JP4717962B2 - 慢性ストレスの評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、慢性ストレスの評価方法に関する。
ストレスを起因とする心の疾患の増加は、毎年3万人以上の自殺者を生み出すなど深刻な社会問題となっている。慢性の社会心理学的ストレスはうつ病をはじめとする心の疾患に加え、生活習慣病を含む多くの身体疾患の発症にも深く関与しており、ストレスに起因する人的・経済的損失は日本社会の発展を妨げる大きな要因となっている。このため、慢性の社会心理学的ストレスを正しく評価することは病気を予防するためにも極めて重要である。しかしながら、社会心理学的ストレスに対する個人の反応は個人差が大きく、また、自覚的にも他覚的にもその度合いを判定することは困難であるため、客観的に評価できる方法が求められている。
ストレス反応は新しい環境に適応するための基本的な反応である。一方、ストレスに付随する心理的・身体的変化は各種ストレス関連疾患の症状の増悪や発症の原因となる。ストレス反応には個人差があり、ストレスに対する脆弱性も、遺伝素因や養育環境に加え、個人を取り巻く社会や家庭環境に大きく左右される。また、ストレス反応は、自律神経・内分泌・免疫系が関与する複雑系の反応であるため多角的な評価を行うことが求められ、未だストレスを客観的に正確に評価する方法は確立されていない。
従来、個人のストレスを評価する方法として、質問紙を用いてライフイベントや日常苛立ち事の調査、自己記入式の不安やうつ状態の判定、個人の性格判定調査などが用いられてきたが、膨大な時間と労力が必要である上、被験者の回答は主観に基づくものであり、医療や検診現場等で用いるには定量性や客観性、再現性に大きな問題があった。結果解析についても、それぞれの調査の問題点と限界に熟知しかつ経験を積んだ専門的な知識が必要であった。
ストレスによる生体反応を検出して評価しようとする試みもあり、例えば心電図や血圧、脈拍を測定する方法、瞳孔対光反応を利用する方法、微弱電流刺激に対する応答を利用する方法などが提案されているが、一時的なストレス反応を検出するには有効であるものの、長期に渡る慢性的なストレス負荷状況を評価するのは不可能であった。
さらに、ストレスホルモンなどの限られた生体内因子の生化学的測定では、例えば、血液や唾液中のコルチゾールなどのストレスホルモン、クロモグラニンA、グルタチオン修飾ヘモグロビン、モノアミンなどの神経伝達物質、V1タンパク質、ラクトフェリン、アミラーゼなどを、それぞれ単独で測定する方法が提案されているが、内分泌・神経・免疫が関与する複雑系のストレス反応を、精度よく評価することが困難であった。また、正常なストレス反応は捉えられるとしても、ストレス性疾患につながるような慢性なストレスと正常なストレスを区別して評価するには不十分であった。
最近、六反らは末梢白血球に現れる生体反応を、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)を用いて網羅的遺伝子発現解析を行い、複雑系の反応であるストレス反応を、DNAチップで客観的に精度よく評価する方法を報告している(非特許文献1)。さらに、慢性ストレスの評価(特許文献1)の評価に有用であることを示している。
しかし、DNAチップを用いる方法は、比較的多量の血液(5ml以上)が必要であり、測定操作や工程も複雑であり、測定時間と測定コストが臨床診断等への実用化の障害となっている。また、末梢血をサンプルとするため、非侵襲的なサンプリングができないという欠点もあった。そのため、さらに簡便で迅速な評価法の開発が必要であり、さらなる技術的ブレークスルーが求められていた。
ストレスと免疫系タンパク質の関係については、IL−1βやIL−6の報告があるのみである(特許文献2)。複数の血中サイトカイン濃度の測定を慢性ストレス評価やストレス性疾患のリスク診断に応用した報告は、未だ知られていない。
特開2007−306883号公報 特開2001−194369号公報 Neuroscience Letters, 381(2005)57-62
本発明は、従来の方法の欠点を含まず、慢性ストレス状態を、簡便かつ短時間に、客観的かつ高精度に評価するための方法を提供する。
本発明者らは、血液中で実際に生体調節に機能する免疫系のタンパク質に着目し、慢性ストレスを評価可能な複数のサイトカイン関連タンパク質を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]生物学的試料中のサイトカインの濃度を測定することを含む、慢性ストレスの評価方法。
[2]サイトカインが、塩基性FGF、CTACK、エオタキシン、G−CSF、GM−CSF、GRO−α、HGF、ICAM−1、IFN−α2、IFN−γ、IL−1α、IL−1β、IL−1Ra、IL−2Ra、IL−3、IL−6、IL−9、IL−12(p40)、IL−16、IL−18、IP−10、MCP−1、MCP−3、M−CSF、MIF、MIG、MIP−1α、MIP−1β、SCF、SDF−1α、TNF−α、TRAIL及びVEGFからなる群より選択される、請求項1に記載の慢性ストレスの評価方法。
[3]サイトカインが、CTACK、エオタキシン、G−CSF、GM−CSF、GRO−α、HGF、IFN−α2、IFN−γ、IL−1Ra、IL−2Ra、IL−3、IL−9、IL−12(p40)、IL−16、IL−18、IP−10、MCP−3、M−CSF、MIF、MIG、MIP−1β、SCF、TNF−α、TRAIL及びVEGFからなる群より選択され、生物学的試料が血清である、請求項2に記載の慢性ストレスの評価方法。
