JP4735814B2 - モード切替式合成開口レーダ - Google Patents

モード切替式合成開口レーダ Download PDF

Info

Publication number
JP4735814B2
JP4735814B2 JP2005147126A JP2005147126A JP4735814B2 JP 4735814 B2 JP4735814 B2 JP 4735814B2 JP 2005147126 A JP2005147126 A JP 2005147126A JP 2005147126 A JP2005147126 A JP 2005147126A JP 4735814 B2 JP4735814 B2 JP 4735814B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
reception
polarization
control unit
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005147126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006322848A (ja
Inventor
卓史 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2005147126A priority Critical patent/JP4735814B2/ja
Publication of JP2006322848A publication Critical patent/JP2006322848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4735814B2 publication Critical patent/JP4735814B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

本発明は、限られた重量・サイズ・消費電力・コストの中で、スポットライト合成開口レーダとポラリメトリ合成開口レーダの両方の機能を有するリソース効率の良いモード切替式合成開口レーダに関する。
合成開口レーダ(SAR; Synthetic Aperture Radar)は、アンテナとして、ビーム制御が容易なフェーズドアレイアンテナを用いる場合がある。前記SARの動作モードとして、高分解能を実現するスポットライト動作モードがある。図17に従来例に係るスポットライト合成開口レーダの一例を示す。
従来例に係るスポットライトSARは図17に示すように、アンテナ部1と電気回路部2とを有している。アンテナ部1は、送受信モジュール11と、組をなす水平偏波放射素子12及び垂直偏波放射素子13と、分合波器15とを備えている。電気回路部2は、サーキュレータ21と、送信部22と、制御部25と、受信部26とを備えている。そしてSAR画像再生装置3は、電気回路部2の受信部26から出力されるサンプリングデータに基づいてSAR画像を再生するようになっている。
またSARの別の動作モードとして、複数の偏波による観測を行うポラリメトリ動作モードがある(特許文献1)。このポラリメトリSARは図18に示すように、アンテナ部1の個々の送受信モジュール11に2台の分合波器15,17を備え、電気回路部2に2系統の受信部23,24を備えている。
特開平9−178847号
しかしながら、SARにおいてスポットライト動作モードを実現するためには、アジマス(Az)方向にビーム走査が必要であり、複数の送受信モジュールをフェーズドアレイアンテナに実装する必要がある。したがって、図17に示すフェーズドアレイ方式のスポットライトSARに、ポラリメトリ機能を追加すると、重量・サイズ・消費電力・コストが大幅に増加するという問題がある。
またポラリメトリSARを実現するためには、送受信モジュールの台数はスポットライトSARに比べて少なくて済むが、図18に示すように各送受信モジュールに2系統の受信部23,24への同時出力機能が必要であり、図17に示すスポットライトSARの構成で使用していた1系統のみの受信部23への出力機能を送受信モジュールに比べて、重量・サイズ・消費電力が大きくなる。
従って、スポットライト動作モードとポラリメトリ動作モードの両方の動作モードを有するフェーズアレイアンテナ方式のSARでは、個々の動作モードのみしか持たないSARに比べ、質量・サイズ・消費電力が大きい送受信モジュールを多数用意する必要があり、SAR全体の質量・サイズ・消費電力・コストの合計が増加するという問題があった。
本発明の目的は、重量・消費電力・コストの増加を抑えつつ、スポットライトSAR機能とポラリメトリSAR機能の両方の機能を持つ合成開口レーダを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る合成開口レーダは、水平偏波と垂直偏波で送信及び受信を行う複数の放射素子と、前記放射素子との間に送信信号及び受信信号の授受を行うとともに、前記信号の位相シフトを行うとともに、垂直偏波と水平偏波を同時に受信しない複数の送受信モジュールと、前記放射素子から放射するためのパルス状送信信号を生成する送信部と、前記送信部から出力されるパルス状送信信号を分波して、前記複数の送受モジュールに分配する分波手段と、前記複数の送受信モジュールから出力される受信信号を合波する合波手段と、前記合波手段により合波された受信信号をデジタルデータに変換する受信部と、前記各構成要素を駆動制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記駆動制御機能に加えて、前記複数の送受モジュールの受信偏波を垂直偏波又は水平偏波に揃えた上で、スポットライト動作モードのためのビーム走査の駆動制御を行う機能と、前記複数の送受モジュールを分割し、複数の偏波で受信を行う動作モードのために、その分割した送受信モジュールを各々異なる偏波で受信を行う複数系統の受信系として駆動制御する機能とを少なくとも有し、前記スポットライト動作モードと前記複数の偏波で受信を行う動作モードとを切り替えるものであることを特徴とするものである。
本発明において、送信部が生成したパルス状送信信号は、分波手段により分波されて、送受信モジュールに入力する。放射素子は、送受信モジュールからの送信信号を受取ると、制御部で設定された偏波で放射する。放射素子から放射された送信信号が観測する対象物(ターゲット)に照射されると、反射されて放射素子に受信される。合波手段は、送受信モジュールから出力される受信信号を合波し、その合波信号を受信部に出力する。受信部は合波手段からの受信信号をデジタルデータに出力する。
本発明は、スポットライト動作モードでは複数の送受信モジュールが必要であるが、ポラリメトリ動作モードでは送受信モジュールの台数がスポットライト動作モード時に比べて少なくてもよいことに着目し、複数の送受信モジュールを複数の受信系に分割して、ポラリメトリ動作モードを実行する。具体的には、制御部は、前記複数の送受モジュールを分割し、その分割した送受信モジュールを複数系統の受信系として駆動制御する。
前記制御部は、アジマス方向へのビーム走査を行うためにアジマス方向に配置された前記送受信モジュールの位相を設定する機能を有することが望ましいものである。
前記制御部は、水平偏波の送信、垂直偏波の送信、或いは水平偏波及び垂直偏波の1パルス毎切替送信に切替える指令を前記送受信モジュールに出力する機能を有し、前記送受信モジュールは、前記制御部からの指令に基づいて信号ルートを切替えて送信信号を前記放射素子に送出することが望ましいものである。
