JP4717688B2 - 電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法に係る発明である。
電気二重層キャパシタは、ボタン型、積層型などの形状の異なるものが存する。いずれの型場合でも、活性炭などのカーボン粒子を主とする分極性電極から成る正極および負極と、これらの両極を隔てるセパレータとを、外装ケース内で交互に積層して構成されている。ここで、当該外装ケース内には、電解液(電解質を溶液に溶かしたものや、イオン性液体など)を含浸されている。
電気二重層キャパシタは、アルミコンデンサのような一般のキャパシタに比べて、極めて大きな静電容量が得られることが特徴である。また電気二重層キャパシタは、充放電に際して化学反応を伴わないため、大電流を瞬時に充放電でき、充放電効率が良いという利点がある。また電気二重層キャパシタは、10万回以上の充放電が可能であり、寿命が10年以上で信頼性が高いという利点もある。
当該電気二重層キャパシタは、電子機器のバックアップ用の用途、家電機器やコピー機の電力貯蔵、自動車のアイドルストップ時の始動用電源、ハイブリッド自動車の電源および、風力や太陽光発電のピークシェービングや平準化のための電力貯蔵用の用途等で、幅広く利用されており、省エネルギーや炭酸ガスの削減に役立つキーデバイスとして期待されている。
電気二重層キャパシタの性能の指標として、静電容量と内部抵抗の2つが挙げられる。静電容量と内部抵抗は、電極のカサ密度と関係している。電極のカサ密度が低いと、静電容量に寄与できない孤立した活性炭が多く存在し、活性炭粒子と活性炭粒子との結着が不十分で電気抵抗が高くなるなどの影響がある。したがって、電気二重層キャパシタの性能を考慮すると、当該電極のカサ密度を向上させる必要があった。
ところで、量産性に優れているという理由により、電極として塗布型電極シートが採用されている。塗布型電極シートは、集電箔の上に電極ペースト(乾燥後、電極層となる)を塗布した後、圧力が加えられることなく乾燥される。
しかしながら、当該工程により、塗布型電極シートは、他の圧延型やモールドプレス型の電極に比べて、電極層のカサ密度が著しく低くなるという欠点があった。
このため、塗布型電極シートでは、電極ペーストの乾燥後、ロールプレスなどのプレス手段を加えることで、電極層のカサ密度を向上させる工夫がなされている。しかしながら、一旦上記乾燥処理を施した後は、電極ペーストに添加されているバインダーや増粘剤等が強固に固まっている。したがって、活性炭粒子のプレスによる移動が阻害され、プレス圧力を上げても、他の圧延型やモールドプレス型の電極に比べてカサ密度が低くなるという問題点があった。
また、電極ペーストの溶媒として水を使用し、増粘剤を用いた場合には、特に、増粘剤が水によって膨張する。したがって、当該場合には、乾燥しても活性炭粒子と活性炭粒子の間に大きな隙間が形成されやすく、しかも乾燥後、乾燥した増粘剤が強固に固まってしまうために、塗布型電極シート対するプレスの圧力をかなり上げても、電極層のカサ密度が上がらない。
電極層のカサ密度を向上させる方法として、特許文献1が存在する。
当該特許文献1では、集電箔上の電極塗布層(電極ペースト)を乾燥する際に、完全には乾燥せずに溶媒を5〜35重量%程度残し、当該状態でロールプレスする方法が開示されている。
特開2005−191424号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、乾燥時の電極ペーストの溶媒残量の管理は極めて困難であり、電極ペーストの溶媒の残量が集電箔の位置によって異なる。このように、集電箔の位置により電極ペーストの溶媒の残量が異なる状態においてロールプレス処理を施すと、電極ペーストの溶媒残量が多い位置と少ない位置とによってプレスした後の電極厚さに差が生じてしまう。つまり、塗布型電極シートの品質にばらつきが生じるという問題があった。
また、電極ペーストの溶媒の乾燥度合いが塗布型電極シートの長さ方向によっても異なっているため、プレス後の電極層厚さが波打つ問題もあった(なお、当該電極層の波打ちに起因して集電箔にしわが入ることもある)。
さらに、集電箔の両面に電極ペーストを塗布した場合には、集電箔の表裏で乾燥の度合いが異なる。したがって、当該場合には、塗布型電極シートの表裏にかかるプレス圧力が異なってくるので、電極層厚さが異なるという問題もあった。
これら上記の電極層に関する各問題(つまり、塗布型電極シートの品質劣化に対する問題)は、電極層内におけるカサ密度の不均一性に起因していると解される。
ところで、電気二重層キャパシタの静電容量の低コスト化を図るために、400μm以上の分厚い塗布型電極シートが求められている。しかし、乾燥時の塗布型電極シートの厚さが200μm以上になると、当該塗布型電極シートをロールに巻く時に、電極層にクラックが入って割れたり、当該電極層が剥がれ落ちたりするという問題もあった(当該問題は、特許文献1にかかわらず他の技術の場合にも生じていた)。
つまり、電極層のカサ密度を向上させることと、電極層内のカサ密度を均一にすること(塗布型電極シートの品質を維持・向上させること)とを両立させることはできなかった。また、乾燥時の塗布型電極シートの厚さが厚くなると、当該塗布型電極シートをロールに巻く時に、電極層の剥がれ等が発生していた。
そこで、本発明は、電極層のカサ密度の向上および均一性を奏することができ、また、乾燥時の塗布型電極シートの厚さを厚くしたとしても、当該塗布型電極シートをロールに巻く時に電極層の剥がれ等が発生しない、電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法は、(A)集電箔に水を吸収して膨張する増粘剤を含んだ電極層が被着された電極シートを形成する工程と、(B)前記電極層に対して、水およびアルコールが含まれた所定の液を含ませる工程と、(C)前記工程(B)の後に、前記電極シートに対してプレス処理を施す工程と、(D)前記工程(C)の後に、前記電極シートに対して加熱処理を施す工程と、を備えている。
