JP4697485B2 - Start control device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
本発明は、始動要求に伴いクランキングして始動を行う内燃機関の始動制御装置に関する。 The present invention relates to a start control device for an internal combustion engine that starts by cranking according to a start request.
自動車(車両)に搭載されるレシプロ式のエンジン(内燃機関)の始動は、イグニションスイッチやプッシュスイッチなど始動スイッチの操作で行われる始動要求により、始動装置が作動して、エンジンをクランキングすることで行われる。
通常、エンジンでは、始動時の負荷を低減するために、エンジン始動時、吸気バルブの閉弁時期は、圧縮行程の下死点から上死点寄りに離れた時期に設定して、有効圧縮比を低下させて、負荷を小さくしている。
When starting a reciprocating engine (internal combustion engine) mounted on an automobile (vehicle), the starter is actuated by a start request made by operating a start switch such as an ignition switch or a push switch, and the engine is cranked. Done in
Normally, in order to reduce the load at the start of the engine, when the engine is started, the closing timing of the intake valve is set to a time away from the bottom dead center of the compression stroke toward the top dead center, and the effective compression ratio To reduce the load.
近時では、吸気バルブの開閉タイミングを可変する可変動弁機構を用いて、こうした吸気バルブの閉弁時期の設定を行っている。
ところで、エンジンは、外気温が極低温での始動性が求められる。近時では、それに加え、通常燃料(ガソリン)ではなく、点火しにくいアルコール混合燃料(混合燃料)を使用した場合における始動性が求められるようになった。
Recently, the intake valve closing timing is set using a variable valve mechanism that varies the opening and closing timing of the intake valve.
By the way, the engine is required to have startability when the outside air temperature is extremely low. Recently, in addition to the usual fuel (gasoline), the startability when using an alcohol mixed fuel (mixed fuel) that is difficult to ignite has been demanded.
ところが、アルコール混合燃料は、通常燃料(ガソリン)に比べ、気化しにくい燃料である。このため、今までのような吸気バルブの閉弁時期の設定では、エンジンは始動しにくい。特にアルコール混合燃料の燃料混合比は、給油する都度、変化するので、始動性の悪さもまちまちである。
このためエンジンの始動性は、通常の燃料だけでなく、アルコール混合燃料(0〜100%)にも対応できることが望まれる。
However, alcohol-mixed fuel is a fuel that is harder to vaporize than normal fuel (gasoline). For this reason, the engine is difficult to start by setting the closing timing of the intake valve as in the past. In particular, since the fuel mixture ratio of the alcohol-mixed fuel changes every time the fuel is supplied, the startability varies.
For this reason, it is desired that the engine startability is compatible with not only ordinary fuel but also alcohol mixed fuel (0 to 100%).
そこで、特許文献1に開示されているように、自動車(車両)の燃料タンク内に濃度センサを設け、また吸気バルブの閉じるタイミングを可変する可変動弁機構を採用して、濃度センサから検出されるタンク内燃料のアルコール濃度にしたがい、エンジンの始動時、吸気バルブの閉弁タイミングを可変動弁機構で、吸気バルブの閉弁時期を下死点側へ近づけて(進角)、エンジンの始動を行うとする技術が提案されている。
同技術は、吸気バルブが閉じるタイミングが進角して、気筒の実圧縮比が増し、筒内温度が高まるので、燃料が点火しやすくなる。
しかし、燃料タンク内のアルコール濃度は、アルコール燃料の給油毎に異なる。しかも、実際にエンジンの始動に供される燃料タンクからエンジンに向かう経路内の燃料は、その給油したときの燃料混合比とは異なることが多く、エンジン始動時、気筒へ噴射されるときのアルコール混合燃料の燃料混合比は定かではない。
In this technology, the timing at which the intake valve is closed is advanced, the actual compression ratio of the cylinder is increased, and the in-cylinder temperature is increased, so that the fuel is easily ignited.
However, the alcohol concentration in the fuel tank differs for each alcohol fuel supply. In addition, the fuel in the path from the fuel tank that is actually used for starting the engine to the engine is often different from the fuel mixture ratio when the fuel is supplied, and the alcohol that is injected into the cylinder when the engine is started. The fuel mixture ratio of the mixed fuel is not certain.
