JP4699028B2 - 血小板の生存を延長するための組成物および方法 - Google Patents
血小板の生存を延長するための組成物および方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、血小板のクリアランスを減少させるおよび血小板の生存を延長するための組成物および方法に関する。
血小板は、血管損傷位置への付着および血漿フィブリン塊の形成の促進により、損傷した哺乳動物を失血から保護する無核の骨髄由来の血液細胞である。骨髄機能不全により血小板の循環が激減したヒトは、生命にかかわる特発性出血を患い、および重症度の低い血小板欠損症は、外傷または手術に次ぐ出血合併症の一因となる。
半世紀前の医療における大きな進展は、かかる血小板欠損症を治療するための血小板輸血の開発であり、900万件を超える血小板輸血が、1999年に米国単独で行なわれた(Jacobs et al., 2001)。血小板は、しかしながら、すべての他の移植可能な組織とは違って、非常に短期間の冷却の対象となる場合でも血小板は受容者(recipient)の循環から急速に消滅し、血小板の生存を短縮させる冷やす(cooling)効果は不可逆であるため、冷蔵に耐容性がない(Becker et al., 1973; Berger et al., 1998)。
本発明は、減少した血小板クリアランスを有する修飾血小板および血小板クリアランスを減少させる方法を提供する。本発明はまた、血小板の保存のための組成物を提供する。本発明はまた、修飾血小板を含有する医薬組成物を作る方法および止血を媒介する(mediate)ために哺乳動物に医薬組成物を投与するための方法を提供する。
好ましい態様の一つにおいて、グリカン修飾剤はUDP−ガラクトースであり、グリカン部分の修飾を触媒する酵素はガラクトシルトランスフェラーゼである。
いくつかの態様において、血小板の集団は、実質的に正常な止血作用を保持する。
いくつかの態様において、血小板の集団を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させるステップは、血小板用バッグ内で行われる。
いくつかの態様において、循環時間は少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、75%、100%、150%、200%、またはそれ以上増加する。
いくつかの態様において、グリカン修飾剤は、UDP−ガラクトースおよびUDP−ガラクトース前駆体からなる群から選択される。いくつかの好ましい態様において、グリカン修飾剤は、UDP−ガラクトースである。
いくつかの態様において、本方法は、血小板を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させる前、接触させるのと同時にまたは接触させた後に、血小板の集団を冷却することをさらに含む。
血小板の集団を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させるステップは、血小板用バッグまたは容器内で行われる。
血小板を少なくとも約3日、少なくとも約5日、少なくとも約7日、少なくとも約10日、少なくとも約14日、少なくとも約21日、または少なくとも約28日間冷却貯蔵する。
該修飾血小板は、血小板の表面上に複数の修飾グリカン分子を含む。
いくつかの態様において、修飾グリカン分子は、GPIbα分子の部分である。該修飾グリカン分子は、少なくとも1種の添加した糖分子を含む。
添加した糖は、天然の糖であってよく、または非天然の糖であってもよい。
添加した糖の例は、UDP−ガラクトースおよびUDP−ガラクトース前駆体を含むが、これらに限定されない。好ましい態様の一つにおいて、添加した糖は、UDP−ガラクトースである。
(a)薬学的に許容しうる担体中に含有された血小板の集団を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させ、処置した血小板製剤を形成するステップ、
(b)処置した血小板製剤を貯蔵するステップ、および
(c)処置した血小板製剤を加温するステップ
を含む。
いくつかの態様において、処置した血小板製剤を加温するステップは、血小板を37℃に加温することにより行なわれる。
グリカン修飾剤の例を上に記載する。好ましい態様の一つにおいて、グリカン修飾剤は、UDP−ガラクトースである。いくつかの態様において、本方法は、グリカン修飾剤のグリカン部分への添加を触媒する酵素を添加することをさらに含む。
好ましい態様の一つにおいて、グリカン修飾剤はUDP−ガラクトースであり、酵素はガラクトシルトランスフェラーゼである。
特定の態様において、血小板の集団を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させるステップは、血小板用バッグ内で行われる。
いくつかの態様において、血小板製剤を約15℃未満の温度で貯蔵する。いくつかの他の態様において、血小板製剤を室温で貯蔵する。
本発明のまたさらに別の側面によると、血小板を保存するための貯蔵組成物を提供する。該組成物は、貯蔵組成物に添加した血小板の貯蔵時間および/または循環時間を増加させるために、貯蔵組成物に添加した血小板のグリカンを修飾するのに十分な量の少なくとも1種のグリカン修飾剤を含む。
いくつかの態様において、組成物はグリカン部分の修飾を触媒する酵素をさらに含む。
いくつかの態様において、組成物を約15℃未満の温度で貯蔵する。いくつかの他の態様において、組成物を室温で貯蔵する。
いくつかの態様において、本容器はグリカン修飾剤によりグリカン部分の修飾を触媒する酵素をさらに含む。
いくつかの態様において、本容器は複数の血小板または複数の血小板を含む血漿をさらに含む。
いくつかの態様において、グリカン修飾剤は、自然発生の血小板中より高い濃度で存在する。
いくつかの態様において、サテライト容器中のグリカン修飾剤は、容器中の血小板を保存するのに十分な量で存在する。
いくつかの態様において、サテライト容器中のグリカン修飾剤は、破壊可能なシールにより容器への流入を阻止される。
図1Aは、室温の血小板、ならびにEGTA−AMおよびサイトカラシンBの存在下または非存在下で、冷却し再加温した血小板の、マウスにおける循環時間を示す。曲線は、5−クロロメチルフルオレセインジアセテート(CMFDA)で標識された、室温(RT)の血小板、氷浴の温度(Cold)で冷却し注射前に室温まで再加温した血小板、ならびに血小板の円盤状の形態を保存するためにEGTA−AMおよびサイトカラシンBで処置した、冷却し再加温した血小板(Cold+CytoB/EGTA)の生存率を表す。各曲線は、6匹のマウスの平均±SDを表す。同一のクリアランス傾向が、111インジウム標識血小板で観察された。
図9は、WGAレクチンの室温の血小板または冷却した血小板への結合のドットプロットを示す。
