JP4726642B2 - 放射線照射野形成材、放射線照射野形成ユニット、放射線照射野形成方法及び放射線遮蔽装置 - Google Patents

放射線照射野形成材、放射線照射野形成ユニット、放射線照射野形成方法及び放射線遮蔽装置 Download PDF

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本発明は、放射線治療の際に、放射線照射装置の放射線透過部に配設することによって、放射線ビームを放射線照射野の形状に合わせて通過させ、被照射者の照射されるべき患部に放射線が照射され、患部以外の正常部位には放射線照射されないようにする放射線照射野形成材、このような放射線照射野形成材を作るのに好適な放射線照射野形成ユニット及び上記放射線照射形成材を作る方法として好適な放射線照射野形成方法に関する。
また、本発明は、上記放射線照射野形成材を放射線遮蔽材として使用した放射線遮蔽装置に関し、特に移動式放射線遮蔽装置として有用な放射線遮蔽装置に関する。
例えば、癌などの放射線治療のように、患部(体内の腫瘍部位等)に放射線を照射して治療を行う放射線治療においては、患部にのみに放射線を照射して、患部周辺の正常部位には放射線が照射されないように、例えば放射線遮蔽材として患部(ターゲット)に対応する放射線照射野を形成するブロック孔を有する鉛、鉛合金などの遮蔽ブロックを放射線透過部に配設、固定して、ブロック孔(放射線照射野)を通じて患部に放射線を照射すると共に、遮蔽ブロックによって患部以外の部位に放射線が照射されるのを防いでいる。しかしながら、このような遮蔽ブロックは、所定の形状に作成するために鉛などの溶融作業、鋳型の作製が必要であるので、手間やコストがかかり、更に環境への影響などの問題があった。
そこで、このような問題を解決するため、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3などのように、タングステン粉末を樹脂(熱可塑性樹脂組成物、有機バインダー、未加硫ゴム)に混合し、所望の形状に成型して放射線遮蔽材として使用する技術が挙げられている。しかしながら、これらのように樹脂をバインダーのように利用して遮蔽材とする場合、放射線遮蔽効率と成型性、保形性との関係が問題となったり、また、種々の成型金型が必要となったり、成型のための設備が必要となるなどの問題があった。
特開平4−30800号公報 特開平10−153687号公報 特表2002−044277号公報
また、例えば特許文献4などのように、いわゆるマルチリーフコリメーターなどによって、放射線ビームを放射線照射野の形状に合わせて絞り込む技術が種々開発されているが、より簡便で且つ取り扱い易い技術の開発が望まれていた。
特開2003−210595号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、特別な設備、装置を必要とせず、環境等への影響にも問題がなく、簡便、且つ取り扱い易い手段により、放射線治療時の放射線照射野を形成することができる放射線照射野形成材、放射線照射野形成ユニット、放射線照射野形成方法を提供することを目的とし、これによって容易、且つ確実に放射線を患部のみに照射すると共に、患部以外の部位に照射されるのを防ぐことができる放射線遮蔽装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、例えば発泡スチロール等の所謂、放射線透過性であり、且つ成形し易い材料によって、放射線照射野に合わせた形状を形成し、その成形体を容器内に載置し、その周りにタングステン粉末等の所謂、放射線不透過性の粉体を充填すると、特別な設備、装置を必要とすることもなく、取り扱いやすい手段により、放射線治療時の放射線照射野を形成することができ、また、比較的高価なタングステン粉末などの放射線不透過性粉末を再利用することもできることを見出し、更に、鋭意検討した結果、放射線透過性材料からなる成形体を容器内に載置し、粉体を充填して蓋を閉めただけでは、放射線照射中に、容器内で成形体が動いてしまう可能性があることから、例えば成形体に容器に固定した角柱のような放射線透過性の部材を挿通させて、成形体を該部材の角部に係止させて、容器内に取り外し可能に載置、固定すれば、成形体が容器内で回転したり、ずれたりすることを防止できることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、(1)放射線透過性材料からなり、開口部を有する容器と、放射線照射野に合わせた形状を有し、上記容器内に取り外し可能に載置、固定された放射線透過部材と、該放射線透過部材が固定された上記容器内に充填された放射線不透過性粉体と、放射線透過性材料からなり、上記容器の開口部を開閉自在に封じた蓋体とを備え、上記放射線透過部材が、高さ方向に沿って穿設された角部を有する固定用挿通孔を備えると共に、該固定用挿通孔に挿通され、上記角部と係合する係止用角部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材であって、一端側に備えられた容器固定部が上記容器の底面に備えられた固定部に着脱可能に取り付けられると共に、他端側に備えられた蓋体固定部が上記蓋体に備えられた固定部に着脱可能に取り付けられた固定用部材によって、上記容器内に取り外し可能に載置、固定されたことを特徴とする放射線照射野形成材を提供する。ここで、本発明において、「放射線透過性材料」、「放射線透過部材」とは、放射線治療計画などに使用されるX線シミュレータ(シミュレーション写真(透視写真))を撮影するX線透視装置から発生するkV(キロボルト)単位の放射線に対する透過性ではなく、放射線治療に用いられるMV(メガボルト)単位の大線量のX線、ガンマ線、電子線などの高エネルギー放射線が材料、部材の一面に入射されたとき、放射線が材料、部材を透過するように、放射線をあまり吸収しない材料、部材を意味する。一方、「放射線不透過性粉体」とは、放射線治療に用いられる上記高エネルギー放射線が粉体材料を充填した放射線透過性容器の一面から入射されたとき、放射線が粉体材料をほとんど透過しないように、放射線を阻止したり、吸収する粉体材料を意味する。
