JP4721236B2 - 電気浸透流ポンプ、ポンピングシステム、マイクロ化学チップおよび燃料電池 - Google Patents

電気浸透流ポンプ、ポンピングシステム、マイクロ化学チップおよび燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、液体と、その液体に接する誘電体との間に生じる電気浸透流の現象を送液機構として利用した電気浸透流ポンプ、およびその電気浸透流ポンプを搭載してなるマイクロ化学チップならびに燃料電池に関する。
化学技術やバイオ技術の分野では、試薬に対する反応や試料の分析等を微小な領域で行うための研究が行われており、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて化学反応や生化学反応、試料の分析等のシステムを小型化したマイクロ化学システムが研究開発されている。
マイクロ化学システムにおける反応や分析は、マイクロ流路、マイクロポンプおよびマイクロリアクタ等が形成されたマイクロ化学チップと呼ばれる1つのチップを用いて行われる。例えば、シリコン、ガラスまたは樹脂から成る1つの基体に、試料や試薬等の流体(水等の液体に溶質が混合したもの等)を供給するための供給口と、処理後の流体を導出するための採取口とを形成し、この供給口と採取口とを断面積が微小なマイクロ流路で接続し、マイクロ流路の適当な位置に送液のためのマイクロポンプを配置したマイクロ化学チップが提案されている(特許文献1,2参照)。
マイクロポンプとして、従来、特許文献1,2に示されているような圧電型のマイクロポンプ等の機械的な往復運動を利用したものが主に採用されていたが、近年、より精度よく反応や分析を行う上で、複数の物質を含む超微少量の液体をより精度よく送液することが必要なことから、電気浸透流ポンプが注目されている。
電気浸透流ポンプは、電気浸透流を利用したポンプであり、圧電型のマイクロポンプで必要とされる逆止弁を必要としないために、ポンプの構造が単純であり小型化が可能になるとともに、逆止弁が動作する際に生じる液体の脈動が発生しないため、安定した流量で送液することが可能になる。さらに、液体と流路壁面の摩擦によって生じる流速分布が発生しないために、超微少量の送液を精度よく行うことができる。
なお、電気浸透流とは、酸化アルミニウムやシリカなどの誘電体の固体材料と液体とを接触させた際に、固体との界面近傍の液体中に電気二重層が形成され、この電気二重層に外部から電位を与えることで層中の電荷の移動が起こり、これに伴って液体が一方向に移動する現象のことを言う。
例えば、シリカで形成される基板に流路を形成し液体を満たした場合、シリカ壁表面は過剰な負電荷を有するため、負電荷を帯びたシリカ壁表面に液体中の正電荷のイオンが引きつけられ、シリカとの界面近傍で液体中に電気二重層が形成される。この状態で外部電極から電圧を印加すると液体中の正電荷を帯びた層が負電極へと移動し、この層の移動に伴い液体全体が正極から負極へ移動することによって送液が行われる。
従来の電気浸透流ポンプは、通常、酸化アルミニウムやシリカからなる基板に形成された、液体を流すための流路の壁面に、電荷を移動させるための電圧を与える一対の電極(正極および負極)が、例えば金属板等により形成されて配置された構造を有している。
なお、電極に対する電圧の印加は、例えば、外部電源から、その外部電源と各電極とを電気的に接続する配線を介して行なわれる。(特許文献3等参照)。
特開2002−214241号公報(第4−5頁,第1図) 特開2002−233792号公報(第5−6頁,第1図,第3図) 特表2002−529235号公報(第1図)
しかしながら、従来の電気浸透流ポンプは、送液する力を強くすること、特に、流路の長い範囲にわたって強い送液の力を得ることが難しいという問題があった。
これは、次のような理由による。電気浸透流ポンプが液体を押し出す力は、液体と固体との界面に生じる電気二重層の電位(ζ電位)及び、その電気二重層に対して印加される電界の強さに比例するため、送液の力を大きくするためには電極間の距離を短くする、または、電圧を高くする必要がある。
電極間の距離を短くする場合、例えば金属板で形成される電極同士の変形等に起因する接触によりショート(電気的短絡)が発生し電気浸透流ポンプが駆動しない可能性が高くなるおそれがある。
電極間の電圧を高くする場合、電極の電位が、電極を形成する金属材料等の酸化還元電位よりも負に大きくなって電極がイオン化する。そのため、液体中に電極成分が溶出し、電極が磨耗してしまう。
このような問題に対し、正負一対の電極からなる電気浸透流ポンプを、複数、流路の長さ方向に沿って配列して送液の力を大きくするという手段が考えられる。
しかしながら、この場合、あるポンプの正極(または負極)の近くに、それに隣接するポンプの負極(または正極)が位置することになるため、隣り合うポンプの間で、本来の送液方向とは逆向きに送液の力が生じてしまう。そのため、送液の力を効果的に高くすることが難しい。
本発明は、上記の問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、特に流路の長い範囲にわたって強い送液の力を生じ得る電気浸透流ポンプ、その電気浸透流ポンプを用いた、ポンピングシステム、マイクロ化学チップおよび燃料電池を提供することにある。