[4]サイトカインが、塩基性FGF、G−CSF、GRO−α、HGF、IFN−γ、IL−1β、IL−1Ra、IL−6、IL−9、IL−12(p40)、IP−10、MCP−1及びMIP−1αからなる群より選択される、請求項3に記載の慢性ストレスの評価方法。
[5]サイトカインが、G−CSF、GRO−α、IFN−γ、IL−1Ra、IL−2Ra、IL−12(p40)、IL−16及びIP−10からなる群より選択される、請求項3に記載の慢性ストレスの評価方法。
[6]サイトカインが、G−CSF、IL−1Ra及びIP−10からなる群より選択される、請求項3に記載の慢性ストレスの評価方法。
[7]サイトカインが、G−CSF、IL−1Ra及びIP−10からなる群より選択される2つである、請求項3に記載の慢性ストレスの評価方法。
[8]サイトカインが、GRO−α、HGF、ICAM−1、IFN−γ、IL−1α、IL−1Ra、MCP−3、MIF、MIG、SDF−1α、TRAIL及びVEGFからなる群より選択され、生物学的試料が唾液であり、慢性ストレスの評価方法が、k近傍法である、請求項2に記載の慢性ストレスの評価方法。
本発明によれば、従来の質問紙や単一の生体指標を用いるストレス評価法と比べ、より客観的に高精度でストレスを評価でき、特に複数の指標サイトカインの検体中の濃度パターンについて統計学的に評価を行うことでその精度が向上する。さらに、ストレス性疾患の発症につながる可能性の高い慢性ストレスを正常のストレス反応や急性のストレス反応と区別して評価することが可能であり、DNAチップによる遺伝子発現解析評価法と比べてもより簡便で低コストであり、より少量の検体で短時間に評価が可能である。
図1は、STAI尺度による慢性ストレス状態者62人と健常者169人の平均値と標準偏差である。 図2は、13種類のサイトカインの閾値(異常値)をとったサイトカインの数をカウントしてスコア化した結果である。
本発明において生物学的試料とは、末梢血、血漿、血清、唾液を挙げることができ、好ましくは、血清又は唾液である。
本発明においてサイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。好ましくは、CTACK、エオタキシン、G−CSF、GM−CSF、GRO−α、HGF、IFN−α2、IFN−γ、IL−3、IL−9、IL−12(p40)、IL−16、IL−18、IL−1ra、IL−2ra、IP−10、MCP−3、M−CSF、MIF、MIG、MIP−1β、SCF、TNF−α、TRAIL及びVEGFである。
本発明においてサイトカインの濃度の測定方法は、従来公知の任意の方法を用いることができるが、好ましくは、ELESAまたは抗体アレイである。
本発明において慢性ストレスとは、一時的ではない長期間にわたる持続的な心理的ストレス負荷又は短期的なストレスが十分に解消されずそれが蓄積されたストレス負荷の状態をいう。
本発明の測定値の評価方法は、従来公知の任意の方法を用いることができるが、好ましくは、k近傍法又は異常値スコアー化である。
k近傍法では、はじめに学習用サンプルを全て取り込み、次に新たに追加されるサンプルの応答を適当な数(k)の近傍を分析し、追加されたサンプルのクラスを予測する。この手法は、予測のために与えられたベクトルの近傍にある既知の応答を用いて特徴ベクトルを調べる怠惰学習 (lazy learning) の一種である。
本発明において、得られたサイトカイン濃度データは、各サイトカインごとに検体群の中央値で除算された後、k値を10としたk近傍法にて解析された。解析にはアジレント・テクノロジー株式会社の解析ソフトであるGeneSpringGXを用いた。
異常値スコアー化では、はじめに健常者群と慢性ストレス群における各サイトカイン濃度の有意差をt検定にて解析し、危険値が5%以下であったサイトカインを選定した。t検定には解析ソフトとしてグラフパッドプリズム(バージョン5.0、グラフパッドプリズム社)を使用した。
次に、健常者群と慢性ストレス群のそれぞれについて、選択されたサイトカインの四分位範囲と95パーセンタイル値を、表計算ソフトであるエクセル(マイクロソフト社)にて算出し、慢性ストレス群の95パーセンタイル値から外れる濃度を異常値として規定した。個々の検体において、マーカーとして選択したサイトカインのうち異常値を示したサイトカインの個数で慢性ストレスを判定する方法を異常値スコアー化判定法とした。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらには限定されない。
慢性ストレスを評価するための指標となるサイトカインのスクリーニング
1.慢性ストレス状態者
・対象者は、徳島大学医学部医学科あるいは栄養学科学生のうち、本評価法開発のための研究に参加することについて文章により説明し同意を得た者とした。なお本研究は徳島大学病院倫理委員会の承認を得たうえで実施した。
慢性ストレス状態者は、平成17年度の医師国家試験受験を控えて半年以上にわたり慢性ストレス状態が続き、試験2ヶ月前と、試験を前々日に控えた6年次医学科学生24名と、同じく平成18年度の医師国家試験受験を前々日に控えた14名から構成された。
この38名の構成は、男性が20人、そして女性が18人であり、平均年齢は24.7歳であり、最高齢が30歳、最年少が23歳であった。
