JP4740191B2 - 手術装置 - Google Patents
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Description
気メス装置とは、手術中に、出血を止めるための凝固を行ったり、硬い組織(硬膜など)
を焼き切るのに用いられる装置である。電気メス装置の中でもバイポーラと呼ばれるもの
は、先端が一対の小型電極になったピンセット様の器具で、電極の間に電圧を掛け、さら
に先端付近に設けられた穴から電解質を含んだ液体(一般に生理食塩水)を出す。この液
体中に電流が流れて発熱し、その熱で凝固や切開を行う。またモノポーラと呼ばれる電気
メス装置は、患者に常時接触させる大型の電極と、術野に挿入する1個の小型電極から構
成され、これらの電極の間に電圧を掛けることによって、挿入した小型電極の周囲でジュ
ール熱を発生させることによって、切開や凝固を行う。また、これらの器具は組織を保持
または剥離する器具としても利用される。
から、組織、血液、洗浄水などを吸引・除去するのに用いられる装置である。このほか、
プローベ(消息子)と呼ばれる、組織中に挿入して手応えを調べる器具などがある。さら
に、脳組織を切るために綿布片が用いられることがある。綿布片をピンセットで保持して
脳組織をこすることによって、血管を切らずに脳組織だけを切開する。
って、その神経が遠心性神経であるかどうか、さらにどの部位に接続しているかを判別す
る研究がされている。この電気刺激を行うに際して、電気的刺激を加える部分である刺激
用電極と、与えられた電気的刺激を検出する検出用電極を備えた装置(以下電気刺激装置
と呼ぶ)が用いられている。
以下のような問題点が生じていた。
であるため、操作者が手に持つ部分(保持部)も別途構成されており、さらに手術中にこ
の電気刺激装置を用いる場合には、保持部を持ち替える必要(手術の種類によっては、頻
繁に行われる場合もある)が多発し、操作者および患者に、多大な負担を課すことになる
。特に、電気刺激装置を使用する場合、非常に微妙な力のバランスで保持部の一部を被検
体の組織に接触させる必要があり、他の器具と持ち替えることは非常に困難である。一方
、必要な時に電気刺激装置による検査を省略すると、重要な神経を傷つける恐れがある。
したものか(本明細書ではこれを「各電極と接触する組織同士が神経接続されているかど
うか」と表現する)、あるいは組織中に漏れたものかを詳しく知ることはできなかった。
このため、様々な要因(患者の体力等)によって時間的制限がある手術中に、従来の電気
刺激装置をそのまま手術装置として適応することは操作者に多大な負担を強いていた。
縁部材が被覆されていなかった。しかし、手術においては、操作者は電極を手で保持する
必要があり、このような絶縁部材の被覆されていない電極の場合、被検体を刺激するため
の電気信号が操作者に印加され、また検出された電気信号へノイズが混入してしまう恐れ
がある。
および患者の負担を軽減することができる手術装置を提供することを目的とする。
る。図1は本実施の形態における手術装置の保持部の外観図である。
れらの電極を一体的に支持する絶縁性の支持部19を備えている。電極11a、11bは
、それぞれ中央部が屈曲した導電性部材を絶縁体のカバー12で被覆した構造となってお
り、さらに中央部より支持部19側に滑り止め部15が設けられている。操作者は、この
滑り止め部15を握ることによって、保持部10を保持する。また、絶縁体カバー12は
、操作者に刺激用の電気信号が印加されるのを防止し、また検出された電気信号にノイズ
が混入するのを防ぐためのものである。また、絶縁体カバー12は、被検体の組織に接触
する必要がある電極の先端部13および支持部19の内部には設けられていない。即ち、
先端部13は、導電性部材が剥き出しの状態となっており、また支持部19では、支持部
19自体が絶縁体カバーの役割を担っている。
て使用する際に、上述の生理食塩水を被検体内に導入するために用いられる送水パイプ1
6が設けられている。送水パイプ16の一端は送水口14として先端部13に設けられ、
他端は、支持部19を介して、後述する送水タンク21へ接続される。
(図示しない)が設けられており、この絶縁部材は、操作者がそれぞれの電極同士を近づ
けた場合、これに対する応力を発生させるいわゆる弾性部材としての機能も有している。
