JP4701992B2 - 結束機のドライバ調整機構 - Google Patents

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Description

本発明は、U字状の差込みクリップとその受けクリップとの間に食品等をビニール袋などに詰めた被結束物を結束する結束機において、上記差込みクリップの脚部の受けクリップに対する差し込み深さを調整する結束機のドライバ調整機構に関する。
漬物などの水物やソーセージ等の食品を樹脂製の袋に詰め、その袋口をU字状の金属製ステープルを巻きまわすことによって結束することはよく知られている。ところが、金属製ステープルは分別して廃棄するのが面倒であり、製造ラインで食品に金属が混入しているかどうかを検出する場合、金属検知器を使用することが考えられるが、金属検知器がステープルに反応してしまい、食品に混入した金属を検出することが困難であった。
このような不都合を解消するため、U字状の差込みクリップと脚部に対応する2つの穴を有する受けクリップとからなる合成樹脂製結束具によって被結束物を結束する結束機が知られている(特許文献1参照)。
この結束機は、工具本体に設けたシリンダに摺動自在に収納されたピストンのピストンロッドをジョイントブロックを介してドライバに連結し、上記ドライバによって2本の脚部を有する合成樹脂製のU字状差込みクリップを押し出し、該差込みクリップの押し出し方向の先に配置された上記脚部に対応する2つの穴を有する合成樹脂製の受けクリップに向けて押し出し、該差込みクリップの2本の脚部の間に非結束物の袋口を挟んだ状態で受けクリップの穴に圧入することにより、非結束物を結束するものである。なお、ピストンロッドの先端にはネジが切られ、このネジをスライドブロックにねじ込んで固定していた。
このような合成樹脂製結束具による結束方式によれば、食品に混入した金属の探知も容易確実に行なうことができ、分別も問題がないというメリットがある。
ところが、2ピースによる結束具で結束する場合、被結束物の袋のサイズ(袋幅、フィルムの厚み)、材質(硬さ)等に応じてドライバの出量を調整する必要がある。つまり、差込みクリップの脚部の受けクリップに対する圧入の深さの程度に応じ、浅くすれば結束具の内側にできる空間は大きく、深くすれば上記空間は小さくなる。したがって、被結束物の袋のサイズ、材質などの種類に応じて差込みクリップの脚部の受けクリップに対する圧入の深さも調整しなければならない。そのため、大小さまざまな袋を結束する作業では、その都度カバーを取り外し、工具でピストンロッドを回転させてドライバの出量を調整し、この調整作業によって袋を留める結束具の収束率を変え、適切な結束力が得られるようにしていた。
特開2004−26289公報
しかしながら、上記のような作業はわずらわしく、また大まかな回転角度で行なうため、2度、3度と微調整を繰り返す場合もあり、非効率なものであった。
本発明は上記問題点を解消し、簡単かつ確実にドライバの出量を調整することができる結束機のドライバ調整機構を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、工具本体に設けたシリンダに摺動自在に収納されたピストンのピストンロッドをジョイントブロックを介してドライバに連結し、上記ドライバによって2本の脚部を有する合成樹脂製のU字状差込みクリップを押し出し、該差込みクリップの押し出し方向の先に配置された上記脚部に対応する2つの穴を有する合成樹脂製の受けクリップに向けて押し出し、該差込みクリップの2本の脚部の間に非結束物を挟んだ状態で上記脚部を受けクリップの穴に圧入固定する結束機において、
上記ジョイントブロックの内部には上記ピストンロッドの中心と直交する面に沿って回転操作可能なダイヤル円板を配置し、このダイヤル円板のドライバ側の面に互いに高さが異なる複数の係合面を形成し、上記ドライバの端部を上記各係合面に選択的に係合可能としたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、上記ダイヤル円板とジョイントブロックとの間にはクリック機構を設けたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、上記ダイヤル円板の表面には、上記係合面に対応する番号を表示し、上記番号を外部から視認可能としたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、ジョイントブロックの内部にはピストンロッドの中心と直交する面に沿って回転操作可能なダイヤル円板を配置し、このダイヤル円板のドライバ側の面に互いに高さが異なる複数の係合面を形成し、ドライバの端部を上記各係合面に選択的に係合可能としたので、被結束物の種類に応じて差込みクリップの脚部の受けクリップに対する圧入の深さも調整することができ、これにより、最適な結束が得られる。そして、上記深さ調整は、事前に各収納袋に適した結束力が得られるダイヤル番号を調べておくことで、作業者はダイヤル円板を回転させるだけで容易、確実に最適な調整を行なうことができる。また、事前の確認もダイヤル番号を順次変化させて結束力を確認するだけなので、簡単に最適位置を知ることができる。
