JP4734942B2 - 圧力検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、管内を流動する液体の圧力を、空気層や分岐管を設けずに測定する圧力検知装置に関する。
従来、透析や、アフェレーシス、CRRT(Continuous Renal Replacement Therapy)等に用いられる血液回路において、回路内を流動する流体の圧力をチャンバや分岐管を設けずに測定する圧力検知装置が提案されている。心臓手術や救命救急等において血液を体外循環させる場合、数多くの処置が必要となるため、回路数や装置数が多くなる。しかしながら、装置を配置するスペース、及び配置した装置を操作するスペースは限られている。従って、特に緊急時での対応が多くなる心臓手術や救命救急等に用いられる装置は、容易に取り扱うことができることが要求される。このような観点から、体外循環回路内の血液等の流体の圧力を容易に測定する装置として、隔膜式(ダイアフラム式)圧力センサが開示されている。
例えば、体外血液治療装置に用いられる圧力検知装置として、流体の流れ方向と並行に管路表面に設置された隔膜(ダイアフラム)により流体の圧力を受けて、隔膜に押し付けた押子の鉛直方向の動きを歪みゲージによって力として検知し、受圧面積から圧力値に換算する圧力検知装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この圧力検知装置は、カセット体として専用装置に接続される構成となっている。
また、アフェレーシスシステムに用いられる圧力検知ステーションとして、流体の流れ方向と並行に管路表面に設置された隔膜により流体の圧力を受けて、隔膜に押し付けた押子の鉛直方向の動きを歪みゲージによって力として検知し、受圧面積から圧力値に換算する圧力検知ステーションが開示されている(例えば、特許文献2参照)。この圧力検知ステーションは、専用装置に接続される構成となっている。
更に、拡縮変化する管体と、拡縮変化量を検出する検出手段と、両者を着脱自在に連結する結合手段とを備える液体圧力検出機構も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
このような従来の隔膜式圧力センサでは、隔膜とセンサとを着脱自在にして、結合及び離脱を容易に行なわせる手法として磁気(力)結合方式が案出されており、例えば、上記の特許文献2や特許文献3では、結合方法の一例として磁力により隔膜とセンサとを結合させる手法が開示されている。
特開2002−257656号公報 特表2002−513321号公報 特公平8−33332号公報
ところで、負圧から正圧までの広範な圧力を測定するためには、隔膜と、その変位量を検出する手段(センサ)とが、強力に結合し、その結合状態を維持する必要がある。
しかしながら、従来の圧力検知装置等の構成では、磁気(力)結合方式によって隔膜とセンサとを強力に結合させようとすれば、大きな磁石が必要となり、装置の小型化を実現することができない。また、従来の圧力検知装置等の構成では、装置を小型化した上で隔膜とセンサとを強力に結合させるためには、板状の磁石を薄くして面積を大きくしなければならない。その場合、磁石は、ひび割れ等を起こす可能性が生じ、強度面での信頼性が乏しくなる。
装置の小型化を実現するために、隔膜に埋設される板状部材として永久磁石を用いることも考えられるが、隔膜に埋設するため、隔膜成形時に板状部材も高温にさらすことになるが、それによって磁力が消失、または低下する可能性がある。また、永久磁石は高価であるため、装置がコスト高になるという問題が新たに生じる。
また、隔膜と押子とが結合する際の相対位置を規制することは、圧力検知精度を維持する上で重要であるが、磁石の形状を工夫して隔膜と押子との相対位置を規制しようとすれば、特殊な形状の磁石を製作しなければならないため、製造コストが増大するという問題も生じる。