前記制御部は、水平偏波の受信、垂直偏波の受信、或いは半数を水平偏波及び残りの半数を垂直偏波の受信に切替える指令を前記送受信モジュールに出力する機能を有することが望ましいものである。前記制御部は、水平偏波の受信時又は垂直偏波の受信時に全ての受信信号を合波する指令を前記合波手段に出力する機能を有することが望ましいものである。前記制御部は、前記複数の送受信モジュールを複数系統の受信系として駆動制御する際に前記合波手段に、受信系毎に送受信モジュールからの受信信号を合波する指令を出力する機能を有するものであることが望ましいものである。
また、前記複数の送受信モジュールを、アンテナ面の複数の放射素子に対応して配列し、前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールの受信偏波状態を制御するようにしてもよいものである。この場合、前記複数の送受信モジュールを、アンテナ面の複数の放射素子に対応してマトリックス状に配列し、前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのアジマス方向とエレベーション方向との受信偏波状態を制御するようにしてもよいものである。
前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのアジマス方向の受信偏波状態を水平偏波と垂直偏波とに交互に制御する、或いはポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのエレベーション方向の受信偏波状態を水平偏波と垂直偏波とに交互に制御する。
前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのアジマス方向の受信偏波状態を複数の群に区分けして水平偏波と垂直偏波とに交互に制御するようにしてもよいものである。また、前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのエレベーション方向の受信偏波状態を複数の群に区分けして水平偏波と垂直偏波とに交互に制御するようにしてもよいものである。
以上説明したように本発明によれば、スポットライト動作モードでは複数の送受信モジュールが必要であるが、ポラリメトリ動作モードでは送受信モジュールの台数がスポットライト動作モード時に比べて少なくてもよいことに着目し、複数の送受信モジュールを複数の受信系に分割して、ポラリメトリ動作モードを実行するため、重量・消費電力・コストの増加を抑えつつ、スポットライトSAR機能とポラリメトリSAR機能の両方の機能を持つ合成開口レーダを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1に示すように本発明の実施形態1に係る合成開口レーダは、アンテナ部1と、電気回路部2と、SAR画像再生装置3とを有している。なお、図のH偏波が水平偏波、V偏波が垂直偏波である。
アンテナ部1は、送受信モジュール11と、組をなす水平偏波放射素子12及び垂直放射素子13と、分合波器14とを有している。
送受信モジュール11は、1系統の送信系と受信系を有し送信信号及び受信信号の増幅と位相シフトを行うものであり、複数台設置されている。
水平偏波放射素子12及び垂直放射素子13は、組をなして送受信モジュール11に接続されている。水平偏波放射素子12は、送受信モジュール11から出力される送信信号を水平偏波で放射するとともに、観測する対象物(ターゲット)からの反射波を水平偏波で受信して送受信モジュール11に出力する機能を備えている。垂直偏波放射素子13は、送受信モジュール11から出力される送信信号を垂直偏波で放射するとともに、ターゲットからの反射波を垂直偏波で受信して送受信モジュール11に出力する機能を備えている。
分合波器14は、電気回路部2から出力される送信信号を各送受信モジュール11に分配すると共に、各送受信モジュール11から出力される受信信号を受信偏波毎に合波して、その合波した受信信号を電気回路部2の受信部に受信偏波毎に出力する機能を備えている。分合波器14は、複数の送受信モジュール11に対して共通に1台設けられている。
電気回路部2は、サーキュレータ21と、送信部22と、制御部25と、2系統の受信部23,24とを有している。
送信部22は、SARのパルス状送信信号を生成し、その生成したパルス状送信信号をサーキュレータ21に出力する機能を備えている。
サーキュレータ21は、送信部22から出力されるパルス状送信信号をアンテナ部1に出力するとともに、アンテナ部1から出力される2系統の受信信号のうち一方の受信信号を受信部23に出力する機能を備えている。
受信部23は、サーキュレータ21を経由したアンテナ部1からの一方の受信信号を受信し、その受信信号をサンプリングしてデジタルデータに変換する機能を備えている。受信部24は、アンテナ部1から出力される2系統の受信信号のうち他方の受信信号をアンテナ部1から直接受信し、その受信信号をサンプリングしてデジタルデータに変換する機能を備えている。
制御部25は、サーキュレータ21、送信部22、受信部23,24、及びアンテナ部1の送受信モジュール11,分合波器14をそれぞれ駆動制御する機能を有し、さらに前記駆動制御機能に加えて、複数の送受モジュール11を分割し、その分割した送受信モジュール11を複数系統の受信系として駆動制御する機能を有している。
また、制御部25は、アジマス方向へのビーム走査を行うためにアジマス方向に配置された送受信モジュール11の位相を設定する機能を有している。
また、制御部25は、水平偏波の送信、垂直偏波の送信、或いは水平偏波及び垂直偏波の1パルス毎切替送信に切替える指令を送受信モジュール11に出力する機能を有している。送受信モジュール11は、制御部25からの指令に基づいて信号ルートを切替えて送信信号を放射素子12,13に送出するようになっている。
また、制御部2は、水平偏波の受信、垂直偏波の受信、或いは一部を水平偏波及び残りを垂直偏波の受信に切替える指令を送受信モジュール11に出力する機能を有している。送受信モジュール11は、制御部25からの指令に基づいて信号ルートを切替えて受信信号を分合波器14に送出するようになっている。
また、制御部25は、水平偏波の受信時又は垂直偏波の受信時に全ての受信信号を合波する指令を分合波器14に出力する機能を有している。また、制御部25は、複数の送受信モジュール11を複数系統の受信系として駆動制御する際に分合波器14に、受信系毎に送受信モジュール11からの受信信号を合波する指令を出力する機能をしている。
また図10に示すように、複数の送受信モジュール11を、アンテナ面の複数の放射素子12,13に対応して配列し、制御部25は、ポラリメトリ動作時における送受信モジュール11の受信偏波状態を制御するようにしてもよいものである。この場合、複数の送受信モジュール11を、アンテナ面の複数の放射素子12,13に対応してマトリックス状に配列し、制御部25は、ポラリメトリ動作時における送受信モジュール11のアジマス方向とエレベーション方向との受信偏波状態を制御するようにしてもよいものである。