図10は、室温のまたは冷却した血小板へ結合した様々なFITC標識レクチンの分析を示す。
図11Bは、血小板表面からのGPIbαの除去が、冷却した血小板に結合したFITC−WGAを減少させたことを示す。
図12は、血小板オリゴ糖へのガラクトース輸送が、冷却した血小板(Cold)の食作用を減少させるが、室温の(RT)血小板の食作用には影響しないことを示す。
図13は、未処理の血小板に対する、冷却し、ガラクトシル化した(galactosylated)マウス血小板の生存率を示す。
図16は、UDP−ガラクトースの異なる濃度での4種類の血小板濃度サンプル中の血小板のガラクトシル化(galactosylation)を示す。
本発明は、循環特性を高め、 実質的に正常なin vivo止血作用を保持する修飾血小板の集団を提供する。止血作用は、出血停止を媒介するための血小板の集団の能力に広く言及する。様々なアッセイが、血小板止血作用を決定するために利用可能である(Bennett, J. S. and Shattil, S. J., 1990, "Platelet function," Hematology, Williams, W. J., et al., Eds. McGraw Hill, pp 1233-12250)。しかしながら、「止血」または「止血作用」の証明は、最終的に血小板減少性のまたは血小板症の(thrombopathic)(すなわち、非機能の血小板)動物またはヒトへ注入した血小板が循環し、天然のまたは実験的に誘発した出血を止めることの証明が必要である。
実質的に正常な止血作用は、新しく単離した血小板の集団の止血作用とだいたい同じである止血作用の量を意味する。
いくつかの態様において、血小板の集団を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させるステップは、血小板用バッグ内で行われる。
本発明のいくつかの態様において、血小板の集団の循環時間は、少なくとも約10%増加する。いくつかの他の態様において、血小板の集団の循環時間は、少なくとも約25%増加する。さらにいくつかの他の態様において、血小板の集団の循環時間は、少なくとも約50%増加する。またさらに他の態様において、血小板の集団の循環時間は、約100%増加する。本明細書において、血小板の集団の循環時間は、血小板の半分がもはや循環しない時間と定義される。
血小板は、当業者に既知の標準の技術により、末梢血から採集することができる。いくつかの態様において、血小板は、グリカン修飾剤による処置の前に、薬学的に許容しうる担体に含まれる。
用語「薬学的に許容しうる」は、血小板の生物作用の有効性を妨げない非毒性の材料および細胞、細胞培養、組織、または生物などの生物系と適合する非毒性の材料を意味する。薬学的に許容しうる担体は、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、および当該技術分野で周知の他の材料を含む。
グリカン修飾剤およびグリカン部分の修飾を触媒する酵素の一方または両方もまた、標準の臨床の細胞洗浄技術にしたがって修飾血小板を洗浄することにより除去または実質的に希釈してもよい。
本用量は、例えば、臨床的症状および実験室試験に関して、処置への反応に従って決定することができる。かかる臨床的症状および実験室試験の例は、当該技術分野で周知であり、Harrison's Principles of Internal Medicine, 15th Ed., Fauci AS et al., eds., McGraw-Hill, New York, 2001に記載されている。
例1
はじめに
適度に冷やすことは、活性化のために血小板をプライム(prime)するが、冷蔵は形態の変化および急速なクリアランスをもたらし、輸血療法のための血小板の貯蔵を危うくする。我々は、変形の阻害は、低温誘発性クリアランスを正常化しないことを見出した。我々はまた、肝臓マクロファージに主に発現する補体受容体3受容体(CR3)による認識のための対象となるように、血小板を冷やすことはフォンヴィルブランド因子(vWf)受容体複合体αサブユニット(GPIbα)の表面構造を再配列し、血小板食作用およびクリアランスへと至らしめることを見出した。GPIbαの除去は、冷却していない血小板の生存期間を延長する。冷却した血小板は、vWfを結合させ、CR3欠損マウスへの輸血後、in vitroおよびex vivoで正常に機能する。冷やした血小板は、しかしながら、トロンビンまたはADPに暴露された血小板のようには「活性化」されず、それらのvWf受容体複合体は、活性化されたvWfと正常に反応する。
我々は、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)結合アネキシンV、フィコエリスリン(PE)結合抗ヒトCD11b/Mac−1モノクローナル抗体(mAb)、FITC結合抗マウスおよび抗ヒトIgM mAb、FITC結合抗マウスおよび抗ヒトCD62P−FITC mAbをPharmingen(San Diego, CA)から;FITC結合ラット抗マウス抗ヒトIgG mAbをSanta Cruz Biotechnology, Inc.(Santa Cruz, CA)から;FITC結合抗ヒトCD61 mAb(クローンBL−E6)をAccurate Scientific Corp.(Westbury, NY)から;FITC結合抗ヒトGPIbα mAb(クローンSZ2)をImmunotech(Marseille, France)から;およびFITC結合ポリクローナルウサギ抗vWf抗体をDAKOCytomation(Glostrup, Denmark)から得た。我々は、EGTA−アセトキシメチルエステル(AM)、Oregon Greenが結合したヒト血漿からのフィブリノゲン、CellTracker(登録商標)Orange CMTMR;CellTracker Green CMFDA、ナイルレッド(Nile-red)(535/575)が結合しおよびカルボン酸修飾されている1μmの微粒子/FluoSpheresをMolecular Probes, Inc.(Eugene, OR)から、および111インジウムをNEN Life Science Products(Boston, MA)から購入した。