本発明の請求項1に記載の電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法は、(A)集電箔に水を吸収して膨張する増粘剤を含んだ電極層が被着された電極シートを形成する工程と、(B)前記電極層に対して、水およびアルコールが含まれた所定の液を含ませる工程と、(C)前記工程(B)の後に、前記電極シートに対してプレス処理を施す工程と、(D)前記工程(C)の後に、前記電極シートに対して加熱処理を施す工程と、を備えている。したがって、工程(B)により、電極層を構成する物質の流動性を増すことができるので、工程(C)により、電極層を構成する物質が容易に電極層内を移動できる。よって、工程(C)を施すことにより、電極層のカサ密度を向上させることができると共に、電極層内におけるカサ密度の分布を均一にすることができる(つまり、仕上がりの電極シートの品質を維持・向上させることができる)。
なお、電極層のカサ密度が上昇することにより、たとえ電極層の膜厚を厚くしたとしても、電極シートの巻き取りの際に発生し得る電極層の剥離・クラック等を抑制することができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態>
(本発明に係わる塗布型電極シートの製造方法の説明)
図1は、本発明の実施の形態に係る電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法を示す製造ラインの側面図である。以下、図1を用いて、本実施の形態に係る電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法を説明する。
まず、集電箔に電極層が被着された塗布型電極シート(以下、単に電極シートと称する)100Aを形成する。より具体的に、集電箔の両面上に電極ペーストを塗布する。次に、電極ペーストに対して加熱処理を施すことにより、電極ペーストを乾燥させる。当該工程により、集電箔の両面上に電極層が被着された電極シート100Aを形成することができる。
ここで、電極ペーストが完全に乾燥(または、電極ペーストの溶媒が少なくとも5重量%未満となるように、当該電極ペーストが乾燥)されていることが望ましい。
また、集電箔としては、厚さ20〜50μmの高純度のアルミニウムプレーン箔や表面にエッチングを施したアルミエッチド箔や銅箔を用いることができる。
また、電極ペーストとして、活性炭粒子、導電性粒子、およびバインダーを分散させた材料を用いても良く、これとは別に、活性炭粒子、導電性粒子、バインダー、および増粘剤を分散させた材料を用いても良い。なお、バインダー機能と増粘機能とを有する物質として、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩等が存在する(特許文献、特開平9−55340号公報)。
なお、バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと呼ぶ)、ポリフッ化ビニリデン(以下PVDFと呼ぶ)、スチレン−ブタジエン系ゴム性ポリマー(以下SBRと呼ぶ)などのサスペンジョン溶液の他に、エマルジョン溶液、ラテックス、または前述の溶液の混合液を用いることができる。
また、バインダー機能と増粘機能の両方の役割を果たす物質としては、上述したカルボキシメチルセルロース のアンモニウム塩(以下アンモニアCMCと呼ぶ)の他に、カルボキシメチルセルロース のナトリウム塩(以下NaCMCと呼ぶ)、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、または前記に列記した物質の混合物を用いることができる。
また、導電性微粒子としては、カーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛などを用いることができる。
活性炭粒子としては、水蒸気賦活炭、アルカリ賦活炭、ナノゲートカーボンなどを用いることができ、粒子の直径としては10μm前後のものが望ましい。
当該電極ペースト乾燥後の電極シート100Aを、送り出しローラー1に巻き取る。そして、図1に示すように、当該送り出しローラー1を本実施の形態に係る電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造装置にセットする。なお、電極シート100Aは、後述する所定の液2aを含ませる前の電極シートである。
さて、当該セットされた送り出しローラー1から、電極シート100Aを引き出す。
当該引き出された電極シート100Aの電極層に対して、プレス処理前に、所定の液2aを含ませる(なお、本実施の形態の説明では、以下、含浸用液2aを電極層に対して含浸させる場合について言及する)。
より具体的に、図1に示すように、電極シート100Aの上下面に対して、スプレー装置2が各々設置されている。当該スプレー装置2を用いて、電極シート100Aの両面に被着された各電極層に対して、同時に、含浸用液2aを噴霧(含浸)させる。
ここで上述したように、含浸用液2aの含浸前の電極シート100Aにおいて、電極ペーストが完全に乾燥(または、電極ペーストの溶媒が少なくとも5重量%未満となるように、当該電極ペーストが乾燥)されていることが望ましい。なお、電極シート100Bは、含浸用液2aを含浸させた後の電極シートである。
また、電極シート100Aの各電極層に対する含浸用液2aの上記含浸は、各電極層の面上に均一に行うことが望ましい。なお、含浸用液2aとしては、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと呼ぶ)やテトラヒドロフランなどの有機系溶媒を使用することができる。
次に、図1に示すように、ロールプレス3を用いて、電極シート100Bに対してプレス処理を施す。ロールプレス3は、電極シート100Bの上下面に設けられており、当該電極シート100Bの上下面に対して同時に、プレス処理が施される。ここで、電極シート100Cは、当該プレス処理後の電極シートである。
なお、電極シート100Bに対するプレス処理は、ロールプレスの他に、平板プレスを用いて行うこともできる。
次に、当該電極シート100Cは、図1に示されるように、熱処理部4において、加熱乾燥処理が実施される。当該熱処理部4における加熱乾燥処理により、電極シート100Cの電極層に含浸されていた含浸用液2aを乾燥(除去)させる。なお、電極シート100Dは、当該含浸用液2a乾燥後(除去後)の電極シートである。
その後、電極シート100Dは、巻き取りローラー5に巻き取られる。つまり、電極シート100Dは、巻き取りローラー5に巻回収納される。
以上が、本実施の形態に係わる電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法である。
