JP4731958B2 - 浄水フィルター - Google Patents

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本発明は、飲料のための水を浄化する浄水フィルターに関し、より詳しくは、水に含まれている硝酸性窒素成分を除去するのに適した家庭用の浄水器用カートリッジ、浄水器などに適用される浄水フィルターに関するものである。
近年、多くの一般家庭には水道水が普及しているが、カルキ臭等の問題があるので、今でも飲料水として井戸水が好んで用いられる場合がある。しかしながら、井戸水には、硝酸イオンが含有されているために飲料水として適しないものもある。硝酸イオン成分の除去には、通常大規模な処理施設が必要である。このような施設を持つことのできない家庭用のために、硝酸イオン成分が除去できるタイプの小型の浄水器やそのような浄水器に用いる浄水器用カートリッジ、モジュール等が検討されている。例えば特許文献1及び特許文献2では、塩化物イオン型の強塩基性陰イオン交換樹脂と活性炭を用いて硝酸イオン成分除去の方法が開示されている。
特開平9−38642公報 特開平9−47761公報
しかしながら、硝酸性窒素を含む水は、同時に硫酸イオン成分を含んでいる場合も多い。このような硝酸性窒素と硫酸イオン成分を含む水を、陰イオン交換樹脂にて除去しようとしても、陰イオン交換樹脂のイオン選択性はOH <HSiO3 <HCO3 <Cl<NO3 <SO4 2−の順で保持されやすくなるため、硝酸性窒素と硫酸イオンが共存した場合、硫酸イオンを優先的に交換してしまう。このため破過点(浄水フィルターとしての浄水能力が急激に低下する点)に達するまでの浄水処理量が少なくなり、その結果、イオン交換樹脂の再生または交換の頻度が増加するという問題があった。
また、水に含まれる硝酸性窒素を除去したことにより、硝酸イオンを交換イオンとして保持している陰イオン交換樹脂では、硫酸イオン成分を含む水をその後に浄水しようとした場合、水に含まれる硫酸イオンとイオン交換樹脂に保持されている硝酸イオンとが交換されてしまい、一旦除去された硝酸イオンが再び水中に戻されてしまう。このことにより、陰イオン交換樹脂を用いた浄水器を通すことにより、かえって水中の硝酸性窒素の含有量が増加する場合があった。
かかる現状の問題点を鑑み、本発明では、硝酸性窒素とともに硫酸イオン成分を含有する水を浄水処理する場合においても、好適に硝酸性窒素成分を除去できる浄水器用カートリッジ、浄水器及び浄水方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、上述の課題を、下記手段を用いて解決した。
すなわち本発明は、
水が流入する第一の浄水フィルターと、この第一の浄水フィルターを通過した水が通過し流出する第二の浄水フィルターを備え、前記第一のフィルターと前記第二のフィルターはセパレーターにて分離されており、
前記第一の浄水フィルターがカルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂を有し、
前記第二の浄水フィルターが陰イオン交換樹脂を有してなる浄水フィルターである。
なお、前記セパレーターの表面には銀が担持されていることが好ましい。そして、より好ましくは、前記セパレーターの表面が銀コーティングされたものであるか、銀含有繊維からなる網状部分を有するものである。
また、前記第一の浄水フィルターとして用いる陽イオン交換樹脂のイオン交換基がイミノジ酢酸基であれば更に好ましい。
また本発明は、カルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂を用いて、原水中に含まれる陽イオンと前記カルシウムイオンとを交換させ、前記原水に含有している硫酸イオンを、前記カルシウムイオンとの反応で生成する硫酸カルシウムとして除去した後に、陰イオン交換樹脂を用いて、原水に含有している硝酸性窒素を取り除く浄水方法を採用することができる。
本発明は、上記により、水に含まれる硝酸性窒素の除去に先立って、硫酸イオンを除去できるため、その後の硝酸性窒素除去を効率的に行うことができる。また、硝酸性窒素除去のために用いる陰イオン交換樹脂の浄水処理能力を向上させることができる。
また、硝酸性窒素の除去を行うことにより、浄水中に雑菌が繁殖することを抑制する効果を与えることもできる。すなわち、一般にバクテリアの生存及び繁殖には、炭素化合物、窒素化合物及びリン化合物の存在がいずれもが必須成分である。本発明の浄水器用カートリッジ、浄水器または浄水方法では、上記化合物のうち窒素化合物を除去することができるので、バクテリアが増殖できず、上記効果を奏するものである。
