JP4740713B2 - 退職給付債務計算プログラムおよび退職給付債務計算装置 - Google Patents

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Description

この発明は、退職給付債務計算プログラムおよび退職給付債務計算装置に関し、特に、退職給付債務計算とともに退職給付財政計算をおこなうことができる退職給付債務計算プログラムおよび退職給付債務計算装置に関する。
退職金制度は、企業が従業員数等に応じて資金を積み立てておき、従業員の退職時にその中から所定の金額を給付する制度である。多くの企業で採用されてきた確定給付型の退職金制度では、将来実際に従業員に支払う退職金の額が未確定であるため、将来の給付金額を予測し、不足が生じないように資金を積み立てておく必要がある。
退職金の積立状況は、会計上の視点と財政上の視点という2つの異なる視点から把握される。会計上の視点からは、その会計期間における退職給付引当金が、退職金給付債務(PBO:Projected Benefit Obligation)から年金資産等を控除した額として求められる。
わが国では、近年おこなわれた新会計基準の導入にともなって貸借対照表に退職給付引当金を計上することが義務付けられたため、退職金給付債務の算出はいずれの企業においても必要となっている。退職金給付債務を算出するには、数理的な要素を含んだ複雑な計算が必要であるため、PBO計算用のプログラム(例えば、非特許文献1で紹介されているプログラム)を導入する企業も増えている。
"株式会社シナンシャル・システム・コンサルティング:退職給付会計", [online], retrieved from the Internet: <URL:http://www.cynancial.com/taisyoku/sb_products/index.html>
一方、退職金の積立状況を財政上の視点から把握する場合、長期的な収支を検討する必要があるが、従来は、ほとんどの企業は自身で詳細な分析をおこなわずに、退職年金契約を結んでいる信託銀行や生命保険会社等が算定した掛金を言われるがまま積み立てることが多かった。
しかしながら、退職年金制度が近い将来廃止されることが決まり、これに代わる企業年金では退職金の積立不足が許されない状況となるため、制度変更に伴い企業自身が財政上の視点から退職金の積立状況を把握し、掛金をどのように設定するかを検討することが新たに必要になっている。掛金を算出するには、退職金給付債務と同様に数理的な要素を含んだ複雑な計算が必要であり、これを容易に計算可能にすることが強く要望されている。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、退職給付債務計算とともに退職給付財政計算をおこなうことができる退職給付債務計算プログラムおよび退職給付債務計算装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、全従業員のそれぞれの入社年月、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記全従業員のそれぞれが現時点で退社した場合の退職金額を含む従業員情報と、所定の割引率及び従業員の年齢毎の死亡率を含む基礎率情報とを基にして退職給付債務計算をおこなう退職給付債務計算プログラムであって、前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率を計算する昇給率計算手順と、前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率を計算する退職率計算手順と、各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記昇給率計算手順で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて全従業員のそれぞれの各期毎に予測された退職金である予測退職金、前記基礎率情報に含まれる前記従業員の年齢毎の死亡率前記退職率計算手順で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した計算結果の総和を退職給付見込額として計算する退職給付見込額計算手順と、前記従業員情報、及び前記昇給率計算手順で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて、全従業員のそれぞれの退職までの収入見込額を計算する収入見込額計算手順と、前記基礎率情報に含まれる前記所定の割引率、及び前記退職給付見込額計算手順で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額に基づいて、前記退職給付見込額計算手順で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額を現時点の貨幣価値へ変換するとともに、該所定の割引率、及び前記収入見込額計算手順で計算された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額に基づいて、各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額を現時点の貨幣価値へ変換する割引計算手順と、各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記予測退職金と、前記死亡率と前記退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した値に(1/(k+1))を乗じた値の総和を退職給付債務として計算する退職給付債務計算手順と、前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、勤務年数が所定の標準である従業員の退職給付見込額、前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、勤務年数が前記所定の標準である従業員の収入見込額で除した値を退職金の標準掛金率として算出する標準掛金率算出手順と、前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額の総和から、前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額の総和と前記標準掛金率算出手順で算出された前記標準掛金率との積を減じた値から、所定の年金資産額を減じた値を、該収入見込額の総和で除した値を退職金の特別掛金率として算出する特別掛金率算出手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。ただし、rは所定の割引率であり、kは0以上の整数である。