(カサ密度向上の原理)
次に、電極シート100Aに含浸用液2aを含浸させ、電極シート100Bに対してプレス処理を施し、その後電極シート100Cに対して加熱処理を施すことにより、形成される電極シート100Dの電極層のカサ密度が向上する原理について、図2ないし9を用いて説明する。
ここで、図2,4,6,8は各々、電極シート100Aの拡大断面図、電極シート100Bの拡大断面図、電極シート100Cの拡大断面図、および電極シート100Dの拡大断面図を示している。また、図3,5,7,9は各々、電極シート100Aの電極層20Aの拡大断面図、電極シート100Bの電極層20Bの拡大断面図、電極シート100Cの電極層20Cの拡大断面図、および電極シート100Dの電極層20Dの拡大断面図を示している。
図2に示すように、集電箔10の両面に電極層20Aが各々被着されることにより、電極ペースト乾燥後の電極シート100Aは構成されている。ここで、含浸用液2aが含浸させる前の電極層20Aの膜厚は、L1である。
また、図3に示すように、含浸用液2aが含浸させる前の電極層20Aは、活性炭粒子16と、当該活性炭粒子16の幾何表面を覆う導電性微粒子とバインダーとから成る混合被膜17とから構成されている。ここで、電極ペーストに増粘剤(増粘剤は、水を吸収して膨張する材料である)が含まれている場合には、混合被膜17は、導電性微粒子、バインダーおよび増粘剤から構成される。
さて、電極シート100Aに対して含浸用液2aが含浸されると、図4に示されるように、電極シート100Bを構成する電極層20Bは厚くなる。つまり、電極層20Bの厚さは、L1(含浸用液2a含浸前の厚さであり、電極層20Aの厚さ)+L2(含浸用液2aが含浸されることにより増加した分の厚さ)、となる。
このように、電極層20Bの厚さが増加するのは、含浸用液2aが含浸されることにより、バインダーが膨張し(電極ペーストに増粘剤を含んでおり、含浸用液2aに水が含まれている場合には、当該増粘剤も膨張する)、図5に示すように、混合被膜17が厚くなるからである。
また、電極層20Bには含浸用液2aが含浸されているので、混合被膜17は柔軟性を有する。したがって、当該混合被膜17に覆われている活性炭粒子16は、流動的に電極層20B内を移動することができる。つまり、電極層20Bに対して外力が加わると、柔軟性を有する混合被膜17により覆われている活性炭粒子16は、電極層20B内を容易に移動することができる。
さて、電極シート100Bに対してプレス処理が施されると、図6に示すように、電極層20Cの厚さは圧縮される。当該圧縮処理により、電極シート100Cの電極層20Cの厚さL3は、電極層20Aの厚さL1よりも小さくなる。このように、電極層20Cの厚さが薄くなるのは、以下の理由による。
つまり、上述の通り、柔軟性を有する混合被膜17で覆われている活性炭粒子16は、流動的に電極層内を移動できる。したがって、プレス処理により、当該活性炭粒子16が比較的自由に電極層内を移動し、結果として図7に示すように、活性炭粒子16同士がより密着するからである。なお、当該活性炭粒子16の流動的な移動により、プレス処理が施されると、当該活性炭粒子のカサ密度は、電極層内において均一となる。
その後、電極シート100Cに対して熱処理部4における加熱・乾燥処理が施されると、図8に示すように、含浸用液2aが除去された電極層20Dを有する電極シート100Dが形成される。なお、当該加熱・乾燥処理により、図9に示すように、活性炭粒子16の位置は移動せず、混合被膜17の膜厚が減少する。したがって、電極層20Cと電極層20Dの厚さおよびカサ密度の均一性は、ほとんど変化しない(したがって、電極層20Dの厚さは、L3とほぼ同じと見なされる)。
(効果)
以上のように、本発明に係わる電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法では、電極シート100Aの電極層20Aに含浸用液2aを含浸させることにより、電極層20Bを構成する活性炭粒子16の移動を容易にさせたている。そして、電極シート100Bに対してプレス処理を施し、電極層20B内において活性炭粒子16を流動的に移動させ、当該活性炭粒子16同士が凝縮した電極層20Cを有する電極シート100Cを形成している。
つまり、含浸用液2aの含浸工程により、電極層を構成する物質の流動性を増すことができるので、当該含浸後のプレス処理により、電極層を構成する物質が容易に電極層内を移動できる。よって、当該プレス処理を施すことにより、電極層のカサ密度を向上させることができるとと共に、電極層内におけるカサ密度の分布を均一にすることができる。
したがって、上記プレス処理により、電極層20Cの厚さを電極層20Aの厚さよりも小さくできれば、電極層20Cにおけるカサ密度を、電極層20Aにおけるカサ密度よりも容易に向上させることができる。また、含浸用液2aの含浸により活性炭粒子16は流動的に移動できるので、プレス処理後の電極層20Cの膜厚およびカサ密度は、均一とすることができる。
つまり、本発明に係わる製造方法を採用することにより、電極層のカサ密度の向上と均一性(つまり、塗布型電極シートの品質を維持・向上させること)とを、両立した電極シートを提供することができる。
また、本発明の製造方法を適用することにより、厚さが400μmを超える電極層が被着された電極シートを作製したとしても、電極層のクラック・剥離は発生しない(後述する図13を用いた実験結果で確認された)。これは、電極層のカサ密度が向上したことに依るものと考えられる。
また、上述したように、含浸用液2aの含浸前の電極シート100Aにおいて、電極ペーストが完全に乾燥(または、電極ペーストの溶媒が少なくとも5重量%未満となるように、当該電極ペーストが乾燥)されていることが望ましい。
このようにすることにより、電極層と集電箔との密着性を保つことができ、結果として製造途中における、電極層の剥離、またはロールプレス3やガイドローラー等への電極層の付着を防止することができる。また、電極ペーストの溶媒と異なる液体を含浸用液2aとして用いることが可能になり、電極層に速やかに浸透して電極層を膨潤させるのに有効な液体の選択することができる。
