JP4698482B2 - 転炉の操業方法 - Google Patents
転炉の操業方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4698482B2 JP4698482B2 JP2006147304A JP2006147304A JP4698482B2 JP 4698482 B2 JP4698482 B2 JP 4698482B2 JP 2006147304 A JP2006147304 A JP 2006147304A JP 2006147304 A JP2006147304 A JP 2006147304A JP 4698482 B2 JP4698482 B2 JP 4698482B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scrap
- blowing
- converter
- radius
- hot metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Description
装入されたスクラップに関しては、スクラップ表面において、溶銑中の炭素がスクラップ界面に拡散し界面自体の融点が低下すると共に、溶銑内での脱珪反応や脱炭反応の酸化反応熱に起因する熱が伝わりスクラップ自体が溶解する。
溶銑への攪拌力に着目し、転炉内に装入されたスクラップの溶解を促進させ確実に溶かすための技術としては、例えば、特許文献1,2がある。
特許文献1の技術は、上吹きランスと底吹き羽口を有する転炉を用いて脱P吹錬を行う際に、底吹き羽口から吹き込む底吹きガスによる攪拌動力を求め、かかる攪拌動力がスクラップの最小厚さに応じて所定の関係を満たすようにしている。
また、他の文献(特許文献3)には、上底吹き転炉を用いた製鋼工程において、溶銑の脱Si、脱P、脱S処理実施における底吹き攪拌動力を1.0kW/t・s以上とし、溶銑の脱Si、脱P、脱S処理工程末期に、2.0kW/t・s以上とした上吹き攪拌動力を10〜75%低下させる技術が開示されている。
しかしながら、前述した特許文献1,2においては、溶銑を攪拌するエネルギの大きさを示す攪拌動力に関し、底吹きガスの影響のみを考慮していて、上吹き酸素による溶銑攪拌の強度や底吹きとのバランスなどは考慮されていない。加えて、他の条件であるスクラップ装入量の影響や吹錬時間の影響を考慮するものとはなっていない。したがって、特許文献1,2の技術を実際の転炉に適用することが困難であるばかりか、適用したとしてもスクラップ溶け残りが発生する可能性が否めない。
そこで、本発明は、上記問題を鑑み、上底吹き転炉において、装入されたスクラップの完全溶解を可能とする転炉の操業方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明にかかる転炉の操業方法は、上底吹き型の転炉で装入されたスクラップを溶解しながら脱炭処理を行うものであって、13.5〜16分に設定された吹錬時間内に前記スクラップを完全に溶解すべく、式(2)で求められるスクラップ半径rcと式(3),(4)で求められる100%溶解半径rc,100%とが、式(1)を満たし、且つ上吹きの攪拌動力εTと底下吹きの攪拌動力εBとが、式(5)〜(7)を満たすように、脱炭処理を行うことを特徴とする。
上吹きの攪拌動力εT、底吹きの攪拌動力εBは、式(8),式(9)を用いて算出する。
図1は、本操業方法を適用する上底吹き転炉1の概略を示したものである。
上底吹き転炉1(単に転炉と呼ぶこともある)には予めスクラップ2(冷鉄源)が装入されていて、その上で脱りん工程を経た溶銑3が流し入れられる。転炉1内の溶銑3に対しては、脱炭剤等の副原料を投入すると共に、転炉1の炉口から上吹きランス4(単にランス又はノズルと呼ぶこともある)を挿入し、溶銑3上面に近づけ、酸素ガスを吹き付ける。それと同時に、炉底に設けられた羽口5から窒素やアルゴンなどのガスを吹き込み溶銑3を攪拌しつつ脱炭精錬(吹錬)を行う。
かかる転炉1の操業においては、転炉1の設備条件や総酸素量の条件より、吹錬時間は13.5分以上16分未満とされている。
また、全吹錬時間において、ランス4から供給される上吹き酸素の流量QTは、上吹き攪拌動力εTが式(6)を満たすように調整され、転炉底面の羽口5から供給される底吹きガスの流量QBは、式(7)を満たすように調整され、溶銑3に対し弱攪拌状態となっている。同時に、式(5)を満たすように、上吹き酸素の流量QTと底吹きガスの流量QBとの割合をコントロールするとよい。
次に、式(1)〜式(7)の導出方法について述べる。
本願発明人は、転炉1において、装入されたスクラップ2の完全溶解を可能とする転炉の操業方法を検証すべく、様々な実験や過去の吹錬データの採取・分析を行った。データの採取にあたっては、後述するNiトレーサー法を用いた。
まず、スクラップ2の厚さLをもとに算出されるスクラップ半径rcという量に着目した。スクラップ半径rcとは、様々な形状を有するスクラップ2が等価的に球形状をしていると考えた場合の半径を意味するものである。
まず、転炉1に多数個のスクラップ2を装入した場合、スクラップ2同士の付着(重なりも含む)などにより溶解が遅れる状況が発生する。すなわち、スクラップ溶解時は、他のスクラップ2との相互作用の影響でその溶解挙動が変化すると考えられる。そこで、多数個のスクラップ2を装入した場合、単一スクラップ2のよりも見かけ上スクラップ半径が大きくなると考え、スクラップ半径rcは、スクラップ厚さLだけでなく、スクラップ装入量Wの影響を大きく受けると考えるに至った。
図3にその結果が示してある。まず、図3(a)には、スクラップ厚さLがL=0.20、0.25、0.28(m)の際のデータが複数プロットしてあり、横軸がlog(W/Wm)、縦軸がlog(rc)となっている。この図の各データに最もフィットする線形回帰式を求め、その傾きを求めることで、式(2)”中の係数cを求めることができ、c=0.167となった。