また、本発明は、(2)放射線透過性材料からなり、開口部を備えた容器と、放射線透過性材料からなり、上記容器の開口部を開閉自在に封じる蓋体と、放射線照射野の形状に合わせて成形可能な放射線透過部材と、上記放射線透過部材を上記容器内に取り外し可能に載置、固定する固定手段とを備え、該固定手段が、上記放射線透過部材の高さ方向に沿って穿設され、角部を有する固定用挿通孔と、一端側に容器固定部を備え、他端側に蓋体固定部を備えると共に、上記固定用挿通孔の角部と係合する係止用角部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材と、上記容器の底面に設けられ、上記容器固定部を取り外し可能に固定可能な固定部と、上記蓋体に設けられ、上記蓋体固定部を取り外し可能に固定可能な固定部とを備えたことを特徴とする放射線照射野形成ユニットを提供する。ここで、本発明の放射線照射野形成ユニットが、更に、上記容器内に充填する放射線不透過性粉体を備えていると、更に好適である。また、上記放射線透過部材として、それぞれ異なる形状に成形された複数の放射線透過部材を備えていたり、更に、上記放射線透過部材をそれぞれ異なる形状の放射線照射野に対応するように成形する成形用部材を備えたものであったり、上記放射線透過部材として、放射線透過性材料からなり、平板形状を有する複数の放射線透過部材形成材を備えたものであると、更に好適である。
更に、本発明は、(3)放射線透過性材料からなり、開口部を備える容器内に、放射線照射野に合わせた形状を有する放射線透過部材を取り外し可能に載置、固定し、上記容器内に放射線不透過性粉体を充填した後、上記容器の上記開口部を放射線透過性材料からなる蓋体で封じる放射線照射野形成方法であって、上記放射線透過部材が高さ方向に沿って穿設された角部を有する固定用挿通孔を備えると共に、上記容器が底面に固定部を備え、上記蓋体が固定部を備えており、上記固定用挿通孔の角部と係合する係止用角部を有し、その一端側に容器固定部を備えると共に、他端側に蓋体固定部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材を、上記容器固定部を上記容器の上記固定部に着脱可能に取り付けると共に、上記固定用挿通孔に挿通し、更に、上記蓋体固定部を上記蓋体の上記固定部に着脱可能に取り付けて、上記放射線透過部材を上記容器内に取り外し可能に載置、固定することを特徴とする放射線照射野形成方法を提供する。
また更に、本発明は、(4)放射線照射野を形成する照射野形成部と、放射線遮蔽部とを有する放射線遮蔽材を備え、放射線照射装置の放射線透過部に配設されて、上記照射野形成部を通じて被照射者の放射線が照射されるべき患部に放射線照射を行うと共に、上記放射線遮蔽部によって患部以外の放射線照射を遮蔽する放射線遮蔽装置であって、上記(1)記載の放射線照射野形成材を、上記放射線遮蔽材として使用し、上記放射線透過部材を通じて上記患部に放射線照射を行うと共に、上記放射線不透過性粉体によって上記患部以外への放射線照射を遮蔽するように配設したことを特徴とする放射線遮蔽装置を提供する。
本発明の放射線照射野形成材は、放射線透過性材料からなり、開口部を有する容器と、放射線照射野に合わせた形状を有し、上記容器内に取り外し可能に載置、固定された放射線透過部材と、該放射線透過部材が載置された上記容器内に充填された放射線不透過性粉体と、放射線透過性材料からなり、上記容器の開口部を開閉自在に封じた蓋体とを備えているので、放射線治療装置の放射線透過部に配設すると、まず、放射線は、蓋体を透過して、容器内に至る。そして、容器内では、放射線透過部材の部分は、放射線が透過し、放射線不透過性粉体が充填された部分は、放射線が遮蔽される。従って、容器底面を通過する放射線は、放射線透過部材によって形成された放射線照射野を通じて被照射者の放射線が照射されるべき患部に放射線照射を行うことができると共に、放射線不透過性粉体によって患部以外への放射線照射を遮蔽することができる。ここで、本発明の上記放射線透過部材は、容器内に取り外し可能に載置、固定されているので、放射線治療装置の放射線透過部に配設する時、また、放射線の照射治療中に、容器内で放射線透過部材が回転したり、ずれたりすることがなく、更に、治療終了後は、容器内から放射線透過部材を取り外して、容器、放射線透過部材、放射線不透過性粉体などを再利用することができる。