また、電極シート100Aの両面に被着された各電極層20Aに対して、別個独立の工程で、含浸用液2aを含浸させても良い(たとえば、図10参照。図10と図1とにおいて、同じ部材には同じ符号が付されている)。図10では、電極シートの一方の面に対して、含浸用液2aの含浸−プレス処理−乾燥処理を実施した後、他方の面に対して、含浸用液2aの含浸−プレス処理−乾燥処理を実施している。
しかし、図1のように、電極シート100Aの両面に被着された各電極層20Aに対して、同時に含浸用液2aを含浸させ、その後、電極シート両面に対して同時にプレス処理を施すことにより、製造工程および本発明に係わる製造方法を実施できる製造装置の簡略化を図ることができる。
なお、図10に示すように、送り出しローラー1から集電箔を製造ラインに送り出し、塗布装置30において電極ペーストの塗布を行い(図10では、前段の塗布装置30において集電箔の一方の面における電極ペーストの塗布が行われ、後段の塗布装置30において集電箔の他方の面における電極ペーストの塗布が行われる)、各熱処理部31において当該電極ペーストを乾燥させる製造形態を採用しても良い。
また、含浸用液2aには、アルコール(蒸発温度および取り扱い性を考慮すると、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が望ましい)が含まれていることが望ましい。このように、含浸用液2aにアルコールが含まれていれば、アルコールが活性炭粒子16を濡らすので、電極層内に含浸用液2aが速やかにかつ隅々まで浸透する。したがって、電極層に含浸用液2aが浸透するまで時間を短縮することができると共に、電極層内全体における活性炭粒子の流動性を向上させることができる。
また、含浸用液2aの成分に水が含まれており、バインダーとして水溶性の増粘剤が含まれている場合には、増粘剤が水によって大きく膨張する(つまり、混合被膜17の柔軟性がより向上する。よって、活性炭粒子16の移動もより流動的となる)。ただし、含浸用液2aが電極層内部への浸透するには時間がかかる。
そこで、電極ペーストに、水を吸収して膨張する増粘剤(当該増粘剤として機能する物質も含む)を含ませ、含浸用液2aに、アルコールと水とを含ませる。これにより、当該アルコールに起因して電極層内全体に含浸用液2aが浸透するまでの時間を短縮することができる。したがって、当該含浸用液2aに含まれる水に起因した増粘剤の膨張をより速やかに実現することができる。
(各実験結果)
次に、発明者らによる本発明の効果を示す測定について説明する。
(カサ密度測定の測定対象)
発明者らは、含浸用液2aの種類を変えて、電極層20Dのカサ密度を測定した。ここで、当該測定において共通して使用される電極シート100Aは、幅300mm、厚さ30μmでロール長さ250mの高純度アルミプレーン箔の表裏に、それぞれ厚さ200μmの電極ペーストを塗布し、当該電極ペーストの乾燥後、電極層のそれぞれの厚さが105μmになった塗布型電極シートである。なお、電極ペースト塗布、乾燥した後の電極層20Aのペースト溶媒の残存量は1重量%未満であった。
また、電極ペーストの溶媒には、水のみを使用した。また、電極ペーストに添加される活性炭粒子として、平均粒子直径が15μmの水蒸気賦活炭を用いた。また、電極ペーストに添加される導電性微粒子として、アセチレンブラックを用いた。また、バインダー兼増粘剤として、電極ペーストにNaCMCを添加し、さらに、PTFEディスパージョンをバインダーとして添加した。添加量は重量比で、活性炭粒子:導電性微粒子:NaCNC:PTFE=80:10:2:8であった。また、水に対する固形物の比率は重量比で40%であった。
さて、当該実験では、含浸用液2aとして、以下のものを用いた。
サンプルS1では、上記構成の電極シート100Aに対して、水のみから成る含浸用液2aを含浸させた。サンプルS2では、上記構成の電極シート100Aに対して、50重量%エタノール水から成る含浸用液2aを含浸させた。サンプルS3では、上記構成の電極シート100Aに対して、50重量%メタノール水から成る含浸用液2aを含浸させた。サンプルS4では、上記構成の電極シート100Aに対して、エタノールのみから成る含浸用液2aを含浸させた。サンプルS5では、上記構成の電極シート100Aに対して、メタノールから成る含浸用液2aを含浸させた。
また、サンプルSaは、含浸用液2aの含浸およびプレス処理を共に実施していない試料である。また、サンプルSbは、上記構成の電極シート100Aに対する含浸用液2aの含浸を実施していない試料である。
ここで、サンプルS1ないしS5における製造条件は以下の通りであった。
図1に示したようなスプレー装置2を用いて、各サンプルの電極シート100Aに一定量の各含浸用液2aを噴霧(含浸)した。ここで、電極シート100Aに対する含浸用液2aの噴霧時間は1分間である。また、ロールプレス3に挿入する電極シート100Bの速度を1m/分に設定した。また、各含浸用液2aを噴霧(含浸)してからロールプレス3に侵入するまでの距離は1mである。また、ロールプレス3の面圧を線圧で400kg/cmとした。なお、サンプルSbのプレス条件は上記の条件と同じである。
なお、送り出しロール1に巻かれている250mの各電極シート100Aのうち、前後10mずつを除いた230mに電極層が両面被着されている。また、5mほど間隔をおいて、それぞれおよそ20mずつ含浸用液2aが噴霧(含浸)されている。
含浸用液2aの交換は、5分間の間に行った。また、熱処理部4の長さは2mで、前半の1mの乾燥温度は85℃、後半1mの乾燥時間は100℃に設定した。乾燥処理時間は合わせて2分間であった。
(カサ密度の測定結果)
上記条件において作成されたサンプルS1−S5およびサンプルSa,Sbに対して、電極層20Dのカサ密度を測定した。なお、当該カサ密度の測定は、以下の要領で実施した。
つまり、各サンプルS1−S5,Sa,Sbにおいて、カサ密度測定のために電極シートを切り出し、当該切り出した電極シートを、当該電極シートの幅方向に二等分した。そして、電極シートの表面の一方側(表面右側と称する)の電極層のカサ密度、電極シートの表面の他方側(表面左側と称する)の電極層のカサ密度、電極シートの裏面の一方側(裏面右側と称する)の電極層のカサ密度、および電極シートの裏面の他方側(裏面左側と称する)の電極層のカサ密度を、各サンプルS1−S5,Sa,Sb毎に測定した。
上記から分かるように、各サンプル毎に、電極シートの4箇所(表面右側、表面左側、裏面右側、裏面左側)のカサ密度を測定した。