この38名について、試験2ヶ月前と試験前々日に、各人の血液サンプルを採取した。同時に、STAI質問表への回答調査を行い、状態不安と特性不安をスコアー化してマン・ホイットニーのU検定にて評価したところ、状態不安のスコアーが非ストレス健常者と比較して危険値0.01%以下の水準で有意に高かったことから、慢性的な精神的ストレス負荷群として妥当と考えられた。
2.健常者
健常者は、まだ医師国家試験準備に伴う慢性ストレス状態に置かれていない、徳島大学医学科1年次学生、2年次学生及び栄養学科1年次学生のうち、本開発のための研究に参加することについて文章により説明し同意を得た者169名から構成された。
この169名の構成は、男性が77人、そして女性が92人であり、平均年齢は19.6歳であり、最高齢が33歳、最年少が18歳であった。
この169名について、慢性ストレス状態者の場合と同様に、各人の血液サンプルを採取した。
同時に、STAI質問表への回答調査を行い、状態不安と特性不安をスコアー化してマン・ホイットニーのU検定にて評価した。
図1に、STAI尺度によりスコアー化した慢性ストレス状態者38名と健常者169名について、状態不安と特性不安の平均値と標準偏差を示した。健常者と医師国家試験受験生のSTAIスコアーの値の有意差をマン・ホイットニーのU検定を用いて検定したところ、受験前の心理的な不安を表すSTAI状態不安のスコアーが、健常者より受験生が有意に高い結果が認められた。
被験者個人の不安の感じやすさを示すSTAI特性不安のスコアーも同様に検定を行ったところ、健常者と受験者で有意な差は認められなかった。
3.サイトカイン存在量の測定
慢性ストレス状態者38名と健常者169名から、午後4時から午後6時までの間の空腹時に医師が安静下に肘静脈より約1cc採血し、この血液サンプルからサイトカイン測定用の血清を調製した。唾液は昼食後2時間以上経過した午後4時から6時までの間に採取した。採取には唾液サンプリングキット(商品名:サリベット、Sarstadt Inc.,Rommelsdorf,Germany)を用いてそのプロトコールに従って唾液吸収体を舌下で2分間浸潤させて唾液を採取した。
これらの血清および唾液はおよそ4本ずつに分注され、サイトカイン存在量の測定に使用するまで摂氏マイナス80度の冷凍状態で保存された。
血清中または唾液中のサイトカイン存在量の測定は、抗原抗体反応(サンドイッチELISA法)とフローサイトメトリ機器を利用したマルチサイトカイン測定キットにより行った。
このフローサイトメトリ機器を利用したマルチサイトカイン測定キットはBio−Rad Laboratories社のBio−Plex200とBio−Plexサイトカインアッセイパネル測定キットを用いた。
測定を行ったサイトカインは、Bio−Plexサイトカインアッセイパネル測定キットのうち、Human27−PlexPane1(171−A11127)とHuman23−PlexPanel(171−A11123)を合わせた50種類であった。
血清中または唾液中のサイトカイン存在量の測定はBio−Rad Laboratories社から提供された測定プロトコールに従って実施した。また、このとき測定に使用した血清量は1検体につき30マイクロリットルと、極微量であった。
4.データ解析(慢性ストレスマーカーサイトカインの選定)
慢性ストレス状態の38名から採取した62組の血清検体と、健常者169名から採取した169組の血清検体における、50種類のサイトカイン存在量データをk近傍法により解析し、もっとも正答率の高くなるサイトカインの組み合わせとして25種類のサイトカインを選定した。
これらのサイトカインを表1に示す。
Figure 0004717962
この25種類のサイトカインは、被験者が慢性ストレス状態にあるか否かを評価するマーカーサイトカインとして有用である。
慢性ストレス状態の11名から採取した11組の唾液検体と、健常者120名から採取した120組の唾液検体における、50種類のサイトカイン存在量データをk近傍法により解析し、もっとも正答率の高くなるサイトカインの組み合わせとして12種類のサイトカインを選定した。
これらのサイトカインを表2に示す。
Figure 0004717962
この14種類のサイトカインもまた、被験者が慢性ストレス状態にあるか否かを評価するマーカーサイトカインとして有用である。
慢性ストレス負荷被験者群を用いた血清による慢性ストレス評価方法の検証
1.k近傍法による評価
平成18度の医師国家試験2ヶ月前の6年次学生14名(慢性ストレス群)、徳島大学医学科1年次6月採血群26名(健常者群)を被験者とした。
40名の被験者に慢性ストレス状態者か健常者か分からないようにランダムな測定番号を付与した。この40名の血清中サイトカイン存在量を実施例1と同様の方法で測定した。
実施例1の表1のサイトカインからk近傍法により設定した血清判別用計算式を用いて、ランダムに番号を付与した40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名とk近傍法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14名のうち13名が慢性ストレスの判定となり、正答率は92.9%であった。残りの1名は判定不能であり、誤答はなかった。健常者とした26名のうち23名が健常と判定され、正答率は88.5%であった。残りの3名は判定不能であり、誤答はなかった。
2.評価に利用する指標蛋白質数を変動させた場合の判定結果(8種及び3種、2種の場合)