放射線透過部材の固定手段、放射線透過部材が、高さ方向に沿って穿設された角部を有する固定用挿通孔を備えると共に、該固定用挿通孔に挿通され、上記角部と係合する係止用角部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材であって、一端側に備えられた容器固定部が上記容器の底面に備えられた固定部に着脱可能に取り付けられると共に、他端側に備えられた蓋体固定部が上記蓋体に備えられた固定部に着脱可能に取り付けられた固定用部材によって、上記容器内に取り外し可能に載置、固定されたものであるので、容器と蓋体とによって、容器内での位置が上下から固定された固定用部材が挿通された放射線透過部材は、容器内での配設位置が固定されると共に、固定用部材の係止用角部によって、容器内で回転してしまうことが防止される。
また、本発明の放射線照射野形成ユニットは、放射線透過性材料からなり、開口部を備えた容器と、放射線透過性材料からなり、上記容器の開口部を開閉自在に封じる蓋体と、放射線照射野の形状に合わせて成形可能な放射線透過部材と、上記放射線透過部材を上記容器内に取り外し可能に載置、固定する固定手段とを備えているので、該ユニットの放射線透過部材を一の被照射野者(患者)の放射線照射野の形状に合わせて成形したり、又は、ユニットの放射線透過部材が例えば後述するように、種々の形状に予め成形されたものであれば、一の被照射者の放射線照射野の形状に合う放射線透過部材を選び、上記固定手段を利用して容器内に、取り外し可能に載置、固定し、予め用意しておいた放射線不透過性粉体、又は、後述するように、ユニットに備えられている放射線不透過性粉体を充填した後、蓋体で蓋をすることによって、簡単な操作で上記放射線照射野形成材を得ることができる。ここで、上記放射線透過部材は、上記固定手段によって、容器内に取り外し可能に載置、固定されるので、放射線治療装置の放射線透過部に配設する時、また、放射線の照射治療中に、容器内で放射線透過部材が回転したり、ずれたりすることがなく、更に、治療終了後、次の被照射者に使用するには、容器内から放射線不透過性粉体、放射線透過部材を取り出し、新たな放射線透過部材を次の被照射者の放射線照射野の形状に合わせて成形したり、又は、次の被照射者の放射線照射野の形状に合う放射線透過部材を選ぶことによって、容易、且つ低いコストで種々の患者に対応可能な安価な放射線照射野形成材を得ることができる。
本発明の放射線照射野形成ユニット、上記固定手段が、上記放射線透過部材の高さ方向に沿って穿設され、角部を有する固定用挿通孔と、一端側に容器固定部を備え、他端側に蓋体固定部を備えると共に、上記固定用挿通孔の角部と係合する係止用角部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材と、上記容器の底面に設けられ、上記容器固定部を取り外し可能に固定可能な固定部と、上記蓋体に設けられ、上記蓋体固定部を取り外し可能に固定可能な固定部とを備えたものであるので、固定用部材を容器底面の固定部によって固定し、その固定用部材を放射線透過部材の固定用挿通孔に挿通した後、容器内に放射線不透過性粉体を充填し、蓋体を容器開口部に被せると共に、固定用部材を蓋体の固定部によって固定することによって、放射線透過部材の容器内での配設位置を固定すると共に、放射線透過部材の回転を固定用部材の係止用角部と固定用挿通孔の角部との係止によって、防止することができる。
本発明の放射線照射野形成ユニットが、更に、上記容器内に充填する放射線不透過性粉体を備えていると、該ユニットを使用して放射線照射野形成材を作成する際に、予め放射線不透過性粉体を用意しておく必要がなくなる。また、上記放射線透過部材として、それぞれ異なる形状に成形された複数の放射線透過部材を備えていれば、種々の形状の放射線照射野にすぐに対応できる。更に、上記放射線透過部材をそれぞれ異なる形状の放射線照射野に対応するように成形する成形用部材を備えたものであれば、ユニットの放射線透過部材を被照射者の放射線照射野の形状に合わせて成形する際に、便利である。また更に、上記放射線透過部材として、放射線透過性材料からなり、平板形状を有する複数の放射線透過部材形成材を備えたものであれば、各放射線透過部材形成材の平面形状が、目的とする放射線照射野形状に対応する形状のものであれば、容器高さと同じ高さとなるように、必要数の放射線透過部材形成材を積み重ねることによって、放射線照射野の形状に対応する所望の高さを有する放射線透過部材を形成することができる。ここで、各各放射線透過部材形成材は、例えば必要に応じて接着剤を介して積層してもよい。また、各放射線透過部材形成材の平面形状が、目的とする放射線照射野形状に対応しない形状のものであっても、放射線透過部材形成材は、平板形状であるので、所望の形状に成形するのが容易である。そして、所望の形状に成形した放射線透過部材形成材を上記のように必要数、重ねることによって、同様に目的とする放射線透過部材を形成することができる。また、後述するように、目的とする放射線照射野形状に対応する上面形状、下面形状を有し、上面と下面との大きさ(面積)が異なる錐台形状の放射線透過部材を形成する場合、目的とする放射線照射野形状に対応する平面形状を有し、段々の大きさとなる必要数の放射線透過部材形成材を順次重ねていき、必要に応じて、例えばパテなどを用いて段を埋めて滑らかにすると共に、形状を固めることによって、所望の錐台形状の放射線透過部材を容易に形成することができる。