制御部25は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュール11のアジマス方向の受信偏波状態を水平偏波と垂直偏波とに交互に制御する、或いはポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのエレベーション方向の受信偏波状態を水平偏波と垂直偏波とに交互に制御する。また、制御部25は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュール11のアジマス方向の受信偏波状態を複数の群に区分けして水平偏波と垂直偏波とに交互に制御するようにしてもよいものである。また、制御部25は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュール11のエレベーション方向の受信偏波状態を複数の群に区分けして水平偏波と垂直偏波とに交互に制御するようにしてもよいものである。
SAR画像再生装置3は、電気回路部2の2系統の受信部23,24によりサンプリングされたサンプリングデータに基づいて動作モードに応じて適切なSAR画像再生処理を行う機能を備えている。
次に、本発明の実施形態1に係る合成開口レーダの動作について図1〜図9に基づいて説明する。
先ず、モード切替の説明をする前に一般的な動作について説明する。図2〜図3は、送信時の信号の流れを示しており、図4〜図6は受信時の信号の流れを示している。
送信時の動作を図2及び図3について説明する。SARのパルス状送信信号は、送信部22により生成され、その生成されたパルス状送信信号は、サーキュレータ21を経由し、アンテナ部1の分合波器14に送られる。
前記送信信号を受取ると、分合波器14は送信信号を分波し、その分波した送信信号を各送受信モジュール11に分配する。
各送受信モジュール11は、制御部25によって設定された送信位相で送信信号の位相シフトを行い、さらに増幅を行う。さらに各送受信モジュール11は、制御部25によって設定された偏波の送信信号を各水平偏波放射素子12又は各垂直偏波放射素子13に出力する。
水平偏波放射素子12は、送受信モジュール11からの送信信号を水平偏波で送信する。垂直偏波放射素子13は、送受信モジュール11からの送信信号を垂直偏波で送信する。
水平偏波放射素子12及び垂直偏波放射素子13から放射された送信信号は、ターゲットに向けて放射され、ターゲットに照射された場合に反射波として放射素子12及び13側に戻ってくる。
水平偏波放射素子12は、戻ってくる反射波のうち水平偏波成分の反射波を受信し、垂直偏波放射素子13は、戻ってくる反射波のうち垂直偏波成分の反射波を受信し、水平偏波放射素子12及び垂直偏波素子13は、水平偏波成分の受信信号,垂直偏波成分の受信信号を対応する送受信モジュール11に出力する。
送受信モジュール11は、制御部25による設定に基づいて、偏波毎に水平偏波の受信信号と垂直偏波の受信信号とをそれぞれ増幅する。次に、送受信モジュール11は、増幅した受信信号について、制御部25により設定された受信位相に従って位相シフトを行い、その位相シフト後の受信信号を分合波器14に送る。
送受信モジュール11からの受信信号を受取ると、分合波器14は、制御部25からの制御に基づいて、複数の送受信モジュール11から出力される受信信号を偏波毎に合波し、その合波した受信信号を電気回路部2に出力する。受信信号を電気回路部2に出力する際、分合波器14は、サーキュレータ21を経由して受信部23に出力する、或いは直接受信部24に出力する、或いはサーキュレータ21を経由して受信部23に出力するとともに、直接受信部24に出力するという3つの出力形態を取る。
分合波器14からの受信信号を受取ると、各受信部23,24は、入力した受信信号の周波数変換・増幅等を行い、デジタルデータとしてサンプリングし、そのサンプリングデータをSAR画像再生装置3に出力する。
SAR画像再生装置3は、前記サンプリングデータを受取ると、SARの動作モードに対応してSAR画像として再生する。
次に、高分解能を実現するスポットライト動作モード時の動作について説明する。図7は、スポットライト動作モードを説明するためのものであり、図1に示す本発明の実施形態に係る合成開口レーダを人工衛星や航空機などの飛行物体に搭載し、その飛行物体の高度を一定の高さに保ったまま矢印で示す進行方法に水平飛行を行いながら、地表の対象物を観測する場合を示している。説明の関係上、対象物は地表上に固定され、この対象物に対して合成開口レーダSARを相対移動させて観測を行う場合を想定している。対象物の観測範囲は、対象物を観測可能な範囲Sに設定している。
図7に示すスポットライト動作モードは、合成開口レーダの放射素子(アンテナ)12,13のアンテナビームの指向方向を実線及び一点鎖線で示すように時間と共に合成開口レーダSARの移動方法とは逆のアジマス(Az)方向に走査し、放射素子12,13からの送信信号を同じ観測範囲Sに向けて出力して、対象物を長時間観測することにより、高分解能化を実現する動作モードである。
図8(a)は、縦軸がアンテナビーム指向角度(Az方向)を示し、横軸が時刻を示すものであり、送受信モジュール11に設定される送信位相と受信位相の制御を示す特性図であり、図8(b)は、送受信モジュール11の位相設定を示している。
各送受信モジュール11に設定される送信位相と受信位相は図8に示すように、時間の変化とともに、放射素子12,13のアンテナビーム指向方向がAz方向に走査するように制御される。
スポットライト動作モード時には、全ての送受信モジュール11に設定される偏波は、送信時,受信時において水平偏波或いは垂直偏波のうち1つの偏波に統一される。すなわち、全ての送受信モジュール11に設定される偏波を水平偏波に設定した場合、送信信号のルートは図2の太線で示すルートを辿り、受信信号のルートは図4の太線で示すルートを辿る。
具体的に説明すると、図2に示すように、SRAの送信信号は、電気回路部送信系22により生成され、その生成された送信信号は、サーキュレータ21を経由し、アンテナ部1の分合波器14に送られる。
前記送信信号を受取ると、分合波器14は送信信号を分波し、その分波した送信信号を各送受信モジュール11に分配する。各送受信モジュール11は、制御部25によって設定された水平偏波の送信位相で送信信号の位相シフトを行い、さらに増幅を行う。さらに各送受信モジュール11は、制御部25によって設定された水平偏波の送信信号を各水平偏波放射素子12に出力する。
水平偏波放射素子12は、送受信モジュール11からの送信信号を水平偏波で地表の対象物に向けて送信する。水平偏波放射素子12から放射された水平偏波の送信信号は、ターゲットに向けて放射され、ターゲットに照射された場合に反射波として放射素子12側に戻ってくる。
図4に示すように、水平偏波放射素子12は、戻ってくる水平偏波成分の反射波を受信し、水平偏波成分の受信信号を対応する送受信モジュール11に出力する。
送受信モジュール11は、制御部25によって設定された水平偏波の受信信号のみを増幅する。次に、送受信モジュール11は、増幅した水平偏波の受信信号について、制御部25により設定された受信位相に従って位相シフトを行い、その位相シフト後の受信信号を分合波器14に送る。
送受信モジュール11からの水平偏波の受信信号を受取ると、分合波器14は、制御部25からの制御に基づいて、複数の送受信モジュール11から出力される水平偏波の受信信号を合波し、その合波した受信信号を電気回路部2に出力する。受信信号を電気回路部2に出力する際、分合波器14は、サーキュレータ21を経由して受信部23に出力する。なお図4とは異なり、受信部23ではなく、直接受信部24に出力するようにしてもよい。
分合波器14から水平偏波の受信信号を受取ると、各受信部23,24は、入力した受信信号の周波数変換・増幅等を行い、デジタルデータとしてサンプリングし、そのサンプリングデータをSAR画像再生装置3に出力する。
SAR画像再生装置3は、前記サンプリングデータを受取ると、水平偏波の動作モードに対応してSAR画像として再生する。
