JP4719528B2 - 点火薬、点火装置及び信号照明弾発射装置 - Google Patents

点火薬、点火装置及び信号照明弾発射装置 Download PDF

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この発明は、点火薬、点火装置及び信号照明弾発射装置に関し、さらに詳しくは、低いエネルギーによって発火することのできる点火薬、この点火薬を用いてなる点火装置及びこの点火装置を有してなる軽量で携帯に便利な信号照明弾発射装置に関する。
コンクリート破砕機又はロケットなどの点火装置に用いられる点火薬としては、これまでに、ロダン化鉛40〜50質量%と塩素酸カリウム60〜50質量%との混合物が知られている(非特許文献1)。
ところが、環境保全問題が浮上してきた近年においては、電気的感度が鋭敏ではあるが、鉛化合物である前記ロダン化鉛を比較的多量に含有する前記点火薬に代わる点火薬が要望されるようになってきた。このため、ジアゾジニトロフェノール単独を点火薬として用いることが試みられている(非特許文献1)。
共立出版株式会社、工業火薬協会編、「工業火薬ハンドブック」、昭和58年12月10日初版6刷発行、p266
しかしながら、前記ジアゾジニトロフェノールは、電気的感度が低く、可能な限り低いエネルギーにより発火することが望まれる点火薬においては、前記ジアゾジニトロフェノールのみからなる点火薬は信頼性に劣り、例えば、煙草に点火するライターに用いられる圧電素子によって発生するような低いエネルギーでは、発火しない場合があった。
この発明は、このような状況下、可及的に鉛化合物の含有量を低減させ、しかも低いエネルギーによって発火することのできる点火薬を提供すると共に、この点火薬を用いてなる点火装置及びこの点火装置を有してなる軽量で携帯に便利な信号照明弾発射装置を提供することをその課題とする。
この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)含有量が55〜75質量%であるジアゾジニトロフェノールと、含有量が16〜26質量%であるトリニトロレゾルシン鉛と、含有量が残存量である炭素質成分とを含有してなることを特徴とする点火薬
である。
また、この発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
(2)枠体内に無橋型電極が配置され、前記無橋型電極の少なくとも一方の電極が、前記枠体内に設けられた薬室に充填された前記(1)の点火薬に接してなり、かつ前記無橋型電極が圧電素子に接続されてなることを特徴とする点火装置
である。
さらに、この発明の前記課題を解決するための第3の手段は、
(3)略直方体に形成され、その一端に開口部を有するカバーと、前記開口部から前記カバー内に挿入して収容された装置本体とからなり、前記装置本体には、前記(2)の点火装置と、前記点火装置に連設された光薬が充填された弾倉と、前記弾倉に前記点火装置によって発火させた光薬を信号照明弾として発射させる信号照明弾発射孔とを備えてなることを特徴とする信号照明弾発射装置
である。
この発明によれば、比較的多量の電気的感度の低いジアゾジニトロフェノールと、比較的少量の電気的感度が鋭敏であるロダン化鉛とを含有し、前記それぞれの含有量を特定することによって電気的感度の調和を図り、低いエネルギーによって発火することができ、しかもロダン化鉛の含有量の低減化を達成した点火薬が提供される。
また、この発明の点火装置は、無橋型電極の少なくとも一方の電極が、前記点火薬に接してなることから、この発明によれば、前記と同様に、電気的感度の調和が図られ、低いエネルギーによって発火することができ、しかもロダン化鉛の含有量の低減化が達成された点火装置が提供される。
さらに、この発明によれば、前記点火装置によって発火させた光薬を信号照明弾として発射させることのできる軽量で携帯に便利な信号照明弾発射装置が提供される。このため、例えば、海難などによって海中に投げ出されて漂流する者、航空機事故によって航空機から脱出して海に着水し漂流する者又は山で遭難した者などの受難者が、この信号照明弾発射装置を携帯していると、その使用による信号照明弾によって、前記受難者の探索、発見及び救助を容易に行うことができる。
(1)点火薬