また、硝酸性窒素除去の浄水処理をする場合、陰イオン交換樹脂だけによる浄水処理の場合では、特に浄水処理開始直後に得られる浄水が、pHがおよそ6.0〜6.5の弱酸性になりやすい。この点、本発明の浄水器用カートリッジ、浄水器または浄水方法では、カルシウムを交換イオンとする陽イオン交換樹脂の浄水フィルターを設けることで、pHを約7.0〜7.5の中性〜弱アルカリ性に保つことができ、浄水処理当初から、おいしい水を提供することができる。
また、第一の浄水フィルターと前記第二の浄水フィルターの間にセパレーターを設けることで、両フィルターの構成内容物が混合して接触することがない。このため、第一の浄水フィルターの交換イオンであるカルシウムイオンと、第二の浄水フィルターに交換イオンとして保持されている陰イオンとが接触し、反応することにより生じる塩の発生を抑えることができる。
更に、前記前記セパレーターを、その表面が銀コーティングされたものとするか、銀含有繊維からなる網状部分を有しているものとすることにより、イオン交換樹脂内の雑菌の繁殖を防ぐことができ、浄水への雑菌の混入を抑えることができる。
また、前記陽イオン交換樹脂のイオン交換基がイミノジ酢酸基を有するものであれば、カルシウムイオンを保持するのに適しているので、本発明の浄水効果を更に効率的なものとすることができる。
本発明の浄水フィルターは、浄水器用カートリッジやこれを取り付けた浄水器に適用することができる。
例えば、カートリッジ内部に水を流入させる流入口と、カートリッジ内部の水を外部に流出させる流出口と、カートリッジ内部に設けられた浄水フィルターとを少なくとも有し、前記流入口からカートリッジ内部に流入した水が、前記浄水フィルターを通過して浄化され、浄化された水が前記流出口からカートリッジ外部に流出される浄水器用カートリッジであって、
前記浄水フィルターは、少なくともカルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂を有してなる第一の浄水フィルターと、陰イオン交換樹脂を有してなる第二の浄水フィルターとからなり、前記第一のフィルターと前記第二のフィルターはセパレーターにて分離されており、前記第一及び第二の浄水フィルターは、前記流入口から流入した水が、前記第一の浄水フィルターを通過した後に前記第二の浄水フィルターを通過するように配置されている浄水器用カートリッジとして使用することができる。
また例えば、浄水器内部に水を流入させる流入口と、浄水器内部の水を外部に流出させる流出口と、浄水器内部に設けられた浄水フィルターとを少なくとも有し、前記流入口から浄水器内部に流入した水が、前記浄水フィルターを通過して浄化され、浄化された水が前記液体流出口から浄水器外部に流出される浄水器であって、前記浄水フィルターが、少なくともカルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂を有してなる第一の浄水フィルターと、陰イオン交換樹脂を有してなる第二の浄水フィルターとからなり、前記第一のフィルターと前記第二のフィルターはセパレーターにて分離されており、前記第一及び第二の浄水フィルターは、前記流入口から流入した水が、前記第一の浄水フィルターを通過した後に前記第二の浄水フィルターを通過するように配置されている浄水器とすることも使用することができる。
以下、図を用いて本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の浄水フィルターを浄水器用カートリッジ適用した例を示す模式的な垂直断面図である。
本発明の浄水器用カートリッジ1の基本的な構造は、カートリッジ内部に水を流入させる流入口2と、カートリッジ内部の水を外部に流出させる流出口3と、カートリッジ内部に設けられた浄水フィルター4とを少なくとも有し、流入口2からカートリッジ内部に流入した水が、前記浄水フィルター4を通過して浄化され、浄化された水が流出口3からカートリッジ外部に流出されるタイプの浄水器用カートリッジ1である。カートリッジ内部への水の流入方法は、水道圧または外部の電気的な作用によって水圧を与えることにより流入させてもよいし、また処理する水を流入口2に誘導し、その水の自重によって流入させてもよい。水の自重によってカートリッジ内部に流入させ、内部の浄水フィルター4を通過させるタイプの浄水器用カートリッジ1の場合、重力を利用するため、流入口2を上方に、流出口3を下方に位置させる必要がある。
本発明の浄水器用カートリッジ1は、上記構成を有しておれば他の有用な構成要素を設けてもよい。また浄水フィルター4は、複数からなってもよい。後述するように、本発明の浄水器用カートリッジでは、浄水フィルター4は、陽イオン交換樹脂からなる第一の浄水フィルター41と陰イオン交換樹脂からなる第二の浄水フィルター42とからなるものである。またこの他に、例えば、活性炭からなる第三の浄水フィルターなどを設けることもできる。