また、全ての送受信モジュール11に設定される偏波を垂直偏波に設定した場合、送信信号のルートは図3の太線で示すルートを辿り、受信信号のルートは図5の太線で示すルートを辿る。具体的に説明すると、図3に示すように、SRAのパルス状送信信号は、送信部22により生成され、その生成された送信信号は、サーキュレータ21を経由し、アンテナ部1の分合波器14に送られる。
前記送信信号を受取ると、分合波器14は送信信号を分波し、その分波した送信信号を各送受信モジュール11に分配する。各送受信モジュール11は、制御部25によって設定された垂直偏波の送信位相で送信信号の位相シフトを行い、さらに増幅を行う。さらに各送受信モジュール11は、制御部25によって設定された垂直偏波の送信信号を各垂直偏波放射素子13に出力する。
垂直偏波放射素子13は、送受信モジュール11からの送信信号を垂直偏波で地表の対象物に向けて送信する。垂直偏波放射素子13から放射された垂直偏波の送信信号は、ターゲットに向けて放射され、ターゲットに照射された場合に反射波として放射素子12側に戻ってくる。
図5に示すように、垂直偏波放射素子13は、戻ってくる垂直偏波成分の反射波を受信し、垂直偏波成分の受信信号を対応する送受信モジュール11に出力する。
送受信モジュール11は、制御部25によって設定された垂直偏波の受信信号のみを増幅する。次に、送受信モジュール11は、増幅した垂直偏波の受信信号について、制御部25により設定された受信位相に従って位相シフトを行い、その位相シフト後の受信信号を分合波器14に送る。
送受信モジュール11からの垂直偏波の受信信号を受取ると、分合波器14は、制御部25からの制御に基づいて、複数の送受信モジュール11から出力される垂直偏波の受信信号を合波し、その合波した受信信号を電気回路部2に出力する。受信信号を電気回路部2に出力する際、分合波器14は、サーキュレータ21を経由して受信部23に出力する。なお図5とは異なり、受信部23ではなく、直接受信部24に出力するようにしてもよい。
分合波器14から垂直偏波の受信信号を受取ると、各受信部23,24は、入力した受信信号の周波数変換・増幅等を行い、デジタルデータとしてサンプリングし、そのサンプリングデータをSAR画像再生装置3に出力する。
SAR画像再生装置3は、前記サンプリングデータを受取ると、垂直偏波の動作モードに対応してSAR画像として再生する。
次に、複数の偏波でターゲットの観察を行うポラリメトリ動作モード時の動作について説明する。
ポラリメトリ動作モードは、水平偏波の送信と垂直偏波の送信とを交互に行い、受信は水平偏波と垂直偏波の両方の偏波で行い、4偏波でのターゲットの観測を実現する動作モードである。この4偏波とは、水平偏波の送信+水平偏波の受信,水平偏波の送信+垂直偏波の受信,垂直偏波の送信+水平偏波の受信,垂直偏波の送信+垂直偏波の受信を意味する。
制御部25により送受信モジュール11に設定される送信位相と受信位相は時間の変化に拘らず、基本的に一定であり、放射素子12,13からのアンテナビームの指向方向はAz方向に走査しない。
さらに図9に示すように、全ての送受信モジュール11の送信偏波は、送信パルス毎に水平偏波と垂直偏波とを交互に切替動作が行われるように設定する。
さらに受信偏波については、複数の送受信モジュール11のうち半数の送受信モジュール11の受信偏波を水平偏波受信、残りの半数の送受信モジュール11の受信偏波を垂直偏波に設定する。
そして、分合波器14は、水平偏波受信の送受信モジュール11から出力される受信信号を合波し、図6に示すようにその水平偏波受信信号をサーキュレータ21に経由させて受信部23に出力する。さらに分合波器14は、垂直偏波受信の送受信モジュール11から出力される受信信号を合波し、その垂直偏波受信信号を直接受信部23に出力する。
つまり、送信時は、図9に示すように送信偏波を水平偏波と垂直偏波に交互に切替え、かつ送信信号のルートを図2と図3とに示す送信ルートに送信パルス毎に切替えることにより、送信信号をターゲットに向けて送出する。そして、受信ルートは図6に示すように、送受信モジュール11を半数ずつ、水平偏波の受信と垂直偏波の受信に分けて、太線で示す受信ルートを経て2系統の受信部23と24とに受信信号を入力させる。
なお、図6では、水平偏波受信信号をサーキュレータ21に経由して受信部23に、垂直偏波の受信信号を直接受信部24に入力するようにしたが、これに限られない。すなわち、垂直偏波の受信信号をサーキュレータ21に経由して受信部23に、水平偏波の受信信号を直接受信部24に入力するようにしてもよいものである。
受信部23及び24は、分合波器14から水平偏波,垂直偏波の受信信号を受取ると、入力した受信信号の周波数変換・増幅等を行い、デジタルデータとしてサンプリングし、そのサンプリングデータをSAR画像再生装置3に出力する。
SAR画像再生装置3は、前記サンプリングデータを受取ると、このサンプリングデータのポラリメトリ再生処理を行い、ポラリメトリ画像をとして再生する。
本実施形態のポラリメトリ動作モードは4偏波モードで実行する場合について説明したが、これに限られない。すなわち、ポラリメトリ動作モードを2偏波モードで実行してもよいものである。この2偏波モードでは、送信は水平偏波又は垂直偏波のいずれか一方に固定して行い、受信は、水平偏波の送信+水平偏波の受信,水平偏波の送信+垂直偏波の受信、又は垂直偏波の送信+水平偏波の受信,垂直偏波の送信+垂直偏波の受信モードを実行する。
次に、本実施形態に係る効果について説明する。スポットライト動作モードでは、放射素子のアンテナビームをAz方向に走査する必要があるため、フェーズドアレイ方式アンテナを採用する場合、従来例では、多数の送受信モジュールをアンテナに配置する必要がある。
一方、ポラリメトリ動作モードでは、2系統の受信系を必要とするため、従来例のポラリメトリ動作モードに対応する合成開口レーダでは、1台の送受信モジュールに2系統の受信系を備えていた。
これに対して、本発明の実施形態によれば、スポットライト動作モードでは全ての送受信モジュールを使用して、放射素子のアンテナビームをAz方向に走査させ、ポラリメトリ動作モードでは複数の送受信モジュールの台数を半分に分け、各々を二系統の受信系として対応させている。
したがって、個々の送受信モジュールの重量・サイズ・消費電力を増加させることなく、スポットライト動作モードの機能を有する合成開口レーダ(SAR)に、ポラリメトリ動作モードの機能を追加することができ、限られた重量・サイズ・消費電力・コストの中で前記スポットライト動作モードと前記ポラリメトリ動作モードの両方の機能を実現することができる。
さらに、放射素子による受信信号を分合波器から2系統の受信部に任意に切替えられるようにすると、一方の受信部に故障が生じた場合でも、他方の受信部を使用することにより、スポットライト動作モードを実行することができ、合成開口レーダの耐故障性を向上することができる。
なお、図1に示す本発明の実施形態では、受信部23,24から出力されるサンプリングデータを、合成開口レーダと一体に組込んだSAR画像再生装置3に直接入力させて、ターゲットの観測とSAR画像の表示とを同期させる構成としたが、これに限られない。すなわち、SAR画像再生装置3を合成開口レーダとは別体に、例えば地上などに設置し、サンプリングデータを一旦データレコーダに記憶させ、その記憶させたサンプリングデータを必要に応じてSAR画像再生装置3にSAR画像処理するようにしてもよいものである。
