JP4736003B2 - 非定常流れを利用した流体機械、風車、及び流体機械の内部流れ増速方法 - Google Patents

非定常流れを利用した流体機械、風車、及び流体機械の内部流れ増速方法 Download PDF

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Description

本発明は、内外部流れの中で運転する非定常流れを利用した流体機械と、大気中の風による内部流れを増速して高出力の発電を行う風車、及び流体機械の内部流れ増速方法に関する。
近年、地球温暖化を始めとする地球規模の環境問題、あるいは無尽蔵と錯覚されてきた石油等のエネルギー資源が枯渇し始めた、というエネルギー問題が、世界の共通の認識になりつつある。
このような状況下、COを排出しない風力発電が環境問題、エネルギー問題の双方を解決するエネルギー生産手段として脚光を浴びている。しかし、風力発電装置は大型風車で高効率と言われるものでも、風車の内部を流れる風の運動エネルギーの40%程度を電力に変換できるだけである。この変換量が向上すれば風力発電は更に環境問題、エネルギー問題において重要な位置を占めることになる。
ところで、風力発電の出力は風速の3乗に比例する。このため、風車が設置されるときは、風の強い地域が立地点として選ばれ、できるだけ風を集めて増速させ、発電量を増大させることに腐心されてきた。従って、風力発電装置の入口側の集風体、羽根車、さらにはディフューザなどの改良に目が向けられ、できるだけエネルギー変換効率を向上させるために対策が講じられてきた。何れも従来のターボ機械の延長線上で考えられ、対策されたものである。当然に限界があった。
そこで、本発明者と他の研究者は、こうした風力発電装置に対する常識に挑戦した(特許文献1参照)。すなわち、高出力発電と言う目的を達成できるなら、従来のように流線形形状、定常流的発想にとらわれる必要はない、と言う観点に到達したのである。従来の流体機械は解析容易な流線形の形状、定常流をベースにしており、非流線形形状(ブラフボディ(Bluff−body))、非定常流を使ったターボ機械は存在しないと言っても過言ではない。しかし、非流線形形状、非定常流とはいっても、安定した流れを実現でき、内部流れの流速を従来の流れよりも増加し、流れの改善が図れるのであれば、本来の目的に適う。なお、ここで流線形形状、非流線形形状を定義しておく。流線形形状は流体機械で使用される範囲のレイノルズ数Reで物体表面から流れがほぼ剥離しないで流れる形状であり、非流線形形状はこうした形状以外の形状の剥離が発生する形状のことである。
そこで、これを実現するため、本発明者らは特許文献1の風力発電装置を提案した。この風力発電装置は、筒状の風胴体と、風胴体の風の流入口近傍に配置した発電用風車とを設けたもので、風胴体の流出口の口縁の外側に、風胴体の外側を流れる風が衝突して背後で強い渦を形成させる風の流れ方向に対して垂直な平板状の鍔状片を配置し、風胴体の軸に対する側胴部の傾斜角を5〜25°の範囲とするという構成を採用した。鍔状片は風胴体の最小内径の10〜100%幅を有するものである。
このような鍔状片(いわばリング)を設けて流れに逆らって渦を形成させるなど、従来の流体機械の常識にはないものである。そして、この鍔状片の背後に形成される渦というのは、同心円のリング後流側において内外周で交互に発生する、いわゆるカルマン渦とも言うべき渦形成であって、所定のタイミングで交互に(非定常的に)生成され、この渦が風胴体の流出口付近を低圧化し、圧力差で内部流れの流速を向上させる。
この風力発電装置の構成は、風力発電装置あるいは流体機械に新たなジャンル(非流線形形状を備えた流体機械と言う類型)を創造したとも言えるべきもので、流出側で生成される渦により流体機械近くの流れ全体を制御して、装置内部へより強い風を引き込み、流体を内壁面から剥離させることなく、この内壁面に沿って流出口まで滑らかに流して効率良く加速させるものである。そして、この増速された流れで従来よりも高出力の発電を行うことができる。
特許第3621975号公報
しかし、特許文献1の風力発電装置は、風胴体の流出口の外側に、風胴体の外側を流れる風が衝突して背後で強い渦を形成させる垂直な平板状の鍔状片を設けるという萌芽的な着想を提案したものである。非流線形形状を備えた流体機械、すなわち非流線形形状の流体機械、流れのコントロールと言う観点からは、この技術はまだ原石の状態であると言える。いわば特許文献1の技術は自然の流れに任せたところがある。
今後将来性のある流体機械として更に進歩させていくには、もっと非流線形形状周りの流れの性質を追求し、流れの特性を解明し実用性を向上させていく必要がある。このための第一歩として、非流線形形状周りの渦列流れ(非定常流れ)を十分安定化することが必要である。そして、この技術を開発するのが困難なことは、渦が流体力学において非線形性が最も顕著に現れる現象(予測が難しい)であることからも容易に伺える。
従って、一見、特許文献1の風力発電装置が従来のターボ機械と似た外観を有していても、これら従来のターボ機械と本質的に一線を画するものである。そして、この新たな非流線形形状をもつ風力発電装置、言い換えれば風車、さらに流体機械を今後活かしていくためには、この流れ、渦の安定化制御技術が欠かせない。
しかし、この技術は従来から知られている境界層制御技術や整流板とは似て非なるものである。境界層技術や整流板は境界層が物体表面から剥離するのを未然に防ぐためのものであるが、この風力発電装置、風車、さらに流体機械で行う必要があるのは、剥離を防止するのではなく、流れは十分剥離させ、渦生成に伴う流れ全体を秩序化し、安定化する制御である。渦を防止するのではなく、逆に発生させて発生後の流れをコントロールする技術である。
従って、この技術は従来のような流線形の風胴体(物体)ではなく、非線形形状の物体若しくは渦形成体と組み合わせたときに機能する技術である。確かに全体が受ける流体抵抗は非線形形状の物体の方が大きく、通常はこのデメリットが大きいが、他に利用する出力を増加するような別の目的、例えば風力発電装置のように風力エネルギーを電力に変換するような別の目的がある場合には、その本来の目的を達するために流体機械は目的に応じて使い分けられるべきである。
さて、非流線形物体の表面流れはレイノルズ数Reが高くなれば、通常、後流側で剥離する。しかし、この剥離は流れと直交する周方向の一線で揃って綺麗に起こることはなく、渦形成のスケールで強弱のゆらぎをもち、強のゆらぎ位置の剥離によって強い渦を生成する。このような渦を伴う流れ全体を安定化しなければ非流線形物体周りの流れは利用できない。このためゆらぎを制御し、渦列の流れを安定化させる技術が必要とされている。
また、現在、風力発電装置は大型化を迫られている。特許文献1の風力発電装置は大型化するとき風胴体(ディフューザ)が長くなり(傾斜角が5〜25°)、重量が増す。羽根車径が数m以下のマイクロ風車、ミニ風車の場合にはこれでも許容可能な重量であるが、今後開発が予定される発電能力がMW級の大型風力発電装置においては、10m〜数十mの羽根車径が予定され、先に提案したディフューザでは許容できない重量となる。MW級の大型化に際しては風胴体をコンパクトにすることが避けられない。
そこで、本発明は、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、流路長さが短く、エネルギー変換率が高い非定常流れを利用した流体機械を提供することを目的とする。
また、本発明は、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する風の風速を増し、流路長さが短く、大型化が可能で、高出力の発電を行うことが可能な風車を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流体機械の外部流れで内部流れの流速を増加させる流体機械の内部流れ増速方法を提供することを目的とする。