同様に、図3(b)には、スクラップ装入量Wと溶銑装入量Wmとの比が、0.040,0.060、0.096、0.128の際のデータが複数プロットしてあり、横軸がlog(L)、縦軸がlog(rc)となっている。この図の各データに最もフィットする線形回帰式を求め、その傾きを求めることで、式(2)”中の係数bを求めることができ、b=0.531となった。
一方、本発明の場合、転炉1においてスクラップ溶解能力を評価する場合によく用いられる100%溶解半径rc,100%は、吹錬時間θと総攪拌動力εとに関連すると考え、式(3)’と仮定した。100%溶解半径rc,100%は、この半径(大きさ)を等価的に有するスクラップ2であれば、溶け残り無く完全溶解するということを示している。
図4にその結果が示してある。まず、図4(a)には、吹錬時間θが13.5、15.5、16.0(min)の際のデータが複数プロットしてあり、横軸がlog(ε)、縦軸がlog(rc)となっている。この図のデータに最もフィットする線形回帰式を求め、その傾きを求めることで、式(3)”中の係数cを求めることができ、c=0.378となった。
図4(b)にその結果が示してある。この図より明らかなように、係数a,bはそれぞれ0.000499、1.26となり、式(3)を得ることができる。
図2には、式(2)及び式(3)で計算された値がプロットしてあり、式(1)を満足する条件下のスクラップ2が、吹錬時間中に完全に溶解することが示されるものとなっている。逆に、転炉1に装入したスクラップ2を100%完全溶解するためには、この図の左上の領域に計算結果がプロットされるように、スクラップ条件と吹錬条件を決定すればよい。すなわち、使用するスクラップ厚さLやスクラップ装入量Wが予め判っておれば、それに応じて吹錬時間θや総攪拌動力εを決定すればよいし、逆に、転炉1における吹錬時間θと総攪拌動力εが決まっていれば、それに見合うスクラップ厚さLや装入量Wのスクラップ2を装入するとよい。
次に、式(4)の導出について述べる。
本願発明者らは、上吹き攪拌と底吹き攪拌とで計算される総攪拌動力εに関し、それぞれの寄与の割合について研究を重ねた結果、上吹き攪拌の影響は底吹き攪拌に比べて、0.7程度の攪拌寄与があることを見出した。
詳しくは、本願発明者らは、底吹きガスによる攪拌強度に加え、上吹き酸素による攪拌強度や底吹きガスとのバランスなどを考慮し、総攪拌動力εを式(4)’の如く仮定した(β=0.1〜1.0)。
溶銑3〜スクラップ2間の熱伝達率hを計算するにあたっては、スクラップ溶解モデル(例えば、「スクラップ−溶鉄相互間の熱と炭素の同時移動を考慮したスクラップ溶解モデル」、磯部ら、鉄と鋼、76(1990)、p2033)等を用いるとよい。
この図からわかるように、β=0.7の場合に最も線形関係(分散R2≒1)があることが明らかとなった。ゆえに、本発明では、ε=0.7×εT+εBと規定した。
次に、式(5)に関し、上底吹き攪拌動力εTと底吹き攪拌動力εBとの比の範囲を、0.6〜1.5と規定した理由について以下に述べる。
これらのことより、本願発明人らは、効果的なスクラップ溶解には両者のバランス4が重要であるとの見解にいたって、スクラップ2ー溶銑3間の熱と炭素の速やかな移動の観点から、上底吹き攪拌動力εTと底吹き攪拌動力εBとの比の範囲を、式(5)のようにした。
一方、底吹きガスに関しては、流量QBが小さい場合にはスクラップ2が溶け残る可能性があるため、一定流量以上は大きくすることが好ましい。ところが、底吹き流量QBを大きくするためには、底吹き羽口5や底吹きガス供給設備を大容量のものに対応させる必要があり、設備面で問題が生じる可能性大である。これらのことを鑑み、底吹き攪拌動力を式(7)のように600≦εB≦1400と規定した。
スクラップ2の溶解状況はNiトレーサー法(後述)により明らかにした。
詳しくは、No25〜No45の内、式(5)〜式(7)を満たすもの(例えば、No27,39,45)は、スクラップ溶解率が90%以上で、解け残りはあるもののほとんど溶解している状況となっている。なお、No31のデータに関しては、式(5)〜(7)を満たしているが、スクラップ厚さと装入量が大きく、スクラップ溶解率が77%となっている。
No46〜48は、吹錬の途中(吹錬開始後10分)で上吹き攪拌動力εTあるいは底吹き攪拌動力εBを変化させた場合である。No46は、吹錬途中までは式(5),(6)を満たし、吹錬途中からはかかる条件を外れるようにしたものである。No47は、吹錬途中から式(5),(7)を満たすようにしたものである。No48は、吹錬途中までは式(5),(7)を満たし、吹錬途中からはかかる条件を外れるようにしたものである。どの場合も吹錬条件を変化させたために、スクラップ2の溶け残りが発生している。
なお、上述した「Niトレーサー法」とは、種々の厚さを持ち且つNi含有量が既知のスクラップ2を転炉1に一括装入し、吹錬中及び吹き止め時に数回、溶銑サンプリングを行い、誘導結合プラズマ発光分光分析法により溶銑3または溶鋼中のNi量(Ni化学分析値)を求めるものである。溶銑3中のNi量が、予め装入したスクラップ2に含有されるNi量と同じになれば、スクラップ2が完全溶解したと判定できる。また、溶銑3または溶鋼中のNi量と予め装入したスクラップ2に含有されるNi量との比により、溶解したスクラップ2の量が明らかとなる。
2 スクラップ
3 溶銑
4 上吹きランス
5 羽口
