JP4720446B2 - 車両検出装置及びこれを用いた車両用表示装置 - Google Patents

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本発明は、車両の周囲を撮像した画像を用いて周辺に存在する他車両を検出する車両検出装置、及びこの検出装置を備えて自車両の周辺に存在する他車両をディスプレイ上に表示する車両用表示装置に関する。
車室内に設置したディスプレイ上に周辺の様子を表示させるようにした表示装置について従来から複数の提案がある。また、このような表示装置で、特に周辺に存在する車両(以下、他車両という)を精度良く表示できれば、運転者が車両(自車両)を停車あるいは駐車させる際などの有効な支援となる。このように表示装置を備える車両には、車外周囲を撮像するためのカメラが設置されている。しかし、カメラで撮像した他車両の画像をそのままディスプレイに表示しても見難いものとなる。
例えば特許文献1は、撮像手段により撮像された車両周囲の画像を車両上方の視点から見た車両周囲画像に変換し、この車両周囲画像上で他車両を検出する。その際に、検出した2つの車輪間の距離に基づいて他車両の大きさを推定し、推定した他車両の大きさに基づいて他車両の擬似画像をディスプレイ上に重畳表示させる。このような表示装置であれば、自車両上方から見た状態に変換して他車両を表示できるので、運転者が確認し易い画像をディスプレイ上に表示できる。
特開2003−309844号公報
ところで、上記のようにディスプレイ上に他車両を表示させるためには、撮像画像から他車両を精度良く検出することが必要である。特許文献1の装置では、車輪を検出することによって他車両を検出するようにしている。ところが、自車両の周辺に複数の他車両が存在する場合を想定しておらず、検出した車輪が同一車両(他車両)に属するものであるか否かの判断を行っていない。
上記のように車輪のみによって他車両を確認するようにしていると、自車両の周辺に複数の他車両が接近して存在している状況で他車両を誤って検出してしまう場合がある。図12はこのような状況を例示している。他車両Aの後輪と他車両Bの前輪を検出したときに、2つの車輪を検出したことに基づいてこの位置に他車両が存在すると誤認識してしまう。しかも、異なる車両に属する2つの車輪の間隔に基づいて車両の大きさが推定される。
さらに、特許文献1では黒色であるタイヤを検出することで車輪を特定するようにしている。例えば夜間においてはタイヤとボディ部分のコントラストが低下するのでタイヤのみの抽出が困難となる。また、昼間においても太陽の向きにより他車両の影と他車両の側面とが一体化してしまう場合があり、このような場合にもタイヤの抽出が困難となる。
自車両の周辺に存在する他車両を表示できる表示装置は運転者に有効なものであるが、他車両を精度よく検出していることが前提である。ところが、上記で指摘したように、他車両を精度良く検出できない場合にはディスプレイに表示される他車両が不正確なものとなるので有効な運転支援を行えなくなる。
したがって、本発明は前述した課題を解決するためになされたもので、第1に車両周囲の撮像画像を用いて車両(自車両)の周辺の他車両を精度良く検出できる車両検出装置を提供すること、第2にこのような車両検出装置を備えてディスプレイに他車両を正確に表示できる車両用表示装置を提供することを目的とする。
上記目的は、撮像画像に基づいて自車両周囲に存在する他車両を検出する車両検出装置であって、周辺に存在している前記他車両の車輪を検出する車輪検出手段と、前記車輪検出手段が検出した2つの車輪の間に、車両の構成部品が存在することに基づいて、前記他車両を検出する他車両検出手段とを、備え、前記他車両検出手段は、前記車輪検出手段によって検出された車輪の前後のフェンダが成す角度を検出し、検出した前記フェンダが成す角度の方向に向かって前記撮像画像のエッジを探索することで、前記構成部品の有無を検出することを特徴とする車両検出装置によって達成される。
