JP4715584B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置等に用いられ、発光ダイオード(LED)等の光源から放射状に照射された光をレンズにより屈折させて集光し、所定方向に照射する発光装置に関する。
近年、道路や自動車等の表示装置等には、一般的なフィラメントランプの他、LED等を備えた発光装置が用いられている。このような表示装置等に用いられる発光装置において、LED等の光源から照射される光は、使用用途に応じた所定の方向にのみ照射されればよい。しかし、通常、光源からの光は、放射状に放射されることから、LED等の光源から照射された光を有効に利用するため、従来から、特許文献1又は特許文献2に示されるように、LED等から照射された光を集光して所定の方向へ放射するレンズを備えた発光装置が知られている。
ここで、一般的な単一の光源を備えた発光装置の構成について、図5(a)(b)を参照して説明する。単一の光源を有する発光装置101は、LED102を配設した基板103とLED102から出射された光を所定角度に屈折させるためのコリメート(集光)用のレンズであって、レンズの入射側面に凹面144が形成されたハイブリッドレンズ104とから構成される。例えば、図5(b)の実線矢印L1に示されるように、LED102から放射された光は、ハイブリッドレンズ104の凹面144に入射する際に1次屈折し、レンズの外郭面143の内表面で2次屈折した後に、ハイブリッドレンズ104の出射面141からレンズ外に出射される。また、発光装置101は、ハイブリッドレンズ104自体の形状や屈折率等の調節をすることで、ハイブリッドレンズ104に入射した光を所定の方向へ出射させる。
また、道路や自動車等の表示装置等に用いられる発光装置は、例えば、特許文献1又は特許文献2に示されるように、複数の光源を備えたものが知られる。これは、図6に示される発光装置111のように、基板103上に、複数のLED102が所定間隔で配置され、それらの上部に各々、ハイブリッドレンズ104の凹面144が配置されるようにするために、複数のハイブリッドレンズ104の外郭面143の上部を外方へと延出して架橋することにより、ハイブリッドレンズ104を所定の位置に決定し、支持させたものである。
特開2003−281909号公報 特開昭60−130001号公報
上記の単一の光源を有する発光装置101では、例えば、図5(b)の点線矢印L2に示されるように、ハイブリッドレンズ104の凹面144で一次屈折し、レンズの外郭面143の内表面上部へと向かう光は、外郭面143とこれに接する材料(ここでは空気)との屈折率の差により、外郭面143の内表面で全反射してレンズ上面の出射面141から出射される。
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に示される発光装置のように、複数のハイブリッドレンズ104の外郭面143の上部を、レンズ中心から外方へと延出して架橋されたものでは、この架橋した部分の材質がハイブリッドレンズ104と同じ材質である場合には、屈折率の差がないため、図6の点線矢印L2のように、レンズの外郭面143の内表面上部へと向かう光が、出射面141からは出射されない。そのため、特許文献1又は特許文献2に示される構成のレンズを有する発光装置では、必ずしも十分な輝度を得られないことがあった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、複数のハイブリッドレンズの外郭面の上部がレンズ中心から外方へ延出して架橋された構成を有する発光装置において、光源から放射され、レンズ内に入射した光のうち、レンズの外郭面の内表面上部に到達した光をも有効に集光して、十分な輝度が得られる発光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の光源と、前記光源が搭載された基板と、前記基板の法線を軸とした大底面と小底面とを有する回転体の外郭を成して、小底面に設けられた凹面が前記光源から出射される光の入射面となり、該光を屈折させて所定方向へ放射させる第1の光学部材と、前記基板上に配列された前記複数の光源の配置に合わせて複数の前記第1の光学部材の位置を決定し、これらを支持するため、前記第1の光学部材の少なくとも外郭面上部に対向すると共に、該外郭面上部より外方に延出して成る第2の光学部材と、を有する発光装置であって、前記第1の光学部材の外郭面における前記第2の光学部材と対向する面が反射面であるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発光装置において、前記反射面は、