JP4718488B2 - 歯科矯正器具を歯構造にボンディングするための多層接着剤および方法 - Google Patents

歯科矯正器具を歯構造にボンディングするための多層接着剤および方法 Download PDF

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Description

歯科矯正治療は、位置異常の歯が歯科矯正学的に正しい位置に移動することを必要とする。ブラケットとして知られる小さい歯科矯正器具が患者の歯の外面に接合され、各ブラケットのスロット内にアーチワイヤが配置される。アーチワイヤは、正しい咬合が得られるように、歯が所望の位置に移動するように案内する軌道を形成する。アーチワイヤの端部セクションは、患者の大臼歯に固定されるバッカルチューブとして知られる器具に受容されることが多い。近年、直接又は間接法のどちらかを使用し、接着剤を使用して歯科矯正器具を歯の表面にボンディングすることが一般的な手法になってきた。
何年もの間、器具を歯に配置する直前に、器具のベースに歯科矯正用接着剤を塗布することが一般的な手法であった。場合によっては、一定量の接着剤をミキシングパッド又は分配ウェルに分配した後、小さいスパチュラ又は他の手用器材を使用して少量の接着剤を各器具に塗布した。他の場合には、一定量の接着剤をシリンジから直接器具のベースに分配した。
接着剤がプレコートされたブラケットが知られており、歯科矯正医に著しい利点を提供する。接着剤がプレコートされたブラケットは、製造業者が正確な量の接着剤(光硬化性接着剤など)を塗布し得るボンディングベースを有する。ダイレクトボンディング法では、ブラケットを歯に装着することが所望されるとき、ブラケットを単にパッケージから取り出して歯に直接配置する。インダイレクトボンディング法では、ブラケットをパッケージから取り出して、例えば、患者の歯列弓の複製の焼石膏又は「石膏」模型上に配置し、後で、通常は転移トレーを使用して患者の歯に装着するための個別調製のベース(custom base)を形成する。
良好な取り扱い性および十分な接着力に加えて、臨床医は、光硬化性接着剤が、例えば、フッ化物の徐放性を含む他の望ましい機能性を提供することを所望することが多い。多くの用途では、接着剤は、例えば、水又は唾液を吸収する接着剤の能力、および/又は、湿潤条件で十分な結合を提供する能力によって示されるように、十分な親水性又は耐水性を有することも望ましい。
接着剤がプレコートされた歯科矯正ブラケットは、通常、接着剤と接触する可撓性剥離基材と一緒に販売される。しかし、多くの剥離基材は、全ての接着剤と一緒に使用するのに好適ではない。例えば、柔軟で、粘着性があり、低粘度で、親水性の接着剤を使用すると、器具を容器から持ち上げて接着剤を剥離基材から脱離させようと試みるとき、接着剤の一部が剥離基材上に残ることがある。これらの場合、歯科矯正治療中、ブラケットを歯面に保持するのに十分な結合強度を提供するのに十分な接着剤がブラケット上に残存しない可能性がある。更に、比較的低粘度の接着剤は、長時間の間に剥離基材を横切って、および、ブラケットの下の間隙からゆっくりと流動する傾向があり、ブラケットの外れ、および/又はライナーの剥離の問題が生じる。
更に、慣用的な接着剤がプレコートされた器具パッケージに、柔軟で、粘着性があり、低粘度の接着剤を使用すると、器具を容器から持ち上げる時、接着剤の形状が歪む場合がある。場合によっては、接着剤を剥離基材から脱離させると接着剤の形状が変化し、その結果、接着剤を手で元の枕形の形状に戻す追加の段階を実施しなければ、ダイレクトボンディングが不十分になる場合がある。例えば、器具を容器から持ち上げるとき、接着剤はいくらか、器具のベースの一方側に移動し、そのため、ベースの反対側は、ボンディングに十分な量の接着剤を有しない場合がある。ベースの一部とそれに対向する歯表面との間に空隙が存在するように器具が歯構造に固定されると、空隙によって、器具が歯から尚早に偶発的に脱離し、面倒が生じる場合があるが、これは回避されるのが最良である。更に、場合によっては、空隙は食物や食べ滓を受容するポケットを形成し、齲食の形成を促進する可能性がある。
現在、臨床医が所望する性質および特性のバランスを提供する接着剤および方法が、当該技術分野で必要とされている。
一態様では、本発明はパッケージされた物品を提供する。パッケージされた物品は、器具を歯構造にボンディングするためのベースを有する歯科矯正器具;それぞれが器具のベースの少なくとも一部を横切って延びる第1の硬化性接着剤層および第2の硬化性接着剤層;および、第1および第2の層を有する歯科矯正器具を少なくとも部分的に取り囲む容器を具備する。各接着剤層は、独立に、パターン化されていても、又はパターン化されていなくてもよい。各接着剤層は、独立に、例えば、光硬化又は化学硬化接着剤を含有してもよい。任意に、剥離基材と接触していてもよい1つ以上の追加の硬化性接着剤層が、第1又は第2の層の少なくとも一部を横切って延びる。一実施形態では、第1および第2の層は、剥離基材と接触していない。別の実施形態では、器具は、パッケージ内に吊持されている。
別の態様では、本発明は、器具を歯構造にボンディングするためのベースを有する歯科矯正器具;および、それぞれが器具のベースの少なくとも一部を横切って延びる第1の硬化性接着剤層および第2の硬化性接着剤層を具備する物品を提供し、ここで、第1又は第2の接着剤層の少なくとも1つは光退色性色素を含有し、少なくとも1つの接着剤は化学線に露光される前に初期色、および、化学線に露光された後に最終色を有し、初期色は最終色と異なる。任意に、1つ以上の追加の硬化性接着剤層は、第1又は第2の層の少なくとも一部を横切って延びる。好ましくは、第1又は第2の層の少なくとも1つは、光退色性色素とは異なる増感化合物を含有する硬化剤を更に含有する。
別の態様では、本発明は、器具を歯構造にボンディングするためのベースを有する歯科矯正器具;器具のベースの少なくとも一部を横切って延び、第1の領域を被覆する第1の硬化性接着剤層;および、器具のベースの少なくとも一部を横切って延び、第2の領域を被覆する第2の硬化性接着剤層を具備する物品を提供し、ここで、第2の領域は第1の領域とは異なる。幾つかの実施形態では、第1の領域は、器具のベースと同一の広がりを有する。幾つかの実施形態では、第2の領域は第1の領域より小さい。幾つかの実施形態では、領域の1つは、おおよそ器具のベースの中心にある。幾つかの実施形態では、領域の1つは、おおよそ器具のベースの周縁にある。任意に、1つ以上の追加の硬化性接着剤層は、第1又は第2の層の少なくとも一部を横切って延びる。
別の態様では、本発明は、歯科矯正用接着剤送達システム、又は、パッケージされた歯科矯正用接着剤送達システムを提供する。システムは、接着剤転移領域を具備する基材;接着剤転移領域の少なくとも一部を横切って延びる第1の硬化性接着剤層;および、第1の硬化性接着剤層の少なくとも一部を横切って延びる第2の硬化性接着剤層を具備する。幾つかの実施形態では、第1又は第2の層の少なくとも1つは、点又は線の形態である。任意に、1つ以上の追加の硬化性接着剤層は、第1又は第2の硬化性接着剤層の少なくとも一部を横切って延びる。
別の態様では、本発明は、歯科矯正用接着剤送達、又は、パッケージされた歯科矯正用接着剤送達システムを提供する。システムは、接着剤転移領域を具備する基材;それぞれが接着剤転移領域の少なくとも一部を横切って延びる第1の硬化性接着剤層および第2の硬化性接着剤層を具備するが、但し、第1および第2の硬化性層は、複部構成の化学硬化接着剤の異なる部分ではないことを条件とする。