また、図1に示す本発明の実施形態では、2系統の受信部を独立させた構成となっているが、これに限られない。すなわち、1台の受信部を用い、この1台の受信部を水平偏波の受信部と垂直偏波の受信部とに切替えて受信動作を行うようにしてもよいものである。また受信部23,24には、分波合波器14から出力される受信信号の周波数変換,サンプリングなどを行う機能を付加したが、これらの付加した機能を行う構成を、受信部と23,24とは別体の機器として構築するようにしてもよいものである。また分合波器14は送信信号の分波と受信信号の合波とを行うものであるから、これらの機能別に構成してもよいものである。
また、図1に示す本発明の実施形態では、送信部22に、合成開口レーダ用の送信信号を発生させる機能、その送信信号の周波数変換などの機能を付加したが、これらの付加した機能を行う構成を、送信部22とは別体の機器として構築するようにしてもよいものである。
(実施形態2)
本発明の実施形態2として、ポラリメトリ動作モード時における送受信モジュールの受信時の偏波状態を示した例を図10に示す。
図10は、水平偏波放射素子12と垂直放射素子13とを1組として1つのアンテナ面内にマトリックス状に配列し、1組の水平偏波放射素子12及び垂直偏波放射素子13に対応して、複数の送受信モジュール11がアンテナ面に対応してマトリックス状に配置されていることを想定して、送受信モジュール11の受信時の偏波状態を示している。すなわち、図の1つのセルが1つの送受信モジュール11の受信偏波の状態を示している。またアンテナ面の横方向(行方向)を、スポットライトでアンテナビームを操作させるAz方向とし、アンテナ面の縦方向(列方向)をエレベーション(EI)方向として設定している。
図10(a)に示す例では、ポラリメトリ動作モード時における行方向の送受信モジュールの受信時の偏波状態は、Az方向に沿って水平偏波受信状態Hと垂直偏波受信状態Vとの交互に切替えられる。この場合、列方向に配列された送受信モジュール11は、その列全体の送受信モジュール11が共通に水平偏波受信状態H或いは垂直偏波受信状態Vのいずれかに設定される。
なお、図10(a)に示す受信時の偏波状態は、図示の設定状態と逆の設定状態に変更してもよいものである。
図10(b)に示す例では、アンテナ面に対応して配置されたマトリックス状の送受信モジュール11が、Az方向に沿って左右に2分割され、右側に位置する複数の送受信モジュール11の受信時の偏波状態は、水平偏波受信状態に設定され、左側に位置する複数の送受信モジュール11受信時の偏波状態は、垂直偏波受信状態に設定されている。
なお、図10(b)に示す受信時の偏波状態は、図示の設定状態と逆の設定状態に変更してもよいものである。
図10(c)に示す例では、Az方向、すなわちアンテナ面の行方向に沿う送受信モジュール11の受信時の偏波状態は、水平偏波受信状態或いは垂直偏波受信状態のいずれかに共通に設定されている。さらにEI方向、すなわちアンテナ面の列方向に沿う送受信モジュール11の受信時の偏波状態は、水平偏波受信状態と垂直偏波受信状態との交互に切替えられる。
なお、図10(c)に示す受信時の偏波状態は、図示の設定状態と逆の設定状態に変更してもよいものである。
図10(d)に示す例では、アンテナ面に対応して配置されたマトリックス状の送受信モジュール11が、EI方向に沿って上下に2分割され、上側に位置する複数の送受信モジュール11の受信時の偏波状態は、水平偏波受信状態に設定され、下側に位置する複数の送受信モジュール11受信時の偏波状態は、垂直偏波受信状態に設定されている。
なお、図10(d)に示す受信時の偏波状態は、図示の設定状態と逆の設定状態に変更してもよいものである。
図10(a)に示す例1、図10(c)に示す例3では、受信偏波当りのアンテナの開口長が送信偏波の開口長とほぼ同じであり、例2及び例3に比べて、アンテナ利得の点で有利である。
図10(b)に示す例2、図10(d)に示す例4では、例1及び例3に比べて同じ受信偏波の送受信モジュールが集中しているため、アンテナパターンの性能面で有利であると共に、実装しやすいという点で有利である。
なお、図10(b)及び図10(d)に示す送受信モジュール11を分割する数は2に限定されるものではない。
(実施形態3)
本発明の実施形態3として、分合波器14の具体的な一例を図11に示す。
具体的に説明すると、ポラリメトリ動作モード時の受信偏波毎に組として送受信モジュール群11A,11Bに2分割し、組単位で送受信モジュール11A,11Bの出力側を共通のラインL1,L2に並列にそれぞれ接続する。そして、一方のラインL1をサーキュレータ21の入力側に接続する。スイッチ142は、3端子を備えており、その第1の端子142aに他方のラインL2が接続され、第2の端子142bに受信部24の入力側が接続され、第3の端子142cにラインL1の分合波点141が接続されており、接続アーム142dにより端子142aに対して残りの端子142b,142cを選択して接続する構成になっている。図11では、説明の都合上、送受信モジュール群11aと送受信モジュール群11Bとを物理的に各々ひとまとまりのものとして図10(c)または(d)のように別々に配置しているが、図10(a)または(b)のように交互に配置しても同じである。
図11に示す分合波器14を使用して送信・受信を行う場合の動作について説明する。
先ず、送信時の動作について説明する。スイッチ142は図11に示すように、端子142aと端子142cとを接続した状態に操作され、送受信モジュール11Aと分合波点141とを繋ぐルートに設定される。
送信系22で生成されてサーキュレータ21に通して分合波器14に入力された送信信号は、分合波点141で分波される。
一方の分波された送信信号はラインL1まで伝送され、ラインL1に並列接続された個々の送受信モジュール11Aに分波されて入力する。
他方の分波された送信信号は、スイッチ142を経由してラインL2に伝送され、ラインL2に並列接続された残りの送受信モジュール11Bに分波入力される。
次に、受信時の動作について説明する。スポットライト動作モードでは、スイッチ142の端子の接続関係は送信信号と同じルートに設定される。送受信モジュール11Aから出力される受信信号は、送信信号とは逆のルートを通して全て合波され、サーキュレータ21を経由し、受信部23に出力される。
一方、ポラリメトリ動作モードでは、スイッチ142の端子関係は、端子142aと端子142bとが接続される関係、すなわち送受信モジュール11Bと受信部24とをつなぐルートに設定される。
したがって、送受信モジュール11Aから出力される受信信号は合波された後、分合波点141,サーキュレータ21を経由して受信部23に入力する。さらに、送受信モジュール11Bから出力される受信信号は合波された後、スイッチ142を経由して受信部24に出力される。
(実施形態4)
本発明の実施形態4として、分合波器14の変更例を図12に示す。図12に示す分合波器14は、組をなす送受信モジュール11Aと送受信モジュール11Bとに対して分合波するルートにスイッチ144,146と分合波点143,145を設けた構成になっている。
送信時の動作について説明する。スイッチ144と146は共に送受信モジュール側と合波点143をつなぐルートに設定される。すなわち、スイッチ144は、操作されてその端子144aと端子144bとが接続される状態に切り替り、スイッチ146は、操作されてその端子146aと端子146cとが接続される状態に切り替る。
上述したスイッチ状態において、サーキュレータ21から分合波器14に入力された送信信号は分合波点143で分波され、各スイッチ144と146に出力される。スイッチ144と146を経由した各々の送信信号はさらに分波され、個々の送受信モジュール11A,11Bにそれぞれ出力される。