更に、本発明の放射線照射野形成方法は、放射線透過性材料からなり、開口部を備える容器内に、放射線照射野に合わせた形状を有する放射線透過部材を取り外し可能に載置、固定し、上記容器内に放射線不透過性粉体を充填した後、上記容器の上記開口部を放射線透過性材料からなる蓋体で封じるものであり、これによって本発明の放射線照射野形成材が得られる。ここで、上記放射線透過部材が高さ方向に沿って穿設された角部を有する固定用挿通孔を備えると共に、上記容器が底面に固定部を備え、上記蓋体が固定部を備えており、上記固定用挿通孔の角部と係合する係止用角部を有し、その一端側に容器固定部を備えると共に、他端側に蓋体固定部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材を、上記容器固定部を上記容器の上記固定部に着脱可能に取り付けると共に、上記固定用挿通孔に挿通し、更に、上記蓋体固定部を上記蓋体の上記固定部に着脱可能に取り付けて、上記放射線透過部材を上記容器内に取り外し可能に載置、固定するので、放射線透過部材の容器内での配設位置が固定されると共に、放射線透過部材の回転を固定用部材の係止用角部と固定用孔部の係止用角部との係止によって、防止され、治療終了後は、上記一連の固定を解除することによって、放射線透過部材を容易に取り外すことができる。
また更に、本発明の放射線遮蔽装置は、放射線照射野を形成する照射野形成部と、放射線遮蔽部とを有する放射線遮蔽材を備え、放射線照射装置の放射線透過部に配設されて、上記照射野形成部を通じて被照射者の放射線が照射されるべき患部に放射線照射を行うと共に、上記放射線遮蔽部によって患部以外の放射線照射を遮蔽する放射線遮蔽装置であって、上記(1)記載の放射線照射野形成材を、上記放射線遮蔽材として使用し、上記放射線透過部材を通じて上記患部に放射線照射を行うと共に、上記放射線不透過性粉体によって上記患部以外への放射線照射を遮蔽するように配設したものであり、上記放射線照射野形成材の放射線透過部材が上記照射野形成部となり、上記放射線不透過性粉体が充填された部分が放射線遮蔽部となり、上述したように、本発明の放射線照射野形成材の放射線透過部材によって形成された放射線照射野を通じて被照射者の放射線が照射されるべき患部に放射線照射を行うことができると共に、放射線不透過性粉体によって患部以外への放射線照射を遮蔽することができる。
本発明によれば、特別な設備、装置を必要とせず、環境等への影響にも問題がなく、簡便、且つ取り扱い易い手段により、所望の形状の放射線照射野を容易に形成することができ、種々の形状の放射線照射野に対応することが可能である。従って、放射線治療時に、個々の患者の患部形状、放射線照射野に合わせた放射線照射を容易、且つ確実に行うことが可能となり、治療効率、治療成績を向上させることができる。
以下、本発明につき図面を参照にして更に詳しく説明する。図1、図2は、本発明の放射線照射野形成材の一構成例を説明するものであり、図1は、本発明の一構成例の放射線照射野形成材Aの概略縦断面図であり、図2は上記放射線照射野形成材Aの概略平面図である。
放射線照射野形成材Aは、放射線透過性材料からなり、開口部1aを有し、底面に複数の固定用ネジ孔1bが穿設され、放射線透過部材2と放射線不透過性粉体3とが自由に設置できる空間を有する容器1と、放射線照射野に合わせた平面形状を有し、その高さ方向に沿って四角柱状の固定用挿通孔2aが穿設され、容器1内に載置された放射線透過部材2と、放射線透過部材2が載置、固定された容器1内に充填された放射線不透過性粉体3と、放射線透過性材料からなり、容器1の固定用ネジ孔1bの数、穿設位置に対応して複数の固定用孔4aが穿設され、容器1の開口部1aを開閉自在に封じた蓋体4と、放射線透過性材料からなり、固定用挿通孔2aに挿通可能で、固定用挿通孔2aの角部に係合する係止用角部5a(図2参照)を有する四角柱状の本体形状を有し、一端側(図1では下側)に容器1の固定用ネジ孔1bに螺合するネジ部5bを備え、他端側(図1では上側)に蓋体4の固定用孔4aに必要に応じて樹脂製パッキング、樹脂製シール材、樹脂製Oリングなどの密封用部材6を介在させて嵌合する円柱状の固定用凸部5cを備えた放射線透過部材固定用部材5と、を備えている。なお、本発明において、「放射線透過」、「放射線不透過」とは、上述したように、放射線治療に用いられる高エネルギー放射線をあまり減衰させずに透過させるか、効率的に吸収するかで区別するものである。
容器1は、放射線治療の妨げにならないように、放射線透過性材料によって構成されており、放射線透過性材料としては、放射線を透過させる材質のものであれば、その種類は特に制限されないが、容器としての保形性を考慮すれば、粉末を充填しても形状を保てる程度の剛性を有するものが望ましい。従って、本発明の容器としては、放射線透過性材料の中でも、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック材料などのように、放射線透過性を有するのみならず、機械的強度にも優れる材料で構成すると、保形性にも優れるので、より好適である。また、例えば、放射線不透過性粉体3が容器1内に隙間なく充填されているかを確認できるように、容器1内の状態を確認し易くすることを考慮すれば、放射線透過性であることに加えて、更に、透明又は半透明であることが望ましい。従って、本発明の容器としては、上記プラスチック材料などからなるものが好適であり、中でも、アクリル樹脂等がより好適である。なお、容器1の形状、大きさなどは、特に制限されず、適宜選定することができるが、放射線照射野形成材(放射線遮蔽材)として使用することを考慮すれば、底面正方形の角型箱、底面円形の円形箱などが好ましく、また、大きさとしては、高さが50〜100mm、特に70〜90mm程度、底面積が25〜250mm、特に50〜100mm程度が好適である。