また、本発明は、全従業員のそれぞれの入社年月、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記全従業員のそれぞれが現時点で退社した場合の退職金額を含む従業員情報と、所定の割引率及び従業員の年齢毎の死亡率を含む基礎率情報とを基にして退職給付債務計算をおこなう退職給付債務計算装置であって、前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率を計算する昇給率計算部と、前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率を計算する退職率計算部と、各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記昇給率計算部で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて全従業員のそれぞれの各期毎に予測された退職金である予測退職金、前記基礎率情報に含まれる前記従業員の年齢毎の死亡率前記退職率計算部で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した計算結果の総和を退職給付見込額として計算する退職給付見込額計算部と、前記従業員情報、及び前記昇給率計算部で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて、全従業員のそれぞれの退職までの収入見込額を計算する収入見込額計算部と、前記基礎率情報に含まれる前記所定の割引率、及び前記退職給付見込額計算部で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額に基づいて、前記退職給付見込額計算部で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額を現時点の貨幣価値へ変換するとともに、該所定の割引率、及び前記収入見込額計算部で計算された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額に基づいて、各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額を現時点の貨幣価値へ変換する割引計算部と、各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記予測退職金と、前記死亡率と前記退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した値に(1/(k+1))を乗じた値の総和を退職給付債務として計算する退職給付債務計算部と、前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、勤務年数が所定の標準である従業員の退職給付見込額、前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、勤務年数が前記所定の標準である従業員の収入見込額で除した値を退職金の標準掛金率として算出する標準掛金率算出部と、前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額の総和から、前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額の総和と前記標準掛金率算出部で算出された前記標準掛金率との積を減じた値から、所定の年金資産額を減じた値を、該収入見込額の総和で除した値を退職金の特別掛金率として算出する特別掛金率算出部とを備えたことを特徴とする。ただし、rは所定の割引率であり、kは0以上の整数である。
この発明によれば、退職給付債務計算と退職給付財政計算において基礎データを共用するように構成したので、利用者は同一のデータを入力しなおすことなく、1台の装置で退職給付債務計算と退職給付財政計算を効率よく実行することができる。
また、本発明は、上記の発明において、前記従業員情報の将来の変動を予測し、この予測結果と、前記標準掛金率と、前記特別掛金率とに基づいて将来の標準掛金額と特別掛金額をシミュレートするシミュレート手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明によれば、従業員情報の将来の変動を予測し、これに基づいて将来の標準掛金額と特別掛金額をシミュレートするように構成したので、将来予測を含めた退職給付財政計算をおこなって企業経営管理に有用な情報を提供することができる。
また、本発明は、上記の発明において、前記シミュレート手順が利用する各種情報の内容を利用者に変更させるパラメータ編集手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明によれば、利用者が各種パラメータを変動させて退職給付財政計算のシミュレーションをおこなうことができるように構成したので、企業経営環境の変動を反映した退職給付財政のシミュレーションをおこなうことができ、企業経営におけるリスク管理に有用な情報を提供することができる。