本発明によると、他車両検出手段が車両の構成部品が存在することに基づいて他車両を検出するので、異なる車両に属している2つの車輪を同一の車両に属する車輪であると誤判断することを防止できる。よって、自車両の周辺に複数の他車両が存在してもこれらを正確に検出できる。
そして、前記構成部品は、車輪間のサイドステップとすることができる。車両の車輪間には必ずサイドステップが存在するので、このサイドステップを確認するようにすれば他車両を確認できる。
また、前記車輪検出手段は、前記他車両のホイールを検出するようにすることが望ましい。車輪の中央にはホイールがあり、その外側にタイヤが装着されている。一般にホイールは銀色であり、タイヤの黒色よりも明度が高い。よって、夜間や悪天候等の状況であり車輪判断が困難なときであっても、ホイールを正確に検出して車輪を検出できる。
また、前記他車両検出手段は、同一車両の車輪位置に基づいて前記他車両の大きさをさらに推定するように構成しておくことがより好ましい。同一車両に属することが確認されている2つの車輪間の長さに基づけば、他車両の大きさを正確に推定できる。
そして、上記車両検出装置と、前記撮像画像に他車両の大きさに基づいて合成した擬似他車両の画像を重畳して表示する表示手段とを備えた車両用表示装置であれば、自車両の周囲に存在する他車両を正確に確認して表示手段に表示できる。このような車両用表示装置を搭載した車両は、運転者の運転操作を確実に支援できる。
本発明によれば、車両(自車両)の周辺に存在する他車両を精度良く検出できる車両検出装置を提供できる。このような車両検出装置を利用した車両用表示装置であればディスプレイ上に他車両を正確に表示できる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施例について説明する。なお、以下で示す実施例では、車両(以下、自車両と称す)の周辺を撮像した画像に基づいて他車両を検出する車両検出装置を一体に組込んだ車両用表示装置1について説明する。
図1は、車両用表示装置1の構成を示した図である。車両用表示装置1はカメラ群2、測距センサ群3、画像処理装置4、ディスプレイ5、撮像条件検出装置6及び障害物位置検出装置7を備えている。
カメラ群2は自車両の周部を撮像するために配置される。カメラ群2は、自車両のボディ周縁部に取付けられる1つ以上のカメラを含んで構成されている。このようなカメラとしては、CCDカメラ、CMOSカメラ、ステレオカメラ等を採用できる。各カメラは自車両の外周の全域を撮像できるようにボディの上部に設置し、お互いの撮像領域の両側が一部オーバーラップするように設定しておくことが望ましい。このように撮影領域の両端をオーバーラップするように設定しておくことで、片側のカメラに不都合が生じた場合でも一定範囲で補うことができる。
測距センサ群3は、自車両に取付けられて周辺に存在する障害物を検知する1つ以上のセンサである。このようなセンサとしては、クリアランスソナー、ミリ波レーダ、レーザレーダ、オートフォーカスカメラ等を採用できる。測距センサ群3は、例えば自車両の周辺に存在する他車両、道路構造物、歩行者などを検出する。上記カメラ群2が撮像した周辺の画像データ、及び上記測距センサ群3が検出した障害物の検出データは、装置本体10側へ供給されている。
装置本体10側には画像処理装置4、ディスプレイ5、撮像条件検出装置6、及び障害物位置検出装置7が含まれている。画像処理装置4はCPU(Central Processing Unit)を中心にしてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成したマイクロコンピュータである。画像処理装置4は、ROMに予め格納した種々のプログラムによって、周囲画像合成部41、車両検出部42、擬似車両描画部43及び画像合成部44として機能する。なお、本実施例では、画像処理装置4の主体を成す上記CPUが上記カメラ群2及び測距センサ群3、並びに後述するディスプレイ5等の駆動を制御しており、車両用表示装置1の全体をコントロールしている。