受信時の動作について説明する。スポットライト動作モードでは、スイッチ144と146は送信と同じルートに設定される。送受信モジュール11Aから出力される受信信号は、送信とは逆のルートを通して全て合波され、サーキュレータ21を経由し、受信部23に出力される。また、スイッチ144と146を共に分合波点145につなぐルートに設定し、送受信モジュール11Aから出力される受信信号を分合波点145で合波して、この受信信号を受信部24に出力するようにしてもよいものである。
一方、ポラリメトリ動作モード時は、スイッチ144を送受信モジュールと分合波点143とをつなぐルートに、スイッチ146を送受信モジュールと分合波点145とをつなぐルートに設定する。これにより、半数の送受信モジュールの受信信号は合波された後、スイッチ144・分合波点143・サーキュレータ21を経由して受信部23に、残り半数の送受信モジュールの受信信号は合波された後、スイッチ146・分合波点145を経由して受信部24に出力される。また、ポラリメトリSARモード時の別の設定として、スイッチ144と146の設定を逆にして、スイッチ144を送受信モジュールと分合波点145とをつなぐルートに、スイッチ146を送受信モジュールと分合波点143とをつなぐルートに設定することも可能である。この時、受信部23、受信部24への出力信号は入れ替わる。
以上のように、図12に示す実施形態によれば、二つのスイッチ144,146を切り替えることにより、送受信部から2つの受信部23及び24への受信ルートを任意に入れ替えることができる。
なお、図1、図11及び図12に示す実施形態では、複数の送受信モジュール11に対して分合波器14を1台配置したが、これに限られない。すなわち、複数の分合波器14を多段に組合わせて、図1,図11及び図12に示すような送信・受信のルートを設定するようにしてもよいものである。
(実施形態5)
本発明の実施形態5として、放射素子12,13の変更例を図13に示す。図1に示す実施形態では、組をなす水平偏波放射素子12及び垂直偏波放射素子13と送受信モジュール11とを一対一で対応させたが、これに限られない。
図13に示す実施形態では、1台の送受信モジュール11に複数の水平偏波放射素子12と複数の垂直偏波放射素子13とを並列接続してある。そして、送受信モジュール11は、分合波器14から入力した送信信号を水平偏波送信信号と垂直偏波送信信号とに分波し、かつ、それぞれの偏波信号を分波し、それらの送信信号を対応する水平偏波放射素子12,垂直偏波放射素子13にそれぞれ出力する。
さらに、送受信モジュール11は、水平偏波放射素子12及び垂直放射素子13で受信した受信信号を水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号とに分波し、かつ、それぞれの偏波信号を分波し、それらの受信信号を対応する受信部23,24にそれぞれ出力する。
(実施形態6)
本発明の実施形態6として、送受信モジュール11と放射素子12,13との間を接続する構成を図14に示す。
図14に示すように、スイッチ151〜154が各送受信モジュール11の出力側に接続され、各スイッチ151〜154の端子151a〜154aに水平偏波放射素子12と垂直偏波放射素子1がそれぞれ接続されている。また、スイッチ151の端子151cとスイッチ153の端子153cとが分合波点147で接続されている。また、スイッチ152の端子152cとスイッチ154の端子154cとが分合波点148で接続されている。また、スイッチ151の端子151bとスイッチ153の端子153bとが分合波点149で接続されている。また、スイッチ152の端子152cとスイッチ154の端子154cとが分合波点150で接続されている。
図14に示す実施形態は、上述した構成によりスイッチ151〜154を制御部25により制御して、送信偏波・受信偏波の設定に応じて分合波の信号の流れを切り替える例である。次に送信時と受信時とにおける動作を図15及び図16に基づいて説明する。
図15(a)は水平偏波送信時の動作を、図15(b)は垂直偏波送信時の動作をそれぞれ示している。
図15(a)に示す水平偏波送信時には、制御部25は、スイッチ151の端子151aと端子151c、スイッチ153の端子153aと端子153bをそれぞれ接続する関係にスイッチ151,153を制御する。また、水平偏波側の分合波点147,149側に送信信号を出力するように送受信モジュール11を制御する。
図15(a)に示すスイッチの接続関係では、送受信モジュール11からの水平偏波送信信号が分合波点147,149を経て水平偏波放射素子12,12にのみ出力される。
図15(b)に示す垂直偏波送信時には、制御部25は、スイッチ152の端子152aと端子152c、スイッチ154の端子154aと端子154bをそれぞれ接続する関係にスイッチ152,154を制御する。また、垂直偏波側の分合波点148,150側に送信信号を出力するように送受信モジュール11を制御する。
図15(b)に示すスイッチの接続関係では、送受信モジュール11からの垂直偏波送信信号が分合波点148,150を経て垂直偏波放射素子13,13にのみ出力される。
図16(a)は水平偏波受信時の動作を、図16(b)は垂直偏波受信時の動作を、図16(c)は水平偏波受信と垂直偏波受信との併用による受信時の動作をそれぞれ示している。
図16(a)に示す水平偏波受信時には、制御部25は、スイッチ151の端子151aと端子151c、スイッチ153の端子153aと端子153bをそれぞれ接続する関係にスイッチ151,153を制御する。また、水平偏波側の分合波点147,149側に受信信号を出力するように送受信モジュール11を制御する。
図16(a)に示すスイッチの接続関係では、水平偏波放射素子12で受信した水平偏波受信信号がスイッチ151,153及び分合波点147,149を経由して送受信モジュール11に入力する。
図16(b)に示す垂直偏波受信時には、制御部25は、スイッチ152の端子152aと端子152c、スイッチ154の端子154aと端子154bをそれぞれ接続する関係にスイッチ152,154を制御する。また、垂直偏波側の分合波点148,150側に受信信号を受信するように送受信モジュール11を制御する。
図16(b)に示すスイッチの接続関係では、垂直偏波放射素子13で受信した垂直偏波受信信号がスイッチ152,154及び分合波点148,150を経由して送受信モジュール11に入力する。
図16(c)に示す水平偏波受信時及び垂直偏波受信時には、制御部25は、スイッチ151の端子151aと端子151c、スイッチ152の端子152aと端子152b、スイッチ153の端子153aと端子153c、スイッチ154の端子154aと端子154bをそれぞれ接続する関係にスイッチ151〜154を制御する。また、図の上下の送受信モジュール11を、水平偏波側の分合波点147側からの受信信号、垂直偏波側の分合波点150側からの受信信号を各々受信するように、各々制御する。
図16(c)に示すスイッチの接続関係では、水平偏波放射素子12で受信した水平偏波受信信号は、スイッチ151,153及び分合波点147を経由して送受信モジュール11に入力する。
さらに図16(c)に示すスイッチの接続関係では、垂直偏波放射素子13で受信した垂直偏波受信信号は、スイッチ152,154及び分合波点150を経由して送受信モジュール11に入力する。
本実施例の効果として、ポラリメトリモードで全ての放射素子を使用して受信を行うため、性能的に図1の実施例より有利となる効果がある。