特許文献1の技術は、この燃料混合比が定かではないまま、燃料タンク内でのアルコール濃度にしたがい設定された閉弁時期に、吸気バルブの閉じるタイミングを進角させるので、どうしてもエンジンの始動性は不確実となりやすい。しかも、特許文献1の技術は、吸気バルブの閉弁タイミングが変更されてから、クランキングが行われるので、始動の際の負荷は大きく、当初の負荷を小さくするための手立てが損なわれてしまう。そのうえ、特許文献1の技術は、アルコール濃度を検出するなど、別途、アルコール混合燃料の燃料混合比を検出するセンサが必要であり、不確実性に加え、コスト的な負担も大きい。
The technique of
そこで、本発明の目的は、センサを必要としない簡単な制御で、混合燃料を用いたときの始動性も高められる内燃機関の始動制御装置を提供することにある。 SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a start control device for an internal combustion engine that can improve startability when a mixed fuel is used with simple control that does not require a sensor.
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、内燃機関の吸気バルブの閉じるタイミングを可変する可変動弁機構で、内燃機関のクランキング中、クランキング期間において閉弁時期の進角を行うか否かを判定する閾値を設定し、クランキング期間が閾値を越えた際、吸気バルブの閉弁時期を所定量ずつ段階的に進角させるようにした。
同構成により、内燃機関の始動時、吸気バルブの閉じるタイミングは、クランキング中に、通常の閉弁時期から、始動が行われるまで次第に進角される。これで、クランキング中に筒内の実圧縮比は次第に高められ、筒内は燃料が点火しやすい状況になる。
In order to achieve the above object, the invention according to
With this configuration, when the internal combustion engine is started, the closing timing of the intake valve is gradually advanced from the normal valve closing timing until cranking is started during cranking. Thus, the actual compression ratio in the cylinder is gradually increased during cranking, and the fuel is easily ignited in the cylinder.
請求項2に記載の発明は、効果的に気筒内の実圧縮比を高めるために、可変動弁機構には、吸気バルブの開弁するタイミングを、ほぼ一定に保ちながら、閉弁するタイミングを可変する機構を採用した。 According to the second aspect of the present invention, in order to effectively increase the actual compression ratio in the cylinder, the variable valve mechanism has a timing for closing the valve while keeping the timing for opening the intake valve substantially constant. A variable mechanism is adopted.
請求項1の発明によれば、内燃機関の始動時、吸気バルブの閉じるタイミングは、クランキング中に、通常の閉弁時期から、始動が行われまで、次第に進角され続けるから、筒内には、点火しにくい燃料でも、さらには始動しにくい内燃機関の状況にも対応する、点火しやすい状況(実圧縮比:大)が得られる。
それ故、内燃機関は、アルコール混合燃料や極低温の環境でも、確実な始動ができる。しかも、内燃機関始動開始時の負荷の増大も抑えられる。特に燃料混合比の変化が把握しにくい混合燃料には好適である。
According to the first aspect of the present invention, when the internal combustion engine is started, the intake valve is closed during the cranking from the normal valve closing timing until it is started. This makes it easy to ignite (actual compression ratio: large), corresponding to the situation of an internal combustion engine that is difficult to start even with a fuel that is difficult to ignite.
Therefore, the internal combustion engine can be reliably started even in an alcohol-mixed fuel or a cryogenic environment. In addition, an increase in load when starting the internal combustion engine can be suppressed. It is particularly suitable for a mixed fuel in which changes in the fuel mixture ratio are difficult to grasp.
そのうえ、始動性は、センサを必要とせず、吸気バルブの閉じるタイミングを進角させるだけで確保されるから、簡単な制御であり、コスト的な負担も少ない。
しかも、進角が必要なときだけ、吸気バルブの閉弁時期を進めることができる。
加えて吸気バルブの進角は、所定量ずつ段階的に行われるから、点火しにくい燃料や、極低温の環境でも、一層、確実に内燃機関の始動ができる。
In addition, the startability is ensured only by advancing the closing timing of the intake valve without requiring a sensor, so that the control is simple and the cost is low.
In addition , the closing timing of the intake valve can be advanced only when the advance angle is necessary.
In addition, since the advance angle of the intake valve is stepped by a predetermined amount, the internal combustion engine can be started more reliably even in a fuel that is difficult to ignite or in an extremely low temperature environment.
請求項2の発明によれば、気筒内の実圧縮比を効果的に高めることができ、気筒内の温度を効果的に上昇させることができる。
According to the invention of
以下、本発明を図1〜図4に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は、内燃機関、例えばアルコール混合燃料(混合燃料)の使用が可能なレシプロ式のSOHCエンジン1の一部と、同エンジン1の制御系とを概略的に示している。
まず、エンジン1について説明すると、図1中2はシリンダブロック、3は同じくシリンダブロック2の上部に搭載されたシリンダヘッドである。このうちシリンダブロック1には気筒4(一部だけ図示)が形成されている。同気筒4内にはピストン6が往復動可能に収めてある。このピストン6が、コンロッド7、クランクピン8を介して、シリンダブロック2の下部に設けたクランクシャフト9に連結されている。
Hereinafter, the present invention will be described based on a first embodiment shown in FIGS.
FIG. 1 schematically shows a part of an internal combustion engine, for example, a reciprocating
First, the
シリンダヘッド2の下面には燃焼室11が形成されている。燃焼室11の両側には、吸気ポート12、排気ポート13が形成してある。そのうち吸気ポート12とつながる吸気マニホールド14には、燃料を噴射する燃料噴射弁15が設けてある。また吸気ポート12には吸気バルブ17が設けられ、排気ポート13には排気バルブ18が設けてある。なお、燃焼室11の中央には点火プラグ19が設けてある。またシリンダヘッド2の上部には、吸気用カム20と排気用カム21との双方を有するカムシャフト22が保持部材23を介して回転自在に設けられている。カムシャフト22は、クランクシャフト9から伝わる軸出力で駆動されるものである。
A
バルブのうち吸気バルブ17には、吸気バルブ17の閉じるタイミングを可変する可変動弁機構25(連続リフト可変動弁機構)が組み付けられている。また排気バルブ18には、通常の一義的なバルブ特性、すなわち排気用カム21のカム変位に追従して、所期に排気バルブ18を開閉駆動させるロッカアーム26が組み付けられている。
ここで、可変動弁機構25について説明すると、同機構25には、吸気用カム17の直上に配置されたセンタロッカアーム30、同センタロッカアーム30の直上に配置されたスイングカム40、同スイングカム40と隣接した吸気バルブ17側に配置された吸気ロッカアーム50を組み合わせた構造が用いられている。
Among the valves, a variable valve mechanism 25 (continuous lift variable valve mechanism) that varies the closing timing of the
Here, the
すなわち、センタロッカアーム30は、吸気用カム20の変位を受けて上下動する部品である。具体的には、センタロッカアーム30は、例えばL形のアーム部31と、同アーム部31の中間に設けた滑りローラ32とを有して構成してあり、このうち滑りローラ32が吸気用カム17のカム面と転接している。アーム部31の横方向に延びるアーム端部31aは、シリンダヘッド2の吸気バルブ17側で回転自在に支持されている制御シャフト34の外周部に支持されている。これにより、吸気用カム20のカム変位が、滑りローラ32、さらにはアーム端部31a端を支点としたアーム部31の揺動変位で、上方のスイングカム40へ伝えられるようにしている。またセンタ制御シャフト34が回動変位すると、センタロッカアーム30は、吸気用カム20との転接位置を変更しながら、カムシャフト22の軸心と交差する方向(進角や遅角方向)へ変位する。
That is, the center rocker arm 30 is a component that moves up and down in response to the displacement of the
スイングアーム40は、一端部がロッカアーム50側へ向かって突出し、反対側の他端部が、シリンダヘッド2に設けてある支持シャフト41に回動自在に支持されている。一端部の端面には、ロッカアーム50を押動するカム面42が形成されている。下部には、センタロッカアーム30の上方向に延びるアーム端部31b端に形成してある斜面35と転接する滑りローラ43が設けられている。これにより、スイングアーム40は、センタロッカアーム30が駆動されると、支持シャフト41を支点に揺動する。また制御シャフト34の回動変位により、センタロッカアーム30の吸気用カム20に対する転接位置が変更すると、スイングカム40の姿勢が変化(傾く)する。