本発明の電気浸透流ポンプは、液体が流れる流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記液体と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極とを有し、前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている。
本発明の電気浸透流ポンプは、好ましくは、前記一方側および他方側の電極は前記底面に直交している。
本発明の電気浸透流ポンプは、好ましくは、前記凹部は、前記流路に対して同心状に形成されている。
本発明の電気浸透流ポンプは、好ましくは、前記流路の内面に、前記凹部に対向する突部が形成されている。
本発明の電気浸透流ポンプは、好ましくは、前記誘電体がセラミックスからなる。
本発明のポンピングシステムは、液体を流動させる方向に沿って直列に、または前記液体を流動させる方向に対して並列に配列された複数の電気浸透流ポンプを有し、前記複数の電気浸透流ポンプそれぞれは、前記液体が流れる流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記液体と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極とを有し、前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている。
本発明のポンピングシステムは、好ましくは、前記流路の内面に、前記凹部に対向する突部が形成され、前記複数の電気浸透流ポンプは、前記凹部の対向する方向が交互に逆方向になるように、前記液体を流動させる方向に沿って直列に配列されている。
本発明のマイクロ化学チップは、液体を供給する供給部が形成された基体と、該基体の表面および内部の少なくとも一方に、前記供給部から延びるように形成された流路と、該流路の途中に形成された前記液体の処理部と、前記流路の前記液体の送液を行う電気浸透流ポンプとを有し、前記電気浸透流ポンプは、前記流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記液体と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極とを有し、前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている。
本発明のマイクロ化学チップは、好ましくは、前記電気浸透流ポンプが複数搭載されている。
本発明の燃料電池は、基体と、該基体の内部に設けられた、燃料を流すための流路と、該流路の一部と接するようにして配置される電解質部材と、前記流路の前記燃料の送液を行う電気浸透流ポンプとを有し、前記電気浸透流ポンプは、前記流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記燃料と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極とを有し、前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている。
本発明の燃料電池は、好ましくは、前記電気浸透流ポンプが複数搭載されている。
本発明の電気浸透流ポンプによれば、誘電体が、流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、一方側および他方側の電極は、凹部の流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されていることから、各電極は、それらが接している凹部の各側面により補強されるので、変形等を生じることは効果的に抑制される。そのため、電極同士がショートするのを有効に抑制し、間隔を小さくして形成することができ、その結果、電極間に電圧をより高く印加して、ポンプ機能をより高めることができる。
また、一方側および他方側の電極は、凹部の流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されていることから、誘電体の表面の近傍で、凹部内の液体中に生じる電気二重層に対して効率よく電圧を加えることができる。そのため、電圧を、電極を形成する金属材料を溶解させる程度にまで強くすることなく、送液の力を強くすることができる。
また、一方側および他方側の電極は、凹部の両側面に配置されているので、例えば、このような電気浸透流ポンプを複数、流路の長さ方向に沿って配列したとしても、隣り合う電気浸透流ポンプの間で、電極間に液体が介在することはない。そのため、本来の送液方向とは逆向きの送液の力が隣り合う電気浸透流ポンプ間で生じるようなことは効果的に抑制される。したがって、複数の電気浸透流ポンプを流路に沿って、例えば隣接間隔を狭くして配設することも可能になるので、特に流路の長い範囲にわたって強い送液の力を生じ得る電気浸透流ポンプを提供することができる。
また、本発明の電気浸透流ポンプにおいて、好適な態様では、一方側および他方側の電極が、誘電体から成る凹部の底面に直交していることから、凹部内の液体中に生じる電気二重層に対してより効率よく電圧を加えることができ、より強い送液力を発現できる。