なお、スイッチ151,152,153,154・分合波点147,148,149,150は送受信モジュール11の中に取り込む構成としても良い。
以上説明したように本発明によれば、スポットライト動作モードでは複数の送受信モジュールが必要であるが、ポラリメトリ動作モードでは送受信モジュールの台数がスポットライト動作モード時に比べて少なくてもよいことに着目し、複数の送受信モジュールを複数の受信系に分割して、ポラリメトリ動作モードを実行するため、重量・消費電力・コストの増加を抑えつつ、スポットライトSAR機能とポラリメトリSAR機能の両方の機能を持つ合成開口レーダを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る合成開口レーダを示す構成図である。 図2は、水平偏波の送信時の信号ルートを示す図である。 図3は、垂直偏波の送信時の信号ルートを示す図である。 図4は、水平偏波の受信時の信号ルートを示す図である。 図5は、垂直偏波の受信時の信号ルートを示す図である。 図6は、ポラリメトリ動作時における受信信号のルートを示す図である。 図7は、スポットライト動作時における動作を説明する図である。 図8は、送受信モジュールの位相設定を説明する図である。 図9は、アジマス方向に放射素子のビームを走査する動作を説明する図である。 図10は、ポラリメトリ動作時における送受信モジュールの受信時の偏波状態を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る分合波器の構成を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る分合波器の変更例を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る放射素子の変更例を示す図である。 図14は、本発明の実施形態における送受信モジュールと放射素子との接続関係を示す図である。 図15は、図14に示す放射素子の動作を説明する図である。 図16は、図14に示す放射素子の動作を説明する図である。 従来例に係るスポットライト合成開口レーダを示す構成図である。 従来例に係るポラリメトリ合成開口レーダを示す構成図である。
符号の説明
1 アンテナ部
2 電気回路部
11 送受信モジュール
12,13 放射素子
14 分合波器
22 送信部
23,24 受信部
25 制御部

Claims (12)

  1. 水平偏波と垂直偏波で送信及び受信を行う複数の放射素子と、
    前記放射素子との間に送信信号及び受信信号の授受を行うとともに、前記信号の位相シフトを行うとともに、垂直偏波と水平偏波を同時に受信しない複数の送受信モジュールと、
    前記放射素子から放射するためのパルス状送信信号を生成する送信部と、
    前記送信部から出力されるパルス状送信信号を分波して、前記複数の送受モジュールに分配する分波手段と、
    前記複数の送受信モジュールから出力される受信信号を合波する合波手段と、
    前記合波手段により合波された受信信号をデジタルデータに変換する受信部と、
    前記各構成要素を駆動制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記駆動制御機能に加えて、前記複数の送受モジュールの受信偏波を垂直偏波又は水平偏波に揃えた上で、スポットライト動作モードのためのビーム走査の駆動制御を行う機能と、前記複数の送受モジュールを分割し、複数の偏波で受信を行う動作モードのために、その分割した送受信モジュールを各々異なる偏波で受信を行う複数系統の受信系として駆動制御する機能とを少なくとも有し、前記スポットライト動作モードと前記複数の偏波で受信を行う動作モードとを切り替えるものであることを特徴とするモード切替式合成開口レーダ。
  2. 前記制御部は、アジマス方向へのビーム走査を行うためにアジマス方向に配置された前記送受信モジュールの位相を設定する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  3. 前記制御部は、水平偏波の送信、垂直偏波の送信、或いは水平偏波及び垂直偏波の1パルス毎切替送信に切替える指令を前記送受信モジュールに出力する機能を有し、
    前記送受信モジュールは、前記制御部からの指令に基づいて信号ルートを切替えて送信信号を前記放射素子に送出することを特徴とする請求項1に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  4. 前記制御部は、水平偏波の受信、垂直偏波の受信、或いは半数を水平偏波及び残りの半数を垂直偏波の受信に切替える指令を前記送受信モジュールに出力する機能を有し、
    前記送受信モジュールは、前記制御部からの指令に基づいて信号ルートを切替えて受信信号を前記合波手段に送出することを特徴とする請求項1に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  5. 前記制御部は、水平偏波の受信時又は垂直偏波の受信時に全ての受信信号を合波する指令を前記合波手段に出力する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  6. 前記制御部は、前記複数の送受信モジュールを複数系統の受信系として駆動制御する際に前記合波手段に、受信系毎に送受信モジュールからの受信信号を合波する指令を出力する機能を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  7. 前記複数の送受信モジュールは、アンテナ面の複数の放射素子に対応して配列され、
    前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールの受信偏波状態を制御する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  8. 前記複数の送受信モジュールは、アンテナ面の複数の放射素子に対応してマトリックス状に配列され、
    前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのアジマス方向とエレベーション方向との受信偏波状態を制御する機能を有することを特徴とする請求項7に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  9. 前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのアジマス方向の受信偏波状態を水平偏波と垂直偏波とに交互に制御することを特徴とする請求項8に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  10. 前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのエレベーション方向の受信偏波状態を水平偏波と垂直偏波とに交互に制御することを特徴とする請求項8に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  11. 前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのアジマス方向の受信偏波状態を複数の群に区分けして水平偏波と垂直偏波とに交互に制御することを特徴とする請求項8に記載のモード切替式合成開口レーダ。