これにより操作者がそれぞれの電極を近づく方向に力を加えない所謂定常状態においては
、電極同士は所定の距離に保たれる。それぞれの電極11a、11bの導電部材は、それ
ぞれの電線に接続され、接続用コード17を介して、後述の手術装置本体23と電気的に
接続される。
と電気的に接続されている。このLEDは、一例として、保持部10が電気メスとして使
用される場合には赤色、刺激用電極として使用される場合には緑色、検出用電極として使
用される場合には黄色に点灯(具体的には赤色、緑色、黄色のそれぞれの色を発光するL
EDが設けられており、それぞれのLEDに適宜電流が流れることにより発光するように
しても良いし、所定の電気信号によりそれぞれの色を発行する1つのLEDとしても良い
)し、手術装置本体23と接続されていない場合には消灯するものである。
る図2を参照して説明する。
本体23、上述の送水パイプに接続された送水タンク21、刺激用電気信号を発生させる
刺激用電極24、検出された電気信号の状態を波形として示すモニタ28および各種スイ
ッチ(本実施の形態ではフットスイッチ)22a、22bを備えている。なお、各種スイ
ッチの動作について簡単に説明しておくと、スイッチ22aは、本装置を電気メス装置と
して使用している場合には、保持部10に設けられた電極間に所定の電圧を印加すると共
に、送水口14から生理用食塩水を送出させ、また本装置を電気刺激装置として使用して
いる場合には、保持部10に設けられた電極、あるいは保持部10以外に設けられた刺激
用電極24から刺激用の電気信号を発生させるタイミングを決定する機能を有している。
用するか、あるいは検出用電極として使用するかを順次、選択するために用いられる。
置制御部27、本装置を電気刺激装置として使用する際に用いられる電気刺激装置制御部
25およびこれらの切換え等を行う本体制御部26を主に備えている。電気メス装置制御
部27は、本体制御部26、保持部10の各電極11a、11bおよび送水タンク21と
接続されており、本体制御部26からの制御信号に基づいて各電極11a、11b間に所
定の電圧を印加すると共に、送水タンク21から生理用食塩水を送出させる。また、電気
刺激装置制御部25は、本体制御部26、保持部10の各電極11a、11bに接続され
ている。なお、電気刺激装置制御部25に関しては、詳しく後述する。なお、刺激用電極
24は、図1に示された保持部10とは別に設けられているものであり、保持部10を検
出用電極として使用する際に、刺激用の電気信号を発生させるために用いられるものであ
る。
れた電気信号の両方を波形として表示するものである。
実施の形態の電気刺激装置制御部25は、電気信号発生制御部32と、電気信号検出制御
部31から主として構成される。
気信号を発生させるため所定の機器を制御するもので、本体制御部26、刺激用電極24
および保持部10のそれぞれの電極11a、11bに接続されている。また、電気信号検
出制御部31は、刺激用電極で印加された電気信号、あるいは被検体が所定の動作(指を
動かす等)を行うことによって発生した電気信号を所定の部分から検出するために所定の
機器を制御するもので、本体制御部26、および保持部10のそれぞれの電極11a、1
1bに接続されている。
として使用する際の動作について説明する。
まず、本手術装置を電気メス装置として使用する場合について説明する。なお、ここで
は、この動作を開始する際の初期状態として、操作者は保持部10を握った状態であり、
また保持部10は、検出用電極として使用される場合が選択されているものとする。
期状態では検出用電極を表す黄色に発光している)と、スイッチ22bを1度踏むことに
より、保持部10の使用状態を切換える。(なお、スイッチ22bをONする毎に電気メ
ス→刺激用電極→検出用電極→電気メスと繰り返し選択され、随時LED18の発光色が
赤色→緑色→黄色→赤色に変更される。)これにより、スイッチ22bからの信号は、手
術装置本体23の本体制御部26に入力され、電気メス装置制御部27および電気刺激装
置制御部25にそれぞれ制御信号が送られる。電気刺激装置制御部25が、この制御信号
を受け取ると、各電極11a、11b同士は、絶縁状態になる。また、電気刺激装置制御
部25に接続された刺激用電極24の動作は停止した状態となる。
あるいは切開に適した電圧)を印加するための安全点検を行う。なお、ここで「安全点検
」とは、安全確保のために行われる動作を示す概念で、例えば各電極11a、11b間の