クリアランスおよび生存研究のアッセイのために、我々は、Jackson Laboratory(Bar Harbor, ME)から得た年齢、血統および性別をマッチングしたC57BL/6およびC57BL/6×129/sv野生型のマウスを使用した。補体成分C3欠損のC57BL/6×129/svマウス(Wessels et al., 1995)は、Dr. M. C. Carroll(Center for Blood Research and Department of Pediatrics, Harvard Medical School, Boston, MA)から提供を受けた。CR3欠損のC57BL/6マウス(Coxon et al., 1996)は、Dr. T Mayadasから提供を受け、vWf欠損のC57BL/6マウス(Denis et al., 1998)は、Dr. D. Wagnerから提供を受けた。マウスを、Harvard Medical Area Standing Committee on Animalsにより承認されたように、The Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに記載のNIH標準に従って、維持および処置した。
血液を、同意した正常な人間のボランティア(Brigham and Women's HospitalおよびCenter for Blood Research (Harvard Medical School)両方のInstitutional Review Boardsから承認を得た)から静脈穿刺により0.1容量のAster-Jandlクエン酸ベースの抗凝血剤へ採取し(Hartwig and DeSisto, 1991)、多血小板血漿(PRP)を300×gで20分間室温で、抗凝固処理した血液の遠心分離により調製した。血小板を、室温で小さなSepharose 2Bカラムを通して、ゲル濾過により血漿タンパク質から分離した(Hoffineister et al., 2001)。
マウスを3.75mg/g(2.5%)のAvertinで麻酔し、1mlの血液を、眼窩後方の眼の叢(retroorbital eye plexus)から0.1容量のAster-Jandl抗凝血剤へと得た。
PRPを、300×gで8分間室温で抗凝固処理した血液の遠心分離により調製した。血小板を、1200×gで5分間の遠心分離により血漿タンパク質から分離し、5倍量の洗浄緩衝液(緩衝液A)を用いて遠心分離により(1200×gで5分間)2回洗浄した。この手法は、用語「洗浄」の以降の使用を意味する。血小板を、140mMのNaCl、3mMのKCl、0.5mMのMgCl2、5mMのNaHCO3、10mMのグルコースおよび10mMのHepes、pH7.4を含む溶液(緩衝液B)中1×109個/mlの濃度に再懸濁した。
血小板の生存または機能への温度の効果を研究するために、非標識の、放射性標識した、または蛍光標識したマウスまたはヒト血小板を、マウスに輸血する前またはin vitro分析前に、2時間室温(25〜27℃)でインキュベートし、または氷浴温度でインキュベートし、そして15分間37℃で再加温した。これらの処置を受けた血小板は、それぞれ冷やしたまたは冷却した(または冷却し再加温した)および室温の血小板に指定される。
CMFDA標識した、冷却したまたは室温のマウス血小板(108個)を、27ゲージの針を用いて外側尾静脈経由で同系のマウスに注入した。回復および生存の決定のために、血液サンプルを、輸血後すぐに(<2分)および0.5、2、24、48、72時間後に0.1容量のAster-Jandl抗凝血剤に採集した。フローサイトメトリーを用いた全血分析を行い、CMFDA陽性血小板の比率を前方および側方散乱特性にしたがって、全血小板をゲートすることにより決定した(Baker et al., 1997)。各サンプルにつき、50,000事象を収集した。<2分に測定したCMFDA陽性血小板を100%と設定した。マウスあたり輸血した血小板の投入量は、全血小板の集団の約2.5〜3%だった。血小板の死を評価するために、組織(心臓、肺、肝臓、脾臓、筋肉、および大腿骨)を、マウスへの108個の冷却したまたは室温の111インジウム標識血小板の注射後0.5、1および24時間目に採取した。器官の重量およびそれらの放射活性を、Wallac 1470 Wizard自動ガンマカウンター(Wallac Inc., Gaitersburg、MD)を用いて決定した。データを、器官1グラムあたりのガンマ数として表現した。放射性血小板の回復および生存の決定のために、血液サンプルを、輸血後すぐに(<2分)および0.5および時間後に0.1容量のAster-Jandl抗凝血剤に採集し、それらのガンマ数を決定した(Kotze et al., 1985)。
従来の試験を行い、Bio/Data血小板凝集計(Horsham, PA)内で観察した。0.3mlのマウスの洗浄し攪拌した血小板のサンプルを、1U/mlのトロンビン、10μMのADP、または3μg/mlのCRPに37℃で暴露した。光透過率を3分間にわたり記録した。
多血小板血漿を、2U/mlのボトロセチンで5分間37℃で処置したか、または処置しなかった(Bergmeier et al., 2001)。結合したvWfを、フローサイトメトリーにより、FITC結合ポリクローナルウサギ抗vWf抗体を用いて検出した。
室温または2時間冷却を維持した休止マウス血小板を、0.05%のグルタルアルデヒドを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2×106/mlの濃度に希釈した。血小板溶液(200μl)を、96−wellプレートのウェルに含まれるポリリジンコートされたガラス製カバースリップ上に置き、血小板を1,500×gで5分間室温での遠心分離により、各カバースリップに付着させた。そして上清を除去し、カバースリップに結合させた血小板を、10分間PBS中0.5%グルタルアルデヒドで固定した。固定剤を除去し、未反応アルデヒドをPBS中0.1%の水素化ホウ素ナトリウムを含む溶液で急冷し、次いで10%のBSAを含むPBSで洗浄した。血小板表面上のGPIbαに、3種類のラット抗マウスGPIbαモノクローナル抗体それぞれ10μg/mlの混合物で(Bergmeier et al., 2000)1時間、次いでヤギ抗ラットIgGでコートした10nmの金で標識した。カバースリップを、PBSで何回も洗浄し、1%のグルタルアルデヒドで後固定(post-fix)し、蒸留水で再洗浄し、急速に冷凍、凍結乾燥、およびCressington CFE-60(Cressington、Watford、UK)内で1.2nmのプラチナで回転(rotary)コートし、次いで回転なしで4mnの炭素でコートした。血小板を100kVでJEOL 1200-EX電子顕微鏡で観察した(Hartwig et al., 1996; Kovacsovics and Hartwig, 1996)。
単球性THP−1細胞を、10%のウシ胎仔血清、25mMのHepes、2mMのグルタミンを追加したRPMI 1640細胞培養液中7日間培養し、1ng/mlのTGFPおよび50nMの1,25−(OH)2ビタミンD3を用いて24時間分化させ、これはCR3発現の増加を伴った(Simon et al., 2000)。CR3発現を、フローサイトメトリーにより、PE結合抗ヒトCD11b/Mac−1 mAbを用いて観察した。未分化または分化THP−1細胞(2×106個/ml)を、24−wellプレートに播種し、45分間37℃で付着させた。付着した未分化または分化マクロファージを、15分間15ng/mlのPMAの添加により活性化させた。