請求項2に係る発明によれば、ダイヤル円板とジョイントブロックとの間にはクリック機構を設けたので、外から見なくても係合面毎の移動を感覚的に知ることができる。
請求項3に係る発明によれば、ダイヤル円板の表面には、上記係合面に対応する番号を表示し、上記番号を外部から視認可能としたので、容易かつ正確に調整することができる。
図1は結束機の要部の平面図、図2および図3はそれぞれ図1のA−A線およびB−B線上の要部の断面図である。これらの図において符号1は工具本体を示す。工具本体1の後部にはピストン・シリンダ機構が設けられ、シリンダ2に摺動自在に収納されたピストン3の前部にはピストンロッド4が一体に結合されている。ピストンロッド4はシリンダ2を貫通し、ジョイントブロック5を介してドライバ6に連結されている。ドライバ6の前端面には、結束具の係合部7が突出形成されている。
上記ドライバ6の前部延長上には、結束具8が配置されている。結束具8はポリカーボネート、ABS、PET等の合成樹脂製で、図4(a)(b)に示されるように、2本の脚部9を有するU字状差込みクリップ8aと上記脚部9に対応する2つの穴10を有する受けクリップ8bとから構成され、ドライバ6に近い位置には差込みクリップ8aが、遠い位置には受けクリップ8bがそれぞれ配置されている。工具本体1の、差込みクリップ8aと受けクリップ8bとの間には被結束物12の袋口13の案内溝14が形成されている。案内溝14は工具本体1の側部に開口され、この開口部15は被結束物の挿入口である。これにより、ドライバ6は差込みクリップ8aを押し出し、その押し出し方向の先に差込みクリップ8aと被結束物12の袋口13と受けクリップ8bとが配置されることになる。もちろん、図示していないが、差込みクリップ8aはドライバ6に押し出されたとき適宜の案内手段(図示せず)により押し出し方向に沿って移動するように案内されるようになっている。
そこで、上記案内溝14の挿入口15から先端に袋口13を移動させ、ピストン3を作動させると、ドライバ6が前方に移動し、まずその先端の係合部7に差込みクリップ8aの後端部を係合させて押し出す。差込みクリップ8aが案内溝14を通過するとき、その脚部9の間に袋口13を捕らえ、その状態で受けクリップ8bに強く押し込まれると、図5に示されるように、差込みクリップ8aの脚部9が受けクリップ8bの穴10に圧入固定され、袋口13は差込みクリップ8aと受けクリップ8bとの間に強く挟み込まれて結束される。
ところで、上記ジョイントブロック5にはドライバ6の出量を調整する調整機構が設けられている。この調整機構は、ジョイントブロック5はピストン3側の第1のブロック5aとドライバ6側の第2のブロック5bとダイヤル円板16とによって構成されている。
第1のブロック5aと第2のブロック5bとは一体に結合され、両ブロックの間に形成された空間11にダイヤル円板16が回転自在に配置されている。第1のブロック5aにはピストン3の先端部3aが固定されている。図3に示されるように、ダイヤル円板16の回転軸17の一端は第1のブロック5aの軸受け穴18に、他端は第2のブロック5bに形成された軸受け穴19に係合している。そして、ドライバ6は図2に示されるように第2のブロック5bを上記空間11側に貫通している。ドライバ6の後部には長孔20が形成され、この長孔20には、第2のブロック5bにドライバ6の軸と直交方向に設けられた平行ピン21が挿通されている。これにより、ドライバ6は軸方向に動くことができる。また、ドライバ6の後端は上記ダイヤル円板16の側面に係合するように配置されている。
なお、ピストンロッド4とドライバ6とは同じ軸線上に配置され、ダイヤル円板16の回転軸17は上記軸線からそれた位置に配置されている。したがって、ドライバ6の係合位置はダイヤル円板16の中心から偏心した位置である。
次に、図6(a)(b)および図7に示されるように、ダイヤル円板16のドライバ6側の側面には、その周方向に互いに高さが異なる複数の係合面22(22a、22b、22c・・・)が形成されている。上記実施形態では9個の係合面22a、22b、22c・・・が形成されている。各係合面22a、22b、22c・・・間の段差は等しくなっている。これにより、上記ドライバ6の後端部は上記各係合面22a、22b、22c・・・に係合可能となっている。