絶縁性を自動的に調べる等の動作である。(但し、この「安全点検」は、必ずしも行わな
くても良く、また「安全点検」に要する時間は限りなく短時間である)例えば、この安全
点検を行った結果、各電極11a、11b間が短絡していたことが検知された場合には、
警告音等を発生させる。なお、この「安全点検」は、自動的に終了する。
10の各電極11a、11bの先端部13を、凝固、切開を行う組織に接触させる。この
状態で、操作者は、スイッチ22aをONにする。
制御部27から保持部10の各電極11a、11b間に所定の電圧が印加されると共に、
送水タンク21から生理用食塩水が送出され、送水パイプ16を介して、電極11bの先
端部13に設けられた送水口14から被検体の組織に噴出される。この噴出された液体中
に電流が流れて発熱し、その熱で組織の凝固、切開を行う。
次に、上述のように保持部10が電気メスとして使用された場合から、刺激用電極とし
て使用する場合に切換えられる場合の動作について説明する。
8により現在の状態(ここでは赤色)を確認し、保持部10を刺激用電極として動作させ
るため、スイッチ22bを再度ONにする。これにより、スイッチ22bからの信号は、
本体制御部26に入力され、電気メス装置制御部27および電気刺激装置制御部25にそ
れぞれ制御信号が送られる。これにより電気メス装置制御部27は停止状態となる。さら
に、本体制御装置26からの制御信号により、LED18の発光色は赤色から緑色に変化
する。
気信号検出制御部31(図3に示されている)は停止状態(保持部10が電気メスとして
使用されている場合にも停止状態であるため、この場合には停止状態の維持)となる。一
方、電気信号発生制御部32は、所定の電気信号を印加するための安全点検を行う。なお
、ここでの「安全点検」に関しても、上記と同様、安全確保のために行われる動作を示す
概念で、ここでは、例えば各電極間に異常な電圧が印加されていないかを調べる等の動作
である。例えば、電気メスとしての使用で異常が発生し、電気メスに使用される所定の電
圧が各電極間に印加されつづけていた場合、この電極を刺激用電極として使用すると、組
織を傷つけてしまう。(ただし、これらの処置が安全上必須であるという意味ではない)
このような場合も想定して、この安全点検の際に、各電極間に異常な電圧が印加されてい
た場合には、警告音等を発生させても良い。また、この安全点検後、保持部10の各電極
11a、11bを電気的に短絡状態(電気メス使用時には絶縁状態であった)とする。ま
た、この他にも「安全点検」には、各電極間の電圧を調べることなく、単に各電極をそれ
ぞれ接地する(いずれか一方でも良い)等も含まれる。
る。
された保持部10の各電極11a、11bの先端部13を、例えば脳組織の一部に接触さ
せる。操作者が、この状態でスイッチ22aをONにすると、スイッチ22aからの信号
は、本体制御部26に入力され、電気信号発生制御部32で刺激用の電気信号が生成され
る。生成された電気信号は、電極11a、11bを介して、被検体の組織に送出される。
なお、各電極11a、11bは、電気刺激装置制御部25において短絡状態になっている
ため、電極11a、電極11bのどちらの電極からでも電気信号を発生させることが可能
である。(ちなみに保持部10を電気メスとして使用していた場合には電極間に所定の電
圧が印加されていた。)なお、この刺激用電気信号の電圧(電極と接地間の電圧)は、上
述の電気メスにおける電極間の電圧に比して小さいものである。
存在する被検体の各部位が反応する。具体的に、この反応とは、例えば軽い痙攣(腕がピ
クピクと動く等)である。
接続されているかを手術中に知ることができ、これにより重要な神経を保護することがで
きる。
さらに、上述のように刺激用電極として使用された場合から切換えを行うことにより、
保持部10を検出用電極として使用する場合について説明する。
8により現在の状態(ここでは緑色)を確認し、保持部10を検出用電極として動作させ
るため、スイッチ22bを再度ONにする。これにより、スイッチ22bからの信号は、
本体制御部26に入力され、電気メス装置制御部27および電気刺激装置制御部25にそ
れぞれ制御信号が送られる。これにより電気メス装置制御部27は停止状態(この例では
停止状態の維持)となる。また、本体制御装置26からの制御信号により、LED18の
発光色は緑色から黄色に変化する。