また、本発明の電気浸透流ポンプにおいて、凹部が、流路に対して同心状に形成されている場合には、流路中の横断面方向の全周にわたって、送液の力を同様に生じさせることができる。したがって、より強い送液の力を生じさせることが可能な電気浸透流ポンプとすることができる。
また、本発明の電気浸透流ポンプにおいて、流路の内面に、凹部に対向する突部が形成されている場合には、突部により凹部への流れが生じ、電極間に液体を流し込みやすくなり、確実に送液を行うことができる。
また、本発明の電気浸透流ポンプにおいて、誘電体がセラミックスからなる場合には、その生産性や工作精度等が向上する。
つまり、電気浸透流ポンプ作製の際に多層セラミック製造技術が適用できるので、例えば、径の異なる貫通孔が形成されたグリーンシートを、精度良く積層し焼成することで、凹部を有する流路を容易に形成することができる。また、電極は、メタライズ法やめっき法等の厚膜,薄膜形成手段により容易に、寸法等の精度を高くして形成することができる。そのため、生産性や工作精度等に優れた電気浸透流ポンプを提供することができる。
また、このような電気浸透流ポンプを容易に上下および/または左右方向に複数配置することが容易である。
本発明のポンピングシステムは、上記構成の電気浸透流ポンプが、液体を流動させる方向に沿って直列に、または液体を流動させる方向に対して並列に、複数配列されていることから、複数の電気浸透流ポンプの送液の力の合力が流路中の液体に対して作用するので、より強い送液の力を得ることができる。
この場合、本発明の電気浸透流ポンプは、上記のように隣り合うもの同士の間で逆向きの送液の力が生じることが抑制されているので、複数の電気浸透流ポンプを、隣接距離を短くして配置することができる。そのため、小さな占有面積で大きな送液の力を生じることの可能なポンピングシステムとすることができる。
また、本発明のポンピングシステムにおいて、流路の内面に、凹部に対向する突部が形成され、複数の電気浸透流ポンプが、凹部の対向する方向が交互に逆方向になるように、液体を流動させる方向に沿って直列に配列されている場合には、突部により凹部への流れが生じ、電極間に液体を流し込みやすくなるとともに、一の凹部の流出方向と、次の凹部の流入方向とが近くなることから、次の凹部に液体を流し込みやすくなり、より確実に送液を行うことができる。
本発明のマイクロ化学チップは、基体に液体の流路が形成され、この流路への液体の送液手段として上記いずれかの構成の電気浸透流ポンプが搭載されて形成されていることから、小型で送液機能に優れたマイクロ化学チップを提供することができる。
また、本発明のマイクロ化学チップにおいて、電気浸透流ポンプが複数搭載されている場合には、より送液の機能に優れたマイクロ化学チップとすることができる。
本発明の燃料電池は、基体に液体の流路が形成され、この流路への液体の送液手段として上記いずれかの構成の電気浸透流ポンプが搭載されて形成されていることから、小型で送液機能に優れた燃料電池を提供することができる。
また、本発明の燃料電池において、電気浸透流ポンプが複数搭載されている場合には、より送液の機能に優れた燃料電池とすることができる。
図1Aは本発明の電気浸透流ポンプの実施の形態の一例を示す平面図であり、図1Bは図1Aの断面線A−Aにおける断面図である。 図2Aは本発明のマイクロ化学チップの実施の形態の一例を示す平面図であり、図2Bは、図2Aの断面線I−I、II−IIおよびIII−IIIにおける断面構成を示す部分断面図である。 本発明のマイクロ化学チップの製造方法を模式的に示す分解斜視図である。 図4Aは本発明の燃料電池の実施の形態の一例を示す上面側斜視図であり、図4Bはその下面側斜視図である。 図4Aにおける燃料電池の断面線B−Bにおける断面図である。 本発明のマイクロ化学チップの実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
11:誘電体
14,14a,14b:電極
15,15a,15b,27a,27b,102:流路
26,111:電気浸透流ポンプ
図1Aは、本発明の電気浸透流ポンプについて、その実施の形態の一例を簡略化して示す平面図である。図1Bは、図1Aに示す電気浸透流ポンプの断面線A−Aにおける断面構成を示す断面図である。
この実施形態において、電気浸透流ポンプは、ブロック状または板状等の絶縁基材12に形成された円筒状の流路15の内壁面に配設されている。
すなわち、この電気浸透流ポンプは、液体が流れる流路15の少なくとも一部の表面を誘電体11で形成するとともに、誘電体11を、流路15の延在方向に挟んで一対の電極14を配置し、液体と誘電体11との間に生じる電気二重層に対して一対の電極14の間で電圧を付与して液体を流動させる電気浸透流ポンプであって、誘電体11は、流路15の内面に形成された凹部の底面に位置しており、一対の電極14は、凹部の両側面に、誘電体11の表面に直交し、互いに対向するようにして配置されている。
絶縁基材12は、酸化アルミニウム質焼結体やガラスセラミックス、もしくはガラス材料等の絶縁材料により形成されている。
絶縁基材12は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合はセラミックグリーンシートを積層することで作製することができる。
流路15は、本実施形態において、この絶縁基材12を一方向に貫通するように、複数個、平行に配列されて形成されている。