One end of the
ロッカアーム50は、制御シャフト34をロッカシャフトとして回動変位するアーム部材51を有する。このアーム部材51の一端部には、吸気バルブ17端を押動するアジャストスクリュ部52を有し、他端部にはスイングアーム40のカム面42と転接するニードルローラ53を有している。これにより、スイングアーム40が揺動すると、カム面42でニードルローラ53が押されあるいは戻る。これで、ロッカアーム50は、制御シャフト34を支点に揺動し、吸気バルブ27を開閉させる。
The
ここで、カム面42は、上部側が吸気用カム20のベース円に相当するベース円区間とし、下部側がベース円区間と連続したリフト区間として形成してあり、制御シャフト34の回動変位により、センタロッカアーム30の滑りローラ32が、吸気用カム20の進角方向あるいは遅角方向へ変位すると、スイングカム40の姿勢が変化して、ニードルローラ53が転動するカム面42の領域が変化し、ニードルローラ53が揺動するベース区間とリフト区間の比率が変わる。この進角方向の位相変化、遅角方向の位相変化を伴うベース区間、リフト区間の比率の変化により、吸気バルブ17のバルブリフト量が、吸気用カム20のトップのカムプロフィルがもたらす低リフトから、吸気用カム20の頂部から基端部までの全体のカムプロフィルがもたらす高リフトまで連続的に可変される。と同時に、吸気バルブ17の開閉タイミングを、開弁時期よりも閉弁時期が大きく可変させる。
Here, the
つまり、可変動弁機構25により、図2に示されるように吸気バルブ17は、バルブリフト量が低リフトV1〜高リフトV7まで連続的に可変する。と共に開閉タイミングが、開弁タイミングをほぼ一定に保ちながら、閉弁タイミングが連続的に可変するという挙動で、連続的に可変される。
そして、制御シャフト34を駆動する駆動部、例えば電動モータ60は、制御部、例えばECU61(例えばマイクロコンピュータで構成されるもの)に接続されている。同ECU61は、燃料噴射弁15や点火プラグ19などにも接続されている。ECU61には予めエンジンの運転状態に応じた点火時期や燃料噴射量や燃料噴射時期や吸気バルブ制御量などといったエンジン1の運転に必要な情報が設定(マップなど)されていて、ECU61に入力されるエンジンの運転状態(例えば車速、エンジン回転数、アクセル開度など)に応じて、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、吸気バルブ17のバルブリフト量・開閉タイミングなどが制御されるようにしてある。
That is, as shown in FIG. 2, the
And the drive part which drives the
またエンジン1には、ECU61、可変動弁機構25、クランクシャフト9を回転駆動させるスタータ、例えば電動モータ67(本願の始動手段に相当)などで構成される始動制御装置65が設けられている。同始動制御装置65は、ECU61に接続された始動スイッチ、例えばプッシュスタートスイッチ66(本願の始動手段に相当)のオン操作により、始動要求信号が出力されると、電動モータ67を作動させてエンジン1をクランキングし、始動に適した点火時期、燃料噴射量、噴射時期、通常の始動用開閉タイミング(吸気バルブ)で、エンジンを始動させるものである。
Further, the
この始動制御装置65には、こうしたエンジン制御の他に、エンジン1の始動性を促進する工夫が加えられている。同工夫には、点火しにくいアルコール混合燃料など混合燃料やアルコール混合燃料やさらには極低温の環境などでも、高い始動性を発揮する制御が採用されている。
この制御は、エンジン始動時のクランキング中に、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、可変動弁機構25により進角させる技術である。
In addition to such engine control, the
This control is a technique of advancing the closing timing of the
具体的には、ECU61に、クランキング期間において吸気バルブ17の閉弁時期の進角を行うか否かの時期を判定する閾値を設定しておく。これは、例えばクランキング時間を用いた所定時間tで定め、例えばクランキングしているクランキング時間が、ある所定時間値tを越えたか否かで判定する。
ここで、所定時間値tは、通常の燃料(例えばガソリン)を使用したとき、燃料が点火されエンジン1が始動に至るときの時間値が用いられ、通常燃料のときよりも、現在の燃料噴射弁15から噴射される燃料が点火しにくいか否かを判定するものである。このため、閾値は、クランキング時間の値でなくとも、同様な結果をもたらす、エンジンの燃焼サイクルの行程数や、クランキング回転の変動(クランク角センサで得られる角速度)の値を閾値として用いても構わない。
Specifically, a threshold for determining whether or not to advance the valve closing timing of the