前記第1の光学部材の外郭面と前記第1の光学部材の屈折率よりも小さな屈折率の材質とが接することにより構成されるものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発光装置において、前記反射面は、前記第1の光学部材の外郭面と空気層とが接することにより構成されるものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光装置において、前記第2の光学部材は、前記第1の光学部材の大底面の外周辺より外方に延出して前記第1の光学部材に接する接触部分と、前記反射面により仕切られて前記第1の光学部材に接しない非接触部分と、を有し、前記接触部分は、第1の光学部材と一体となっているものである。
請求項1の発明によれば、第1の光学部材の外郭面の内表面上部へと到達した光は、反射面により反射されて、大底面に略直交する方向に照射されるので、有効光として利用可能な光が増え、発光装置として十分な輝度を得ることができる。
請求項2の発明によれば、第1の光学部材よりも屈折率が小さい、例えば、ポリエチレン樹脂等の透光性樹脂から成る第2の光学部材を第1の光学部材の外郭面に接するように設置することにより、反射面を構成することができるので、第1の光学部材の外郭面に金属を蒸着させる等の方法よりも安価に反射面を構成することができる。
請求項3の発明によれば、反射面は第1の光学部材の外郭面と空気層とが接することにより構成されるので、安価に反射面を構成することができ、発光装置全体としての生産コストも抑制することができる。
請求項4の発明によれば、第1の光学部材と接する接触部分及び接しない非接触部分を形成して成る第2の光学部材を第1の光学部材の大底面の外周辺の上から嵌合させることにより、第1の光学部材と第2の光学部材の接触部分とを一体化させ、第1の光学部材と第2の光学部材の非接触部分との間に、隙間、すなわち反射面を形成することができるので、発光装置の生産コストを更に抑制することができると共に、第1の光学部材の位置決め、支持を的確に行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る発光装置1について、図1(a)(b)を参照して説明する。本実施形態の発光装置1は、光を発散する光源2と、光源2が搭載された基板3と、光源2から出射される光を屈折させて所定方向へと放射させる第1の光学部材4と、第1の光学部材4の外郭面43の上部に接すると共に、その外郭面43の上部より外方に延出して成り、基板3上に隣接して配列された複数の光源2の配置に合わせて第1の光学部材4の位置を決定し、支持させる第2の光学部材5と、を備えている。以下、各構成要素を詳細に説明する。
光源2には、汎用の発光ダイオード(LED)が用いられ、例えば、青色LEDと、380nm〜480nmの波長帯域の光を480nm〜780nmの光へ変換するYAG(Yttrium Aluminium Garnet)系蛍光体やBOS(Barium ortho−Silicate)系蛍光体等を含むシートと、を組み合わせた白色LEDが用いられる。また、本実施形態においては、上記の白色LEDに限らず、可視光を発生させ、発光装置1の全体の容量と比較して十分に小さければよく、例えば、小型白熱灯、小型のハロゲン電球等も使用可能である。また、光源2の発光面の形状についても、特に制限は無い。
基板3は、汎用のプリント基板であり、寸法安定性に優れ、反りやねじれ等のバラツキの少ない基板が用いられる。基板3の材料としては、例えば、ガラスクロス(布)を重ねたものにエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板等が用いられる。また、基板3の裏には、光源2から発せられる熱を効率よく放熱するため、銅等の放熱性の良い材料が用いられた適宜のヒートシング等(図示せず)が装着される。一般に、光源2は基板3上に電気的に通電するようにはんだ付けされるが、例えば、接着剤等によって固定されてもよい。なお、図1(a)(b)は、基板3上に単一の光源2が配置された発光装置1を示しているが、本実施形態においては、発光装置1の使用用途に応じて、複数の光源2が縦横マトリクス状や放射状や環状に配置されればよい。
第1の光学部材4は、基本的にはハイブリッドレンズが用いられ、基板3の法線を軸とした大底面41と小底面42とを有する回転体の外郭面43を成して、小底面42に設けられた凹面44が光源2から出射される光の入射面となり、この光を外郭面43の内表面で屈折させて所定方向へ放射させるものである。第1の光学部材4は、基板3に対して、近接又はその上部に搭載されるように設置され、基板3上に固定されている複数の光源2の各々を凹面44が覆うように設置される。第1の光学部材4の材料には、アクリル樹脂、ポリカーボネート又はガラス等の透明性のある材料が用いられる。また、第1の光学部材4は、一般的には射出成形法により製造されるが、切削により製造されることもある。