また、底面に穿設された固定用ネジ孔1bは、1箇所でも良いが、種々の形状の放射線透過部材2に対応すること、放射線放射線透過部材2の設置位置が容器1の中心から離れる場合もあることを考慮すれば、複数箇所に穿設することが望ましく、この場合、ネジ孔の数は、特に制限されるものではないが、容器1、後述するように固定用ネジ孔1bに対応して固定用孔4aが穿設される蓋体4の強度が損なわれない範囲で適宜間隔をあけて整然と並ぶ多数箇所に穿設すると、より好適である(図2参照。なお、図1では、これらの数は省略して示した)。なお、放射線透過部材の固定に使用しないネジ孔は、図1に示すように、メクラネジ5dによって塞いでおくと、放射線不透過性粉体3がこぼれるのをより確実に防止することができる。このようにメクラネジを使用する場合、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック材料などの放射線透過性材料によって形成されたネジを使用することが望ましい。
放射線透過部材2は、放射線を透過させる材質のものであれば、その種類は特に制限されないが、放射線照射野の形状に合わせて外側形状を成形することを考慮すれば、カッター、ナイフ、鉄線、銅線などで適宜形状に繰り抜いたり、容易に削れ、所望の形状に成形できるような成形性を有するものが望ましい。このような材料としては、例えば発砲スチロール等の発泡性プラスチック材料、コルク等の密度の小さい木材などからなるものが、更に好適であり、中でも、発砲スチロール、コルク等がより好適である。なお、放射線透過部材2の形状、大きさなどは、特に制限されず、平面形状が所望の放射線照射野の形状に合わせた形状のものとすることができるが、高さは、容器1の高さと同様にすることが望ましい。また、放射線照射野形成材(放射線遮蔽材)として使用することを考慮すれば、容器1内で放射線不透過性粉末3が占める部分が十分となるようにすることが必要であり、容器1側壁と放射線透過部材2とが適当な距離を有するように、その大きさを適宜選定すると、好適である。
放射線透過部材2の固定用挿通孔2aは、後述する固定用部材5が挿通可能となるように、固定用部材5の本体形状と同形の四角柱状となるように穿設されたものである。本発明において、固定用挿通孔2aの形状は、係止用角部5a(図2参照)に係止される角部を有し、固定用部材5が挿通可能となるように、固定用部材5の本体形状とほぼ同様の形状を有する限り、後述するような種々の固定用部材5の本体形状に合わせて適宜選定することができる。なお、固定用挿通孔2aの穿設方法は、特に制限されるものではなく、例えば固定用挿通孔2aの所定形状に合わせたくり抜き器を利用したり、カッター、ナイフ、彫刻刀などを使用して所定形状となるようにくり抜いていく方法、後述する熱を利用した成形用部材10(図3参照)を利用してくり抜く方法など、適宜手段によって穿設することができる。
放射線不透過性粉末3としては、容器1に充填した時に、放射線を透過させない粉末であれば、その種類は特に制限されず、このような粉末としては、例えば、タングステン粉末、鉛粉末、銀粉末などが挙げられ、これらの中でもタングステン粉末が特に好適である。タングステン粉末としては、タングステン、タングステン化合物、又はタングステン合金の粉末が挙げられるが、放射線遮蔽効率を考慮すれば、粉末中にタングステン金属を90質量%以上、より好ましくは95質量%以上を含有する粉末が好適である。また、タングステン粉末の平均粒径は、特に制限されるものではなく、適宜選定することができるが、容器1内に充填された時に、放射線を有効に遮蔽できるように密な状態で充填できるように、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは30μm以下が好適である。なお、平均粒径の下限としては、特に制限されないが、入手容易性、取り扱い易さなどを考慮すれば、平均粒径は2μm以上が好ましく、より好ましくは3μm以上が好適である。平均粒径の測定方法は、例えば、通常、市販されているタングステン粉末製品の平均粒径測定法として採用されている測定方法などによって、測定することができる。
蓋体4は、放射線の透過を妨げず、容器1内に充填された放射線不透過性粉体3がこぼれるのを防止できるものであればよく、その材質としては、容器1と同様のものが好適である。蓋体4と容器1の材質は、同一であっても異なっていてもよく、また、蓋体4は、容器1に取り付けられものであっても、別個に用意されたものであってもよい。そして、固定用孔4aは、容器1の固定用ネジ孔1bの穿設位置、穿設数に対応するように穿設されたものであり、固定用ネジ孔1bと同様に、1箇所でも良いが、複数個所に穿設しておくと、より好適である。また、放射線透過部材の固定に使用しない固定用孔は、図1、2に示すように、メクラ栓4bによって塞いでおくと、放射線不透過性粉体3がこぼれるのをより確実に防止できる。このようにメクラ栓を使用する場合、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック材料などの放射線透過性材料によって形成されたものを使用することが望ましい。また、メクラ栓は、必要に応じて、図示しない樹脂製パッキング、シール材、Oリングなどの放射線透過性材料からなる密封用部材を介在させて固定用孔に嵌め込むこともできる。