前に異なる処置を受けた、CM-Orange標識された、冷却したまたは室温の血小板(107個/ウェル)を、Ca2+およびMg2+含有のHBSS中の未分化または分化した食細胞に添加し、30分間37℃でインキュベートした。インキュベーション期間の後、食細胞単層をHBSSで3回洗浄し、37℃で5分間、HBSS中0.05%のトリプシン/0.53mMのEDTAで、次いで4℃で5mMのEDTAでの処置により、付着した血小板を除去し、血小板の付着または摂取のフローサイトメトリー分析のためにマクロファージをはがした(Brown et al., 2000)。ヒトのCM-Orange標識された、冷却したまたは室温の血小板はすべて、新しく単離した非標識血小板と同じ量の血小板特異的マーカーCD61を発現した(未掲載)。マクロファージと共にインキュベートしたCM-Orange標識血小板を、それらの前方および側方散乱特性にしたがって食細胞から分離した。マクロファージをゲートし、各サンプルについて10,000事象を獲得し、データをCELLQuestソフトウェア(Becton Dickenson)で分析した。食細胞集団と関連するCM-Orange標識血小板は、オレンジ蛍光のシフトを有する(図6Aおよび図6B、摂取される、y軸)。これらの血小板は、FITC結合mAbでCD61へ二重標識するのに失敗したため、単に付着するよりも摂取された。
洗浄したマウス血小板またはヒト血小板(2×106個)を、CD62P、CD61、または表面結合したIgMおよびIgGの表面発現について、冷却または室温貯蔵後、10分間37℃でフルオロフォア結合Ab(5μg/ml)で染色することにより、分析した。冷却したまたは室温の血小板により暴露されたホスファチジルセリンを、10μg/mlのFITC結合アネキシンVと共に10mMのCa2+を含む400μlのHBSSに、5μlの血小板を再懸濁することにより決定した。PS暴露について陽性対照として、血小板懸濁液を1μMのA23187で刺激した。フィブリノゲン結合を、20分間室温でのOregon Greenフィブリノゲンの添加により、決定した。すべての血小板サンプルを、フローサイトメトリーによりすぐに分析した。血小板を、前方および側方散乱特性によりゲートした。
生体ビデオ顕微鏡設定の動物の用意、技術的および実験的側面が記載されている(von Andrian、1996)。両方の性別の6〜8週齢のマウスを、XylazineおよびKetaminの混合物の腹腔内注射により、麻酔した。右の頚静脈に、PE−10ポリエチレンチューブのカテーテルを挿入した。左の肝葉の下面を外科的に用意し、既述のとおりさらにin vivo 顕微鏡検査のためにガラス製カバースリップで覆った(McCuskey, 1986)。
共焦点顕微鏡検査を、10倍の水浸対物レンズを用いて、Olympus BX 50 WJ直立顕微鏡(Biorad, Hercules, CA)に接続したRadiance 2000 MP共焦点多光子画像システムを用いて行なった。画像を捉え、Laser Sharp 2000ソフトウェア(Biorad)(von Andrian、2002)で分析した。
霊長類について既述されたように、創傷から生じる全血中の血小板による凝集体の形成を分析するために、フローサイトメトリー法を用いた(Michelson et al., 1994)。108個のCMFDA標識の室温のマウス血小板を同系の野生型のマウスに注射し、108個のCMFDA標識の冷却した血小板をCR3欠損マウスに注射した。血小板注入の24時間後、マウスの尾を3mm切片に切断し、標準の出血時間アッセイを行なった(Denis et al., 1998)。切断した尾を、37℃の100μlの0.9%等張食塩水に浸した。生じる血液を2分間採集し、0.1容量のAster-Jandl抗凝血剤、次いですぐに1%のパラホルムアルデヒド(最終濃度)を添加した。末梢血を上記と平行して眼窩後方の眼の叢の出血により得て、すぐに1%のパラホルムアルデヒド(最終濃度)で固定した。
CM-Orange標識の室温の血小板(108個)を野生型のマウスに注入し、CM-Orange標識の冷却した血小板(108個)をCR3欠損マウスに注入した。血小板注入の24時間後、マウスを出血させ、血小板を単離した。休止のまたはトロンビン活性化した(1U/ml、5分)血小板懸濁液(2×108個)を、PBS中に希釈し、20分間室温で、FITC結合抗マウスP−セレクチンmAbまたは50μg/mlのOregon Green結合フィブリノゲンのいずれかで染色した。血小板サンプルを、フローサイトメトリーによりすぐに分析した。輸血したおよび非輸血の血小板を、前方散乱およびCM-Orange蛍光特性により、ゲートした。P−セレクチンの発現およびフィブリノゲンの結合を、トロンビンによる刺激の前および後に、各CM-Orange陽性および陰性集団について測定した。
生体顕微鏡データを、平均±SEMとして表現した。群を対応のないt検定を用いて比較した。P値<0.05を、有意であるとみなした。すべての他のデータを、平均±SDとして表した。
冷却した血小板のクリアランスは、主に肝臓において生じ、血小板の形態から独立している。
室温(RT)で保持し、同系のマウスに注入したマウス血小板は、約80時間にわたりかなり定率で消滅する(図1A)。一方、氷浴の温度で冷やし、注射前に再加温した(Cold)のマウス血小板のおよそ3分の2が、以前ヒトおよびマウスにおいて観察されたように、循環から急速に消滅する(Becker et al., 1973; Berger et al., 1998)。
肝臓による冷却した血小板のクリアランスおよび血小板分解についての証拠は、肝臓の主要な食作用スカベンジャー細胞であるクッパー細胞による冷却した血小板の認識および摂取と一致する。図1Dは、輸血の1時間後のマウス肝臓の切片の典型的な共焦点顕微鏡写真における食作用クッパー細胞および付着した冷却したCMFDA標識血小板の位置を示す。類洞マクロファージを、ナイルレッドでマーキングをした1μmのカルボキシル修飾したポリスチレン微粒子の注射により視覚化した。輸血した血小板およびマクロファージの共局在は、両方の蛍光放射の重ね合わせた顕微鏡写真において黄色で示される。冷却した血小板は、類洞マクロファージが豊富な場所である肝小葉の門脈周囲および中間帯ドメインにおいて選択的にナイルレッド標識細胞と局在する(Bioulac-Sage et al., 1996; MacPhee et al., 1992)。
CR3(αMβ2インテグリン;CD11b/CD18;Mac−1)は、肝マクロファージによる抗体独立クリアランスの主要な伝達物質である。図2Aは、冷却した血小板と室温の血小板の両方の集団のクリアランスは、野生型のマウスと比較してCR3欠損マウスにおいてより短い(図lA)にもかかわらず、冷却した血小板は室温の血小板と同じ動態でCR3欠損動物を循環することを示す。野生型のマウスと比較して、CR3欠損マウスによる血小板除去率がわずかに速い理由は、明らかではない。冷却し再加温した血小板もまた、補体因子3であるC3欠損マウスから急速に一掃され(図2C)、CR3経由でのおよびフォンヴィルブランド因子(vWf)欠損マウスからの食作用およびクリアランスを促進する主要なオプソニンが不足する(Denis et al., 1998)(図2B)。
野生型の肝類洞への血小板の付着を生体顕微鏡によりさらに調査し、共に注入した、冷却したおよび室温で貯蔵した、付着した血小板の間の比率を決定した。図3は、両方の冷却したおよび室温の血小板は高クッパー細胞密度で類洞部位に結合する(図3Aおよび3B)が、野生型のマウスにおいて室温の血小板より2.5〜4倍多い冷却した血小板がクッパー細胞に付着する(図3C)ことを示す。一方、CR3欠損マウス内のクッパー細胞に付着する血小板の数は、冷却または室温への暴露から独立していた(図3C)。
vWfについてのGPIb−IX−V受容体複合体の成分であるGPIbαが、in vitroで特定の条件下でCR3に結合できるため(Simon et al., 2000)、CR3について冷却した血小板における可能性のあるカウンター(counter)受容体としてGPIbαを調査した。O−シアロ糖タンパク質エンドペプチダーゼは、マウス血小板GPIbαの45−kDaのN末端細胞外ドメインを開裂するが、αIIbβ3,α2α1、GPVI/FcRγ鎖およびプロテアーゼ活性化受容体などの他の血小板受容体を損なわない(Bergmeier et al., 2001)。したがって、O−シアロ糖タンパク質エンドペプチダーゼによりマウス血小板からGPIbαのこの部分の細胞外ドメインを取り除き(図4A挿入図)、室温または低温インキュベーション後のマウス内でのそれらの生存を調べた。図4Aは、冷却した血小板は、GPIbαの開裂後、もはや急速なクリアランスを示さないことを示す。さらに、GPIbαが枯渇した室温処置した血小板は、GPIbαを含む室温の対照と比較したとき、生存時間をわずかに延長した(約5〜10%)。
図4Bは、血小板の冷却は、マウス血小板表面上のGPIbαの分布における変化へと至らしめるが、ボトロセチン活性化vWfは、低温血小板におけるのと同様に、室温の血小板においてGPIbαに良好に結合することを示す。免疫金(immunogold)標識モノクローナルマウス抗GPIbα抗体により確認されたGPIbα分子は、休止した円盤状の血小板の滑らかな表面上に室温で線状の凝集体を形成する(図4C、RT)。この配置は、休止した血液血小板の構造の情報と一致する。GPIbαの細胞質ドメインは、フィラミンA分子の仲介を通して血小板膜の面と共に曲がっている長いフィラメントと結合する(Hartwig and DeSisto, 1991)。冷却後(図4C、Chilled)、多くのGPIbα分子は、内部アクチン再構成により変形した血小板膜にて、クラスターとして組織する(Hoffmeister et al., 2001; Winokur and Hartwig, 1995)。
TGF−β1および1,25−(OH)2ビタミンD3を用いたヒト単球様THP−1細胞分化は、CR3の発現を約2倍増加させる(Simon et al., 1996)。冷却は、未分化THP−1細胞による血小板食作用の3倍増加および分化THP−1細胞による約5倍増加をもたらし(図5Bおよび5C)、CR3による血小板の摂取の関与と一致した。一方、THP−1細胞の分化は、室温で貯蔵した血小板の摂取において有意な効果がなかった(図5Aおよび5C)。GPIbαが、冷却したヒト血小板におけるCR3を介した食作用のカウンター受容体であるかを決定するために、ヘビ毒メタロプロテアーゼであるモカラギンを使用し、GPIbαの細胞外ドメインを除去した(Ward et al., 1996)。ヒト血小板の表面からのモカラギンによるヒトGPIbαの除去は、冷却後のそれらの食作用を約98%減少させた(図5C)。
表1は、冷やすことが、GPIbα以外の血小板受容体の発現またはそれらのリガンドとの相互作用に影響を及ぼしたかどうかについて調べた実験の結果を示す。これらの実験は、P−セレクチンの発現、αIIbβ3−インテグリン密度またはαIIbβ3活性化のマーカーであるαIIbβ3フィブリノゲン結合への検出可能な効果を明らかにしなかった。冷却はまた、アポトーシスの指標である、ホスファチジルセリン(PS)の暴露を増加させず、IgGまたはIgM免疫グロブリンの血小板結合を変化させなかった。
野生型のマウスにおける急速なクリアランスにもかかわらず、CM-OrangeまたはCMFDA標識された冷却した血小板は、3種類の独立した方法により決定したように、CR3欠損マウスへの注入の24時間後、機能的であった。第一に、冷却した血小板を、標準化した尾静脈出血創傷から生じている流血中の血小板凝集体に取り込んでいる(図6)。野生型のマウスに輸血したCMFDA陽性の室温の血小板(図6B)およびCR3欠損マウスに輸血したCMFDA陽性の冷却した血小板(図6D)は、受容マウスのCMFDA陰性の血小板と同一程度に流血中に凝集体を形成した。第二に、αIIbβ3のフィブリノゲン結合部位の血小板表面暴露により決定したように、トロンビンによるex vivo刺激後にCR3欠損マウスへ冷却し再加温したCM-Orange標識の血小板を輸血後、24時間後に。第三に、冷却し再加温したCM-Orange血小板は、トロンビン活性化に対する反応においてP−セレクチンの上方制御の完全な能力があった(図6E)。
低温誘発性の血小板形態変化だけでは、in vivoの血小板クリアランスを引き起こさない
冷やすことは、細胞内細胞骨格の再構成を介した大きな血小板の形態変化を急速に誘発する(Hoffineister et al., 2001; White and Krivit、1967; Winokur and Hartwig, 1995)。これらの変化は、再加温により一部可逆的であるが完全に可逆的ではなく、再加温した血小板は、円盤状というより、より球状である。トロンビンによりex vivoで活性化された輸血したマウスおよびヒヒの血小板は、大きな形態の変化を伴って正常に循環するという証拠にもかかわらず、血小板の円盤状の形態の維持が、血小板の生存における主要な必要条件であるという考えは、定説であった(Berger et al., 1998; Michelson et al, 1996)。