流路15の横断面(流路の延在方向に直交する断面)形状は、後述するような液体が通過可能なものであれば、特に限定されるものではないが、液体の流れの抵抗を小さくするためには円形形状もしくは楕円形状が好ましい。
この流路15中を液体(図示せず)が流れる。流路15を流れる液体は、例えば本発明の電気浸透流ポンプがマイクロ化学チップに適用された場合、基質(生体物質等)や金属イオン等の被分析物や、化学合成の原料化合物等を含有する溶液や試薬、洗浄用の溶媒(水、有機溶剤)等である。この液体に対して、混合、分離、分析、吸着、合成等の処理が施される。また、発明の電気浸透流ポンプが燃料電池に適用された場合、流路15を流れる液体は、メタノールやギ酸、ジメチルエーテル等の燃料や、これらの燃料と水との混合物等である。
流路15は、例えば、絶縁基材12が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、絶縁基材12となる各セラミックグリーンシートに貫通孔を形成しておいて、その貫通孔が上下に連通するようにして各セラミックグリーンシートを積層することにより、絶縁基材12を貫通する筒状に形成される。
流路15は、筒状に限らず、溝状等でもかまわない。溝状の流路(図示せず)は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる絶縁基材12となるセラミックグリーンシートの表面に、レーザー装置等を用いた加工や、形成しようとする溝に応じた型をセラミックグリーンシートに押し付けて溝状に凹ませること等により形成することができる。
上記流路の延在方向に沿った液体の送液が電気浸透流ポンプにより行なわれる。電気浸透流ポンプは、流路15に形成された凹部(符号なし)と、凹部の底面に位置するように形成された誘電体11と、凹部の流路の延在方向で対向する両側面に、誘電体11の表面に直交し、互いに対向するように配置された一対の電極14とにより基本的に構成されている。
なお、本発明において凹部の底面とは、流路15の延在方向に平行な内面をいい、この内面が誘電体11で構成されることにより、誘電体11の表面の帯電状態に応じて液体の誘電体11近傍に電気二重層が形成される。
本実施形態において、流路15に形成された凹部は、流路15の壁面を流路15の中心軸から外側に同じ深さで凹ませた形状をしている。
このような凹部は、例えば、流路15を形成するセラミックグリーンシートの各貫通孔について、その一部のものの開口寸法を他のものの開口寸法よりも大きくしておいて、開口寸法の大きい貫通孔の外縁が、他の貫通孔の外縁よりも外側に位置するようにして積層を行なうことにより形成される。
誘電体11は、流路15に形成された凹部の底面に形成される。つまり、凹部の底面に誘電体11が露出して流路15内を流れる液体と接する状態にある。このような誘電体は電気二重層の生成を補充する役目を持つ。
誘電体11の材料としては、絶縁基材12を構成する絶縁材料でもよいが、より良好に電気二重層を形成するために、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどの誘電体材料が用いられるのがよい。
誘電体11は、例えば、上記の材料(例えばチタン酸バリウム)の粉末を有機溶剤、バインダとともにシート状に形成して誘電体グリーンシートを作製し、その誘電体グリーンシートに、流路15となる貫通孔と同様に円筒状等の貫通孔を形成し、誘電体グリーンシートをセラミックグリーンシートの間に挟んで、各貫通孔が上下につながるように積層することによって形成することができる。
この場合、誘電体グリーンシートの貫通孔について、その開口寸法を、セラミックグリーンシートの貫通孔よりも大きくしておいて、誘電体グリーンシートの貫通孔の外縁がセラミックグリーンシートの貫通孔の外縁よりも外側に位置するようにして積層することにより、凹部の内側面に誘電体11を位置させることができる。
電極14は、誘電体11に対して流路15の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ形成される。つまり、電極14は一対のものからなり、一方の電極14は誘電体11より流路15の上流側に位置し、他方の電極14は下流側に位置している。
電極14は、電気二重層部に電圧を印加する役目を持つ。電極の材料としては、タングステン、モリブテン、白金などが用いられるが、耐薬品性に優れてマイクロ化学チップや燃料電池に流通される液体を限定しない白金が特に望ましい。この場合、少なくとも電極14の露出表面が白金で形成されているような形態でもよい。
電極14は、例えば白金からなる場合であれば、白金ペーストを用いて印刷法によってグリーンシートに形成したり、白金めっきによって、タングステンやモリブデン等からなる導体表面に形成することも可能である。
本発明の電気浸透流ポンプは、一対の電極14(上部電極14aと下部電極14b)および誘電体12に囲まれるようにして凹部(ポンプ室13)が形成される。これにより、凹部の内側に液体の電気二重層が形成され、この電気二重層が一対の電極14で直接挟まれることによって電気二重層に直接電圧が印加されるので、送液力を非常に高くすることができる。