本発明は、上記課題を考慮し、装脱着が容易で広範な圧力を測定することができ、かつ、小型化を実現しつつ安価なコストで製造可能な圧力検知装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、圧力を精度よく測定することができ、かつ、小型化を実現しつつ安価なコストで製造可能な圧力検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の圧力検知装置は、流体の移送路である管体の側面に設けられた隔膜と、前記隔膜からの圧力を検知する圧力検知部とを備える圧力検知装置であって、前記圧力検知部は、前記隔膜の押圧によって生じる荷重を受ける磁石と、前記磁石を被覆する磁性体の被覆部材とを有し、前記隔膜には、磁性体の板状部材が埋設されており、前記板状部材は、前記隔膜から突出して前記磁石と接する突起部を有し、前記被覆部材は、前記突起部と前記磁石とを結合可能にする開口部を有する。
このような構成によって、装脱着が容易な磁気(力)結合方式を採用しつつ、磁石の磁力線を有効に利用し、隔膜とセンサとを強力に結合させることができるので、負圧から正圧までの広範な圧力を測定することが可能となる。また、この構成によれば、大きな磁石は必要なく、強度面での信頼性及び圧力検知精度に優れた小型の圧力検知装置を実現することができる。更に、高価な永久磁石を用いる必要もないので、装置の小型化を実現しつつ、安価なコストで製造可能な圧力検知装置を実現することができる。加えて、この構成によれば、磁石の被覆部材に設けられた開口部が、隔膜と押子とが結合する際の相対位置を規制するので、コスト高を招くことなく、センサの圧力検知精度を高めることも可能である。
前記磁石と前記突起部とが磁気的に結合するので、前記隔膜と前記圧力検知部とは可逆的に着脱可能である。そのため、血液回路と共に使い捨てされる隔膜部に、繰り返し使用される検知部をワンタッチで装着し、また離脱できる。
また、本発明の圧力検知装置は、更に、前記磁石及び前記被覆部材を前記隔膜へ垂直に誘導する一対の壁部を備え、前記一対の壁部の間隔は、前記隔膜の可動部分の両端よりも狭いことが好ましい。即ち、本発明の圧力検知装置は、流体の移送路である管体の側面に設けられた隔膜と、前記隔膜からの圧力を検知する圧力検知部とを備える圧力検知装置であって、前記圧力検知部は、前記隔膜の押圧によって生じる荷重を受ける磁石を有し、前記隔膜には、磁性体の板状部材が埋設されており、前記圧力検知装置は、更に、前記磁石を前記隔膜へ垂直に誘導する一対の壁部を備え、前記一対の壁部の間隔は、前記隔膜の可動部分の両端よりも狭い。
この構成によって、センサ部をダイアフラムへ垂直に誘導する一対の壁部がダイアフラムの変位を規制するストッパとして作用するので、圧力検知部が装着されていない状態で、ダイアフラムに急激に大きな正圧がかかった場合、ダイアフラムが膨張する等して損傷するのを防止できる。
また、一対の壁部によって前記磁石の移動が規制されるので、精度よく圧力を検出することができる。
前記板状部材には、前記板状部材の外周より内側の、前記板状部材の外周の中心を中心とする円上に複数の孔が設けられており、前記隔膜と前記板状部材とは、前記隔膜と前記板状部材とを結合させる部材が前記孔に設けられることにより、一体化していることが好ましい。