ヒトにおける正常な血小板の寿命は、およそ7日である(Aas, 1958; Ware et al., 2000)。例えば、播種性血管内凝固中に生じるものなどの大量の凝固反応は、血小板減少症の原因となるため、連続した機械的応力により生じた小さな血塊への血小板の取り込みは、間違いなく血小板クリアランスに寄与する(Seligsohn, 1995)。In vivoの血小板刺激は、負傷した血管壁において生じ、活性化血小板は急速にこれらの部位で隔離させる(sequester)ため、かかる凝固反応における血小板の死は、Michelsonら(Michelson et al., 1996)およびBergerら(Berger et al., 1998)の実験などにおける注入したex vivo活性化血小板の死と異なる。
休止円盤状の血小板の表面のGPIbαは、フィラミンAおよびフィラミンBにより亜膜(submembrane)アクチン細胞骨格に結合した、GPIbα、GPIXおよびVを有する複合体内に、線形配列(図5)状に存在している(Stossel et al., 2001)。止血におけるその役割は、血管損傷位置でvWfの活性型を結合させることである。活性化vWfは、休止血小板または刺激血小板でGPIbαに同等に良好に結合することから、活性化vWfへのGPIbα結合は構造的であり、血小板からの積極的な寄与は必要ない。トロンビンおよび他のアゴニストによる懸濁液中の血小板の刺激は、GPIbαを一部血小板表面から内膜のネットワークである開放小管系へと再分布させる原因となるが、in vivoでの血小板クリアランス(Berger et al., 1998; Michelson et al., 1996)またはin vitroでの食作用(未発表の観察)を引き起こさない。しかしながら、血小板を冷やすことは、内在化(internalization)よりむしろ、GPIbαクラスタリングの原因となる。このクラスタリングは、サイトカラシンBの存在下で生じるため、反矢じり端のアクチン集合から独立している。
全体的な血小板の形態の変化が、15℃以下の温度でのみ明らかになるにもかかわらず、精密な生化学分析は、細胞骨格の変化およびトロンビンへの反応性の増加が、温度が37℃以下に下がるにつれて、検出可能であることを示す(Faraday and Rosenfeld, 1998; Hoffineister et al., 2001; Tablin et al., 1996)。低温暴露した血小板とトロンビン刺激またはADP刺激血小板との間に残る多くの機能的差異のため、それらの変化を「プライミング」と示す。
冷却した血小板食作用におけるα M β 2 (CR3)レクチンドメインの関係
αMβ2(CR3)は、陽イオン独立の糖結合レクチン部位を有し、マンナン、グルカンおよびN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNAc)に結合するそのI−ドメインに「C−T」を局在させる(Thornton et al, J. Immunol. 156, 1235-1246, 1996)。CD16b/αMβ2膜複合体は、β−グルカン、N−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)、およびメチル−α−マンノシドにより分裂するが、他の糖により分裂しないことから、この相互作用はαMβ2インテグリン(CR3)のレクチン部位で生じると信じられている(Petty et al, J. Leukoc. Biol. 54, 492-494, 1993; Sehgal et al, J. Immunol. 150, 4571-4580, 1993)。
血小板の食作用への単糖類の効果を分析するために、食細胞(分化した単球性細胞系THP−1)を単糖類溶液中様々な濃度でインキュベートし、冷却したまたは室温の血小板を添加した。図中の値は、3〜5の実験の平均±SDであり、RTまたは冷却した血小板とインキュベートした摂取された血小板を含むorange陽性の単球のパーセンテージを比較している。100mMのD−グルコースは、冷却した血小板の食作用を65.5%阻害したのに対し(P<0.01)、100mMのD−ガラクトースは、冷却した血小板の食作用を有意に阻害しなかった(n=3)(図8A)。D−グルコースα−アノマー(α−グルコシド)は、100mMで90.2%阻害したが、冷却した血小板の食作用について阻害効果を有しなかった(図8B)。一方、β−グルコシドは、用量依存的に食作用を阻害した(図8B)。100mMのβ−グルコシドを用いた食細胞のインキュベーションは、食作用を80%(p<0.05)阻害し、および200mMで97%(P<0.05)阻害し、したがって、本明細書において、β−アノマーが好ましいと結論を出した。
β−GlcNAcは、μM濃度で、in vitroで冷却したヒト血小板の食作用を強力に阻害し、これは、GlcNAcは、低温での血小板のインキュベーション後に暴露されることを示す。我々は、そして、末端糖(GlcNAc)に対して特異性を有するレクチンである小麦胚凝集素(WGA)は、室温の血小板よりも、より効果的に冷却した血小板に結合するかどうかを調査した。洗浄した、冷却したまたは室温の血小板を、30分間室温で2μg/mlのFITC結合WGAまたはFITC結合スクシニル−WGAを用いてインキュベートし、フローサイトメトリーにより分析した。図9Aおよび9Bは、室温(RT)または冷却した(Cold)ヒト血小板のFITC−WGAとのインキュベーション後のドットプロットを示す。WGAは、血小板凝集を引き起こし、そしてWGA25〜50μg/mlの濃度でセロトニンまたはADPの遊離を誘発する(Greenberg and Jamieson, Biochem. Biophys. Acta 345, 231-242, 1974)。2μg/mlのWGAとのインキュベーションは、RTの血小板の有意な凝集を誘発しなかったが(図9A、RT w/WGA)、2μg/mlのWGAを用いた冷却した血小板のインキュベーションは、大量の凝集を誘発した(図9B、Cold w/WGA)。
酵素β−ヘキソサミニダーゼは、オリゴ糖からの末端β−D−N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびガラクトサミン(GalNAc)残基の加水分解を触媒する。GlcNAc残基の除去は、WGAの血小板表面への結合を減少させるかどうかを分析するために、冷却したおよび室温の洗浄したヒト血小板を、100U/mlのβ−Hexで30分間37℃で処置した。図11Aは、β−ヘキソサミニダーゼ処置の前および後にフローサイトメトリーにより得た室温のまたは冷却した血小板の表面へのFITC−WGA結合の概要を示す。冷却した血小板へのFITC−WGA結合は、GlcNAcの除去後、85%減少した(n=3)。