気信号発生制御部32は、保持部10の電極11aおよび11bから電気的に絶縁された
状態となる。即ち、電極11aおよび11bから電気信号は送出されない。また同様の制
御信号により、電気信号発生制御部32は、保持部10とは別に設けられた刺激用電極2
4所定の電気信号を印加するための安全点検を行う。なお、ここでの「安全点検」に関し
ては、上記と同様、安全確保のために行われる動作を示す概念で、ここでは、例えば刺激
用電極24が適正に電気信号発生制御部32に接続されているかを調べる等の動作である
。例えば、ここで刺激用電極24が接続されていなかった場合、モニタ28に「外部刺激
用電極は非接続」なる表示を行う。これにより、操作者は刺激用電極24から電気信号が
発せられないことを確認することができる。実際の使用においては後述するように、刺激
用電極24から電気信号を発することなく、電気信号を検出することも考えられるため、
操作者が、このように保持部10以外に設けられた刺激用電極24から電気信号が発せら
れるのか否かを知ることは重要である。なお、刺激用電極24が適正に接続されていた場
合でも、刺激用の電気信号を発生させないように設定することも可能である。また、刺激
用電極24から電気信号を発生させる設定になっているにも関わらず、適正に接続されて
いないことを検知した場合には、警告音を発する構成としても良い。
の各電極11aまたは11bで電気信号を検出するための安全点検を行う。なお、ここで
の「安全点検」に関しても、上記と同様、安全確保のために行われる動作を示す概念で、
ここでは、例えば各電極間に異常な電圧が印加されていないかを調べる等の動作である。
上述のように、電気メスとしての使用で異常が発生した場合(この例では刺激用電極とし
ての使用後なのでこのような場合はない)等に有効である。また、この安全点検に際して
保持部10の各電極11a、11bを電気的に短絡状態(この例では短絡状態の維持)と
する。
された保持部10の各電極11a、11bの先端部13を、例えば脳組織の一部に接触さ
せる。また、刺激用電極24は予め被検体の所定の部位、例えば腕等にテープなどの粘着
部材を用いて貼付させる、あるいは直接脳組織上に接触させておく。
本体制御部26に入力され、電気信号発生制御部32で刺激用の電気信号が生成される。
生成された電気信号は、刺激用電極24を介して、被検体の所定の部位に送出される。
11a、11bは、短絡状態になっているため、電極11a、電極11bのどちらの電極
でも電気信号を検出することができる。このように、被検体の所定の部位に刺激用の電気
信号が加えられると、その部位と神経接続された脳組織から、電気信号が検出される。
気信号が、神経を通って、検出用電極(ここでは電極11a、11b)で検出されるまで
には遅延がある。一方、刺激用電極24から組織中に漏れた電気信号は遙かに短い時間で
検出用電極に到達する。即ち、これらの電極間の距離等に応じた遅延時間の後に検出され
た電気信号が実際に神経を通って伝達された刺激である。
軸が時間、縦軸が電気信号の電圧の大きさを示している。このように、刺激用電気信号に
時間的に近い第1の電圧ピーク値における時間taは、組織中に漏れた電気信号が検出され
るまでの時間を示し、刺激用電気信号に時間的に遠い第2の電圧ピーク値における時間tb
は、神経を通って伝達した電気信号が検出されるまでの時間を示している。即ち、時間tb
における電圧ピーク値を観察することにより、刺激用電極24が接続された部位と、電極
11aあるいは11bが接触した脳組織が神経接続されているかどうかを知ることができ
る。(仮に、刺激用電極24が接続された部位と、電極11aあるいは11bが接触した
脳組織が神経接続していない場合には、時間tbにおける第2の電圧ピーク値は、ごく小さ
い、あるいはピークとならないことになる。)
ただし、第2の電圧ピーク値は、場合によっては神経接続されているにも関わらず、小
さい場合(あるいはノイズ等に埋もれてしまう場合)があるため、この問題点を打破する
ために、手術装置本体23に以下の2つの手段(あるいはいずれか1つの手段)を設けて
も良い。
より、ノイズ除去を行う。(平均化手段)
(2)上記平均化手段により、ノイズの除去された電気信号に高周波フィルタを動作させ
、組織中に漏れた電気信号(伝達経路がばらばらである為、比較的低周波の信号が含まれ
ている)を除去し、神経を通って伝達した電気信号を際立たせる。