なお、本発明は、このような圧力検知装置として実現することができるだけでなく、圧力検知方法として実現することもできる。すなわち、本発明の圧力検知方法は、流体の移送路である管体の側面に設けられた隔膜からの圧力を検知する圧力検知方法であって、前記隔膜の押圧によって生じる荷重を、磁石を用いて検知する検知ステップを含み、前記磁石は磁性体の被覆部材により被覆されており、前記隔膜には磁性体の板状部材が埋設されており、前記板状部材は前記隔膜から突出して前記磁石と接する突起部を有し、前記被覆部材は前記突起部と前記磁石とを結合可能にする開口部を有し、前記検知ステップでは、前記突起部と前記磁石とを結合することにより、前記隔膜からの圧力を検知する。また、本発明の圧力検知方法は、流体の移送路である管体の側面に設けられた隔膜からの圧力を検知する圧力検知方法であって、前記隔膜の押圧によって生じる荷重を、磁石を用いて検知する検知ステップを含み、前記隔膜には磁性体の板状部材が埋設されており、前記磁石の移動は前記隔膜へ垂直に誘導する一対の壁部によって規制されており、前記一対の壁部の間隔は前記隔膜の可動部分の両端よりも狭く、前記検知ステップでは、前記磁石の移動を規制して、前記隔膜と前記磁石とを結合することにより、前記隔膜からの圧力を検知する。
本発明の圧力検知装置によれば、磁気(力)結合方式において磁石の磁力線を有効に利用し、隔膜とセンサとを強力に結合させるので、装脱着が容易で、広範な圧力を測定することが可能となる。また、小型化を実現しつつも、正確な圧力検知のできる装置を安価に製造することが可能となる。また、隔膜の損傷を防止でき、精度良く圧力を検出できる。
以上のことから、透析等の体外血液治療の重要性が増している今日における本発明の実用的価値は極めて高いと考えられる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1及び図2を用いて本実施の形態の圧力検知装置の全体構成について説明する。
図1は本実施の形態の圧力検知装置の外観を示す斜視図であり、図2は本実施の形態の圧力検知装置の断面図である。
本実施の形態の圧力検知装置はセンサ部Aとディスポ側Bとを備え、センサ部Aは図1に示す矢印方向へディスポ側Bに挿嵌される。センサ部Aは、圧力を検知するセンサ機構であり、ロードセル1と、センサ筐体2と、押子3と、スプリング4と、磁性体キャップ11と、磁石12とで構成される。ディスポ側Bは、流動する血液の圧力が検知される血液回路側の機構であり、ディスポ側上部筐体5と、ディスポ側下部筐体6と、ダイアフラム8と、ダイアフラム内磁性体9と、リング10とで構成される。
ロードセル1は、押子3を介して伝達される荷重を、歪ゲージを用いて電気信号に変換する圧力検出器である。
センサ筐体2は、中空部を有する部材であり、この中空部内に、ロードセル1と、押子3と、スプリング4とが設けられている。
押子3は、一端がロードセル1と接続され、他端が磁性体キャップ11と接続され、センサ筐体2の内部を図1の上下方向に摺動し、磁性体キャップ11からの荷重をロードセル1に伝達する部材である。
スプリング4は、押子3を、ロードセル1へ荷重を負荷するように摺動させるためのバネ等の弾性部材である。
磁性体キャップ11は、磁性体で構成されており、磁石12を被覆する部材である。この磁性体キャップ11の一方の面は押子3の他端と接続されており、他方の面には、磁石12とダイアフラム8内部のダイアフラム内磁性体9とを結合させるための開口部が設けられている。
磁石12は、ダイアフラム内磁性体9と結合して、ダイアフラム8からの荷重を受ける。磁石12は、電磁石等であってもよい。
ディスポ側上部筐体5は、センサ部Aをディスポ側Bに取り付けるための部材であり、磁性体キャップ11がダイアフラム8に対して垂直に接触するように、磁性体キャップ11を誘導する構成になっている。
ディスポ側下部筐体6は、流体流路7である管体を構成する部材であり、管体のディスポ側上部筐体5側の側面の一部に開口部が設けられており、その開口部にダイアフラム8を備える。
ダイアフラム8は、ディスポ側下部筐体6の上記開口部を密閉し、流体流路7を通過する流体の圧力の変動に伴って変位することによって、磁石12に荷重をかける板状部材である。ダイアフラム8は、変位することなく、押圧により磁石12に荷重をかける場合もある。ダイアフラム8は、シリコンやイソプレンゴム等の合成ゴムで構成されている。ダイアフラム8は、図3(B)の上面図に示すように、中央部8aと外周部8bとで構成されている。中央部8aは外周部8bに比べて硬質である。ダイアフラム8の内部には、ダイアフラム内磁性体9が埋設されている。