Here, the predetermined time value t is a time value when the fuel is ignited and the
ECU61には、クランキング期間が閾値を越えた際、ここではクランキング時間が所定時間値tを越えた際、可変動弁機構25の電動モータ60を作動させ、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、進角させる制御が設定されている(本願の閉弁タイミング制御手段に相当)。具体的には、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、所定量ずつ、段階的に進角させる制御が設定されている。同制御により、クランキング中、エンジン1の始動が行われるまで、吸気バルブ17の閉じるタイミングを次第に進角させて、気筒の実圧縮比を段階的に高めるようにしてある。つまり、点火しにくい燃料や点火しにくい環境でも、容易に燃料の点火が行われるようにしてある。図3には、この制御のフローチャートが示されている。
When the cranking period exceeds a threshold value, the
つぎに、エンジン1が始動するときの状況を同フローチャートに基づいて説明する。
今、例えばプッシュスタートスイッチ66がオン操作され、始動要求信号が出力されたとする。このとき、吸気バルブ17の開閉タイミングは、通常燃料のエンジン始動に適した時期[閉弁時期が、圧縮行程の下死点(BDC)から上死点(TDC)寄りに大きく離れている]に定めてある(図4中のα線)。
Next, the situation when the
For example, assume that the push start
この状態からECU61は、燃料噴射弁15や点火プラグ19や電動モータ67を作動させ、エンジン1をクランキングする。すると、クランキング初期は、通常の始動の如く、吸気バルブ17は、図4中の太線αに示されるリフトカーブにしたがい開閉、すなわち圧縮行程の下死点から上死点寄りに大きく離れた端を閉弁時期として開閉する。排気バルブ19は、図4中の破線に示される排気用カム20のリフトカーブにしたがい開閉する。
From this state, the
ここで、ステップS1に示されるようにECU61では、このクランキング期間が、閾値を越えるか否かを判定している。閾値には、例えば通常の燃料(ガソリン)を使用してエンジンの始動に費やす時間が用いられている。通常燃料で、通常の環境であれば、ステップS2,ステップS3へと進み、この時間で定めた所定時間値t内におけるクランキングだけで、エンジン1は始動する。
Here, as shown in step S1, the
このとき、エンジン1に使用される燃料が通常燃料でなく、燃料混合比が特定しにくいアルコール混合燃料など混合燃料が使用されたときであったとする。しかも、エンジンが極低温の環境に有ったとする(点火がしにくい環境)。このときは、燃料は、筒内で気化が十分に行われないので、始動には至らない。
このような点火がしにくい状況だと、エンジン1のクランキング期間は、長くなり、所定時間値tを越える。すると、ECU61は、現在の状況では始動は行えないと判定し、ステップS1からステップS4へ向かうルーチンへ至る。
At this time, it is assumed that the fuel used for the
In such a situation where ignition is difficult, the cranking period of the
すると、ECU61は、電動モータ60の作動により可変動弁機構25を制御して、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、所定量、進角させる。具体的には、吸気バルブ17の開閉特性は、図4中の矢印に示されるように開弁するタイミングがほぼ一定のまま変わらずに、閉弁するタイミングが、圧縮行程の下死点へ、所定量、近づくように変わる。閉弁タイミングが圧縮行程の下死点へ近づくと、気筒の実圧縮比は増加し、筒内の温度を上昇させる。これにより、筒内は燃料が気化しやすい環境になる。
Then, the
この環境により、点火しにくい混合燃料の気化が促進され、同燃料が初爆から完爆状態へ向かう。この完爆の継続により、ECU61は、エンジンが始動をしたと判定し(ステップS3)、始動制御を終える。
一方、変更した吸気バルブ17の閉タイミングでも、始動が確認されないと、再びステップS1から始まるルーチンへ戻る。そして、再びECU61は、可変動弁機構25を制御して、さらに吸気バルブ17の閉じるタイミングを、所定量、進角させる。
This environment promotes the vaporization of the mixed fuel that is difficult to ignite, and the fuel moves from the initial explosion to the complete explosion state. By continuing this complete explosion, the
On the other hand, if the start is not confirmed even at the changed closing timing of the