表面の電極層のカサ密度を測定する場合には、以下の手順で行った。
まず、集電箔の裏面の電極層を剥がし、集電箔の表面に電極層が被着されている状態で、集電箔を含めた厚さおよび集電箔を含めた重量を測定する。そして、当該測定結果から集電箔の厚さと集電箔の重量を差し引くことにより、集電箔の表面に被着されている電極層の厚さおよび重量を導出する。そして、当該導出された電極層の厚さおよび重量を用いて、表面の電極層のカサ密度を測定した。
また、裏面の電極層のカサ密度を測定する場合には、以下の手順で行った。
まず、集電箔の表面の電極層を剥がし、集電箔の裏面に電極層が被着されている状態で、集電箔を含めた厚さおよび集電箔を含めた重量を測定する。そして、当該測定結果から集電箔の厚さと集電箔の重量を差し引くことにより、集電箔の裏面に被着されている電極層の厚さおよび重量を導出する。そして、当該導出された電極層の厚さおよび重量を用いて、裏面の電極層のカサ密度を測定した。
各サンプルS1−S5,Sa,Sbの電極層のカサ密度の測定結果を、図11に示す。
図11には、各サンプルS1−S5,Sa,Sb毎に、表面右側、表面左側、裏面右側、および裏面左側の電極層のカサ密度の測定結果が示されている。なお、図11に示されている各棒グラフ値は、5つの試料の平均値である。
サンプルSaのカサ密度で、右側よりも左側の方が、また表側よりも裏側の方が、カサ密度が高くなっている。これは、電極ペーストの塗布時や乾燥時の条件のばらつきによるものである。
また、図11においてサンプルSbの各カサ密度の測定結果を見ると、含浸用液2aを含浸せずにプレス処理をした場合には、カサ密度が上昇しているが、右側と左側、表側と裏側のカサ密度のばらつきは大きい(つまり、電極層内においてカサ密度は不均一である)。
これに対して、サンプルS1−S5のいずれの場合も、サンプルSaの場合と比較して、電極層のカサ密度が大きく上昇すると共に、サンプルSbの場合と比較して、電極層の位置によるカサ密度のばらつきも小さくすることができる(つまり、電極層のカサ密度は、サンプルS1−S5の方が、サンプルSbよりも均一である)。
また、サンプルS1の場合には(つまり、水のみが含まれている含浸用液2aを電極層に含浸させた場合には)、サンプルS4,S5の場合よりも(つまり、アルコールのみが含まれている含浸用液2aを電極層に含浸させた場合よりも)、カサ密度上昇の効果が大きかった。
これはアルコールが増粘剤であるNaCMCにあまり吸収されず、膨潤が小さかったためである(つまり、混合被膜17の膨張が小さく、活性炭粒子16の流動性が低かったためである)。一方、サンプルS1では、水により増粘剤が膨張し、混合被膜17の柔軟性を増すことができ、結果として活性炭粒子16の流動性が向上している。したがって、図11の結果が得られたと考えられる。
また、サンプルS2,S3の場合には(つまり、アルコールと水とが含まれている含浸用液2aを電極層に含浸させた場合には)、サンプルS4,S5の場合よりも(つまり、アルコールのみが含まれている含浸用液2aを電極層に含浸させた場合よりも)、カサ密度上昇およびカサ密度の均一性効果が大きいことが分かる。
これは、アルコールに起因して含浸用液2aが速やかにかつ隅々まで電極層内に含浸し、水に起因して含浸用液2aが活性炭粒子16の流動性をより向上させたからである。
なお、含浸用液2aを含浸した後の電極層の厚さを測定した。結果、サンプルS2における電極層の膨潤が最も大きく、膨潤前の電極層の厚さが105μmであるのに対して、113μmにまで膨潤した。
(静電容量・内部抵抗測定の測定対象)
サンプルS1−S5,Sa,Sbの各電極シート100Dにおいて、裏面左側の部分を切り出した。そして、当該取り出した各電極シート100Dの電極層が塗布されていないアルミプレーン箔部分を電流端子として用いて、これに連続する30mm×30mmの大きさの電極層を切断した。そして当該切断したものを、150℃で24時間真空乾燥した後、セルロース系の厚さ35μmのセパレータに挟み、4級アンモニウム塩を電解質、プロピレンカーボネートを電解液として添加し、アルミラミネート容器に収納して封止した。
これにより、各サンプルS1−S5、Sa,Sbから構成された各キャパシタセルが、簡易的に作成された。当該作成された各キャパシタセルにおける、温度25℃、電圧2.7Vでの充放電特性を調べることで、当該各キャパシタセルの静電容量および内部抵抗を測定した。
なお、サンプルS1を用いて作成されたキャパシタセルを、キャパシタセルC1とする。また、サンプルS2を用いて作成されたキャパシタセルを、キャパシタセルC2とする。また、サンプルS3を用いて作成されたキャパシタセルを、キャパシタセルC3とする。また、サンプルS4を用いて作成されたキャパシタセルを、キャパシタセルC4とする。また、サンプルS5を用いて作成されたキャパシタセルを、キャパシタセルC5とする。
また、サンプルSaを用いて作成されたキャパシタセルを、キャパシタセルCaとする。また、サンプルSbを用いて作成されたキャパシタセルを、キャパシタセルCbとする。
(静電容量および内部抵抗の測定結果)
図12は、各キャパシタセルC1−C5,Ca,Cbの静電容量および内部抵抗の測定結果を示す図である。
キャパシタセルC1−C5の静電容量が、キャパシタセルCa,Cbの静電容量よりも高いことが、図12から分かる。また、キャパシタセルC1−C5の内部抵抗が、キャパシタセルCa,Cbの内部抵抗よりも低いことが、図12から分かる。
つまり、本発明に係わる製造方法により作成された電極シート(つまり、電極層のカサ密度が高い電極シート)を用いてキャパシタセルを作成すると、当該キャパシタセルの性能が向上することが分かる。特に、キャパシタセルC2の場合に(つまり、エタノールと水とを含む含浸用液2aを採用した場合に)、最も高い静電容量と最も低い内部抵抗が得られた(当該キャパシタセルC2は、最も電極層の膨潤が大きいサンプルS2を用いて作成されたキャパシタセルである)。
このように、キャパシタセルの性能向上効果が得られたのは、電極層のカサ密度の上昇に伴って、活性炭粒子16と導電性微粒子との接触が密になり、遊離している活性炭粒子16が減少したためである。
(電極層の剥離・クラックの確認実験)
また、発明者らは、本発明に係わる製造方法により作成された電極シートを用いて、電極層の剥離・クラック等の有無を確認した。