放射線透過部材固定用部材5は、放射線透過性材料からなり、固定用挿通孔2aに挿通可能で、固定用挿通孔2aの角部に係合する係止用角部5a(図2参照)を有し、固定用挿通孔2aとほぼ同じ径、ほぼ同じ長さの四角柱状の本体形状を有し、長さ方向一端側(図1では下側)に容器1のネジ孔1bに螺合するネジ部5bを備え、長さ方向他端側(図1では上側)に蓋体4の固定用孔4aに嵌合する円柱状の固定用凸部5cを備えている。放射線透過性材料としては、容器1と同様のプラスチック材料などが好適に使用される。なお、本発明において、放射線透過部材の固定手段は、放射線透過部材を容器内に取り外し可能に載置、固定することができる限り、その構成が特に制限されるものではなく、例えば放射線透過部材の固定用挿通孔、固定用部材の本体形状は、固定用挿通孔に固定用部材が挿通された放射線透過部材が回転するのを防ぐことができるように、固定用部材の本体形状が固定用挿通孔の角部を係止する係止用角部を有し、固定用挿通孔とほぼ同形である限り、例えば、固定用部材の本体形状は、係止用角部を1箇所以上有する略円柱状であってもよく、また、多角柱状であってもよい。多角柱状の場合、三角柱〜六角柱がより好適である。そして、固定用部材の本体部分は、中実であっても、中空であっても良い。更に、固定用部材5を容器1、蓋体4に固定する手段は、取り外し可能に固定することができる限り、その構成が特に制限されるものではなく、上述したように、ネジ孔とネジ部を利用した螺合と、凸部と孔部(又は凹部)、必要に応じてパッキング等の密封用部材を利用した嵌合との組み合わせ、嵌合と嵌合との組み合わせ、後述するように、ネジ穴、ネジ孔と固定用ネジとを利用した螺合と螺合との組み合わせを利用した手段のほか、適宜手段によって固定することもできる。なお、上述したような密封用部材を利用する場合、放射線透過性材料からなり、密封材としての弾性を有する限り、その材質などは、特に制限されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴムなどからなるチューブ材、シール材、テープ材、フィルム材などを利用することができる。
また、本発明において、放射線透過部材の固定用部材は、それ自体が放射線透過部材と同様の役割をする場合も想定されることから、本発明の放射線透過部材の固定用部材の形状(径、太さ)、放射線透過部材の固定用挿通孔の形状(径、太さ)は、種々変更することができ、例えば図3に示す放射線照射野形成材A’のように、固定用挿通孔2a’を、放射線透過部材2の上面の大きさ、面積に対して比較的大きい径となるように穿設し、放射線透過部材の固定用部材5’の長さ方向両端側(図3では上下側)に、上記固定用ネジ部、固定用凸部に代えて、それぞれ固定用ネジ穴5e、5eを開設し、蓋体4には、上記固定用孔に代えて、固定用ネジ孔4cを穿設し、容器1の底面の固定用ネジ孔1b、固定用部材5’の固定用ネジ穴5eに固定用ネジ7を螺合させてネジ締めすることによって、容器1の底面に固定用部材5’を固定し、蓋体4の固定用ネジ孔4c、固定用部材5’の固定用ネジ穴5eに固定用ネジ7を螺合させてネジ締めすることによって、蓋体4と固定用部材5’とを固定する構成としても好適である。なお、このような構成の場合も、容器1の底面の固定用ネジ孔1b、これに対応する蓋体4の固定用ネジ孔4cは、上述したように多数穿設しておくと、より好適である。この場合、固定に使用しなかったネジ孔4cは、上記メクラ栓に代えてメクラネジ5dを使用して塞ぐ。また、例えば、図3に示す固定用ネジ孔1b、4c、固定用ネジ穴5eよりも、ネジ孔、ネジ穴の径を小さくし、それらの穿設数、開設数も多くし、固定用部材5’の径を固定用ネジ穴5eの径に比べてより大きくするなど、固定用部材の大きさ、固定用ネジ孔の数などは、種々変更することができ、いくつかの組み合わせのものを用意しておいても、より好適である。なお、固定用ネジ7は、上記メクラネジ、メクラ栓と同様に、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の放射線透過性材料によって形成されていることが望ましい。
放射線照射野形成材A、A’を作成する手段、方法は、特に制限されるものではないが、例えば容器1と、蓋体4と、放射線透過部材を、(a)種々の形状の放射線照射野に合わせられるように、例えば種々の平面形状を有する複数の放射線透過部材、(b)例えば予め種々の大きさの円形(真円、楕円)又は多角形などの平面形状を有する複数の成形前の円柱状又は角柱状などの放射線透過部材、(c)後述するように放射線透過部材2を形成する平板形状を有する複数の放射線透過部材形成材、としたとき、上記(a)〜(c)のいずれかと、放射線透過部材2を容器1内に取り外し可能に載置、固定する固定手段と、を備えた放射線照射野形成ユニットを使用すると、容易に作成することができる。固定手段は、放射線透過部材2を容器1内に取り外し可能に載置、固定することができる限り、その構成が特に制限されるものではないが、放射線照射野形成材Aのように、放射線透過部材2に固定用挿通孔2aを穿設し、長さ方向一端側に容器固定部として固定用ネジ孔1b、長さ方向他端側に蓋体固定部として固定用凸部5cを備え、固定用挿通孔2aの角部と係合する係止用角部5aを備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材として、固定用挿通孔2aとほぼ同じ形状の多角柱状の本体形状を有する固定用部材5と、容器1の底面に設けられた固定部として固定用ネジ孔1b、蓋体4の蓋体固定部として固定用孔4aを備えた構成、放射線照射野形成材A’のように、固定用ネジ穴5e、蓋体4の固定用ネジ孔4c、容器1の底面の固定用ネジ孔1b、固定用ネジ7を使用した構成とする手段などを挙げることができる。