周囲画像合成部41は、上記カメラ群2によって得た複数の周辺画像データをそれぞれ自車両の上方の視点から見た上視点画像に透視変換し、それらの画像を合成して1枚に合成した車両周囲画像を生成させる。車両検出部42は上記測距センサ群3の障害物の検出データ及び周囲画像合成部41が合成した車両周囲画像を用いて、自車両の周囲に存在する他車両を検出する。この車両検出部42が他車両を検出する手法については後に詳述する。
擬似車両描画部43は、上記車両検出部42が検出した他車両の車輪及びボディに合せて、他車両を上方から見た擬似的な画像(以下、擬似車両画像と称する)を描画する。画像合成部44は、周囲画像合成部41が合成した車両周囲画像と、擬似車両描画部43が作成した擬似車両画像とを合成して自車両の周辺に存在する他車両を含んで表示する周囲画像(以下、合成周囲画像と称す)を生成させる。
ディスプレイ5は、画像合成部44から供給される合成周囲画像の信号に基づいて運転者に自車両周囲の画像を表示する表示手段である。ディスプレイ5として、例えば液晶モニタ、HUD(Head up display)、CRTモニタ、プラズマディスプレイなどを採用できる。さらに、より好ましい形態として撮影条件検出装置6及び障害物位置検出装置7を含んでいる。撮影条件検出装置6は、各カメラの設置場所、撮影レンズの光軸方向、撮影レンズの特性、撮影時刻(周囲の明るさなどを考慮する場合)など、カメラ撮影の条件を検出する装置である。また、障害物位置検出装置7は測距センサ群3の障害物の検出データに基づいて、自車両周囲の障害物の方向と距離を検出する。上記画像処理装置4は、これら撮影条件検出装置6及び障害物位置検出装置7の出力も参照することで、より正確に車両周囲画像、他車両の検出、擬似車両画像の描画、及び合成周囲画像の処理を実行する。
ここで、上記構成を備える車両用表示装置1による一連の動作を簡単に説明する。図2は、図1で示した構成を有する車両用表示装置1が、搭載された車両(自車両)のエンジンが始動したときに実行される処理をまとめて示したフローチャートである。なお、フローチャートの右側にはその動作に関連して駆動する各部を参考として示している。
自車両のエンジンが始動されると各部に電力が供給され(S1)、これに基づいてエンジンが始動したことを確認して(S2)、車両用表示装置1が起動される。まず、車両用表示装置1はカメラ群2を駆動して、自車両周辺をそれぞれのカメラで撮影する(S3)。
各カメラで撮影した自車両周辺の画像を、撮影条件検出装置6により検出した各カメラの設置場所、撮影レンズの光軸方向、撮影レンズの特性、撮影時刻などの撮影条件に基づいて、車両の上方視点から見た画像に透視変換する(S4)。各カメラにより透視変換された画像を自車両の上方視点から見た一枚の画像(車両周囲画像)に合成する(S5)。
さらに、測距センサ群3及び障害物位置検出装置7からの出力に基づいて、自車両周辺の他車両、道路構造物などの障害物の有無を判定し、同時に障害物までの距離測定、方向測定も行って障害物の位置を検出する(S6)。ここで、上記ステップ5で合成した車両周囲画像を用いて、自車両周辺の他車両の検出を行う(S7)。このステップ7での処理については後述する。
ステップ7で検出された他車両の車輪及びボディの位置に合せて、これに見合った擬似車両画像を描画する(S8)。ステップ5で作成された車両周囲画像上にステップ7で検出された他車両の車輪とボディ位置に、ステップ8で描画された擬似車両画像を上書き合成(重畳)して、合成周囲画像を生成する(S9)。図3で示すように、ステップ5による車両周囲画像は他車両が比較的歪んだ画像(A)となるが、合成処理を施して形成した合成周囲画像(B)は他車両を上方から見た擬似車両画像を含む見易いものとなる。
上記ステップ9で生成させた合成画像がディスプレイ5に表示されるので、運転者はこれを確認して運転支援に利用できる(S10)。その後、自車両のエンジンが停止され(S11)、これを確認すると(S12)、このフローチャートによる処理を終了する。