本発明は、また、プレコートされた歯科矯正デバイスおよび歯科矯正用接着剤送達システムの製造方法および使用方法も提供する。
定義
本明細書で使用する時、「歯科矯正器具」は、以下に限定されないが、歯科矯正用ブラケット、バッカルチューブ、バイトオープナー(bite openers)、ボタン、およびクリートを含む、歯構造にボンディングされることが意図された任意のデバイスを指す。従って、「歯科矯正器具」の用語は、歯科矯正用バンドを包含する。器具は、接着剤を受容するためのベースを有し、それは、金属、プラスチック、セラミックおよびこれらの組み合わせで製造されるフランジとすることができる。或いは、ベースは、硬化した接着剤層(即ち、単層又は多層の接着剤)から形成される個別調製のベースとすることができる。
本明細書で使用する時、「パッケージされた」物品は、容器に受容されている歯科矯正器具又はカードを指す。好ましくは、容器は、例えば、水分および光を含む環境条件からの保護を提供する。
本明細書で使用する時、「剥離」基材は、物品と接触しており、物品の使用前又は使用中、物品から除去される基材を指す。
本明細書で使用する時、「多層」接着剤は、2つ以上の層を有する接着剤を指す。
本明細書で使用する時、「層」は、異なる材料の全て又は一部を横切って延びる不連続な(例えば、パターン化された層)又は連続的な(例えば、パターン化されていない)材料を指す。層は、均一な厚さを有しても又は様々な厚さを有してもよい。
本明細書で使用する時、「パターン化された層」は、パターン化された層の材料が、別の材料の選択された部分だけを横切って延びる不連続層を指す。
本明細書で使用する時、「パターン化されていない層」は、パターン化されていない層の材料が、別の材料の全部分を横切って延びる連続層を指す。
一般に、別の層を「横切って延びる」又は別の層に「取り付けられている」層は、任意に2つの層の間に1つ以上の追加の層を具備するものと広く解釈されることが意図されている。
本明細書で使用する時、「硬化性」は、例えば、加熱して溶媒を除去すること、加熱して重合を引き起こすこと、化学的架橋、放射線によって誘起される重合又は架橋によって硬化又は凝固され得る材料を説明する。
本明細書で使用する時、「硬化剤」は、樹脂の硬化を開始する系を意味する。硬化剤には、例えば、重合開始剤を挙げてもよい。
本明細書で使用する時、「光退色性」は、化学線への露光時に色が喪失することを指す。
本明細書で使用する時、「フィラー」は、樹脂中に分散させることができる乾燥粉末の形態の粒子材料(例えば、無機酸化物)を意味する。例えば、歯科コンポジットは、好ましくは、樹脂中に分散された粉末を含有する。
本明細書で使用する時、「(メタ)アクリレート」の用語は、アクリレート、メタクリレート、又はこれらの組み合わせを簡潔に記載したものであり、「(メタ)アクリル」は、アクリル、メタクリル、又はこれらの組み合わせを簡潔に記載したものである。
本明細書で使用する時、「基」の化学用語は、置換も考慮に入れる。
本明細書で使用する時、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の用語は、1つ以上を意味する。
本発明は、多層接着剤(即ち、2つ以上の硬化性接着剤層)、および、多層接着剤を使用して歯科矯正器具を歯構造にボンディングする方法を提供する。幾つかの実施形態では、多層接着剤は、歯科矯正器具にプレコートされた状態で提供される。他の実施形態では、多層接着剤は、歯科矯正用接着剤送達システム上で提供され、後で歯科矯正器具に転移される。多層接着剤は、好ましくは、例えば、米国特許第6,183,249号明細書(ブレナン(Brennan)ら)に記載されているものなどの、剥離基材を有する又は有していないパッケージされた物品として提供される。
図1および図2では、例示的な歯科矯正器具が数字10で表記されており、ブラケットであるが、バッカルチューブ、ボタン、および他のアタッチメントなどの他の器具も可能である。器具10は、ベース12を具備する。器具10は、また、ベース12から外側に延びる本体14も有する。ベース12は、金属、プラスチック、セラミック、およびこれらの組み合わせで製造されるフランジとすることができる。或いは、ベース12は、硬化した接着剤層(即ち、単層又は多層の接着剤)から形成される個別調製のベースとすることができる。タイウィング(tiewing)16は本体14に接合されており、アーチワイヤスロット18はタイウィング16間にある間隙を通って延びる。ベース12、本体14、および、タイウィング16は、口腔内で使用するのに好適であり、且つ治療中に加えられる矯正力に耐えるのに十分な強度を有する多数の材料のいずれか1つで製造されてもよい。好適な材料には、例えば、金属材料(ステンレス鋼など)、セラミック材料(単結晶又は多結晶アルミナなど)、および、プラスチック材料(繊維強化されたポリカーボネートなど)が挙げられる。任意に、ベース12、本体14、および、タイウィング16は、単位構成要素として一体に製造される。
多層接着剤20は、器具10のベース12を横切って延びる。多層接着剤20は、治療中、歯から無意図的に脱離することに抵抗するのに十分な強度を有する結合によって、全部又は少なくとも一部、器具10を患者の歯にしっかりと固定する役割をする。好ましくは、多層接着剤20は、製造業者によって器具10のベース12に塗布される。
図1および図2に示される多層接着剤20は、ベース12を横切って延びる接着剤層22、並びに、ベース12および接着剤層22を横切って延びる接着剤層24を具備する。多層接着剤20は、図1および図2に示されていない追加の層を具備できることを理解されたい。層22および24は、同じ領域を被覆しても又は被覆しなくてもよい異なる接着剤の層である。層22および24は、独立に、別の材料の全て又は一部を横切って延びる、不連続な(例えば、パターン化された層)材料であっても、又は連続的な(例えば、パターン化されていない)材料であってもよい。
接着剤層22および24は、例えば、化学組成、粘度、米国特許第6,126,922号明細書(ロッツィ(Rozzi)ら)に開示されている親水性、厚さ、硬化時間、硬化機構、色、硬化時の色の変化、酵素放出、フッ化物放出、硬化時の結合強度、フィラー添加量、フィラーの種類、および、pH(国際公開第00/69393号パンフレット(ブレナン(Brennan)ら)に開示されている)を含む性質が異なってもよい。
接着剤層22および24は、液体、ペースト、又は、ボンディング処置中に液体若しくはペーストに変えられる固体材料であってもよい。好適な組成物には、コンポジット、コンポマー、グラスアイオノマー、および樹脂強化グラスアイオノマーが挙げられる。光硬化性接着剤の例には、3Mユニテック(3M Unitek)製のトランスボンド(Transbond)XTブランドおよびトランスボンド(Transbond)LRブランドの接着剤が挙げられる。化学硬化接着剤の例には、3Mユニテック(3M Unitek)製の、サンディ(Sondhi)ブランドのラピッド・セット(Rapid−Set)インダイレクトボンディング用接着剤、ユナイト(Unite)ブランドの接着剤、コンサイス(Concise)ブランドの接着剤、および、マルチキュア(Multi−Cure)ブランドのグラスアイオノマーセメントが挙げられる。