2−1.8種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、IP−10、G−CSF、IL−9、GRO−α、IL−12(p40)、IL−16、IFN−γの8種類のサイトカインを用いて、実施例1と同様の手法でk近傍法を用いて判定アルゴリズムを設定した。この判定アルゴリズムを用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名とk近傍法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち11人が慢性ストレスの判定となり、正答率は78.6%となった。残る3名は判定不能であり、誤答はなかった。また26人の健常者のうち25人が健常と判定となり、正答率は96.2%であった。残る1名は判定不能であり、誤答はなかった。
2−2.3種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、IP−10、G−CSFの3種類のサイトカインを用いて、実施例1と同様の手法でk近傍法を用いて判定アルゴリズムを設定した。この判定アルゴリズムを用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名とk近傍法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち11人が慢性ストレスの判定となり、正答率は78.6%となった。残る3名は判定不能であり、誤答はなかった。また26人の健常者のうち全員が健常判定となり、正答率は100%であった。
2−3−1.2種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、IP−10の2種類のサイトカインを用いて、実施例1と同様の手法でk近傍法を用いて判定アルゴリズムを設定した。この判定アルゴリズムを用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名とk近傍法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち11人が慢性ストレスの判定となり、正答率は78.6%となった。残る2名は判定不能であり、1名は誤答であった。また26人の健常者のうち25人が健常判定となり、正答率は96.2%であった。残る1名は判定不能であり、誤答はなかった。
2−3−2.2種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、G−CSFの2種類のサイトカインを用いて、実施例1と同様の手法でk近傍法を用いて判定アルゴリズムを設定した。この判定アルゴリズムを用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名とk近傍法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち11人が慢性ストレスの判定となり、正答率は78.6%となった。残る3名は判定不能であり、誤答はなかった。また26人の健常者のうち全員が健常判定となり、正答率は100%であった。
2−3−3.2種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIP−10、G−CSFの2種類のサイトカインを用いて、実施例1と同様の手法でk近傍法を用いて判定アルゴリズムを設定した。この判定アルゴリズムを用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名とk近傍法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち12人が慢性ストレスの判定となり、正答率は85.7%となった。残る2名は判定不能であり、誤答はなかった。また26人の健常者のうち全員が健常判定となり、正答率は100%であった。
慢性ストレス負荷被験者群を用いた唾液による慢性ストレス評価方法の検証
平成18度の医師国家試験2ヶ月前の6年次学生11名(慢性ストレス群)を被験者とした。この11名の血清中サイトカイン存在量を実施例1と同様の方法で測定した。
実施例1の表2のサイトカインからk近傍法により設定した唾液判別用計算式を用いて、11名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
被験者11名のうち、9名が慢性ストレスの判定となり、正答率は81.8%であった。残る2名は判定不能であり、誤答はなかった。
閾値を外れる慢性ストレス指標蛋白質数のスコアー化評価方法
50種類の血清中サイトカイン測定値について、非ストレス健常者群と慢性ストレス群の評価をマン・ホイットニーのU検定で行ったところ、危険値5%以下の水準で有意差のあったサイトカインは34種類となった。この34種類のサイトカインの慢性ストレス群における95パーセンタイル範囲を算出し、この95パーセンタイルの値を閾値(異常値)としたときに非ストレス健常者と大きく異なる濃度分布をとるストレス指標候補サイトカインは13種類であった(表3)。
Figure 0004717962
それぞれの検体において、この13種類のサイトカインの閾値(異常値)をとったサイトカインの数をカウントしてスコア化したところ、慢性ストレス群に属するすべての被験者が9カウント以上になる、すなわち13種類のストレス指標候補蛋白質のうち9種類以上が異常値をとることが分かった。それに対して非ストレス健常者では、9カウント以上であったのは169人中8人と少人数であることが分かった(図2)。