本発明によれば、退職給付債務計算と退職給付財政計算において基礎データを共用するように構成したので、利用者は同一のデータを入力しなおすことなく、1台の装置で退職給付債務計算と退職給付財政計算を効率よく実行することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、退職給付債務計算と退職給付財政計算において計算ロジックを共用するように構成したので、効率よく計算結果を得ることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、従業員情報の将来の変動を予測し、これに基づいて将来の標準掛金額と特別掛金額をシミュレートするように構成したので、将来予測を含めた退職給付財政計算をおこなって企業経営管理に有用な情報を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、利用者が各種パラメータを変動させて退職給付財政計算のシミュレーションをおこなうことができるように構成したので、企業経営環境の変動を反映した退職給付財政のシミュレーションをおこなうことができ、企業経営におけるリスク管理に有用な情報を提供することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る退職給付債務計算プログラムおよび退職給付債務計算装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施例では、説明の便宜上、給与比例制の掛金算出方式の場合を例にして説明をおこなうが、本発明は、ポイント制等の他の掛金算出方式においても有効である。
まず、従来の退職給付債務計算装置、および、この従来の退職給付債務計算装置が計算をおこなう対象である退職給付債務について説明する。図13は、退職給付債務の計算を説明するための説明図である。同図は、n年後に定年を迎える従業員の退職給付債務の計算例を示している。
退職給付債務を算出するには、当期からn年後までの各期において退職した場合の予測退職金T1〜Tn+1を取得する。そして、各予測退職金にその期における退職確率X1〜Xn+1を乗じて各期における退職給付見込額を算出する。退職確率X1〜Xn+1は、退職率と死亡率から求められ、合計すると1になる。
続いて、各退職給付見込額を入社から予測退職時までの期数で割って、当期に配分すべき額を求め、さらに、割引率rを使用して各配分額を現時点の貨幣価値へ変換する。こうして求められた各期の金額を合算したものが、その従業員に関する当期の退職給付債務(PBO)となる。そして、かかる計算を全従業員に対しておこなうことにより、企業全体としてのPBOを求めることができる。
図14は、従来の退職給付債務計算装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、退職給付債務計算装置100は、制御部110と、記憶部120とを有する。
制御部110は、退職給付債務計算装置100を全体制御する制御部であり、計算処理部111と、パラメータ入力部112と、結果出力部113とを有する。計算処理部111は、退職給付債務の計算をおこなう処理部であり、昇給率計算部111aと、退職率計算部111bと、給付見込額計算部111cと、期間配分計算部111dと、割引計算部111eと、退職給付債務計算部111fとを有する。
昇給率計算部111aは、パラメータ入力部112を通じて入力された全従業員の人事データである従業員情報121を基にして、年齢ごとの昇給率を計算する処理部である。算出された昇給率は、将来の給与を予測し、各期における予測退職金を求めるために利用される。退職率計算部111bは、従業員情報121を基にして、年齢ごとの退職率を計算する処理部である。
給付見込額計算部111cは、各期の予測退職金に退職確率を乗じて各期における退職給付見込額を計算する処理部である。期間配分計算部111dは、給付見込額計算部111cが求めた退職給付見込額を入社から予測退職時までの期数で割って、当期に配分すべき額を計算する処理部である。
割引計算部111eは、期間配分計算部111dが求めた各期の配分額を現時点の貨幣価値へ変換する処理部である。そして、退職給付債務計算部111fは、必要に応じて昇給率計算部111a〜割引計算部111eを呼び出して全従業員のPBOを計算し、これを合算して企業全体のPBOを求める処理部である。
パラメータ入力部112は、PBOの計算に必要な各種パラメータの入力を受け付ける処理部である。パラメータの入力は、キーボードからの入力や所定の形式のファイルからの読み取り等によっておこなわれる。結果出力部113は、退職給付債務計算部111f等の処理部の計算結果をモニタやプリンタ等の出力手段へ出力する処理部である。
記憶部120は、各種情報を記憶する記憶部であり、従業員情報121、基礎率情報122、昇給率情報123および退職率情報124等を記憶する。従業員情報121は、各従業員の人事データであり、入社年月、退社年月、現時点の給与、現時点で退社した場合の退職金額等を含む。基礎率情報122は、死亡率や割引計算用の割引率等の基礎的な比率情報である。昇給率情報123は、昇給率計算部111aの計算結果であり、退職率情報124は、退職率計算部111bの計算結果である。
次に、本実施例に係る退職給付債務計算装置が計算をおこなう対象の一つである退職給付財政について説明する。図1〜3は、退職給付財政の計算を説明するための説明図である。図1は、n年後に定年を迎える従業員に対する退職金の給付見込額の計算例を示している。
給付見込額を算出するには、当期からn年後までの各期において退職した場合の予測退職金T1〜Tn+1を取得する。そして、各予測退職金にその期における退職確率X1〜Xn+1を乗じて各期における退職給付見込額を算出する。退職確率X1〜Xn+1は、退職率と死亡率から求められ、合計すると1になる。