ダイアフラム内磁性体9は、磁性体で構成されており、ダイアフラム8に埋設される板状の部材であり、その一部はセンサ部Aと接合する側に垂直に突出している。ダイアフラム内磁性体9の板状部9aは、円盤状であって、図4に示すように、外円9bより内側の、外円9bと同じ中心を持つ同心円9cの上に、等間隔で8個の孔9dが設けられている。そのようなダイアフラム内磁性体9の板状部9aを、液状のシリコンやイソプレンゴム等の合成ゴム材で覆ってその合成ゴム材を硬化させることにより、ダイアフラム8とダイアフラム内磁性体9の板状部9aとは一体化する。その際、板状部9aの上下に配置される合成ゴム材と、上記8個の孔9dに収められた合成ゴム材とにより、ダイアフラム8とダイアフラム内磁性体9とは強固に一体化する。
リング10は、ディスポ側上部筐体5とディスポ側下部筐体6とによって挟持され、ダイアフラム8をディスポ側下部筐体6に押し付けて固定するリング状の部材である。リング10におけるダイアフラム内磁性体9の突起部側の端部は、ディスポ側上部筐体5の壁部5bに対して傾斜し、下端が、ダイアフラム8が流体流路7と平行に揺動する部分の両端まで延びるテーパー状に形成されている。このように、リング10の端部をダイアフラム8が流体流路7と平行に揺動する部分(可動部分)の両端まで延ばすことによって、ダイアフラム8の水平方向への動きを規制する。
そのような(形状)寸法を取ることによって、圧力検知部の装着されていない血液回路内腔に、何らかの原因で大きな正圧がかかった場合でも、隔膜の外方への飛出(突出)やそれによる破損を防止できる。なお、本発明の圧力検知装置、機構、方法では、圧力を検出する必要の無い時は、図1のAに示す圧力検知部を取り外しておき、圧力検出する際にのみ、図2に示すように圧力検知部を装着しても良い。このような場合、圧力検知部と、隔膜(埋設した磁性体9の突起部)とがワンタッチで装着できるので便利である。
次に、図5を用いて本実施の形態の圧力検知装置の特徴部分について説明する。
図5は、センサ部Aをディスポ側Bに取り付ける際の要部断面図である。
上述したように、センサ部Aは図5に示す矢印方向へディスポ側Bに挿嵌される。このとき、センサ部Aのセンサ筐体2に設けられた係合部2aと、ディスポ側Bのディスポ側上部筐体5に設けられた係合部5aとが係合して、センサ部Aとディスポ側Bとを係止する。この構成により、センサ部Aにディスポ側Bを容易に装着することができる。
ここで、磁石12を被覆する磁性体キャップ11のダイアフラム8と接触する面には、ダイアフラム内磁性体9の突起部と磁石12とを結合させるための開口部であるガイド13が設けられている。ガイド13の直径は、ダイアフラム内磁性体9の突起部が嵌合可能となるよう、突起部の直径に合わせて設定される。
また、ディスポ側上部筐体5の壁部5bは、一対となって磁性体キャップ11がダイアフラム8に対して垂直に接触するように磁性体キャップ11を誘導すべく、磁性体キャップ11の形状及び寸法に合わせて、両壁部5bの間隔が設定される。更に、両壁部5bの間隔は、ダイアフラム8が流体流路7に対して垂直方向に揺動する部分(可動部分)の両端(図5ではダイアフラム内磁性体9が埋設されている箇所の両端)よりも狭く設定される。