本発明の接着剤層に有用な組成物は、当業者に周知である。有用な組成物には、例えば、光硬化歯科矯正用接着剤と化学硬化歯科矯正用接着剤の両方が挙げられる。幾つかの実施形態では、組成物は、好ましくは、フッ化物放出接着剤、セルフエッチング接着剤、セルフプライミング接着剤、変色性接着剤、およびこれらの組み合わせである。
任意に、組成物は、歯の処置に関する臨床医の選択による次の分類の1つに入る接着剤である。
I類:歯のエナメル質のエッチング(例えば、リン酸又は二リン酸を使用する)と、歯のエナメル質にプライマーを別々に塗布することの両方を必要とする接着剤。
II類:エッチング(例えば、リン酸、二リン酸又はセルフエッチングプライマーを使用する)を必要とするが、プライマーを別々に塗布することを必要としない接着剤。
III類:清掃以外の歯の処置を必要としない接着剤。
I類の接着剤と一緒に使用することができるプライマーには、3Mユニテック(3M Unitek)製のトランスボンド(Transbond)MIPブランドのプライマーおよびトランスボンド(Transbond)XTブランドのプライマー、並びに、オルムコ社(Ormco Corporation)製のオルソ・ソロ(Ortho Solo)ブランドのプライマーなどの歯科矯正用プライマーが挙げられる。任意に、プライマーは、歯面にプライマーの十分な被覆面積を確保するための光退色性色素、治療中にフッ素を放出するための少量のフルオロアルミナシリケートガラス(「FAS」ガラス)、レオロジー制御のための少量のヒュームドシリカ、および/又は、破壊靭性を向上させるための少量のシラン処理石英フィラーを含有してもよい。
好適なII類の接着剤には、前述の接着剤が挙げられる。歯に最初に接触する層の代わりに、3Mユニテック(3M Unitek)製のトランスボンド・プラス(Transbond Plus)SEPブランドのプライマーなどのセルフエッチングプライマーを使用することができる。任意に、セルフエッチングプライマーは、I類の接着剤に関して前述した任意選択的特徴を組み込むことができる。
好適なIII類の接着剤は、歯をエッチングおよびプライマー処理する必要がなく、「自己接着性」組成物と称される場合がある。これらの接着剤では、臨床医は、典型的なボンディング処置で歯科器具を貼着する前に歯を清掃するだけでよい。好適なIII類の接着剤は、メタクリレートホスフェート(例えば、モノ−HEMAホスフェート、ジ−HEMAホスフェート、グリセロールジメタクリレート(GDMA)ホスフェート)、二リン酸を水又は他の溶媒に溶解させた溶液、および、粉末の形態の二リン酸(歯の予防(prophy)およびすすぎ後、歯に残っている水をイオン化に使用する)から選択される酸成分を含有してもよい。他のIII類の接着剤は、酸官能基を有するエチレン性不飽和成分、酸官能基のないエチレン性不飽和成分、開始剤系、およびフィラーを含有してもよい。任意に、III類の接着剤は、本質的に水を含まなくてもよい。III類の接着剤の例は、例えば、2003年8月12日に提出された係属中の米国仮特許出願第60/494,603号明細書に以前、記載している。
前述のIII類の接着剤は、任意に、フィラー(例えば、通常のグラスアイオノマー硬化反応で水と結合するグラスアイオノマータイプのフィラー)を組み込むことができる。更に、前述のIII類の接着剤はどれも、I類の接着剤に関して記載した任意選択的特徴を組み込んでもよい。
本発明に有用な接着剤は、任意に、例えば、米国特許第3,814,717号明細書(ウィルソン(Wilson)ら)および米国特許第6,126,922号明細書(ロッツィ(Rozzi)ら)に記載されているフッ化物放出剤;例えば、国際公開第00/69393号パンフレット(ブレナン(Brennan)ら)に開示されている接着向上剤(例えば、チタン石、ジルコネート);フィラー;マイクロフィラー;酵素放出剤;レオロジー向上剤;光退色性色素;およびこれらの組み合わせなどの成分を含有してもよい。
幾つかの実施形態では、本発明の多層接着剤中の1種類以上の接着剤は、好ましくは、歯構造とは著しく異なる初期色を有する。好ましくは、光退色性色素の使用により組成物に色を付与する。組成物は、好ましくは、組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.001重量%の光退色性色素、更に好ましくは少なくとも0.002重量%の光退色性色素を含有する。組成物は、好ましくは、組成物の総重量を基準にして、多くても1重量%の光退色性色素、更に好ましくは多くても0.1重量%の光退色性色素を含有する。光退色性色素の量は、吸光係数、初期色を識別するヒトの目の能力、および所望の色の変化に応じて、様々であってよい。
光退色性色素の発色性および退色性は、例えば、酸強度、誘電率、極性、酸素の量、および大気中の含水率を含む様々な要因に応じて変わる。しかし組成物に照射し、色の変化を評価することによって、色素の退色性を容易に決定することができる。好ましくは、少なくとも1種類の光退色性色素は、硬化性樹脂中に少なくとも一部可溶性である。
例示的な光退色性色素類は、例えば、米国特許第6,331,080号明細書(コール(Cole)ら)、同第6,444,725号明細書(トロム(Trom)ら)、および同第6,528,555号明細書(ニクトウスキー(Nikutowski)ら)に開示されている。好ましい色素には、例えば、ローズベンガル、メチレンバイオレット、メチレンブルー、フルオレセイン、エオシンイエロー、エオシンY、エチルエオシン、エオシンブルーイッシュ、エオシンB、エリトロシンB、エリトロシンイエローイッシュブレンド、トルイジンブルー、4’,5’−ジブロモフルオレセイン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
接着剤の色の変化は光によって開始される。好ましくは、組成物の色の変化は、十分な時間、化学線を使用して、例えば、可視光又は近赤外(IR)光を放射する歯科用キュアリングライトを使用して開始される。本発明の組成物の色の変化を開始させる機構は、樹脂を硬化させる硬化機構と別々であっても、又は実質的に同時であってもよい。例えば、重合が化学的に開始(例えば、レドックス開始)又は熱的に開始されるときに組成物が硬化してもよく、初期色から最終色への色の変化は、硬化プロセス後、化学線への露光時に起こってもよい。
初期色から最終色への組成物の色の変化は、好ましくは後述の比色試験によって定量化される。比色試験を使用して、三次元色空間における色の総変化を示すΔE*の値を決定する。ヒトの目は、通常の採光条件で約3ΔE*単位の色の変化を検知することができる。本発明の歯科組成物は、好ましくは、少なくとも10の色の変化ΔE*を有することができ、更に好ましくは、ΔE*は、少なくとも15であり、最も好ましくはΔE*は少なくとも20である。
多層接着剤の各層は、パターン化されていても、又はパターン化されていなくてもよい。層は、器具又は接着剤送達システムの同じ領域又は異なる領域を被覆することができる。1つの層は、別の接着剤層を全く被覆しなくても、部分的に被覆しても、又は、完全に被覆してもよい。パターン化された層は、例えば、線、点、正方形、円形およびこれらの組み合わせを含む形態であってよい。層は、均一な厚さを有しても、又は様々な厚さを有してもよい。