続いて、割引率rを使用して各期における退職給付見込額を現時点の貨幣価値へ変換する。こうして求められた各期の金額を合算したものが、その従業員に対する退職金の給付見込額となる。このように、給付見込額の算出は、期間配分計算がない以外は、図13に示した退職給付債務の計算例と同様の手順でおこなわれる。
図2は、給付見込額と掛金の関係を示している。同図に示すように、退職金資産の運用収益や貨幣価値の変動を無視すると、退職金の掛金の総額は、給付見込額と同額であるべきである。両者が一致している状態が、退職金の積立額が過不足のない状態であると言える。
収入に対する退職金の掛金の比率を掛金率と言うが、退職金を過不足無く積み立てるには、退職までの収入見込額に対する退職金の給付見込額の比率を掛金率とすればよい。標準的なモデル従業員の場合における収入に対する掛金の比率を標準掛金率と言うが、標準掛金率は、モデル従業員の収入見込額に対する退職金の給付見込額の比率として求めることができる。
図3は、企業全体としてみた退職金の給付額と掛金の関係を示している。給付原価は、全従業員に対する退職金の給付見込額の合計額であり、図1にて示した計算を全従業員に対して実行することで求めることができる。収入原価は、全従業員の今後の掛金の合計額であり、全従業員の今後の収入見込額に標準掛金率を乗じて求めることができる。
数理債務(責任準備金)は、給付原価と収入原価の差額であり、これから年金資金を差し引いた額が過去勤務債務である。この過去勤務債務が退職金の積立不足額に相当する。そして、過去勤務債務を解消するために必要な掛金を特別掛金と言い、全従業員の今後の収入見込額に占める特別掛金の割合を特別掛金率と言う。
次に、本実施例に係る退職給付債務計算装置の構成について説明する。図4は、本実施例に係る退職給付債務計算装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、退職給付債務計算装置200は、制御部210と、記憶部220とを有する。
制御部210は、退職給付債務計算装置200を全体制御する制御部であり、計算処理部211と、パラメータ入力部212と、結果出力部213と、パラメータ編集部214とを有する。計算処理部211は、退職給付債務と掛金の計算をおこなう処理部であり、昇給率計算部211aと、退職率計算部211bと、給付見込額計算部211cと、期間配分計算部211dと、割引計算部211eと、退職給付債務計算部211fと、収入見込額計算部211gと、標準掛金率計算部211hと、特別掛金率計算部211iと、シミュレート部211jとを有する。
昇給率計算部211a〜退職給付債務計算部211f、パラメータ入力部212および結果出力部213は、それぞれ、図14にて説明した昇給率計算部111a〜退職給付債務計算部111f、パラメータ入力部112および結果出力部113に相当し、同様の処理部であるので、ここでは説明を省略する。
収入見込額計算部211gは、現時点の給与と昇給率を基にして退職するまでの収入見込額を計算する処理部である。標準掛金率計算部211hと特別掛金率計算部211iは、それぞれ、必要に応じて昇給率計算部211a〜給付見込額計算部211c、割引計算部211eおよび収入見込額計算部211gを呼び出して標準掛金率と特別掛金率を計算する処理部である。
シミュレート部211jは、シミュレーションによって掛金を中長期的に予測する処理部である。シミュレーションをおこなうに際しては、利用者は、昇給率等の各種パラメータを自由に変更し、その結果がどのように掛金に反映されるのかを確認することができる。
図5は、シミュレーション結果の出力画面のサンプル図である。同図は、シミュレート部211jのシミュレーション結果を結果出力部213が出力したものである。この例では、全従業員の退職までの収入見込額を当期から5期先まで予測し、各期の収入見込額に標準掛金率と特別掛金率を乗じて標準掛金額と特別掛金額を期毎に算出している。
パラメータ編集部214は、パラメータ入力部212より入力されたパラメータや各処理部の計算によって求められたパラメータを変更する手段を利用者に提供する処理部である。パラメータ編集部214によって変更されたパラメータは、シミュレート部211jによるシミュレーションに反映される。
記憶部220は、各種情報を記憶する記憶部であり、従業員情報221、基礎率情報222、勤務年数別情報225等を記憶する。従業員情報221は、各従業員の人事データであり、図6に示すように、入社年月、退社年月、現時点の給与、現時点で退社した場合の退職金額等を含む。基礎率情報222は、死亡率や割引計算用の割引率等の基礎的な比率情報である。
勤務年数別情報225は、従業員情報221に含まれる給与等の情報を勤務年数別に集計し、さらに、その集計結果を基にして所定の期数分の推移を予測したものである。勤務年数別情報225は、シミュレート部211jが必要に応じて昇給率計算部211a〜給付見込額計算部211c、割引計算部211eおよび収入見込額計算部211gを呼び出して生成するもので、シミュレーションに利用される。
図7は、勤務年数別情報225の一例を示すサンプル図である。同図に示すように、勤務年数別情報225は、年度単位で情報を管理する構造となっている。そして、年度ごとに勤務年数別の従業員数、平均給与、平均退職金額、昇給率および退職率を保持する。平均給与は、その勤務年数における平均年収であり、平均退職金は、その年度内に退職した場合の退職金の平均額である。
パラメータ入力部より入力された情報を集計して求められた勤務年数別の従業員数等の情報は、年度0の情報として保持される。そして、この情報を基にして1年後の各数値を予測した結果が年度1の情報として保持される。同様にして、シミュレーションに必要な年数分の情報が予測されて勤務年数別情報225に保持される。なお、これらの情報は、パラメータ編集部214の編集対象であり、シミュレーションに際して利用者によって値が変更される場合がある。