図13は、電極層の剥離・クラックの有無を確認するための実験装置である。図1と異なり、図13の装置では、集電箔の片面にのみ電極層が被着される。また、図13は、図1と異なり、送り出しローラー1には集電箔が巻かれており、当該集電箔の片面に電極ペーストを塗布するための塗布装置30および、当該電極ペーストを乾燥させるための熱処理部31が設けられている。
したがって、図13に係わる装置では、まず、送り出しローラー1から集電箔10を製造ラインに送り出す。その後、塗布装置30において、集電箔10の片面に電極ペーストの塗布を行う。その後、熱処理部31において当該電極ペーストを乾燥させる。その後、スプレー装置2を用いて、電極シートの片面に被着された電極層に対して、含浸用液2aを噴霧(含浸)させる。その後、ロールプレス3を用いて、電極シートに対してプレス処理を施す。その後、熱処理部4において、含浸用液2aの加熱乾燥処理が実施される。その後、電極シートは、巻き取りローラー5に巻き取られる。
当該実験装置において、電極シートが巻き取りローラー5に巻き取られる際に、電極層の剥離・クラックが発生するか否かを確認した。
以下、本実験(電極層の剥離・クラック発生の有無確認実験)の詳細について、説明する。
当該実験では、幅300mm、厚さ30μmでロール長さ250mの高純度アルミプレーン箔を、導電箔10として用いた。また、電極ペーストの溶媒には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を採用し、活性炭粒子16として、平均粒子直径が15μmの水蒸気賦活炭を用い、導電性微粒子にアセチレンブラックを用い、NMPに溶解した12%濃度のポリフッ化ビニリデン(PVDF)をバインダーとして用いた。添加量は重量比で、活性炭粒子:導電性微粒子:PVDF=8:1:1であった。また、NMPに対する固形物の比率は重量比で30%であった。
また、塗布装置30として、リバースロールコータを用い、コンマロールとバッキングロールの回転比を3にして、ウェットでの塗布厚さを1mmとした。熱処理部31の長さは2mで、前半1mの温度設定を90℃、後半1mの温度設定を120℃にして、電極ペーストの溶媒であるNMPを乾燥除去した。
また、含浸用液2aにはメタノールを用い、熱処理部4の前半1mを85℃、後半1mを100℃に設定して、0.5m/分の速度で、片面に電極層が被着された導電箔10を流した。含浸用液2aがスプレー噴霧されて、ロールプレス3にかけられるまでの時間は2分間である。ロールプレスの面圧を線圧で400kg/cmとした。
上記実験装置および条件の下、集電箔10の片面に120mに渡って電極層を設けた後、一度電極シートを巻き取りローラー5に巻き取る。その後、当該巻き取られた電極シートの表面状態を観察すると共に、電極層の厚さの測定を実施した。
結果、120mに渡って電極層の厚さは405μmであった(プラスマイナス5ミクロン以内の誤差はあった)。また、当該電極層にはクラックの発生や剥離は一切見られなかった。
なお、本発明を適用せずに(つまり、含浸用液2aの含浸処理を施さないで)、仕上がり電極層の膜厚を厚くすると(たとえば、仕上がり時の膜厚が200μm以上となると)、当該巻き取りローラー5における電極シートの巻き取り時に、電極層の剥離・クラックが発生した。
以上により、本発明の製造方法を適用することにより、厚さが400μmを超える電極層が被着された電極シートを作製したとしても、電極層の欠陥が発生しないことが確認できた。このように、電極シートの巻き取りの際に電極層の剥離等が発生しなかったのは、電極層のカサ密度が向上したからだと考えられる。
また、図10に示した装置を用いて、上記と同様電極シートの巻き取り時に、電極層の剥離・クラックが発生するか否かの確認実験を行った。結果、厚さが400μmを超える電極層が集電箔の両面に被着された電極シートを作製したとしても、当該電極シートの巻き取りの際に集電箔の両面に形成された電極層の欠陥が発生しないことが確認できた。
(平板プレスを用いた本発明の効果の確認実験)
増粘剤を含む電極ペーストを塗布・乾燥した後の平板の電極シートに対して、アルコールと水の混合液を含浸用液2aとして噴霧(含浸)し、平板プレスを用いてプレス処理を実施して、平板プレスを用いた場合の本発明の効果(電極層のカサ密度向上効果)を確認する実験を行った。
なお、電極ペーストの塗布・乾燥後の平板の電極シートの電極層において、当該電極ペーストの溶媒(水)の残存量をカールフィッシャーの水分計で測定した。結果、当該実験では、当該溶媒(水)の残存量値は0.1%未満であった。
なお、当該実験では、含浸用液2aの種類(サンプルS10,S11,S12)を変化させて、平板プレス圧力の影響を調べた。なお、含浸用液2aを含浸させない(サンプルS13)の場合における、平板プレス圧力の影響も調べた。ここで、平板プレスには、手動式の50tプレスを用いた。
まず、厚さ30ミクロンのアルミプレーン箔に対して、「電極層の剥離・クラックの確認実験」の際に用いた電極ペーストを塗布し、電極ペースト乾燥後の厚さが120ミクロンで30mm×30mmの電極シートを用意した。
当該電極シートに、エタノール50重量%+水50重量%から成る含浸用液2aを含浸させたものが、サンプルS10である。また、当該電極シートに、水100%から成る含浸用液2aを含浸させたものが、サンプルS11である。当該電極シートに、エタノール100%から成る含浸用液2aを含浸させたものが、サンプルS12である。
なお、含浸用液2aの含浸は、霧吹き器を使って実施した。また、プレス処理は、含浸用液2aの含浸後、2分間保持した後、厚さ8mmのアルミ板で電極シートを挟んで実施した。ここで、平板プレスの圧力を、0.6t/cm2から順番に、5t/cm2まで5段階でプレス圧力を変化させた。また、プレス圧力を変化させる度に、変化させた圧力によるプレス後の電極層のカサ密度を測定することにより、平板プレス圧力と電極層のカサ密度の関係をプロットした。当該プロットした結果を図14に示す。
なお、電極層厚さをマイクロメータを使って5カ所測定し、平均値を出して、当該平均値を用いて、電極層のカサ密度を導出した。また、プレス後の乾燥はせずに測定は室温で行った。なお、サンプルS13の場合も同様にして、プレス圧力を変化させる度に電極層厚さを測定し、これを用いて(より具体的には、上記と同様に5カ所の平均値を用いて)、電極層のカサ密度を導出し、平板プレス圧力と電極層のカサ密度の関係を測定した(図14)。