ユニットの放射線透過部材は、上述したように、(a)種々の形状の放射線照射野に合わせられるように、例えば種々の平面形状を有する複数の放射線透過部材2であってもよく、この場合、又は種々の放射線照射野形状にほぼ類似の平面形状を有し、放射線照射野形状に合わせ易い形状に予め成形された柱状ものであってもよく、また、(b)例えば、円柱状、角柱状のものを使用時に、所望の形状に成形するようにしたものであってもよく、(c)後述するように平板形状を有する複数の放射線透過部材形成材によって形成されるものであってもよい。ここで、放射線ビームは、照射源から照射部位へと、すそ広がりとなるように照射されることを考慮すると、容器1内に載置される放射線透過部材2は、図1、図3に示すように、上面、下面が放射線照射野形状に合わせた平面形状を有し、図面上、下面が上面より大きくなるように成形又は形成され、また、放射線源と放射線透過部材2との距離に合わせて、適宜大きさ、形状の略円錐台、略多角錐台、適宜形状の平面形状を有する適宜大きさの錐台形状などとなるように、成形又は形成されていると、より好適である。
このように使用時に放射線透過部材を成形するユニットの場合、放射線透過部材を異なる形状の放射線照射野に対応するように成形する成形用部材を備えていると、成形が容易となる。このような成形用部材としては、具体的には、例えば図4に模式的に示すように、鉄線や銅線などの金属線からなるカッター部10aと、カッター部10aを加熱する図示しない加熱手段を備えた成形用部材10などを挙げることができる。このような成形用部材10によれば、例えば発砲スチロールなどの成形前の放射線透過部材を成形用台11に載せ、成形用部材10の例えばカッター部10aの一端部(図では上端部)を支点10bとして固定し、図示しない加熱手段により熱したカッター部10aを放射線照射野形状に合わせた平面形状となるように成形前の放射線透過部材に沿って回し、成形前の放射線透過部材の不要部分2bを切り取ることによって、上面、下面が放射線照射野形状に合わせた平面形状を有し、下面が上面より大きくなるように成形された所望の形状に成形することができる。そして、得られた成形体を固定用挿通孔穿設前の放射線透過部材2’とし、上述したように適宜手段によって固定用挿通孔を穿設することによって、所望の形状を有する放射線透過部材が得られる。
また、図5に示すように、放射線透過部材を形成する複数の放射線透過部材形成材2cを備えたユニットも好適である。放射線透過部材形成材2cは、放射線透過部材と同様に発泡スチロールなどの放射線透過性材料からなり、平板形状を有するものである。その平面形状は、予め種々の放射線照射野形状に対応する平面形状を有する複数をセットとして複数セット備えてもよく、種々の放射線照射野形状にほぼ類似の平面形状を有する複数をセットとして複数セット備え、使用に際して上記と同様にして放射線照射野の形状に合わせて各放射線透過部材形成材を成形するようにしたり、円形又は多角形などの平面形状を有するものを複数備えてセットにし、上記同様に使用の際に成形するようにしたものであってもよいが、上述したように、放射線透過部材は、放射線源と放射線透過部材との距離に合わせて、適宜大きさ、形状の略円錐台、略多角錐台、適宜平面形状を有する錐台形状などとなるように、形成されていると、より好適であることを考慮すれば、いずれのセットにおいても平面形状が同じであって、その大きさが段々に大きくなっていくようにすると、より好適である。このような複数の放射線透過部材形成材2cを備えたユニットの場合、例えば、必要数の放射線透過部材形成材2cを順次重ねていき、パテ2dなどを用いて段を埋めて滑らかにすると共に、積み重ねた状態を固めることによって、所望の錐台形状を有する固定用挿通孔を穿設する前の放射線透過部材2”を容易に形成することができる。本発明の場合、この放射線透過部材2”に、上述した適宜手段で固定用挿通孔を穿設してもよく、予め各放射線透過部材形成材2cに、固定用挿通孔となる孔を穿設しておいてもよい。なお、パテ2dを用いる場合、放射線透過性材料からなるものを使用することが望ましい。
上記ユニットを利用すれば、放射線照射野に合わせた形状を有し、固定用挿通孔が穿設された放射線透過部材を選別又は作成し、容器の底面に取り付けておいた固定用部材を固定用挿通孔に挿通させて、容器内に、放射線透過部材を取り外し可能に載置した後、容器内の空間部分に放射線不透過性粉体を空隙がないように充填し、その後、蓋体を被せると共に、固定用部材を蓋体に固定することによって、放射線照射野形成材を作成することができる。
放射線照射野形成材A、A’は、取り付ける放射線遮蔽装置が特に制限されるものではなく、移動式のものであっても、固定式のものであってもよいが、放射線照射野形成材Aは、放射線治療装置の放射線透過部に配設すると、放射線ビームは、蓋体4をそのまま透過して、容器1内に至り、放射線不透過性粉体の部分では透過が遮蔽され、放射線透過部材2の部分では固定用部材5の部分も含めて透過されるので、放射線透過部材2の形状の通りの放射線ビームとなる。従って、患部の動きに合わせて放射線照射野の位置を移動可能な移動式放射線遮蔽装置に配設すると、放射線透過部材によって形成された放射線照射野を放射線照射中に患部の体内での動きに対応して移動させることができる。
なお、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