このように、操作者は、検出用電極で検出された電気信号を波形として観察することに
より、各電極に接した各組織同士が神経接続しているかどうかを判別する。
は、被検体の所定の部位を動かすことによっても電気信号を発生させることができるため
である。つまり、操作者、被検体あるいは操作者とは異なる他の補助者が被検体の所定の
部位を動かし、これによって発生する電気信号を検出することが可能である。なお、電気
信号の検出に関しては、上記と同様である。
位が、どの脳組織と神経接続されているかを手術中に知ることができ、これにより重要な
神経を保護することが可能である。
用電極、検出用電極の3つの機能を共有することにより、手術中に保持部の持ち替えをな
くすことができ、手術時間全体を短縮化し、操作者および患者の負担を軽減することがで
きる。
段を保持部に設けたことにより、操作者は、例えば保持部の先端部を観察視野内に維持し
ながら、同時に選択されている機能を確認することができ、安全性の面から非常に有効で
ある。また、さらにこの表示手段は発光色により識別可能であるため、操作者は視点を先
端部に集中させた状態でも、選択されている機能を確認することができる。(文字等の表
示は、観察視野内にあっても視点を集中させないと識別は困難であるが、色の認識は観察
視野内にあれば、十分に可能である。)
また、本実施の形態では、電気メス装置制御部27から電極に電気を供給するタイミン
グ、電気信号発生制御部32から前記電気信号を発生させるタイミング、電気信号検出制
御部31で電気信号を検出するタイミングのいずれのタイミングも共通のスイッチ(本実
施の形態ではスイッチ22a)で決定していたため、それぞれの機能毎にそれぞれのタイ
ミングを発生させるスイッチを設ける場合に比して、スイッチの個数を減らすことができ
、これにより誤作動を防止することができる。(スイッチの個数が多いと誤ったスイッチ
を押してしまう恐れがある)
また、本実施の形態では、それぞれの機能を切換える毎に、各機能に応じた「安全点検
」を行っているため、切換えに際しても、高い安全性を確保することができる。
可能とした場合について説明したが、これらのうちいずれか2つの機能を有するような構
成としても良い。特に刺激用電極および検出用電極のいずれか一方の電極と、電気メスと
しての機能を有するとした場合には、組織の検査と処置を1つの手術として行うことがで
き、非常に有用である。
要とするため、安全確保のため、使用中(本実施の形態ではスイッチ22aを押している
最中)に操作者に報知する(例えば所定の音等を発する)機構を設けても良い。即ち、操
作者が保持部を電気メスとして使用する場合には、LEDの発光色の確認、スイッチの押
圧、音の確認の3つの動作を行うことにより、さらに高い安全性を確保することができる
。
ーラとして説明したが、モノポーラへの適応も可能である。
は本実施の形態における手術装置の保持部の外観図である。
ある吸引管53を備えた構成となっている。また、吸引管53には、操作者が吸引管53
先端の吸引口からの吸引力を調整可能な調整用の孔56が設けられており、操作者はこの
孔56の近傍を手に持つことにより、所定の処置を行う。
管53から吸引された被検体の吸引物を後述の吸引タンク62へ移動させるための吸引パ
イプ55と吸引管53が接続されている。また、吸引管53の外周部は、接続用コード5
1内の電線と電気的に接続されている。
用コード51を介して手術装置本体23と電気的に接続されている。このLED18は、
一例として、保持部50が吸引管として使用される場合には赤色、刺激用電極として使用
される場合には緑色、検出用電極として使用される場合には黄色に点灯する。
縁カバーを覆う構成としても良い。ここで、操作者が直接触れる部分とは孔56の近傍で
ある。
る図6を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と略同一構成のものは同一番号を付
して説明を省略する。
55に接続された吸引タンク62、および手術装置本体23内に吸引タンク62の圧力調
整等を行う吸引装置制御部61を有している。吸引タンク62は、上述の吸引物を貯める
ためのタンクで、通常、タンク内は低圧に維持されている。
動作についてのみ説明する。
の切換えは、スイッチ22bを用いて行う。また、この状態で、保持部50を吸引管とし
て使用する場合には、第1の実施の形態と同様、スイッチ22aを用いる。スイッチ22