この発明の点火薬は、含有量が55〜75質量%であるジアゾジニトロフェノール(以下、「DDNP」ということがある。)と、含有量が16〜26質量%であるトリニトロレゾルシン鉛((以下、「トリシネート」ということがある。)と、含有量が残存量である炭素質成分とを含有してなることを特徴とする。
この発明の点火薬は、DDNP、トリシネート及び炭素質成分の合計に対し、55〜75質量%のDDNPを含有し、16〜26質量%のトリシネートを含有していることを要する。DDNPの含有量が55質量%未満で、トリシネートの含有量が26質量%を越えるときは、低いエネルギーによって発火はするももの、鉛化合物であるトリシネートが過剰となり、環境保全に寄与する程度が低い点火薬となる。
また、DDNPの含有量が75質量%を越え、トリシネートの含有量が16質量%未満では、鉛化合物であるトリシネートが少量であることから、環境保全の観点からは好ましい点火薬とはなるものの、低いエネルギーによって発火し難い点火薬となる。
そこで、この発明の点火薬においては、低いエネルギーによる発火性と環境保全性との双方の観点から、DDNPとトリシネートとの含有量について種々検討した結果、前記のとおり、その最適な含有量を見出したのである。
この発明の点火薬は、前記DDNPと、前記トリシネートを含有すると共に、炭素質成分を含有する。この炭素質成分は、点火薬に導電性と燃焼性とを付与する無機成分であり、炭素質成分としては、例えば、無定形炭素、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素物質を挙げることができる。前記炭素質成分の含有量は、前記DDNP及び前記トリシネートを除いた残存量である。
この発明の点火薬には、前記DDNP、前記トリシネート及び前記炭素質成分以外に、他の成分を含有していてもよい。この他の成分としては、例えば、ニトロセルロースを挙げることができる。このニトロセルロースは、膠化剤として用いられる成分であり、前記点火薬を泥薬として調製するために溶媒と共に用いられる。前記ニトロセルロースの含有量に制限はないが、通常は、DDNP、トリシネート及び炭素質成分の合計に対し、0.5〜3.0質量%である。
この発明の点火薬は、例えば、以下のようにして調製することができる。まず、ニトロセルロースを溶媒に溶解し、ニトロセルロース溶液を調製する。このときに用いられる溶媒には、ニトロセルロースを溶解する限り特に制限はないが、エステルが好ましく、このエステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどを挙げることができるる。これらエステルの中でも酢酸エチルが好ましい。前記ニトロセルロース溶液の濃度にも制限はなく、通常は1〜20質量%、好ましくは3〜5質量%である。
次いで、前記ニトロセルロース溶液に、DDNP、トリシネート及び炭素質成分を、前記含有量となるよう添加して、緩やかに撹拌、混合する。このときの混合条件に制限はなく、通常は15〜25℃で、5〜10分間、混合処理される。このようにして調製された点火薬は、泥薬の形態を呈している。
この発明の点火薬は、比較的多量の電気的感度の低いジアゾジニトロフェノールと、比較的少量の電気的感度が鋭敏であるトリシネートとを含有することによって電気的感度の調和が図られ、低いエネルギーによって発火することができ、しかもトリシネートの含有量の低減化が達成された点火薬となる。
(2)点火装置
この発明の点火装置は、枠体内に無橋型電極が配置され、前記無橋型電極の少なくとも一方の電極が、前記枠体内に設けられた薬室に充填された前記(1)の点火薬に接してなり、かつ前記無橋型電極が圧電素子に接続されてなることを特徴とする。
この発明の点火装置を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の点火装置の構造の一例を部分的に示す図である。
点火装置1は、枠体2内の略中央に、電極3−1が配置されている。この電極3−1は、無橋型電極である。この無橋型電極は、電極を形成する二本の脚線3−2が、例えば、白金細線によって架橋されている電橋型電極とは異なり、二本の脚線が架橋されていない電極である。
前記電極3−1は、図1に示すように、その先端がクロス状に形成されていることが好ましい。点火薬が発火した時の電極3−1の抜け防止となるからである。前記電極3のクロス状に形成されている電極3−1の先端は、薬室4内に点火薬5を充填することによって、前記点火薬5内に埋没した状態で点火薬5と接している。前記電極3−1及び薬室4以外の空間には、絶縁体6が充填されていることが好ましい。前記枠体2と前記電極3−1とを電気的に絶縁することが望まれるからである。