本発明の非定常流れを利用した流体機械は、内外の流れによって安定した渦列を後流側に形成することができ軸対称で長手方向に非流線形をなすディフューザ機能を有する筒状のケーシングと、ケーシング内に設けられた羽根車とを備えた非定常流れを利用した流体機械であって、ケーシングは後流側に渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を備え、かつ該渦生成体にはケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体が形成されており、位相制御体は、渦形成がケーシング後端面内で周方向にゆらぐ間隔でケーシングの周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設され、位相制御体によって渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることによりセル構造を明確化し、各セルの位置を後端面に複数配設された位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする。
本発明の風車は、内外の大気の流れによって安定した渦列を後流側に形成することができ軸対称で長手方向に非流線形をなすディフューザ機能を有する筒状の風胴体と、風胴体内に設けられた羽根車とを備えた風車であって、風胴体は後流側に渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を備え、かつ該渦生成体にはケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体が形成されており、位相制御体は、渦形成が風胴体後端面内で周方向にゆらぐ間隔で風胴体の周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設され、位相制御体によって渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることによりセル構造を明確化し、各セルの位置を後端面に複数配設された位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする。
本発明の流体機械の内部流れ増速方法は、軸対称で長手方向に非流線形をしたディフューザ機能を有する筒状のケーシングの内外に流体を流したとき、該内外の流れによって安定した渦列を後流側に形成し、渦列の形成による後流側の低圧化でケーシングを通過する内部流れを増速させる流体機械の内部流れ増速方法であって、ケーシングの後流側に渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を設けると共に、該渦生成体にはケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体を形成し、渦形成がケーシング後端面内で周方向にゆらぐ間隔で、位相制御体をケーシングの周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設し、位相制御体によって渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることによりセル構造を明確化し、各セルの位置を後端面に複数配設された位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする。
本発明の非定常流れを利用した流体機械によれば、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、ディフューザの長さが短く、大型化が可能になり、エネルギー変換率を高くすることができる。
また、本発明の風力発電装置によれば、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する風の風速を増し、流路長さが短く、大型化が可能で、高出力の発電を行うことが可能になる。
そして、本発明の流体機械の内部流れ増速方法によれば、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流体機械の外部流れで内部流れの流速を増加させることができる。
本発明の実施の形態1における位相制御板と鍔付きの風胴体を備えた風力発電装置の斜視図 本発明の実施の形態1における鍔付きの風胴体を備えた非定常流れを利用した流体機械の内外部流れ説明図 図1の風力発電装置の縦断面図 様々な形状の風胴体の断面形状を示した説明図 羽根車のみの場合及びこの羽根車を図4の(b)−(e)の風胴体に配設した場合の各形状毎の出力係数Cwと周速比λの関係を示す出力性能曲線の説明図 本発明の実施の形態1における風力発電装置の後流側で風速の速度ベクトルの3成分(U,v,w)から風の主流速度成分Uを差し引いて描かれる流れ場のセル形成(循環)の様子を示した説明図 位相制御板の枚数と最大出力係数Cwmaxの関係を示す説明図 位相制御板を装着した場合に、装着しない場合と比較して、風胴体の内壁近傍で風速が増加する現象を定量的に示したグラフ 位相制御板を5%高さの鍔の渦生成体に装着したものとしなかったものの出力性能を比較した説明図 本発明の実施の形態1における位相制御板のサイズの影響を示す説明図 (a)本発明の実施の形態1における位相制御板が設けられていない場合の渦生成体の後流側を撮影した流脈線の状態を示す写真、(b)本発明の実施の形態1における位相制御板を設けた場合の渦生成体の後流側を撮影した流脈線の状態を示す写真 (a)本発明の実施の形態1における位相制御板が設けられていない場合の渦生成体の側面から撮影した流脈線の状態を示す写真、(b)本発明の実施の形態1における位相制御板を設けた場合の渦生成体の側面から撮影した流脈線の状態を示す写真 (a)数値計算によるある瞬間の鍔高さ5%の渦生成体の流入側の壁面における静圧分布、(b)数値計算による同じ瞬間のこの渦生成体の後流側の壁面の静圧分布 本発明の実施の形態1における風車が発電を行う風力発電装置の内部ブロック構成の構成図 本発明の実施の形態2における回転面と鍔から構成された鍔付きケーシングを備えた潮流発電装置の外観図
符号の説明
1 風力発電装置
2 風胴体
2a スロート部
2b 流入口
2c 渦生成体
3 羽根車
4 位相制御板
10 発電装置
11 発電機
12 AC/DCコンバータ
13 充電装置
14 バッテリ
15 DC/AC変換器
16 電力系統
17 制御装置
18 アクチュエータ
18a 係止部
19 伝達機構
20 ギャップ検知器
22 支持台
23 ケーシング
31 潮流発電装置
h 渦生成体の径方向の高さ
d スロート部の直径
円柱直径
D 投影幅
S,S’ セル
渦形成優越ゾーン
本発明の第1の形態は、内外の流れによって安定した渦列を後流側に形成することができ軸対称で長手方向に非流線形をなすディフューザ機能を有する筒状のケーシングと、ケーシング内に設けられた羽根車とを備えた非定常流れを利用した流体機械であって、ケーシングは後流側に渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を備え、かつ該渦生成体にはケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体が形成されており、位相制御体は、渦形成がケーシング後端面内で周方向にゆらぐ間隔でケーシングの周方向に形成されるセル構造の隣接するセル間に配設され、位相制御体によって渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることによりセル構造を明確化し、各セルの位置を後端面に複数配設された位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする非定常流れを利用した流体機械である。この構成によって、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、ディフューザの長さが短く、大型化が可能になり、エネルギー変換率を高くすることができる。
本発明の第2の形態は、第1の形態に従属する形態であって、位相制御体が渦生成体表面から流れ内に突出する板または突起状の形状を備え、該位相制御体によりセルが固定化された区画領域間で行われる渦形成優越区画領域の切換を区画領域単位で行い、内部流れを増速することを特徴とする非定常流れを利用した流体機械である。この構成によって、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、ディフューザの長さが短く、大型化が可能になり、エネルギー変換率を高くすることができる。