このように、退職給付債務計算装置200は、従来の退職給付債務計算装置100に退職給付財政計算のための処理部を追加した構成となっている。このような構成とすることにより、退職給付債務の計算と退職給付財政の計算において入力データを共通して利用することが可能となり、業務の効率化が図られる。また、中長期的なシミュレーションをおこなうことができるように構成されているので、将来の経営環境の変化に応じて退職給付財政がどのように変化するかを予測することができ、企業経営の意思決定に寄与することができる。
次に、退職給付債務計算装置200が退職給付債務を計算する場合の処理手順について説明する。図8は、図4に示した退職給付債務計算装置200の処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、パラメータ入力部212が、人事データの入力を受け付け、これを従業員情報221として記憶させ(ステップS101)、死亡率や割引率等の比率情報を受け付け、これを基礎率情報222として記憶させる(ステップS102)。さらに、年金資産額や標準的なモデル従業員とみなす従業員の勤続年数の入力を受け付ける(ステップS103)。
その後、入力された情報を基にして昇給率計算部211aが昇給率の計算をおこない(ステップS104)、退職率計算部211bが退職率の計算をおこなう(ステップS105)。そして、シミュレート部211jがシミュレーションに必要なだけの情報を取得して、勤務年数別情報225を生成する(ステップS106)。
続いて、標準掛金率計算部211hが後述する標準掛金率計算処理を実行して標準掛金率を求め(ステップS107)、特別掛金率計算部211iが後述する特別掛金率計算処理を実行して特別掛金率を求める(ステップS108)。
上記の処理が完了したならば、パラメータ編集部214が利用者から各種パラメータの変更を受け付け(ステップS109)、シミュレート部211jが後述する掛金シミュレート処理を実行し(ステップS110)、結果出力部213がその結果を出力する(ステップS111)。そして、ここで利用者から終了の指示があった場合は(ステップS112肯定)、処理を完了する。終了の指示がなかった場合は(ステップS112否定)、ステップS109から処理を再開する。
図9は、図8に示した標準掛金率計算処理の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、標準的なモデル従業員とみなすとされた勤続年数の従業員の退職金の給付見込額を計算し(ステップS201)、これを割引して現在の貨幣価値へ換算する(ステップS202)。
続いて、退職までの収入見込額を計算し(ステップS203)、これを割引して現在の貨幣価値へ換算する(ステップS204)。そして、給付見込額を収入見込額で割って標準掛金率を算出する(ステップS205)。
図10は、図8に示した特別掛金率計算処理の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、勤務年数別情報225の年度0の情報から未処理の勤務年数の情報を1件選択する(ステップS301)。
ここで、未処理の勤務年数の情報を選択できた場合は(ステップS302否定)、選択した勤務年数の従業員の退職金の給付見込額を計算し(ステップS303)、これを割引して現在の貨幣価値へ換算し、給付原価に加算する(ステップS304)。さらに、退職までの収入見込額を計算し(ステップS305)、これを割引して現在の貨幣価値へ換算し、総収入見込額に加算する(ステップS306)。
ここまでの処理が完了したならば、ステップS301へ復帰して次の未処理の勤務年数の情報の処理をおこなう。全ての勤務年数の情報を処理し終えるまでこの処理を繰り返すことで、全従業員の給付見込額の合計額が給付原価に設定され、全従業員の収入見込額の合計が総収入見込額に設定された状態となる。
ステップS301において全ての勤務年数の情報を選択済であった場合は(ステップS302肯定)、総収入見込額に標準掛金率を乗じて収入原価を算出する(ステップS307)。さらに、給付原価から収入原価を差し引いて数理債務を算出し(ステップS308)、数理債務から年金資産額を差し引いて過去勤務債務を算出する(ステップS309)。そして、過去勤務債務を総収入見込額で割って特別掛金率を算出する(ステップS310)。
なお、上記の手順では、人事データが勤務年数別に集約された勤務年数別情報225を使用して特別掛金率を算出しているが、従業員情報221を使用して従業員ごとに給付見込額と収入見込額を計算し、これを合算して特別掛金率を算出するようにしてもよい。
図11は、図8に示した掛金シミュレート処理の処理手順を示すフローチャートである。同図は、5期先までの標準掛金額と特別掛金額を算出する場合の処理例を示している。まず、予測年度を0に設定し(ステップS401)、予測年度が5よりも大きくなるまで以下の処理を繰り返し実行し、予測年度が5よりも大きくなったならば(ステップS402肯定)、処理を完了する。
予測年度が5以下の場合は(ステップS402否定)、勤務年数別情報225の予測年度に対応する年度の情報から未処理の勤務年数の情報を1件選択する(ステップS403)。ここで、未処理の勤務年数の情報を選択できた場合は(ステップS404否定)、選択した勤務年数の従業員の退職までの収入見込額を計算し(ステップS405)、これを割引して現在の貨幣価値へ換算し、総収入見込額に加算する(ステップS406)。
収入見込額の計算が完了したならば、ステップS403へ復帰して次の未処理の勤務年数の情報の処理をおこなう。全ての勤務年数の情報を処理し終えるまでこの処理を繰り返すことで、予測年度に対応する年度における全従業員の収入見込額の合計が総収入見込額に設定された状態となる。
ステップS403において全ての勤務年数の情報を選択済であった場合は(ステップS404肯定)、総収入見込額に標準掛金率を乗じて標準掛金額を算出し、(ステップS407)、総収入見込額に特別掛金率を乗じて特別掛金額を算出する(ステップS408)。そして、標準掛金額と特別掛金額を予測年度と対応付けて記憶し、(ステップS409)、総収入見込額をクリアする(ステップS410)。ここまでの処理が完了したならば、予測年度に1を加算して(ステップS411)、ステップS402へ復帰する。