図3〜図6は、多層接着剤32を有する物品30(例えば、歯科矯正器具又は接着剤送達システム)の例示的実施形態の底面図である。物品30が歯科矯正器具である場合、数字32は器具のベースを表す。ベース32は、金属、プラスチック、セラミック、およびこれらの組み合わせで製造されるフランジとすることができる。或いは、ベース32は、硬化した接着剤層(即ち、単層又は多層の接着剤)から形成される個別調製のベースとすることができる。物品30が接着剤送達システムである場合、数字32は基材の接着剤転移領域を表す。
図3〜図5を参照すると、幾つかの実施形態では、接着剤層34は、ベース又は接着剤転移領域32の領域と同一の広がりを有する連続層を表してもよい。或いは、幾つかの実施形態では、接着剤層34は、より薄く点描されている領域だけを被覆する不連続層を表してもよい。
図3〜図5に示される例示的実施形態では、接着剤層36は、ベース又は接着剤転移領域32の一部だけを横切って延び、より濃く点描されている領域で示される不連続層である。図3を参照すると、不連続接着剤層36は、より濃く点描されている点の模様として表されるパターン化された層である。図4を参照すると、不連続な接着剤層36は、単一のより濃く点描されている「ドーナッツ穴」領域として表される。図5を参照すると、不連続な接着剤層36は、単一のより濃く点描されている正方形領域として表される。
接着剤層34が連続層である実施形態では、接着剤層36は、層34の一部を横切って延び、より濃く点描されている領域で示される。或いは、接着剤層34が、より薄く点描されている領域だけを被覆する不連続層である実施形態では、接着剤層36は、ベース又は接着剤転移領域32の一部を横切って延び、より濃く点描されている領域で示されてもよい。
図6に示される例示的実施形態では、接着剤層34および36は共に不連続層である。接着剤層34は、ベース又は接着剤転移領域32の一部を横切って延び、点の模様として、より薄く点描されている領域で示される。同様に、接着剤層36は、ベース又は接着剤転移領域32の一部を横切って延び、点の模様として、より濃く点描されている領域で示される。図6に示される実施形態では、接着剤層36の点はどれも接着剤層34を横切って延びていない。しかし、他の実施形態(図示せず)では、接着剤層36の点又は点の一部は接着剤層34を横切って延びることができる。或いは、点34および36は両方とも、ベース又は接着剤転移領域32に配置され、互いに接触することができる。物品30が接着剤送達システムであり、数字32が基材の接着剤転移領域を表すとき、(i)接着剤層34および36は、複部構成の化学硬化接着剤の異なる部分ではない、又は(ii)別の層(図示せず)が、接着剤層34又は36の少なくとも一部を横切って延びる、のどちらかである。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される多層接着剤および方法は、当該技術分野で既知の接着剤に優る利点を提供する。利点には、好ましくは、ボンディング効率の増大、および/又は、ボンディング段階の数の減少が挙げられる。好ましくは、結合強度が増大し、それによって、結合破壊の発生が減少する。例えば、第1の層は、使用されるブラケットに特有の性質(例えば、ベースのサイズおよび構成)に関して選択されてもよく、第2の層は、特定の用途(後方歯又は犬歯/小臼歯の用途)に所望される結合強度を提供するように選択されてもよく、第3の層は、ブラケットが取り付けられる特定の歯の表面に追従するように選択されてもよい。
幾つかの実施形態では、歯をプライマー処理することなく、本明細書に記載されている歯科矯正器具を使用し、それによって、ボンディング処置に必要な段階の数を減少させ、臨床医と患者の両方の時間とお金を節約してもよい。他の利点には、例えば、多層構成中の異なる性質を有する接着剤の組み合わせを使用することによる、接着剤の全体的な性質を調整する機会が挙げられる。
幾つかの実施形態では、接着剤層は、例えば、より容易な清掃およびバリの除去を含む、所望の性質を提供するように、パターン化されてもよい。例えば、層は、バリの除去を容易にするためにベースの周縁の方が厚くてもよく、および/又は、ベースの周縁の層は変色性接着剤を含有してもよい。或いは、ベースの中央付近の層は、ベースの周縁で利用可能であるよりも少ない光で容易に硬化する接着剤を含有することができる。
幾つかの実施形態では、前記特徴の1つ以上を組み合わせることができる。例えば、耐水性が大きい接着剤の組み合わせを、硬化時に変色するパターン化された接着剤と組み合わせて、湿潤表面へのボンディング時に結合破壊の発生が少なく、清掃がより容易な多層接着剤を提供することができる。
本明細書に記載の多層接着剤は、当業者に既知の方法で調製することができる。好適な方法には、例えば、器具又は基材上に接着剤の層を塗布、分配、又は印刷することが挙げられる。複数の層を同時に塗布しても又は逐次的に塗布してもよい。
複数の接着剤層を歯科矯正器具又は基材に塗布する有用な方法には、例えば、アシムテック(カリフォルニア州カールスバッド)(Asymtek(Carlsbad,CA))からオートムーブ(AUTOMOVE)の商標名で入手可能なものなどの自動流体分配システムを使用することが挙げられる。このような自動流体分配システムは、パターン化された層およびパターン化されていない層の両方を分配するのに有用である。他の有用なシステムには、例えば、ピストン分配システム、および、例えば、米国特許第6,513,897号明細書(トキー(Tokie))に記載されている多重解像度流体アプリケータが挙げられる。
歯科矯正器具又は基材に多層接着剤を塗布した後、器具又は基材を容器に好都合にパッケージすることができる。例示的な容器は当業者に周知であり、例えば、米国特許第5,172,809号明細書(ジェーコブス(Jacobs)ら)および同第6,089,861号明細書(ケリー(Kelly)ら)に開示されている。
図7を参照すると、ベースに多層接着剤が塗工された歯科矯正器具42を具備するパッケージされた物品40の例示的実施形態が示されている。パッケージ44は、容器46および蓋48を具備する。最初に提供される時、容器46に取り外し可能に接合されている蓋48を容器46から剥がしてパッケージを開け、歯科矯正器具42を取り出す。図7では、蓋48を容器46から後ろに剥がしてパッケージ44を部分的に開けている。
好ましい実施形態では、パッケージは、長時間経過した後でも多層接着剤(例えば、光硬化性材料)が分解しないように優れた保護を提供する。このような容器は、多層接着剤に変色する特徴を付与する色素を保護するのに特に有用である。このような容器は、好ましくは、広いスペクトル範囲にわたって化学線の通過を有効に遮蔽し、その結果、多層接着剤は貯蔵中、尚早に色を喪失しない。
好ましい実施形態では、パッケージは、ポリマーおよび金属粒子を含む容器46を具備する。一例として、容器46は、アルミニウムフィラーと配合されているポリプロピレンで、又は、米国特許出願公開第2003/0196914A1号明細書(ツォウ(Tzou)ら)に開示されているアルミニウム粉末コーティングを受容するポリプロピレンで製造されてもよい。ポリマーおよび金属粒子の組み合わせは、変色性色素への化学線の通過に対して、このような色素が光に高感受性であることが知られている場合でも、非常に有効な遮蔽を提供する。このような容器は、また、良好な蒸気バリア性も示す。その結果、多層接着剤のレオロジー特性は、長時間にわたって変化しにくい。例えば、このような容器の改善された蒸気バリア性は、多層接着剤の取り扱い性が低下しないように実質的な保護を提供し、接着剤が尚早に硬化若しくは乾燥しないように、又は他に不具合が生じないようにする。このような容器に好適な蓋48は、多層接着剤が尚早に硬化しないように、化学線を実質的に透過させない任意の材料で製造することができる。蓋48に好適な材料の例には、アルミニウ箔とポリマーのラミネートが挙げられる。例えば、ラミネートは、ポリエチレンテレフタレート、接着剤、アルミニウ箔、接着剤、および配向ポリプロピレンの層を含んでもよい。