本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態に従属する形態であって、位相制御体が、主流の流速がゆらぎスケールでセル構造を形成できる流速の流れに任せたときにケーシングに自然に形成されるセル構造のセル数と同一数又は該同一数の(1/整数)倍となる枚数だけ配設された位相制御板であることを特徴とする非定常流れを利用した流体機械である。この構成によって、渦列を利用した流れを最も安定した流れ、若しくはこれに準じた流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、ディフューザの長さが短く、大型化が可能になり、エネルギー変換率を高くすることができる。なお、言うまでもなく、同一数の(1/整数)倍となる枚数は離散した整数の枚数である
本発明の第4の形態は、第1又は第2の形態に従属する形態であって、区画領域が、主流の流速がゆらぎスケールでセル構造を形成できる流速の流れに任せたときにケーシングに自然に形成されるセル構造のセル数と同一個数又は該同一個数の(1/整数)倍となる個数だけ位相制御体によって形成された領域であることを特徴とする非定常流れを利用した流体機械である。この構成によって、渦列を利用した流れを最も安定した流れ、若しくはこれに準じた流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、ディフューザの長さが短く、大型化が可能になり、エネルギー変換率を高くすることができる。なお、言うまでもなく、同一個数の(1/整数)倍となる個数は離散した整数の個数である。
本発明の第5の形態は、第1又は第2の形態に従属する形態であって、羽根車には、該羽根車の回転力を電気力に変換する発電装置が連結されていることを特徴とする非定常流れを利用した流体機械である。この構成によって、流入する流体の流速を増し、出力を電気エネルギーに変換することができ、電気エネルギー変換率を高くすることができる。
本発明の第6の形態は、内外の大気の流れによって安定した渦列を後流側に形成することができ軸対称で長手方向に非流線形をなすディフューザ機能を有する筒状の風胴体と、風胴体内に設けられた羽根車とを備えた風車であって、風胴体は後流側に渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を備え、かつ該渦生成体にはケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体が形成されており、位相制御体は、渦形成が風胴体後端面内で周方向にゆらぐ間隔で風胴体の周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設され、位相制御体によって渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることによりセル構造を明確化し、各セルの位置を後端面に複数配設された位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする風車である。この構成によって、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する風の風速を増し、大型化が可能で、高出力の発電を行うことが可能になる。
本発明の第7の形態は、第6の形態に従属する形態であって、位相制御体が渦生成体表面から流れ内に突出する板または突起状の形状を備え、位相制御体によりセルが固定化された区画領域間で行われる渦形成優越区画領域の切換を区画領域単位で行い、内部流れを増速することを特徴とする風車である。この構成によって、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する風の風速を増し、流路長さが短く、大型化が可能で、高出力の発電を行うことが可能になる。
本発明の第8の形態は、第6又は第7の形態に従属する形態であって、位相制御体が、主流の流速がゆらぎスケールでセル構造を形成できる流速の流れに任せたときに風胴体に自然に形成されるセル構造のセル数と同一数又は同一数の(1/整数)倍の枚数だけ配設された位相制御板であることを特徴とする風車である。この構成によって、渦列を利用した流れを最も安定した流れ、若しくはこれに準じた流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、大型化が可能で、高出力の発電を行うことが可能になる。なお、言うまでもなく、同一数の(1/整数)倍となる枚数は離散した整数の枚数である。
本発明の第の形態は、第6又は第7の形態に従属する形態であって、羽根車には、該羽根車の回転力を電気力に変換する発電装置が連結されていることを特徴とする風車である。この構成によって、実験等をすることなく簡単に渦列を利用した流れを最も安定した流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、大型化が可能で、高出力の発電を行うことが可能になる。
本発明の第10の形態は、軸対称で長手方向に非流線形をしたディフューザ機能を有する筒状のケーシングの内外に流体を流したとき、該内外の流れによって安定した渦列を後流側に形成し、渦列の形成による後流側の低圧化でケーシングを通過する内部流れを増速させる流体機械の内部流れ増速方法であって、ケーシングの後流側に渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を設けると共に、該渦生成体にはケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体を形成し、渦形成がケーシング後端面内で周方向にゆらぐ間隔で、位相制御体をケーシングの周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設し、位相制御体によって渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることによりセル構造を明確化し、各セルの位置を後端面に複数配設された位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする流体機械の内部流れ増速方法である。この構成によって、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流体機械の外部流れで内部流れの流速を増加させることができる。
本発明の第11の形態は、第10の形態に従属する形態であって、渦形成するセルに対応した渦形成優越区画領域の切換位相制御体により区画領域単位で行って安定化し、この安定化で内部流れを増速することを特徴とする流体機械の内部流れ増速方法である。この構成によって、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流体機械の外部流れで内部流れの流速を増加させることができる。
本発明の第12の形態は、第10又は第11の形態に従属する形態であって、すべての区画領域を渦形成優越区画領域にするための均等な区画領域にすることを特徴とする流体機械の内部流れ増速方法である。この構成によって、渦列を利用した流れを最も安定した流れにすることができ、流体機械の外部流れで内部流れの流速を増加させることができる。
ルギー変換率を高くすることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における非定常流れを利用した流体機械、とくに風車、中でも発電することのできる風力発電装置について、また流体機械の内部流れ増速方法について説明をする。説明するのは羽根車の周囲を覆うケーシングに渦生成体を設けた流体機械、大気中の流れにおいては風胴体にリング状の鍔の渦生成体を設けた風車、中でもその一例である風力発電装置である。
図1は本発明の実施の形態1における位相制御板と鍔付きの風胴体を備えた風力発電装置の斜視図である。図2は鍔付きの風胴体を備えた非定常流れを利用した流体機械の内外部流れを示し、図3は図1の風力発電装置の縦断面図である。図4は様々な形状の風胴体の断面形状を示すもので、図5は羽根車のみの場合及びこの羽根車を図4の(b)−(e)の風胴体に配設した場合の各形状毎の出力係数Cwと周速比λの関係を示す出力性能曲線を示すものである。(a’)に示す*印の性能曲線は羽根車のみの場合の出力性能曲線である。なお、出力係数Cwと周速比λについては後述する。図6は本発明の実施の形態1における風力発電装置の後流側で風速の速度ベクトルの3成分(U,v,w)から風の主流速度成分Uを差し引いて描かれる流れ場のセル形成(循環)の様子を示した説明図である。