また、上記ダイヤル円板16のピストンロッド4側にはクリック機構が設けられている。すなわち、図6(b)に示されるように、ダイヤル円板16の側面の周方向には上記係合面22a、22b、22c・・・に対応する半球状の係合凹部23a、23b、23c・・・が形成され、上記側面に対面する第1のブロック5aの面には、図3に示すように、上記係合凹部23a、23b、23c・・・をむすぶ円周上に溝部24が形成されている。上記溝部24にはバネ25とボール26が配され、ボール26は上記各係合凹部23a、23b、23c・・・に係合可能となっている。これにより、ダイヤル円板16を回すと、上記溝部24に接近した係合凹部23a、23b、23c・・・が上記溝部24のボール26上に来るとボール26はバネ25により上記いずれかの係合凹部23a、23b、23c・・・に飛び込む。これによりダイヤル円板16にはブレーキがかかって停止する。さらにダイヤル円板16を回すときは、強い力で回す。上記ボールは上記係合凹部23a、23b、23c・・・から外れ、次の係合凹部23a、23b、23c・・・に係合してブレーキがかかって停止する。停止した位置で、上記ドライバ6がいずれかの係合面22a、22b、22c・・・と対応するようになっている。
ダイヤル円板16の外周面には係合面22a、22b、22c・・・の高さに応じて9個の番号が表示されている。上記番号は工具本体1の外部から視認可能となっている。
なお、クリック機構はダイヤル円板16の外周面とジョイントブロック5との間に設けてもよい。
上記構成によれば、外部から指でダイヤル円板16を回してクリック機構により所定の位置で止めてピストン3を作動させると、上述のようにドライバ6が連動してその軸心方向に移動し、差込みクリップ8aを押し出し、その脚部9の間に被結束物12の袋口13を挟んだ状態で受けクリップ8bの穴10に圧入される。その圧入深さはダイヤル円板16によって選んだ係合面22a、22b、22c・・・のいずれかの高さによる。したがって、ダイヤル円板16を回して最も高い係合面を選択すると、ドライバ6の先端の初期位置は前方位置に移動するので、差込みクリップ8aの脚部9は受けクリップ8bの穴10に最も深く圧入される。このため、被結束物12のビニール袋が薄かったり、小さかったりしたときは、上記係合面を選択することにより、適切な結束が得られる。反対に、最も低い係合面を選択すると、ドライバ6の先端の初期位置は後方位置に移動するので、差込みクリップ8aの脚部9は受けクリップ8bの穴10に最も浅く圧入される。このため、被結束物12のビニール袋が厚かったり、大きかったりしたときは、上記係合面22を選択することにより、適切な結束が得られる。ドライバ6の出量は9段階で調整でき、最適な係合面22を目視により簡単に選択することができる。
以上のように、ドライバの出量を調整することにより、差込みクリップ8aの脚部9の受けクリップ8bに対する圧入の深さの程度に応じ、浅くすれば結束具8の内側にできる空間は大きく、深くすれば上記空間は小さくなるから、被結束物12の種類に応じて差込みクリップ8aの脚部9の受けクリップ8bに対する圧入の深さも調整することにより、最適な結束が得られる。そして、上記深さ調整は、事前に各収納袋に適した結束力が得られるダイヤル番号を調べておくことで、作業者はダイヤル円板16を回転させるだけで容易、確実に最適な調整を行なうことができる。また、事前の確認もダイヤル番号を順次変化させる結束力を確認するだけなので、簡単に最適位置を知ることができる。
結束機の要部の平面図である。 図1のA−A線上の要部の断面図である。 図1のB−B線上の要部の断面図である。 (a)(b)はそれぞれドライバと結束具と袋口の関係を示す平面図および側面図である。 結束具による結束状態を示す説明図である。 (a)(b)はそれぞれダイヤル円板の平面図および底面図である。 図6のC−C線上の断面図である。
符号の説明
1 工具本体
4 ピストンロッド
5 ジョイントブロック
6 ドライバ
8a 差込みクリップ
8b 受けクリップ
9 脚部
10 穴
12 被結束物
16 ダイヤル円板
22a、22b、22c 係合面

Claims (3)

  1. 工具本体に設けたシリンダに摺動自在に収納されたピストンのピストンロッドをジョイントブロックを介してドライバに連結し、上記ドライバによって2本の脚部を有する合成樹脂製のU字状差込みクリップを押し出し、該差込みクリップの押し出し方向の先に配置された上記脚部に対応する2つの穴を有する合成樹脂製の受けクリップに向けて押し出し、該差込みクリップの2本の脚部の間に非結束物を挟んだ状態で上記脚部を受けクリップの穴に圧入固定する結束機において、
    上記ジョイントブロックの内部には上記ピストンロッドの中心と直交する面に沿って回転操作可能なダイヤル円板を配置し、このダイヤル円板のドライバ側の面に互いに高さが異なる複数の係合面を形成し、上記ドライバの端部を上記各係合面に選択的に係合可能とした
    ことを特徴とする結束機のドライバ調整機構。
  2. 上記ダイヤル円板とジョイントブロックとの間にはクリック機構を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の結束機のドライバ調整機構。
  3. 上記ダイヤル円板の表面には、上記係合面に対応する番号を表示し、上記番号を外部から視認可能とした、請求項1又は2に記載の結束機のドライバ調整機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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