図14から分かるように、本発明を適用した場合(つまり、サンプルS10乃至S12の場合であり、含浸用液2aを電極層に含浸させ、その後プレス処理を施した場合)の方、本発明を適用しない場合(つまり、サンプルS13の場合であり、含浸用液2aの含浸を行わず、プレス処理を施した場合)よりも、電極層のカサ密度が上昇していることが分かる。
つまり、平板プレスによるプレス処理の場合も、ロールプレスによるプレス処理と同様に、本発明の効果であるカサ密度の向上を奏することができる。また、図14から分かるように、いずれのサンプルの場合も、平板プレスのプレス圧力を上げることで電極層のカサ密度が上昇した。
以上のように、ロールプレスおよび平板プレスにかかわらず、上記と同様の効果(カサ密度の向上効果)が得られた。なお、ロールプレスの場合のその他の効果(カサ密度の均一性および、電極シートの巻き取り時に生じる電極層の剥離・クラック発生抑制効果)も、平板プレスを用いた場合に得られるか否かを実験したところ、平板プレス処理を用いたプレス処理を行ったしても、当該その他の効果を奏することができた。
なお、含浸用液2aの含浸後のプレス処理の際にロールプレスを用いた場合には、連続した電極シートのプレス処理が可能となるので、より長い電極シートを連続して製造することができる(つまり、電極シートの量産に優れている)。
また、図14をさらに考察すると、サンプルS10,S11,S12(つまり、何らかの含浸用液2aを含浸させた資料)は、サンプルS13(つまり、含浸用液2aを含浸させない資料)と比較して、低いプレス圧力値の場合においても、電極層のカサ密度が上昇している。なお、最大の5t/cm2の圧力で、サンプルS10の場合が最も電極層のカサ密度が高くなった。
(含浸用液2aにアルコール+水を用いた場合の影響調べる実験)
ここでの実験では、含浸用液2aとして、エタノール水溶液およびメタノール水溶液を用いた。そして、含浸用液2aに含まれるエタノール水溶液濃度およびメタノール水溶液の濃度を変化させて、電極層のカサ密度を測定した。ここで、当該実験では、含浸用液2a含浸後のプレス処理には、手動式の50t平板プレスを用いた。
まず、厚さ30ミクロンのアルミプレーン箔に対して、「電極層の剥離・クラックの確認実験」の際に用いた電極ペースト(増粘剤も含む)を塗布し、電極ペースト乾燥後の厚さが120ミクロンで30mm×30mmの電極シートを用意した(なお、電極ペーストの塗布・乾燥後、含浸用液2a含浸前の電極シートの電極層において、当該電極ペーストの溶媒(水)の残存量をカールフィッシャーの水分計で測定した。結果、当該溶媒(水)の残存量値は0.1%未満であった。)。
当該電極シートに含浸させる含浸用液2aに含まれるアルコールとしてエタノールを用い、アルコール水溶液のエタノールの濃度を25重量%、50重量%、75重量%、100重量%としたものが、サンプルS20である。また、当該電極シートに含浸させる含浸用液2aに含まれるアルコールとしてメタノールを用い、アルコール水溶液のメタノールの濃度を25重量%、50重量%、75重量%、100重量%としたものが、サンプルS21である。
なお、含浸用液2aの含浸は、霧吹き器を使って実施した。また、プレス処理は、含浸用液2aの含浸後、2分間保持した後、厚さ8mmのアルミ板で電極シートを挟んで実施した。ここで、平板プレスの圧力は、1.8t/cm2である。また、プレス処理後、80℃で電極シートを乾燥し(含浸用液2aを除去し)、乾燥後の電極層のカサ密度を測定することにより、アルコール水溶液のアルコール濃度と電極層のカサ密度の関係をプロットした。当該プロット結果を図15に示す。
なお、電極層の厚さをマイクロメータを使って5カ所測定し、これらの平均値を出して、当該平均値を用いて電極層のカサ密度を導出した。
図15に示すように、アルコールにエタノールを用いた場合(サンプルS20の場合)には、アルコール濃度が50重量%の時に、電極層のカサ密度が最も高くなった。また、アルコールにメタノールを用いた場合(サンプルS21の場合)には、アルコール濃度が25重量%の時に、電極層のカサ密度が最も高くなった。当該カサ密度のピークの前後において、アルコール濃度が低くなるにつれて(また、高くなるにつれて)、カサ密度は減少する。
このことから、含浸用液2aがアルコール単独(アルコール濃度100%の場合)や水単独(アルコール濃度0%の場合)の場合よりも、所定の配分でアルコールと水とが混合された含浸用液2aを採用した方が、電極層のカサ密度がより向上することが判明した。これは、アルコールが活性炭粒子16内部に速やかに浸透し、水は増粘剤を膨潤させた結果、含浸用液2aが電極層内の隅々まで速やかに浸透し、電極層をより膨張せせ、柔らかくするからである。
当該実験により、水に所定の量のアルコールが含まれることで、電極層への含浸用液2aの含浸を早める効果が確かめられた。
なお、アルコール水溶液ではなく、アルコールとNMPの混合溶媒から成る含浸溶液2aを用いても、アルコール水溶液の場合と同様に、速やかに電極層内に含浸用液2aが浸透し、電極層を柔らかくすることができる。これは、アルコールが活性炭粒子16を濡らし、NMPがPVDFなどのフッ素系樹脂を濡らし膨張させるからである。
(電極ペーストにアンモニアCMCを含有した場合の効果確認実験)
電極ペーストにアンモニアCMCを含有した場合の効果を調べる実験では、実験装置として図13に示した製造装置を用いた。また、電極ペーストの溶媒には水のみを使用した。また、電極ペーストには以下の各物質が添加された。
つまり、活性炭粒子16として、平均粒子直径が15μmの水蒸気賦活炭が添加され、導電性微粒子としてアセチレンブラックが添加され、バインダー兼増粘剤機能を有する物質としてアンモニアCMCが添加された。さらに、電極ペーストには、SBRディスパージョンをバインダーとして添加した。添加量は重量比で、活性炭粒子:導電性微粒子:アンモニアCNC:SBR=80:12:4:4であった。また、水に対する固形物の比率は重量比で40%であった。
電極ペーストの塗布厚さをウェット時で600μmとし、電極ペースト塗布スピードを0.5m/分とし、熱処理部31の温度設定を前半1mが80℃、後半1mが95℃とし、含浸用液2aを50重量%のエタノール水を用い、熱処理部4の温度設定を、前半1mを90℃、後半1mを150℃に設定して、100mの連続電極ペースト塗布試験を実施し、問題なく(電極層の剥離等無く)ロール状の電極シートを得た。