図7は位相制御板の枚数と最大出力係数Cwmaxの関係を示す説明図であり、下方の(a)(b)(c)(d)の図は位相制御板とセルの状態を模式的に示すものである。図8は位相制御板を装着した場合に、装着しない場合と比較して、風胴体の内壁近傍で風速が増加する現象を定量的に示したグラフである。図9は位相制御板を5%高さの鍔の渦生成体に装着したものとしなかったものの出力性能を比較した説明図、図10は本発明の実施の形態1における位相制御板のサイズの影響を示す説明図、図11(a)は本発明の実施の形態1における位相制御板が設けられていない場合の渦生成体の後流側を撮影した流脈線の状態を示す写真、図11(b)は本発明の実施の形態1における位相制御板を設けた場合の渦生成体の後流側を撮影した流脈線の状態を示す写真である。
さらに、図12(a)は本発明の実施の形態1における位相制御板が設けられていない場合の渦生成体の側面から撮影した流脈線の状態を示す写真、図12(b)は本発明の実施の形態1における位相制御板を設けた場合の渦生成体の側面から撮影した流脈線の状態を示す写真である。そして、図13(a)は数値計算によるある瞬間の鍔高さ5%の渦生成体2cの流入側(前面)の壁面における静圧分布であり、図13(b)は同じ瞬間のこの渦生成体2cの後流側(背面)の壁面の静圧分布である。さらに、図14は風車が発電を行う風力発電装置の内部ブロック構成の構成図である。
図1、図2、図14に示すように、本発明の実施の形態1における風車は風力発電装置1であって、発電機11(図14参照)が連結されている。風車の羽根車3が回転することにより発電機11を駆動して運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。風力発電装置1は、風によって回転される羽根車3と、筒状で全体として非流線形の形状を有するディフューザタイプの風胴体2、言い換えれば羽根車3の周囲を囲って内外流を分離するケーシングとを備えている。流れの主流と直交する断面内では羽根車2の先端の回転面と風胴体2は間隙を挟んで配置され、長手方向に伸びる筒状の形状となる。この風胴体2がディフューザタイプにされた理由は羽根車3先端部分の流速がスロート部2a(最小断面積の部分)で最大となり(図8の挿入図参照)、ノズルタイプよりコンパクトな構成になるからである。スロート部2aより流入側には集風体となる流入口2bが設けられ、流入端(縁)からスロート部2aにかけて流路断面が絞られ、加速される。
従来の風力発電装置1においては、図4の(a)にみられるように、このスロート部2aが相対的に流入端(縁)にかなり近寄った間隙で配置され、ここに羽根車3が置かれ、後流側のディフューザ部分が強調された形状をしていた。ディフューザは長手方向にかなり長い形状となる。これは例えば図4の各種の風胴体2のタイプのうち図4(a)が示すものである。
この実施の形態1においてもスロート部2aの後流側は流路断面が拡大され、その端部周囲にリング状の渦生成体2cが設けられている。この渦生成体2cは風胴体2にその一部として含まれる。各種の風胴体2のタイプを図4の(a)〜(e)に示す。風胴体2を特定するパラメータは図8の挿入図に示したようなものになる。風胴体2の長さLt、スロート部2aから後端面までのディフューザ部分の長さL、スロート部2aの内径d、渦生成体2cの高さhであり、風力発電装置1周りの風速Uである。
風胴体2の後端部分として、この鍔(ここではリング形状の板)の渦生成体2cを取り付けることが、風胴体2を全体として非流線形形状にする。すなわち、これによって風力発電装置1をブラフボディ化する。この渦生成体2cは従来のターボ機械にない概念である。そして、このようなブラフボディは個体ごとに異なった個々の形状を有し様々な流れを形成する。この流れを本発明は渦生成体2cという部材で共通して扱えるように試みるものである。すなわち、渦生成体2cを設けることによって従来のように流体機械周りの流れを円滑に流して線形性を保つと言うのではなく、後流側に、いわゆるカルマン渦とも言うべき強い渦を形成し、この渦形成を伴う流れの安定化を図り、この安定性の保持を一般化しようとする試みである。
さて、このカルマン渦は、風胴体2の後流側に非定常的(交互)に生成される。すなわち、風胴体2のスロート部2aの内径に対して渦生成体2cの径方向の高さが十分小さいときは(h/d≪1)、あるタイミングで、例えば図6のP〜P12で示した12個の渦形成ゆらぎスケールの区画領域(これは風胴体2の表面を占める一定の領域であり、以下ゾーンという)にセルS,S’が形成され、かつこの中で仮にPの位置の渦形成が強まったとすると、PのセルSとセルS’の断面位置に強いカルマン渦列が形成される。なお、ゾーンは風胴体2の表面上の部位を示す構成であるが、セルは流れの中に形成される流れの構造である。風胴体2の後端面内で流れは複数個にセクション化され、その後流側で渦列形成が行われる。この渦形成が強となるP(n=1,2,3・・・,12)のセルS,S’に対応するゾーンが渦形成優越ゾーン(本発明の実施の形態1における渦形成優越区画領域、以下渦形成優越ゾーンという)である。Pの何れかが独立して強くなったり、弱くなったりしている。この渦形成優越ゾーンPが12個のセルの間で入れ替わり、後流の3次元的渦列を形成する。この渦列の形成によって、風胴体2の流出口付近は低圧で安定し、圧力差で内部流れの流速を向上させる。この増速により羽根車3は高速回転し、風車として高トルクの駆動力を出力することができ、風力発電装置1としては高出力の発電を行うことができる。通常の風力発電装置1の風車では、風胴体2のスロート部2aの内径に対して渦生成体2cの径方向の高さが十分小さいという条件(h/d≪1)が満たされることが多く、このような渦形成が起こる。
これに対し、風胴体2のスロート部2aの内径に対して渦生成体2cの径方向の高さがオーダ的に変わらないときは(hとdが同じオーダのとき、h/d〜1)、P(n=1,2,3・・・,12)の各ゾーンの中で風胴体2としての一断面を構成するゾーンの関連性が強まり(独立性がなくなり)、対角線上のPとPn+6(n=1,2,3・・・,12)でセルが固定された一対のゾーンで渦形成が同時に起こるようになる。すなわち、両ゾーンで強い渦形成が起こる。この渦列の形成を行った場合も、風胴体2の流出口付近は低圧で安定し、圧力差で内部流れの流速を向上させることができる。
このように各ゾーンにおける渦形成には、(1)各ゾーンの独立性が乏しく(言い換えれば渦列相互の関連性が強い)きわめて安定性が強い渦形成と、(2)独立性があり(バラバラに渦形成する)弱い安定性を示す2レベルの渦形成がある。そして、少なくとも、この弱い安定性の渦形成の場合の渦形成優越ゾーンPが、各ゾーン間において明瞭でなくなると、渦列の作用は低下し安定的な渦列、内部流れとは言えなくなる。すなわち、渦形成優越ゾーンPの入れ替わりがゾーン単位でスムースにいかなくなる。これをコントロールする方法は後述する。
なお、図1、2においては、回転体の曲面とリング形状の鍔が接続された形状、すなわち回転軸に沿った方向に屈曲した断面形状の渦生成体2cを備えた風力発電装置1を示しているが、渦形成体2cはリングの平板に限られない。渦形成体2cは風胴体2を非線形形状にして後流端位置で効果的に渦形成させるものであればよく、後述するように鍔の形状は外周が周方向に四角形、六角形などの規則性、周期性をもつような形状であってもよい。
図3は風胴体2の渦生成体2cを含まない部分を曲率半径が比較的小さい2次曲面の回転体として構成した風力発電装置1を示している。図4の(d)で示した断面形状の2次曲面ケーシングである。図4は様々な形状の風胴体2の断面形状を示し、図5はその(b)−(e)形状の出力係数Cwと周速比λの関係と、(a’)羽根車のみの場合の出力係数Cwと周速比λの関係を示す。羽根車3が大気中に露出された場合より図4の(b)−(e)で示したような2次曲面の風胴体2とした方が効果的であることが分かる。ここで周速比λは羽根車周速rω(m/s)と風速U(m/s)の比(=rω/U)である。ここにrは羽車半径、ωは角周波数(1/s)である。なお、出力係数Cwは無次元量で、Cw=W/{(1/2)・πρU}である。ここで、Wは発電出力(W)、ρは空気密度(kg/m)、rは羽根車の半径(m)である。