本発明に係る放射線照射野形材は、患者に放射線治療を施す際に、患部以外に放射線照射を遮蔽する放射線遮蔽材として使用できる。本発明に係る放射線照射野形材を放射線遮蔽材として使用する放射線遮蔽装置は、従来より使用されている固定式のものであっても、患部の動きに対応する移動式のものであってもよい。
本発明の放射線照射野形成材の一構成例を説明する放射線照射野形成材の概略縦断面図である。 上記放射線照射野形成材の概略平面図である。 本発明の放射線照射野形成材の他の構成例を説明する放射線照射野形成材の概略縦断面図である。 本発明の成形用部材の一構成例を説明する模式図である。 本発明の放射線透過部材形成材の一構成例を説明する模式図である。
符号の説明
A、A’ 放射線照射野形成材
1 容器
1a 開口部
1b 固定用ネジ孔(固定手段)
2 放射線透過部材
2’、2” 放射線透過部材(固定用挿通孔穿設前)
2a、2a’ 固定用挿通孔(固定手段)
2c 放射線透過部材形成材
3 放射線不透過性粉体
4 蓋体
4a 固定用孔(固定手段)
4c 固定用ネジ孔(固定手段)
5、5’ 固定用部材
5a 係止用角部
5b ネジ部(固定手段)
5c 固定用凸部(固定手段)
5e 固定用ネジ穴(固定手段)
6 固定用ネジ(固定手段)
10 成形用部材

Claims (8)

  1. 放射線透過性材料からなり、開口部を有する容器と、放射線照射野に合わせた形状を有し、上記容器内に取り外し可能に載置、固定された放射線透過部材と、該放射線透過部材が固定された上記容器内に充填された放射線不透過性粉体と、放射線透過性材料からなり、上記容器の開口部を開閉自在に封じた蓋体とを備え、上記放射線透過部材が、高さ方向に沿って穿設された角部を有する固定用挿通孔を備えると共に、該固定用挿通孔に挿通され、上記角部と係合する係止用角部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材であって、一端側に備えられた容器固定部が上記容器の底面に備えられた固定部に着脱可能に取り付けられると共に、他端側に備えられた蓋体固定部が上記蓋体に備えられた固定部に着脱可能に取り付けられた固定用部材によって、上記容器内に取り外し可能に載置、固定されたことを特徴とする放射線照射野形成材。
  2. 放射線透過性材料からなり、開口部を備えた容器と、放射線透過性材料からなり、上記容器の開口部を開閉自在に封じる蓋体と、放射線照射野の形状に合わせて成形可能な放射線透過部材と、上記放射線透過部材を上記容器内に取り外し可能に載置、固定する固定手段とを備え、該固定手段が、上記放射線透過部材の高さ方向に沿って穿設され、角部を有する固定用挿通孔と、一端側に容器固定部を備え、他端側に蓋体固定部を備えると共に、上記固定用挿通孔の角部と係合する係止用角部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材と、上記容器の底面に設けられ、上記容器固定部を取り外し可能に固定可能な固定部と、上記蓋体に設けられ、上記蓋体固定部を取り外し可能に固定可能な固定部とを備えたことを特徴とする放射線照射野形成ユニット。
  3. 更に、上記容器内に充填する放射線不透過性粉体を備えた請求項記載の放射線照射野形成ユニット。
  4. 上記放射線透過部材として、それぞれ異なる形状に成形された複数の放射線透過部材を備えた請求項又は記載の放射線照射野形成ユニット。
  5. 更に、上記放射線透過部材をそれぞれ異なる形状の放射線照射野に対応するように成形する成形用部材を備えた請求項又は記載の放射線照射野形成ユニット。
  6. 上記放射線透過部材として、放射線透過性材料からなり、平板形状を有する複数の放射線透過部材形成材を備えた請求項又は記載の放射線照射野形成ユニット。
  7. 放射線透過性材料からなり、開口部を備える容器内に、放射線照射野に合わせた形状を有する放射線透過部材を取り外し可能に載置、固定し、上記容器内に放射線不透過性粉体を充填した後、上記容器の上記開口部を放射線透過性材料からなる蓋体で封じる放射線照射野形成方法であって、上記放射線透過部材が高さ方向に沿って穿設された角部を有する固定用挿通孔を備えると共に、上記容器が底面に固定部を備え、上記蓋体が固定部を備えており、上記固定用挿通孔の角部と係合する係止用角部を有し、その一端側に容器固定部を備えると共に、他端側に蓋体固定部を備えた柱状の放射線透過性材料からなる固定用部材を、上記容器固定部を上記容器の上記固定部に着脱可能に取り付けると共に、上記固定用挿通孔に挿通し、更に、上記蓋体固定部を上記蓋体の上記固定部に着脱可能に取り付けて、上記放射線透過部材を上記容器内に取り外し可能に載置、固定することを特徴とする放射線照射野形成方法。
  8. 放射線照射野を形成する照射野形成部と、放射線遮蔽部とを有する放射線遮蔽材を備え、放射線照射装置の放射線透過部に配設されて、上記照射野形成部を通じて被照射者の放射線が照射されるべき患部に放射線照射を行うと共に、上記放射線遮蔽部によって患部以外の放射線照射を遮蔽する放射線遮蔽装置であって、請求項1記載の放射線照射野形成材を、上記放射線遮蔽材として使用し、上記放射線透過部材を通じて上記患部に放射線照射を行うと共に、上記放射線不透過性粉体によって上記患部以外への放射線照射を遮蔽するように配設したことを特徴とする放射線遮蔽装置。
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