この流路の凹部に形成されたポンプ室13は、互いに対向して配列された電極14a,14bの間に電圧を印加することによって、誘電体11の表面近傍の液体中に生じる電気二重層内の電荷が移動し、この電荷の移動にともなってポンプ室13内の液体を送液することができる。電極14a,14bに対する電圧の供給は、例えば外部からの電気負荷装置を用いて行う。
本発明の電気浸透流ポンプによれば、誘電体11が、流路15に形成された凹部の底面に位置しており、一方側および他方側の電極14a,14bは、凹部の流路15の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されていることから、各電極14a,14bは、それらが接している凹部の各側面により補強されるので、変形等を生じることは効果的に抑制される。そのため、電極14a,14b同士がショートするのを有効に抑制し、間隔を小さくして形成することができ、その結果、電極14a,14b間に電圧をより高く印加して、ポンプ機能をより高めることができる。
また、一対の電極14a,14bは、凹部の流路15の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されていることから、誘電体11の表面の近傍で、凹部内の液体中に生じる電気二重層に対して効率よく電圧を加えることができる。そのため、電圧を、電極14a,14bを形成する金属材料を溶解させる程度にまで強くすることなく、送液の力を強くすることができる。
また、一対の電極14a,14bは、凹部の流路の延在方向で対向する両側面に配置されているので、例えば、このような電気浸透流ポンプを複数、流路の長さ方向に沿って配列したとしても、隣り合う電気浸透流ポンプの間で、電極14間に液体が介在することはない。そのため、本来の送液方向とは逆向きの送液の力が隣り合う電気浸透流ポンプ間で生じるようなことは効果的に抑制される。したがって、複数の電気浸透流ポンプを流路に沿って、例えば隣接間隔を狭くして配設することも可能になるので、特に流路15の長い範囲にわたって強い送液の力を生じ得る電気浸透流ポンプを提供することができる。
また、本発明の電気浸透流ポンプにおいて、一方側および他方側の電極14a,14bが、誘電体11から成る凹部の底面に直交しているのが好ましい。これにより、凹部内の液体中に生じる電気二重層に対してより効率よく電圧を加えることができ、より強い送液力を発現できる。
本発明の電気浸透流ポンプにおいて、凹部が流路に対して同心状に形成されている場合には、流路15の横断面方向の全周にわたって、送液の力を同様に生じさせることができる。したがって、より強い送液の力を生じさせることが可能な電気浸透流ポンプとすることができる。
流路15は、図1Aの形態においては、絶縁基材12の厚さ方向に貫通するように形成されている。この流路15は、図示したような円筒状のものに限らず、上述したように、円形状以外の横断面(楕円形状、四角形状)形状の筒状でもかまわない。
また電気浸透流ポンプの横断面形状は流路15の横断面形状と相似形が望ましいが、他の形状であってもかまわない。
流路となる貫通孔は、上記機械的な打ち抜き加工や、レーザー加工等の加工法を用いて絶縁基材12となるグリーンシートに形成される。微細な貫通孔を、寸法精度等の精度を高くして形成する上では、レーザー加工を用いることが好ましい。
また、凹部を、流路15に対して同心状に形成するためには、流路15となる貫通孔よりも開口径の大きな貫通孔を上記グリーンシートに形成しておいて、凹部となる貫通孔の外縁が、流路15の他の部位となる貫通孔の外縁よりも外側に(同心状に)位置するようにグリーンシートを積層すること等の手段を用いることができる。この積層を精度良く行なうには、例えば画像積層機などを用いる。なお、この場合の同心状とは、流路15および凹部それぞれ、長さ方向に垂直な断面の中心が同じ線上に位置することを意味し、流路が円筒状の場合であれば、流路の長さ方向に垂直な断面において、同心円状であることを意味する。
本発明のポンピングシステムは、上記構成の電気浸透流ポンプが、液体を流動させる方向に沿って直列に、または液体を流動させる方向に対して並列に、複数配列されているものである。
なお、電気浸透流ポンプが液体を流動させる方向に対して並列に配列されているというのは、図1Aおよび図1Bに示すように、流路15を並列に配置するとともにこれらのそれぞれの流路15に電気浸透流ポンプを設けることにより、互いに並列関係になるようにした状態をいう。これにより、隣り合う電気浸透流ポンプの電極14が同一層に並ぶので、セラミックグリーンシート積層法で作製する場合、電極を一度にセラミックグリーンシートに印刷形成すればよいので工程を簡略化できる。
図1Aおよび図1Bは、直列および並列の両方向に複数の電気浸透流ポンプが配列されてポンピングシステムが形成された例を示している。
このようなポンピングシステムによれば、複数の電気浸透流ポンプの送液の力の合力が流路中の液体に対して作用するので、より強い送液の力を得ることができる。
この場合、本発明の電気浸透流ポンプは、上記のように隣り合うもの同士の間で逆向きの送液の力が生じることが抑制されているので、複数の電気浸透流ポンプを、隣接距離を短くして配置することができる。そのため、小さな占有面積で大きな送液の力を生じることの可能なポンピングシステムとすることができる。なお、ここで表現される直列とは絶縁基材12の厚み方向であり、並列とは絶縁基材12の平面方向である。