上記の大底面41の形状は、図1(a)(b)では平面を示しているが、その他、凹面、凸面等があり、要求される配光により適宜、決定される。また、大底面41には、照射面における照射ムラを回避するため、拡散処理(例えば、サンドブラスト処理等)が施される場合もある。
上記の小底面42のうち、凹面44は、光源2に対面する入射前面46と、光源2の側面に対向した入射円錐面47と、から成る。入射前面46は、光源2から放射された光を、直接的に大底面41へ導くものである。また、入射前面46の形状は、平面、凹面、凸面その他があり、要求される配光により、適宜、決定される。入射円錐面47は、光源2から放射された光を、屈折により全反射させた後に大底面41へ導くものである。光源2から放射され、入射前面46又は入射円錐面47から第1の光学部材4内に進入し大底面41へと導かれる光を図1(b)の実線矢印L1に示している。
第2の光学部材5は、複数の第1の光学部材4の各々を架橋して連結させるものであって、基板3上に所定間隔で配列された複数の光源2の配置に合わせて、それらの上方に、第1の光学部材が基板3に対して近接又は搭載されるように、その位置を決定し、支持するものである。第2の光学部材5は、第1の光学部材4の外郭面43の上部に対向しており、外郭面43の上部から、レンズ中心より外方に延出することにより成る。第2の光学部材5の材料は、必ずしも第1の光学部材と同じ材料である必要はなく、光を通さない不透過材質でもよい。また、第2の光学部材5は、第2の光学部材5を更に外側に延長して、その先を固定することにより支持される。なお、第1の光学部材4と第2の光学部材5とは接着剤6により固定される。
上記の第1の光学部材4と第2の光学部材5とが接していて、互いに同じ屈折率の材質から成るものであれば、図6において示す点線矢印L2と同様、第1の光学部材4の中に導かれてきた光の一部が、第1の光学部材4と第2の光学部材5とが交差する面で屈折することなく第2の光学部材5中に入進し、所定の方向へ制御されず迷光となって喪失されたり、所定の方向とは異なる角度に光が出射され、使用者にまぶしさを感じさせるような場合がある。
しかし、第1の光学部材4と第2の光学部材5とが接していて、互いに異なる屈折率の材質から成るものであれば、これらの屈折率の差によって、第1の光学部材4と第2の光学部材5とが交差する面が、この面に到達した光の反射面40となる。これにより、図1(b)の点線矢印L2に示されるように、第1の光学部材4中に導かれてきた光の一部が、この反射面40で屈折して、大底面41に略直行する方向に照射される。なお、本実施形態では、例えば、第1の光学部材4にはアクリル樹脂が、第2の光学部材5には第1の光学部材4よりも屈折率の低いポリエチレン樹脂が用いられる。これにより、反射面40に到達した光を、大底面41に略直行する方向へと屈折させることができる。
上記構成の発光装置1は、第1の光学部材4の外郭面43の上部外方へと到達した光が、反射面40により反射されて、大底面41に略直交する方向に照射されるため、反射面40が構成されていないときには利用されなかった光をも有効光とすることができ、発光装置としての十分な輝度を得られる。また、反射面40は、第1の光学部材4の外郭面43と、第1の光学部材4よりも屈折率が低く、安価な材質から成る第2の光学部材5と、を接触させることにより構成することができ、第1の光学部材4の外郭面43に金属を蒸着させる等の方法よりも安価に反射面を構成することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る発光装置1について、図2を参照して説明する。本実施形態の発光装置1は、上記第1の実施形態における第1の光学部材4の外郭面43と第2の光学部材5との間に若干の隙間を設け、この隙間に空気層7が形成されたものである。第1の光学部材4と空気層7との屈折率の差によって、第1の光学部材4の外郭面43と空気層7の接する面が反射面40となり、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、反射面40を構成するために空気を用いたことにより、生産コストを抑制することができる。なお、上記の隙間にエアロゲルを充填して、第1の光学部材4の外郭面43と第2の光学部材5との間に真空層を形成することにより反射面40を構成することもできる。