この進角は、エンジンの始動が確認されるまで、段階的に行われる。つまり、クランキング期間の後期は、エンジンの始動が確認されないと、図4中に示される細線βのリフトカーブのように吸気バルブ17の閉じるタイミングが、圧縮行程の下死点まで接近するまで、段階的に進角し続ける。この間、筒内における燃料の気化しやすい環境は、高められ続ける(筒内の温度上昇:大)。
This advance angle is performed in stages until the start of the engine is confirmed. That is, in the latter half of the cranking period, if the engine start is not confirmed, the timing at which the
これにより、クランキング期間の後期では、始動しにくいアルコール混合燃料など混合燃料でも、さらには極低温の環境でも、燃料の気化が促進されて、エンジン1の始動に至る。
それ故、エンジン1は、始動しにくい燃料や、極低温の環境でも、確実に始動できる。特に始動制御は、実際に気筒に供給される燃料を対象とした制御なので、たとえアルコール混合燃料の燃料混合比が変化しても、確実にエンジン1が始動できる。
As a result, in the later stage of the cranking period, fuel vaporization is promoted even in a mixed fuel such as an alcohol mixed fuel that is difficult to start, or even in an extremely low temperature environment, and the
Therefore, the
したがって、エンジンの始動性を高めることができる。特に燃料混合比の変化が把握しにくい混合燃料を使用するときには好適である。しかも、クランキング期間が無用に長くなるのが抑えられるので、始動燃料の低減が図れる。そのうえ、始動制御は、クランキング中、燃料が完爆を確認するまで、吸気バルブ17の閉じるタイミングを進角させるだけなので、簡単である。加えて、クランキング開始時、吸気バルブ17の閉弁時期は、今までと同じでよいから、始動負荷は抑えられ、始動しやすい特性を犠牲せずにすむ。さらにセンサは不要なので、コスト的な負担も少なくてすむ。そのうえ、吸気バルブ17は、クランキング期間の初期時、今までよりも遅閉じ側に変更しても、始動性が確保されるから、吸気バルブ17の遅閉じによるミラーサイクルが進められ、エンジンの燃費低減が図れる利点もある。
Therefore, the startability of the engine can be improved. It is particularly suitable when using a mixed fuel in which changes in the fuel mixture ratio are difficult to grasp. In addition, since it is possible to prevent the cranking period from becoming unnecessarily long, the starting fuel can be reduced. In addition, the start control is simple because the timing of closing the
特に可変動弁機構25には、吸気バルブ17の開弁するタイミングを、ほぼ一定にしながら、閉弁するタイミングを可変する機構を採用すると、気筒内の実圧縮比を効果的に高められるから、気筒内の温度を効果的に上昇させることができ、エンジンに高い始動性をもたらせることができる。
また始動制御には、閉弁時期の進角を行うか否かを判定する閾値を設定し、クランキング期間が閾値を越えると、吸気バルブ17の閉弁時期を進角させる制御を採用したので、進角が必要なときだけ、吸気バルブ17の閉じるタイミングを進めることができ、効果的に進角制御が行える。しかも、吸気バルブ17の進角を、段階的に進むようにすると、どのような始動しにくい燃料や、極低温の環境でも、一層、エンジン1の始動が確実なものとなる。
In particular, the
In addition, since a threshold for determining whether or not to advance the valve closing timing is set for the start control, and when the cranking period exceeds the threshold, control for advancing the valve closing timing of the
図5および図6は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、可変動弁機構として、第1の実施形態のようなバルブリフトとバルブ開閉タイミングとの双方を連続的に可変する連続リフト可変動弁機構を用いたのではなく、吸気バルブ8の位相を連続的に可変する連続位相可変式動弁機構70を用いたものである(DOHCのエンジンに適用)。
5 and 6 show a second embodiment of the present invention.