血小板へのガラクトース輸送を達成するため、単離したヒト血小板を、200μMのUDP−ガラクトースおよび15mU/mlのガラクトーストランスフェラーゼと共に30分間37℃でインキュベートし、次いで2時間冷却したかあるいは室温で維持した。ガラクトシル化は、FITC−WGA結合をほぼ休止室温レベルまで減少させた。血小板を単球に摂取させ、血小板の食作用を上記のように分析した。図12は、血小板オリゴ糖へのガラクトース輸送は、冷却した血小板(Cold)の食作用を大いに減少させるが、室温(RT)の血小板の食作用に影響を及ぼさないことを示す(n=3)。これらの結果は、in vitroにおいて、冷却した血小板の食作用は、暴露したGlcNAc残基の被覆により減少させることができることを示す。
別の一連の実験において、14C標識UDP−ガラクトースを、酵素ガラクトシルトランスフェラーゼの存在下または非存在下において、時間依存的にヒト血小板に取り込むことを示した。図15は、14C標識UDP−ガラクトースの洗浄したヒト血小板への取り込みの経時変化を示す。ヒト血小板を、異なる時間間隔でガラクトシルトランスフェラーゼの非存在下で14C標識UDP−ガラクトースを用いてインキュベートした。そして血小板を洗浄し、血小板に関連する14C放射活性を測定した。
血小板β−グリカンの酵素修飾は、in vitroのマクロファージによる冷やした血小板の食作用を阻害し、in vivoの正常な循環を適応させる。
我々の予備実験は、冷却したヒト血小板表面へのガラクトース輸送(グリカン修飾)を用いたGPIbαにおけるGlcNAc残基の酵素的被覆が、それらのin vitro食作用を大いに減少させたことを実証した。これらの発見の解釈は、GPIbα構造は、冷却したヒトおよびマウス血小板の表面上で変化したということである。これは、αMβ2のレクチン結合ドメインにより認識されるGlcNAcの暴露またはクラスタリングの原因となり、血小板除去を引き起こす。β−GlcNAcの暴露は、WGA結合によりおよびおそらく組み換え型αMβ2レクチンドメインペプチドの結合により測定することができる。休止しているヒト血小板は、冷却後大いに増加するWGAを結合する。我々は、ガラクトース輸送(グリカン修飾)は、αMβ2−レクチンとのGPIbαの相互作用を阻止するがvWfとの相互作用を阻止しないことを提案する。この修飾(血小板表面へのガラクトース輸送)は、予備実験により示したように、WTマウスにおける冷却した血小板の正常な生存へと導く。
この例は、αMβ2レクチン部位はWGAを模倣し、糖修飾は組み換え型レクチン部位の冷却した血小板との関与を阻止することを示す。Dr. T. Springer(Corbi, et al., J. Biol Chem. 263, 12403-12411, 1988)は、ヒトαM cDNAおよびいくつかの抗αM抗体を提供した。報告されているレクチン作用を示す最小のr−huαMコンストラクトは、そのC−Tおよびその二価陽イオン結合領域(残基400〜1098)の一部を含む(Xia et al, J Immunol 162, 7285-7293, 1999)。本コンストラクトは、精製を簡単にするため、6xHisタグ付である。
この例は、冷却した未修飾血小板および冷却しガラクトシル化した(修飾)血小板は、in vitroおよびin vivoにおいて止血機能を有することを実証する。冷却した血小板は、アゴニスト刺激血小板という意味で「活性化」されない。低体温条件下で手術を受ける患者は、血小板減少症を発現するか、または深刻な止血の術後障害を示すかもしれない。これらの低温条件下で、血小板は、自身の機能性を失うかもしれないと信じられている。しかしながら、患者が低温手術を受けるとき、全生物は、低体温症へ暴露され、したがって多くの組織における変化を引き起こす。非冷却の血小板の肝類洞内皮細胞への付着は、低温保存障害の主要な機構である(Takeda, et al. Transplantation 27, 820-828, 1999)。したがって、手術のまたは低温保存した器官の移植の低温条件下での有害な結果へと至らしめるのは、低温肝内皮および血小板の相互作用であって、血小板の冷却自体ではないようである(Upadhya et al, Transplantation 73, 1764-1770, 2002)。2つのアプローチが、冷却した血小板が止血機能を有することを示した。1つのアプローチにおいて、αMβ2欠損マウスにおける冷却した血小板の循環は、冷やした後の血小板機能の研究を簡易化する。他のアプローチにおいて、修飾し冷却したおよび(おそらく)循環している血小板の機能を試験した。
In Vivo血栓症モデル
最初に、二重蛍光標識血小板を用いて、αMβ2欠損マウスの損傷した内皮へのRTおよび未修飾の冷却した血小板の到達を示す。休止している血管を4分間観察し、その後塩化第二鉄(30μlの250mM溶液)(Sigma, St Louis, MO)を灌流により細動脈の上部に適用し、ビデオ記録をさらに10分間再開する。中心線(centerline)赤血球速度(Vrbc)を、撮影前および塩化第二鉄損傷の10分後に測定する。剪断率を、ニュートン流体についてのポアゾイユの法則(Poiseuille's law)に基づいて計算する(Denis, et al, Proc Natl Acad Sci USA 95, 9524-9529, 1998)。これらの実験は、冷却した血小板が、正常な止血機能を有しているかを示す。RTおよびガラクトシル化し冷却した血小板に対し、2つの異なる蛍光標識血小板の集団を用いて、同じマウスに注入し、WTマウスにおいてこれらの実験を繰り返し、両方の血小板の集団の血栓形成および取り込みを分析する。
血小板製剤中の血小板のガラクトシル化
4種類の異なる血小板製剤を、UDPガラクトースの濃度を増加して処置した:400μM、600μM、および800μM。RCA結合比率の測定値は、4つの試験したサンプルにおいて、ガラクトシル化の用量依存的増加を示す(図16)。本結果は、ガラクトシル化は、血小板製剤において可能であるという証拠を提供する。
Claims (41)
- 血小板を修飾する方法であって、単離された血小板の集団を、前記血小板の集団のクリアランスを減少させるのに効果的な量の少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させることを含み、ここで、前記グリカン修飾剤との接触は、UDP−ガラクトースとの接触、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方との接触である、前記方法。
- 単離された血小板の集団を、前記血小板の集団のクリアランスを減少させるのに効果的な量のUDP−ガラクトースと接触させることを含む、請求項1の方法。
- 単離された血小板の集団を、前記血小板の集団のクリアランスを減少させるのに効果的な量のUDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼと接触させることを含む、請求項1の方法。