aがONの場合、吸引管53は手術装置本体23に対して絶縁状態とされる。
て吸引管53の吸引口における吸引力の調整を行う。なお、孔56が指で塞がれていない
時には吸引口に吸引力はほとんど生じない。孔56がある程度以上塞がれると、吸引タン
ク62内の圧力と、吸引管53を介して導通している被検体内の圧力の差により、吸引管
53から被検体の所定の組織が吸引され、吸引物は吸引タンク62内に蓄積される。また
、「安全点検」なる動作は、本実施の形態では、吸引動作への切換え時は、第1の実施の
形態と同様とし、また電気信号発生動作または電気信号検出動作への切換え時には、吸引
動作が行われていないかを調べる等を含むものとする。なお、その他の動作に関しては第
1の実施の形態と同様であるため、ここでは省略する。
激用電極、検出用電極の3つの機能を共有することにより、手術中に保持部50の持ち替
えを極力少なくすることができ、手術時間全体を短縮化し、操作者および患者の負担を軽
減することができる。なお、その他の効果に関しては、第1の実施の形態と共通する構成
には、少なくとも共通の効果を有している。
形態における手術装置の保持部の外観図である。なお、手術用装置本体23、モニタ28
、刺激用電極24等に関しては第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略
する。
消息子は、従来の消息子と同様、組織中に挿入して手応えを調べる器具であると共に、従
来の消息子と異なり、刺激用電極または検出用電極としての機能も有している。
子本体75の一端を支える支持部74を主として備えている。また、消息子本体75は、
棒状の導電性部材の中央部に絶縁カバー72が被覆された構造である。操作者は、この絶
縁カバー72を握ることによって、保持部70を保持する。また、絶縁体カバー72は、
操作者に刺激用の電気信号が印加されるのを防止し、また検出された電気信号にノイズが
混入するのを防ぐためのものである。また、絶縁体カバー72は、被検体の組織に接触す
る必要がある電極の先端部73および支持部74内には設けられていない。即ち、先端部
73は、導電性部材が剥き出しの状態となっており、また支持部74では、支持部74自
体が絶縁体カバーの役割を担っている。
術装置本体23と電気的に接続される。
0による組織の手応えを調べる動作についてのみ説明する。
の切換えは、スイッチ22bを用いて行う。また、この状態で、保持部70を使用する場
合には、第1の実施の形態と同様、スイッチ22aを用いる。
。操作者は、この状態で、保持部70の先端部73を組織中に挿入して手応えを調べる。
なお、「安全点検」なる動作は、本変形例でも適応可能である。また、その他の動作に関
しては第1の実施の形態と同様であるため、ここでは省略する。
電極としての機能に加え、組織中に挿入して手応えを調べる消息子としての機能も有する
ことにより、手術中に保持部の持ち替えをなくすことができ、手術時間全体を短縮化し、
操作者および患者の負担を軽減することができる。なお、その他の効果に関しては、第1
の実施の形態と共通する構成には、少なくとも共通の効果を有している。
形態における手術装置の保持部の外観図である。なお、手術用装置本体23、モニタ28
、刺激用電極24等に関しては第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略
する。
けるピンセット80は、従来のピンセットと同様、綿布片等の所定の部材を保持する器具
であると共に、従来のピンセットと異なり、刺激用電極または検出用電極としての機能も
有している。
セット本体86と、ピンセット本体86の一端を支える支持部83を主として備えている
。また、ピンセット本体86は、それぞれ中央部が屈曲した導電性部材を絶縁体のカバー
82で被覆した構造となっており、さらに中央部より支持部83側に滑り止め部85が設
けられている。操作者は、この滑り止め部85を握ることによって、ピンセット80を保
持する。また、絶縁体カバー82は、上述と同様、操作者に刺激用の電気信号が印加され
るのを防止し、また検出された電気信号にノイズが混入するのを防ぐためのものである。
また、絶縁体カバー82は、被検体の組織に接触する必要がある電極の先端部87および
支持部83内には設けられていない。即ち、先端部87は、導電性部材が剥き出しの状態