図4は、図2で示したフローチャート中のステップ7で実行される車両検出の処理を詳細に示したフローチャートである。この図4で示す車両検出の処理が、車両用表示装置1に組込まれている車両検出装置による特徴的な処理となる。なお、ここでの車両検出処理は、図1で示した画像処理装置4の車両検出部42に基づくものである。また、図4の下側には検出される他車両のホイール、フェンダ角及びサイドステップ位置を確認的に示している。
先ず、最初のステップ701(S701)で、画像処理装置4は図2のステップ6で検出した障害物の検出データ、並びに障害物位置検出装置7から障害物までの距離、方位に関する情報も合せて取得する。
次に、次のステップ702では車輪の中でも黒色であるタイヤではなく、銀色などの明度の高い色を有しているホイールを検出する。先に指摘したが、従来においては車輪の色が黒色(タイヤ)であることを前提とし、画像に含む円また楕円の形状をパターンマッチングして検索するという手法を採用している。すなわち、従来においては黒色であるタイヤを確認することにより車輪を確認していた。しかし、車両の影は「黒色」であることを前提としているので、夜間、豪雨等のような視界不良時には、画像内で車輪のコントラストが低下してしまう。よって、従来の手法では安定して車輪を検出することが困難であった。これに対し、本実施例で採用するように、明度の高いホイールを検出するようにすれば車輪を確実に検出できる。すなわち、車輪を検出する上でのロバスト性を大幅に向上させることができる。
さらに、ステップ702では高速化と検出精度を向上させるため、探索領域を限定することが好ましい。例えば、予め1枚に合成した車両周囲画像を有限個の領域に分割しておき、上記ステップ701の障害物の位置に従って障害物が含まれる領域の中のみでホイール検索する。例えば、図5で示すように、車両周囲画像を4分割して探索領域を決定する。この場合には障害物が第2領域と第3領域とに含まれる。なお、図5で×印は障害物位置検出装置7が障害物を検知した場所を示している。そして、障害物が存在する領域内(すなわち、図5の場合は第2領域と第3領域)から円形または楕円形の形状をした「非黒色」部分を抽出する。
具体的には、先ず(1)車両周囲画像上での角度と位置に応じた楕円パラメータである長径、短径等に関する情報を予め記憶しておき、障害物が存在する領域に該当するパラメータを用いてホイールパターン(円形又は楕円形)をリアルタイムに生成させる。なお、楕円パラメータは画像処理装置4の構成の一部であるROM等に予め記憶しておけばよい。
次に、(2)従来においてはパターンマッチングを行う前に2値化しタイヤとそれ以外の部分を分離しているが、本手法ではこのような処理を行わない。上記(1)でのホイールパターンをフィルタとして処理対象域に適用する。このようにすると、ターゲットとするホイール部分を示す円形或いは楕円形で明度の高い領域を強調し、尚且つパターンマッチング処理に不要な画像ノイズを低減することができる。
図6は、自車両SCを基準に設定したXY座標と、この座標での角度θ毎に予め設定されるパターン生成パラメータテーブルの一例を示した図である。図6では、障害物が45°の方向に在り、テーブルデータの(No.N)(距離が32、短径aが1、長径bが5、タイヤマージンmが1)がマッチングしている場合を例示している。
よって、(3)障害物が存在する領域内で上記(2)で強調した画像上からそれぞれのパターンを用いてパターンマッチングを行うことで、ホイールの位置を精度良く検出できる。このステップ702により、周辺の存在する他車両の車輪を確実に検出できる。
次のステップ703(S703)では、上記ステップ702で検出した車輪(ホイール)がどの車両に属している車輪であるか、すなわち同一の車両(他車両)に属する車輪であるか否かを車両の構成部品であるサイドステップに基づいて決定する。ここではサイドステップに関する情報の1つとして「フェンダ角」を利用する。すなわち、フェンダ角がサイドステップを検出するためのランドマークとなる。