このように、磁性体キャップ11で磁石12の周囲を被覆し、かつ、磁性体キャップ11のうち、磁石12とダイアフラム内磁性体9の突起部とが接触する部分のみを開口してガイド13を設ける構成によって、磁石12の磁力線がガイド13の断面に集中する。これにより、磁石12とダイアフラム内磁性体9との結合力を向上させることができる。すなわち、このような構成とすることで、磁石12の磁力線を有効に利用し、磁石12とダイアフラム内磁性体9との間で限られた接触面積において強力な結合力を発揮させることができるので、負圧から正圧までの広範な圧力を測定することが可能となる。また、上記の構成では、強力な結合力を得るために、大きな形状の磁石12を用いる必要がないので、強度面での信頼性や圧力検知精度の低下を招くことなく、装置の小型化を実現することができる。更に、磁性体キャップ11が磁石12の周囲を被覆する簡易な構成であるため、永久磁石等の高価な部材を用いずに、安価に装置の小型化を図ることも可能である。
また、磁性体キャップ11にガイド13を設けることによって、磁石12とダイアフラム内磁性体9との結合時における両者の相対位置を規制することができる。すなわち、このような構成とすることで、磁石12とダイアフラム8との相対位置のずれを抑制し、センサ部Aの圧力検知精度を高い状態で維持することが可能となるので、圧力検知精度の低下を招くことなく、特殊形状の磁石を製作するよりも安価に装置の小型化を実現することができる。
更に、ディスポ側上部筐体5における両壁部5bの間隔を、ダイアフラム8が変位する箇所の両端の間隔よりも狭くする。これにより、ダイアフラム8が変位する(具体的には、ディスポ側下部筐体6に沿って揺動する)際に、両壁部5bがストッパとして作用するので、ダイアフラム8の想定外の変位を規制し、圧力検知精度をより高めることもできる。
なお、磁性体キャップ11の材質及び形状を適切に選択することにより、測定することができる圧力範囲、特に負圧の範囲を任意に設定することができる。
ここで、磁性体キャップ11の装着による効果について図6を用いて説明する。
図6に、磁性体キャップ11の装着時と、磁性体キャップ11の未装着時とで、磁石12とダイアフラム内磁性体9との結合力に生じる差異をグラフ化して示す。
図6に示すように、磁性体キャップ11の装着時では、磁性体キャップ11の未装着時と比較して、磁石12とダイアフラム内磁性体9とは、略2倍の結合力を発揮する。すなわち、磁性体キャップ11によって磁石12の磁力線をガイド13の断面に集中させることで、両者の結合力は、飛躍的に増加する。なお、ここに示したグラフは、磁性体キャップ11の厚みを0.8mmとし、磁石12の厚みを5mmとし、ダイアフラム内磁性体9の突起部の厚みを2.5mmとした場合における、磁性体キャップ11の有無と結合力との関係を示している。但し、ここに示した値は一例に過ぎず、それぞれの厚みが変わっても磁性体キャップ11の有無による効果の差は同様に生じる。
また、ダイアフラム内磁性体9の突起部の厚みも、磁石12とダイアフラム内磁性体9との結合力に影響を与える。
図7は、ダイアフラム内磁性体9の突起部の厚みが磁力結合強度に与える効果を示す図である。図7は、磁石12の厚みを5mmとした場合における、ダイアフラム内磁性体9の突起部の厚みと結合力との関係を示している。
図7に示すように、ダイアフラム内磁性体9の突起部の厚みは、2mm程度まで増すごとに、両者の結合力を増加させるが、2mmを超えると、厚みを増加させても得られる結合力は、略一定に留まる。このことから、磁石12の厚みを5mmとした場合、ダイアフラム内磁性体9の突起部は、2mm以上の厚みを有することが好ましい。
なお、所望の結合力や脱離力に応じて、ダイアフラム内磁性体9の突起部の厚みを任意に設定してもよい。
更に、ダイアフラム内磁性体9の突起部の直径も、磁石12とダイアフラム内磁性体9との結合力に影響を与える。突起部の直径を大きくすることによって、すなわち、磁石12とダイアフラム内磁性体9との接触面積を大きくすることによって、両者の結合力は増加する。他方、接触面積が大きくなると、磁石12の感受性が下がるため、圧力検知精度は低下する。従って、ダイアフラム内磁性体9の突起部の直径は、所望の結合力及び圧力検知精度に応じて任意に設定すればよい。