幾つかの実施形態では、多層接着剤を具備するパッケージされた歯科矯正器具は、例えば、米国特許第6,183,249号明細書(ブレナン(Brennan)ら)に記載されている剥離基材を具備してもよい。
他の実施形態では、多層接着剤を具備するパッケージされた歯科矯正器具は、剥離基材を具備しなくてもよい。一実施形態では、パッケージは、内面を有する少なくとも1つの凹部を有する基材を具備する。凹部から器具を取り出す際に接着剤層が器具から分離しないように、パッケージは、凹部の内側に歯科矯正器具を位置決めするための手段を具備する。好ましくは、パッケージは、凹部のための蓋、および蓋が基材と接触した状態を維持するための手段を更に具備し、歯科矯正器具を位置決めするための手段は、接着剤層が凹部の内面に接触しないように、器具を凹部内に吊持する手段を具備する。このようなパッケージは、例えば、米国特許第5,172,809号明細書(ジェーコブス(Jacobs)ら)に開示されている。
別の実施形態では、歯科矯正器具は、器具を歯構造にボンディングするためのベース、および、ベースから延びる本体、および、本体から離れるように延びる少なくとも2つの対向するタイウィングを有する。ベースおよびタイウィングの少なくとも1つは、本体を過ぎて歯肉方向に延び、歯肉側凹部を形成している。ベースおよびタイウィングの他の少なくとも1つは、本体を過ぎて咬合方向に延び、咬合側凹部を形成している。パッケージは、互いの方に延びる1対のアームを有するキャリアを具備する。各アームは外端セクションを有し、外端セクションは互いに離間し、その間にチャネルを形成している。歯科矯正器具は、チャネル内に配置され、外端セクションの1つが咬合側凹部の中に延び、外端セクションのもう1つが歯肉側凹部の中に延びた状態でアームによって支持される。このような歯科矯正器具およびパッケージは、例えば、米国特許第6,089,861号明細書(ケリー(Kelly)ら)に記載されている。
幾つかの実施形態では、パッケージされた物品は、1組の歯科矯正器具を具備することができ、器具の少なくとも1つは多層接着剤を有する。幾つかの実施形態では、器具の幾つか又は全てが、異なる接着剤又は多層接着剤を有してもよい。例えば、パッケージされた物品は、ブラケットとバッカルチューブの両方を具備してもよく、ブラケットはそれぞれ、バッカルチューブと同じ又は異なる接着剤又は多層接着剤を有してもよい。これによって、所望の最終用途のための接着性の調整に融通性が提供される。例えば、後方歯用器具には、より親水性の接着剤を使用してもよく、ボンディングベースのより大きい器具(例えば、後方歯用器具)には、より柔軟な接着剤を使用してもよく、犬歯および小臼歯用器具には、より大きい結合強度を発現できる接着剤を使用してもよい。物品および器具のセットの追加の例は、「接着剤がプレコートされた器具を有するパッケージされた歯科矯正アセンブリ(PACKAGED ORTHODONTIC ASSEMBLY WITH ADHESIVE PRECOATED APPLIANCES)」と題され、2003年12月19日に提出された本願出願人の係属中の米国特許出願第10/742561号明細書に記載されている。パッケージされた歯科矯正器具は、例えば、米国特許出願公開第2003/0196914A1(ツォウ(Tzou)ら)、および、米国特許第4,978,007号明細書(ジェーコブス(Jacobs)ら)、同第5,015,180号明細書(ランドクレフ(Randklev))、同第5,328,363号明細書(チェスター(Chester)ら)、および、同第6,183,249号明細書(ブレナン(Brennan)ら)に記載されている。
ダイレクトボンディング法では、多層接着剤を有する歯科矯正器具をパッケージから取り出して、所望の歯の表面に直接配置し、硬化させる。
本発明の幾つかの実施形態では、基材の接着剤転移領域の少なくとも一部を横切って延びる多層接着剤を具備する、接着剤送達システムが提供される。基材は、任意に、パッケージされた物品として提供されてもよい。多層接着剤を有する基材をパッケージ(存在する場合)から取り出した後、多層接着剤を歯科矯正器具のベースに移してもよく、次いで、それを直接法又は間接法のどちらかで歯構造にボンディングすることができる。例示的な接着剤送達システムは、例えば、米国特許第6,213,767号明細書(ディクソン(Dixon)ら)に記載されている。
本出願に開示される多層接着剤をインダイレクトボンディング法に使用してもよい。インダイレクトボンディング法では、歯科矯正器具をパッケージから取り出し、例えば、患者の歯列弓の複製の焼石膏又は「石膏」模型上に配置し、後で、通常は配置デバイスを使用して患者の歯構造に装着するための個別調製のベースを形成する。一実施形態では、歯科矯正器具は、複製の焼石膏又は「石膏」模型にボンディングし、個別調製のベースを形成するため、ベースに多層接着剤を有する。例示的なインダイレクトボンディング法は、例えば、2003年10月3日提出された同時係属中の米国特許出願第10/678,286号明細書に記載されている。
インダイレクトボンディング法の別の実施形態では、配置デバイス内に提供される歯科矯正器具は、患者の歯にボンディングするための個別調製のベース上に多層接着剤を有してもよい。図8を参照すると、配置デバイス50(シェル60、マトリックス材料70、および器具80を備える)が断面図で示されている。器具80は、多層接着剤84が塗工された個別調製のベース82を具備する。次いで、配置デバイス50は製造業者によってパッケージ内に配置され、臨床医の医院に送られる。
患者が医院に再び来院したとき、ボンディング処置を行う。好ましくは、パッケージされた配置デバイスを開ける前に、歯の準備段階が実施される。このようにして、多層接着剤84は周囲の光又は空気に過度に暴露されない。歯の準備段階が完了すると、パッケージを開けて、配置デバイス50をパッケージから取り出す。
次いで、シェル60を対応する歯を覆うように位置決めし、任意に、ヒンジのように揺動させて着座させる。図8では、患者の歯は、数字90で表記されている。マトリックス材料70のキャビティの形状は、下にある歯の形状に合致するため、器具80は、器具80が複製上に以前あった位置に対応する正確に同じ位置で、下にある歯90に当てて同時に着座される。次いで、好ましくは、多層接着剤84が十分に硬化するまで、シェル60の咬合側、舌側、および頬側表面に圧力を加える。任意に、指圧を使用して、器具80を患者の歯90のエナメル質表面にしっかりと圧接してもよい。