図7は、他車両のフェンダ角度を検出する手法を説明するために示した図である。上記ステップ702で使用したホイールパターンの角度情報に応じて、図7で示すようにタイヤの前後それぞれのフェンダ角θ1、θ2について、フェンダ角パターンをリアルタイムで生成する。図7でフェンダ角パターンAは鋭角θ1、フェンダ角パターンBは鈍角θ2を例示するものである。なお、各パターンはフィルタをイメージして矩形で表している。
図8はフェンダ角のパターンマッチングの手法を説明するために示した図である。上記のようにして生成したフェンダ角パターンを、例えば車輪高さHの3/4以下の部分に車輪高さHの1/2を加えた領域を探索範囲として、パターンマッチングを行うことにより精度よくフェンダ角が検出される。
続く、ステップ704(S704)でサイドステップを検出する。上記ステップ703で検出したフェンダ角の頂点(θを成す直線の交点)をサイドステップ探索開始点として車輪の右側フェンダなら右へ、左側フェンダなら左側へ設定した探索範囲内でサイドステップを探索する。
図9は、サイドステップを探索する様子をまとめ示した図である。次に示す(1)〜(4)の処理を実行してサイドステップを検出する。先ず、(1) 探索領域を決定する。探索範囲(X座標区間)はフェンダ角の頂点のX座標間とする。画像上に車両の一方の車輪だけが写っているような場合には、探索境界の片方が画像境界を含む探索範囲となるように適宜に調整する。
次に、(2) 鋭角頂点(P1)から角度θの方向(P1→P3方向、図7参照)へエッジの探索を行う。ここでの探索は、例えば次の(a)〜(d)のように行うことができる。(a) まず、N×Mピクセルサイズの参照領域(ROI(Region of Interest))を一定間隔で配置する。この配置では、例えば水平方向(H軸)の画素値の平均値を求め、それを垂直方向(V軸)にプロファイリングする。
次に、(b) N(H軸=X軸)×M(V軸=Y軸)の領域内でプロファイルを計算する。この計算結果は、M次元の配列に格納される。そして、(c) 上記プロファイルの一次微分または二次微分を計算して、エッジ点を求める。なお、エッジ点が検出できれば、いずれの方式を採用してもよい。(d) 探索範囲での探索が完了するまで、上記(a)からの処理を繰り返す。
さらに、(3) 鈍角の頂点Q1から90+θの方向(Q1→Q2方向)にエッジの探索を行う。探索方法は、上記(2)で説明した鋭角頂点を探索する方法と同様である。(4) 上記(2)、(3)で求めたエッジに基づいて、図9の下段で示すように最小二乗法を用いた近似処理により直線を求めて、サイドステップを特定する。
最後のステップ705(S705)では、上記ステップ704で求めたサイドステップの直線方程式の傾きと端点座標とフェンダ角フィルタの角度(鋭角、鈍角)に基づいて、検出した車輪がどの他車両に属するものであるかを決定する。
図10は、検出した車輪がどの車両に属するかの判断手法を説明するために示した図である。図10で、探索範囲A,探索範囲C、探索範囲Dではサイドステップの端(又は画像端)までを略一直線で探索できるため探索角度Θ(又は90+Θ)と直線の傾き、探索開始点のY方向高さが検出した直線と一致(傾き±Θm誤差許容)している(図9参照)。このとき、探索範囲Dは探索範囲Cの車輪cと対になるフェンダ角フィルタを使用しているので、探索範囲Cと探索範囲Dとの直線は車両Bのものであることが分かる。
逆に探索範囲Bでは実際には車両Aと車両Bとの間での探索を行っているため、決定した直線の傾きが探索角度Θ(または90+Θ)の誤差(±Θth誤差許容、若しくは高さ方向の誤差(高さ±Hth誤差許容))を超えてしまうということになる。その理由としては、直線的なサイドステップに対して、車両のフロントバンパーやリアバンパなどの非直線要素のエッジ点を探索中に誤って取得してしまうため、近似した直線が想定しない直線になってしまうことが原因である。この場合には探索範囲に含まれる車輪は別の車両のものであるとの判断を行える。
なお、上記のように他車両の確実に特定できるので、車輪間の距離を正確に検出できることになる。よって、図2で示すステップ7のステップ8で擬似車両描画を生成させるときに、検出した他車両の大きさを正確に推定して擬似車両に反映させることができることになる。
なお、図10を参照して説明した上記例の場合、車両Bの車輪は、車輪bと車輪cということが決定しているので、車輪aは車両Aのものであるといことが自明であるが、例えば図11で示すような画像であった場合でも、上記の条件により車輪aと車輪bとが別の車両のものであることを検出できる。
以上で説明した実施例では、検出したサイドステップとフェンダ角フィルタの組(鋭角、鈍角)を評価することで、どの車輪がどの他車両に属するものであるかを判断できる。よって、周囲を撮影した画像に基づいて、自車両の周囲に存在する他車両を確実に確認できる。したがって、このような車両検出機能を備える車両用表示装置1であれば、自車両の上方の視点から見た車両周囲画像に他車両の擬似画像を上書きした合成画像をディスプレイ上に表示できる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。なお、特許請求の範囲の記載との関係では、画像形成装置4の車両検出部42が車輪検出手段及び他車両検出手段に対応する。
実施例に係る車両用表示装置1の構成を示した図である。 図1で示した構成を有する車両用表示装置が、搭載された車両のエンジンが始動したときに実行する一連の動作例をまとめて示したフローチャートである。 他車両を上方から見た擬似車両とした合成画像に変換される様子を示した図である。 図2のステップ7で実行される車両検出の処理内容を詳細に示したフローチャートである。 探索領域を決定する様子の一例を示した図である。 自車両を基準に設定した座標と、この座標での角度θ毎に予め設定されるパターン生成パラメータテーブルの一例を示した図である。 他車両のフェンダ角度を検出する手法を説明するために示した図である。 フェンダ角のパターンマッチングの手法を説明するために示した図である。 サイドステップを探索する様子をまとめ示した図である。 検出した車輪がどの車両に属するかの判断手法を説明するために示した図である。 他車両を判断する場合の画像例を示した図である。 従来の問題を説明するために示した図である。
符号の説明
1 車両用表示装置
2 カメラ群
3 距離センサ群
4 画像処理装置
41 周囲画像合成部
42 車両検出部
43 擬似画像描画部
44 画像合成部
5 ディスプレイ
6 撮影条件検出装置
7 障害物位置検出装置
SC 自車両

Claims (5)

  1. 撮像画像に基づいて自車両周囲に存在する他車両を検出する車両検出装置であって、
    周辺に存在している前記他車両の車輪を検出する車輪検出手段と、
    前記車輪検出手段が検出した2つの車輪の間に、車両の構成部品が存在することに基づいて、前記他車両を検出する他車両検出手段とを、備え、
    前記他車両検出手段は、前記車輪検出手段によって検出された車輪の前後のフェンダが成す角度を検出し、検出した前記フェンダが成す角度の方向に向かって前記撮像画像のエッジを探索することで、前記構成部品の有無を検出することを特徴とする車両検出装置。
  2. 前記構成部品は、車輪間のサイドステップであることを特徴とする請求項1に記載の車両検出装置。
  3. 前記車輪検出手段は、前記他車両のホイールを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両検出装置。
  4. 前記他車両検出手段は、同一車両の車輪位置に基づいて前記他車両の大きさをさらに推定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両検出装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の車両検出装置と、前記撮像画像に他車両の大きさに基づいて合成した擬似他車両の画像を重畳して表示する表示手段とを備えたことを特徴とする車両用表示装置。
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