当該得られた電極シートの電極層の厚さは250μmで、カサ密度を測定したところ、0.665であった。当該カサ密度は、上記サンプルS1−S5のカサ密度(図11)よりも高い。また、当該得られた電極シートを用いてキャパシタセルを作成し、キャパシタセルの性能を調べて。結果、静電容量および内部抵抗が、キャパシタセルC1−C5のものよりも向上していたことが確認できた。
このように、より電極層のカサ密度が向上するのは、熱処理部4での熱処理(たとえば熱処理温度を150℃に設定した)を施すことで、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩が、より強固なカルボキシメチルセルロースとカルバモイルメチルセルロースに転化したからと考えられる(当該転化の推測は、熱処理後の電極シートに水を含ませても膨潤しなかったことからも妥当であると解する)。
なお、熱処理部4における熱処理温度は、140℃以上、180℃未満に設定することが望ましい。これは、140℃を下回るとカルボキシメチルセルロースとカルバモイルメチルセルロースへの転化が完結せず、180℃を上回ると、活性炭粒子と反応して、CMCが分解し、キャパシタセルの性能や寿命を損なう可能性のある有機酸を発生し得るからである。
以上の各実験結果から、本発明に係わる製造方法を採用することによる、有効性と効果とが確認された。なお、含有する含浸用液2aの種類や混合比率については、バインダーや増粘剤や活性炭粒子16の種類、電極層の厚さなどに応じて調整することができる。
本発明に係わる電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法を実現するための、実験装置の一例を示す図である。 本発明の効果を説明するための電極シートの拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための電極層の拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための電極シートの拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための電極層の拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための電極シートの拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための電極層の拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための電極シートの拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための電極層の拡大断面図である。 本発明に係わる電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法を実現するための、実験装置の他の構成を示す図である。 カサ密度の向上およびカサ密度の均一性を説明する実験結果を示す図である。 本発明に係わる製造方法を採用することにより、キャパシタセルの性能が向上することを示す図である。 電極シートの巻き取りの際に発生し得る、電極層の剥離・クラックの有無を調べるための実験装置そ示す図である。 平板プレスを用いたプレス圧力とカサ密度との関係を示す図である。 アルコール水溶液のアルコール濃度とカサ密度との関係を示す図である。
符号の説明
1 送り出しローラー、2 スプレー装置、2a 含浸用液、3 ロールプレス、4,31 熱処理部、5 巻き取りローラー、10 集電箔、16 活性炭粒子、17 混合被膜、20A,20B,20C,20D 電極層、30 塗布装置、100A,100B,100C,100D 電極シート。

Claims (6)

  1. (A)集電箔に水を吸収して膨張する増粘剤を含んだ電極層が被着された電極シートを形成する工程と、
    (B)前記電極層に対して、水およびアルコールが含まれた所定の液を含ませる工程と、
    (C)前記工程(B)の後に、前記電極シートに対してプレス処理を施す工程と、
    (D)前記工程(C)の後に、前記電極シートに対して加熱処理を施す工程と、を備える、
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法。
  2. 前記工程(A)は、
    (A−1)前記集電箔の上に電極ペーストを塗布する工程と、
    (A−2)前記電極ペーストに対して加熱処理を施し、前記電極ペーストの溶媒が少なくとも5重量%未満となるように前記電極ペーストを乾燥させることにより、前記集電箔上に前記電極層を被着する工程と、を備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法。
  3. 前記工程(C)は、
    ロールプレスを用いて、前記電極シートに対してプレス処理を施す工程である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法。
  4. 前記工程(A)は、
    前記集電箔の両面に前記電極層が被着された前記電極シートを形成する工程であり、
    前記工程(B)は、
    前記電極シートの両面に被着された各前記電極層に対して、同時に、前記所定の液を含ませる工程であり、
    前記工程(C)は、
    前記電極シートの両面に対して、同時に、プレス処理を施す工程である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法。
  5. 前記工程(A−1)における前記電極ペーストは、
    カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩を含んでいる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法。
  6. 前記工程(D)は、
    140℃以上180℃未満の加熱処理を施す工程である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタの塗布型電極シートの製造方法。
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