- 血小板表面上のグリカンへのガラクトースの添加を触媒する酵素を添加することをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 単離された血小板の集団を、前記血小板の集団のクリアランスを減少させるのに効果的な量の、UDP−ガラクトース、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方と接触させること、および、血小板表面上のグリカンへのガラクトースの添加を触媒するのに効果的な量のガラクトシルトランスフェラーゼを添加することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板の集団は、実質的に正常な止血作用を保持する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板の集団を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させるステップは、血小板用バッグまたは容器内で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板を少なくとも1種のグリカン修飾剤と接触させる前、接触させるのと同時にまたは接触させた後に、血小板の集団を冷却することをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板を少なくとも3日間冷却貯蔵する、請求項8に記載の方法。
- 血小板を少なくとも5日間冷却貯蔵する、請求項8に記載の方法。
- 血小板を少なくとも7日間冷却貯蔵する、請求項8に記載の方法。
- 血小板を少なくとも10日間冷却貯蔵する、請求項8に記載の方法。
- 血小板を少なくとも14日間冷却貯蔵する、請求項8に記載の方法。
- 血小板を少なくとも21日間冷却貯蔵する、請求項8に記載の方法。
- 血小板を少なくとも28日間冷却貯蔵する、請求項8に記載の方法。
- 修飾された血小板の貯蔵時間が、修飾されていない血小板の貯蔵時間に比べて長い、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板表面上に複数の修飾グリカン分子を含む修飾血小板であって、血小板表面上の前記修飾グリカン分子はその末端がガラクトシル化されており、修飾されていない血小板の貯蔵時間に比べて長い貯蔵時間を有する、前記修飾血小板。
- 修飾グリカン分子は、GPIbα分子の部分である、請求項17に記載の修飾血小板。
- 請求項17または18に記載の修飾血小板を含む、血小板組成物。
- 貯蔵培地をさらに含む、請求項19に記載の血小板組成物。
- 薬学的に許容しうる担体をさらに含む、請求項19または20に記載の血小板組成物。
- 哺乳動物への投与のための医薬組成物を作るための方法であって、
(a)薬学的に許容しうる担体中に含有された血小板の集団をUDP−ガラクトース、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方と接触させ、処置した血小板製剤を形成するステップ、
(b)処置した血小板製剤を貯蔵するステップ、および
(c)処置した血小板製剤を加温するステップ
を含む、前記方法。 - 処置した血小板製剤を加温するステップは、血小板を37℃に加温することにより行なわれる、請求項22に記載の方法。
- UDP−ガラクトースのガラクトースをグリカン部分へ転移する酵素の存在下で、血小板の集団を、UDP−ガラクトース、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方と接触させることを含む、請求項22または23に記載の方法。
- 血小板製剤中の酵素を除去または不活性化するステップをさらに含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
- 酵素を除去または不活性化するステップは、血小板製剤を洗浄することにより行なわれる、請求項25に記載の方法。
- UDP−ガラクトースのガラクトースをグリカン部分へ転移する酵素がガラクトシルトランスフェラーゼである、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
- 修飾血小板の集団は、維持された止血作用を有する、請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板の集団をUDP−ガラクトース、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方と接触させるステップは、血小板用バッグまたは容器内で行われる、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板製剤を15℃未満の温度で貯蔵する、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
- 血小板製剤を室温で貯蔵する、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
- UDP−ガラクトース、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方を、貯蔵組成物に添加した血小板のグリカンを修飾するのに十分な量含む、血小板を保存するための貯蔵組成物。
- UDP−ガラクトースからグリカン部分へガラクトースを転移するガラクトシルトランスフェラーゼをさらに含む、請求項32に記載の組成物。
- 組成物を15℃未満の温度で貯蔵する、請求項32または33に記載の組成物。
- 組成物を室温で貯蔵する、請求項32または33に記載の組成物。
- 請求項32〜35のいずれか一項に記載の貯蔵組成物を含む、血小板を収集するための容器。
- 血小板をさらに含む、請求項36に記載の容器。
- 血小板を収集および加工するための装置であって、
血小板を収集するための容器;
前記容器との液体伝達可能に結合した少なくとも1つのサテライト容器;および
サテライト容器中に、UDP−ガラクトース、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方
を含む、前記装置。 - サテライト容器中の、UDP−ガラクトース、または、UDP−グルコースおよびUDP−グルコースα−D−ガラクトース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの両方が、容器中の血小板を保存するのに十分な量で存在する、請求項38に記載の装置。
- サテライト容器は、破壊可能なシールにより容器に連結されている、請求項38または39に記載の装置。
- 容器がさらに血小板を含有する血漿を含む、請求項38〜40のいずれか一項に記載の装置。
Applications Claiming Priority (3)
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