上記実施例で説明した退職給付債務計算装置200の各種の処理は、あらかじめ用意された退職給付債務計算プログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図12をもちいて、退職給付債務計算プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
図12は、退職給付債務計算プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。このコンピュータ1000は、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置1010、モニタ1020、各種プログラムを記録した記録媒体からプログラムを読み取る媒体読取り装置1030、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)1040、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受をおこなうネットワークインターフェース装置1050、HDD(Hard Disk Drive)1060およびCPU(Central Processing Unit)1070をバス1080で接続して構成される。
そして、HDD1060には、退職給付債務計算装置200の機能と同様の機能を発揮するプログラムである退職給付債務計算プログラム1060bが記憶されている。HDD1060には、図4の記憶部220の各種情報を記憶する退職給付債務計算用DB1060aも記憶される。
なお、退職給付債務計算用DB1060aについては、適宜統合または分散して配置することとしてもよい。
そして、CPU1070が、退職給付債務計算プログラム1060bをHDD1060から読み出して実行することにより、同プログラムは、退職給付債務計算プロセス1070aとして機能するようになる。この退職給付債務計算プロセス1070aは、図4に示した制御部210に対応する。
また、CPU1070は、HDD1060の退職給付債務計算用DB1060aから適宜必要な情報を読み出してRAM1040に退職給付債務計算用データ1040aとして格納し、このRAM1040に格納された退職給付債務計算用データ1040aに基づいて各種データ処理を実行する。
なお、上記の退職給付債務計算プログラム1060bについては、必ずしもHDD1060に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶された退職給付債務計算プログラム1060bを、コンピュータ1000が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN等を介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)などに退職給付債務計算プログラム1060bを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
上述してきたように、本実施例では、退職給付債務計算と退職給付財政計算において基礎データを共用するように構成したので、利用者は同一のデータを入力しなおすことなく、1台の装置で退職給付債務計算と退職給付財政計算を効率よく実行することができる。また、退職給付債務計算と退職給付財政計算において計算ロジックを共用するように構成したので、整合性のとれた計算結果を得ることができる。
また、従業員情報の将来の変動を予測し、これに基づいて将来の標準掛金額と特別掛金額をシミュレートするように構成したので、将来予測を含めた退職給付財政計算をおこなって企業経営管理に有用な情報を提供することができる。また、利用者が各種パラメータを変動させて退職給付財政計算のシミュレーションをおこなうことができるように構成したので、企業経営環境の変動を反映した退職給付財政のシミュレーションをおこなうことができ、企業経営におけるリスク管理に有用な情報を提供することができる。
(付記1)従業員情報と基礎率情報とを基にして退職給付債務計算をおこなう退職給付債務計算プログラムであって、
前記従業員情報と、前記基礎率情報とを基にして退職金の標準掛金率を算出する標準掛金率算出手順と、
前記従業員情報と、前記基礎率情報と、前記標準掛金率とを基にして退職金の特別掛金率を算出する特別掛金率算出手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする退職給付債務計算プログラム。
(付記2)前記標準掛金率算出手順は、退職給付債務計算手順と計算ロジックを共用することを特徴とする付記1に記載の退職給付債務計算プログラム。
(付記3)前記従業員情報の将来の変動を予測し、この予測結果と、前記標準掛金率と、前記特別掛金率とに基づいて将来の標準掛金額と特別掛金額をシミュレートするシミュレート手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1または2に記載の退職給付債務計算プログラム。
(付記4)前記シミュレート手順が利用する各種情報の内容を利用者に変更させるパラメータ編集手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記3に記載の退職給付債務計算プログラム。
(付記5)従業員情報と基礎率情報とを基にして退職給付債務計算をおこなう退職給付債務計算装置であって、
前記従業員情報と、前記基礎率情報とを基にして退職金の標準掛金率を算出する標準掛金率算出手段と、
前記従業員情報と、前記基礎率情報と、前記標準掛金率とを基にして退職金の特別掛金率を算出する特別掛金率算出手段と
を備えたことを特徴とする退職給付債務計算装置。
(付記6)従業員情報と基礎率情報とを基にして退職給付債務計算をおこなう退職給付債務計算装置における退職給付財政計算方法であって、