さて、図1、3に戻って、実施の形態1においては、渦生成体2cの表面には位相制御板4(本発明の実施の形態1における位相制御体)が設けられている。この位相制御板4は、風胴体2後端面で渦形成により流れが後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えて風胴体2の周りに形成されるセル構造を明確化して、各セルの位置を風胴体2の表面で周方向に複数配置されたゾーンに固定化する。そして、渦形成が強くなったり、弱くなったりする渦形成ゆらぎスケールの範囲(ゾーン)単位で渦形成優越ゾーンの切換を行い、すなわち渦形成優越ゾーンの切換を明確化により位置が固定化されるゾーン単位にして安定化する。この位相制御板4は上述した(1)(2)の2種類の渦形成についてそれぞれの環境、セル構造に基づいて配置され、各セルを明確化し位置を固定化する。
従って、位相制御板4によりゾーン単位で安定化するというとき、次の2つの場合が存在するのに注意しなければならない。すなわち、1つ目はこのゾーンをゾーン単位毎に切り換える場合であり、言い換えれば、位相制御板4によって各ゾーンをバラバラに安定化する場合である。また、2つ目は一対のゾーンで切り換えを行う場合であり、位相制御板4によって一対のゾーン(単位としてのゾーンが2つ)を同時に安定化する場合である。何れの場合になるかは基本的に風胴体2の形状による。
この位相制御板4は風胴体2の形状が軸対称の場合、渦生成体2cの周方向に所定ピッチで配設される。以下、位相制御板4を風胴体2にどのように配設するかについて具体的に説明する。
風胴体2の内外部流は風胴体2の外周、内周の全周で剥離し、下流の周方向の各断面でカルマン渦を形成する。そして、上述したように、その断面、断面での渦形成には円周方向において強い渦形成、弱い渦形成とむら(ゆらぎ)が存在する。この強い渦形成、弱い渦形成が出現する周方向の範囲は、2次元円柱の軸方向の渦形成ゆらぎスケール(3d〜4d、d:円柱直径)よりやや小さい規模で、風胴体2の主流から見たドーナツ状の各断面の投影幅をD(鍔高さhを含む)とすると(図8参照)、その円周方向の渦形成ゆらぎスケールは2D〜3Dとなる。これは2次元円柱が円環状に閉じて3次元形状になっていることに対応し、定量的にも裏付けられる。これについては後述する。最も有効な位相制御板4の枚数である12枚は(図7参照)風胴体2の各断面投影幅Dに対して円周方向に約2Dの円弧範囲に対応し、これよりやや劣る6枚の場合は約4Dの円弧範囲に対応する。
すなわち、枚数をN、風胴体2の内径をdとすると、2次元の場合のアスペクト比(縦横比)に対応する{π・(d+D)・D/D・N}=π・(d+D)/Nが渦形成ゆらぎスケールである。2D〜3DはNが12枚の場合、これはd/hが大体6〜12程度の値に相当する。従って、位相制御板4による渦形成ゆらぎスケールは、各ゾーンをバラバラに安定化する場合(h/d≪1)と、一対のゾーンを同時に安定化する場合(hとdが同じオーダ)、の両方に跨っていることが分かる。
図6は風力発電装置1の後流側で渦生成体2c周囲の外部流れの様子を示したものである。図示はしないが、渦生成体2c前面の死水領域に形成される流れ、また、渦生成体2cを含んだ風胴体2の内側を通過した内部流れが剥離する流れにも同様の循環するセルが形成される。なお、図6に示すセル構造は、非線形形状物体の周りの円周方向の流れの循環であり、流れ場の速度ベクトル3成分(U+u,v,w)から主流速度成分Uを差し引いたときに表現されるセル構造を示す。円周方向の各ゾーンP〜P12に形成される循環S,S’がこのセル構造の単位となるセルとなる。
図13はこのようなセル形成の様子を数値計算によってシミュレーションしたものである。この場合は、複数のゾーンの何れかが独立して強くなったり、弱くなったりする場合であって、安定性が弱い渦形成の場合に相当するシミュレーションである。図13(a)はある瞬間の鍔高さ5%の渦生成体2cの流入側(前面)の壁面における静圧分布を示し、図13(b)は同じ瞬間のこの渦生成体2cの後流側(背面)の壁面の静圧分布を示している。図13(a)において最も濃いグレーの色は静圧が低い部分、薄い色は静圧が高い部分である。計算結果によれば圧力の高低を示す領域があるタイミングで周方向にランダムに分布していることがみてとれる。この分布状態が次の瞬間にはゆらぎによって別の分布状態に変化する。図13(a)(b)によれば、流入側から後流側の両方に静圧分布で同じような高低の部分が交互に現れており、等圧線が閉じていることから流れにはセル、セル構造が形成されていることが分かる。後端面の後流側と流入側に形成される前後のセル構造によって主流が風胴体2の周りに曲がって流れることができる。この数値計算では位相制御体が設置されていないため、各セルの幅に長短ができている。このように数値計算によるシミュレーションからも、風胴体2の後端面内で周方向にセル構造が形成されることが分かる。
渦形成の強弱のゆらぎは、風胴体2の円周方向にセル単位で移動する。軸対称の風胴体2、渦生成体2cの場合、理論的に考えると周方向に偏りがあるはずがなく、均等な周期で規則性をもって移動する可能性が高い。しかし、現実の物体においては、完全に軸対称で理想の形状に作製することは難しく、加えて現実の流れは理想的な一様流とは微妙に異なるため、12個円環状に並んだゾーンP〜P12がそれぞれ独立に、あるいはその一対のセルが独立に強くなったり、弱くなったりしている。但し、ある時間帯(タイミング)で強くなるのは1個のPあるいは一断面内に存在する一対のPとPn+6である。従って、こうした現実の機械であるという事情を加味すると、一方向に回転する可能性もあれば、ランダムに移動する可能性もある。
なお、例えば3次元の正方板や矩形板の渦生成体2cの場合は、正対する二つの辺を1組として、計2組で構成される、直交する2つの渦形成優越ゾーンでスイッチングするが、実際に実験を行ってみると、そのスイッチングの周期はランダムである。そして、ここでこのような図6で図示された流れの状態を形成する条件は、スロート部2aの内径dに対して渦生成体2cの径方向の高さhがh/d≪1、あるいはhとdが同じオーダの長さ、という関係を満たすことである。
要するに、ある時間帯tに、図6のP〜P12で示した位相制御板4で区画された風胴体2の区画領域、すなわちゾーンの上にセル構造が形成され、仮にPの位置の渦形成が強まってPが渦形成優越ゾーンになったとすると、その時間帯tの間にセルS、S’の断面のゾーンで強いカルマン渦形成が起こる。次のある時間帯tになると別のPのセルS、S’の断面位置のゾーンにカルマン渦が強く形成される。このような渦形成優越ゾーンが12個のセル構造(ゾーン)の中で、それぞれ各Pでバラバラに、あるいはPとPn+6の一対が一緒に入れ替わり、後流の3次元的渦列を形成する。渦形成優越ゾーンがP〜P12の位相制御板4で区画されたゾーンのセル間で切り替わる順序は、バラバラあるいは一対の場合共に、ある方向に移動、回転(n=1,2,3・・・,12の順で順序正しく繰り返し)している可能性もあれば、またはランダム(n=i,k,j,・・・)に移動している可能性もある。
しかし、本実施の形態1においては、位相制御板4を使って渦生成体2cの周囲を外周、内周に跨って図6のP〜P12の区画領域に分割し、セル構造の各セルをそれぞれの独立にしている。このため円周方向に存在する各セルが位相制御板4を越えて変動し、影響を及ぼすことがなく、位置が固定化され、互いの循環(速度ベクトルの3成分(U+u,v,w)から風の主流速度成分Uを差し引いて描かれる流れ場のセル)が明確化し、この明確化されたセル単位でカルマン渦の形成位置を移動させることができ、流れ全体を強制的に安定化させる。位相制御板4を設けない場合、セルの位置は変動して大きさも伸縮し、位相制御板4を設けた場合と比較するとゾーンのスイッチングのタイミングや順序も変わったものとなる。後流に形成されるカルマン渦もセルの変動の影響で安定性に欠けたものとなる。渦形成優越ゾーンが明瞭でなくなると、渦列の作用は低下し安定的な渦列、内部流れとは言えなくなる。位相制御板4はセルとゾーンを対応付け、セルの位置を安定化、固定化する。これが位相制御板4を設けた利点である。なお、従来の整流板はこうしたセル構造やカルマン渦とは関係なく流れを単に整流し円滑に流れるようにするだけのものである。