また、上記第2の実施形態に係る発光装置1の変形例について、図3を参照して説明する。この変形例は、上記第2の実施形態において、第1の光学部材4の外郭面43と第2の光学部材5との間に設けられた隙間に、第1の光学部材4又は第2の光学部材5とは別の部材8(別部材という)を挟み込んだものである。この別部材8の表面が、光の波長以上の荒さを有していれば、上記の空気層7と同様に、十分な反射が起き、第1の光学部材4の外郭面43と別部材8の接する面が反射面40となり、上記と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る発光装置1について、図4を参照して説明する。本実施形態の発光装置1は、上記第1及び第2の実施形態における第2の光学部材5を第1の光学部材4の大底面41の外周辺から延出して、第1の光学部材4の大底面41の外周辺と接触する接触部分51と、反射面40により仕切られて第1の光学部材4には接触しない非接触部分52と、を有し、接触部分51は、第1の光学部材4と一体となっているものである。
上記構成の発光装置1は、第1の光学部材と接する部分51(接触部分という)及び接しない部分52(非接触部分という)を形成して成る第2の光学部材5を第1の光学部材4の大底面41の外周辺の上から嵌合させることにより、第1の光学部材4と第2の光学部材5の接触部分51とを一体化させて形成することができる。そのため、第1の光学部材4と第2の光学部材5の非接触部分52の間に隙間、すなわち反射面40が形成され、かつ、第1の光学部材4の位置決め、支持を的確に行うことができる。また、第1の光学部材4と第2の光学部材5との固定及び反射面40の作成を同時に行うことができ、発光装置1全体の生産コストを更に抑制することができる。
本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上記第2の実施形態において、第1の光学部材4と第2の光学部材5との間に挟み込まれる別部材8が接着性の樹脂であって、上記の接着剤6を用いることなく第1の光学部材4と第2の光学部材5とを固定してもよい。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る発光装置の斜視図、(b)は同装置の断面図。 本発明の第2の実施形態に係る発光装置における第1の光学部材と第2の光学部材とが交差する部分の拡大断面図。 同上発光装置の変形例を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る発光装置における第1の光学部材と第2の光学部材とが交差する部分の拡大断面図。 (a)は従来の単一の光源を備えた発光装置の斜視図、(b)は同装置の断面図。 従来の複数の光源を備えた発光装置の断面図。
符号の説明
1 発光装置
2 光源
3 基板
4 第1の光学部材
40 反射面
41 大底面
42 小底面
43 外郭面
44 凹面
5 第2の光学部材
51 接触部分
52 非接触部分
7 空気層
8 別部材

Claims (4)

  1. 複数の光源と、前記光源が搭載された基板と、前記基板の法線を軸とした大底面と小底面とを有する回転体の外郭を成して、小底面に設けられた凹面が前記光源から出射される光の入射面となり、該光を屈折させて所定方向へ放射させる第1の光学部材と、前記基板上に配列された前記複数の光源の配置に合わせて複数の前記第1の光学部材の位置を決定し、これらを支持するため、前記第1の光学部材の少なくとも外郭面上部に対向すると共に、該外郭面上部より外方に延出して成る第2の光学部材と、を有する発光装置であって、
    前記第1の光学部材の外郭面における前記第2の光学部材と対向する面が反射面であることを特徴とする発光装置。
  2. 前記反射面は、前記第1の光学部材の外郭面と前記第1の光学部材の屈折率よりも小さな屈折率の材質とが接することにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記反射面は、前記第1の光学部材の外郭面と空気層とが接することにより構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記第2の光学部材は、前記第1の光学部材の大底面の外周辺より外方に延出して前記第1の光学部材に接する接触部分と、前記反射面により仕切られて前記第1の光学部材に接しない非接触部分と、を有し、
    前記接触部分は、第1の光学部材と一体となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光装置。
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