(第一の浄水フィルター)
本発明の第一の浄水フィルター41は、カルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂を有してなるものである。カルシウムイオンを交換イオンとして有している交換樹脂を用いることで、硫酸イオン成分を含む水が第一の浄水フィルター41を通過した際に、当該硫酸イオンとカルシウムイオンが反応し、難水溶性の塩である硫酸カルシウムを生成することにより、当該水に含まれている硫酸イオン成分を除去できるからである。
本発明における陽イオン交換樹脂には、交換イオンとしてカルシウムイオンを保持している陽イオン交換樹脂であれば、その母体構造は、特に制限されるものではなく、公知の樹脂で構成することができる。具体的には、スチレン系、アクリル系、メタクリル系等の樹脂を例示することができる。また本発明における陽イオン交換樹脂のイオン交換基も、公知の官能基で構成することができる。具体的には、強酸性の官能基であるスルホン酸基や、弱酸性の官能基であるカルボン酸を挙げる事ができる。ただし、様々なイオン交換基について検討した結果、イミノジ酢酸基を交換基とする陽イオン交換樹脂が、特にカルシウムイオン保持に適していることが分ったので、好適な陽イオン交換樹脂として、イミノジ酢酸基官をイオン交換基とする陽イオン交換樹脂を挙げることができる。
本発明に用いる陽イオン交換樹脂は、その一部が、カルシウムイオンを交換イオンであればよく、樹脂の別の一部のイオン交換基に、例えば水素イオンやナトリウムイオンを交換イオンとして有しているイオン交換樹脂であっても良い。また、例えば水素イオンやナトリウムイオンを交換イオンとして有している別の陽イオン交換樹脂と混合して用いてもよい。さらに、例えばカルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂と活性炭との混合物を本発明の第一のフィルター41とすることもできる。
(第二の浄水フィルター)
本発明の第二の浄水フィルター42は、陰イオン交換樹脂を有してなるものである。この陰イオン交換樹脂により、水に含まれる硝酸性窒素を取り除くためである。本発明の陰イオン交換樹脂が有する交換イオンとしては、イオン選択性が硝酸イオンより小さいものを用いればよい。具体的には、塩素イオンや水酸イオンなどを挙げることができる。また陰イオン交換樹脂の母体構造は、陽イオン交換樹脂の場合と同じく、スチレン系、アクリル系、メタクリル系の樹脂等の公知のもので構成することができる。また、イオン交換基は公知の官能基で構成することができる。具体的には、第四級アンモニウム基の形を有するアンモニウム誘導体基を挙げることができる。また特に硝酸イオンの捕獲に適したキレート型のイオン交換基とすることもできる。
本発明の浄水フィルター4の部位は、水がその部位を通過する際に、イオン交換樹脂等と接触することで、水の浄化が行われる部位である。従って当該部位を構成するイオン交換樹脂は、水の流れをできるだけ乱すことなく、かつ水との接触面積を大きくすることができる形状とすることが好ましい。このため浄水フィルター4を用いるイオン交換樹脂は、球形状粒子の集合体とすることが好ましく、またその平均粒子径は0.3〜1.5mmとすることが好ましい。
(セパレーター)
本発明では、前記第一の浄水フィルター41と前記第二の浄水フィルター42の間に、セパレーター5を設けることができる。両浄水フィルターの間にセパレーター5を設けることにより、第一の浄水フィルター41を構成する陽イオン交換樹脂と第二の浄水フィルター42を構成する陰イオン交換樹脂の混合が防止できるからである。セパレーター5の材料としては、セルロース系、縮合系、無機系の材料などを用いることができる。具体的には、セルロース系の材料として、一酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、木綿、重合系構成部材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレイト、ポリメタアクリレート、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(登録商標)、ポリビニルアルコール、縮合系の材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾキサジンジオン、ポリベンゾイミダゾロン、ポリエステル、無機系の材料としては、グラスファイバー、セラミック、金属等の材料を挙げることができる。これらの材料で多孔性の支持体もしくは不織布とし本発明におけるセパレーター5の網部分とすることができる。またセパレーター5としての形状保持のため、網部分の周囲に当該網部分を保持する枠体を設けてもよい。
また、本発明におけるセパレーター5は、その表面が銀コーティングされているか或いは網部分が銀含有繊維によりなるセパレーター5とすることで、殺菌能力を持たせたものとすることもできる。イオン交換樹脂は元来雑菌の繁殖しやすい性質を有している。特に本発明では、処理水量が増えると、陰イオン交換樹脂は原水より捕捉された硝酸性窒素を多く含むので、更に雑菌が繁殖しやすい環境にある。このようなイオン交換樹脂を効率的に殺菌するため、陰イオン交換樹脂にも陽イオン交換樹脂にも接しているセパレーター5に銀コーティング等の処理を行い、イオン交換樹脂の制菌部材として用いることもできる。表面が銀コーティングされたセパレーター5とするには、前記網部分に銀ペーストの塗布、銀メッキ若しくは銀の蒸着することで作製することができる。一方、網部分が銀含有繊維からなるセパレーター5とするには、銀含有の繊維を用いて不織布等を織り上げて、網部分とすることで作製することができる。
(網状フィルター)
また、流入口2、流出口3またはこれらの近傍に網状フィルター6を設けることもできる。図1には、流入口2の下方近傍に上部網状フィルター61を、流出口3の上方近傍に下部網状フィルター62を設けた例を図示している。当該網状フィルター6は、浄水フィルター4を構成する内容物がカートリッジの外部にこぼれ落ちないようするためのものであるから、前記内容物の漏出を防止し、液体を通過させるものであれば制限なく用いることができる。具体的には、上記セパレーター5の欄で説明した材料であれば、網状フィルター6としても同様に用いることができる。
(浄水方法)
本発明においては、硝酸性窒素と硫酸イオン成分をともに含有する水を浄化するに際して、まず、カルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂を用いて、原水中に含まれる陽イオンと前記カルシウムイオンとを交換させ、前記原水に含有している硫酸イオンを、前記カルシウムイオンとの反応で生成する難溶性の硫酸カルシウムとして除去する。次に、硫酸イオンが除去された水に対して、陰イオン交換樹脂を用いて、前記水に含有している硝酸性窒素を取り除く。かかる方法で原水中の硝酸性窒素を除去することで、陰イオン交換樹脂は、硝酸性窒素を効率的に取り除くことができ、また破過点に達するまでの処理水量を大きくすることができる。本発明では、上記のような浄水原理を利用するものであるから、浄水器用カートリッジ1に用いる場合には、前記第一及び第二の浄水フィルター4は、前記流入口2から流入した水が、前記第一の浄水フィルター41を通過した後に、前記第二の浄水フィルター42を通過するように配置しなければならない。陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との好適な割合は、処理する水に含まれる硫酸イオンと硝酸性窒素の割合や、用いる樹脂の性質等により異なるが、一般に日本の平均的な場所での浄水に用いる場合、陽イオン交換樹脂量1に対して、陰イオン交換樹脂量は0.5〜5程度であることが好ましい。
(浄水器)
以上、本発明につき、浄水器用カートリッジ1の場合を例に説明した。本発明の浄水器用カートリッジ1を取り付けて使用するタイプの浄水器では、浄水フィルター4の浄水処理能力が低下した際に、浄水器全部を取り替えなくても、カートリッジ部分のみ取り替えることで、再利用できるという利点がある。また製造元等の専門の業者が使用済みカートリッジを回収すれば、その回収したカートリッジに含まれるイオン交換樹脂を、専門的に再生することができるという利点がある。しかし、例えば水道の蛇口に直結させるタイプの浄水器などに見られるように、浄水フィルター4自体が浄水器のほとんどの構成という小型タイプのものもある。このような浄水器では、カートリッジタイプにする利点があまりない。本発明では、そのような小型タイプの浄水器にも応用でき、上記浄水器用カートリッジとして説明した構成を少なくとも有する浄水器とすれば、本発明の効果を奏することができる。
本発明の浄水器用カートリッジ1の硝酸性窒素除去効果を確認すべく、下記実験を行った。
(実施例1)
陽イオン交換樹脂としてカルシウムイオンを交換イオンとして有し、イミノジ酢酸基をイオン交換基とするスチレン・ジビニルベンゼン共重合物を用いた。一方、陰イオン交換樹脂として塩素イオンを交換イオンとして有し、トリアルキル4級アンモニウム基をイオン交換基とするスチレン・ジビニルベンゼン共重合物である商品名「アイオナック(登録商標)SR−7」(Bayer Chemicals社製)。カートリッジの底部にイオン交換樹脂がこぼれないように、下部網状フィルター62を張った流出口3を有するカートリッジ容器と、上部に同様の上部網状フィルター61を張った流入口2を有するカートリッジ蓋とからなるカートリッジ筐体の内部に上記のイオン交換樹脂等を入れた。まず、上記の陰イオン交換樹脂100mLをカートリッジ容器に入れて第二の浄水フィルター42とした。次に、セパレーター5を入れて、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂が混ざらないようにした。次に上記の陽イオン交換樹脂を20mL入れて、第一の浄水フィルター42とした。これらを入れ終わってから、カートリッジ蓋を閉じて内容物がこぼれ落ちないようにした。
(比較例1)
実施例1において、前記陽イオン交換樹脂を有する第一の浄水フィルターを設けなかった点のみ相違するカートリッジを作製した。これを比較例1のカートリッジとする。
(硝酸性窒素除去試験)
(試験1)
上記実施例1及び比較例1のカートリッジの流入口2から、硝酸性窒素濃度3ppm、硫酸イオン濃度15ppmの水をカートリッジ内部に流入した。カートリッジ内部の浄水フィルター4を通過して流出口3から流出した水について、その処理量(カートリッジ内部の水通過量)ごとの残存硝酸性窒素濃度の変化を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004731958
(試験2)
上記実施例1及び比較例1のカートリッジの流入口2から、硝酸性窒素濃度3ppm、硫酸イオン濃度35ppmの水をカートリッジ内部に流入した。カートリッジ内部の浄水フィルター4を通過して流出口3から流出した水について、その処理量ごとの残存硝酸性窒素濃度の変化を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004731958
表1〜2より、実施例1は、比較例1よりも浄水として得られた残存硝酸性窒素濃度が、処理水量〜200Lまでのいずれの量においても、比較例1よりも低値であることがわかる。すなわち本発明の浄水器用カートリッジは、陰イオン交換樹脂のみを浄水フィルターとしたものよりも効率的に硝酸性窒素を除去することが分かった。
本発明は、水に含有されている硝酸性窒素を除去する用途に利用することができる。例えば浄水器用カートリッジや浄水器に適用することができる。なかでも小規模な家庭用としての利用可能性が大きい。また本発明の浄水方法は、上記浄水器用カートリッジや浄水器として構成しない場合であっても、当該方法によれば浄水に用いる陰イオン交換樹脂の交換または再生の頻度を少なくすることができるので、コストを抑えて硝酸性窒素を取り除く方法として利用できる。
本発明の浄水器カートリッジの垂直断面の模式図である。
符号の説明
1 浄水器用カートリッジ
2 流入口
3 流出口
4 浄水フィルター
41 第一の浄水フィルター
42 第二の浄水フィルター
5 セパレーター
6 網状フィルター
61 上部網状フィルター
62 下部網状フィルター

Claims (5)

  1. 硝酸性窒素と硫酸イオン成分をともに含有する水が流入する第一の浄水フィルターと、この第一の浄水フィルターを通過した硝酸性窒素を含む水が通過し流出する第二の浄水フィルターを備え、
    前記第一のフィルターと前記第二のフィルターはセパレーターにて分離されており、
    前記第一の浄水フィルターがカルシウムイオンを交換イオンとして有し、前記カルシウムイオンと硫酸イオンとの反応で生成する硫酸カルシウムとして除去する陽イオン交換樹脂を有し、
    前記第二の浄水フィルターが硝酸性窒素を取り除く陰イオン交換樹脂を有してなる浄水フィルター。
  2. 前記セパレーターは、その表面に銀が担持されたものである請求項1記載の浄水フィルター。
  3. 前記セパレーターは、銀含有繊維からなる網状部分を有している請求項1記載の浄水フィルター。
  4. 前記第一の浄水フィルターとして用いる陽イオン交換樹脂のイオン交換基がイミノジ酢酸基である請求項1〜3のいずれかの項に記載された浄水フィルター。
  5. 硝酸性窒素と硫酸イオン成分をともに含有する原水の浄水方法であって、
    カルシウムイオンを交換イオンとして有する陽イオン交換樹脂を用いて、原水中に含まれる陽イオンと前記カルシウムイオンとを交換させ、
    前記原水に含有している硫酸イオンを、前記カルシウムイオンとの反応で生成する硫酸カルシウムとして除去した後に、
    陰イオン交換樹脂を用いて、原水に含有している硝酸性窒素を取り除き、
    pHを約7.0〜7.5の水とした浄水方法。
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