多層接着剤84が硬化した後、シェル60を患者の歯列弓から注意して取り外す。好ましくは、まず、歯列弓並びに器具80を覆ったまま所定の位置に留まるマトリックス材料70からシェル60を分離する。次に、器具80からマトリックス材料70を脱離させる。マトリックス材料70を器具80から剥がす時、任意に、スケーラーなどの手用器材を使用して、各器具80を患者のそれぞれの歯90の表面に当てて保持することを助けてもよい。しかし、比較的柔軟なマトリックス材料が使用されるか、又はさもなければ器具80から容易に外れる場合、新しい接着が破壊しないようにするのを助けるためスケーラーを使用することは、任意選択的である。別の選択肢として、多層接着剤84が硬化する前に、シェル60をマトリックス材料70から分離してもよい。この選択肢は、多層接着剤84が光硬化性接着剤を含有するとき、特に有用である。マトリックス材料70を器具80から脱離させた後、アーチワイヤを器具80のスロット内に配置し、所定の位置に結紮する。
以下の実施例は、本発明の範囲を例証するために記載され、限定するために記載されるものではない。別途明記されない限り、全ての部およびパーセンテージは重量により、全ての分子量は重量平均分子量である。
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結合強度試験方法
接着剤が塗工された歯科矯正ブラケットをウシの歯に接着させることによって、結合強度を試験した。使用したブラケットは、接着剤と接触するように突出するアルミナ粒子を有するベースを有するセラミックブラケット、又は、メッシュ若しくは一体成形されたベースのどちらかを有する金属ブラケットのどちらかであった。プレコートされた接着剤を有する市販のブラケットを受け取ったときの状態で使用した。接着剤がプレコートされていないブラケットでは、後述するようにブラケットを接着剤で処理した。シリンジで、又は、アシムテック(カリフォルニア州カールスバッド)(Asymtek(Carlsbad,CA))からオートムーブ(AUTOMOVE)A−403の商標名で入手可能な自動流体分配システムを使用して、接着剤サンプルを塗布した。
幾つかの実施例では、ウシの歯をまず、軽石水性スラリーで清掃し、すすいだ。次いで、歯を37%リン酸エッチング液でエッチングし、水ですすぎ、水分を含まず且つ油を含まない空気で乾燥させた。次いで、製造業者の指示に従い、3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からトランスボンド(TRANSBOND)MIPの商標名で入手可能な水分非感受性プライマーで歯を処理した。
或いは、他の実施例では、軽石で磨いた歯を、製造業者の指示に従い、3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からトランスボンド・プラス(TRANSBOND Plus)SEPの商標名で入手可能なセルフエッチングプライマーで処理した。次いで、接着剤が塗布されたブラケットを歯に着座させ、しっかりと圧接して余剰の接着剤を押し出した。余剰をきれいに取り去った。
次いで、製造業者の指示に従い、3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からオルソ・ライト(ORTHO Lite)の商標名で入手可能な硬化装置を使用して(例えば、3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からトランセンド(TRANCEND)の商標名で入手可能なブラケットでは、ブラケットを通して10秒)、接着剤を硬化させた。歯およびボンディングされたブラケットのサンプルを一晩37℃の水中に貯蔵した。
0.50mmの丸形ステンレス鋼ワイヤループを咬合側タイウィングの下に係合させることにより、結合強度試験を実施した。MTSシステムズ社(ミネソタ州エデンプレーリー)(MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN))から入手可能な万能荷重フレームを使用し、ブラケットが歯から脱離するまで、剪断/剥離モードで荷重をかけた。万能荷重フレームに取り付けられたワイヤを5mm/分の速度で引っ張った。最大限の力(ポンド単位)をブラケット1個当たりの結合強度として記録し、歯「乾燥」状態での試験の結果として報告した。
この試験方法の変形では、接着剤が塗工されたブラケットを歯にボンディングする前に、エッチングされたおよび/又はプライマー処理されたウシの歯に水分を(蒸留水の形態でスプレーボトルにより、又は唾液の形態で綿棒により)塗布した。最大限の力をブラケット1個当たりの結合強度として記録し、歯「湿潤」状態での試験の結果として報告した。
比色試験
接着剤サンプルの初期色および退色した色の定量化は、400ミクロン繊維反射プローブ、および、ステラー・ネット社(フロリダ州オールズマー)(StellarNet,Inc.(Oldsmar,FL))からスペクトラ・ウィズ・シエラボ(SpectraWiz CIELAB)の商標名で入手可能な比色計ソフトウェアを装備した、ステラー・ネット社(フロリダ州オールズマー)(StellarNet,Inc.(Oldsmar,FL))からEPP2000Cの商標名で入手可能な可搬式紫外−可視(UV−Vis)分光器を用いて実施した。
測色用のサンプルを調製するため、接着剤サンプルをポリエステル剥離ライナー上に押し出し、接着剤の周囲に金属環を配置し、第2の剥離ライナーを接着剤上に配置した。次いで、得られる構成を2枚のプレキシグラス板間で押圧し、金属環で接着剤の厚さを0.51mmに制御した。分光器の光源のスイッチを切った状態で、2枚の剥離ライナー間の接着剤サンプルを白色反射標準(部品番号RS50、直径50ミリメートル、ハロンタイプ>反射率97%、300〜1500ナノメートル、ステラー・ネット社(StellarNet,Inc.))上に配置した。分光器の光ファイバプローブをサンプル上6.3ミリメートルのところに45°の角度で位置決めした。測色は、露光時間1000ミリ秒で、接着剤の中心を光線に当てて、上の剥離ライナーを通して行った。ソフトウェアで、反射スペクトルを取り込み、入力をL*、a*およびb*値に変換した。a*値は、サンプルの赤みを示し、数字が高いほど赤みが大きいことを示した。
2枚のポリエステル剥離ライナー間で押圧された接着剤を、デンツプライ・インターナショナル社(ペンシルバニア州ヨーク)(Dentsply International,Inc.(York,PA))からトリアド(TRIAD)2000の商標名で入手可能な光硬化オーブン中で3分間硬化させたこと以外は本明細書に記載されるのと同様に、硬化した接着剤サンプルを調製した。ポリエステルライナーをそのままの状態にして硬化した接着剤サンプルを白色反射標準上に直接配置した。分光器の光源にスイッチを入れ、本明細書に記載するようにL*、a*およびb*値を測定したが、報告する各値は、3つの測定値の平均を表す。
実施例1
3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からユニテック・ミニチュア・ツイン(Unitek Miniature Twin)Vスロット金属ブラケット、カタログ番号017−333として入手可能な上顎用横方向ブラケットに、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量の光硬化接着剤Bを塗工した。トランスボンド(TRANSBOND)MIP又はトランスボンド・プラス(TRANSBOND Plus)SEPのどちらも使用することなく、エッチングしたウシの歯に前述の手順を使用してブラケットをボンディングし、その結果、歯「乾燥」状態における結合強度は21.7MPaで標準偏差は5.7MPa(ブラケット1個当たり45ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり11.8ポンド)であり、歯「湿潤」状態における結合強度は9.2MPaで標準偏差は6.6MPa(ブラケット1個当たり19ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり13.7ポンド)であった。
前記段落に記載した器具の幾つかを安定化HEMAに浸漬し、接着剤上にHEMAの層を有する、多層接着剤が塗工されたブラケットを形成した。次いで、トランスボンド(TRANSBOND)MIPブランドのプライマー又はトランスボンド・プラス(TRANSBOND Plus)SEPブランドのプライマーのどちらも使用することなく、多層接着剤が塗工されたブラケットを、前述の手順を使用してウシの歯にボンディングし、その結果、歯「湿潤」状態における結合強度は20.3MPaで、標準偏差は5.7MPa(ブラケット1個当たり42ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり11.8ポンド)であった。
多層接着剤が塗工されたブラケットの歯「湿潤」状態における結合強度は、プライマーを歯に別々に塗布することなく、優れた結合強度を得ることができるということを例証する。多層接着剤が塗工されたブラケットの歯「湿潤」状態における結合強度は、また、歯「湿潤」状態で優れた結合強度を得ることができるということを例証する。この実施例は、また、この実施例は、歯と接触している低粘度層(例えば、HEMA層)および/又は親水性層(例えば、HEMA層)が、接着剤による歯表面の濡れを改善し、その結果、結合強度が増大し得ることも例証する。
実施例2
アシムテック(カリフォルニア州カールスバッド)(Asymtek(Carlsbad,CA))からオートムーブ(AUTOMOVE)A−403の商標名で入手可能な自動流体分配システムを使用して、単層および多層サンプルを塗工した。
3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からトランセンド(TRANSCEND)の商標名で入手可能な万能小臼歯用ブラケットに、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量の変色性光硬化接着剤Aの連続層を塗工した。塗工されたブラケットを、前述の手順を使用してウシの歯にボンディングし、その結果、歯「乾燥」状態における結合強度は7.9MPaで標準偏差は2.7MPa(ブラケット1個当たり20.8ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり7.2ポンド)であった。
前記段落に記載した変色性光硬化接着剤Aが塗工された万能小臼歯用ブラケットの幾つかに、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量の、3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からトランスボンド(TRANSBOND)LRの商標名で入手可能な接着剤の第2の連続層を塗工した。多層ブラケットを、前述の手順を使用してウシの歯にボンディングし、その結果、歯「乾燥」状態における結合強度は10.5MPaで標準偏差は2.2MPa(ブラケット1個当たり27.8ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり5.9ポンド)であった。
この実施例は、歯と接触している低粘度接着剤(例えば、トランスボンド(TRANSBOND)LR層)が、接着剤による歯表面の濡れを改善し、その結果、結合強度が増大し得ることを例証する。
実施例3
アシムテック(カリフォルニア州カールスバッド)(Asymtek(Carlsbad,CA))からオートムーブ(AUTOMOVE)A−403の商標名で入手可能な自動流体分配システムを使用して、サンプルを塗工した。
3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からトランセンド(TRANSCEND)の商標名で入手可能な万能小臼歯用ブラケットに、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量の変色性光硬化接着剤Aの連続層を塗工した。塗工したブラケットを、前述の手順を使用してウシの歯にボンディングし、その結果、歯「乾燥」状態における結合強度は7.9MPaで標準偏差は2.7MPa(ブラケット1個当たり20.8ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり7.2ポンド)であった。
万能小臼歯用ブラケットに、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量の、3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からAPC IIの商標名で入手可能なプレコートブラケット接着剤の連続層を塗工した。次いで、このブラケットに、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量の変色性光硬化接着剤Aの第2の連続層を塗工した。前述の手順を使用して多層ブラケットをウシの歯にボンディングし、その結果、歯「乾燥」状態における結合強度は12.0MPaで標準偏差は3.6MPa(ブラケット1個当たり31.6ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり9.5ポンド)であった。
この実施例は、疎水性(APC II)および親水性変色性光硬化接着剤Aを同じブラケット上に配置し、その結果、結合強度を増大できることを例証する。
実施例4
アシムテック(カリフォルニア州カールスバッド)(Asymtek(Carlsbad,CA))からオートムーブ(AUTOMOVE)A−403の商標名で入手可能な自動流体分配システムを使用して、サンプルを塗工した。
3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からトランセンド(TRANSCEND)の商標名で入手可能な万能小臼歯用ブラケットのベースの周縁に変色性光硬化接着剤Aのリボンを塗工し、「ドーナッツ」形を形成した。3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からAPC IIの商標名で入手可能な第2の接着剤を、変色性光硬化接着剤Aの「ドーナッツ」の中心に塗布した。
この実施例は、色の濃い変色性「ドーナッツ」層によって、接着剤全体に分散される色素を必要とせず、バリの清掃が容易になることを例証する。
実施例5
変色性接着剤がフッ化物放出性でもあること以外、実施例4を繰り返した。
この実施例は、ボンディング面にあるフッ化物を多量に含むフッ化物放出「ドーナッツ」層が、接着剤全体でフッ化物を放出することを必要とせず、齲食防止のために必要なところに、向上したフッ化物放出を提供できることを例証する。
実施例6