さらに、非線形形状の物体表面の流れにおけるゆらぎについて補足すると、強い渦形成、弱い渦形成というゆらぎは2次元円柱でも発生するが、風胴体2はいわば2次元円柱が円環状に閉じて3次元形状になっているものであるから、この形状に起因して3次元の流れの場では渦形成ゆらぎスケールがやや小規模になる。すなわち、2次元の無限長の物体のゆらぎと違って3次元の場合遠心力などが影響して不安定さが増し、渦形成ゆらぎスケールが小さくなる。従って、ゆらぎスケールに関してはその形状の変化に伴って差があるものの、非線形形状の物体表面の流れは、主流Uの方向に関して軸対称な物体であっても周方向に一線で揃って同時に剥離することはなく、周方向にセル単位で強弱が生じ、ゆらぐことになる。そして、実施の形態1のようにセルを分断することのない位相制御板4を設けると、各セルが円周方向に位置が不安定になることがなく、強さも固定化されたものとなり、セル同士を明確化し、この明確化し安定化されたセル単位毎にカルマン渦の形成位置を移動させる。これによって流れの場全体が安定化する。また、全ゾーンを渦形成に関して均等に形成すると、各ゾーンが同等に渦形成優越ゾーンになる機会が高まり、渦列を利用した流れを安定させることができる。
ところで、位相制御板4の数、ゾーンの数を自然の流れに任せて形成されるセルの数より多くすると、本来のセルを強制的に無理やり分割することになってしまい、後流側の渦もそれほど強い渦にはならない。渦形成優越ゾーンも目立たなくなる。位相制御板4の数、ゾーンの数をこのセルの数より少なくした場合も、1個のゾーンの中に複数個のセルが存在することになり、互いのセルが伸縮、移動し影響し合って安定化の作用を弱め、この場合も同一数の場合よりも強い渦にならない。図7(a)(b)(c)(d)はこの様子を模式的に画いたものである。従って、非流線形風胴体の形状に従って自然に形成されるセルに等しい位相制御板4の数とするのが最も効率的となる。なお、風力発電装置1との関係で言えば、位相制御板4は板である以上材料を選ぶことによって風力発電装置1の構造面で間接的に強度を増すことができる。位相制御板4を設けることで風胴体2の構造が補強されれば、今後期待の大きい大型風車実現の一助となり、実現を促進することができる。
風力発電装置1の周りの流れは基本的に自然風などの不規則な流れである。位相制御板4はこの不規則な流れに対して強制的に安定したセル形成を促す。すなわち、位相制御板4は、もとのブラフボディ状態で潜在的に存在するセル構造を明確化し、流れを安定化させ、風速を増す。
ここで実際に風胴体2周りの流れの観察を行うと、位相制御板4によって仕切られた各ゾーンでは2次元物体のように渦形成の位相が揃っているのが分かる(図11(b)の写真を参照)。このように位相が揃う結果、風胴体2の背後にはより強い渦形成がなされ(図12(b)で分かるように背後での巻き込みが強い)、付近の静圧はより低圧化する。つまり、ある時間帯に、風胴体2の円周方向で、強い渦形成をしているゾーンとか、弱い渦形成をしているゾーンとかの、ばらつき、偏りがなくなり、常時各ゾーンで渦形成が安定化することができ、位相制御板4がない場合と比較し、より強い渦形成がより多くの時間に行われ、風胴体2背後はより低圧化される。この構成によって、渦列を利用した流れを安定した流れにすることができ、流入する流体の流速を増し、ディフューザの長さが短く、大型化が可能になり、エネルギー変換率を高くすることができる。
また、図2のような位相制御板4を設けない位相制御体の場合も考えられる。すなわち、軸対称の非流線形形状の場合、このブラフボディ固有のh/dを選択するとともに、各ゾーンを区画することができる誘因部材、例えば渦形成体2cの周方向に規則性、周期性を有する形状、すなわち周方向に周期的に出っ張り部分が形成されるような多角形状、あるいは周方向に三角関数で変化する形状、突起の周期的な分布などの構成を付与することで、区画領域が形成され、セルS、S’の位置や大きさ、渦形成優越ゾーンの切り換わりが安定化、規則化し、位相制御板4を設けた場合と同様の作用効果をもたせることもできる。渦形成体2cに形成された規則性のある形状が位相制御体を構成し、この誘因部材によって区画された各領域が渦形成のためのゾーンになり、渦形成優越ゾーンが形成され、位相制御板4と同様にセル構造を明確化できる。
以上説明したことは風力発電装置1に限らず、内外部を流れる流れの中で運転する渦列を利用した流体機械でも同様である。最適のセルS、S’の数、最適の位相制御板4の位置を選択することにより、流れは安定化し、風速を増し、大型化が可能で、高出力の発電を行うことが可能になる。
ところで、図8は風胴体2内の風速分布を計測したもので、スロート部2aの直径dの10%の高さhをもつ鍔(渦生成体2c)が図4の(d)で示した曲率半径が比較的小さな断面形状をもつ2次曲面の回転体ケーシングの後端に取り付けられた風胴体2で測定を行ったものである。そして、この風胴体2に対して外部の流れとして風速Uが4(m/sec)の風と、8(m/sec)の風を送風して風速分布を計測した。風速分布のZ(mm)は、図8に示したようにスロート部2aの内周面から軸中心に向かう高さである。
この図8によれば、外部の流れが4(m/sec)、8(m/sec)の何れにおいても、位相制御板4を設けた方がスロート部2aにおいて数%増速しており、特に内周面ごく近傍での風速の増加が著しい。これは安定化され、強化された渦による引き込みの作用と考えられる。そして、外部の流れの風速Uが大きくなるほど平均流速が増すと共に、羽根車3の先端付近の流速が中央より大きくなっているのが分かる。
次に、位相制御板4の枚数Nが及ぼす影響、すなわち位相制御板4の数Nを増減したとき、平均流速、羽根車3先端の流速が増減し出力係数Cwが増減するものか否か、について実験結果を説明する。図7は位相制御板4の枚数Nと最大出力係数Cwmaxの関係を示すものである。上述したように出力係数Cwは無次元量で、Cw=W/{(1/2)・πρU}である。最大出力係数CwmaxはこのCwの最大値である(図5のλ=4付近参照)。実験は、上記10%の高さhをもつ鍔が図4の(d)で示した曲率半径が比較的小さな断面形状の回転面ケーシングに取り付けられた風胴体2で行い、風速は何れも5(m/sec)で行った。
この実験結果をみると、位相制御板4の枚数Nが12枚のとき、最大値Cwmax=0.723を示し、N=6枚のときCwmax=0.72である。位相制御板4がない場合と、N=24枚のときはCwmax=0.7であり、N=36枚のときCwmax=0.701であった。この結果は、上記h/d=0.17でh/d≪1の関係を満たすときのものであるが、自然な流れでセルが形成される12個に相当する枚数Nを12枚としたとき、最も高効率で高出力となることを示す。これを模式的に表示したものが図7(c)である。このとき、内部の流れは増速され、安定した流れとなる。
枚数Nを6枚(1/2)にした場合は、セルを1個のゾーンに対して2個ずつ調整することになり、1個のゾーンの中に複数個のセルが存在するため互いのセルが影響し合ってその分だけ不安定になり、渦形成優越ゾーンは枚数Nが12枚の場合と比較すると、少し強弱が明瞭でなくなる。これを模式的に表示したものが図7(b)である。しかし、位相制御板4を設けない場合と比較するとこの場合も相対的に高出力である。そして、1個のゾーンに収容されるセルの個数が2個より多くなって、1個のゾーンにm個(m=3,4,・・)が収容されるような場合、すなわち位相制御板4の枚数が(1/m)倍の枚数(当然に整数)になるような場合にはさらに出力が低下する。渦形成優越ゾーンは次第に明瞭でなくなる。そして、自然の流れに任せることによってセルの数mが最大になり、風胴体2全体でゾーンが1個になるまで(言い換えれば図7(a)のように位相制御板4を設けない場合になるまで)出力は減少する。
逆に、枚数Nがセルの数よりも増加すると、図7(d)の破線で示したように本来自然に形成されるセルが無理やり複数に分割されることになり、流れは円滑になっても、渦列を制御するための渦形成優越ゾーンの存在、機能を埋没させ、出力は増加しない。これがN=24枚、36枚の場合に、N=0枚とほぼ近い最大出力係数Cwmaxを示した理由である。要するにセルが不自然にならないようにし、渦形成優越ゾーンが位相制御板4による規制で安定して切り替わるようにすればよい。位相制御板4を設けることでセル構造が明瞭化し、固定化することができるが、位相制御板4の枚数Nを所定の枚数に限ったり、あるいは形状を変えたりすることなどで、明瞭化した渦形成優越ゾーンの移動をゾーン単位で安定して行うことができる。逆に言えばブラフボディに対して、渦形成優越ゾーンの移動をゾーン単位で安定して行うように位相制御板4を設けることが望まれる。
なお、以上の実験結果はh/d≪1の風胴体2で行ったものであるが、正方形、六角形、八角形等の多角形リングの鍔の場合などでも、軸対称であれば基本的に同様である。この場合は位相制御板4を設けない位相制御体となる。h/dを選択するとともに、各ゾーンを形成する渦形成体2cの周方向に規則性、周期性を与えれば、この場合もセルを明確化し、明瞭化した渦形成優越ゾーンの移動をゾーン単位で安定して行うことができる。