前記従業員情報と、前記基礎率情報とを基にして退職金の標準掛金率を算出する標準掛金率算出工程と、
前記従業員情報と、前記基礎率情報と、前記標準掛金率とを基にして退職金の特別掛金率を算出する特別掛金率算出工程と
を含んだことを特徴とする退職給付財政計算方法。
以上のように、本発明に係る退職給付債務計算プログラムおよび退職給付債務計算装置は、退職給付債務計算と退職給付財政計算に有用であり、特に、同一のデータを入力しなおすことなく、1台の装置で退職給付債務計算と退職給付財政計算を効率よく実行することが必要な場合に適している。
退職給付財政の計算を説明するための説明図である。 退職給付財政の計算を説明するための説明図である。 退職給付財政の計算を説明するための説明図である。 本実施例に係る退職給付債務計算装置の構成を示す機能ブロック図である。 シミュレーション結果の出力画面のサンプル図である。 従業員情報の一例を示すサンプル図である。 勤務年数別情報の一例を示すサンプル図である。 図4に示した退職給付債務計算装置の処理手順を示すフローチャートである。 図8に示した標準掛金率計算処理の処理手順を示すフローチャートである。 図8に示した特別掛金率計算処理の処理手順を示すフローチャートである。 図8に示した掛金シミュレート処理の処理手順を示すフローチャートである。 退職給付債務計算プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。 退職給付債務の計算を説明するための説明図である。 従来の退職給付債務計算装置の構成を示す機能ブロック図である。
符号の説明
100 退職給付債務計算装置
110 制御部
111 計算処理部
111a 昇給率計算部
111b 退職率計算部
111c 給付見込額計算部
111d 期間配分計算部
111e 割引計算部
111f 退職給付債務計算部
112 パラメータ入力部
113 結果出力部
120 記憶部
121 従業員情報
122 基礎率情報
123 昇給率情報
124 退職率情報
200 退職給付債務計算装置
210 制御部
211 計算処理部
211a 昇給率計算部
211b 退職率計算部
211c 給付見込額計算部
211d 期間配分計算部
211e 割引計算部
211f 退職給付債務計算部
211g 収入見込額計算部
211h 標準掛金率計算部
211i 特別掛金率計算部
211j シミュレート部
212 パラメータ入力部
213 結果出力部
214 パラメータ編集部
220 記憶部
221 従業員情報
222 基礎率情報
225 勤務年数別情報
1000 コンピュータ
1010 入力装置
1020 モニタ
1030 媒体読取り装置
1040 RAM
1040a 退職給付債務計算用データ
1050 ネットワークインターフェース装置
1060 HDD
1060a 退職給付債務計算用DB
1060b 退職給付債務計算プログラム
1070 CPU
1070a 退職給付債務計算プロセス
1080 バス

Claims (4)

  1. 全従業員のそれぞれの入社年月、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記全従業員のそれぞれが現時点で退社した場合の退職金額を含む従業員情報と、所定の割引率及び従業員の年齢毎の死亡率を含む基礎率情報とを基にして退職給付債務計算をおこなう退職給付債務計算プログラムであって、
    前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率を計算する昇給率計算手順と、
    前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率を計算する退職率計算手順と、
    各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記昇給率計算手順で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて全従業員のそれぞれの各期毎に予測された退職金である予測退職金、前記基礎率情報に含まれる前記従業員の年齢毎の死亡率前記退職率計算手順で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した計算結果の総和を退職給付見込額として計算する退職給付見込額計算手順と、
    前記従業員情報、及び前記昇給率計算手順で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて、全従業員のそれぞれの退職までの収入見込額を計算する収入見込額計算手順と、
    前記基礎率情報に含まれる前記所定の割引率、及び前記退職給付見込額計算手順で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額に基づいて、前記退職給付見込額計算手順で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額を現時点の貨幣価値へ変換するとともに、該所定の割引率、及び前記収入見込額計算手順で計算された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額に基づいて、各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額を現時点の貨幣価値へ変換する割引計算手順と、
    各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記予測退職金と、前記死亡率と前記退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した値に(1/(k+1))を乗じた値の総和を退職給付債務として計算する退職給付債務計算手順と、