例えば、送液する液体の粘度が約1m・Pa・sの場合、電気浸透流ポンプを効率よく駆動するためにポンプ室13の横断面積(送液方向に対して直交する方向における断面積)は3000マイクロ平方センチメートル乃至10000マイクロ平方センチメートル、電極間距離は100マイクロメートル乃至200マイクロメートルが望ましい。また、ポンピングシステムは、送液をより効率よく行なうために電気浸透流ポンプを10ないし20直列に連結したものを100乃至500列のアレイ状に配置することが望ましい。
本発明のマイクロ化学チップは、基体21に液体の流路が形成され、流路への液体の送液手段として上記いずれかの構成の電気浸透流ポンプが搭載されて形成されている。そのため、小型で送液機能に優れたマイクロ化学チップを提供することができる。
また、本発明のマイクロ化学チップにおいて、電気浸透流ポンプが複数搭載されている場合には、より送液の機能に優れたマイクロ化学チップとすることができる。
以下、複数の電気浸透流ポンプを搭載した場合を例に挙げて、本発明のマイクロ化学チップの実施形態について詳しく説明する。
この実施形態において、流路は、筒状の領域を有する2つの供給流路が途中で合流するような形態で形成され、電気浸透流ポンプは筒状の領域の一部に形成されている。これらの電気浸透流ポンプおよび流路が形成されている絶縁基材および誘電体を含むようにして、マイクロ化学チップの基体が形成されている。
図2Aは、本発明のマイクロ化学チップについて、その実施の形態の一例を示す平面図であり、図2Bは、図2Aに示すマイクロ化学チップの断面線I−I、II−IIおよびIII−IIIにおける断面構成を並べて示す。
図2Aおよび図2Bにおいてマイクロ化学チップは、液体の供給部23a、23bと混合された液体を外部に導出する採取部24とが設けられた基体21を有する。供給部23aは、供給流路27aと、供給流路27aの端部に設けられる供給口25aと、接続部22よりも液体の流通方向上流側に設けられる電気浸透流ポンプ26aとを含む。同様に供給部23bは、供給流路27bと、供給口25bと、電気浸透流ポンプ26bとを含む。供給口25a、25bは、外部から供給流路27a、27bに液体を注入する事ができるように開口されている。また採取部24は、流入した液体を外部に取り出すことができるように開口で実現されている。
基体21の材料は、例えば、アルミナを主体とするセラミック材料やガラスセラミックスで形成されている。この例において、基体21の一部により、電気浸透流ポンプの絶縁基材12が形成されている。
供給流路27a、27bの電気浸透流ポンプ26a、26bとの接続部の流路面積は、電気浸透流ポンプの配置される領域を覆う程度に広がっている。
本発明のマイクロ化学チップは、血液、唾液、尿等の体液中のウイルス、細菌または体液成分による検査、ウイルス、細菌や薬液との反応実験、ウイルス、細菌や薬液と体細胞との生体反応実験、血液鑑定、遺伝子の薬液による分離抽出や分解、溶液中の化学物質の分解、析出、複数の薬液の混合などの用途に用いる事ができる。また、本発明のポンピングシステムを搭載することで、送液する液体に物理的な衝撃を与えず、さらに低電圧で駆動することから電気的衝撃を最小限に抑えて送液することができる。
次に図2Aおよび図2Bに示すマイクロ化学チップの電気浸透流ポンプ26の製造方法を説明する。本実施形態では、基体21がセラミック材料からなる場合について説明する。図3Aおよび図3Bは、セラミックグリーンシート31、32、33の加工状態を示す図である。
まず、原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を混合し、必要に応じて可塑剤または分散剤などを添加してスラリーにし、これをドクターブレード法またはカレンダーロール法などによってシート状に成形することによって、セラミックグリーンシートを形成する。原料粉末としては、たとえば、基体21が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムなどを用いる。
本実施形態では、このようにして形成されるセラミックグリーンシートを用いて基体21を形成する。まず図3Aに示すように、セラミックグリーンシート31に上部流路15aとなる貫通孔34、下部流路15bとなる貫通孔36および電気浸透流ポンプのポンプ室13となる貫通孔35を形成する。これらの貫通孔は直径を50マイクロメートル以下にする必要があるために、レーザーを用いることが好ましい。貫通孔35の直径は、貫通孔34、36の直径よりも大きくなるように形成される。また、貫通孔34、35、36は並列に並べて形成される電気浸透流ポンプの所定数に応じて形成される。また、グリーンシート31、32、33は直列に並べて形成される電気浸透流ポンプの所定数に応じた枚数が形成される。
次に、図3Bに示すように、セラミックグリーンシート31の裏面の貫通孔34の外周部に金属粉体と有機バインダおよび溶剤を混合することによって作製される導電性ペーストをスクリーン印刷法などによって所定の形状に塗布することによって電気浸透流ポンプの上部電極14aとなるパターン37を形成する。次に、図3Bに示すように、セラミックグリーンシート33の表面の貫通孔36の外周部に導電性ペーストをスクリーン印刷法などによって所定の形状に塗布することによって電気浸透流ポンプの下部電極24bとなるパターン38を形成する。本実施形態では、金属粉末の原料としてはタングステン、モリブデン、白金などが用いられるが、耐薬品性に優れマイクロ化学チップに流通される液体を制限しない白金が特に望ましい。