3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からビクトリー・シリーズ(VICTORY SERIES)(カタログ番号017−401又は同等物)の商標名で入手可能な上顎用中心ブラケットに、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量の変色性光硬化接着剤Aをシリンジで塗布した。接着剤が塗工されたブラケットを、前述の手順を使用してウシの歯にボンディングし、その結果、歯「湿潤」状態における結合強度は17.2MPaで標準偏差は7.3MPa(ブラケット1個当たり42.2ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり17.8ポンド)であった。
前記段落に記載した変色性接着剤が塗工されたブラケットの幾つかを使用して、トランスボンド(TRANSBOND)MIP接着剤を、前記変色性接着剤上に刷毛塗りした後、ろ過された乾燥圧縮空気を使用して空気乾燥させ、プレコートされた変色性接着剤上にトランスボンド(TRANSBOND)MIPの層を有する多層接着剤が塗工されたブラケットを形成した。ろ過された乾燥圧縮空気を使用して接着剤層を乾燥させた。ボンディングする前に歯にプライマーを添加しなかったこと以外、前述の手順を使用して、多層接着剤が塗工されたブラケットをウシの歯にボンディングし、その結果、歯「湿潤」状態における結合強度は17.9MPaで標準偏差は6.5MPa(ブラケット1個当たり43.9ポンドで、標準偏差はブラケット1個当たり16ポンド)であった。
多層接着剤が塗工されたブラケットの歯「湿潤」状態における結合強度は、歯「湿潤」状態で優れた結合強度を得ることができるということを例証する。多層接着剤が塗工されたブラケットの歯「湿潤」状態における結合強度は、また、プライマーを歯に別々に塗布することなく、優れた結合強度を得ることができるということも例証する。このようなものとして、プライマー処理段階を省略することにより、典型的な歯科矯正ボンディングプロセスに必要な段階の数を減少し得る。
実施例7
この実施例は、多層接着剤中のセルフエッチングプライマーの連続層がエッチング段階とプライマー処理段階の両方の省略を可能にすることを例証する。
例えば、2003年8月12日に提出された同時係属中の米国仮特許出願第60/494,603号明細書に記載されているモノ−およびジ−HEMAホスフェートの連続層を、トランスボンド(TRANSBOND)XT接着剤の連続層上に、歯に貼着するときブラケットのベース全体に塗工するのに十分な量、塗布した。軽石で磨かれ、エッチングされていない湿ったウシの歯に、塗工されたブラケットを圧接し、60秒間着座させた。次いで、バリをきれいに取り、3Mユニテック(カリフォルニア州モンロビア)(3M Unitek(Monrovia,CA))からオルソ・ライト(ORTHO Lite)の商標名で入手可能な硬化装置で近心と遠心を3秒間露光し接着剤を硬化させた。この結果、歯「湿潤」状態における結合強度は9.5MPaで標準偏差は2.6MPaであった。
多層接着剤が塗工されたブラケットの歯「湿潤」状態における結合強度は、プライマーを歯に別々に塗布することなく、優れた結合強度を得ることができるということを例証する。このようなものとして、プライマー処理およびエッチング段階を省略することにより、典型的な歯科矯正ボンディングプロセスに必要な段階の数を減少し得る。
実施例8
本明細書に記載される性質の向上は、光硬化プレコートシステムに限定されない。例えば、多層化学硬化プレコートシステムは、既知の化学硬化プレコートシステムに優る類似の利点を提供できる。
2部構成の化学硬化接着剤は、図6に示される歯科矯正器具のベース上に「A」側と「B」側の交互の点を分配することにより製造される。2つの成分34および36を分離することにより、それらが歯に貼着される前に硬化しないことが確実になる。接着剤が塗工されたボンディングベースを歯に圧接すると、2つの成分が効果的に混合され、それらの硬化が可能になる。この実施例は、医師が清掃とエッチング以外に歯を前処理する必要がないようにプレコートされた形態で、化学硬化接着剤システムを医師に送給できることを示す。
実施例9
この実施例は、多層(例えば、3層)接着剤を具備する歯科矯正用接着剤送達システムの調製を例証する。歯科矯正用接着剤送達システムは、まず、薄く低粘度のプライマー層を基材(例えば、剥離ライナー)の接着剤転移領域に分配することによって調製される。第1の層は、耐水性を提供する親水性樹脂、およびフッ化物を放出するフッ化物放出剤を含有する。第2のより厚い層を第1の層の上に塗布する。第2の層は、第1の層より高粘度で且つフィラー添加量が多い。第2の層は、また、有効な変色性色素濃度も含有する。それは、また、フッ化物を放出できるフッ化物放出剤も含有する。第3の薄い接着促進層が塗布される。第3の層は、ステンレス鋼金属ブラケットに対する接着力を向上させる接着促進剤を含有する。第3の層は、また、第2の層より低粘度である。次いで、3層接着剤上にブラケットを位置決めし、接着剤層がブラケットのベースに流動するように僅かに押し付け、接着剤が塗工されたブラケットを基材の接着剤転移領域から持ち上げて取り外すことにより、3層接着剤を、軽石で磨かれエッチングされた歯にボンディングするためのブラケットのベースに塗布してもよい。
前述の詳細な説明および実施例は、理解を明確にするために記載したに過ぎない。それらに不要に限定されるべきではない。当業者には変形が明らかであるが、それらは特許請求の範囲によって定義される本発明に包含されるため、本発明は、図示および説明されている通りの詳細に限定されるべきではない。
ベースに多層接着剤を有する歯科矯正器具の斜視図である。 図1の歯科矯正器具の側面図である。 多層接着剤を有する物品(例えば、歯科矯正器具又は接着剤送達システム)の例示的実施形態の底面図である。 多層接着剤を有する物品(例えば、歯科矯正器具又は接着剤送達システム)の例示的実施形態の底面図である。 多層接着剤を有する物品(例えば、歯科矯正器具又は接着剤送達システム)の例示的実施形態の底面図である。 多層接着剤を有する物品(例えば、歯科矯正器具又は接着剤送達システム)の例示的実施形態の底面図である。 蓋が部分的に開いている容器内にある、ベースに多層接着剤が塗工された歯科矯正器具を示すパッケージされた物品の斜視図である。 インダイレクトボンディング法に使用される配置デバイスを使用して、歯科器具を患者の歯に貼着する行為を示す拡大側面断面図である。

Claims (2)

  1. 歯科矯正器具であって該歯科矯正器具を歯構造にボンディングするためのベースを有する歯科矯正器具と、
    それぞれが前記歯科矯正器具のベースの少なくとも一部を横切って延びる第1の硬化性接着剤層および第2の硬化性接着剤層であって、該第1の硬化性接着剤層および該第2の硬化性接着剤層の少なくとも一方の接着剤層はパターン化された層であり、該第1の硬化性接着剤層および該第2の硬化性接着剤層が剥離基材と接触していないことを条件とする第1の硬化性接着剤層および第2の硬化性接着剤層と、
    前記第1の硬化性接着剤層および前記第2の硬化性接着剤層を有する前記歯科矯正器具を少なくとも部分的に取り囲む容器とを具備する、パッケージされた物品。
  2. 前記第1の硬化性接着剤層と前記第2の硬化性接着剤層とは、化学組成、粘度、親水性、厚さ、硬化時間、硬化機構、色、硬化時の色の変化、酵素放出、フッ化物放出、硬化時の結合強度、およびpHからなる群から選択される1つ以上の性質が異なる、請求項1に記載のパッケージされた物品。
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