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006147304A JP4698482B2 (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 転炉の操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006147304A JP4698482B2 (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 転炉の操業方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007314848A JP2007314848A (ja) | 2007-12-06 |
JP4698482B2 true JP4698482B2 (ja) | 2011-06-08 |
Family
ID=38848980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006147304A Expired - Fee Related JP4698482B2 (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 転炉の操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4698482B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002220615A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-09 | Kawasaki Steel Corp | 転炉製鋼方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08120315A (ja) * | 1994-10-18 | 1996-05-14 | Kobe Steel Ltd | 予備精錬方法 |
-
2006
- 2006-05-26 JP JP2006147304A patent/JP4698482B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002220615A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-09 | Kawasaki Steel Corp | 転炉製鋼方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007314848A (ja) | 2007-12-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5292870B2 (ja) | 取鍋内スラグの再利用方法 | |
JP5589688B2 (ja) | 溶銑の製造方法 | |
JP2018178260A (ja) | 転炉製鋼方法 | |
JP5625654B2 (ja) | 溶銑の製造方法 | |
Emi | Optimizing steelmaking system for quality steel mass production for sustainable future of steel industry | |
JP5549198B2 (ja) | 鉄スクラップを利用した製鋼方法 | |
JP4698482B2 (ja) | 転炉の操業方法 | |
JP4698483B2 (ja) | 転炉の操業方法 | |
US20140190312A1 (en) | Method and apparatus for dephosphorising liquid hot metal such as liquid blast furnace iron | |
JP4661305B2 (ja) | 溶銑の脱炭精錬方法 | |
JP2011184753A (ja) | 溶銑脱珪方法 | |
JP4419594B2 (ja) | 溶銑の精錬方法 | |
JP2016079462A (ja) | 溶銑の精錬方法 | |
KR101412569B1 (ko) | 전로 내 슬래그 산화도 예측 방법 | |
Zhao et al. | Study on duplex process with a single converter | |
JP7248195B2 (ja) | 転炉製鋼方法 | |
US11970748B2 (en) | Steel decarburization using carbon dioxide | |
KR101412560B1 (ko) | 전로정련시 황 상승량 예측방법 | |
JP5145736B2 (ja) | 転炉型精錬炉における溶銑の脱燐処理方法 | |
WO2024106086A1 (ja) | 鋼の溶製方法 | |
JPH0892618A (ja) | 予備精錬方法 | |
Aydemir | Use of aluminium dross for slag treatment in secondary steelmaking to decrease amount of reducible oxides in ladle furnace | |
Ashok et al. | Process evaluation of AOD stainless steel making in Salem Steel Plant, SAIL | |
JP2002371313A (ja) | ステンレス溶鋼の溶製方法 | |
JP6627433B2 (ja) | コールドリサイクル方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080926 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110301 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4698482 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |