JP4718041B2 - Inverter control method and apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、単相整流回路と3相インバータで構成されたシステムにおいて、電源に接続された整流回路の入力波形を高効率化し、高調波を低減するための方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られているように、インバータ回路はトランジスタのスイッチング制御により直流電源を可変周波数、可変電圧の交流電力に高効率に変換する回路である。
【0003】
そして、インバータ回路は、例えば、モータの回転数やトルクを制御する必要のある家電機器や産業機器に広く応用されている。
【0004】
また、一般には、交流電源を直流電源に変換するために回路構成が簡単なダイオードブリッジ回路が採用され、整流後の電圧リプルを除去するために大容量の平滑用コンデンサが使用されている。
【0005】
そして、この場合には、電源側の力率低下や高調波の増大などの不都合が発生するため、このような不都合の発生を防止し、もしくは抑制するために、ダイオードブリッジ回路の入力側もしくは直流側にインダクタンスの大きな力率改善リアクトルを接続する(図14参照)。
【0006】
また、最近では、電源力率や電源高調波に対する特性の高性能化を目的として、スイッチングトランジスタおよびダイオードなどからなるチョッパをダイオードブリッジ回路の直流側に設けることが提案されている(図15参照)。
【0007】
このようなインバータ回路を採用した場合には、大容量の平滑用コンデンサ、力率改善リアクトルが必要であり、これらを採用することに伴ってサイズが大型化し、しかもコストアップを招いてしまうという不都合がある。
【0008】
また、電源高調波特性の高性能化を達成するためにはチョッパ回路が必要であり、さらなるコストアップを招いてしまうという不都合がある。
【0009】
さらに、大容量の平滑用コンデンサとしては一般的に電解コンデンサが採用されるので、電解コンデンサの寿命が短いことに起因してダイオードブリッジ回路を含むインバータ回路の寿命が短くなり、しかも電解コンデンサの温度特性に起因してダイオードブリッジ回路を含むインバータ回路の使用環境が制約されるという不都合がある。
【0010】
このような不都合を解消するために、整流部の大容量な平滑用コンデンサを省略し、d軸電流を電源周波数の2倍周波で変化させ、弱め界磁制御によりモータ端子電圧を低下させ、これにより、直流電圧が脈動し、大きく低下した場合にも、モータ電流を流し込めるようにし、インバータ入力(整流回路入力)の電流通電幅を広げることによって、高入力力率化、および電源高調波特性の高性能化を達成するようにしたインバータ制御方法(「高入力力率のダイオード整流回路を持つPMモータのインバータ制御法」、高橋勲、平成12年電気学会全国大会、p1591参照、以下、論文1と略称する)が提案されている。
【0011】
また、より具体化した方法として、d軸電流を正弦波状とするとともに、q軸電流指令とq軸電流フィードバック量との偏差に基づくPI制御を行ってq軸電圧指令を得る方法(「PMモータの高速弱め界磁法による単相ダイオード整流回路の高入力力率化」、芳賀仁、高橋勲、平成12年電気学会産業応用部門全国大会、p1125参照、以下、論文2と略称する)、および弱め界磁条件の式からd軸電流指令値を求め、d軸電流フィードバック量との偏差に基づくPI制御を行ってd軸電圧指令を得るとともに、回転数偏差(速度偏差)に基づくPI制御を行い、入力側のリプルに合わせて電源周波数の2倍周波で振動している電流指令の絶対値を乗算してq軸電流指令値を得、q軸電流フィードバック量との偏差に基づくPI制御を行ってq軸電圧指令を得る方法(「PMモータの高速弱め界磁を用いたダイオード整流回路の高力率化」、芳賀仁、高橋勲、平成12年電気学会半導体電力変換研究会SPC−00−64参照、以下、論文3と略称する)が提案されている。
【0012】
さらに、「IPMモータの弱め界磁を利用した高効率インバータ制御方法」、芳賀仁、高橋勲、平成13年電気学会全国大会、p.1214(以下、論文4と略称する)も提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
論文1、2に記載の方法を採用した場合には、界磁方向の磁束を電源周波数の2倍周波で脈動させるために鉄損が増加するという不都合がある。
【0014】
また、論文3の方法を採用した場合には、d軸電流、q軸電流を共に電源周波数の2倍周波で脈動させるための電圧をインバータ出力に重畳する必要があり、より大きい電圧が必要になるという不都合がある。
【0015】
さらに、論文1〜3においては、電流制御を行うために必要なインバータ出力電圧や直流電圧の関係が詳述されていない。そのため、インバータ直流電圧を最大限に利用するためにモータに供給すべき出力電圧または出力電流の制御方法が不明である。
【0016】
さらにまた、所望のd−q軸電流の制御を行うには、実電流と指令電流により所望のd−q軸電圧指令を演算するとともに、このd−q軸電圧指令を数1により3相電圧指令に変換し、3相電圧指令を信号波としてこれと三角波などの搬送波を比較することによりPWMする方法が一般的に採用される。
【0017】
【数1】
【0018】
しかし、この方法では、3相インバータは線間電圧を最大Vdcまで出力できるにも拘わらず、3相インバータの線間電圧の振幅を原理的に0.86×Vdcまでしか線形に制御できない(「半導体電力変換方式調査専門委員会編:半導体電力変換回路」、電気学会、1989年、p125参照)。
【0019】
平滑用の大容量コンデンサを設けることなく単相整流回路の出力電圧を3相インバータに供給する構成では、直流電圧を大きく脈動させることになるため、100%直流電圧を利用する方式を採用することが望まれる。
【0020】
これを実現する方式として、各相電圧指令に3n次(ここで、nは正の整数)の高調波を重畳する方式が知られているが、瞬時電流のフィードバックにより常時電圧が変化する(すなわち、振幅や周波数が絶えず変わっている)ような制御系では3n次調波を決定することが困難になるので、上記の要望を簡単には実現することができず、ひいては電圧利用率を十分には高めることができない。
【0021】
また、インバータの制御をマイコンにより行う場合において、キャリア周波数を高周波化すれば、電圧指令演算処理、PWM演算などの処理をより短時間で行うことが必要になるので、高速処理が可能なマイコンやDSPを採用しなければならず、コストを重視する家電機器などにはこれらのマイコン、DSPを採用することが困難である。そして、高速処理可能なマイコン、DSPを採用しても、電流制御演算やPWM演算の所要時間は50μsを越えるので、キャリア周波数を20kHz未満にしかできない。
【0022】
さらに、従来は、電流偏差に基づいてPI制御演算を行って電圧指令を算出するようにしている。
【0023】
したがって、整流部の平滑用コンデンサの容量を0もしくは極めて小さくした場合には、整流回路の出力電圧(直流電圧)が電源電圧のゼロクロス近傍では極めて小さくなり、実電流を電流指令に追従させるための所望の電圧を3相インバータから出力できなくなる期間が必ず発生する。
【0024】
そして、実電流が電流指令に追従しない場合には、PI制御演算部の積分部にはその期間の偏差が絶えず加算され、ひいては制御系全体が不安定になってしまう(ワインドアップ現象が起こる)。
【0025】
また、図16に示すように、ダイオード整流回路の出力端子間に小容量フィルムコンデンサ(例えば、従来のインバータに用いられるコンデンサの1/100程度の容量のコンデンサ)を接続するとともに、3相分のインバータ主回路を接続してなるインバータ(以下、コンデンサレスインバータと略称する)を制御し、所望の性能を得るために論文4に示された制御方法を実施するためのインバータ制御装置は、図17に示す構成を有する。
【0026】
このインバータ制御装置は、速度指令ωm*とモータ実速度ωmとの偏差を入力としてPI演算(比例・積分演算)を行って値|iq*|を出力するPI演算部111と、電源電圧V1を入力として、これに同期した信号sin2θ1を出力するsin2θ1発生部112と、信号sin2θ1と値|iq*|との積をとり、q軸電流指令iq*として出力する乗算器113とを含むq軸電流指令演算部110を有している。
【0027】
そして、直流電圧Vdc、q軸電流iq、モータ実速度ωmを入力として数2の演算を行ってd軸電流指令id*を出力するid*演算部114と、dq軸電流指令id*、iq*とdq軸実電流id、iqとの偏差を入力としてPI演算を行って第1のdq軸電圧指令Vd*’、Vq*’を出力するd軸用、q軸用のPI演算部115、116と、第1のdq軸電圧指令Vd*’、Vq*’を入力として数3の演算を行って第2のdq軸電圧指令Vd*、Vq*を出力する非干渉制御部117とを有している。なお、λaは速度起電圧定数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、nは極対数である。
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】
上記の構成のインバータ制御装置においては、d軸電流指令id*を数2により算出している。しかし、以下の不都合を生じてしまう。
【0031】
(1)d軸電流指令id*は端子電圧に対する制約から決められているため、モータ効率については適切なものになっていない。
【0032】
例えば、モータの速度低下と共に磁石磁束が発生する速度起電圧が下がった場合、これを補償し、モータ端子電圧を増加させるべくd軸電流指令が演算される。すなわち、d軸電流は正の値に向かって増加する。そして、d軸電流指令が正の値に達するとリラクタンストルクは磁石トルクと逆方向(ブレーキ)に作用する。この結果、モータトルク−電流比が低下し、モータ効率が悪化してしまう。
【0033】
(2)制御演算式が複雑な上、磁気飽和が原因で電流の増大(出力の増大)と共に変化するq軸インダクタンスを演算に用いているので、所定のd軸電流指令を精度よく算出するためには、予め電流に対するq軸インダクタンスLqの変化を測定し、それをデータテーブルとして持つなどの必要が生じる。
【0034】
【発明の目的】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、整流部の平滑用コンデンサの容量を0もしくは極めて小さくすることにより装置の信頼性向上、小型化やコストダウンを達成するとともに、モータに発生する鉄損の増加を防止し、さらには制御を安定化し、ひいては、電源側の力率向上や電源高調波の低減を達成することができ、さらには、モータ電流の増加による効率の低下を解消することができるインバータ制御方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】
請求項1のインバータ制御方法は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、d軸電流を略一定に保持し、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させる方法である。
【0036】
請求項2のインバータ制御方法は、d−q軸電流を制御するに当たって、インバータ線間電圧を制御すべくPWMを行う方法である。
【0038】
請求項3及び請求項4のインバータ制御方法は、PWM制御で得られた各パルスを、その幅が1/m(mは正の整数)になるように分割し、分割されたパルス幅に基づいて3相インバータの各トランジスタをスイッチング制御する方法である。
【0039】
請求項5のインバータ制御方法は、d軸電流およびq軸電流の偏差に比例ゲインを乗算してd−q軸電圧指令を算出し、算出されたd−q軸電圧指令に基づいて3相インバータをPWM制御する方法である。
【0040】
請求項6のインバータ制御方法は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、モータの高速回転時には、d軸電流を略一定に保持し、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させるべく3相インバータを制御する方法である。
【0041】
請求項7のインバータ制御装置は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御する装置であって、d軸電流を略一定に保持するd軸電流保持手段と、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させるq軸電流脈動手段とを含むものである。
【0042】
請求項8のインバータ制御装置は、d−q軸電流を制御するに当たって、インバータ線間電圧を制御すべくPWMを行う制御手段を含むものである。
【0044】
請求項9及び請求項10のインバータ制御装置は、前記PWM制御手段として、PWM制御で得られた各パルスを、その幅が1/m(mは正の整数)になるように分割し、分割されたパルス幅に基づいて3相インバータの各トランジスタをスイッチング制御するものを採用するものである。
【0045】
請求項11のインバータ制御装置は、前記d軸電流保持手段およびq軸電流脈動手段として、d軸電流およびq軸電流の偏差に比例ゲインを乗算してd−q軸電圧指令を算出し、算出されたd−q軸電圧指令に基づいて3相インバータをPWM制御するものを採用するものである。
【0046】
請求項12のインバータ制御装置は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御する装置であって、モータの高速回転時には、d軸電流を略一定に保持し、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させるべく3相インバータを制御するd−q軸電流制御手段を含むものである。
【0047】
請求項13のインバータ制御方法は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、
所定の電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算する方法である。
【0048】
請求項14のインバータ制御方法は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、
電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正する方法である。
【0049】
請求項15のインバータ制御方法は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、
所定の電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算する処理、並びに電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正する処理を行う方法である。
【0050】
請求項16のインバータ制御装置は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するものであって、
所定の電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算する演算手段を含むものである。
【0051】
請求項17のインバータ制御装置は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するものであって、
電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正する補正手段を含むものである。
【0052】
請求項18のインバータ制御装置は、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するものであって、
所定の電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算する演算手段、並びに電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正する補正手段を含むものである。
【0053】
【作用】
請求項1のインバータ制御方法であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、d軸電流を略一定に保持し、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させるのであるから、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、鉄損の増加を防止し、しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができる。
【0054】
さらに説明する。
【0055】
上述のとおり整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するようにコンデンサの容量を設定したインバータシステムをコンデンサレスインバータと称する。
【0056】
コンデンサレスインバータにおいて、入力波形の高力率化、高調波レス化(電源電流の正弦波化)のためにモータトルクを電源周波数の2倍周波で脈動させるために、d軸電流を略一定にするとともに、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させることによって、インバータ直流側電圧に必要な電圧がコンデンサレスインバータの直流電圧と略一致することを見出し、本願発明を完成させたのである。
【0057】
そして、この場合には、界磁方向の磁束を脈動させないのであるから、界磁の脈動制御に伴う鉄損増加を防止することができる。
【0058】
また、所望の電流を得るためのインバータ直流電圧が電源周波数で0〜21/2V1(V1は電源電圧の実効値)で脈動するコンデンサレスインバータの直流電圧と略一致するので、100%インバータの直流電圧を利用した電流制御を行うことができ、モータ出力を極大化することができる。
【0059】
請求項2のインバータ制御方法であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御する場合に、d−q軸電流を制御するに当たって、インバータ線間電圧を制御すべくPWMを行うのであるから、電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができ、しかも直流電圧の利用率を著しく高めることができる。
【0060】
さらに説明する。
【0061】
コンデンサレスインバータにおいて、常時電圧が変化する相電圧指令を線間電圧制御が可能な諸量に変換し、これに基づいて3相インバータを制御することによって、インバータ直流電圧を100%利用してモータ端子電圧を制御することができ、この結果、従来のPWM制御に比べて広範囲なトルク−速度範囲での運転が可能になることを見出し、本願発明を完成させたのである。
【0063】
請求項3及び請求項4のインバータ制御方法であれば、PWM制御で得られた各パルスを、その幅が1/m(mは正の整数)になるように分割し、分割されたパルス幅に基づいて3相インバータの各トランジスタをスイッチング制御するのであるから、請求項1または請求項2の作用に加え、データ処理の演算処理時間を殆ど増加させることなくキャリア周波数を高めることができる。
【0064】
さらに説明する。
【0065】
単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサは3相インバータのスイッチング時に発生する電流リプル成分を吸収するためのものであり、このリプル電流により生ずるコンデンサの電圧リプルの大きさがキャリア周波数に逆比例するとともに、コンデンサ容量にも逆比例することを見出し、本願発明を完成させたのである。
【0066】
そして、キャリア周波数を高めることによりコンデンサ容量を小さくすることができ、ひいては、小型化、コストダウン、入力特性の高性能化を達成することができる。
【0067】
請求項5のインバータ制御方法であれば、d軸電流およびq軸電流の偏差に比例ゲインを乗算してd−q軸電圧指令を算出し、算出されたd−q軸電圧指令に基づいて3相インバータをPWM制御するのであるから、請求項1から請求項4の何れかの作用に加え、応答性を高めることができるとともに、制御を安定化することができる。
【0068】
さらに説明する。
【0069】
PI制御演算に代えて比例制御演算を採用すれば、積分部が存在していないので、偏差が加算されることによる不安定化を防止することができ、しかもPI制御演算に比べて比例ゲインを高く設定でき、電流制御の応答性を高めることができることを見出し、本願発明を完成させたのである。
【0070】
請求項6のインバータ制御方法であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、モータの高速回転時には、d軸電流を略一定に保持し、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させるべく3相インバータを制御するのであるから、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、モータの速度起電力が高くなる高速回転時においても、電流を広い範囲でモータに流し込むことができ、出力を極大化できる。しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができる。
【0071】
請求項7のインバータ制御装置であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、d軸電流保持手段によって、d軸電流を略一定に保持し、q軸電流脈動手段によって、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させることができる。
【0072】
したがって、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、鉄損の増加を防止し、しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができる。
【0073】
請求項8のインバータ制御装置であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御する場合に、制御手段によって、d−q軸電流を制御するに当たって、インバータ線間電圧を制御すべくPWMを行うことができる。
【0074】
したがって、電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができ、しかも直流電圧の利用率を著しく高めることができる。
【0076】
請求項9及び請求項10のインバータ制御装置であれば、前記PWM制御手段として、PWM制御で得られた各パルスを、その幅が1/m(mは正の整数)になるように分割し、分割されたパルスに基づいて3相インバータの各トランジスタをスイッチング制御するものを採用するのであるから、請求項7または請求項8の作用に加え、データ処理の演算処理時間を殆ど増加させることなくキャリア周波数を高めることができる。そして、キャリア周波数を高めることによりコンデンサ容量を小さくすることができ、ひいては、小型化、コストダウンや入力特性の高性能化を達成することができる。
【0077】
請求項11のインバータ制御装置であれば、前記d軸電流保持手段およびq軸電流脈動手段として、d軸電流およびq軸電流の偏差に比例ゲインを乗算してd−q軸電圧指令を算出し、算出されたd−q軸電圧指令に基づいて3相インバータをPWM制御するものを採用するのであるから、請求項7から請求項10の何れかの作用に加え、応答性を高めることができるとともに、制御を安定化することができる。
【0078】
請求項12のインバータ制御装置であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、単相整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、d−q軸電流制御手段によって、モータの高速回転時には、d軸電流を略一定に保持し、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させるべく3相インバータを制御することができる。
【0079】
したがって、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、モータの速度起電力が高くなる高速回転時においても、電流を広い範囲でモータに流し込むことができ、出力を極大化できる。しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができる。
【0080】
請求項13のインバータ制御方法であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、所定の電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算するのであるから、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができる。
【0081】
請求項14のインバータ制御方法であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正するのであるから、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができる。
【0082】
請求項15のインバータ制御方法であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、モータ効率を最大にする電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算する処理、並びに電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正する処理、もしくは電源電圧と直流電圧との偏差に基づいてd軸電流指令の補正を行う処理を行うのであるから、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができ、しかも、d軸電流を略一定に保持する場合であっても、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができ、もしくは通電幅を確実に拡大して高力率化を達成することができる。
【0083】
請求項16のインバータ制御装置であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、演算手段によって、モータ効率を最大にする電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算することができる。
【0084】
したがって、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができる。
【0085】
請求項17のインバータ制御装置であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、補正手段によって、電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正することができる。
【0086】
したがって、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができる。
【0087】
請求項18のインバータ制御装置であれば、単相整流回路と3相インバータとを含み、単相整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動させ、3相インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべく3相インバータを制御するに当たって、演算手段によって、モータ効率を最大にする電流位相に応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を演算し、第1補正手段によって、電源電圧と直流電圧とに応答して、d軸電流を略一定に保持するためのd軸電流指令を補正し、もしくは第2補正手段によって、電源電圧と直流電圧との偏差に基づいてd軸電流指令の補正を行うことができる。
【0088】
したがって、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができ、しかも、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができ、もしくは通電幅を確実に拡大して高力率化を達成することができる。
【0089】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明のインバータ制御方法およびその装置の実施の態様を詳細に説明する。
【0090】
図1はこの発明のインバータ制御方法が適用されたモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【0091】
このモータ制御装置は、交流電源1を入力とするダイオードブリッジ整流回路2と、ダイオードブリッジ整流回路2の出力端子間に接続された小容量のコンデンサ(スイッチングリプルを除去するためのコンデンサ)3aと、ダイオードブリッジ整流回路2の出力端子間に接続された3相インバータ3と、3相インバータ3の出力端子間にY結線された固定子巻線4aを有するモータ{永久磁石が回転子の内部に装着されたブラシレスDCモータ(以下、IPMと称する)}4と、電源電圧を検出する絶縁アンプ1aと、検出された電源電圧のゼロクロスを検出するコンパレータ1bと、ゼロクロス検出信号を制御マイコン5に供給するフォトカプラ1cと、モータ4の回転子4bと連結されたパルスエンコーダ4cと、パルスエンコーダ4cからのパルスを計数してモータ回転位置角として制御マイコン5に供給するカウンタ4dと、u相電流、w相電流を検出する電流検出器4eu、4ewと、ダイオードブリッジ整流回路2の出力端子電圧(直流電圧)を検出する絶縁アンプ2aと、検出された直流電圧、u相電流およびw相電流をデジタル値に変換して制御マイコン5に供給するAD変換器4fとを有している。
【0092】
以下において、このように大容量の平滑用コンデンサを含まないインバータ制御装置をコンデンサレスインバータと称する。
【0093】
図2は制御マイコンの内部構成を示すブロック図である。
【0094】
この制御マイコン5は、u相電流iu、w相電流iwを入力とし、モータ回転位置角θeに基づいてd−q座標変換を行ってd軸検出電流、q軸検出電流を出力するd−q座標変換部51と、電源電圧のゼロクロスを入力として位相を発生する位相発生部52と、発生された位相を入力としてq軸電流指令を生成するq軸電流指令演算部53と、d軸電流指令発生部54と、q軸電流指令とq軸検出電流との差分に基づく比例制御を行ってq軸電圧指令を算出するq軸比例制御部55と、d軸電流指令とd軸検出電流との差分に基づく比例制御を行ってd軸電圧指令を算出するd軸比例制御部56と、q軸比例制御部55からの出力およびd軸比例制御部56からの出力を入力として線間電圧振幅を演算する線間電圧振幅演算部57と、q軸比例制御部55からの出力およびd軸比例制御部56からの出力を入力として電圧位相を演算する電圧位相演算部58と、線間電圧振幅および直流電圧Vdcを入力として変調率を演算する変調率演算部59と、モータ回転位置角と電圧位相との和および変調率を入力として各相パルス幅を演算するPWM演算部60と、各相パルス幅がセットされるPWMタイマ部61とを有している。なお、前記PWM演算部60は、変調率が所定値を越えないように制限する変調率リミッタ部60aを含んでいる。
【0095】
前記d−q座標変換部51における処理は次のとおりである。
【0096】
3相/d−q座標間の変換行列は、対称3相動作では零相分が0となるため、これを省略して、数4となる。
【0097】
【数4】
【0098】
ここで、Cは数5と記すことができる。
【0099】
【数5】
【0100】
そして、演算負荷を少なくするために、iu+iw=−ivの関係を用いて数4の変換を行うと、
id=21/2{−iu・sin(θe−π/3)−iw・sinθe}
iq=21/2{−iu・cos(θe−π/3)−iw・cosθe}
の関係を得ることができる。この結果、電流検出器、AD変換の必要数を削減することができる。
【0101】
したがって、d−q座標変換部51においては、
id=21/2{−iu・sin(θe−π/3)−iw・sinθe}
iq=21/2{−iu・cos(θe−π/3)−iw・cosθe}
の演算を行ってd軸電流(界磁電流)、q軸電流を検出することができる。
【0102】
前記位相発生部52は、電源電圧のゼロクロスに基づいてリセットされる電源位相タイマを含み、電源位相タイマの値に基づいて、電源電圧のゼロクロスを基準とする電源位相φ1(=ω1・t)(ただし、ω1は電源角周波数)を発生する。
【0103】
前記q軸電流指令演算部53は、
iq*=Iqm・sin2ω1・t
(ただし、ω1は電源角周波数、Iqmはq軸電流の振幅)
の演算を行ってq軸電流指令iq*を算出する。
【0104】
前記d軸電流指令発生部54は、
id*=−Id
(ただし、Idは一定)
により定まるd軸電流指令id*を出力する。
【0105】
このように、d軸電流指令値を一定にすることが「d軸電流を略一定に保持する」ことに該当することはもちろんであるが、実際のd軸電流値を一定にすることも「d軸電流を略一定に保持する」ことに該当する。
【0106】
前記q軸比例制御部55は、
vq*=Kpq・εq
(ただし、q軸電流偏差εq=iq*−Iq、Kpqは比例定数)
の演算を行ってq軸電圧指令を算出する。
【0107】
前記d軸比例制御部56は、
vd*=Kpd・εd
(ただし、d軸電流偏差εd=id*−Id、Kpdは比例定数)
の演算を行ってd軸電圧指令を算出する。
【0108】
したがって、PI制御を行う場合と比較して、応答性を高めることができるとともに、制御を安定化することができる。
【0109】
前記線間電圧振幅演算部57は、
Vm=(vq*2+vd*2)1/2
の演算を行って、線間電圧振幅21/2・Vmを算出する。
【0110】
前記電圧位相演算部58は、
δ=tan-1(vq*/vd*)
の演算を行って電圧位相δを算出する。
【0111】
前記変調率演算部59は、
Ks=21/2・Vm/Vdc
の演算を行って変調率Ksを算出する。
【0112】
前記Ksリミッタ部60aは、変調率Ksが1を越えた場合に、変調率Ksを1に制限する。換言すれば、電圧振幅指令値21/2・Vmが直流電圧Vdcを越えた場合に、電圧振幅指令をVdcにクランプする。
【0113】
前記PWM演算部60は、
τ4/Tc=Ks・sin(π/3−φ0)
τ6/Tc=Ks・sinφ0
τ0/Tc=1−Ks・sin(π/3+φ0)
(ただし、0≦(φ0=φ)≦π/3、0≦φ0≦60°、Tc=τ0+τ4+τ6)の演算を行って各相のパルス幅を演算する。ここで、TcはPWMのキャリア周期である。
【0114】
ここで、領域をインバータ出力電圧位相φによりI:0以上π/3未満、II:π/3以上2π/3未満、III:2π/3以上π未満、IV:π以上4π/3未満、V:4π/3以上5π/3未満、VI:5π/3以上2π未満のI〜VIに分けて、位相φ0=φ−(π/3)・(n−1)(nは領域を表す番号)の演算を行う。
【0115】
前記PWMタイマ部61は、算出されたパルス幅に対応させて表1に示すように、各相のタイマにトランジスタスイッチ状態を”1”から”0”、もしくは”0”から”1”に切り換える時間を設定する。ここで、スイッチ状態”1”は上アームトランジスタオン、下アームトランジスタオフを、スイッチ状態”0”は上アームトランジスタオフ、下アームトランジスタオンを、それぞれ示す。
【0116】
【表1】
【0117】
なお、V0、V7の定義は後述する。
【0118】
図3は制御マイコンにおける処理を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、キャリア割り込み毎に行われる。すなわち、キャリア周期Tcで処理が開始される。
【0119】
ステップSP1において、u相電流iuおよびw相電流iwを入力し、ステップSP2において、モータ回転位置角θe、u相電流iuおよびw相電流iwに基づいてd−q座標変換を行ってd軸電流idおよびq軸電流iqを算出し、ステップSP3において、d軸電流指令id*およびq軸電流指令iq*を出力し、ステップSP4において、d軸電流偏差εdおよびq軸電流偏差εqを算出し、ステップSP5において、d軸電圧指令vd*およびq軸電圧指令vq*を算出し、ステップSP6において、線間電圧振幅21/2・Vmおよび電圧位相δを算出し、ステップSP7において、直流電圧Vdcおよびモータ回転位置角θeを入力し、ステップSP8において、変調率Ksを算出し、ステップSP9において、変調率Ksが1よりも大きいか否かを判定する。
【0120】
そして、変調率Ksが1よりも大きいと判定された場合には、ステップSP10において、変調率を制限し、Ks=1に設定する。
【0121】
ステップSP9において変調率Ksが1以下であると判定された場合、またはステップSP10の処理が行われた場合には、ステップSP11において、モータ回転位置角θeと電圧位相δとを加算してインバータ出力電圧位相φを算出し、ステップSP12において、各相パルス幅を算出し、ステップSP13において、PWMタイマにおいて各相のタイマにタイマ値をセット(場合によっては各相トランジスタの初期スイッチ状態を再設定)し、そのまま元の処理に戻る。
【0122】
この結果、モータトルクを電源周波数の2倍で変動するように制御することができ、電源電流(すなわち、整流回路の入力電流)を正弦波化し、入力力率=1の制御を達成することができる。
【0123】
さらに説明する。
【0124】
整流部の平滑用コンデンサの容量を0もしくは極めて小さくした場合(当然のことながらリアクトルも接続しない)、整流回路の入力からインバータ出力までの間にエネルギー蓄積要素がなくなるため、モータ効率をηM、インバータ効率をηINVとすれば、インバータ瞬時入力PI(整流回路でのロスを無視すれば、整流回路の入力と等しい)とモータ瞬時出力PMとの間に、
P1・ηINV=PM・ηM
∵
P1=v1・i1=2/V1・I1・sin2(ω1・t)
v1=21/2・V1・sin(ω1・t)
i1=21/2・I1・sin(ω1・t)
PM=ωM・τM
ここで、V1は電源電圧実効値、I1は入力電流実効値
の関係が成り立つ。ここで、モータ効率ηM、インバータ効率ηINV(整流回路の効率も含む)はインバータの波形制御法やモータ出力に応じて変化するが、各動作点では一定である。そして、それぞれを100%と仮定するとともに、モータ回転数を一定と仮定すれば、
τM=TM・sin2θ1=(1/2)・TM・(1−cos2θ1)
ここで、θ1=ω1・t
のようにモータトルクを電源周波数の2倍で変動するように制御することができれば、P1=PMの関係からインバータに接続された整流回路の入力電流波形を正弦波とし、かつ力率=1の制御を達成することができる(図4参照)。
【0125】
なお、電源周波数の2倍周波のトルクリプルに伴う速度リプルが発生するが、イナーシャの効果によりその大きさは高速回転時には無視できる程に小さくなる。
【0126】
一例として、小型空気調和機用として用いられている圧縮機メカとモータの慣性モーメント:0.5×103kgm2について電源周波数50Hzの場合で試算してみれば、平均トルク2Nm(すなわち、トルクリプル振幅TM/2=2Nm)において速度リプルの振幅は1rpsとなる。モータ回転数を60rpsに制御した場合の速度リプルωrippleは約1.6%である(図5参照)。したがって、モータ速度を一定と仮定することができる。
【0127】
もちろん、モータ速度を落とせば速度リプル率は増加するが、空気調和機などでは10rps以下で運転する必要性がないので、それほど大きな問題とはならない。
【0128】
一方、モータとしてIPMを採用する場合、そのトルクτMはd軸電流id、q軸電流iqを用い、数6と記すことができるので、数6を基に制御すべき電流を定めることができる。
【0129】
【数6】
【0130】
ここで、nは極対数、λaは逆起電力定数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスである。
d軸電流を一定として、q軸電流のみを変動させる場合には、数7となる。
【0131】
【数7】
【0132】
この電流制御に必要なモータ端子電圧(すなわち、インバータ出力電圧)について考える。
【0133】
IPMのd−q軸電圧方程式は、数8となる。
【0134】
【数8】
【0135】
ここで、Rは巻線抵抗、ωMは回転角速度、pは微分演算子である。
【0136】
これに数7を代入すると、数9の関係を得る。
【0137】
【数9】
【0138】
そして、インバータ3から出力すべき相電圧は、数1となる。
【0139】
適当なIqm、Idにおけるd−q軸電圧Vd、Vqとこのd−q軸電圧を出力するために必要な直流電圧波形21/2・Vmの計算例を図6に示す。また、図中のVdcは整流回路を介して電源側から得られる電圧波形を示している。インバータはPWM制御により直流電圧以下の電圧を出力できる。すなわち、21/2・Vmに比べVdcが高い場合に所定のd−q軸電流を得ることができる。ここで、21/2・Vmの大きさは回転数に比例する速度起電力に応答して、高速回転になればなるほど大きくなる。
【0140】
なお、計算に用いた電気的定数は表2のとおりであり、中大型ルームエアコンの単相200Vインバータ機に使われているIPMである。
【0141】
【表2】
【0142】
そして、インバータ出力電圧の制約(Vdc>21/2・VM)を加味し、d軸電流を略一定に保持するとともに、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させ、図7中(A)にBに示す最大出力ラインを得た。図7中(A)には、大容量電解コンデンサを有する図14の従来のインバータ{Vdc=260V一定}での最大出力ラインを併記している{図7中(A)のA参照}。
【0143】
また、最大出力ラインA、B上の同じ回転数でのトルク波形を図7中(B)にそれぞれA、Bで示している。なお、図7中(B)のCはd軸電流、q軸電流を共に脈動させた場合のトルク波形を、図7中(B)のB1はBのトルク波形の平均トルクを、それぞれ示している。
【0144】
d軸電流を略一定に保持するとともに、q軸電流を電源周波数の2倍周波で脈動させるようにインバータを制御する場合のモータトルクは、電源入力波形を改善するために電源周波数の2倍周波で脈動{図7中(B)のB参照}しているが、その最大値は、直流電圧がほぼ電源電圧波高値で、一定な従来のインバータの最大トルクに概ね一致し、制御の有効性(トルクをフルに引き出すこと)が確認できる。
【0145】
なお、図7中(A)から分かるように、従来インバータに比べ高速回転時のトルクが減少しているのは、同一仕様のIPMを採用したためである。ただし、このトルクの減少はモータの巻線を少なくすることで解決することができるので、特に不都合とはならない。
【0146】
さらに説明する。
【0147】
表2の機器定数のモータを採用し、モータ回転数を80rpsに設定し、数1、数8の演算式を用いて、d軸電流およびq軸電流を共に脈動させるインバータ制御装置とd軸電流を略一定に保持させるとともに、q軸電流を脈動させるインバータ制御装置とのシミュレーション結果を図8中(A)(B)に示す。そして、数6によりトルクを算出し、モータ1回転中の平均トルクを求めた結果、前者のインバータ装置におけるモータ平均トルクは0.7Nm、後者のインバータ装置におけるモータ平均トルクは2.6Nmである。
【0148】
なお、図8中、Vdcが単相コンデンサレスインバータの直流電圧を、21/2・Vmが所望の電流制御を行うために必要とされる直流電圧を、εvが両電圧の差分を、それぞれ示している。差分εvが負の範囲では、直流電圧に比べ電流制御に必要なインバータ直流電圧が低いため、所望の電流制御ができる。
【0149】
図8中(A)と図8中(B)とを比較すると、d軸電流およびq軸電流を共に脈動させるインバータ制御装置では所望の電圧が得られない、差分εv(=21/2・Vm−Vdc)が正となる範囲が広くあるのに対して、d軸電流を略一定に保持させるとともに、q軸電流を脈動させるインバータ制御装置によれば、それが殆どなくなっていることが分かる。
【0150】
ひいては、入力波形の高力率化、高調波レス化(電源電流の正弦波化)を実現できる。
【0151】
また、出力できるトルクも、d軸電流を略一定に保持させるとともに、q軸電流を脈動させるインバータ制御装置による方が4倍程度大きい。
【0152】
また、図1のインバータ制御装置においては、比例制御を用いているため、定常偏差はあるものの、電源周波数の2倍周波でトルクを変動させる動作を行うことができる。また、モータトルクは所定の振幅で変動するが、モータ回転数が高速な場合、その速度変動は十分小さい。
【0153】
さらに説明する。
【0154】
ダイオードブリッジ整流回路2の出力電圧は電源電圧のゼロクロス近傍では極めて小さくなり、実電流を電流指令に追従させるための所望の電圧を3相インバータ3が出力できなくなる期間が必ず発生する。
【0155】
そして、検出電流と指令電流との差分(偏差)に対して比例ゲインを乗算するとともに、偏差を積分した結果に対して積分ゲインを乗算し、これら乗算結果の和に基づいて電圧指令を算出するPI制御演算を行うと、実電流が電流指令に追従しない場合には、PI制御演算部の積分部にはその期間の偏差が絶えず加算され、これに起因して制御系全体が不安定になってしまう(ワインドアップ現象)。
【0156】
しかし、PI制御演算部に代えて比例制御部を採用すれば、偏差が絶えず加算されることに起因するワインドアップ現象の発生を防止でき、制御系を安定化することができる。
【0157】
そして、比例制御では、PI制御に比べ比例ゲインを高く設定でき、電流制御の応答性をさらに高めることができ、脈動するq軸電流指令に正確に(位相遅れなく)追従させることができ、ひいては、インバータ回路に接続された整流回路の入力力率を高め、電源電流波形の正弦波化を実現することができる。
【0158】
なお、積分動作がないため、略一定に制御するd軸電流に定常偏差が発生するが、これは定常偏差を勘案し、d軸電流指令を高めに設定することで解決することができる。
【0159】
次いで、電圧制御を説明する。
【0160】
図1のインバータ制御装置において、常時電圧が変化する(すなわち、振幅や周波数が絶えず変わっている)相電圧指令を線間電圧制御が可能な諸量に変換し、これに基づきインバータを制御することが好ましく、インバータ直流電圧を100%利用してモータ端子電圧を制御することができ、この結果、従来のPWM制御に比べて広範囲なトルク−速度範囲での運転が可能となる。
【0161】
さらに説明する。
【0162】
数1の相電圧を便宜的に複素平面上に、αを数10で与えた場合に、数11により投影する。
【0163】
【数10】
【0164】
【数11】
【0165】
そして、変換して得られたvpの時間積を数12により演算する。
【0166】
【数12】
【0167】
この結果、数1で表される電圧の時間積軌跡は、電圧振幅Vm、並びに電源周波数ωが一定の場合には、複素平面上で、半径Vm/ω、接線速度Vmで回転する円軌跡を描くことが分かる(図9参照)。
【0168】
一方、3相インバータ出力の相電圧は直流電圧Vdcの中点の電位を基準に、インバータ端子電位vu’、vv’、vw’、並びにモータ中性点電位vnに対し、数11を用い、数13の関係を得る。
【0169】
【数13】
【0170】
そして、この関係から各トランジスタのオン状態によりインバータ電圧vp’として、表3の関係を得る。
【0171】
【表3】
【0172】
また、表3のとおり、3相インバータのスイッチング状態を電圧ベクトルV0〜V7として表記する。
【0173】
vpとvp’とを対比して分かるように、前者のベクトルが連続して変化するのに対して、後者は図10に示すような離散的なベクトル{長さが(2/3)1/2・Vdcの6種のベクトルと、大きさが0の2種のベクトル}となる。
【0174】
ここで、電圧ベクトルを用い数1の正弦波電圧を実現するための各電圧ベクトルの出力時間(パルス幅)を時間積軌跡により導出する。従来は各相毎の信号波と搬送波との比較によりパルス幅を算出していたのに対し、3相のトランジスタスイッチング状態を示す(すなわち、線間電圧情報を含む)電圧ベクトルを用いパルス幅を導出することで、線間電圧制御が可能なPWM制御を実現できる。
【0175】
図11は電源位相φが0〜π/3についてvpの時間積λpの微小区間を拡大して示している。そして、仮に、電圧ベクトルV4、V6、並びにV0を適宜配置している。
【0176】
図11中のP0からP1に至る時間をTcとすると、P0P1=V1・Tcの近似式が成り立つ。そして、電圧ベクトルで構成した三角形△P0qP1に着目し、正弦定理を適用すると、数14の関係が成り立つ。
【0177】
【数14】
【0178】
数14に基づき、Tc=τ0+τ4+τ6(ここで、τxは電圧ベクトルVxの出力時間)に留意して、数15の関係を得ることができる。
【0179】
【数15】
【0180】
ここで、Ks=21/2・Vm/Vdcの関係にあり、数15が負にならない条件からKsは0〜1の範囲を可変できる。
【0181】
したがって、線間電圧振幅21/2・VmをVdcまで線形に制御できる。従来の線間電圧振幅21/2・Vmを0.86×Vdcまでしか線形に制御できない場合に比べ、24%直流電圧を有効に利用できることが分かる。
【0182】
また、数15の導出過程では便宜上、電圧振幅Vm、並びに電源周波数ωを一定としたが、数15によるパルス幅演算では、
(1) 電源周波数ωの情報が不要、
(2) 図11の微小区間(微小時間Tc間)で出力すべき平均電圧を高速に制御可能(通常、Tcは主にトランジスタのオンオフ応答時間に基づいて定まり、IGBT素子では200μs以下に設定できる)、
であり、常時電圧が変化するような電流制御系に採用することが可能なPWM制御であることが分かる。
【0183】
なお、上記以外の位相角においては、3相交流波の対称性を使って、トランジスタを表4のように読み替えればよい。
【0184】
【表4】
【0185】
ここで、各領域の位相範囲は、I:0以上π/3未満、II:π/3以上2π/3未満、III:2π/3以上π未満、IV:π以上4π/3未満、V:4π/3以上5π/3未満、VI:5π/3以上2π未満であり、数15の位相φ0はφ0=φ−(π/3)・(n−1)(nは領域を示す番号)である。
【0186】
前記小容量のコンデンサ3aは、3相インバータ3のスイッチング時に発生する電流リプル成分を吸収するために設けられている。
【0187】
そして、このコンデンサ3aの容量を極小化することができれば、全体としての小型化、コストダウン、入力特性の高性能化(電源力率の向上、電源電流の正弦波化)をより高めることができる。
【0188】
図12は3相インバータをスイッチング制御(PWM)し、u相電流として波高値Imが負荷に供給されている時の直流部の電流波形を模式的に示している。
【0189】
ここで、この電流波形のキャリア周波数fc(=1/Tc)成分の電流波高値Ihは、PWMデューティーが50%(トランジスタのオン期間とオフ期間とが等しい)の時、最大値となり、概ね
Ih=Im/2
となる。
【0190】
コンデンサ3aの容量をCとすれば、直流部に発生する電圧リプルの大きさErを、
Er=Ih/(2π・fc・C)=Im/(4π・fc・C)
と求めることができる。
【0191】
具体的には、Im=20A、fc=2kHz、C=20μFの場合、リプル電圧Erは20Vになる。そして、このリプル電圧は電源周波数の2倍周波で脈動する直流電圧に重畳されるため、この値が大きくなると、
(1) 3相インバータの電流制御系が不安定になる、
(2) トランジスタ素子やコンデンサの耐圧を越え、回路を破損する、
などの不都合が発生する。
【0192】
しかし、電圧リプルの演算式から分かるように、キャリア周波数fcを高めることができれば、リプル電圧を上昇させることなくコンデンサ3aの容量を小さくすることができる。
【0193】
そこで、図13中(A)に示すインバータ出力電圧の時間積軌跡△P1qP0を、所望の電圧を得るために必要な軌跡P1→P0から外れないように、図13中(B)のように、相似形の三角形にm分割(mは正の整数)する。
【0194】
これにより、電圧ベクトルを切り替える頻度(すなわち、キャリア周波数)を、分割した三角形の数mだけ高めることができる。
【0195】
この処理は、数15により得た各パルス幅τに対して、
τ’=τ/m
の簡単な演算を行うだけで実現することができる。
【0196】
特に、mを2n(nは正の整数)に選べば、単なるシフト演算を使うことができ、PWM演算時間を殆ど増加させることなくキャリア周波数をm倍に高めることができる。
【0197】
この結果、安価なマイコンを用いる場合でもコンデンサ3aの容量を低減することができる。そして、高速なマイコンやDSPを用いれば、コンデンサ3aの容量を極小化することができる。ひいては、装置全体のさらなる小型化を実現することができる。
【0198】
以上の説明から明らかなように、上記のインバータ制御装置は、インバータ直流電圧を100%利用して、モータ出力を最大限発揮させるものである。換言すれば、特にモータに対して高速回転が要求される運転状態(モータが回転により発生する速度起電圧が高くなる状態)で効果を発揮する。
【0199】
なお、上記の実施態様において、直流電圧が概ね0になるまで、電流が制御できるようにd軸電流を制御することもできる。
【0200】
図18はこの発明のインバータ制御装置の他の実施態様を示すブロック図である。
【0201】
このインバータ制御装置は、速度指令ωm*とモータ実速度ωmとの偏差を算出する第1減算部71と、速度指令ωm*とモータ実速度ωmとの偏差を入力としてPI演算(比例・積分演算)を行って値|iq*|{脈動するq軸電流の平均値(直流分)に相当する値|iq*|}を出力するPI演算部72とを含む速度制御部70と、電源電圧v1を入力として、これに同期した信号sin2θ1を出力するsin2θ1発生部73と、信号sin2θ1と値|iq*|との積をとり、q軸電流指令iq*として出力する乗算器74と、電流位相指令β*および値|iq*|を入力として数16の演算を行ってd軸電流指令id*を出力するd軸電流演算部75と、dq軸電流指令id*、iq*とdq軸実電流id、iqとの偏差を算出する第2、第3減算部76、77と、dq軸電流指令id*、iq*とdq軸実電流id、iqとの偏差を入力としてPI演算を行って第1のdq軸電圧指令vd*’、vq*’を出力するd軸用、q軸用のPI演算部78、79と、第1のdq軸電圧指令vd*’、vq*’を入力として数3の演算を行って第2のdq軸電圧指令vd*、vq*を出力する非干渉制御部80とを有している。
【0202】
【数16】
【0203】
図19は記憶した電流位相指令β*をデータテーブルから参照するための位相指令発生部の構成の一例を示すブロック図である。
【0204】
この位相指令発生部は、d軸電流idを入力として移動平均を出力する移動平均部81と、移動平均および値|iq*|を入力として数6によりトルク演算を行ってモータトルクτmを出力するトルク演算部82と、モータ実速度ωmおよびモータトルクτmを入力として該当する電流位相指令β*を出力する電流位相指令テーブル部83とを有している。
【0205】
ここでは、d軸電流の移動平均処理を行い電流位相指令β*に伴うd軸電流指令の変化による不安定現象を回避している。
【0206】
なお、図18中の速度制御部のPI演算出力である|iq*|をインバータの3相電流振幅指令|Im*|とするとともに、|iq*|=(3/2)1/2・|Im*|・cosβ*、|id*|=−(3/2)1/2・|Im*|・sinβ*の演算を行うようにしてもよい。
【0207】
この方法によれば、PI演算出力にリミッタを設けることで電流振幅制限を容易に行うことができ、ひいては、インバータのスイッチング素子の電流容量とのマッチングを簡単に行うことができる。
【0208】
また、前記電流位相指令β*としては、各負荷条件毎に実機試験によりデータを作成しておき、これらを記憶すればよい。このときに用いる電流位相指令β*として従来のインバータのものを用いることが可能である(この場合には、従来のインバータとの間でデータを共有化することができる)が、図18のインバータ制御装置によって効率を最大にする電流位相指令β*を測定し、測定結果を用いることが好ましい。
【0209】
上記の構成のインバータ制御装置の作用は次のとおりである。
【0210】
図20は従来のインバータ(直流電圧が一定に制御されるインバータ)を用いて制御を行った場合に、永久磁石を回転子の内部に埋め込んでなるブラシレスDCモータ(以下、IPMモータと称する)が最大効率となる電流位相βを示す図である。ここで、トルクは一定、かつd−q軸電流は一定になるような制御を行い、モータ回転数を50rpsに設定している。また、IPMモータの機器定数は表5に示すとおりであった。
【0211】
【表5】
【0212】
図20から分かるように、定格トルク以下では電流位相βは約30°で余り大きな変化がなく、定格トルクよりも大きい場合にはトルクの増加に伴って40°程度まで電流位相βが増大する。
【0213】
コンデンサレスインバータにおいてはq軸電流iqが電源位相に同期して大きく脈動するが、脈動するq軸電流の平均値(直流分)に相当する値|iq*|に対して数16の演算を行って略一定のd軸電流指令id*を得ることができ、しかもほぼ最大効率近傍でIPMモータを駆動できることが本件発明者による実機試験の結果分かった。なお、βは電気角であり、電圧との位相関係を図21に示すように設定している。
【0214】
そして、図18に示す構成のインバータ制御装置を用いれば、d軸電流演算部75において数16の演算を行って略一定のd軸電流指令id*を得ることができる。このようにして得られたd軸電流指令id*、q軸電流指令iq*、d−q軸電流id、iqに基づいてPI演算、非干渉制御などを行ってd軸、q軸電圧指令vd*、vq*を出力することができ、ほぼ最大効率近傍でIPMモータを駆動することができる。
尚、効率が許容範囲内であれば、最大効率が得られる電流位相βに所定値△βを加算もしくは減算した値を電流位相指令β*として採用することができる。
さらに、インバータ素子容量の観点からモータに供給する電流を極小にする目的でモータの力率が略1となるような電流位相を指令値として採用することもできる。
【0215】
図22はこの発明のインバータ制御装置のさらに他の実施態様の要部を示すブロック図である。
【0216】
このインバータ制御装置が図18のインバータ制御装置と異なる点は、入力電圧v1および直流電圧vdcを入力としてd軸電流指令補正値を算出するd軸電流指令補正値演算部75aと、d軸電流演算部75から出力されるd軸電流指令値Id*にd軸電流指令補正値を加算して補正後のd軸電流指令id*を出力し、第2減算部76に供給する加算部75bをさらに設けた点のみである。
【0217】
上記の構成のインバータ制御装置の作用は次のとおりである。
【0218】
図23は負荷に応じてd軸電流idが変化した場合の直流電圧vdcの波形を示す図である。なお、図23中(a)がd軸電流が大きい場合を、(b)がd軸電流が小さい場合を、それぞれ示している。
【0219】
図23から分かるように、q軸電流iqが負荷とともに小さくなり、その結果、d軸電流idが小さくなるとvmin(直流電圧vdcの最小値)が上昇し、ひいては電源電流i1の通流幅θが狭まる。また、電源力率は、論文1に示されるように、cosΦ={(θ+sinθ)/π}1/2により算出できる。したがって、通流幅θの縮小に伴って電源力率が低下する。
【0220】
しかし、図22のインバータ制御装置を採用した場合には、d軸電流指令補正値演算部75aと加算部75bとによってd軸電流指令を増加させるべく補正処理を行うので、直流電圧vdcの最小値vminを下降させることができる。
【0221】
この結果、d軸電流を略一定に保持する制御を行う場合であっても、通流幅θを拡大することができ、ひいては電源力率の低下を防止することができる。
【0222】
図24は図22のインバータ制御装置を具体化して示すブロック図である。
【0223】
このインバータ制御装置においては、入力電圧v1を入力として絶対値|v1|を演算する絶対値演算部75a1と、演算された絶対値|v1|から直流電圧vdcを減算して偏差を算出する減算部75a2と、偏差に比例ゲインKを乗算してd軸電流指令補正値を出力する比例ゲイン部75a3とでd軸電流指令補正値演算部75aを構成している。
【0224】
この構成のインバータ制御装置を採用した場合には、入力電圧v1の絶対値|v1|と直流電圧vdcとの偏差を算出し、この偏差に比例ゲインKを乗算してd軸電流指令補正値を得、d軸電流指令補正値を加算することにより、与えられたd軸電流指令を補正することができる。
【0225】
図25は図24のインバータ制御装置の作用を説明する波形図である。なお、図25中(a)が直流電圧vdcおよび電源電流i1を、(b)がd軸電流を、それぞれ示している。
【0226】
d軸電流を電流位相指令β*のみに基づいて決定した場合には、直流電圧vdcの最小値vmin’が大きく、電源電流i1の通流幅が小さいのであるが、この実施態様では、入力電圧v1の絶対値|v1|と直流電圧vdcとの偏差に基づいてd軸電流指令を補正することにより、直流電圧vdcの最小値vminを小さくし、電源電流i1の通流幅を拡大して高力率化を達成することができる。
【0227】
図26はこの発明のインバータ制御方法が適用されるIPMモータ制御システムの構成を示す図である。
【0228】
このIPMモータ制御システムは、交流電源91の端子間にダイオード全波整流回路92を接続し、ダイオード全波整流回路92の出力端子間に、小容量のフィルムコンデンサ(従来の大容量電解コンデンサの容量の1/100程度の容量のフィルムコンデンサ)93を接続するとともに、3相インバータ94を接続し、3相インバータ94の出力をIPMモータ95の固定子巻線95aに供給している。
【0229】
そして、IPMモータ95の回転子95bの回転位置(磁極位置)を検出する従来公知の位置検出器96と、ダイオード全波整流回路92の入力電圧を検出する入力電圧検出部97と、ダイオード全波整流回路92の出力電圧(直流電圧)を検出する直流電圧検出部98と、入力電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部99と、モータ電流を検出するモータ電流検出部100と、検出されたモータ電流、回転位置、ゼロクロス、入力電圧、直流電圧、および略一定値に保持されるd軸電流指令Id*、速度指令ω*もしくはq軸電流振幅指令Iqm*を入力として所定の処理を行い、スイッチング指令を出力する制御マイコン101と、スイッチング指令を入力として3相インバータ94の各スイッチングトランジスタに供給すべきスイッチング信号を出力するベース駆動回路102とを有している。
【0230】
図27は電源位相同期処理を説明するフローチャートであり、電源電圧の立ち上がり(入力電圧のゼロクロス検出信号の立ち上がり)に応答して処理が開始し、ステップSP1において、位相θ1(j)を0にセットし、そのまま元の処理に戻る。
【0231】
なお、ここで、および以下において、添え字(j)はサンプル点を識別するものである。
【0232】
図28は電源位相発生処理を説明するフローチャートであり、所定の割込周期Tsで起動され、ステップSP1において、前回の位相角θ1(k−1)を入力し、ステップSP2において、前回の位相角θ1(k−1)に所定の定数Δθを加算して現在の位相角θ1(k)を算出し、そのまま元の処理に戻る。
【0233】
なお、前記定数Δθは、例えば、次のように設定する。
【0234】
電源周波数f1=50Hzの場合、sin演算処理上、θ1=3600を電源位相360°とし、割込周期Tsを200μsとすれば、Δθ(=θ・f1・Ts)は36となる。
【0235】
図29は電流制御処理を説明するフローチャートであり、所定の割込周期Ts毎に行われる。
【0236】
ステップSP1において、回転位置信号θm(n)、回転速度ωm(n)、直流電圧vdc(n)、モータ電流iu(n)、iv(n)、iw(n)を入力し(なお、nは処理毎にインクリメントされる整数である)、ステップSP2において、3相→dq座標変換演算処理を行ってdq軸電流id(n)、iq(n)を算出し、ステップSP3において、dq軸指令電流演算処理を行い、ステップSP4において、dq軸電流指令Id(n)*、iq(n)*を入力し、ステップSP5において、εd(n)=id(n)*−id(n)、εq(n)=iq(n)*−iq(n)の演算を行ってdq軸電流偏差εd(n)、εq(n)を算出し、ステップSP6において、vd’(n)=Kpd・εd(n)+Kid・Σεd(n)、vq’(n)=Kpq・εq(n)+Kiq・Σεq(n)の演算を行ってdq軸電圧をPI演算し、ステップSP7において、非干渉制御演算[vd(n)=vd’(n)−Lq・iq(n)・n・ωm、およびvq(n)=vq’(n)+{λa+Ld・id(n)}・n・ωm]を行ってdq軸電圧指令vd(n)、vq(n)を算出し、ステップSP8において、dq→3相座標変換演算処理を行って各相電圧指令vu(n)*、vv(n)*、vw(n)*を算出し、ステップSP9において、数17の演算を行って各相パルス幅τu(n+1)、τv(n+1)、τw(n+1)を算出し、PWMタイマに記憶し、そのまま元の処理に戻る。
【0237】
【数17】
次いで、図29のステップSP3の処理を説明する。
【0238】
図30は図29のステップSP3の従来の処理を説明するフローチャートである。
【0239】
ステップSP1において、電源位相θ1(n)、およびq軸電流平均値指令|iq(n)*|を入力し、ステップSP2において、iq(n)*=|iq(n)*|・sin2θ1(n)の演算を行ってq軸電流指令iq(n)*を算出し、ステップSP3において、id(n)*=−λa/Ld+(1/Ld)[{vdc/n/ωm(n)}2−{Lq・iq(n)}2]1/2の演算を行ってd軸電流指令id(n)*を算出し、そのまま元の処理に戻る。
【0240】
したがって、演算が複雑である。
【0241】
図31はこの発明による図29のステップSP3の処理の一例を説明するフローチャートである。
【0242】
ステップSP1において、電源位相θ1(n)、電流位相指令β*、およびq軸電流平均値指令|iq(n)*|を入力し、ステップSP2において、iq(n)*=|iq(n)*|・sin2θ1(n)の演算を行ってq軸電流指令iq(n)*を算出し、ステップSP3において、id(n)*=−|iq(n)*|・tanβ*の演算を行ってd軸電流指令id(n)*を算出し、そのまま元の処理に戻る。
【0243】
したがって、演算を簡単化することができるとともに、モータ効率が最大値となるような電流位相指令β*を用いているため、モータ効率を極大化することができる。
【0244】
図32はこの発明による図29のステップSP3の処理の他の例を説明するフローチャートである。
【0245】
ステップSP1において、電源位相θ1(n)、電源電圧v1(n)、電流位相指令β*、およびq軸電流平均値指令|iq(n)*|を入力し、ステップSP2において、iq(n)*=|iq(n)*|・sin2θ1(n)の演算を行ってq軸電流指令iq(n)*を算出し、ステップSP3において、id(n)*=−|iq(n)*|・tanβ*−Kpv・{vdc(n)−v1(n)}の演算を行ってd軸電流指令id(n)*を算出し、そのまま元の処理に戻る。
【0246】
したがって、負荷と共にq軸電流が小さくなり、それに応答して一定に設定されるd軸電流指令の大きさが小さくなった場合にも、直流電圧と入力電圧(電源電圧)との偏差に応答して、d軸電流の大きさを増大すべく補正が働き、モータ端子電圧を下げることができる。さらに、d軸電流を制御する系を採用しているため、モータのインダクタンスの影響により電流に対する制御遅れが絶えず生じる電圧制御系(電流の検出を行わない制御系)を採用する場合に比べて、端子電圧を安定かつ、高速に制御することができる。そして、ひいては、入力電流の通電幅θを拡大でき、入力力率(電源力率)を向上できる。
【0247】
【発明の効果】
請求項1の発明は、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、鉄損の増加を防止し、しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができるという特有の効果を奏する。
【0248】
請求項2の発明は、電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができ、しかも直流電圧の利用率を著しく高めることができるという特有の効果を奏する。
【0250】
請求項3及び請求項4の発明は、請求項1または請求項2の効果に加え、データ処理の演算処理時間を殆ど増加させることなくキャリア周波数を高め、コンデンサ容量を小さくできることができるという特有の効果を奏する。
【0251】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4の何れかの効果に加え、応答性を高めることができるとともに、制御を安定化することができるという特有の効果を奏する。
【0252】
請求項6の発明は、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、高速回転時において、鉄損の増加を防止し、しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができるという特有の効果を奏する。
【0253】
請求項7の発明は、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、鉄損の増加を防止し、しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができるという特有の効果を奏する。
【0254】
請求項8の発明は、電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができ、しかも直流電圧の利用率を著しく高めることができるという特有の効果を奏する。
【0256】
請求項9及び請求項10の発明は、請求項7または請求項8の効果に加え、データ処理の演算処理時間を殆ど増加させることなくキャリア周波数を高め、コンデンサ容量を小さくできることができるという特有の効果を奏する。
【0257】
請求項11の発明は、請求項7から請求項10の何れかの効果に加え、応答性を高めることができるとともに、制御を安定化することができるという特有の効果を奏する。
【0258】
請求項12の発明は、構成を簡単化するとともに、制御を簡単化し、高速回転時において、鉄損の増加を防止し、しかも電源力率を向上させることができるとともに、電源高調波を低減することができるという特有の効果を奏する。
【0259】
請求項13の発明は、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができるという特有の効果を奏する。
【0260】
請求項14の発明は、d軸電流を略一定に保持する場合であっても、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0261】
請求項15の発明は、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができ、しかも、d軸電流を略一定に保持する場合であっても、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができ、もしくは通電幅を確実に拡大して高力率化を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0262】
請求項16の発明は、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができるという特有の効果を奏する。
【0263】
請求項17の発明は、d軸電流を略一定に保持する場合であっても、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0264】
請求項18の発明は、入力力率を向上するとともに、簡単な制御演算で、しかも、モータ電流の増加を防止し、モータ回転数に拘わらず効率を最大化することができ、しかも、d軸電流を略一定に保持する場合であっても、負荷の変化に伴う力率の低下を防止することができ、もしくは通電幅を確実に拡大して高力率化を達成することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインバータ制御方法が適用されたモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】制御マイコンの内部構成を示すブロック図である。
【図3】制御マイコンにおける処理を説明するフローチャートである。
【図4】コンデンサレスインバータによる入力波形の改善を説明する原理図である。
【図5】速度リプルを説明する図である。
【図6】インバータ端子電圧と直流部の電圧波形の一例を示す図である。
【図7】最大出力時のシミュレーション結果を示す図である。
【図8】電流制御に必要な直流電圧のシミュレーション結果を示す図である。
【図9】複素平面上における円軌跡を説明する図である。
【図10】インバータ電圧ベクトルを説明する図である。
【図11】電圧時間積に着目してパルス幅を設定する処理を説明する概略図である。
【図12】3相インバータをスイッチング制御し、u相電流として波高値Imが負荷に供給されている時の直流部の電流波形を模式的に示す図である。
【図13】キャリアの高周波化を説明する図である。
【図14】整流後の電圧リプルを除去するために大容量の平滑用コンデンサを有するインバータ制御装置の構成を示す電気回路図である。
【図15】平滑用コンデンサおよびチョッパ回路を有するインバータ制御装置の構成を示す電気回路図である。
【図16】ダイオード整流回路の出力端子間に小容量フィルムコンデンサを接続するとともに、3相分のインバータ主回路を接続してなるインバータを示す電気回路図である。
【図17】図16に示すインバータを制御し、所望の性能を得るために論文4に示された制御方法を実施するためのインバータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図18】この発明のインバータ制御装置の他の実施態様を示すブロック図である。
【図19】記憶した電流位相指令β*をデータテーブルから参照するための位相指令発生部の構成の一例を示すブロック図である。
【図20】従来のインバータを用いて制御を行った場合に、IPMモータが最大効率となる電流位相βを示す図である。
【図21】フェーザ図である。
【図22】この発明のインバータ制御装置のさらに他の実施態様の要部を示すブロック図である。
【図23】負荷に応じてd軸電流idが変化した場合の直流電圧vdcの波形を示す図である。
【図24】図22のインバータ制御装置を具体化して示すブロック図である。
【図25】図24のインバータ制御装置の作用を説明する波形図である。
【図26】この発明のインバータ制御方法が適用されるIPMモータ制御システムの構成を示す図である。
【図27】電源位相同期処理を説明するフローチャートである。
【図28】電源位相発生処理を説明するフローチャートである。
【図29】電流制御処理を説明するフローチャートである。
【図30】図29のステップSP3の従来の処理を説明するフローチャートである。
【図31】この発明による図29のステップSP3の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図32】この発明による図29のステップSP3の処理の他の例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 交流電源 2 ダイオードブリッジ整流回路
3 インバータ 4 モータ
53 q軸電流指令演算部 54 d軸電流指令発生部
55 q軸比例制御部 56 d軸比例制御部
75 d軸電流演算部 75a d軸電流指令補正値演算部
75a1 絶対値演算部 75a2 減算部
75a3 比例ゲイン部 75b 加算[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method and an apparatus for improving the efficiency of an input waveform of a rectifier circuit connected to a power source and reducing harmonics in a system including a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter.
[0002]
[Prior art]
As is conventionally known, an inverter circuit is a circuit that converts a DC power source into variable frequency, variable voltage AC power with high efficiency by switching control of a transistor.
[0003]
The inverter circuit is widely applied to, for example, home appliances and industrial equipment that need to control the rotation speed and torque of a motor.
[0004]
In general, a diode bridge circuit having a simple circuit configuration is used to convert an AC power source into a DC power source, and a large-capacity smoothing capacitor is used to remove voltage ripple after rectification.
[0005]
In this case, inconveniences such as power factor reduction and higher harmonics occur on the power source side. Therefore, in order to prevent or suppress such inconvenience, the input side of the diode bridge circuit or the DC A power factor improving reactor having a large inductance is connected to the side (see FIG. 14).
[0006]
Recently, it has been proposed to provide a chopper composed of a switching transistor and a diode on the DC side of the diode bridge circuit for the purpose of improving the performance with respect to the power factor and power harmonic (see FIG. 15). .
[0007]
When such an inverter circuit is adopted, a large-capacity smoothing capacitor and a power factor improving reactor are required, and the size increases with the adoption of these, and the cost increases. There is.
[0008]
In addition, a chopper circuit is required to achieve high performance of the power supply harmonic characteristics, and there is a disadvantage that the cost is further increased.
[0009]
Furthermore, since electrolytic capacitors are generally used as large-capacity smoothing capacitors, the life of the inverter circuit including the diode bridge circuit is shortened due to the short life of the electrolytic capacitor, and the temperature of the electrolytic capacitor is reduced. There is an inconvenience that the use environment of the inverter circuit including the diode bridge circuit is restricted due to the characteristics.
[0010]
In order to eliminate such inconvenience, the large-capacity smoothing capacitor of the rectifier is omitted, the d-axis current is changed at twice the power supply frequency, and the motor terminal voltage is lowered by field weakening control. Even when the DC voltage pulsates and drops significantly, the motor current can be made to flow, and the current conduction width of the inverter input (rectifier circuit input) is widened to increase the input power factor and improve the power supply harmonic characteristics. Inverter control method to achieve high performance ("Inverter control method of PM motor with diode rectifier circuit with high input power factor", Isao Takahashi, 2000 Annual Conference of the Institute of Electrical Engineers of Japan, p1591; Have been proposed).
[0011]
As a more specific method, the d-axis current is made sinusoidal, and the PI control based on the deviation between the q-axis current command and the q-axis current feedback amount is performed to obtain the q-axis voltage command (“PM motor” Of high-speed field-weakening of single-phase diode rectifier circuit by Hitoshi Haga, Isao Takahashi, 2000 Annual Meeting of the Institute of Electrical Engineers of Japan, p1125, hereinafter abbreviated as paper 2), and The d-axis current command value is obtained from the expression of the field weakening condition, the PI control based on the deviation from the d-axis current feedback amount is performed to obtain the d-axis voltage command, and the PI control based on the rotational speed deviation (speed deviation) is performed. The q-axis current command value is obtained by multiplying the absolute value of the current command oscillating at twice the power frequency in accordance with the ripple on the input side, and PI control based on the deviation from the q-axis current feedback amount is performed. line To obtain the q-axis voltage command (“High power factor of diode rectifier circuit using high-speed field weakening of PM motor”, Hitoshi Haga, Isao Takahashi, 2000 IEEJ Semiconductor Power Conversion Study Group SPC-00- 64, hereinafter referred to as Paper 3).
[0012]
Furthermore, “High-efficiency inverter control method using field weakening of IPM motor”, Hitoshi Haga, Isao Takahashi, 2001 Annual Conference of the Institute of Electrical Engineers of Japan, p. 1214 (hereinafter abbreviated as Paper 4) has also been proposed.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
When the methods described in the
[0014]
When the method of
[0015]
Further, in the
[0016]
Furthermore, in order to control the desired dq-axis current, the desired dq-axis voltage command is calculated from the actual current and the command current, and the three-phase voltage A method of performing PWM by converting into a command and comparing a carrier wave such as a triangular wave with a three-phase voltage command as a signal wave is generally employed.
[0017]
[Expression 1]
[0018]
However, in this method, although the three-phase inverter can output the line voltage up to the maximum Vdc, the amplitude of the line voltage of the three-phase inverter is 0.86 × V in principle.dc(Refer to “Semiconductor Power Conversion Method Research Committee: Semiconductor Power Conversion Circuit”, The Institute of Electrical Engineers of Japan, 1989, p125).
[0019]
In the configuration in which the output voltage of the single-phase rectifier circuit is supplied to the three-phase inverter without providing a smoothing large-capacity capacitor, the DC voltage is greatly pulsated, so a method using 100% DC voltage is adopted. Is desired.
[0020]
As a method for realizing this, there is known a method of superimposing 3n-order harmonics (where n is a positive integer) on each phase voltage command, but the voltage is constantly changed by instantaneous current feedback (ie, In such a control system where the amplitude and frequency are constantly changing), it is difficult to determine the 3n-order harmonics, so the above-mentioned demand cannot be easily realized, and the voltage utilization rate is sufficiently increased. Can not be increased.
[0021]
In addition, when controlling the inverter with a microcomputer, if the carrier frequency is increased, it is necessary to perform processing such as voltage command calculation processing and PWM calculation in a shorter time. A DSP must be employed, and it is difficult to employ these microcomputers and DSPs for home appliances that place importance on cost. Even if a microcomputer and DSP capable of high-speed processing are employed, the time required for current control calculation and PWM calculation exceeds 50 μs, so the carrier frequency can only be less than 20 kHz.
[0022]
Further, conventionally, a voltage command is calculated by performing PI control calculation based on the current deviation.
[0023]
Therefore, when the capacity of the smoothing capacitor in the rectifying unit is 0 or extremely small, the output voltage (DC voltage) of the rectifying circuit becomes extremely small near the zero cross of the power supply voltage, and the actual current follows the current command. There is always a period during which the desired voltage cannot be output from the three-phase inverter.
[0024]
When the actual current does not follow the current command, the deviation of the period is constantly added to the integration unit of the PI control calculation unit, and the entire control system becomes unstable (windup phenomenon occurs). .
[0025]
In addition, as shown in FIG. 16, a small-capacity film capacitor (for example, a capacitor having a capacity of about 1/100 that of a capacitor used in a conventional inverter) is connected between the output terminals of the diode rectifier circuit, and for three phases. An inverter control apparatus for controlling an inverter (hereinafter abbreviated as a capacitorless inverter) connected to an inverter main circuit and implementing the control method shown in the
[0026]
This inverter control device has a speed command ωm* And actual motor speed ωmThe value of the PI deviation (proportional / integral calculation) and the value | iq*
[0027]
And DC voltage VdcQ-axis current iq, Motor actual speed ωmIs used as an input and the calculation of
[0028]
[Expression 2]
[0029]
[Equation 3]
[0030]
In the inverter control device configured as described above, the d-axis current command id* Is calculated by
[0031]
(1) d-axis current command id* Is determined by restrictions on terminal voltage, so motor efficiency is not appropriate.
[0032]
For example, when the speed electromotive force at which the magnet magnetic flux is generated decreases as the motor speed decreases, the d-axis current command is calculated to compensate for this and increase the motor terminal voltage. That is, the d-axis current increases toward a positive value. When the d-axis current command reaches a positive value, the reluctance torque acts in the opposite direction (brake) to the magnet torque. As a result, the motor torque-current ratio is reduced, and the motor efficiency is deteriorated.
[0033]
(2) Since the control equation is complicated and the q-axis inductance that changes with an increase in current (increase in output) due to magnetic saturation is used in the calculation, a predetermined d-axis current command is accurately calculated. Q-axis inductance L with respect to the current in advanceqIt is necessary to measure changes in the data and have it as a data table.
[0034]
OBJECT OF THE INVENTION
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems. By reducing the capacity of the smoothing capacitor of the rectifying unit to 0 or extremely small, the reliability of the device can be improved, the size can be reduced, and the cost can be reduced. The increase in generated iron loss can be prevented, the control can be stabilized, and the power factor on the power supply side can be improved and the harmonics of the power supply can be reduced. An object of the present invention is to provide an inverter control method and apparatus that can be eliminated.
[0035]
[Means for Solving the Problems]
The inverter control method according to
[0036]
The inverter control method according to
[0038]
[0039]
The inverter control method according to
[0040]
The inverter control method according to
[0041]
The inverter control device according to
[0042]
The inverter control device according to
[0044]
[0045]
The inverter control device according to claim 11 calculates, as the d-axis current holding unit and the q-axis current pulsating unit, a dq-axis voltage command by multiplying a deviation between the d-axis current and the q-axis current by a proportional gain. The one that performs PWM control of the three-phase inverter based on the dq-axis voltage command is adopted.
[0046]
The inverter control device according to claim 12 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and is arranged between output terminals of the single-phase rectifier circuit so that the output voltage of the single-phase rectifier circuit pulsates greatly at twice the power supply frequency. Is a device that controls the three-phase inverter to supply the output voltage or output current of the three-phase inverter to the motor and sets the d-axis current substantially constant during high-speed rotation of the motor. It includes d-q axis current control means for holding and controlling the three-phase inverter to pulsate the q-axis current at twice the power supply frequency.
[0047]
The inverter control method according to claim 13 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, the output voltage of the single-phase rectifier circuit pulsates greatly at twice the power supply frequency, and the output voltage or output current of the three-phase inverter is increased. In controlling the three-phase inverter to supply to the motor,
This is a method of calculating a d-axis current command for keeping the d-axis current substantially constant in response to a predetermined current phase.
[0048]
The inverter control method according to claim 14 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, wherein the output voltage of the single-phase rectifier circuit pulsates greatly at twice the power supply frequency, and the output voltage or output current of the three-phase inverter is increased. In controlling the three-phase inverter to supply to the motor,
This is a method of correcting a d-axis current command for keeping the d-axis current substantially constant in response to the power supply voltage and the DC voltage.
[0049]
The inverter control method according to claim 15 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, wherein the output voltage of the single-phase rectifier circuit is greatly pulsated at twice the power supply frequency, and the output voltage or output current of the three-phase inverter is increased. In controlling the three-phase inverter to supply to the motor,
In response to a predetermined current phase, processing for calculating a d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant, and in response to the power supply voltage and the DC voltage, the d-axis current is maintained substantially constant. This is a method of performing a process of correcting the d-axis current command for the purpose.
[0050]
The inverter control device according to claim 16 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and pulsates the output voltage of the single-phase rectifier circuit at a frequency that is twice the power supply frequency, thereby generating the output voltage or output current of the three-phase inverter. It controls the three-phase inverter to supply to the motor,
In response to a predetermined current phase, a calculation means for calculating a d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant is included.
[0051]
The inverter control device according to claim 17 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and pulsates the output voltage of the single-phase rectifier circuit at twice the power supply frequency to obtain the output voltage or output current of the three-phase inverter. It controls the three-phase inverter to supply to the motor,
It includes correction means for correcting a d-axis current command for keeping the d-axis current substantially constant in response to the power supply voltage and the DC voltage.
[0052]
The inverter control device according to claim 18 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, wherein the output voltage of the single-phase rectifier circuit pulsates greatly at twice the power supply frequency, and the output voltage or output current of the three-phase inverter is increased. It controls the three-phase inverter to supply to the motor,
A computing means for computing a d-axis current command for keeping the d-axis current substantially constant in response to a predetermined current phase, and a d-axis current being kept substantially constant in response to the power supply voltage and the DC voltage. It includes a correcting means for correcting the d-axis current command for the purpose.
[0053]
[Action]
The inverter control method according to
[0054]
Further explanation will be given.
[0055]
As described above, an inverter system in which the capacitance of the capacitor is set so that the output voltage of the rectifier circuit pulsates greatly at twice the power supply frequency is referred to as a capacitorless inverter.
[0056]
In a capacitorless inverter, the d-axis current is made substantially constant in order to cause the motor torque to pulsate at twice the power supply frequency in order to increase the power factor of the input waveform and reduce the harmonics (sine wave of the power supply current). In addition, by pulsing the q-axis current at twice the power supply frequency, it was found that the voltage required for the inverter DC side voltage substantially matches the DC voltage of the capacitorless inverter, and the present invention was completed. .
[0057]
In this case, since the magnetic flux in the field direction is not pulsated, it is possible to prevent an increase in iron loss accompanying the pulsation control of the field.
[0058]
Further, the inverter DC voltage for obtaining a desired current is 0 to 2 at the power supply frequency.1/2Since it substantially matches the DC voltage of the capacitorless inverter that pulsates with V1 (V1 is the effective value of the power supply voltage), current control using the DC voltage of the 100% inverter can be performed, and the motor output can be maximized. it can.
[0059]
The inverter control method according to
[0060]
Further explanation will be given.
[0061]
In a capacitorless inverter, a phase voltage command whose voltage is constantly changing is converted into various quantities capable of line voltage control, and a three-phase inverter is controlled based on this, thereby using a 100% inverter DC voltage and a motor. The terminal voltage can be controlled, and as a result, it has been found that operation in a wider torque-speed range is possible compared to conventional PWM control, and the present invention has been completed.
[0063]
[0064]
Further explanation will be given.
[0065]
The capacitor connected between the output terminals of the single-phase rectifier circuit is for absorbing a current ripple component generated at the time of switching of the three-phase inverter, and the magnitude of the voltage ripple of the capacitor generated by this ripple current becomes the carrier frequency. The present invention was completed by finding that it is inversely proportional and inversely proportional to the capacitor capacity.
[0066]
By increasing the carrier frequency, the capacitance of the capacitor can be reduced. As a result, downsizing, cost reduction, and high performance of input characteristics can be achieved.
[0067]
According to the inverter control method of
[0068]
Further explanation will be given.
[0069]
If a proportional control calculation is adopted instead of the PI control calculation, the integration unit does not exist, so that instability due to the addition of a deviation can be prevented, and the proportional gain can be increased compared to the PI control calculation. The present invention has been completed by finding that it can be set high and the current control response can be improved.
[0070]
The inverter control method according to
[0071]
The inverter control device according to
[0072]
Therefore, it is possible to simplify the configuration, simplify the control, prevent an increase in iron loss, improve the power source power factor, and reduce the power source harmonics.
[0073]
The inverter control device according to
[0074]
Therefore, the power factor can be improved, the power harmonics can be reduced, and the utilization factor of the DC voltage can be remarkably increased.
[0076]
[0077]
In the inverter control device according to claim 11, as the d-axis current holding means and the q-axis current pulsating means, a dq-axis voltage command is calculated by multiplying a deviation between the d-axis current and the q-axis current by a proportional gain. In addition to the action of any one of
[0078]
The inverter control device according to claim 12 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and outputs the single-phase rectifier circuit so that the output voltage of the single-phase rectifier circuit greatly pulsates at twice the power supply frequency. In setting the capacity of the capacitor connected between the terminals and controlling the three-phase inverter so as to supply the output voltage or output current of the three-phase inverter to the motor, the dq axis current control means allows the motor to rotate at high speed. The three-phase inverter can be controlled so that the d-axis current is kept substantially constant and the q-axis current is pulsated at twice the power supply frequency.
[0079]
Therefore, the configuration is simplified, the control is simplified, and even during high-speed rotation where the speed electromotive force of the motor is high, current can be flowed into the motor in a wide range, and the output can be maximized. In addition, the power source power factor can be improved, and power harmonics can be reduced.
[0080]
The inverter control method according to claim 13 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and causes the output voltage of the single-phase rectifier circuit to pulsate greatly at twice the power supply frequency, so that the output voltage or output of the three-phase inverter In controlling the three-phase inverter to supply current to the motor, the d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant is calculated in response to a predetermined current phase. In addition to the improvement, it is possible to maximize the efficiency regardless of the motor rotational speed by preventing the motor current from increasing with a simple control calculation.
[0081]
15. The inverter control method according to claim 14, comprising a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, wherein the output voltage of the single-phase rectifier circuit is greatly pulsated at twice the power supply frequency, and the output voltage or output of the three-phase inverter. In controlling the three-phase inverter to supply current to the motor, the d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant is corrected in response to the power supply voltage and the DC voltage. It is possible to prevent the power factor from being lowered due to the change.
[0082]
The inverter control method according to claim 15 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and causes the output voltage of the single-phase rectifier circuit to pulsate greatly at twice the power supply frequency, so that the output voltage or output of the three-phase inverter In controlling the three-phase inverter to supply current to the motor, a process for calculating a d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant in response to a current phase that maximizes motor efficiency, and a power source In response to the voltage and the DC voltage, a process for correcting the d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant, or a correction of the d-axis current command based on the deviation between the power supply voltage and the DC voltage is performed. Since the process is performed, the input power factor can be improved, a simple control calculation can be performed, the increase in the motor current can be prevented, and the efficiency can be maximized regardless of the motor rotational speed, and d Even if holding current substantially constant, it is possible to it is possible to prevent a reduction in power factor due to the change in the load, or to ensure a larger conducting width to achieve a high power factor of.
[0083]
The inverter control device according to claim 16 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and causes the output voltage of the single-phase rectifier circuit to pulsate greatly at twice the power supply frequency, so that the output voltage or output of the three-phase inverter In controlling the three-phase inverter to supply current to the motor, the calculation means calculates a d-axis current command for keeping the d-axis current substantially constant in response to the current phase that maximizes the motor efficiency. be able to.
[0084]
Therefore, it is possible to improve the input power factor, to prevent an increase in the motor current with a simple control calculation, and to maximize the efficiency regardless of the motor rotation speed.
[0085]
The inverter control device according to claim 17 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and causes the output voltage of the single-phase rectifier circuit to pulsate at a frequency twice the power supply frequency to output or output the three-phase inverter. In controlling the three-phase inverter to supply current to the motor, the correction means corrects the d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant in response to the power supply voltage and the DC voltage. it can.
[0086]
Therefore, it is possible to prevent the power factor from being lowered due to the load change.
[0087]
The inverter control device according to claim 18 includes a single-phase rectifier circuit and a three-phase inverter, and causes the output voltage of the single-phase rectifier circuit to pulsate greatly at twice the power supply frequency, so that the output voltage or output of the three-phase inverter In controlling the three-phase inverter to supply current to the motor, the calculation means calculates a d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant in response to the current phase that maximizes the motor efficiency. In response to the power supply voltage and the DC voltage by the first correction means, the d-axis current command for maintaining the d-axis current substantially constant is corrected, or the power supply voltage and the DC voltage are corrected by the second correction means. The d-axis current command can be corrected based on the deviation.
[0088]
Therefore, it is possible to improve the input power factor, to prevent the motor current from increasing with a simple control calculation, to maximize the efficiency regardless of the motor rotation speed, and to increase the power factor accompanying the load change. Can be prevented, or the energization width can be reliably increased to achieve a high power factor.
[0089]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of an inverter control method and apparatus according to the present invention will be described below in detail with reference to the accompanying drawings.
[0090]
FIG. 1 is a block diagram showing the configuration of a motor control device to which the inverter control method of the present invention is applied.
[0091]
This motor control device includes a diode
[0092]
Hereinafter, an inverter control device that does not include a large-capacity smoothing capacitor is referred to as a capacitorless inverter.
[0093]
FIG. 2 is a block diagram showing the internal configuration of the control microcomputer.
[0094]
This control microcomputer 5 has a u-phase current iu, W-phase current iwIs input, and the motor rotation position angle θeA dq coordinate conversion unit 51 that performs dq coordinate conversion based on the output and outputs a d-axis detection current and a q-axis detection current, a phase generation unit 52 that generates a phase with a zero cross of the power supply voltage as an input, and a generation A q-axis current command calculation unit 53 that generates a q-axis current command by using the input phase, a d-axis current command generation unit 54, and proportional control based on the difference between the q-axis current command and the q-axis detection current a q-axis proportional control unit 55 that calculates a q-axis voltage command, a d-axis proportional control unit 56 that calculates a d-axis voltage command by performing proportional control based on the difference between the d-axis current command and the d-axis detected current, q A line voltage amplitude calculation unit 57 that calculates the line voltage amplitude using the output from the axis proportional control unit 55 and the output from the d axis proportional control unit 56 as inputs, and the output from the q axis proportional control unit 55 and the d axis proportional Using the output from the controller 56 as input, the voltage phase is And voltage phase calculation section 58 to calculate line voltage amplitude and the DC voltage VdcThe modulation rate calculation unit 59 for calculating the modulation rate with the input as input, the PWM calculation unit 60 for calculating the pulse width of each phase with the input of the sum of the motor rotation position angle and the voltage phase and the modulation rate, and the pulse width of each phase are set.
[0095]
The processing in the dq coordinate
[0096]
The conversion matrix between the three-phase / dq coordinates is expressed by
[0097]
[Expression 4]
[0098]
Here, C can be written as
[0099]
[Equation 5]
[0100]
In order to reduce the computation load, iu+ Iw= -IvWhen the transformation of
id= 21/2{-Iu・ Sin (θe-Π / 3) -iw・ Sinθe}
iq= 21/2{-Iu・ Cos (θe-Π / 3) -iw・ Cos θe}
Can get a relationship. As a result, the necessary number of current detectors and AD conversions can be reduced.
[0101]
Therefore, in the dq coordinate
id= 21/2{-Iu・ Sin (θe-Π / 3) -iw・ Sinθe}
iq= 21/2{-Iu・ Cos (θe-Π / 3) -iw・ Cos θe}
The d-axis current (field current) and the q-axis current can be detected by performing the above calculation.
[0102]
The
[0103]
The q-axis current
iq* = Iqm・ Sin2ω1・ T
(However, ω1Is the power angular frequency, IqmIs the amplitude of the q-axis current)
Q-axis current command iq* Is calculated.
[0104]
The d-axis
id* =-Id
(However, IdIs constant)
D-axis current command i determined byd* Is output.
[0105]
As described above, making the d-axis current command value constant corresponds to “holding the d-axis current substantially constant”, but it is also possible to make the actual d-axis current value constant. This corresponds to “holding the d-axis current substantially constant”.
[0106]
The q-axis
vq* = Kpq・ Εq
(However, q-axis current deviation εq= Iq* -Iq, KpqIs a proportional constant)
The q-axis voltage command is calculated by performing the above calculation.
[0107]
The d-axis
vd* = Kpd・ Εd
(However, d-axis current deviation εd= Id* -Id, KpdIs a proportional constant)
To calculate a d-axis voltage command.
[0108]
Therefore, compared with the case where PI control is performed, responsiveness can be improved and control can be stabilized.
[0109]
The line voltage
Vm= (Vq*2+ Vd*2)1/2
To calculate the
[0110]
The voltage
δ = tan-1(Vq* / Vd*)
The voltage phase δ is calculated by performing the above calculation.
[0111]
The modulation
Ks= 21/2・ Vm/ Vdc
To calculate the modulation factor KsIs calculated.
[0112]
The
[0113]
The
τFour/ Tc= Ks・ Sin (π / 3-φ0)
τ6/ Tc= Ks・ Sinφ0
τ0/ Tc= 1-Ks・ Sin (π / 3 + φ0)
(However, 0 ≦ (φ0= Φ) ≦ π / 3, 0 ≦ φ0≦ 60 °, Tc= Τ0+ ΤFour+ Τ6) To calculate the pulse width of each phase. Where TcIs a PWM carrier cycle.
[0114]
Here, the region is determined by the inverter output voltage phase φ from I: 0 to less than π / 3, II: from π / 3 to less than 2π / 3, III: from 2π / 3 to less than π, IV: from π to less than 4π / 3, V : 4π / 3 or more and less than 5π / 3, VI: 5π / 3 or more and less than 2π, I to VI, phase φ0= Φ− (π / 3) · (n−1) (where n is a number representing a region) is calculated.
[0115]
The
[0116]
[Table 1]
[0117]
V0, V7The definition of will be described later.
[0118]
FIG. 3 is a flowchart for explaining processing in the control microcomputer. The process of this flowchart is performed for each carrier interrupt. That is, the carrier period TcThe process is started.
[0119]
In step SP1, u-phase current iuAnd w-phase current iwIn step SP2, the motor rotational position angle θe, U-phase current iuAnd w-phase current iwD-axis coordinate conversion based on d-axis current idAnd q-axis current iqIn step SP3, the d-axis current command i is calculated.d* And q-axis current command iq* Is output, and in step SP4, the d-axis current deviation εdAnd q-axis current deviation εqIn step SP5, the d-axis voltage command v is calculated.d* And q-axis voltage command vq* Is calculated, and the
[0120]
And the modulation factor KsIs determined to be larger than 1, in step SP10, the modulation rate is limited, and Ks= 1.
[0121]
Modulation factor K in step SP9sIs determined to be 1 or less, or when the process of step SP10 is performed, in step SP11, the motor rotational position angle θeAnd the voltage phase δ are added to calculate the inverter output voltage phase φ, the pulse width of each phase is calculated in step SP12, and the timer value is set in the timer of each phase in the PWM timer in step SP13 (in some cases The initial switch state of each phase transistor is reset), and the process returns to the original process.
[0122]
As a result, the motor torque can be controlled to fluctuate at twice the power supply frequency, the power supply current (that is, the input current of the rectifier circuit) is sine waved, and the control of the input power factor = 1 can be achieved. it can.
[0123]
Further explanation will be given.
[0124]
When the capacity of the smoothing capacitor in the rectifier is 0 or extremely small (no reactor is connected as a matter of course), there is no energy storage element between the input of the rectifier circuit and the inverter output, so the motor efficiency is reduced to ηM, Η inverter efficiencyINVThen, the inverter instantaneous input PI(If the loss in the rectifier circuit is ignored, it is equal to the input of the rectifier circuit) and the instantaneous motor output PMBetween
P1・ ΗINV= PM・ ΗM
∵
P1= V1・ I1= 2 / V1・ I1・ Sin2(Ω1・ T)
v1= 21/2・ V1・ Sin (ω1・ T)
i1= 21/2・ I1・ Sin (ω1・ T)
PM= ΩM・ ΤM
Where V1Is the effective value of the power supply voltage, I1Is the effective value of the input current
The relationship holds. Where motor efficiency ηM, Inverter efficiency ηINV(Including the efficiency of the rectifier circuit) varies depending on the waveform control method of the inverter and the motor output, but is constant at each operating point. And assuming that each is 100% and assuming that the motor speed is constant,
τM= TM・ Sin2θ1= (1/2) · TM・ (1-cos2θ1)
Where θ1= Ω1・ T
If the motor torque can be controlled to fluctuate at twice the power supply frequency as shown in FIG.1= PMTherefore, the control of the power factor = 1 can be achieved with the input current waveform of the rectifier circuit connected to the inverter as a sine wave (see FIG. 4).
[0125]
In addition, although the speed ripple accompanying the torque ripple of the double frequency of a power supply frequency generate | occur | produces, the magnitude | size becomes small so that it can be disregarded at the time of high speed rotation by the effect of an inertia.
[0126]
As an example, moment of inertia of a compressor mechanism and a motor used for a small air conditioner: 0.5 × 10Threekgm2If the power supply frequency is 50 Hz, the average torque is 2 Nm (that is, the torque ripple amplitude TM/ 2 = 2Nm), the velocity ripple amplitude is 1 rps. Speed ripple ω when the motor speed is controlled to 60 rpsrippleIs about 1.6% (see FIG. 5). Therefore, it can be assumed that the motor speed is constant.
[0127]
Of course, if the motor speed is decreased, the speed ripple rate increases. However, in an air conditioner or the like, there is no need to operate at 10 rps or less, so this is not a big problem.
[0128]
On the other hand, when IPM is used as the motor, its torque τMIs the d-axis current idQ-axis current iqAnd can be written as
[0129]
[Formula 6]
[0130]
Where n is the number of pole pairs, λaIs the back electromotive force constant, LdIs d-axis inductance, LqIs the q-axis inductance.
When the d-axis current is constant and only the q-axis current is varied,
[0131]
[Expression 7]
[0132]
Consider the motor terminal voltage (that is, the inverter output voltage) necessary for this current control.
[0133]
The dq-axis voltage equation of IPM is expressed by
[0134]
[Equation 8]
[0135]
Where R is winding resistance and ωMIs a rotational angular velocity, and p is a differential operator.
[0136]
If
[0137]
[Equation 9]
[0138]
And the phase voltage which should be output from the
[0139]
Appropriate Iqm, IdDq axis voltage V atd, VqAnd
[0140]
The electrical constants used in the calculation are as shown in Table 2 and are IPMs used in single-phase 200V inverters for medium and large room air conditioners.
[0141]
[Table 2]
[0142]
And the inverter output voltage constraint (Vdc> 21/2・ VM), The d-axis current was kept substantially constant, and the q-axis current was pulsated at twice the power supply frequency to obtain a maximum output line indicated by B in FIG. 7A, the conventional inverter {V of FIG.dc= 260V constant}, the maximum output line is also shown (see A in FIG. 7A).
[0143]
Further, torque waveforms at the same rotational speed on the maximum output lines A and B are indicated by A and B in FIG. 7B shows the torque waveform when both the d-axis current and the q-axis current are pulsated, and B1 in FIG. 7B shows the average torque of the B torque waveform. Yes.
[0144]
The motor torque when controlling the inverter to keep the d-axis current substantially constant and pulsate the q-axis current at twice the power supply frequency is twice the power supply frequency to improve the power input waveform. Pulsating {see B in FIG. 7B), the maximum value of which is almost the same as the maximum torque of a conventional inverter where the DC voltage is approximately the peak value of the power supply voltage, and the effectiveness of the control (Extracting torque fully) can be confirmed.
[0145]
As can be seen from FIG. 7A, the torque at the time of high-speed rotation is reduced compared to the conventional inverter because the IPM of the same specification is adopted. However, this reduction in torque can be solved by reducing the number of windings in the motor, and is not particularly inconvenient.
[0146]
Further explanation will be given.
[0147]
Inverter control device and d-axis current that pulsates both d-axis current and q-axis current by using the motors with the device constants in Table 2 and setting the motor rotation speed to 80 rps, and using the
[0148]
In FIG. 8, VdcIs the DC voltage of the single-
[0149]
When comparing (A) in FIG. 8 and (B) in FIG. 8, the inverter controller that pulsates both the d-axis current and the q-axis current cannot obtain a desired voltage, and the difference εv(= 21/2・ Vm-Vdc) Has a wide range, the d-axis current is kept substantially constant, and the inverter control device that pulsates the q-axis current shows that it is almost eliminated.
[0150]
As a result, it is possible to increase the power factor of the input waveform and eliminate harmonics (sine wave of power supply current).
[0151]
Also, the torque that can be output is about four times larger with the inverter control device that keeps the d-axis current substantially constant and pulsates the q-axis current.
[0152]
In addition, since the inverter control device of FIG. 1 uses proportional control, it can perform an operation of varying the torque at twice the power supply frequency although there is a steady deviation. Further, although the motor torque varies with a predetermined amplitude, when the motor rotational speed is high, the speed variation is sufficiently small.
[0153]
Further explanation will be given.
[0154]
The output voltage of the diode
[0155]
Then, the difference (deviation) between the detected current and the command current is multiplied by a proportional gain, the result obtained by integrating the deviation is multiplied by an integral gain, and a voltage command is calculated based on the sum of these multiplication results. When the PI control calculation is performed, if the actual current does not follow the current command, a deviation of the period is constantly added to the integration unit of the PI control calculation unit, resulting in the entire control system becoming unstable. (Wind-up phenomenon).
[0156]
However, if a proportional control unit is employed instead of the PI control calculation unit, it is possible to prevent the occurrence of a windup phenomenon caused by the deviation being constantly added, and to stabilize the control system.
[0157]
In the proportional control, the proportional gain can be set higher than in the PI control, the response of the current control can be further increased, and the pulsating q-axis current command can be accurately followed (without phase delay). The input power factor of the rectifier circuit connected to the inverter circuit can be increased, and the power supply current waveform can be converted into a sine wave.
[0158]
Since there is no integration operation, a steady deviation occurs in the d-axis current that is controlled to be substantially constant. This can be solved by taking the steady deviation into consideration and setting the d-axis current command higher.
[0159]
Next, voltage control will be described.
[0160]
In the inverter control device of FIG. 1, the phase voltage command whose voltage is constantly changing (that is, the amplitude and frequency are constantly changing) is converted into various quantities capable of line voltage control, and the inverter is controlled based on this. It is preferable that the motor terminal voltage can be controlled using 100% of the inverter DC voltage. As a result, operation in a wider torque-speed range is possible as compared with the conventional PWM control.
[0161]
Further explanation will be given.
[0162]
For the sake of convenience, the phase voltage of
[0163]
[Expression 10]
[0164]
## EQU11 ##
[0165]
Then, the time product of vp obtained by the conversion is calculated by Equation 12.
[0166]
[Expression 12]
[0167]
As a result, the time product trajectory of the voltage expressed by
[0168]
On the other hand, the phase voltage of the 3-phase inverter output is DC voltage VdcInverter terminal potentials vu ', vv', vw 'and motor neutral point potential v with reference to the midpoint potentialnOn the other hand, using Equation 11, the relationship of Equation 13 is obtained.
[0169]
[Formula 13]
[0170]
From this relationship, the inverter voltage v depends on the ON state of each transistor.pThe relationship of Table 3 is obtained as ′.
[0171]
[Table 3]
[0172]
Moreover, as shown in Table 3, the switching state of the three-phase inverter is expressed as voltage vectors V0 to V7.
[0173]
vpAnd vpAs can be seen in contrast to ', the former vector continuously changes, whereas the latter is a discrete vector {length (2/3) as shown in FIG.1/2・
[0174]
Here, the output time (pulse width) of each voltage vector for realizing the sine wave voltage of
[0175]
FIG. 11 shows that the power phase φ is 0 to π / 3.pTime product of λpThe micro section is enlarged and shown. And suppose voltage vector VFour, V6And V0Are arranged as appropriate.
[0176]
The time from P0 to P1 in FIG.cThen, P0P1 = V1・ TcThe following approximate expression holds. Then, paying attention to the triangle ΔP0qP1 composed of voltage vectors and applying the sine theorem, the relationship of Equation 14 is established.
[0177]
[Expression 14]
[0178]
Based on Equation 14, Tc= Τ0+ ΤFour+ Τ6(Where τxCan be obtained by paying attention to the output time of the voltage vector Vx).
[0179]
[Expression 15]
[0180]
Where Ks= 21/2・ Vm/ VdcFrom the condition that the number 15 is not negativesCan vary the range of 0-1.
[0181]
Therefore, the
[0182]
Further, in the derivation process of Equation 15, for the sake of convenience, the voltage amplitude VmAs well as the power supply frequency ω, the pulse width calculation by Equation 15
(1) Information on power supply frequency ω is unnecessary,
(2) Minute section (minute time T in FIG. 11)cThe average voltage to be output can be controlled at high speed (usually TcIs determined mainly based on the on / off response time of the transistor, and can be set to 200 μs or less for the IGBT element).
It can be seen that the PWM control can be employed in a current control system in which the voltage constantly changes.
[0183]
It should be noted that the transistors may be read as shown in Table 4 using the symmetry of the three-phase AC wave at a phase angle other than the above.
[0184]
[Table 4]
[0185]
Here, the phase ranges of each region are I: 0 or more and less than π / 3, II: π / 3 or more and less than 2π / 3, III: 2π / 3 or more and less than π, IV: π or more and less than 4π / 3, V: 4π / 3 or more and less than 5π / 3, VI: 5π / 3 or more and less than 2π, and the phase φ of Formula 150Is φ0= Φ− (π / 3) · (n−1) (n is a number indicating a region).
[0186]
The small-
[0187]
If the capacitance of the
[0188]
FIG. 12 shows a switching control (PWM) of a three-phase inverter, and a peak value I as a u-phase current.mFig. 6 schematically shows a current waveform of a direct current portion when is supplied to a load.
[0189]
Here, the carrier frequency f of this current waveformc(= 1 / Tc) Component current peak value IhIs the maximum value when the PWM duty is 50% (the transistor ON period and the OFF period are equal),
Ih= Im/ 2
It becomes.
[0190]
If the capacitance of the
Er= Ih/ (2π · fc・ C) = Im/ (4π · fc・ C)
It can be asked.
[0191]
Specifically, Im= 20A, fc= 2kHz, C = 20μF, ripple voltage ErBecomes 20V. And since this ripple voltage is superimposed on a DC voltage that pulsates at twice the power supply frequency, when this value increases,
(1) The current control system of the 3-phase inverter becomes unstable.
(2) The breakdown voltage of the transistor element or capacitor is exceeded, and the circuit is damaged.
Such inconvenience occurs.
[0192]
However, as can be seen from the voltage ripple equation, the carrier frequency fcCan be increased, the capacitance of the
[0193]
Therefore, as shown in FIG. 13B, the time product trajectory ΔP1qP0 of the inverter output voltage shown in FIG. Divide m into similar triangles (m is a positive integer).
[0194]
Thereby, the frequency (namely, carrier frequency) which switches a voltage vector can be raised only the number m of the divided | segmented triangle.
[0195]
This processing is performed for each pulse width τ obtained by Equation 15.
τ ′ = τ / m
This can be realized simply by performing a simple calculation.
[0196]
In particular, m is 2nIf n is selected as a positive integer, a simple shift operation can be used, and the carrier frequency can be increased by a factor of m with almost no increase in PWM operation time.
[0197]
As a result, the capacity of the
[0198]
As is clear from the above description, the inverter control device uses the
[0199]
In the above embodiment, the d-axis current can be controlled so that the current can be controlled until the DC voltage becomes approximately zero.
[0200]
FIG. 18 is a block diagram showing another embodiment of the inverter control apparatus of the present invention.
[0201]
This inverter control device has a speed command ωm* And actual motor speed ωmA first subtraction unit 71 for calculating a deviation from the speed command ωm* And actual motor speed ωmThe value of the PI deviation (proportional / integral calculation) and the value | iq* | {Value corresponding to the average value (DC component) of the pulsating q-axis current | iqSpeed control unit 70 including PI calculation unit 72 that outputs * |}, and power supply voltage v1Is a signal sin synchronized with this2θ1Output sin2θ1 generator 73 and signal sin2θ1And value | iq* Product with q-axis current command iq* Output as a multiplier 74, current phase command β * and value | iq* |dD-axis current calculation unit 75 that outputs *, and dq-axis current command id*, Iq* And dq axis actual current id, IqSecond and third subtracting units 76 and 77 for calculating a deviation from the dq axis current command id*, Iq* And dq axis actual current id, IqTo calculate the first dq axis voltage command vd* ’, VqD-axis and q-axis PI calculation units 78 and 79 for outputting * ', and the first dq-axis voltage command vd* ’, Vq* 'Is used as an input to perform the calculation of Formula 3, and the second dq axis voltage command vd*, VqAnd a non-interference control unit 80 that outputs *.
[0202]
[Expression 16]
[0203]
FIG. 19 is a block diagram showing an example of the configuration of a phase command generator for referring to the stored current phase command β * from the data table.
[0204]
This phase command generator generates a d-axis current id, The moving
[0205]
Here, moving average processing of the d-axis current is performed to avoid an unstable phenomenon due to a change in the d-axis current command accompanying the current phase command β *.
[0206]
Note that the PI calculation output of the speed control unit in FIG.q* | Is the three-phase current amplitude command for the inverter |m* | Andq* | = (3/2)1/2・ | Im* | ・ Cosβ *, | id* | =-(3/2)1/2・ | ImThe calculation of * | .sin β * may be performed.
[0207]
According to this method, it is possible to easily limit the current amplitude by providing a limiter for the PI operation output, and thus, matching with the current capacity of the switching element of the inverter can be easily performed.
[0208]
Further, as the current phase command β *, data may be created by an actual machine test for each load condition and stored. As the current phase command β * used at this time, a conventional inverter can be used (in this case, data can be shared with the conventional inverter). It is preferable to measure the current phase command β * that maximizes the efficiency by the control device and use the measurement result.
[0209]
The operation of the inverter control apparatus having the above configuration is as follows.
[0210]
FIG. 20 shows a brushless DC motor (hereinafter referred to as an IPM motor) in which a permanent magnet is embedded in a rotor when control is performed using a conventional inverter (an inverter whose DC voltage is controlled to be constant). It is a figure which shows the electric current phase (beta) used as maximum efficiency. Here, control is performed such that the torque is constant and the dq axis current is constant, and the motor rotational speed is set to 50 rps. The device constants of the IPM motor are as shown in Table 5.
[0211]
[Table 5]
[0212]
As can be seen from FIG. 20, the current phase β is less than about 30 ° below the rated torque, and there is no significant change. If it is greater than the rated torque, the current phase β increases up to about 40 ° as the torque increases.
[0213]
Q-axis current i for capacitorless inverterqPulsates greatly in synchronization with the power supply phase, but the value corresponding to the average value (DC component) of the pulsating q-axis current | iq* | The calculation of Expression 16 is performed for || to obtain a substantially constant d-axis current command i.dAs a result of an actual machine test by the inventor of the present invention, it was possible to obtain an asterisk (*) and to drive the IPM motor at about the maximum efficiency. Β is an electrical angle, and the phase relationship with the voltage is set as shown in FIG.
[0214]
When the inverter control device having the configuration shown in FIG. 18 is used, the d-axis
If the efficiency is within an allowable range, a value obtained by adding or subtracting a predetermined value Δβ to the current phase β at which the maximum efficiency is obtained can be adopted as the current phase command β *.
Furthermore, from the viewpoint of inverter element capacity, a current phase at which the power factor of the motor is approximately 1 can be adopted as the command value for the purpose of minimizing the current supplied to the motor.
[0215]
FIG. 22 is a block diagram showing a main part of still another embodiment of the inverter control apparatus of the present invention.
[0216]
The difference between this inverter control device and the inverter control device of FIG.1And DC voltage vdcAs an input, a d-axis current command
[0217]
The operation of the inverter control apparatus having the above configuration is as follows.
[0218]
FIG. 23 shows the d-axis current i depending on the load.dDC voltage when V changesdcIt is a figure which shows these waveforms. In FIG. 23, (a) shows a case where the d-axis current is large, and (b) shows a case where the d-axis current is small.
[0219]
As can be seen from FIG. 23, the q-axis current iqDecreases with load, resulting in d-axis current idV becomes smallermin(DC voltage vdcThe minimum value of the power source current i1Is reduced. Further, as shown in the
[0220]
However, when the inverter control device of FIG. 22 is employed, the d-axis current command correction
[0221]
As a result, even when the control is performed to keep the d-axis current substantially constant, the flow width θ can be increased, and the power source power factor can be prevented from decreasing.
[0222]
FIG. 24 is a block diagram illustrating the inverter control device of FIG. 22 in detail.
[0223]
In this inverter control device, the input voltage v1Is the absolute value | v1Absolute value calculation unit 75a1 for calculating |, and the calculated absolute value | v1To DC voltage vdcThe d-axis current command correction
[0224]
When the inverter control device of this configuration is adopted, the input voltage v1Absolute value | v1| And DC voltage vdcIs calculated by multiplying the deviation by a proportional gain K to obtain a d-axis current command correction value and adding the d-axis current command correction value to correct the given d-axis current command. it can.
[0225]
FIG. 25 is a waveform diagram for explaining the operation of the inverter control device of FIG. In FIG. 25, (a) indicates the DC voltage v.dcAnd power supply current i1(B) shows the d-axis current, respectively.
[0226]
When the d-axis current is determined based only on the current phase command β *, the DC voltage vdcMinimum value vmin'Is large and the power source current i1However, in this embodiment, the input voltage v is small.1Absolute value | v1| And DC voltage vdcBy correcting the d-axis current command based on the deviation fromdcMinimum value vminTo reduce the power supply current i1A high power factor can be achieved by expanding the flow width.
[0227]
FIG. 26 is a diagram showing a configuration of an IPM motor control system to which the inverter control method of the present invention is applied.
[0228]
In this IPM motor control system, a diode full-
[0229]
A conventionally known
[0230]
FIG. 27 is a flowchart for explaining the power supply phase synchronization processing. The processing starts in response to the rise of the power supply voltage (the rise of the zero-cross detection signal of the input voltage). In step SP1, the phase θ1(J) is set to 0, and the process returns to the original process.
[0231]
Here and below, the subscript (j) identifies a sample point.
[0232]
FIG. 28 is a flowchart for explaining the power supply phase generation processing, which is activated at a predetermined interrupt cycle Ts. In step SP1, the previous phase angle θ1(K-1) is input, and in step SP2, the previous phase angle θ1The current phase angle θ is obtained by adding a predetermined constant Δθ to (k−1).1Calculate (k) and return to the original process.
[0233]
The constant Δθ is set as follows, for example.
[0234]
Power supply frequency f1= 50 Hz, θ1= 3600 is the power supply phase 360 °, interrupt period TsIs 200 μs, Δθ (= θ · f1・ Ts) Is 36.
[0235]
FIG. 29 is a flowchart for explaining the current control process, and a predetermined interrupt cycle TsDone every time.
[0236]
In step SP1, the rotational position signal θm(N), rotational speed ωm(N), DC voltage vdc(N), motor current iu(N), iv(N), iw(N) is input (note that n is an integer incremented for each process), and in step SP2, a three-phase → dq coordinate conversion calculation process is performed to obtain a dq axis current i.d(N), iq(N) is calculated, dq-axis command current calculation processing is performed in step SP3, and dq-axis current command I is performed in step SP4.d(N) *, iq(N) * is input, and in step SP5, εd(N) = id(N) *-id(N), εq(N) = iq(N) *-iqThe calculation of (n) is performed and the dq axis current deviation εd(N), εq(N) is calculated, and in step SP6, vd′ (N) = Kpd・ Εd(N) + Kid・ Σεd(N), vq′ (N) = Kpq・ Εq(N) + Kiq・ Σεq(N) is calculated to perform PI calculation of the dq-axis voltage, and in step SP7, non-interference control calculation [vd(N) = vd'(N) -Lq・ Iq(N) ・ n ・ ωmAnd vq(N) = vq′ (N) + {λa+ Ld・ Id(N)} · n · ωmDq axis voltage command vd(N), vq(N) is calculated, and in step SP8, a dq → three-phase coordinate conversion calculation process is performed, and each phase voltage command vu(N) *, vv(N) *, vw(N) * is calculated, and in step SP9, the calculation of Equation 17 is performed to obtain each phase pulse width τ.u(N + 1), τv(N + 1), τw(N + 1) is calculated, stored in the PWM timer, and the process returns to the original process.
[0237]
[Expression 17]
Next, the process of step SP3 in FIG. 29 will be described.
[0238]
FIG. 30 is a flowchart for explaining the conventional processing of step SP3 of FIG.
[0239]
In step SP1, the power supply phase θ1(N) and q-axis current average value command | iq(N) * | is input, and in step SP2, iq(N) * = | iq(N) * | ・ sin2θ1Q-axis current command i is calculated by performing the calculation of (n)q(N) * is calculated, and in step SP3, id(N) * =-λa/ Ld+ (1 / Ld) [{Vdc/ N / ωm(N)}2-{Lq・ Iq(N)}2]1/2D axis current command id(N) * is calculated and the process returns to the original process.
[0240]
Therefore, the calculation is complicated.
[0241]
FIG. 31 is a flowchart for explaining an example of the process of step SP3 of FIG. 29 according to the present invention.
[0242]
In step SP1, the power supply phase θ1(N), current phase command β *, and q-axis current average value command | iq(N) * | is input, and in step SP2, iq(N) * = | iq(N) * | ・ sin2θ1Q-axis current command i is calculated by performing the calculation of (n)q(N) * is calculated, and in step SP3, id(N) * =-| iq(N) * | · tan β * is calculated to calculate the d-axis current command id(N) * is calculated and the process returns to the original process.
[0243]
Therefore, the calculation can be simplified and the motor efficiency can be maximized because the current phase command β * is used so that the motor efficiency becomes maximum.
[0244]
FIG. 32 is a flowchart for explaining another example of the process of step SP3 of FIG. 29 according to the present invention.
[0245]
In step SP1, the power supply phase θ1(N), power supply voltage v1(N), current phase command β *, and q-axis current average value command | iq(N) * | is input, and in step SP2, iq (n)* = | Iq(N) * | ・ sin2θ1Q-axis current command i is calculated by performing the calculation of (n)q(N) * is calculated, and in step SP3, id(N) * =-| iq(N) * | .tan β * -Kpv・ {Vdc(N) -v1(N)} is performed and the d-axis current command id(N) * is calculated and the process returns to the original process.
[0246]
Therefore, even when the q-axis current decreases with the load and the magnitude of the d-axis current command set constant in response thereto decreases, it responds to the deviation between the DC voltage and the input voltage (power supply voltage). Thus, the correction works to increase the magnitude of the d-axis current, and the motor terminal voltage can be lowered. Furthermore, since a system that controls the d-axis current is adopted, compared to a case where a voltage control system (control system that does not detect current) in which a control delay with respect to the current constantly occurs due to the influence of the inductance of the motor, The terminal voltage can be controlled stably and at high speed. As a result, the energization width θ of the input current can be expanded, and the input power factor (power source power factor) can be improved.
[0247]
【The invention's effect】
The invention of
[0248]
The invention of
[0250]
[0251]
In addition to the effects of any one of the first to fourth aspects, the invention of the fifth aspect has a specific effect that the responsiveness can be enhanced and the control can be stabilized.
[0252]
The invention of
[0253]
The invention of
[0254]
The invention of
[0256]
[0257]
In addition to the effects of any one of
[0258]
The invention of claim 12 simplifies the configuration, simplifies the control, prevents an increase in iron loss during high-speed rotation, improves the power source power factor, and reduces power source harmonics. There is a unique effect that can be.
[0259]
The invention of claim 13 has the specific effect that the input power factor is improved, the motor current is prevented from increasing by simple control calculation, and the efficiency can be maximized regardless of the motor rotational speed. Play.
[0260]
According to the fourteenth aspect of the present invention, even when the d-axis current is kept substantially constant, there is a specific effect that it is possible to prevent the power factor from being lowered due to the load change.
[0261]
According to the fifteenth aspect of the present invention, the input power factor can be improved, the motor current can be prevented from increasing with a simple control calculation, and the efficiency can be maximized regardless of the motor rotational speed. Even when the current is kept almost constant, the power factor can be prevented from decreasing due to load changes, or the energization width can be reliably increased to achieve a high power factor. The effect of.
[0262]
The invention of claim 16 has the specific effect that the input power factor is improved, the motor current is prevented from increasing by simple control calculation, and the efficiency can be maximized regardless of the motor rotational speed. Play.
[0263]
According to the seventeenth aspect of the present invention, even when the d-axis current is kept substantially constant, there is a specific effect that it is possible to prevent the power factor from being lowered due to the load change.
[0264]
The invention of claim 18 can improve the input power factor, can prevent the increase of the motor current with a simple control calculation, and can maximize the efficiency regardless of the motor rotational speed. Even when the current is kept almost constant, the power factor can be prevented from decreasing due to load changes, or the energization width can be reliably increased to achieve a high power factor. The effect of.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of a motor control device to which an inverter control method of the present invention is applied.
FIG. 2 is a block diagram showing an internal configuration of a control microcomputer.
FIG. 3 is a flowchart illustrating processing in a control microcomputer.
FIG. 4 is a principle diagram for explaining improvement of an input waveform by a capacitorless inverter.
FIG. 5 is a diagram illustrating speed ripple.
FIG. 6 is a diagram illustrating an example of an inverter terminal voltage and a voltage waveform of a DC unit.
FIG. 7 is a diagram illustrating a simulation result at the time of maximum output.
FIG. 8 is a diagram illustrating a simulation result of a DC voltage necessary for current control.
FIG. 9 is a diagram illustrating a circular locus on a complex plane.
FIG. 10 is a diagram illustrating an inverter voltage vector.
FIG. 11 is a schematic diagram for explaining processing for setting a pulse width by paying attention to a voltage-time product.
FIG. 12 shows switching control of a three-phase inverter and a peak value I as a u-phase current.mIt is a figure which shows typically the electric current waveform of the direct current | flow part when is supplied to load.
FIG. 13 is a diagram for explaining a high frequency carrier.
FIG. 14 is an electric circuit diagram showing a configuration of an inverter control device having a large-capacity smoothing capacitor in order to remove voltage ripple after rectification.
FIG. 15 is an electric circuit diagram showing a configuration of an inverter control device having a smoothing capacitor and a chopper circuit.
FIG. 16 is an electric circuit diagram showing an inverter in which a small-capacity film capacitor is connected between output terminals of a diode rectifier circuit and an inverter main circuit for three phases is connected.
FIG. 17 is a block diagram showing a configuration of an inverter control device for controlling the inverter shown in FIG. 16 and performing the control method shown in the
FIG. 18 is a block diagram showing another embodiment of the inverter control device of the present invention.
FIG. 19 is a block diagram showing an example of a configuration of a phase command generation unit for referring to a stored current phase command β * from a data table.
FIG. 20 is a diagram illustrating a current phase β at which the IPM motor has maximum efficiency when control is performed using a conventional inverter.
FIG. 21 is a phasor diagram.
FIG. 22 is a block diagram showing a main part of still another embodiment of the inverter control apparatus of the present invention.
FIG. 23 is a diagram showing a waveform of a DC voltage vdc when a d-axis current id changes according to a load.
24 is a block diagram specifically showing the inverter control device of FIG. 22. FIG.
FIG. 25 is a waveform diagram for explaining the operation of the inverter control device of FIG. 24;
FIG. 26 is a diagram showing a configuration of an IPM motor control system to which the inverter control method of the present invention is applied.
FIG. 27 is a flowchart illustrating power supply phase synchronization processing.
FIG. 28 is a flowchart illustrating a power supply phase generation process.
FIG. 29 is a flowchart for explaining current control processing;
FIG. 30 is a flowchart illustrating a conventional process in step SP3 of FIG.
FIG. 31 is a flowchart for explaining an example of a process in step SP3 of FIG. 29 according to the present invention.
32 is a flowchart for explaining another example of the process of step SP3 of FIG. 29 according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1
3
53 q-axis current command calculation unit 54 d-axis current command generation unit
55 q-axis proportional control unit 56 d-axis proportional control unit
75 d-axis
75a1 Absolute value calculation unit 75a2 Subtraction unit
75a3 proportional gain part 75b addition
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