前記薬室4内に充填される点火薬5が、前記(1)の点火薬からなっていて、前記に例示した調製方法で調製された泥薬を、前記薬室4内に塗り込め、溶媒を揮発させることによって、表面にニトロセルロースの被膜が形成された点火薬5が前記薬室4内に充填される。
前記枠体2は、金属材料によって作製され、この金属材料としては、Al、Fe、Cr、Niなどを挙げることができる。中でも、軽量で耐蝕性に優れ、加工性の良好なAlが好ましい。前記電極3−1は、通常はCuにより形成されるが、Al、Fe、Cr、Niによって形成されていてもよい。
また、前記絶縁体6としては、電気絶縁性を有する材料である限りその材料に制限はなく、例えば、樹脂を好適な材料として挙げることができる。この樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリオレフインなどの合成樹脂を挙げることができる。これら樹脂の中でも、堅牢なポリカーボネートが好ましい。
前記絶縁体6は、前記電極3及び薬室4以外の空間に、熔融状態又は半熔融状態の前記樹脂を流しこみ、冷却することによって形成することができる。また、所定形状に成形された樹脂成形体を嵌合させた後、前記枠体2を取り付けてもよく、絶縁体6の形成手段に特別の制限はない。
図2は、この発明の点火装置の全体的構造の一例を示す図である。前記電極3−1の二本の脚線3−2は、圧電素子7に接続されている。この圧電素子7としては、応力を加えることにより抵抗率が変化するピエゾ抵抗効果又は圧力を加えることにより電圧が発生する圧電効果を利用した素子である限り制限はないが、例えば、チタン酸バリウム、Pb(ZrTi1−x)O(PZT)などを挙げることができる。
この発明の点火装置に用いる圧電素子7は、人の指の力程度(2.5kgf程度)で作動することができる小型のタイプであることが望ましい。小型の圧電素子における2.5kgf程度の押圧によって発生するピーク電圧は、14〜20kvであり、ピーク電流は250mA程度である。作用時間は25〜35μ秒であり、発生する電気エネルギーは0.8〜1.5mJである。この発明の点火装置に用いる圧電素子7は、例えば、煙草に点火するライターに用いられる圧電素子のような、低いエネルギーを発生する圧電素子で十分である。
この発明の点火装置においては、前記圧電素子7によって生じた電圧が前記点火薬5に印加されると、前記点火薬5中に火花が発生し、この火花によって前記点火薬5が発火する。このこの発明の点火装置は、後記する信号照明弾発射装置を形成するために、光薬8を内蔵する弾倉9に接続されている。前記火花によって発火した点火薬5は、前記光薬8を着火させるための薬剤である。
この発明の点火装置1は、無橋型電極の少なくとも一方の電極3−1が、前記(1)の点火薬5に接していることから、低いエネルギーによって発火することができ、しかもロダン化鉛の含有量の低減化が達成された点火装置となる。
(3)信号照明弾発射装置
この発明の信号照明弾発射装置は、略直方体に形成され、その一端に開口部を有するカバーと、前記開口部から前記カバー内に挿入して収容された装置本体とからなり、前記装置本体には、前記(2)の点火装置と、前記点火装置に連設された光薬が充填された弾倉と、前記弾倉に前記点火装置によって発火させた光薬を信号照明弾として発射させる信号照明弾発射孔とを備えてなることを特徴とする。
この発明の信号照明弾発射装置を図面に基づいて説明する。図3は、この発明の信号照明弾発射装置の一例を一部断面を含めて部分的に示す図である。
信号照明弾発射装置10−1は、前記(2)の点火装置1が光薬8を内蔵する弾倉9に接続されている。この弾倉9は、好ましくは円筒状に形成されるが、必ずしも円筒状に形成されることに拘束されることはなく、楕円筒状であってもよく、角筒状であってもよい。前記弾倉9の先端には蓋部材11を備え、他端には底部材12を備えている。
前記弾倉9は、金属材料によって作製され、この金属材料としては、前記枠体2を作製するために用いる材料を挙げることができる。ただし、前記蓋部材11は、紙、布、樹脂シート又は樹脂フィルムのような破れ易い材料によって形成されている。前記蓋部材11を備えた部位は、前記点火装置1によって発火させた光薬8を信号照明弾として発射させる信号照明弾発射孔となるからである。
前記光薬8中には、速火線13が挿入され、この速火線13の他端は、点火装置1に接続されている。また、前記底部材12の内壁には、着火薬14が塗着されていて、さらに、前記速火線13には、発射薬15が前記着火薬14に接して部分的に塗着されている。
前記光薬8は、瞬間的に輝度の高い光を発生する薬製であり、この光薬8としては、例えば、Sr粉末、Mg粉末又はMg粉末とAl粉末との混合粉末を挙げることができる。Mg粉末とAl粉末との混合粉末を光薬8として用いるときの両者の混合割合は、光薬8に対し、通常はMg粉末が15〜30質量%、好ましくは20〜25質量%である。
前記光薬8には、着色剤が含有されていてもよい。この着色剤としては、赤色を発光するリチウム又はカルシウム化合物、紅色を発光するストロンチウム又はストロンチウム化合物、黄色を発光するナトリウム又はナトリウム化合物、緑色を発光するバリウム又はバリウム化合物、青色を発光するカリウム又はカリウム化合物など、公知の着色剤を挙げることができる。これら着色剤は、前記光薬8に対し、通常、25〜50質量%の割合で含有される。
前記速火線13は、例えば、煙火用の速火線を採用することができる。前記速火線13は、例えば、糸に黒色火薬を染み込ませてなる。このように、前記速火線13は、紙又は布等の被覆がなされていないので、光薬中に埋め込むことによって、その燃焼速度が速くされている。
また、前記着火薬14は、前記発射薬15を発火させる薬製であり、この着火薬14としては、例えば、アルカリ金属の硝酸塩、ケイ素及び金属酸化物を含有して成る薬剤を挙げることができる。
前記アルカリ金属の硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム等を挙げることができ、中でも、硝酸カリウムが好ましい。前記ケイ素は、粒径が小さいことが好ましく、通常は、1〜100μmの平均粒径を有するケイ素が用いられる。
また、用いる金属酸化物に特に制限はないが、鉄酸化物、銅酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物、錫酸化物及びマグネシウム酸化物の中から選ばれた少なくとも一種の金属酸化物を挙げることができる。これら金属酸化物の中でも、鉄酸化物及び銅酸化物が好ましい。この鉄酸化物としては、一酸化鉄(FeO)、三酸化二鉄(Fe)及び酸化二鉄(Fe)を挙げることができ、酸素含有量が多いことから、一酸化鉄(FeO)が好適である。このとき、一酸化鉄(FeO)を主成分とする限り、三酸化二鉄(Fe)及び/又は酸化二鉄(Fe)が混在することを妨げることはない。
さらに、前記銅酸化物としては、酸化第一銅(CuO)、酸化第二銅(CuO)のいずれであってもよく、酸素の含有量から、酸化第二銅(CuO)が好ましい。
前記着火薬14において、用いるアルカリ金属の硝酸塩、ケイ素及び金属酸化物の混合割合に特に制限はないが、前記三者の合計質量を100質量部としたとき、アルカリ金属の硝酸塩が通常は、5〜20質量部であり、好ましくは、10〜15質量部である。アルカリ金属の硝酸塩の混合割合が5質量部未満では、着火しないことがあり、20質量部を越えると、発炎することがあるので好ましくない。
また、前記三者の合計質量を100質量部としたとき、ケイ素が通常は、50〜80質量部であり、好ましくは、60〜70質量部である。ケイ素の混合割合が50質量部未満の場合、または80質量部を越える場合は、発熱量が不足して、着火しないことがあるので好ましくない。
さらに、前記三者の合計質量を100質量部としたとき、金属酸化物が通常は、10〜40質量部であり、好ましくは、20〜30質量部である。金属酸化物の混合割合が10質量部未満では、着火しないことがあり、40質量部を越えると、発炎することがあるので好ましくない。
前記着火薬14は、前記の各成分を所定割合で混合し、得られた混合物に水又は溶剤を加えて混練、成型及び乾燥することによって調製することができる。
前記発射薬15は、前記速火線13を燃焼させることによって発火し、前記光薬8を信号照明弾として発射させる薬剤である。
前記発射薬15としては、例えば、黒色火薬(硝酸カリウムと硫黄と木炭との混合物)、シングルベース発射薬(ニトロセルロースを主成分とする発射薬)、ダブルベース発射薬(ニトロセルロースとニトログリセリンとの混合物からなる発射薬)、トリプルベース発射薬(ダブルベース発射薬とニトログワニジンとの混合物からなる発射薬)などを挙げることができる。
前記黒色火薬は、通常、硝酸カリウム75質量%、硫黄10質量%及び木炭15質量%の割合で混合されている。前記シングルベース発射薬は、通常、安定剤として、少量のアミン類を含有している。
図4は、この発明の一部切欠部を有する信号照明弾発射装置の一例を示す図である。この信号照明弾発射装置10−2は、その一端に開口部16を有するカバー17内に、前記信号照明弾発射装置10−1が前記開口部17から挿入されて収容されている。この信号照明弾発射装置10−2は、片手で持つことができる程度に略直方体に形成されている。前記カバー17は、樹脂又は金属により形成することができ、軽量で成形加工の容易な樹脂により形成されていることが好ましい。この樹脂としては、例えば、前記絶縁体6に用いる樹脂を挙げることができる。
前記信号照明弾発射装置10−2は、前記信号照明弾発射装置10−1を⇔方向にスライドさせて、前記カバー17から露出させ、また、前記カバー17内に収容することができるように、操作ハンドル18が前記カバー17に取り付けられていることが好ましい。19は、吊下げ紐である。
前記信号照明弾発射装置10−2においては、複数個の、例えば、5個の信号照明弾発射装置10−1が前記カバー17内に収容されていることが好ましい。受難者が発見されるまで、信号照明弾を連発することができるからである。また、同様の理由から、航空機の乗務員、乗客又は登山者などは、複数の前記信号照明弾発射装置10−2を携帯していることが望まれる。
前記信号照明弾発射装置10−2は、以下のようにして使用することができる。すなわち、前記信号照明弾発射装置10−2が不使用の状態である初期状態では、この信号照明弾発射装置10−2の所有者は、例えば、上着の胸ポケットに収容していて、吊下げ紐19の他端は、胸ポケットなどに固着されている。
海難などの緊急状態の場合には、前記胸ポケットから前記信号照明弾発射装置10−2を取り出し、前記カバー17を掴んで前記操作ハンドル18を握り締めると、前記信号照明弾発射装置10−1がスライドして、前記カバー17から露出する。
前記カバー17から露出した前記信号照明弾発射装置10−1を、例えば、上空に向け、前記圧電素子7を作動させると、この圧電素子7によって生じた電圧が前記点火薬5に印加され、前記点火薬5中で発生した火花によって前記点火薬5が発火する。点火薬5が発火すると、前記速火線13が燃焼し、その燃焼が伝播して、前記着火薬14が発火し、続いて、発火した前記着火薬14は前記発射薬15を発火させる。
このようにしてを発火した前記発射薬15は、さらに前記速火線13の燃焼によって前記光薬8を上空に向けて発射させ、この発射された光薬8は上空で発火して信号照明弾となる。前記光薬8中に前記着色剤が含有されているときは、着色した信号照明弾となり、その信号照明弾を確実に視認することができるため、受難者の探索、発見及び救助はさらに容易となる。
この発明の信号照明弾発射装置は、前記(2)の点火装置により、例えば、煙草に点火するライターに用いられる圧電素子によって発生するような、低いエネルギーによって発火させた光薬を信号照明弾として発射させることができる。このため、この発明の信号照明弾発射装置は、軽量で携帯に便利であり、例えば、海難などによって海中に投げ出されて漂流する者、航空機事故によって航空機から脱出して海に着水し漂流する者又は山で遭難した者などの受難者が、この信号照明弾発射装置を携帯していると、その使用による信号照明弾によって、前記受難者の探索、発見及び救助が容易に行うことができる。
以下、実施例を挙げて、この発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例によってこの発明はなんら限定されることはない。
(実施例1)
〔点火薬の調製例〕
まず、ニトロセルロースを酢酸エチルに溶解して、ニトロセルロース溶液を調製した。次いで、前記ニトロセルロース溶液に、DDNP、トリシネート及び炭素質成分(ケッチェンブラック)を、混合した。このようにして調製された点火薬は、泥薬の形態を呈していて、その組成は、DDNP65質量%、トリシネート21質量%及び炭素質成分14質量%であった。
〔点火薬の発火試験例〕
前記点火薬を内径17mmの銅管内に充填し、前記銅管に圧電素子(チタン酸バリウム)によって電圧を印加して、前記点火薬の発火試験を実施した。この発火試験は、同様の試験を5回実施し、全ての発火試験において、前記点火薬は発火した。
(実施例2)
〔点火装置の作製例〕
図1及び2に示す点火装置1を作製した。
枠体5は、Alにより形成し、電極3−1(無橋型電極)としてはCuを用い、その脚線3−2には、ビニール被覆線を用いた。薬室4に、前記点火薬の調製例により調製された点火薬(泥薬)を塗り込め、酢酸エチルを揮発させることによって、表面にニトロセルロースの被膜が形成された点火薬5を前記薬室4内に充填した。
絶縁体6としてポリカーボネートを用い、半熔融状態のポリカーボネートを前記電極3−1及び薬室4以外の空間に充填し、冷却することによって絶縁体6を形成した。圧電素子7としては、チタン酸バリウムを用いた。
(実施例3)
〔信号照明弾発射装置の作製例〕
図3及び4に示す信号照明弾発射装置10を作製した。
弾倉9は、Alにより形成し、蓋部材11は、紙により形成した。速火線13は、糸に黒色火薬を染み込ませ、線状に形成したものを用いた。この速火線13の燃焼伝播速度は、120m/secである。
光薬8としては、Mg粉末とAl粉末との等量混合粉末を用いた。着火薬14としては、過塩素酸カリウム45質量%、炭酸ストロンチウム15質量%、Mg粉末とAl粉末との等量混合粉末25質量%、セラック10質量%、及び麻炭5質量%を混合し、成型することによって調整したものを用いた。また、発射薬15としては、黒色火薬を用いた。このようにして、図3に示す信号照明弾発射装置10−1を作製した。
操作ハンドル18と吊下げ紐19とを有し、略直方体に形成され、開口部16を有するポリカーボネート製カバー17内に、前記開口部16から前記信号照明弾発射装置10−1を挿入して収容した。このようにして、図4に示す信号照明弾発射装置10−2を作製した。
〔信号照明弾発射装置の信号照明弾発射試験例〕
前記信号照明弾発射装置10−2に、圧電素子7(チタン酸バリウム)によって電圧を印加して、前記信号照明弾発射装置10−2の信号照明弾発射試験を実施した。この信号照明弾発射試験は、同様の試験を3回実施した。結果を表1に示す。
Figure 0004719528
表2における「参考」欄に記載の「信号照明弾の打上高度」及び「光薬の燃焼時間」は、救命信号照明弾の参考値である。1回目の信号照明弾発射試験においては、信号照明弾の打上高度が前記参考値に僅かに届かなかったが、2回目及び3回目の信号照明弾発射試験においては、信号照明弾の打上高度及び光薬の燃焼時間共に、前記参考値を上回った。
図1は、この発明の点火装置の構造の一例を部分的に示す図である。 図2は、この発明の点火装置の全体的構造の一例を示す図である。 図3は、この発明の信号照明弾発射装置の一例を一部断面を含めて部分的に示す図である。 図4は、この発明の一部切欠部を有する信号照明弾発射装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 点火装置
2 枠体
3−1 電極
3−2 脚線
4 薬室
5 点火薬
6 絶縁体
7 圧電素子
8 光薬
9 弾巣
10 信号照明弾発射装置
11 蓋部材
12 底部材
13 速火線
14 着火薬
15 発射薬
16 開口部
17 カバー
18 操作ハンドル
19 吊下げ紐

Claims (2)

  1. 枠体内に無橋型電極が配置され、前記無橋型電極の少なくとも一方の電極が、前記枠体内に設けられた薬室に充填された点火薬に接してなり、かつ、前記無橋型電極の他方の電極が0.8〜1.5mJの電気エネルギーを発生させる圧電素子に接続されてなり、前記点火薬が、含有量が55〜75質量%であるジアゾジニトロフェノールと、含有量が16〜26質量%であるトリニトロレゾルシン鉛と、含有量が残存量である炭素質成分とを含有してなることを特徴とする点火装置。
  2. 略直方体に形成され、その一端に開口部を有するカバーと、前記開口部から前記カバー内に挿入して収容された装置本体とからなり、前記装置本体には、請求項1に記載の点火装置と、前記点火装置に連設された光薬が充填された弾倉と、前記弾倉に前記点火装置によって発火させた光薬を信号照明弾として発射させる信号照明弾発射孔とを備えてなることを特徴とする信号照明弾発射装置。
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