    前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、勤務年数が所定の標準である従業員の退職給付見込額、前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、勤務年数が前記所定の標準である従業員の収入見込額で除した値を退職金の標準掛金率として算出する標準掛金率算出手順と、
    前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額の総和から、前記割引計算手順で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額の総和と前記標準掛金率算出手順で算出された前記標準掛金率との積を減じた値から、所定の年金資産額を減じた値を、該収入見込額の総和で除した値を退職金の特別掛金率として算出する特別掛金率算出手順と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする退職給付債務計算プログラム。ただし、rは所定の割引率であり、kは0以上の整数である。
  2. 前記従業員情報の将来の変動を予測し、この予測結果と、前記標準掛金率と、前記特別掛金率とに基づいて将来の標準掛金額と特別掛金額をシミュレートするシミュレート手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の退職給付債務計算プログラム。
  3. 前記シミュレート手順が利用する各種情報の内容を利用者に変更させるパラメータ編集手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項2に記載の退職給付債務計算プログラム。
  4. 全従業員のそれぞれの入社年月、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記全従業員のそれぞれが現時点で退社した場合の退職金額を含む従業員情報と、所定の割引率及び従業員の年齢毎の死亡率を含む基礎率情報とを基にして退職給付債務計算をおこなう退職給付債務計算装置であって、
    前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率を計算する昇給率計算部と、
    前記従業員情報に基づいて、前記全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率を計算する退職率計算部と、
    各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記全従業員のそれぞれの現時点の給与、及び前記昇給率計算部で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて全従業員のそれぞれの各期毎に予測された退職金である予測退職金、前記基礎率情報に含まれる前記従業員の年齢毎の死亡率前記退職率計算部で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した計算結果の総和を退職給付見込額として計算する退職給付見込額計算部と、
    前記従業員情報、及び前記昇給率計算部で計算された全従業員のそれぞれの年齢ごとの給与の昇給率に基づいて、全従業員のそれぞれの退職までの収入見込額を計算する収入見込額計算部と、
    前記基礎率情報に含まれる前記所定の割引率、及び前記退職給付見込額計算部で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額に基づいて、前記退職給付見込額計算部で計算された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額を現時点の貨幣価値へ変換するとともに、該所定の割引率、及び前記収入見込額計算部で計算された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額に基づいて、各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額を現時点の貨幣価値へ変換する割引計算部と、
    各従業員について、当期から定年までの各期kごとに、前記予測退職金と、前記死亡率と前記退職率との和との積に、(1/(1+r) )を乗じた値を計算し、各期ごとに計算した値に(1/(k+1))を乗じた値の総和を退職給付債務として計算する退職給付債務計算部と、
    前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、勤務年数が所定の標準である従業員の退職給付見込額、前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、勤務年数が前記所定の標準である従業員の収入見込額で除した値を退職金の標準掛金率として算出する標準掛金率算出部と、
    前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された全従業員のそれぞれの各期の退職給付見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の退職給付見込額の総和から、前記割引計算部で現時点の貨幣価値へ変換された各期に退職するまでの全従業員のそれぞれの収入見込額のうち、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額に基づいて計算された、前記従業員の勤務年数毎の収入見込額の総和と前記標準掛金率算出部で算出された前記標準掛金率との積を減じた値から、所定の年金資産額を減じた値を、該収入見込額の総和で除した値を退職金の特別掛金率として算出する特別掛金率算出部と
    を備えたことを特徴とする退職給付債務計算装置。ただし、rは所定の割引率であり、kは0以上の整数である。
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