判定スコアの閾値は健常者と慢性ストレスがもっとも効率的に分離できるように設定した。上記(図2)の例では慢性ストレス判定の閾値を9カウント以上と規定し、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。ブラインドしてあったサンプル名と異常値カウント法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち全員が慢性ストレスの判定となり、正答率は100%であった。また26人の健常者のうち全員が健常と判定となり、正答率は100%であった。
4−1.評価に利用する指標蛋白質数を変動させた場合の判定結果(25種類、8種、3種及び2種の場合)
4−1.25種類のサイトカインでの判定
表1に示した25種類のサイトカインを用いて、実施例4と同様に異常値カウント法を用いて判定閾値を23以上と設定した。この閾値を用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名と異常値カウント法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち12人が慢性ストレスの判定となり、正答率は85.7%となった。残る2名は誤答であった。また26人の健常者のうち全員が健常と判定となり、正答率は100%であった。
4−2.8種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、IP−10、G−CSF、IL−9、GRO−α、IL−12(p40)、IL−16、IFN−γの8種類のサイトカインを用いて、実施例4と同様に異常値カウント法を用いて判定閾値を7以上と設定した。この閾値を用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名と異常値カウント法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち全員が慢性ストレスの判定となり、正答率は100%となった。また26人の健常者のうち全員が健常と判定となり、正答率は100%であった。
4−3.3種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、IP−10、G−CSFの3種類のサイトカインを用いて、実施例4と同様に異常値カウント法を用いて判定閾値を3以上と設定した。この閾値を用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名と異常値カウント法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち12人が慢性ストレスの判定となり、正答率は85.7%となった。残る2名は誤答であった。また26人の健常者のうち全員が健常判定となり、正答率は100%であった。
4−4−1.2種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、IP−10の2種類のサイトカインを用いて、実施例4と同様に異常値カウント法を用いて判定閾値を2以上と設定した。この閾値を用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名と異常値カウント法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち13人が慢性ストレスの判定となり、正答率は92.9%となった。残る1名は誤答であった。また26人の健常者のうちまた26人の健常者のうち全員が健常判定となり、正答率は100%であった。
4−4−2.2種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIL−1ra、G−CSFの2種類のサイトカインを用いて、実施例4と同様に異常値カウント法を用いて判定閾値を2以上と設定した。この閾値を用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名と異常値カウント法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち12人が慢性ストレスの判定となり、正答率は85.7%となった。残る2名は誤答であった。また26人の健常者のうち全員が健常判定となり、正答率は100%であった。
4−4−3.2種類のサイトカインでの判定
表1から選ばれたIP−10、G−CSFの2種類のサイトカインを用いて、実施例4と同様に異常値カウント法を用いて判定閾値を2以上と設定した。この閾値を用いて、実施例2と同じ40名の被験者の慢性ストレス状態と健常状態を判定した。
ブラインドしてあったサンプル名と異常値カウント法により判定した結果を照合すると、慢性ストレス状態とした14人のうち13人が慢性ストレスの判定となり、正答率は92.9%となった。残る1名は誤答であった。また26人の健常者のうち全員が健常判定となり、正答率は100%であった。
本発明は、慢性ストレスの評価のために有用である。

Claims (1)

  1. 血清中のG−CSF、IL−1Ra及びIP−10からなる群より選択される2つのサイトカインの濃度を測定することを含む、慢性ストレスの評価方法。
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