図9は周速比λと出力係数Cwの関係を位相制御板4の有無で比較したものである。渦生成体2cはスロート部2aの直径の5%の高さをもつ鍔(リング)で、後述する通常サイズの位相制御板4を装着したものと、これを装着しなかったものを比較した。風速は8(m/sec)である。これによると、位相制御板4無しの場合λ=3.6程度で出力係数Cwが大幅に低下するが、位相制御板4を有りの風力発電装置1はこの位置で若干の低下は見られるものの全体的に4%程度の出力係数Cwの増加が見られ、λ>4でその効果が顕著である。
続いて、位相制御板4のサイズの影響を調べた。図10はサイズの異なる2種類の位相制御板4を5%高さの鍔(リング)に装着したものと、5%高さの鍔(リング)だけのものを比較したものである。風速は8(m/sec)である。位相制御板4は12枚等ピッチで装着した。
この位相制御板4の一方(以下、通常サイズ)は、風胴体2の長さLtの1.46倍長さで、後流側に0.36倍の長さ分延長された長さをもち、リングの高さhの2.0倍程度の高さに形成された断面イチジク状の形状を有しており(図1,3参照)、風胴体2の後流側で渦生成体2cへ挿入可能な切込みが設けられている。実験したもう一方の種類は拡大サイズであり、風胴体2の長さLtの1.8倍長さで、後流側に0.55倍長さ分延長された長さをもち、リングの高さhの3.0倍程度の高さに形成された断面イチジク状の形状で、同じく渦生成体2cへ挿入可能な切込みが設けられている。なお、これらの位相制御板4の概観形状は図1,3に示すとおりである。
さて、図10は、スロート部2aの直径dの5%の高さhをもつ鍔(リング)を備えた風胴体2で、通常サイズの位相制御板4、拡大サイズの位相制御板4をそれぞれ12枚装着した風力発電装置1と、位相制御板4を装着しなかった風力発電装置1を比較した実験結果である。
これによると、位相制御板4無しの場合、図9と同様にλ=3.6程度で出力係数Cwが大幅に低下するが、通常サイズの位相制御板4を設けた風力発電装置1はこの位置で落ち込みがない。なお、図9で実験した場合と比較してλ>5以上では出力係数Cwにさほど差はみられなかった。しかし、最大出力係数Cwmaxをもつλ=4付近で出力係数Cwに0.03に近い差が生じている。これは実用上きわめて重要である。そして、拡大サイズの位相制御板4を設けた風力発電装置1はこのλ=3.6付近で落ち込みがないだけでなく、通常サイズの位相制御板4より出力係数Cwが0.02程度向上し、これは通常サイズより2.2%の出力が向上したことを意味する。
以上、位相制御板4の作用について実験結果などに基づいて説明したが、図11,12は位相制御板4を設けた非流線形をなす風胴体2の流れを実験的に可視化した写真である。図11(a)は位相制御板4が設けられていない場合の渦生成体2cの後流側から撮影した流脈線(ストリークライン)の状態を示す。綺麗に流れてきた流れが渦生成体2cの背後に流れ込み、渦を形成しているのが分かる。しかし、渦の状態は明瞭とは言えない。これに対して、図11(b)の位相制御板4を設けた場合の風胴体2は、綺麗に流脈線が揃い、上下2枚の透明な位相制御板4の間の右端側(後流側)に渦の固まりが形成されているのが分かる。なお、中央の棒は支持のためのもので関係がない。
図12(a)は位相制御板4が設けられていない場合のリングの渦生成体2cの側面から撮影した流脈線の状態を示す。位相制御板4の上下で流れが剥離し、後流側に渦列を形成している。そして、図12(b)は位相制御板4を設けた場合のリングの渦生成体2cの側面から撮影した流脈線の状態を示す。図12(b)の方が風胴体2の背後で強い渦の巻き込みを示し、後流側で強く安定した渦列を形成しているのが分かる。
ところで、以上主として風車、とくに風力発電装置1の流体力学的な側面の構成について説明したが、以下発電装置としての側面について説明する。図14に示すように、実施の形態1の風力発電装置1は風車の羽根車3の回転力が発電機11に伝達され、発電機11を駆動して発電を行い、外部に電気を供給する。なお、風車は発電装置付きのものに限られない。回転力は発電機11を介すことなく直接出力されてよい。例えば、ここでは図示はしないが、原動機として、回転軸をポンプの駆動軸に連結して揚水に利用したり、ガスを圧縮して畜圧して畜圧器内にエネルギーを蓄えたり、攪拌機を駆動して温水にして提供したりすることができる。これらも風車であり、流体機械である。
さて、風力発電装置1の場合、図14に示すように羽根車3の回転力は回転軸、伝達機構を介して発電装置10内の発電機11に伝達され、発電機11で発電される。発電機11には例えば誘導発電機等を用いればよい。発電機11で発電された電気は交流であるため、これがAC/DCコンバータ12に供給されて直流電力に変換される。変換された直流電力は充電装置13においてバッテリ14に充電される。このバッテリ14は非常用電源として利用できる。また、AC/DCコンバータ12からの直流電力はDC/AC変換器15によって再び所定の電力となるように電力調整されて交流電力に変換され、交流電源として電力系統16に送られる。なお、発電装置10の構成は以上説明したものは一例であり、これに限られるものではない。
次に、制御装置17の動作について説明する。発電機ロータの回転数を検出するセンサで発電機11の回転数を検出するとともに、ギャップ検知器20で羽根車3と風胴体2の内周面との間の間隙を検出する。制御装置17はこの回転数を基に過回転か否かを判定し、過回転と判断すると、出力を低下するためアクチュエータ18を駆動し、間隙を広げる方向へ風胴体2を動かし、最適位置まで軸方向に移動させる。これでも過回転の場合は、変速/クラッチ機能を有する伝達機構19で回転数を下げる。逆に、羽根車3の回転数が小さい場合は、その間隙をアクチュエータ18によって最大出力が得られる最適な隙間に制御する。この間隙は空気力学的に発生する騒音にも影響し、チップボルテックスを砕き、最大出力が得られるときには騒音も小さくすることができる。羽根車3を可変ピッチにして制御装置17で強風時にはピッチを変更することもできる。
なお、アクチュエータ18は必須の部材ではない。風胴体2を移動させない場合は制御装置17による出力の制御に委ねて出力を電気的に処理することもできる。そして風胴体2は支持台22の支持柱に設けられた係止部18aに、羽根車3の軸方向にスライド可能に支持される。アクチュエータ18を伸縮することで風胴体2を軸方向にスライドさせる。風胴体2を移動させない場合は風胴体2を支持柱に固定すればよい。
AC/DCコンバータ12からDC/AC変換器15に導かれる電圧/電流は図示しない電圧/電流センサによって電圧/電流が検出され、この信号が制御装置17に入力される。制御装置17はこの検出信号を基にDC/AC変換器15を制御し、電圧を一定にして変動しないように制御する。この調整後の電力は電力系統16に供給される。
ところで、実施の形態1の風力発電装置1は、支持台22を地面に対して回動自在にして設置している。この理由は、風車は流れの作用でできるだけ抵抗を減らす方向へ流体力が作用し、常に風上を向くように回転する。このため、実施の形態1の風車においては、このような単純な構成ながら、その向きを最大出力が得られる方向へ自動的に調整することができる。なお、微小な流れの変動もあるので、これに対して過度に追従しないように、変動による回転の機械的抑制機構を設けたり、制御装置17によって過度な追従を抑制する抑制機能を実行させたりするのもよい。
このように本発明の実施の形態1における風車は風力発電装置1であるため、羽根車3の回転力が発電機11に伝達され、発電機11を駆動して発電し、外部に電気を供給する。風胴体2の内外を流れる流れを使って渦列を形成する流れを形成し、この流れを安定したものにコントロールし、内部流れの風速を増し、高出力の発電を行うことができる。また、ディフューザの長さを短くでき、これにより数m以下のマイクロ風車、ミニ風車だけでなく、発電能力がMW級の大型風力発電装置用の風車にまで大型化が可能になり、高エネルギー変換率を得ることができる。構造上も補強になる。そして、実施の形態1における流体機械の内部流れ増速方法によれば、渦列を形成する流れを安定したものにすることができ、流体機械の外部流れで内部流れの風速を増加させることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における非定常流れを利用した流体機械、とくに水車等の水力機械、中でも潮流で発電することのできる潮流発電装置について説明をする。図15は本発明の実施の形態2における回転面と鍔から構成された鍔付きケーシングを備えた潮流発電装置の外観を示す。
図15に示すように、潮流発電装置31は海流の流れの激しい場所に支持台22が回動自在に海底に設置される。複数台を主流に対して直交方向に横一列に並べて設置する。羽根車の高さは海面の影響をあまり受けない高さに設置するのがよい。満潮時と干潮時とで海流の向きが変わる場合、潮流発電装置31は回転により流れの作用で流れの方向へ向くことができる。小刻みな回転を防ぐため制御装置17で回転にロックをかけるのもよい。この潮流発電装置31の構成は図14の風力発電装置1の構成と基本的に変わりがないので、その構成は図14を参照することとし、説明の詳細は図13の説明に譲る。ただ、実施の形態1の風胴体2の説明はケーシング23の説明に対応する。
また、潮流発電装置31は海底に設置するのでなく、海面上で支持台22を吊下げる方式も可能である。潮流発電装置31においてもアクチュエータ18を設けてもよいし、ケーシング23を発電機11まわりなどに支持するのでもよい。さらに、発電装置10の要部やアクチュエータ18などをすべて海面上に設置することもできる。
このように本発明の実施の形態2における流体機械は潮流発電装置31であるため、潮流による羽根車3の回転力が発電装置10を駆動して発電し、外部に電気を供給できる。実施の形態2における流体機械も、ケーシング31の内外を流れる流れを使って2次元的あるいは3次元的に渦列を形成し、この流れを安定した流れにコントロールし、内部流れを増速し、高出力の発電を行うことができる。しかも、ケーシング31は構造上の補強にもなるものである。
なお、以上説明した風車、水力機械などの流体機械のほかにも、本発明の非定常流れを利用した流体機械の内部流れ増速方法は利用することができる。例えば、大気中でジェットエンジンの性能を試験する性能試験装置において、ナセルの周囲にケーシングを設けて内部のロータを回転させ、ジェットエンジンの吸気口に吸い込まれる風量を増加させることができる。このような場合も、これによって高性能試験装置が得られる。
本発明は、風力発電装置や潮流発電装置などのケーシングの内外を流れる流れの中で運転する流体機械に適用できる。

Claims (12)

  1. 内外の流れによって安定した渦列を後流側に形成することができ軸対称で長手方向に非流線形をなすディフューザ機能を有する筒状のケーシングと、前記ケーシング内に設けられた羽根車とを備えた非定常流れを利用した流体機械であって、
    前記ケーシングは後流側に前記渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を備え、かつ該渦生成体には前記ケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体が形成されており、
    前記位相制御体は、渦形成が前記ケーシング後端面内で周方向にゆらぐ間隔で前記ケーシングの周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設され、
    前記位相制御体によって前記渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることにより前記セル構造を明確化し、各セルの位置を前記後端面に複数配設された前記位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする非定常流れを利用した流体機械。
  2. 前記位相制御体が前記渦生成体表面から流れ内に突出する板または突起状の形状を備え、該位相制御体によりセルが固定化された区画領域間で行われる渦形成優越区画領域の切換を区画領域単位で行い、内部流れを増速することを特徴とする請求項1記載の非定常流れを利用した流体機械。
  3. 前記位相制御体が、主流の流速がゆらぎスケールでセル構造を形成できる流速の流れに任せたときに前記ケーシングに自然に形成されるセル構造のセル数と同一数又は該同一数の(1/整数)倍となる枚数だけ配設された位相制御板であることを特徴とする請求項1又は2記載の非定常流れを利用した流体機械。
  4. 前記区画領域が、主流の流速がゆらぎスケールでセル構造を形成できる流速の流れに任せたときに前記ケーシングに自然に形成されるセル構造のセル数と同一個数又は該同一個数の(1/整数)倍となる個数だけ前記位相制御体によって形成された領域であることを特徴とする請求項1又は2記載の非定常流れを利用した流体機械。
  5. 前記羽根車には、該羽根車の回転力を電気力に変換する発電装置が連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の非定常流れを利用した流体機械。
  6. 内外の大気の流れによって安定した渦列を後流側に形成することができ軸対称で長手方向に非流線形をなすディフューザ機能を有する筒状の風胴体と、前記風胴体内に設けられた羽根車とを備えた風車であって、
    前記風胴体は後流側に前記渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を備え、かつ該渦生成体には前記ケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体が形成されており、
    前記位相制御体は、渦形成が前記風胴体後端面内で周方向にゆらぐ間隔で前記風胴体の周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設され、
    前記位相制御体によって前記渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることにより前記セル構造を明確化し、各セルの位置を前記後端面に複数配設された前記位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して内部流れを増速することを特徴とする風車。
  7. 前記位相制御体が前記渦生成体表面から流れ内に突出する板または突起状の形状を備え、前記位相制御体によりセルが固定化された区画領域間で行われる渦形成優越区画領域の切換を区画領域単位で行い、内部流れを増速することを特徴とする請求項6記載の風車。
  8. 前記位相制御体が、主流の流速がゆらぎスケールでセル構造を形成できる流速の流れに任せたときに前記風胴体に自然に形成されるセル構造のセル数と同一数又は同一数の(1/整数)倍の枚数だけ配設された位相制御板であることを特徴とする請求項6又は7記載の風車。
  9. 前記羽根車には、該羽根車の回転力を電気力に変換する発電装置が連結されていることを特徴とする請求項6又は7記載の風車。
  10. 軸対称で長手方向に非流線形をしたディフューザ機能を有する筒状のケーシングの内外に流体を流したとき、該内外の流れによって安定した渦列を後流側に形成し、前記渦列の形成による後流側の低圧化で前記ケーシングを通過する内部流れを増速させる流体機械の内部流れ増速方法であって、
    前記ケーシングの後流側に前記渦列を形成するためのリング状の鍔からなる渦生成体を設けると共に、該渦生成体には前記ケーシングの長手方向に沿う形状を具備してその表面から周囲を流れる流れ内に放射状に突出する複数の位相制御体を形成し、
    渦形成が前記ケーシング後端面内で周方向にゆらぐ間隔で、前記位相制御体を前記ケーシングの周方向に形成されるセル構造の隣接セル間を区画する位置に配設し、
    前記位相制御体によって前記渦形成がこの後端面内で周方向にゆらぐ位相を揃えることにより前記セル構造を明確化し、各セルの位置を前記後端面に複数配設された前記位相制御体による区画領域にそれぞれ固定化して前記内部流れを増速することを特徴とする流体機械の内部流れ増速方法。
  11. 渦形成するセルに対応した渦形成優越区画領域の切換を前記位相制御体により前記区画領域単位で行って安定化し、この安定化で前記内部流れを増速することを特徴とする請求項10記載の流体機械の内部流れ増速方法。
  12. すべての区画領域を渦形成優越区画領域にするための均等な区画領域にすることを特徴とする請求項10又は11記載の流体機械の内部流れ増速方法。
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