このように、本実施の形態の圧力検知装置は、磁性体キャップ11によって磁石12を被覆する簡易な構成で、磁石12の磁力線を有効に利用して、ダイアフラム8とセンサ部Aとを強力に結合させることができる。これにより、本実施の形態の圧力検知装置は、負圧から正圧までの広範な圧力を測定することができる。また、磁気(力)結合方式の利点である装脱着の容易さに加えて、強度面での信頼性や圧力検知精度を保ちつつ、安価に装置の小型化を図ることもできる。更に、磁性体キャップ11に、磁石12とダイアフラム8との相対位置を規制する形状を設けるので、ダイアフラム8の損傷を防止し、コスト高を招くことなく、センサの圧力検知精度を維持することも可能である。
以上、本発明の圧力検知装置の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施の形態では、押子3と磁性体キャップ11とを分離した構成としているが、一体化した構成であっても構わない。
また、上記実施の形態では、ダイアフラム8からロードセル1に荷重を加える構成としているが、ロードセル1がダイアフラム8に荷重を加える構成であってもよい。このとき、押子3やスプリング4も逆方向に作用する。
本発明の圧力検知装置は、血液回路内を流動する流体の圧力を測定する装置に適用可能であり、透析やアフェレーシス等に用いられる血液回路の流体圧力の測定に好適である。
本発明の実施の形態の圧力検知装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態の圧力検知装置の断面図である。 (A)はダイアフラム8の断面図である。(B)はダイアフラム8の上面図である。 ダイアフラム内磁性体9の板状部9aの外観図である。 センサ部Aをディスポ側Bに取り付ける際の要部断面図である。 磁性体キャップの装着による効果を説明するための図である。 ダイアフラム内磁性体の厚みが磁力結合強度に与える効果を示す図である。
符号の説明
A センサ部
B ディスポ側
1 ロードセル
2 センサ筐体
2a、5a 係合部
3 押子
4 スプリング
5 ディスポ側上部筐体
5b 壁部
6 ディスポ側下部筐体
7 流体流路
8 ダイアフラム
9 ダイアフラム内磁性体
10 リング
11 磁性体キャップ
12 磁石
13 ガイド

Claims (3)

  1. 流体の移送路である管体の側面に設けられた隔膜と、前記隔膜の変位を圧力として検知する圧力検知部とを備える圧力検知装置であって、
    前記隔膜は、
    当該隔膜に埋設され、当該隔膜から突出する突起部が設けられる、磁性体の板状部材を有し、
    前記圧力検知部は、
    前記突起部と磁気的に接続される磁石と、
    前記磁石を被覆し、前記突起部と前記磁石とを結合可能にする開口部を有する磁性体の被覆部材と
    前記隔膜の変位を前記磁石を介して検知するロードセルと
    を有する圧力検知装置。
  2. 更に、
    前記管体との間で前記隔膜を挟持し、前記圧力検知部の前記磁石、および、前記被覆部材が挿嵌状態で取り付けられる管状の上部筐体を備え、
    前記上部筐体は、前記磁石前記被覆部材を介して前記隔膜の面に対し垂直方向に誘導する一対の壁部を備え、
    前記一対の壁部の間隔は、前記隔膜の可動部分の両端よりも狭い
    請求項1記載の圧力検知装置。
  3. 前記板状部材には、前記板状部材の外周より内側の、前記板状部材の外周の中心を中心とする円上に複数の孔が設けられており、
    前記隔膜と前記板状部材とは、前記隔膜と前記板状部材とを結合させる部材が前記孔に設けられることにより、一体化している
    請求項記載の圧力検知装置。
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