This embodiment does not use the continuous lift variable valve mechanism that continuously varies both the valve lift and the valve opening / closing timing as in the first embodiment as the variable valve mechanism. The continuous phase variable
すなわち、同機構70は、例えば吸気用カムスプロケット72を有する短筒形のハウジング73内に、進角室74および遅角室75設け、これら進角室74〜遅角室75間に、吸気用のカムシャフト22aにつながるベーン75を設けて、油圧の供給により、ベーン75を遅角室74〜進角室75へ変位させることによって、吸気用カム20の位相を遅角したり進角させたりする。
That is, the
この連続位相可変式動弁機構70を用いて、図6に示されるようにエンジンのクランキング中に、吸気バルブ17の位相を、例えばクランキング期間初期の太線αからクランキング期間後期の細線βのように変えることによって、吸気バルブ17が閉じるタイミングを進角させてもよい。
図7および図8は、本発明の第3の実施形態を示す。
By using this continuous phase
7 and 8 show a third embodiment of the present invention.
本実施形態は、可変動弁機構として、吸気バルブ17の開弁期間を連続的に可変する連続開弁期間可変式動弁機構80を用いたものである(DOHCのエンジンに適用)。
同機構80は、吸気用カムシャフト10の一定回転を不等速回転に変えて、吸気バルブ17の開弁期間を連続的に可変させる。
すなわち、同機構80は、吸気用のカムシャフト22aの外周面に、吸気用カム20を有するカムローブ82を回転自在に外嵌させる。またカムシャフト22aの回転を、ハーモニックリング83を用いた不等速機構84で、所定周期で速度を変化させて、カムローブ82に伝える。そして、ハーモニックギヤ85で、ハーモニックリング83の偏心位相を制御して、吸気用カム20が吸気バルブ17の基端部を通過する速度を連続的に可変させるものである。
In the present embodiment, a
The
In other words, the
この連続開弁期間可変式動弁機構80を用いて、図8に示されるようにエンジンのクランキング中に、吸気バルブ17の開弁期間を、例えばクランキング期間初期の太線αからクランキング期間後期の細線βのように変えることによって、吸気バルブ17が閉じるタイミングを進角させてもよい。
なお、本発明は上述したいずれの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。
Using this continuous opening period variable
In addition, this invention is not limited to any embodiment mentioned above, You may implement in various changes within the range which does not deviate from the main point of this invention.
17 吸気バルブ
25 可変動弁機構
61 ECU(閉弁タイミング制御手段)
66,67 電動モータ,プッシュスタートスイッチ(始動手段)
17
66, 67 Electric motor, push start switch (starting means)
Claims (2)
前記内燃機関の吸気バルブの閉じるタイミングを可変する可変動弁機構と、
前記クランキング中に、前記吸気バルブの閉じるタイミングを進角させるように前記可変動弁機構を制御する閉弁タイミング制御手段とを有し、
前記閉弁タイミング制御手段は、クランキング期間において閉弁時期の進角を行うか否かを判定する閾値が設定され、クランキング期間が前記閾値を越えた際、前記吸気バルブの閉弁時期を所定量ずつ段階的に進角させるように前記可変動弁機構を制御する
ことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。 When the internal combustion engine is requested to start, starting means for starting the internal combustion engine by cranking while opening and closing the intake valve;
A variable valve mechanism for varying the closing timing of the intake valve of the internal combustion engine;
A valve closing timing control means for controlling the variable valve mechanism so as to advance the closing timing of the intake valve during the cranking ;
The valve closing timing control means sets a threshold value for determining whether or not to advance the valve closing timing in the cranking period. When the cranking period exceeds the threshold value, the valve closing timing control means determines the closing timing of the intake valve. An internal combustion engine start control apparatus , wherein the variable valve mechanism is controlled so as to be advanced step by step by a predetermined amount .
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