となっており、また支持部83では、支持部83自体が絶縁体カバーの役割を担っている
。
、手術装置本体23と電気的に接続される。
部材が支持部83内で予め短絡状態となっている点、および綿布片84をこのピンセット
80で保持する点において主として相異している。
と異なり、刺激用電極または検出用電極としての機能も有している。具体的には、本変形
例における綿布片84は、布地本体の一端側の表面に導電性部材が被覆されており、この
導電性部材を介して、刺激用電極または検出用電極として動作することになる。
ト80および綿布片84による脳組織の切開動作についてのみ説明する。
用への切換えは、スイッチ22bを用いて行う。その後、スイッチ22aをONとするこ
とにより、ピンセット80は手術装置本体23に対して絶縁状態とされる。
すり、血管を切らずに脳組織だけを切開する。
では説明を省略する。
電極としての機能に加え、所定の部材を保持するピンセットとしての機能も有することに
より、手術中に保持部の持ち替えをなくすことができ、手術時間全体を短縮化し、操作者
および患者の負担を軽減することができる。なお、その他の効果に関しては、第1の実施
の形態と共通する構成には、少なくとも共通の効果を有している。
は本実施の形態における手術装置の保持部の外観図である。なお、本実施の形態は、主と
して刺激用電気信号と検出された電気信号の遅延時間に関するものであり、説明を簡単に
するために、保持部は検出用電極としての機能を有する場合についてのみ説明する。
電極93に設けられた絶縁性部材からなる支持部92を有しており、操作者は、支持部9
2を手で握ることにより操作を行う。
れている。
る図10を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と略同一構成のものは同一番号を
付して説明を省略する。
25内の構成、およびスピーカ101を有している点で異なっている。
後述する)の際に所定の音を発するものである。また、電気刺激装置制御部25内の構成
の違いとは、具体的には、電気刺激装置制御部25のブロック図である図11に示すよう
に、電気信号発生制御部32および電気信号検出制御部31に神経接続検知部111が設
けられている点である。この神経接続検知部111は、各電極93、24に接した各組織
同士が、神経接続されているかどうかを自動的に検知するものである。
説明する。なお、図12は、モニタ28に表示されるグラフの一例である。操作者は、保
持部90における検出用電極93を被検体の所定の組織に接触させ、また刺激用電極24
を被検体の所定の部位に取り付けた後、スイッチ22aにより、刺激用電極24から電気
信号を送出する。
経を通って、検出用電極93に到達した電気信号には遅延がある。一方、神経を通らずに
、組織中に漏れた電気信号は遙かに短い時間で検出用電極93に到達する。
れた電気信号は、所定の記憶装置(メモリ等)に記憶された後、神経接続検知部111に
入力される。神経接続検知部111では、刺激用電極24から電気信号が発生した時刻か
ら、検出用電極93で検出された電気信号が所定のスレッショルド電圧値Vth以上になる
までの時間(t1)を求める。なお、この検出された電気信号に関しては、第1の実施の形
態と同様、複数回の検出における平均化を行い、また、高周波フィルタを動作させても良
い。
t1+tαとなる。なお、ここでtαは、実験等により予め求められている所定の時間である
。
値Vth以上の電圧が存在した場合に、所定の信号を発する。図12にお
いては、時間t2がこの信号発生を行う時間である。即ち、神経接続検知部111は、刺激
用電極24から発せられた電気信号(あるいは電気信号が発せられたという信号のみでも
良い)と、検出用電極93で検出された電気信号から、所定の時間tthを算出し、この所
定の時間tthを経過後、所定の大きさの電圧Vth以上の信号が存在するか否かを検知するも
のである。
1に信号が送られ、所定の音がスピーカ101から発生され、操作者はこの音を認識する
ことにより、神経接続の状態を認知することができる。なお、第1の実施の形態と同様の
動作に関しては説明を省略する。
ら、刺激用電極が取り付けられた被検体の部位と検出用電極が接触する組織が、神経接続
されているか否かを自動的に検知し、その結果を操作者に報知することにより、操作者は
モニタに表示される波形から神経接続の有無を読み取る必要がなくなり、より検査に集中
することができる。
気信号とから、神経接続を検知するための所定の時間を算出する構成としたため、刺激用
電極と検出用電極の距離に関わらず、的確に神経接続を検知することができる。刺激用電
極と検出用電極間の距離が異なると、神経を伝達して到達した電気信号も異なる時間に検
出されてしまうためである。
されている一定の値(操作者が任意に変更可能としても良い)を用いることを、本発明か
ら除外するものではない。
の音のみで、検出用電極が接触した組織と、刺激用電極が取り付けられた部位が神経接続
されているかどうかを認識することができ、操作者は観察視野を動かすことなく、検査を
行うことができ、高い安全性が確保される。
、これ以外にも操作者によって入力された所定の値によって半自動的に検知する構成とし
ても良い。
、あるいは電極間の距離自体を数値で入力(あるいは選択)する。操作者に入力された遅
延予想時間、あるいは入力された電極間の距離に応じて自動的に算出された遅延予想時間
を、上述のスレッショルド電圧値Vthとして、手術装
置本体23において、神経接続されているか否かを自動的に検知する。
求めることが出来ない場合であっても、神経接続されているか否かを半自動的に検知する
ことが可能である。
実施の形態および変形例を種々組みあせて用いても良く、また趣旨を一脱しない範囲での
さらなる変形も考えられる。
11 電極
12 絶縁体カバー
13 先端部
14 送水口
15 滑り止め部
16 送水パイプ
17 接続用コード
18 LED
19 支持部
21 送水タンク
22 各種スイッチ
23 手術装置本体
24 刺激用電極
25 電気刺激装置制御部
26 本体制御部
27 電気メス装置制御部
28 モニタ
31 電気信号検出制御部
32 電気信号発生制御部
50 保持部
51 接続用コード
52 接続部
53 吸引管
55 吸引パイプ
56 孔
61 吸引装置制御部
62 吸引タンク
70 保持部
71 接続用コード
72 絶縁体カバー
73 先端部
74 支持部
75 消息子本体
80 ピンセット
81 接続用コード
82 絶縁体カバー
83 支持部
84 綿布片
85 滑り止め部
86 ピンセット本体
90 保持部
91 接続用コード
92 支持部
93 検出用電極
101 スピーカ
111 神経接続検知部
Claims (7)
- 被検体の所定の組織を刺激するための電気信号を発生させる電気信号発生制御手段と、
被検体の所定の組織から電気信号を検出する電気信号検出制御手段と、
組織の凝固または切開のための電圧を印加する電気メス装置制御手段と、
前記電気信号発生制御手段、前記電気信号検出制御手段及び電気メス装置制御手段に接続される第1電極と第2電極とを備え、操作者が保持するためピンセット様の保持部と、
前記電気信号発生制御手段、前記電気信号検出制御手段、電気メス装置制御手段のいずれを使用するかを切換える切換手段と、
を具備することを特徴とする手術装置。 - 前記保持部は、前記切換手段によりいずれの制御装置が選択されたかを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の手術装置。
- 前記表示手段は、前記切換手段によりいずれの制御装置が選択されたかを発光色により識別可能な発光手段を有することを特徴とする請求項2記載の手術装置。
- 前記切換手段により前記電気メス装置制御手段が選択された場合にのみ操作者に報知する報知手段をさらに有することを特徴とする請求項2記載の手術装置。
- 前記電気メス装置制御手段から前記電気を供給するタイミングを決定する第1のスイッチと、前記電気信号発生制御手段から前記電気信号を発生させるタイミングを決定する、または前記電気信号検出制御手段により前記電気信号を検出するタイミングを決定する第2のスイッチは、共通のスイッチであることを特徴とする請求項1記載の手術装置。
- 前記切換手段により使用される制御手段が切換えられた際に、安全点検を行う点検手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の手術装置。
- 前記安全点検を行う点検手段は、前記切換手段により前記電気メス装置制御手段から他の制御手段に切換えられた場合に、前記保持部を所定の時間、接地することを特徴とする請求項6記載の手術装置。
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