次に、セラミックグリーンシート31、32、33を積層し、積層されたグリーンシートを約1,600℃で焼結させる。以上のようにして図2Aおよび図2Bに示す絶縁基材21内の電気浸透流ポンプ26を形成する。
本発明の燃料電池は、基体に液体の流路が形成され、流路への液体の送液手段として上記いずれかの構成の電気浸透流ポンプが搭載されて形成されている。そのため、小型で送液機能に優れた燃料電池を提供することができる。
また、本発明の燃料電池において、電気浸透流ポンプが複数搭載されている場合には、より送液の機能に優れた燃料電池とすることができる。
以下、電気浸透流ポンプを搭載した本発明の燃料電池の実施形態について詳しく説明する。
図4Aは、本発明の燃料電池について、その実施の形態の一例を示す上面側斜視図であり、図4Bはその下面側斜視図である。また、図5は4Aに示す燃料電池の断面線B−Bにおける断面図を示す。
図5において燃料電池は、燃料を電解質部材105に供給するための流路102が形成された基体101を有する。そして、基体101には、燃料の送液手段としての本発明の電気浸透流ポンプ111が設けられている。
本実施例においては、燃料を貯蔵するための空洞からなる燃料貯蔵部110が基体101に設けられており、燃料貯蔵部110の燃料を電気浸透流ポンプ111によって送液しながら流路102を通して電解質部材105に燃料を供給する。
電解質部材105は基体101に設けられた凹部117に収容され、電解質部材105に空気を流入するための流路108が形成された蓋体107が取着されている。電解質部材105の一方主面に形成された電極103は、燃料供給用の流路102に接触するとともに、基体101に形成された配線導体106の一部からなる接続導体106aに電気的に接続されている。この接続導体106aは配線導体106を介して基体101の表面に形成された外部接続用パッド109aに接続されている。
また、電解質部材105の他方主面に形成された電極103は、流路108に接触するとともに蓋体108に形成された配線導体106に接続された接続導体106bに電気的に接続されている。この接続導体106bは配線導体106を介して基体101の表面に形成された外部接続用パッド109bに接続されている。
さらに、本実施例においては、基体101の表面にキャビティ112を形成して電子部品113〜116を実装している。このような電子部品は、例えば、DC/DCコンバータ等の電源装置や、CPU,ROM,RAM等の制御装置、キャパシタ、アンテナ等である。
基体101の材料は、例えば、アルミナを主体とするセラミック材料やガラスセラミックスで形成されている。この例において、基体101はセラミックスなどからなる絶縁層101a〜101gを積層することにより形成されている。また、基体101の一部により、電気浸透流ポンプの絶縁基材12が形成されている。
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してもよい。例えば、本実施形態のマイクロ化学チップや燃料電池は酸化アルミニウム質セラミックスで形成されているが、電気浸透現象を生じる材料であればよく、たとえばシリカを含有するガラスセラミックスであってもかまわない。さらに電気浸透流ポンプのポンプ室を構成する材料が電気浸透現象を生じる材料であれば、他の部位は他の材料から形成されてもよい。
また、本実施形態では電気浸透流ポンプを絶縁基材12に垂直な方向に液体が流れるように形成したが、流路15や電気浸透流ポンプを絶縁基材12の平面方向に液体が流れるように形成してもよい。
さらに、電気浸透流ポンプを構成する電極15a,15bは、凹部から成るポンプ室に露出して液体と接触する部位以外の部位が誘電体11や絶縁基材12に埋設されていてもよい。
本実施形態では、流路の直線状部分に電気浸透流ポンプを配したが、流路の屈曲部分に電気浸透流ポンプを配してもよい。この場合、流路の外部に突出した側(屈曲部の外周側)を、本発明の凹部の一例と捉えて、該凹部に一対の電極を取着するとよい。
図6は、流路の屈曲部に電気浸透流ポンプを配した例を示している。流路215は、全体としては直線状に形成されている。流路215には、流路215を蛇行させるように、流路15の側方にずれてから復帰する屈曲部215aが設けられている。
屈曲部215aは、例えば、流路215の内面に凹部216が形成されるとともに、凹部216に対向する流路215の内面に突部217が形成されることにより構成されている。凹部216の底面は誘電体218により形成されている。凹部216において、流路215の延在方向で対向する両側面には、互いに対向する電極219が配置されている。そして、一対の電極219に電圧が印加されることにより、実施形態と同様に、流路215において送液が行われる。
このように、屈曲部の外周側を凹部と捉えて電気浸透流ポンプを配すると、図6の矢印221で示すように、液体は屈曲部に沿って電極間に流れ込みやすいことから、効果的に送液を行うことができる。
図6に示すように、屈曲部215aは、流路215の延在方向に沿って複数設けられてもよい。また、この場合、凹部216の対向する方向が交互に逆方向になるように設けられていてもよい。このようにすることにより、一の凹部216の流出方向と次の凹部216の流入方向とが近くなり、次の凹部216へ液体を流し込みやすくなり、効果的に送液を行うことができる。
なお、このような屈曲部215aは、例えば、図1に示した実施形態と同様に、セラミックグリーンシート及び誘電体グリーンシートが流路215の延在方向に積層され、セラミックグリーンシート及び誘電体グリーンシートの貫通孔が連結されて流路215が形成される場合には、誘電体グリーンシートの貫通孔の位置をセラミックグリーンシートの貫通孔の位置に対して貫通孔の径方向にずらすことにより形成できる。

Claims (11)

  1. 液体が流れる流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、
    該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記液体と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極と
    を有し、
    前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、
    前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている
    電気浸透流ポンプ。
  2. 前記一方側および他方側の電極は前記底面に直交している請求項1記載の電気浸透流ポンプ。
  3. 前記凹部は、前記流路に対して同心状に形成されている請求項1記載の電気浸透流ポンプ。
  4. 前記流路の内面に、前記凹部に対向する突部が形成されている
    請求項1記載の電気浸透流ポンプ。
  5. 前記誘電体がセラミックスからなる請求項1記載の電気浸透流ポンプ。
  6. 液体を流動させる方向に沿って直列に、または前記液体を流動させる方向に対して並列に配列された複数の電気浸透流ポンプを有し、
    前記複数の電気浸透流ポンプそれぞれは、
    前記液体が流れる流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、
    該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記液体と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極と
    を有し、
    前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、
    前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている
    ポンピングシステム。
  7. 前記流路の内面に、前記凹部に対向する突部が形成され、
    前記複数の電気浸透流ポンプは、前記凹部の対向する方向が交互に逆方向になるように、前記液体を流動させる方向に沿って直列に配列されている
    請求項6記載のポンピングシステム。
  8. 液体を供給する供給部が形成された基体と、
    該基体の表面および内部の少なくとも一方に、前記供給部から延びるように形成された流路と、
    該流路の途中に形成された前記液体の処理部と、
    前記流路の前記液体の送液を行う電気浸透流ポンプと
    を有し、
    前記電気浸透流ポンプは、
    前記流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、
    該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記液体と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極と
    を有し、
    前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、
    前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている
    マイクロ化学チップ。
  9. 前記電気浸透流ポンプが複数搭載されている請求項8記載のマイクロ化学チップ。
  10. 基体と、
    該基体の内部に設けられた、燃料を流すための流路と、
    該流路の一部と接するようにして配置される電解質部材と、
    前記流路の前記燃料の送液を行う電気浸透流ポンプと
    を有し、
    前記電気浸透流ポンプは、
    前記流路の少なくとも一部の表面を形成する誘電体と、
    該誘電体に対して前記流路の延在方向における一方側および他方側にそれぞれ配置され、前記燃料と前記誘電体との間に生じる電気二重層に対して電圧を付与する電極と
    を有し、
    前記誘電体は、前記流路の内面に形成された凹部の底面に位置しており、
    前記一方側および他方側の電極は、前記凹部の前記流路の延在方向で対向する両側面に、互いに対向するようにして配置されている
    燃料電池。
  11. 前記電気浸透流ポンプが複数搭載されている請求項10記載の燃料電池。
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