  12. 前記制御部は、ポラリメトリ動作時における前記送受信モジュールのエレベーション方向の受信偏波状態を複数の群に区分けして水平偏波と垂直偏波とに交互に制御することを特徴とする請求項8に記載のモード切替式合成開口レーダ。
JP2005147126A 2005-05-19 2005-05-19 モード切替式合成開口レーダ Expired - Fee Related JP4735814B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005147126A JP4735814B2 (ja) 2005-05-19 2005-05-19 モード切替式合成開口レーダ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005147126A JP4735814B2 (ja) 2005-05-19 2005-05-19 モード切替式合成開口レーダ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006322848A JP2006322848A (ja) 2006-11-30
JP4735814B2 true JP4735814B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=37542637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005147126A Expired - Fee Related JP4735814B2 (ja) 2005-05-19 2005-05-19 モード切替式合成開口レーダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4735814B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5040549B2 (ja) * 2007-09-20 2012-10-03 日本電気株式会社 合成開口レーダ及びコンパクト・ポラリメトリsar処理方法、プログラム
JP2010085167A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Mitsubishi Electric Corp 画像レーダ装置
CN102313885B (zh) * 2010-06-30 2013-06-26 中国科学院电子学研究所 多维度微波成像系统及方法
CN102314185B (zh) * 2010-07-07 2013-11-13 中国科学院电子学研究所 一种二维轨道扫描成像观测系统控制方法
DE102011107403B4 (de) * 2011-07-07 2013-01-17 Astrium Gmbh Radarsystem mit synthetischer Apertur
KR101916548B1 (ko) 2016-12-22 2018-11-07 한국항공우주연구원 스윕레이더 광역 스캔을 위한 이중편파 송수신 장치 및 방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02210285A (ja) * 1989-02-10 1990-08-21 Mitsubishi Electric Corp スポットライトマッピングレーダ装置
JP2624055B2 (ja) * 1991-09-26 1997-06-25 日本電気株式会社 ポーラリメトリック合成開口レーダ装置
JPH08240661A (ja) * 1995-03-06 1996-09-17 Mitsubishi Electric Corp 合成開口レーダ
JP3604662B2 (ja) * 2001-11-19 2004-12-22 財団法人資源探査用観測システム研究開発機構 レーダ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006322848A (ja) 2006-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4735814B2 (ja) モード切替式合成開口レーダ
US6426721B1 (en) Phase control device and system for phased array antenna
KR20150079039A (ko) 공전 각운동량 모드들을 동시에 송신 및 수신하는 장치 및 방법
US8558735B2 (en) High-resolution radar map for multi-function phased array radar
EP3544116A1 (en) Phased array antenna systems and methods
US8400355B1 (en) Passive photonic dense wavelength-division multiplexing true-time-delay system
CN108964724A (zh) 用于机载卫星通信的多波束相控阵
US7474263B1 (en) Electronically scanned antenna
CN110572210A (zh) 一种波束灵活控制的多用户激光通信系统及方法
US9397397B2 (en) Electronically-steered Ku-band phased array antenna comprising an integrated photonic beamformer
CN110720054A (zh) 相控阵发射装置、激光雷达和自动驾驶设备
US20060116580A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
EP1523785B1 (en) Common aperture antenna
EP0801437A3 (en) Beam forming network for multiple-beam-feed sharing antenna system
AU2009275308B9 (en) Multi-function array antenna
EP3825729A1 (en) Single channel dual orthogonal linear polarization array
WO1991003846A1 (fr) Systeme d'antenne microbande
JP4521440B2 (ja) アレイアンテナ装置及びその送受信モジュール
EP2148456A1 (en) Multi-funcition array antenna
JPS63284484A (ja) レ−ダ装置
RU2310886C1 (ru) Космический многорежимный поляриметрический радиолокатор с синтезированной апертурой со сканирующей зеркальной антенной
JP4005949B2 (ja) 空間給電型アンテナ装置
JP4956346B2 (ja) アレイアンテナ装置とその薄型化方法
WO2023242920A1 (ja) 受信指向性制御装置及び受信指向性制御方法
JP2009194475A (ja) フェーズドアレイアンテナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4735814

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees