JP4730494B2 - 塩素系廃棄物からの塩化水素回収方法及びその用途 - Google Patents

塩素系廃棄物からの塩化水素回収方法及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素系廃棄物から塩化水素を回収する方法に関し、詳しくはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、クロロプレンゴム等の塩素系固形廃棄物や塩化ビニルモノマー、ジクロロブテン、クロルベンゼン等の製造プラントから排出される塩素系有機廃液といった有機塩素化合物を含む塩素系廃棄物を燃焼し、これより発生する酸性ガスより高品質の塩化水素を回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機塩素化合物は、安定で劣化が少ない等の多くの優れた物性を有し、また、入手し易く経済的であることから、ポリ塩化ビニルを代表として世界的に大量に使用されている。しかし、同時に使用済材料が多量発生し、また、製造時に塩素系有機廃液も発生する。このため、環境保全、資源の有効活用の面から、これら廃棄物の処理技術が各方面から要望され、これまで数多く提案されてきた。
【0003】
例えば、特開平08−267049号公報には、塩素系高分子化合物を含む廃棄物を加熱処理し、生成する塩化水素ガスを水に吸収、そして水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムのアルカリ剤で中和、次に水分を蒸発させて塩化物を得る方法を開示している。この技術は、比較的シンプルで塩化水素の無害化も可能である。しかしながら、有用なアルカリ剤を塩化水素の中和に多量使用し、水分の蒸発に多くのエネルギーを消費しているため、経済的でなく、また、回収物は塩化物であるため、その付加価値は高くなかった。
【0004】
特開平11−286687号公報には、塩素含有プラスチックを熱分解して炭化物と塩化水素ガスを得る方法が開示されている。この方法は、廃棄物中の炭素成分を炭化物としてセメント等の燃料に、塩素成分は塩化水素としてエチレンと塩酸のオキシクロリネーション反応の原料に使用できると示されており、合理的である。しかしながら、熱分解時の脱塩素処理は完全ではなく、一部の塩素が炭化物に残存し、その利用時には発生する塩素による材質腐食、製品汚染、排ガスへの移行等が懸念され、また、回収する塩化水素ガスには、炭化物に由来する浮遊塵芥、一酸化炭素、炭酸ガス、亜硫酸ガスや、場合によっては塩素ガス等の夾雑ガス成分が存在し、その精製除去が必要となることがあった。
【0005】
特開平11−158319号公報は、ポリ塩化ビニルと可塑剤を含む廃プラスチックを加熱して有機固形物と塩化水素ガスを得、得られた塩化水素ガスの精製に、これを冷却して可塑剤を分離し、水に吸収させて塩酸とし、次に活性炭で塩酸中の有機成分を吸着除去する方法を開示している。この方法では、塩酸の品質はかなり向上し、その用途も広がる。しかしながら、活性炭を多く必要とし、その再生も困難となることから、経済的でなく、また、無機物や親水性の低分子量有機物の活性炭吸着容量は小さく、そのため得られる塩酸の品質は十分とは言えなかった。また、有機固形物は燃料として利用するとされているが塩素分を含むので使用時にはその精製除去が必要となることがあった。
【0006】
特開平11−080746号公報には、ポリ塩化ビニルを含有する廃プラスチックを熱分解し、固体又は液体燃料と塩化水素ガスを得、得られた塩化水素ガスは水に吸収して塩酸とし、これに過酸化水素を添加して有機物を分解除去し、高純度の塩酸を回収する方法を開示している。しかしながら、過酸化水素による有機物の酸化分解は、高分子量有機物に対してはその効果は薄く、また、無機物の除去作用はあまり望めなかった。さらに過酸化水素の費用、過酸化水素の酸化による塩素ガスの発生が考えられ、塩酸品質上十分とは言えなかった。
【0007】
塩素系廃棄物の燃焼で対処すべき着目成分は塩素ガスである。この濃度は燃焼条件によって異なるが、発生する塩素ガスは装置の腐食に関係しており、この対策として、特開平6−180104号公報には、塩素含有燃料の燃焼ガスに亜硫酸ガスを注入して、装置の腐食を防止する方法を開示している。しかしながら、この方法は装置の腐食対策には効果的であるが、未反応の亜硫酸ガスや反応生成した硫酸ミストが塩化水素ガスに随伴し、水に吸収され、硫酸や亜硫酸となり、塩酸品質の低下をもたらしてしまう。また、未反応の亜硫酸ガスは水への吸収効率が低く、吸収装置から排ガスに移行し、大気汚染をもたらす恐れがある。また、本公報には塩化水素ガス、塩酸の精製については示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の技術は、いずれも塩素系廃棄物を加熱処理して廃棄物中の塩素分を塩化水素ガスとする方法である。塩化水素はアルカリの中和剤、オキシクロリネーション法による塩化ビニルモノマー製造のための原料、鉄鋼の酸洗浄剤、電気・半導体関連のエッチング剤等幅広い分野で大量に使用される重要な基礎化学原料である。
【0009】
この塩化水素の利用範囲を広げその付加価値を高めるには、品質向上が不可欠である。しかしながら、塩素系廃棄物の加熱において発生するガス成分は、燃焼によって生成する水(H2O)や炭酸ガス(CO2)以外に、燃焼条件によってその濃度は異なるが、一酸化炭素(CO)、イオウ酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、塩素(Cl2)、揮発性有機物、さらには浮遊塵芥等が含まれる。従って、燃焼によって生成する塩化水素ガスから夾雑物が実質的に含まれない高品質の塩化水素を得るには、これら夾雑物を効果的・効率的に除去する必要がある。この点に対して、前述した従来の技術はいずれも満足できるものではない。
【0010】
本発明の目的は、従来技術のもつ課題を克服し、塩素系廃棄物の燃焼において生成する塩化水素ガスから、合理的に経済性よく高品質の塩化水素、殊に二塩化エタンや塩化ビニルモノマー製造のオキシクロリネーション反応の原料に供する品位まで高めた塩化水素を回収する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、これら従来技術の問題点を解決すべく、塩素系廃棄物の燃焼によって生成する塩化水素ガスの処理方法について鋭意検討した。
【0012】
その結果、1)燃焼して生成する酸性ガス中の塩化水素ガスを一旦水に吸収させ粗塩化水素水溶液を得ること、2)還元剤を添加して粗塩化水素水溶液の酸化還元電位を900mV以下となるような還元雰囲気にすること、3)そして、粗塩化水素水溶液を蒸留して精製塩化水素ガスを得ること、により燃焼ガス中の夾雑成分を効果的に除去でき、高品質の塩化水素を回収でき、このような高品位の塩化水素を二塩化エタンや塩化ビニルモノマー製造のオキシクロリネーション反応の原料に供しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、塩素系廃棄物を燃焼させて得た酸性ガスに水と還元剤を加え反応させて、酸化還元電位が900mV以下である粗塩化水素水溶液を得、次いで当該粗塩化水素水溶液を蒸留して精製塩化水素ガスを得ることを特徴とする塩素系廃棄物からの塩化水素回収方法である。
【0014】
以下本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明における塩素系廃棄物とは、特に制限はなく、公知の塩素含有固形状廃棄物や、塩素含有有機廃液などの塩素含有液状廃棄物が主な対象となる。例えば、固形状廃棄物はポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴム等の塩素含有高分子化合物などが挙げられ、液状廃棄物はエチレンジクロライド、塩化ビニルモノマー、ジクロロブテン、クロルベンゼン、ベンジルクロライド、クロルヒドリン等の製造プラントの主に蒸留工程から排出される廃液などが挙げられる。
【0016】
固形状廃棄物の形状としては、不定形、塊状、シート状、板状、パイプ状、棒状等いずれも適用できるが、燃焼させる前に、切断、粉砕等の手段により小片化して供給するか、または液状廃棄物と混合して、スラリー状で供給するのが好ましい。小片化する場合には、固形状廃棄物の大きさを1〜50mm程度まで、さらには2〜5mmまで小片化することが好ましく、このことにより操作性よく燃焼に供することができる。液状廃棄物はそのままでも、また、重油、ケロシン等の燃料と混合して燃焼に供してもよい。
【0017】
本発明の方法においては、上記の塩素系廃棄物を燃焼させる。燃焼に用いられる燃焼装置は特に制限はなく、ロータリーキルン方式、流動床方式、竪型気流焼却炉、横型気流燃焼炉等、いずれも好適に使用できる。これらの内でも、固形状廃棄物を完全に燃焼させる場合には竪型気流焼却炉、流動床方式が、固形状廃棄物を熱分解して燃料としての炭化物を得る場合にはロータリーキルン方式が、液状廃棄物を燃焼させる場合には横型焼却炉が好ましい装置として挙げることができる。
【0018】
燃焼させる際の条件としては、焼却する場合、空気又は酸素の供給を十分行い、燃焼ガス中の酸素濃度を通常2〜15容積%とするとよく、炭化物を得る場合には、間接加熱か加熱窒素により燃焼させるか、あるいは空気や酸素を不足気味にして部分燃焼させるとよい。燃焼時の温度は、廃棄物の分解温度、炭化物の取得の有無で異なり、一概には言えないが、廃棄物がポリ塩化ビニルであってこれより炭化物を得る場合には250〜350℃の範囲が一般的である。また、塩化ビニルモノマープラントから排出される塩素系廃液を焼却する場合には500〜1500℃の範囲が一般的である。
【0019】
燃焼によって得られる酸性ガスには、塩化水素の外にCO、CO2、SOx、そして酸化性ガスであるCl2やNOx等も含まれ、また、水蒸気や空気由来のN2、O2、そして揮発性有機物、さらに微細な粉状の炭化物、無機化合物等の浮遊塵芥物が含まれる。これらの成分の組成は、原料の塩素系廃棄物の種類、示燃剤の空気や酸素の量、燃焼温度、燃焼時間等によって異なり、一宜的に組成を限定できない。通常、酸素濃度が高く、また、高温ではCl2やNOxの濃度が増し、CO、ガス状の有機化合物、炭化物の濃度が減少し、酸素濃度が低く、低温ではその逆になる。
【0020】
この酸性ガスは、そのまま水と接触させ塩化水素を水に吸収させてもよいが、その前に還元剤を添加して、酸性ガス成分を還元してもよい。
【0021】
用いられる還元剤としては、高温雰囲気でガス化する化合物が好ましく、アンモニア、尿素、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アルカノールアミン、エチレンアミン類等の窒素系化合物、蟻酸、シュウ酸、エチレングリコール、グルコース等の含酸素炭化水素化合物、硫化水素、亜硫酸、SO2ガス等のイオウ系化合物、及びH2ガスが挙げられる。これらの内でも窒素系化合物は、酸化性ガスを容易に還元除去できるために好ましく用いられる。これら還元剤は1種単独であっても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
用いられる還元剤の添加量としては、酸化性ガス成分を還元するに足りる量でよく、これは、還元剤を添加した酸性ガスを水と接触させて塩化水素を吸収させて得られる粗塩化水素水溶液の酸化還元電位で判断でき、900mV以下であることが好ましい。電位がこの範囲となっておれば、酸化性ガス成分は実質上全て還元できる。さらに、還元剤を該塩化水素水溶液の酸化還元電位が600〜850mV、さらには650〜800mVの範囲になる量を添加することが好ましい。但し、酸性ガスに直接還元剤を添加する場合、高温であることから過剰の酸素によって還元剤の一部が消費されるのでその効率は高くならないことがある。そのため、酸性ガスとの接触効率を高くして、短時間の内に酸化還元反応を進めるために、スプレーノズル等でそのままあるいは水溶液にして噴霧したり、また、ガス状にして導入するとよい。
【0023】
この酸化還元電位の測定そして調節は本発明の重要な骨子の一つでもある。この操作をより効果的にかつ効率的に行うためには、酸化還元電位を自動的に調節できる手段により行うことが好ましい。その手段を具体的に示せば、還元剤の添加量を制御するために、送液ポンプによる送液量の調節や電磁弁の開閉制御といった制御手段を備えた自動調節計を用い、これにより還元剤添加量のシークエンス制御を自動的に、また、連続的に行え、添加量の好適なより狭い範囲で制御できる。その結果、酸化物質の還元を確実に、再現性よく行え、品質のよい粗塩化水素水溶液を安定して製造できると共に、還元剤の必要量も最小限にできる。尚、この酸化還元電位自動調節手段は市販品を用いることもでき、また、既存のポンプや電磁弁などの調節手段に適切な制御系を備えた制御手段を組合せることでもよい。
【0024】
酸化還元電位は、市販の測定装置及び電極よって容易に測定できる。尚、この値は測定温度、用いられる電極により異なるため、本発明では、実施例にも示されるように、測定温度25℃で白金電極と飽和塩化銀電極を用いて測定した場合には、得られる測定値に飽和塩化銀電極の単極電位199mVを加えた値を酸化還元電位として示される。
【0025】
次に本発明においては、塩素系廃棄物を燃焼させて得た酸性ガス、あるいは上記したようにこの酸性ガスに還元剤が添加されているガスを、水と接触させ粗塩化水素水溶液を得るが、その前に、洗浄塔を設け、水又は塩酸で洗浄して燃焼工程からの炭化物や無機物等の塵芥物を除去してもよい。
【0026】
酸性ガスや還元剤が添加されているガスと水との接触は、一般に用いられている気液接触装置が好適に使用できる。例えば、充填塔方式、棚段塔方式、スプレー塔方式、エジェクター方式、気泡塔方式等が挙げられる。本発明においては、ガスと水との接触効率を高める工夫、温度を下げる工夫がなされ、ガス中の塩化水素は水に吸収されて粗塩化水素水溶液が得られる。ガスと水は向流接触するのが塩化水素ガスの吸収効率を高める面から好ましく、前記充填塔方式、棚段塔方式、スプレー塔方式で容易に実施できる。
【0027】
ガスと水とを接触させる際、ガス/液比(容積比)はガスの組成、吸収装置形式によって異なるが、通常10〜2000となることが好ましく、接触時の液温はガスの水への吸収速度や過度の冷却を必要としないといった実用上の観点から、30〜100℃の範囲とすることが好ましい。この範囲にあれば、塩化水素を含むガスの水への吸収効率は高く、また、装置をコンパクトにできる。
【0028】
さらに、この塩化水素を含むガスの水への吸収において、得られた粗塩化水素水溶液の一部を吸収工程へ循環することで、最終的に高濃度の粗塩化水素水溶液が得られ、より好ましい方法となる。また、この塩化水素を含むガスの水への吸収工程で還元剤を添加することもできる。
【0029】
用いられる還元剤としては、酸化性ガス成分、特にCl2を還元できる化合物であればよく、特に制限されないが、還元効率が高く、入手容易な還元剤が好ましい。
【0030】
このような還元剤をさらに具体的に示せば、まず、硫化物、水硫化物、イオウ、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、亜硫酸ガス等のイオウ系化合物を挙げることができ、これら塩のカチオンはプロトン以外にも、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム等であっても差し支えない。これらのイオウ系化合物の内、より好ましい還元剤としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩であり、還元途中イオウ等の固型物の生成がほとんどなく、操作がより容易になる。
【0031】
また、還元剤として、アンモニア、尿素、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アルカノールアミン、エチレンアミン類等の窒素系化合物、蟻酸、シュウ酸、グルコース等の含酸素炭化水素化合物なども挙げることができ、これらは前記特徴に加え、還元生成物が粗塩化水素水溶液に残留しないという効果も有している。これらの内でも窒素系化合物が好ましく、さらにはアンモニア、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アルカノールアミン、そしてエチレンアミン類の中で分子量が小さいエチレンジアミンやジエチレントリアミンが好ましく用いられる。
【0032】
以上に例示される還元剤は、1種単独のみならず、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
還元剤を添加する場合、塩化水素を含むガスと接触する水に添加しても、得られる粗塩化水素水溶液に添加しても、また、塩化水素ガスの吸収のために循環される粗塩化水素水溶液に添加してもよい。
【0034】
この内、循環される粗塩化水素水溶液に還元剤を添加する場合には、酸化還元反応によって生成する揮発性の成分、例えば窒素系化合物を還元剤とした場合に生じるN2、クロラミン、CO2は、排ガスに同伴して除去されるのでより好ましい方法となる。排ガスは必要あればアルカリ水溶液等で洗浄される。
【0035】
また、還元剤はそのままでも、あるいは水溶液として添加してもよい。その添加量は、還元剤を添加された後の粗塩化水素水溶液の酸化還元電位が900mV以下であることが好ましい。電位がこの範囲となっておれば、粗塩化水素水溶液中の酸化性ガス成分に由来する酸化成分は実質上全て還元できる。さらに、還元剤を塩化水素水溶液の酸化還元電位が600〜850mV、さらには650〜800mVの範囲になる量を添加することが好ましい。この操作は酸化還元電位測定装置等を用いることで還元剤の添加量などを連続的に制御することができる。こうして、実質的に酸化成分を含まない粗塩化水素水溶液が得られ、これは吸収装置から抜き出される。この際に、抜き出し量とほぼ同量の水が新たに導入される。粗塩化水素水溶液の組成としては特に限定されないが、通常、塩化水素濃度10〜30重量%、その外に微量の硝酸、硫酸、有機物、そして浮遊固体が含まれ、Cl2等の酸化成分は実質的に含まれない。
【0036】
次に、このようにして得られた粗塩化水素水溶液を蒸留することで精製塩化水素ガスが得られる。
【0037】
粗塩化水素水溶液は、主成分の塩化水素以外に前述の不純物を多く含み、このままでは塩化水素水溶液(塩酸)として有効に利用できないことがある。これに対し、不純物をろ過や活性炭吸着等により除去することも考えられるが、工程数が増し、実用上不利となる。そこで、本発明においては、粗塩化水素水溶液を蒸留し、不純物が除去され、かつ濃縮された高純度の塩化水素ガスを得るものである。
【0038】
蒸留の際に用いられる蒸留装置としては、通常の充填塔方式、棚段塔方式の蒸留塔など公知の装置を使用できる。その操作は、連続式とすることで、生産性高く、得られる塩化水素ガスの品質も安定しており好ましい。
【0039】
蒸留の際、その操作圧は加圧でも常圧でも、また、減圧でも構わないが、高濃度の塩化水素ガスを得るには加圧蒸留が好ましく、通常0.1〜3MPa、好ましくは0.2〜2MPaの範囲の圧力条件で実施される。蒸留時の釜温度は圧力、粗塩化水素水溶液の塩化水素濃度、不純物濃度等により異なり一概には言えないが、通常70〜200℃の範囲の温度にて行われる。
【0040】
蒸留塔の段数は取得する精製塩化水素ガスの純度、濃度そして粗塩化水素水溶液の組成によって異なるが、通常、理論段数5〜20段である。また、精製塩化水素ガスの一部を冷却・凝縮して還流をかけ純度の向上を図ることもできる。蒸留塔釜液の塩化水素濃度は塩化水素の回収により幾分低下し、5〜20重量%程度となっており、また、不純物は濃縮されており、この一部をパージするのが好ましい。パージされた液は、燃焼工程に戻しても、また、高純度を必要としない廃液等の中和剤として用いてもよい。
【0041】
このようにして得られる精製塩化水素ガスは、液状あるいは固体状の不純物が十分除去されており、主成分の塩化水素以外は実質的に水蒸気となっている。そして、含まれる塩化水素濃度は、前記した操作条件によって異なるが、通常50容積%以上とすることが好ましく、さらに80容積%以上、特に95容積%以上とすることが好ましい。
【0042】
この精製塩化水素ガスは、そのままガスとして利用してもよく、また、純水に吸収させて高純度塩酸として回収・利用してもよい。
【0043】
以上の方法により得られる塩酸は、工業用、食添用、電気・半導体関連のエッチング剤として利用できる品質であるが、その利用範囲を広げ、付加価値を高めるために、少量含まれる水分を除去することが好ましい。水分の除去方法としては、濃硫酸、ゼオライト、シリカゲル、五酸化燐等の脱水剤と接触させる方法があり、本発明の方法により得られる精製塩化水素ガスに対しても適用できるが、工業的により好ましい方法は、精製塩化水素ガスを冷却して水分を凝縮し、これをエリミネーターで除去することである。
【0044】
冷却操作のより具体的な態様として、冷却を1段でも行ってもよいが、2段以上の多段階により行ってもよい。また、冷却エネルギーは増すが、冷却温度は低い程その除湿効果は高くなる。さらに、圧力にもよるが、通常冷却温度は5〜40℃の範囲で行われ、低温では凝縮物の固化に注意が必要である。
【0045】
用いられるエリミネーターは、衝突板方式でもフィラメント方式でもよいが、フィラメント方式は除湿効果が大きく好ましく用いられる。フィラメント方式では、これをランダムに束ねた綿状でも、幾何学的に織り重ねられたものでもよく、圧力損失を下げ、除湿効果を高めるには後者が好ましい。フィラメントはその径が小さい程、また、その表面積が大きい程除湿効果は増すため、フィラメント径は通常5μm〜1mmの範囲が好ましく、入手が容易で除湿効果も高い。
【0046】
フィラメントの材質としては特に限定されないが、精製塩化水素ガスに対して耐食性のあるガラス繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、フッ素樹脂等の有機高分子素材やこれらを金属に樹脂コートしたものが用いられる。特に、本発明の方法により得られる精製塩化水素ガスの場合、Cl2等の酸化性成分が実質的に存在しないため、汎用で経済的に有利なポリエチレン製、ポリ塩化ビニル製等が好適に使用できる。
【0047】
エリミネーターの設置段数としては、1段でもよいが分割して2段以上にしてもよい。また、エリミネーターの設置場所の前かエリミネーターに、少量の水又は塩化水素水溶液をスプレー噴霧してもよい。こうした場合には系内に水が入ることになるが、凝縮物のトラップ効果は大きく、水が入る以上の効果が得られる。
【0048】
除湿後の精製塩化水素ガスは、微量の水分が存在する程度でほぼ純品に近く、その水分濃度は、通常数百ppm以下、さらには数十ppm以下、特に数ppm程度にもできる。この様に水分濃度が低いと鉄等の金属やプラスチックに対する腐食性はほとんどなく、装置材料の選定で有利であり、工業的に有利となる。精製塩化水素ガスの水分測定には、通常、露点計が用いられる。尚、凝縮物(塩化水素水溶液)は、蒸留塔に還流させても、蒸留塔ボトム(底部)に返しても、また、酸性ガスの吸収工程に返してもよい。
【0049】
この精製塩化水素ガスは、このまま二塩化エタン製造のオキシクロリネーション反応や高純度塩化物製造の原料、食品添加物、電気・半導体関連のエッチング剤等として広く、有効に使用することができる。
【0050】
また、除湿後の精製塩化水素ガス中の微量水分を完全に除去する必要がある場合、前述の濃硫酸、ゼオライト、シリカゲル、五酸化燐等の脱水剤と接触させてもよい。この場合には、除去すべき水分は微量であるため、脱水剤の必要量を最小限にでき、経済的であり、工業的である。また、脱水後の精製塩化水素ガスは腐食性がなく、装置材料、運転操作性、取り扱い性の面で有利である。その用途はさらに広がる。
【0051】
本発明の方法で得られる精製塩化水素ガスを、除湿した後、あるいは脱水した後に、コンプレッサー等で圧縮して加圧塩化水素ガスにし、または液化塩化水素にしてもよい。この場合、配管も含めた輸送設備や貯蔵設備をコンパクトにでき工業上極めて効果的である。また、このように加圧塩化水素ガス又は液化塩化水素にすることで、その用途は一層拡大し、ボンベ充填も可能となる。特に、塩化水素を大量に消費する塩化ビニルモノマー製造プラントの二塩化エタン製造のオキシクロリネーション反応への利用は効果的であり、さらに液化塩化水素とすることで極めて大きな効果を得ることができる。この場合、液化塩化水素はその純度が高いため副生成物が抑制できる。
【0052】
用いられる装置材料の材質としては、鉄等の汎用の金属や、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の汎用プラスチック、さらに耐圧面を考慮すればライニングされたものが適用でき、経済性が高い。また、充填や輸送時の圧力は温度によって異なるが、加圧塩化水素ガスでは通常0.2MPa以上、液化塩化水素では通常1MPa以上で操作される。さらに、精製塩化水素ガスを圧縮する際には、大きな熱が発生するので冷却による除熱も必要となる。
【0053】
【実施例】
以下本発明を実施例にてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例および比較例で示す部および%は重量に基づくものである。
(1)酸化還元電位の測定
東亜電波(株)製の酸化還元電位測定装置ODIC−7に酸化還元電位測定用電極をセットし、25℃で測定した。電極は白金電極と飽和塩化銀電極の複合電極(PS8250)を用いた。
(2)O−トリジン法による塩素の定量法
塩化水素水溶液又は塩化水素ガスを純水に吸収させて得た水溶液を一定量サンプリングし、これに5%O−トリジン塩酸水溶液5ml添加して混合、そして純水で一定容量とした。次に、波長438nm、10mmセルで比色定量した。別に次亜塩素酸ナトリウムと試薬特級塩酸で調製した標準液で塩素濃度と吸光度の関係を示す検量線を求めておき、その検量線から試料中の塩素濃度を求めた。尚、次亜塩素酸ナトリウム中の有効塩素濃度を塩素濃度とした。
【0054】
実施例1
二塩化エタン製造プラントからの塩素系有機廃液(C:28%、Cl:58%)をスプレーノズルから空気を圧入して、横型焼却炉に噴霧し、燃焼させた。燃焼ガス、すなわち酸性ガスは水をスプレーすることで急冷し、塩化水素ガス吸収器に導入した。吸収は、10段のガラス製オールダーショー装置を用い連続式で行った。吸収塔最下部に急冷した酸性ガスをフィード、最上部に粗塩化水素水溶液に水を添加して調整した10%塩酸をフィードした。ボトムから塩化水素ガスを吸収した40℃の20%粗塩化水素水液が得られた。この粗塩化水素水溶液は淡黄色を呈し、前記したO−トリジン比色法により測定したところ、Cl2濃度は30ppmであった。また、前記した方法により粗塩化水素水液の酸化還元電位を測定したところ、1150mVであった。
【0055】
次に、得られた粗塩化水素水溶液1000部に対して、1%ヒドラジン水溶液を1.4部添加した。添加と同時に酸化還元電位は急激に低下し、730mVになった。この時、O−トリジン比色法からCl2は認められず検出限界(0.1ppm)以下であった。
【0056】
次に、還元後の粗塩化水素水溶液を理論段8段のガラス製充填物を詰めた蒸留装置で加圧蒸留した。この時、還流器により還流比(R/D)1.0とした。蒸留塔トップから精製塩化水素ガスが得られ、これは20℃に維持し、純水を張り込んだガス吸収器に導いた。蒸留塔ボトム液の塩化水素濃度が10%になった時点で蒸留を終え、この時ガス吸収器に35%の高純度塩酸を得た。この塩酸は、ICP(検出限界は0.1ppm)で金属不純物、TOC計(検出限界は1ppm)で有機不純物、O−トリジン比色法でCl2をそれぞれ分析したが、いずれも検出されず、極めて純度の高い塩酸であることが確認できた。
【0057】
実施例2
実施例1で得た粗塩化水素水溶液1000部に対して1%ヒドロキシルアミン塩酸塩(NH2OH・HCl)水溶液12部を添加した。添加と同時に酸化還元電位は低下し、710mVになった。この時、O−トリジン比色法でCl2を分析したが検出されなかった。
【0058】
次に、還元後の粗塩化水素水溶液を実施例1と同じ装置、同様の条件で加圧蒸留し、蒸留塔トップから塩化水素ガスを得、そしてこの塩化水素ガスを実施例1と同様に純水に吸収させて35%の高純度塩酸を得た。この塩酸は、金属不純物、有機不純物及びCl2のいずれも検出されず、極めて純度の高い塩酸であることが確認できた。
【0059】
実施例3
実施例1で得た粗塩化水素水1000部に対して、2.5%チオ硫酸ナトリウム(Na223・5H2O)水溶液を25部添加した。添加と同時に還元反応は進行し、酸化還元電位は1159mVから502mVに低下し、O−トリジン比色法でCl2を分析したが全く検出されず、還元は十分進行していることが分かった。そこで、2.5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を減じ、前記粗塩化水素水溶液1000部に対して、9.6部添加した。その結果、同様に還元反応は進行し、酸化還元電位は1159mVから663mVに低下し、O−トリジン比色法でも同様にCl2は検出されなかった。
【0060】
次に、この還元後の粗塩化水素水溶液を実施例1と同じ装置、同様の条件で加圧蒸留し、蒸留塔トップから塩化水素ガスを得、そしてこの塩化水素ガスを実施例1と同様に純水に吸収させて35%の高純度塩酸を得た。この塩酸は、金属不純物、有機不純物及びCl2のいずれも検出されず、極めて純度の高い塩酸であることが確認できた。
【0061】
比較例1
還元剤のヒドラジン水溶液を用いない外は、実施例1と同様に操作した。
【0062】
その結果、得られた粗塩化水素水溶液の酸化還元電位は1150mVであり、ガス吸収器に得られた塩酸は極濃い黄色を呈し、そのCl2濃度は90ppmと比較的高濃度であった。
【0063】
比較例2
実施例1で得た粗塩化水素水溶液1000部に対して1%ヒドロキシルアミン塩酸塩(NH2OH・HCl)水溶液0.7部を添加した。酸化還元電位は低下したが、950mVで停止した。
【0064】
次に、この液を実施例1と同じ装置、同様の条件で加圧蒸留し、蒸留塔トップから塩化水素ガスを得、そしてこの塩化水素ガスを実施例1と同様に純水に吸収させて35%塩酸を得たが、この塩酸は淡い黄色を呈しており、そのCl2濃度は13ppmであった。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、塩素系廃棄物から高純度の塩化水素を効果的・効率的に回収できる。以下、本発明の効果を列記する。
(1)塩素系廃棄物から有用な塩化水素を回収でき、環境保全上、資源の有効活用上有意義である。
(2)プロセスが比較的シンプルな工業的プロセスであり、自動化も容易にできる。
(3)塩素系廃棄物の種類に依らず、高純度の塩化水素が安定して回収できる。
(4)回収される塩化水素は高純度であり、無機・有機塩化物の製造、食品添加物、電気・半導体関連のエッチング剤等広範囲に活用できる。
(5)回収塩化水素ガスの腐食性が小さく、鉄や汎用プラスチックを装置材料として用いることができる。
(6)回収塩化水素を塩化ビニルモノマー製造用などのオキシクロリネーション反応の原料として用いることができ、経済的である。
(7)回収塩化水素を液化塩酸にでき、輸送および貯蔵設備をコンパクトにできる。

Claims (11)

  1. 塩素系廃棄物を燃焼させて得た酸性ガスに水と還元剤を加え反応させて、酸化還元電位が900mV以下である粗塩化水素水溶液を得、次いで当該粗塩化水素水溶液を蒸留して精製塩化水素ガスを得ることを特徴とする塩素系廃棄物からの塩化水素回収方法。
  2. 粗塩化水素水溶液の酸化還元電位を測定し、その値が900mV以下となるように還元剤の添加量を自動的に調節する酸化還元電位自動調節手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の塩化水素回収方法。
  3. 粗塩化水素水溶液の酸化還元電位が600〜850mVであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塩化水素回収方法。
  4. 還元剤を加える前に酸性ガスを水と接触させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩化水素回収方法。
  5. 酸性ガスに還元剤を加えた後に水を加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩化水素回収方法。
  6. 還元剤を含む水溶液を酸性ガスに加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩化水素回収方法。
  7. 還元剤が、イオウ系化合物及び/又は窒素系化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塩化水素回収方法。
  8. 精製塩化水素ガスを得た後に冷却し、次いでエリミネーターで除湿することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の塩化水素回収方法。
  9. 除湿後の精製塩化水素ガスを圧縮して、加圧塩化水素ガス又は液化塩化水素を得ることを特徴とする請求項8に記載の塩化水素回収方法。
  10. 得られた精製塩化水素ガスを水と接触させて精製塩化水素水溶液を得ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の塩化水素回収方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の方法により回収される塩化水素を塩化ビニルモノマー製造のオキシクロリネーション原料とすることを特徴とする塩化水素回収方法。
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